JPH09304798A - 光偏向器 - Google Patents

光偏向器

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JPH09304798A
JPH09304798A JP11771096A JP11771096A JPH09304798A JP H09304798 A JPH09304798 A JP H09304798A JP 11771096 A JP11771096 A JP 11771096A JP 11771096 A JP11771096 A JP 11771096A JP H09304798 A JPH09304798 A JP H09304798A
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JP
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thin film
optical
optical waveguide
substrate
optical deflector
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JP11771096A
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English (en)
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Tsuyoshi Iwamoto
剛志 岩本
Naoki Nishida
直樹 西田
Shunichi Hayamizu
俊一 速水
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな入力電力で高い回折効率を得て、高い
精度で導波光を偏向することができる光偏向器を得る。 【解決手段】 光偏向器1は、概略、基板2と、この基
板2上にSiO2薄膜等からなる光学的バッファ層3を
介して形成された圧電性薄膜光導波路4と、表面弾性波
を発生させるためのトランスジューサ5と、入射用グレ
ーティングカプラ15及び出射用グレーティングカプラ
16にて構成されている。トランスジューサ5によっ
て、表面弾性波として、レーリー波の2次モードである
セザワ波を発生させる。基板2としては、Si基板ある
いはサファイア基板等が用いられる。圧電性薄膜光導波
路4としては、膜厚が3.2μmのZnO薄膜等が用い
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光偏向器、特に、
圧電性薄膜光導波路を用いた音響光学光偏向器であっ
て、光コンピュータの光スイッチや光変調器、光通信の
光スイッチや光分波器や光変調器、レーザビームプリン
タ・複写機・スキャナ等の光偏向部や光変調部等に用い
られる光偏向器に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜光導波路を進行する光は薄膜光導波
路を伝搬する表面弾性波と音響光学相互作用(ブラッグ
回折)することによって偏向させられるという周知の技
術を利用する光偏向器が種々提案されている。従来の光
偏向器は、基板と、圧電性材料からなる薄膜光導波路
と、表面弾性波を発生するためのトランスジューサと、
薄膜光導波路に光を入射するための光入射手段と、薄膜
光導波路を進行する光を外部に出射するための光出射手
段とを備えたものである。そして、トランスジューサに
印加する高周波入力電力の周波数を変化させて薄膜光導
波路を伝搬する表面弾性波の波長を変え、薄膜光導波路
を進行する光の偏向角度を高速かつ高精度で制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光偏向器は表面弾性波として、レーリー波を利用してい
たため、圧電性薄膜光導波路の電気機械結合係数k2
小さく、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効
率が悪かった。
【0004】例えば、溶融石英基板上に光導波路として
ZnO薄膜を形成し、このZnO薄膜上にトランスジュ
ーサの櫛歯状電極を形成した構造の光偏向器において、
表面弾性波としてレーリー波を利用した場合、電気機械
結合係数k2は最も高い数値でも約0.012であり、
この数値は十分満足のゆくものではなかった。このた
