JPH09305948A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09305948A
JPH09305948A JP11512096A JP11512096A JPH09305948A JP H09305948 A JPH09305948 A JP H09305948A JP 11512096 A JP11512096 A JP 11512096A JP 11512096 A JP11512096 A JP 11512096A JP H09305948 A JPH09305948 A JP H09305948A
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JP11512096A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sato
毅志 佐藤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グライド高さが低く、CSS耐久性が向上し
た磁気記録媒体の提供。 【解決手段】 基板12上に少なくとも磁性層14が設
けられてなる本発明の磁気記録媒体10は、該基板12
と該磁性層14との間に多数の突起からなる凹凸層19
が設けられ、該突起は低い突起と高い突起とが混在した
ものであり、且つ該低い突起の数が該高い突起の数より
も多く、該磁気記録媒体10の表面に該凹凸層19の該
突起に対応する凹凸が形成されていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
するものであり、更に詳しくは、媒体の表面形状をコン
トロールすることにより、グライド高さが低く、CSS
耐久性が向上した磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンピ
ュータ等の外部記憶装置として用いられている固定ディ
スク等の磁気ディスクにおいては、その電磁変換特性を
向上させるための手段の一つとして、磁気ヘッドと磁気
ディスクとの間の距離、即ちグライド高さを小さくする
方法が用いられている。従って、一般に磁気ディスクの
表面は平滑であることが好ましいといえるが、あまりに
平滑過ぎると、磁気ヘッドが磁気ディスクに貼り付く、
いわゆるヘッド吸着の現象が起き、磁気ディスクや磁気
ヘッドが損傷するおそれがある。そこで、磁気ディスク
の表面を適度な粗さにするためのテクスチャ処理が一般
に行われている。
【0003】かかるテクスチャ処理としては、磁気ディ
スクの基板にテクスチャ処理を施す方法や、基板の上に
テクスチャ層を形成する方法が挙げられる。そして、基
板にテクスチャ処理を施す方法としては、基板の表面を
機械的又は化学的に研磨する方法や熱酸化する方法があ
る。一方、テクスチャ層を形成する方法としては、基板
上に低融点金属を真空蒸着させて凹凸形状を形成する方
法がある。
【0004】これらのテクスチャ処理によれば、適度な
凹凸形状が磁気記録媒体の表面に形成されるものの、そ
の表面プロフィールは、図5(a)に示すように、ほぼ
同じ高さの突起が稠密に配置された形状である。従っ
て、該磁気記録媒体と磁気ヘッドスライダーとの接触面
積が大きく、また、該磁気記録媒体が磨耗すると、図5
(b)に示すように、接触面積が一層増大し、その結果
CSS耐久性が低下する。特に低グライド高さを実現し
ようとする場合には、粗さ全体を低減する必要が有り
〔図6(a)〕、それ故さらに接触面積の増大が急激に
進行し〔図6(b)〕、CSS耐久性が著しく低下し
て、耐久性の確保が極めて困難となる。
【0005】従って、本発明の目的は、グライド高さが
低く、CSS耐久性が向上した磁気記録媒体を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らは鋭意検討したところ、基板と磁性層との間
に多数の突起を有する特定の凹凸層を形成して、磁気記
録媒体の表面に該突起に対応する凹凸形状を付与するこ
とにより、磁気記録媒体の表面が磨耗した場合における
磁気ヘッドとの接触面積の急激な増大を防止し得ること
を知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、基板上に少なくとも磁性層が設けられてなる磁気記
録媒体において、該基板と該磁性層との間に多数の突起
を有する凹凸層が設けられ、該突起は低い突起と高い突
起とが混在したものであり、且つ該低い突起の数が該高
い突起の数よりも多く、該磁気記録媒体の表面に該凹凸
層の該突起に対応する凹凸が形成されていることを特徴
とする磁気記録媒体を提供することにより、上記目的を
達成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて、好ましい一実施形態を図面を参照して説明する。
ここで、図1は、本発明の磁気記録媒体の好ましい一実
施形態の構造を表す概略図である。
【0009】図1に示す実施形態の磁気記録媒体10