め、光導波路を進行する導波光の音響光学相互作用によ
る回折効率が悪かった。従って、所望の表面弾性波エネ
ルギーを得ようとすると、トランスジューサに印加する
高周波入力電力を大きくする必要がある。その場合、ト
ランスジューサでの発熱量が多くなり、その熱によって
光導波路の屈折率が変化する。
【0005】ここで、以下の(1)式を満足する角度θ
(ブラッグ角)で、導波光が表面弾性波の波面に対して
入射したときにブラッグ回折が起き、偏向される。 θ=sin-1(λ/2Λ) ……(1) λ:導波光の波長 Λ:表面弾性波の波長
【0006】ところが、トランスジューサの熱によって
光導波路の屈折率がnからn’に変化すると、導波光の
波長λもλ’=(n/n’)λに変化するので、(1)
式より、ブラッグ角もθ’=sin-1(λ’/2Λ)と
なる。一方、回折効率(=回折光強度/入射光強度)
は、導波光がブラッグ角で表面弾性波と交差する場合に
最も高い値となり、導波光の入射角度がブラッグ角から
ずれるにつれて回折効率が悪くなる。従って、トランス
ジューサでの熱の発生は、導波光の入射角度をブラッグ
角からずらして回折効率の低下を引き起こし、光偏向器
から出射する光の強度低下をもたらすことになる。
【0007】また、トランスジューサでの発熱は、表面
弾性波の伝搬速度を変化させる。例えばトランスジュー
サが傾斜指チャープ型櫛歯状電極で、その櫛歯状電極に
時間的に周波数が変化する高周波電気信号を印加する場
合、周波数fの信号を印加して波長Λの表面弾性波を発
生させるとする。このときの表面弾性波の伝搬速度をv
とすると、以下の(2)式の関係がある。 v=fΛ ……(2)
【0008】ところが、トランスジューサの熱によって
表面弾性波の伝搬速度がvからv’に変化すると、周波
数fは変化しないので、(2)式より表面弾性波の波長
はΛ’=(v’/v)Λとなる。従って、(1)式より
導波光の偏向角は、θ1からθ1’=sin-1(λ/(2
(v’/v)Λ))に変化する。つまり、トランスジュ
ーサでの熱の発生は、導波光の偏向角を変化させる。そ
の結果、光偏向器から出射する光の出射角が変動する。
【0009】以上のことから、トランスジューサの発熱
が無視できない場合は、光偏向器の最も重要な性能の一
つである出射光の強度安定性と出射角精度を著しく低下
させることになる。
【0010】また、大きな電力をトランスジューサに入
力するため、トランスジューサの耐久性が低下する。さ
らに、大きな電力を入力するということは、周辺に対し
て大きな電磁波を発生させることを意味しており、光偏
向器の周辺の回路や機器等の誤動作を招いたり、人体等
にも悪影響を及ぼす心配がある。このような悪影響を周
辺に及ぼさないようにするためには、光偏向器を金属板
等にてシールドする必要がある。しかし、このような処
置は製造コストのアップや部品サイズのアップを招くと
いう問題があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、小さな入力電力
で高い回折効率を得て、高い精度で導波光を偏向するこ
とができる光偏向器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段と作用】以上の目的を達成
するため、本発明に係る光偏向器は、(a)基板と
(b)前記基板上の圧電性薄膜光導波路と、(c)電気
信号を変換して表面弾性波を発生させるためのトランス
ジューサと、(d)前記圧電性薄膜光導波路に光を入射
するための光入射手段と(e)前記圧電性薄膜光導波路
を進行する光を外部に出射するための光出射手段とを備
え、(f)前記表面弾性波がセザワ波であること、を特
徴とする。具体的には、例えば、基板としてはSi基板
やサファイア基板等が用いられ、圧電性薄膜光導波路と
してはZnO薄膜等が用いられる。
【0013】以上の構成により、表面弾性波として、レ
ーリー波の2次モードであるセザワ波を利用しているた
め、電気機械結合係数k2が大きくなる。
【0014】さらに、屈折率が圧電性薄膜光導波路より
低い光学的バッファ層を、基板と圧電性薄膜光導波路と
の間に設けたため、基板より屈折率の低い圧電性薄膜を
用いても、圧電性薄膜を光導波路として機能させること
ができる。光学的バッファ層としては、例えば、SiO
2薄膜等が用いられる。
【0015】また、圧電性薄膜光導波路を間に挟んでト
ランスジューサに対向する導電膜を設けることによっ
て、さらに、電気機械結合係数k2の数値がアップす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光偏向器の実
施形態について添付図面を参照して説明する。
【0017】[第1実施形態、図1〜図5]図1に示す
ように、光偏向器1は、概略、基板2と、この基板2上
に形成された圧電性薄膜光導波路4と、トランスジュー
サ5と、入射用グレーティングカプラ15及び出射用グ
レーティングカプラ16にて構成されている。
【0018】基板2には、Si基板あるいはサファィア
基板等が用いられる。第1実施形態では(001)面の
Si基板を用いた。Si基板2の屈折率は約3.5であ
り、光導波路4の屈折率(例えば光導波路としてZnO
薄膜を用いた場合は約2.0)より高いので、Si基板
2上に直接に光導波路4を形成しても、光導波路4は導
波路として利用することができない。光が光導波路4か
らSi基板2側に透過するからである。そのため、屈折
率が光導波路4より低い光学的バッファ層3を設けて導
波光Lを光導波路4内に閉じ込めている。光学的バッフ
ァ層3は、第1実施形態の場合、屈折率が約1.5のS
iO2薄膜からなり、Si基板2上に熱酸化法等の方法
により形成される。ただし、バッファ層3はスパッタリ
ング法、CVD法等の方法により形成してもよい。
【0019】導波光Lの導波損失は、光学的バッファ層
3の膜厚が所定の膜厚より薄くなると急激に増大する
が、その膜厚は導波光Lの波長及びモード、光導波路4
の膜厚、基板2と光導波路4と光学的バッファ層3のそ
れぞれの屈折率に依存している。例えば、導波光Lの波
長を632.8nm、導波光LのモードをTM0モー
ド、光導波路4として膜厚が3.2μmのZnO薄膜を
用いた場合、導波光Lの伝搬損失を2dB/cm以下に
するためには、SiO2薄膜の膜厚は0.25μm以上
に設定する必要がある。
【0020】この光学的バッファ層3上に、例えばレー
ザアブレーション法、スパッタリング法、真空蒸着法、
CVD法、ゾル−ゲル法等の方法により光導波路4が形
成される。光導波路4の材料としては、例えばZnO等
の圧電性を有する材料を用いる。第1実施形態の場合、
光導波路4として(0001)ZnO薄膜を用いた。
【0021】光導波路4上には、中央部手前寄りにトラ
ンスジューサの櫛歯状電極5が、フォトリソグラフィ法
やリフトオフ法やエッチング法等の方法によりAl等に
て形成されている。櫛歯状電極5は、高周波信号発生器
8で発生した高周波電気信号を表面弾性波に変換するた
めのものであり、光導波路4に表面弾性波9を励起す
る。図2に示すように、櫛歯状電極5は、正規型電極と
称されるもので、電極指の幅と間隙が一定の寸法dに設
定されている。この正規型電極は、波長4dの表面弾性
波を最も効率良く励起することができる。図2では電極
指を1.5対有した電極を図示している。高周波信号発
生器8は、例えばVCO(電圧制御発振器)等が用いら
れる。
【0022】さらに、光導波路4上の左右両側部に入射
用グレーティングカプラ15及び出射用グレーティング
カプラ16が配設されている。入射用グレーティングカ
プラ15は光源から放射された光ビームLを光導波路4
に入射させるためのものである。出射用グレーティング
カプラ16は光導波路4を進行する導波光Lを外部に出
射するためのものである。これらグレーティングカプラ
15,16は、それぞれ一定のピッチで設けられてお
り、その材料としては例えば光導波路4と同様の材料が
使用される。グレーティングカプラ15,16は電子線
描画法、フォトリソグラフィ法、二光束干渉法等の方法
により形成される。
【0023】以上の構成からなる光偏向器1において、
表面弾性波9は、Si基板2の<110>方向、具体的
には図中矢印a方向に光導波路4を伝搬する。ここで、
光導波路4のZnO薄膜の膜厚hを、レーリー波の2次
モードであるセザワ波が励起されるように、3.2μm
に設定しておく。櫛歯状電極5の電極指の幅及び間隔を
それぞれ2μmすなわち表面弾性波の波長Λを8μmと
し、K=2π/Λとすると、hK=2.5となる。表面
弾性波としてはレーリー波の2次モードであるセザワ波
が伝搬され、このときのセザワ波の電気機械結合係数k
2は最も高い数値(約0.04)となる。電気機械結合
係数k2は、基板2の種類、並びに光導波路4の種類と
膜厚で決まる。
【0024】図3は、電気機械結合係数k2と光導波路
4であるZnO薄膜の膜厚hの関係を示すグラフであ
る。図3より、セザワ波の電気機械結合係数k2が0.