は、基板12上に磁性層14が設けられている。該基板
12と該磁性層14との間には、Ti又はTi合金層1
5、Al−M−O系合金層16(Mはカーバイド形成能
を有する金属である)及び800℃以下で稠密六方格子
構造をとる金属材料からなる層17が該基板12上に順
次設けられている。該層17の上面18側(即ち、上記
磁気記録媒体10の表面側)には該層17を構成する金
属材料によって多数の突起が形成されており、その結
果、該層15、16及び17の3層によって凹凸層19
が形成されている。即ち、該凹凸層19は、3層から構
成され且つ多数の突起を有するものである。また、該層
17と該磁性層14との間には体心立方構造をとる金属
材料からなる非磁性下地層20が形成されている。更
に、該磁性層14上には、保護層22及び潤滑剤層24
が順次形成されている。
【0010】上記非磁性下地層20、上記磁性層14、
上記保護層22及び上記潤滑剤層24は、それぞれ、上
記凹凸層19の上記突起に対応する凹凸形状を有してい
る。その結果、上記磁気記録媒体10の表面には該凹凸
層19の該突起に対応する同一又は類似の凹凸が形成さ
れている。該凹凸によって、該磁気記録媒体10の表面
が磨耗した場合における磁気ヘッドとの接触面積の急激
な増大を防止することができる。尚、図1においては、
各層における凹凸形状、及び上記磁気記録媒体10の表
面における凹凸形状は、簡便のために省略されている。
以下、上記磁気記録媒体10を構成する各層についてそ
れぞれ説明する。
【0011】まず、上記層15について説明すると、該
層は、Ti又はTi合金からなる層である。該Ti合金
としては、例えば、Ti−Si、Ti−Cr、Ti−T
a等を用いることができる。かかる層15は、真空蒸
着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理的
気相成長法(PVD)で形成することができる。また、
かかる層15の厚さは、5〜150nmであることが好
ましい。
【0012】次に、上記層16について説明すると、該
層は、Al−M−O系合金からなる層である。ここで、
Mはカーバイド形成能を有する金属であり、Si、C
r、Ta、Ti、Zr、Y、Mo、W及びVが好ましく
用いられ、特に好ましくはSiが用いられる。この場
合、Mとしては、上記金属の1種又は2種以上を用いる
ことができる。上記Al−M−O系合金における金属M
の濃度(重量基準)は、使用する金属の種類にもよる
が、1〜10%であることが好ましい。一方、Oの濃度
(重量基準)は、1〜50%であることが好ましく、1
〜30%であることが更に好ましい。かかるAl−M−
O系合金からなる層は、スパッタリング等のPVDで形
成することができ、特にAl−M系合金を(Ar+
2 )ガス雰囲気下でスパッタリングして形成すること
が好ましい。スパッタリングの条件としては、Arガス
の圧力は、2〜30mTorrであることが好ましく、
2 ガスの圧力は、Arガス圧力の1〜50%であるこ
とが好ましい。また、スパッタリング時の基板温度は、
該Al−Si−O系合金からなる層が稠密な凹凸形状を
形成しないような温度以下とすることが好ましく、具体
的には室温〜150℃であることが好ましい。上記層1
6の厚さは、10〜150nmであることが好ましい。
【0013】次に、上記層17について説明すると、該
層17は、800℃以下で稠密六方格子構造をとる金属
材料からなる。かかる金属材料としては、Ti、Zr、
Sc、Y、Zn及びCd並びにこれらの合金が好ましく
用いられ、特に好ましくはTi及びTi合金が用いられ
る。該Ti合金としては、上記層15において用いられ
るTi合金と同様のものを用いることができる。上記層
17の厚さは、5〜200nmであることが好ましい。
また、上記層17は、公知の薄膜形成手段、例えば、ス
パッタリング、真空蒸着及びイオンプレーティング等の
PVDによって形成することができる。
【0014】以上の層15、16及び17の3層が、上
記基板12上に順次形成されることにより、該層17の
上面18側に(即ち、上記磁気記録媒体10の表面
側)、低い突起と高い突起とが混在した多数の突起が形
成され、これら3層によって凹凸層19が構成される。
そして、該層15、16及び17のうちの何れか一層で
も欠けると、該突起が全く形成されないか、又は低い突
起のみが形成されるので、磁気記録媒体の表面が磨耗し
た場合における磁気ヘッドとの接触面積の急激な増大を
効果的に防止することが容易でなくなる。
【0015】次に、図1に示す実施形態の磁気記録媒体
10における上記基板12及び上記磁性層14について
説明すると、該基板12としては、磁性及び非磁性の基
板の何れをも用いることができるが、一般には非磁性基
板が用いられる。該非磁性基板としては、例えば、Al
基板、NiPめっきAl合金基板、強化ガラス基板、結
晶化ガラス基板、セラミックス基板、Si合金基板、T
i基板、Ti合金基板、プラスチック基板、カーボン基
板、及びこれらの複合材料から成る基板等が使用でき
る。特に、カーボン基板、就中ガラス状カーボン基板