017以上で励起される条件は、ZnO薄膜4の膜厚h
が関係式 1.0<hK<5.0 を満たす範囲である。また、セザワ波の電気機械結合係
数k2が0.038以上で励起される条件は、ZnO薄
膜4の膜厚hが関係式 2.0<hK<2.9 を満たす範囲である。このように、表面弾性波としてセ
ザワ波を利用することによって、電気機械結合係数k2
が大きい光偏向器1が得られる。従って、高効率で表面
弾性波9を励起することができる。
【0025】なお、図3には比較のため、従来のレーリ
ー波を利用した光偏向器の電気機械結合係数k2を一点
鎖線20にて表示している。この光偏向器は、溶融石英
基板上に光導波路としてZnO薄膜を形成し、さらに、
そのZnO薄膜上にトランスジューサとして正規型櫛歯
状電極を設けたものである。このトランスジューサに高
周波信号が印加されると、表面弾性波としてレーリー波
が励起される。例えば、このZnO薄膜の膜厚を3μm
に設定し、上記トランスジューサとして正規型櫛歯状電
極の電極指の幅と間隙をそれぞれ2μmとしたものを用
いたとき、hK=2.3となり、電気機械結合係数k2
は最も高い数値(約0.012)となるが、セザワ波の
電気機械結合係数k2と比較してその数値は小さく、効
率が悪い。
【0026】一方、図示しない光源からの入射光Lは、
入射用グレーティングカプラ15によって光導波路4に
入射された後、光導波路を進行する。そして、図4に示
すように、光導波路4を進行する導波光Lは、矢印a方
向に進行する1周期毎の波面を表示した波長Λの表面弾
性波9と交差する。その交差角をθ、導波光Lの波長を
λとすると、 θ=sin-1(λ/2Λ) の条件を満足するとき、音響光学効果によるブラッグ回
折現象が起き、導波光Lは回折され、偏向される。偏向
された導波光Lは、出射用グレーティングカプラ16に
よって外部へ出射される。
【0027】図5は、光偏向器1のトランスジューサ5
に入力された高周波電気信号の電力と回折効率の関係を
評価した結果を示すグラフである(実線25参照)。評
価に用いた光源は波長632.8nmのHe−Neレー
ザで、偏向板を用いてTE0モードで光導波路4を進行
するようにした。そして、回折光の強度と未回折光の強
度をそれぞれ光パワーメータを用いて測定し、その測定
値に基づいて回折効率を算出した。なお、図5には、比
較のため、前記図3において用いた従来のレーリー波を
利用した偏向器の測定結果も合わせて表示している(点
線26参照)。図5より、光偏向器1が小さな入力電力
の領域で高い回折効率を得ていることがわかる。
【0028】以上のように、光偏向器1は、表面弾性波
としてレーリー波の2次モードであるセザワ波を利用す
るので、大きな電気機械結合係数k2で表面弾性波を励
起することができ、小さな入力電力で回折効率の高いも
のとなる。そして、小さな入力電力ですむので、トラン
スジューサ5の耐久性が向上する。しかも、トランスジ
ューサ5での発熱も少なくなり、熱の影響による光導波
路4の屈折率変動が減少し、出射光の出射角や強度の変
動も小さくなり、高精度の偏向が得られる。また、小さ
な入力電力ですむので、周辺の回路、機器及び人体等に
与える電磁波の影響を低減でき、電磁シールドも簡単な
ものですみ、光偏向器全体のコストを低く、かつサイズ
ダウンを図ることができる。
【0029】[第2実施形態、図6〜図8]図6及び図
7に示すように、光偏向器31は、カウンタ電極32を
残して、前記第1実施形態の光偏向器1と同様のもので
ある。カウンタ電極32は、光学的バッファ層3と光導
波路4の間に配設され、光導波路4を間に挟んでトラン
スジューサ5に対向している。カウンタ電極32はフォ
トリソグラフィ法やリフトオフ法やエッチング法等の方
法によりAl等にて形成されている。
【0030】トランスジューサ5に高周波電気信号が印
加されると、表面弾性波としてレーリー波の2次モード
であるセザワ波が励起され、光導波路4をセザワ波が伝
搬する。図8に示すように、このときのセザワ波の電気
機械結合係数k2は、hK=1.65のとき最も高い数
値(約0.056)となる。図8より、セザワ波の電気
機械結合係数k2が0.017以上で励起される条件
は、ZnO薄膜4の膜厚hが関係式 1.0<hK<5.0 を満たす範囲である(実線35参照)。なお、hKが
0.9でも、電気機械結合係数k2は0.017以上と
なるが、この領域はk2の変化が急峻であるため、hK
の僅かな差によってk2が大きく変化することとなる。
そこで、安定性を考慮してhKの範囲を狭く設定してい
る。また、セザワ波の電気機械結合係数k2が0.05
3以上で励起される条件は、ZnO薄膜4の膜厚hが関
係式 1.2<hK<2.1 を満たす範囲である。このように、カウンタ電極32を
設けることによって電気機械結合係数k2を、前記第1
実施形態の光偏向器1の電気機械結合係数k2(一点鎖
線36参照)より大きくすることができる。
【0031】[他の実施形態]なお、本発明に係る光偏
向器は前記実施形態に限定するものではなく、その要旨
の範囲内で種々に偏向することができる。導波光は、T
0モードやTE0モードの他に、例えばTM1モード、
あるいはTE1モード等であってもよい。また、圧電性
薄膜光導波路は、基板上に必ずしも一様の膜厚で設ける
必要はなく、例えばトランスジューサが設けられている
領域の膜厚を3.2μmとし、残りの領域の膜厚を1.