は、小径/薄板化に有利であり、耐熱性に優れ、しかも
導電性も有しているので、本発明において好ましく用い
られる。
【0016】一方、上記磁性層14について説明する
と、該磁性層14としては、例えば、スパッタリング等
のPVDにより形成された金属薄膜型の磁性層を挙げる
ことができる。該金属薄膜型の磁性膜を形成する材料と
しては、例えばCoCr、CoNi、CoCrX(但
し、X=Crを除く)、CoCrPtX(但し、X=C
r及びPtを除く)、CoSm、CoSmX(但し、X
=Smを除く)、CoNiX(但し、X=Niを除く)
及びCoWX(但し、X=Wを除く)(ここで、Xは、
Ta、Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、
Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、
B、Ca、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、
Ag、Sb及びHf等からなる群より選ばれる1種又は
2種以上の金属を示す)等で表されるCoを主成分とす
るCo系の磁性合金等を好ましく挙げることができる。
使用に際しては、これらを単独で又は2種以上組み合わ
せて用いることができる。上記磁性層14の厚さは20
〜50nmであることが好ましい。
【0017】また、上記非磁性下地層20について説明
すると、該非磁性下地層20は、体心立方構造をとる金
属材料からなる。かかる金属材料としては、Cr、M
o、W、V、Nb及びTa並びにこれらの合金が好まし
く用いられ、特に好ましくはCr又はCrを含む二元合
金が用いられる。該Crを含む二元合金の例としては、
CrTi、CrMo、CrW、CrNb、CrSi、C
rCo及びCrTa等を挙げるこができる。該非磁性下
地層20の厚さは、5〜150nmであることが好まし
い。尚、該非磁性下地層20は、スパッタリング等のP
VDを用いて形成することができる。
【0018】また、図1に示す実施形態の磁気記録媒体
10において、上記磁性層14上に順次設けられる保護
層22及び潤滑剤層24としては、通常の磁気記録媒体
において用いられるものを特に制限無く用いることがで
きる。例えば、上記保護層22としては、耐磨耗性の点
から硬度の高い材料が用いられ、具体的にはAl、S
i、Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、W等の金属
の酸化物、窒化物、炭化物や、ダイヤモンドライクカー
ボン等のカーボンが好ましく用いられる。一方、上記潤
滑剤層24は、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を
塗布する方法や、フッ化炭素系化合物と酸素とを気相重
合(特に光CVD)する方法(例えば、特願平6−28
6940号記載の方法等)により形成することができ
る。
【0019】図1に示す実施形態の磁気記録媒体10に
おいては、上述の通り、上記層15、16及び17の3
層から構成され且つ多数の突起を有する凹凸層19を形
成することにより、該磁気記録媒体10の表面に適度な
凹凸形状が付与される。尚、該凹凸層19には、その全
面に亘って上記突起が実質的に形成されているが、本発
明の効果を損なわない限度において該突起が形成されて
いない部分が存在していてもよい。該凹凸層19におけ
る該突起は、図2及び図3に示すように、低い突起30
と高い突起31とが混在したものであり、且つ該低い突
起の数が該高い突起の数よりも多くなっている。その結
果、該凹凸層19の該突起に対応する凹凸が形成された
磁気記録媒体10の表面においては、該表面が磨耗した
場合であっても図4に示すように磁気ヘッドとの接触面
積が急激に増大しないので、該磁気記録媒体10のCS
S特性を向上させることができる。尚、該低い突起30
と該高い突起31とは、磁気記録媒体10の面内方向に
おいて、互いにほぼ均一に分布している。また、該低い
突起30と該高い突起31とは、バイモーダル(bimoda
l )的に分布している。尚、本明細書において、「低い
突起」及び「高い突起」とは、図3に示すように、その
頂点が該凹凸層19の中心線32よりも上に位置するも
のをいう。従って、該凹凸層19には、図3に示すよう
に、該低い突起及び該高い突起以外に、該中心線32よ
りも下に位置する突起も存在している。
【0020】図1に示すように、上記凹凸層19は、上
記磁気記録媒体10の面内方向において連続した層とな
っていることが好ましい。該凹凸層19が連続した層と
なっていることによって、上記磁気記録媒体10の表面
が磨耗した場合における磁気ヘッドとの接触面積の急激
な増大を一層効果的に防止でき、磁気記録媒体のCSS
特性を一層向上させ得るので好ましい。
【0021】図3に示すように、上記凹凸層19におい
ては、上記低い突起30は、その高さが該凹凸層19の
中心線32を基準として50Åよりも低く(即ち、該中
心線32からの高さが50Å未満)、且つ上記高い突起