0μmとしてもよい。
【0032】また、トランスジューサは、正規型櫛歯状
電極に限るものではなく、図9に示すように、電極指の
幅と間隙が徐々に変化(d1<d2<…<dn-1<dn
し、波長が4d1〜4dnに渡る広帯域の表面弾性波を励
振することができるチャープ型櫛歯状電極41であって
もよい。図9では、電極指をn対有した電極を図示して
いる。
【0033】さらに、トランスジューサは、図10、図
11、図12及び図13に示した傾斜指チャープ型櫛歯
状電極42,43,44や湾曲指型櫛歯状電極45であ
ってもよい。特に、櫛歯状電極43,44は外部高周波
信号発生器とインピーダンスマッチングさせ易いように
ドッグレッグ構造が採用されている。これらの櫛歯状電
極42〜45は、電極指の角度を異ならせて各波長の表
面弾性波の伝搬方向を異ならせることにより、各波長で
のブラッグ角の違いを考慮している。また、櫛歯状電極
の電極指は前記実施形態のようにシングル電極に限るも
のではなく、表面弾性波の内部反射や一方向性を考慮し
たダブル電極や一方向性電極等であってもよい。
【0034】さらに、トランスジューサは、図14に示
した多段傾斜アレイ型櫛歯状電極46であってもよい。
これによって、薄膜光導波路を進行する導波光が、4個
の櫛歯状電極46a,46b,46c,46dのそれぞ
れによって発生した表面弾性波とそれぞれ音響光学相互
作用し、多段回折(具体的には4回のブラッグ回折)を
行うことができる。
【0035】また、前記実施形態は、(001)面のS
i基板を用い、表面弾性波の伝搬方向をSi基板の<1
10>方向に設定しているが、それぞれ異なる面や方向
を採用してもよい。例えば、(111)面のSi基板を
用い、表面弾性波の伝搬方向をSi基板の<11−2>
方向に設定してもよい。そのとき、ZnO薄膜の膜厚を
hK=2.7となるようにすれば、電気機械結合係数k
2は約0.035となり、同様の効果を得ることができ
る。
【0036】さらに、光入射手段や光出射手段として、
プリズムカプラ等を用いたり、光導波路の端面を導波光
の入出射面とする光入出射手段等であってもよい。ある
いは、光導波路に集光レンズ部、発散レンズ部、コリメ
ートレンズ部等を設けたものであってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、表面弾性波としてレーリー波の2次モードであ
るセザワ波を利用するので、大きな電気機械結合係数k
2で表面弾性波を励起することができ、小さな入力電力
で回折効率の高い光偏向器を得ることができる。そし
て、小さな入力電力ですむので、トランスジューサの耐
久性が向上する。しかも、トランスジューサでの発熱も
少なくなり、熱の影響による光導波路の屈折率変動が減
少し、出射光の出射角や強度の変動も小さくなり、高精
度の偏向が得られる。また、小さな入力電力ですむの
で、周辺の回路、機器及び人体等に与える電磁波の影響
を低減でき、電磁シールドも簡単なものですみ、光偏向
器全体のコストを低く、かつサイズダウンを図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光偏向器の第1実施形態を示す斜
視図。
【図2】図1に示したトランスジューサの平面図。
【図3】図1に示した光偏向器の電気機械結合係数k2
とZnO薄膜の膜厚との関係を示すグラフ。
【図4】ブラッグ回折現象を示す説明図。
【図5】図1に示した光偏向器の回折効率と入力電力と
の関係を示すグラフ。
【図6】本発明に係る光偏向器の第2実施形態を示す斜
視図。
【図7】図6のVII−VII断面図。
【図8】図6に示した光偏向器の電気機械結合係数k2
とZnO薄膜の膜厚との関係を示すグラフ。
【図9】トランスジューサの変形例を示す平面図。
【図10】トランスジューサの別の変形例を示す平面
図。
【図11】トランスジューサのさらに別の変形例を示す
平面図。
【図12】トランスジューサのさらに別の変形例を示す
平面図。
【図13】トランスジューサのさらに別の変形例を示す
平面図。
【図14】トランスジューサのさらに別の変形例を示す
平面図。
【符号の説明】
1…光偏向器 2…基板 3…光学的バッファ層 4…圧電性薄膜光導波路 5…トランスジューサ 9…表面弾性波 15…入射用グレーティングカプラ 16…出射用グレーティングカプラ 31…光偏向器 32…カウンタ電極 41,42,43,44,45,46…トランスジュー
サ L…光

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と前記基板上の圧電性薄膜光導波路
    と、 電気信号を変換して表面弾性波を発生させるためのトラ
    ンスジューサと、 前記圧電性薄膜光導波路に光を入射するための光入射手
    段と前記圧電性薄膜光導波路を進行する光を外部に出射
    するための光出射手段とを備え、 前記表面弾性波がセザワ波であること、 を特徴とする光偏向器。
  2. 【請求項2】 屈折率が前記圧電性薄膜光導波路より低
    い光学的バッファ層を、前記基板と前記圧電性薄膜光導
    波路との間に設けたことを特徴とする請求項1記載の光
    偏向器。
  3. 【請求項3】 前記圧電性薄膜光導波路がZnO薄膜で
    あることを特徴とする請求項2記載の光偏向器。
  4. 【請求項4】 前記ZnO薄膜の厚みをh、前記セザワ
    波の波長をΛとすると、 1.0<hK<5.0 K=2π/Λ の関係を満足していることを特徴とする請求項3記載の
    光偏向器。
  5. 【請求項5】 前記ZnO薄膜の厚みをh、前記セザワ
    波の波長をΛとすると、 2.0<hK<2.9 K=2π/Λ の関係を満足していることを特徴とする請求項3記載の
    光偏向器。
  6. 【請求項6】 前記基板がSi基板であることを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求
    項5記載の光偏向器。
  7. 【請求項7】 前記光学的バッファ層がSiO2薄膜で
    あることを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4、
    請求項5又は請求項6記載の光偏向器。
  8. 【請求項8】 前記圧電性薄膜光導波路を間に挟んで前
    記トランスジューサに対向する導電膜を設けたことを特
    徴とする請求項1記載の光偏向器。
  9. 【請求項9】 屈折率が前記圧電性薄膜光導波路より低
    い光学的バッファ層を、前記基板と前記圧電性薄膜光導
    波路との間に設けたことを特徴とする請求項8記載の光
    偏向器。
  10. 【請求項10】 前記圧電性薄膜光導波路がZnO薄膜
    であることを特徴とする請求項9記載の光偏向器。
  11. 【請求項11】 前記ZnO薄膜の厚みをh、前記セザ
    ワ波の波長をΛとすると、 1.0<hK<5.0 K=2π/Λ の関係を満足していることを特徴とする請求項10記載
    の光偏向器。
  12. 【請求項12】 前記ZnO薄膜の厚みをh、前記セザ
    ワ波の波長をΛとすると、 1.2<hK<2.1 K=2π/Λ の関係を満足していることを特徴とする請求項10記載
    の光偏向器。
  13. 【請求項13】 前記光学的バッファ層がSiO2薄膜
    であることを特徴とする請求項9、請求項10、請求項
    11又は請求項12記載の光偏向器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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