31は、その高さが該凹凸層19の中心線32を基準と
して50Å以上であることが好ましい。また、該凹凸層
19においては、該高い突起31の存在密度が2×10
4 個/mm2 以下であることが好ましい。該凹凸層19
が、かかる構造を有することによっても、上記磁気記録
媒体10の表面が磨耗した場合における磁気ヘッドとの
接触面積の急激な増大を一層効果的に防止でき、磁気記
録媒体のCSS特性を一層向上させ得るので好ましい。
上記低い突起30の高さは、上記中心線32を基準とし
て20Å以上50Å未満であることが更に好ましく、2
5〜45Åであることが一層好ましい。また、上記高い
突起31の高さは、上記中心線32を基準として50〜
300Åであることが更に好ましく、60〜250Åで
あることが一層好ましい。更に、該高い突起31の存在
密度は18000〜1000個/mm2 であることが更
に好ましく、15000〜3000個/mm2 であるこ
とが一層好ましい。上記低い突起30の存在密度と上記
高い突起31の存在密度との比(前者:後者)は10
0:1〜5:1であることが好ましく、75:1〜1
5:1であることが更に好ましい。上記低い突起30及
び上記高い突起31の高さ並びにこれらの突起の存在密
度は、原子間力顕微鏡(AFM)観察によって測定する
ことができる。また、本明細書において「中心線」と
は、JIS B0601 表面粗さに定義されるものを
いう。
【0022】上記凹凸層19における上記突起30、3
1は、該突起30、31を、上記中心線32沿って磁気
記録媒体の面内方向に切断した場合の断面形状を円近似
したときの直径が平均値で0.75μm以下であること
が好ましく、0.70〜0.15μmであることが更に
好ましく、0.65〜0.25μmであることが一層好
ましい。該直径を0.75μm以下とすることによっ
て、上記磁気記録媒体10の表面が磨耗した場合におけ
る磁気ヘッドとの接触面積の急激な増大を一層効果的に
防止でき、磁気記録媒体のCSS特性を一層向上させ得
るので好ましい。該直径は、AFM観察によって測定す
ることができる。
【0023】本発明の磁気記録媒体は、例えば、磁気ド
ラム、磁気テープ、磁気カード及び磁気ディスク等とし
て有用であり、特に固定ディスク等の磁気ディスクとし
て有用である。
【0024】以上、本発明の磁気記録媒体を、その好ま
しい一実施形態に基づいて説明したが、本発明の磁気記
録媒体は、かかる実施形態に限定されるものではなく、
種々の変更形態が可能である。例えば、図1において、
上記非磁性下地層20と磁性層14との間に、両者の密
着性を向上させたり、該磁性層14の磁気特性を向上さ
せる目的で、1層又は複数の下地層やアモルファス層を
設けてもよい。また、上記基板12と上記層15との間
に、両者の密着性を向上させたり、該基板12の表面状
態を調整する目的で、1層又は複数のベース層を設けて
もよい。また、上記凹凸層19は、磁気記録媒体の面内
方向において不連続な層であってもよい。また、上記凹
凸層19は、単一の層から形成されていてもよい。尚、
上記の説明以外に特に詳述しなかった点については、従
来の磁気記録媒体に関する説明が適宜適用される。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものでは
ない。
【0026】〔実施例1〕図1に示す磁気ディスクを下
記の手順により作製した。即ち、密度1.5g/cm3
のガラス状カーボン製のディスク状基板(サイズ1.8
インチ、厚さ25ミル)を研磨し、中心線平均粗さRa
を0.8nmにした。この基板上に、Arガス雰囲気
(圧力3mTorr)中でのDCマグネトロンスパッタ
リングにより(基板温度200℃)、厚さ50nmのT
i層(層15)を形成した。この層の上に、Al−Si
(10wt%)ターゲットを用いたAr+O2 (10
%)の混合ガス雰囲気(圧力3mTorr)中でのDC
マグネトロンスパッタリングにより(基板温度100
℃)、厚さ100nmのAl−Si−O系合金からなる
層(層16)を形成した。次いで、この層の上に、Ar
ガス雰囲気(圧力3mTorr)中でのDCマグネトロ
ンスパッタリングにより(基板温度200℃)、厚さ5
0nmのTi層(層17)を設けた。このとき、基板側
に−100Vのバイアス電圧を印加してスパッタリング
を行った。これにより、Ti層/Al−Si−O層/T
i層から構成され且つ多数の突起を有する凹凸層を形成
した。引き続き、該Ti層上に厚さ50nmのCr層
(層20)を設け、更に該Cr層上に、Arガス雰囲気
(圧力3mTorr)中でのDCマグネトロンスパッタ
リングにより(基板温度200℃)厚さ35nmのCo
CrTa系磁性層、及び厚さ20nmのガラス状カーボ
ン保護層を順次設けた。該保護層上に、アウジモント社
製フォンブリンAM2001をディップコーティングし
て厚さ2nmの潤滑剤層を設け、磁気ディスクを得た。
【0027】得られた磁気ディスクについて、凹凸層の
突起の高さ、高い突起の存在密度及び突起を円近似した
ときの直径、並びに磁気ディスクのCSS耐久性を下記
の方法により測定した。その結果を表2に示す。
【0028】<凹凸層の突起の高さ、高い突起の存在密
度及び突起を円近似したときの直径>原子間力顕微鏡
(DI社製「Nano ScopeIII 」)を用い、タ
ッピングAFMモードで測定した。
【0029】<CSS耐久性>ヤマハ社製の薄膜ヘッド
(Al2 3 ・TiC製スライダヘッド)を用い、ヘッ
ド荷重3.5g、ヘッド浮上量2.8μインチ、450
0rpmで5秒間駆動、5秒間停止のサイクルを繰り返
して行い、50000サイクル後の静摩擦係数(μs)
が0.6未満のものを“○”、0.6〜0.8のものを
△、0.8以上のものを“×”とした。
【0030】〔実施例2及び比較例1〜4〕表1に示す
条件にて実施例1と同様の操作により磁気ディスクを作
製した。得られた磁気ディスクについて実施例1と同様
の測定を行った。その結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表2に示す結果から明らかなように、基板
と磁性層との間に多数の突起を有する凹凸層が設けられ
ている本発明の磁気ディスク(実施例1及び2)は、比
較例1〜4の磁気ディスクに比して、CSS耐久性に優
れていることが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、磁気記
録媒体の表面が磨耗した場合における磁気ヘッドとの接
触面積の急激な増大が防止され、磁気記録媒体のグライ
ド高さが低くなり、CSS耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の好ましい一実施形態の
構造を表す概略図である。
【図2】凹凸層の表面の原子間力顕微鏡像である。
【図3】凹凸層の原子間力顕微鏡像の断面プロフィール
である。
【図4】本発明の磁気記録媒体の表面が磨耗した場合に
おける該表面の要部を拡大して示す模式図である。
【図5】従来の磁気記録媒体の表面プロフィールを示す
模式図である。
【図6】従来の磁気記録媒体の別の表面プロフィールを
示す模式図である。
【符号の説明】
10 磁気記録媒体 12 基板 14 磁性層 15 Ti又はTi合金層 16 Al−M−O層 17 800℃以下で稠密六方格子構造をとる金属材料
からなる層 19 凹凸層 20 非磁性下地層 22 保護層 24 潤滑剤層 30 低い突起 31 高い突起 32 中心線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に少なくとも磁性層が設けられて
    なる磁気記録媒体において、 該基板と該磁性層との間に多数の突起を有する凹凸層が
    設けられ、 該突起は低い突起と高い突起とが混在したものであり、
    且つ該低い突起の数が該高い突起の数よりも多く、 該磁気記録媒体の表面に該凹凸層の該突起に対応する凹
    凸が形成されていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記凹凸層が磁気記録媒体の面内方向に
    おいて連続した層である、請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記低い突起は、その高さが上記凹凸層
    の中心線を基準として50Åよりも低く、上記高い突起
    は、その高さが該凹凸層の中心線を基準として50Å以
    上であり、且つ該高い突起の存在密度が2×104 個/
    mm2 以下である、請求項1又は2記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 上記突起は、該突起を上記中心線に沿っ
    て磁気記録媒体の面内方向に切断した場合の断面形状を
    円近似したときの直径が平均値で0.75μm以下であ
    る、請求項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記凹凸層が、上記基板上に順次設けた
    Ti又はTi合金層、Al−M−O系合金層(Mはカー
    バイト形成能有する金属)及び800℃以下で稠密六方
    格子構造をとる金属材料からなる層から構成されてお
    り、上記突起が、800℃以下で稠密六方格子構造をと
    る該金属材料からなる層の上面側に形成されている、請
    求項1〜4の何れかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記Al−M−O系合金中のMが、S
    i、Cr、Ta、Ti、Zr、Y、Mo、W又はVであ
    り、酸素の濃度が1〜50%である、請求項1〜5の何
    れかに記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記基板がカーボン基板である、請求項
    1〜6の何れかに記載の磁気記録媒体。
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