JPH09304195A - エンジン冷却水の温度推定装置 - Google Patents
エンジン冷却水の温度推定装置Info
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- JPH09304195A JPH09304195A JP11895796A JP11895796A JPH09304195A JP H09304195 A JPH09304195 A JP H09304195A JP 11895796 A JP11895796 A JP 11895796A JP 11895796 A JP11895796 A JP 11895796A JP H09304195 A JPH09304195 A JP H09304195A
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- temperature
- engine
- cooling water
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンジン冷却水の温度をセンサを設けること
なく求めることができるようにする。 【解決手段】 空調制御用のECU1の制御回路2は冷
却水の温度推定手段を兼ねる。冷却水の温度は推定最終
到達温度と現在温度との間で指数関数的に変化するの
で、これを時間の関数として表し、制御回路2により、
エンジンの状態の変化をEFIからの信号で検出する
と、温度推定プログラムを所定時間間隔で割り込み実行
して温度の推定をする。なお、エンジン停止時には、演
算結果が推定最終到達温度に略一致すると、演算処理を
停止して消費電力の節減を図る。
なく求めることができるようにする。 【解決手段】 空調制御用のECU1の制御回路2は冷
却水の温度推定手段を兼ねる。冷却水の温度は推定最終
到達温度と現在温度との間で指数関数的に変化するの
で、これを時間の関数として表し、制御回路2により、
エンジンの状態の変化をEFIからの信号で検出する
と、温度推定プログラムを所定時間間隔で割り込み実行
して温度の推定をする。なお、エンジン停止時には、演
算結果が推定最終到達温度に略一致すると、演算処理を
停止して消費電力の節減を図る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却を
冷却水により行うようにしたものにおけるエンジン冷却
水の温度推定装置に関する。
冷却水により行うようにしたものにおけるエンジン冷却
水の温度推定装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、エンジンを冷
却水により冷却するようにしたものでは、エンジンの運
転状態で冷却水をエンジンの外周部に循環させて吸熱
し、これをラジエータに循環させて放熱し、再びエンジ
ンの冷却に供するものである。
却水により冷却するようにしたものでは、エンジンの運
転状態で冷却水をエンジンの外周部に循環させて吸熱
し、これをラジエータに循環させて放熱し、再びエンジ
ンの冷却に供するものである。
【0003】ところで、車両用の空調装置では、このよ
うにエンジンと熱交換を行って加熱された冷却水の熱を
利用するもので、この加熱された冷却水をヒータコアに
流通させてこれに通風して熱交換を行うことにより温風
を生成して車室内に吹き出して暖房に用いるのである。
また、コンプレッサを用いた冷凍サイクルにより冷媒を
エバポレータに流通させ、ここを通過する空気を冷却す
るようになっており、このエバポレータと上述のヒータ
コアとに空気を分配して流通させて所望の温度の空気を
得るようになっている。
うにエンジンと熱交換を行って加熱された冷却水の熱を
利用するもので、この加熱された冷却水をヒータコアに
流通させてこれに通風して熱交換を行うことにより温風
を生成して車室内に吹き出して暖房に用いるのである。
また、コンプレッサを用いた冷凍サイクルにより冷媒を
エバポレータに流通させ、ここを通過する空気を冷却す
るようになっており、このエバポレータと上述のヒータ
コアとに空気を分配して流通させて所望の温度の空気を
得るようになっている。
【0004】その場合に、使用者が所望している温度あ
るいは外気温度や様々な条件などから演算により設定さ
れる空調制御温度が決まると、これに対応するように上
述した空気の分配を行うためのエアミックスダンパの開
度を設定する。このとき、ヒータコア側に流通させる空
気の量はエンジン冷却水の温度に依存することになる。
そこで、冷却水の温度を検出することが重要なファクタ
ーとなる。
るいは外気温度や様々な条件などから演算により設定さ
れる空調制御温度が決まると、これに対応するように上
述した空気の分配を行うためのエアミックスダンパの開
度を設定する。このとき、ヒータコア側に流通させる空
気の量はエンジン冷却水の温度に依存することになる。
そこで、冷却水の温度を検出することが重要なファクタ
ーとなる。
【0005】しかし、冷却水の温度を検出するために
は、一般的には、その循環経路にサーミスタなどの温度
センサを配設してその検出信号に基づいて温度を検出す
る構成が用いられるが、このために、取付スペースが増
加したり、あるいは取付のためのコストが上昇するとい
う技術的課題がある。
は、一般的には、その循環経路にサーミスタなどの温度
センサを配設してその検出信号に基づいて温度を検出す
る構成が用いられるが、このために、取付スペースが増
加したり、あるいは取付のためのコストが上昇するとい
う技術的課題がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、エンジンの冷却水の循環路などにその
温度を検出するための温度センサを直接設けることなく
認識することができ、これによって、取付のためのスペ
ースやコストを不要にできるエンジン冷却水の温度推定
装置を提供することにある。
で、その目的は、エンジンの冷却水の循環路などにその
温度を検出するための温度センサを直接設けることなく
認識することができ、これによって、取付のためのスペ
ースやコストを不要にできるエンジン冷却水の温度推定
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、エンジンが運転あるいは停止されると、計時手段は
その時点から計時動作を開始する。そして推定手段は、
その時点におけるエンジン冷却水の温度を開始温度と
し、また、推定最終到達温度を、エンジンが運転された
ときには冷却水が沸騰する温度とし、停止されたときに
は凝固点温度として設定するようになる。そして、計時
手段の計時時間に応じて熱伝導の原則に基づいた演算を
実施してその時点でのエンジン冷却水の温度を推定演算
するようになる。
ば、エンジンが運転あるいは停止されると、計時手段は
その時点から計時動作を開始する。そして推定手段は、
その時点におけるエンジン冷却水の温度を開始温度と
し、また、推定最終到達温度を、エンジンが運転された
ときには冷却水が沸騰する温度とし、停止されたときに
は凝固点温度として設定するようになる。そして、計時
手段の計時時間に応じて熱伝導の原則に基づいた演算を
実施してその時点でのエンジン冷却水の温度を推定演算
するようになる。
【0008】これにより、エンジン冷却水の循環路に温
度センサを設けなくともその温度を推定により求めるこ
とができるので、取付スペースを不要としコストダウン
も図れ、例えば、エンジン冷却水の温度に依存した負荷
を制御する場合に非常に有用なものとなる。
度センサを設けなくともその温度を推定により求めるこ
とができるので、取付スペースを不要としコストダウン
も図れ、例えば、エンジン冷却水の温度に依存した負荷
を制御する場合に非常に有用なものとなる。
【0009】請求項2の発明によれば、外気温度検出手
段により検出する外気温度に基づいてエンジン始動時の
エンジン冷却水の温度を代替として利用することがで
き、さらに、エンジン停止時の推定最終到達温度として
も利用することができるようになる。
段により検出する外気温度に基づいてエンジン始動時の
エンジン冷却水の温度を代替として利用することがで
き、さらに、エンジン停止時の推定最終到達温度として
も利用することができるようになる。
【0010】請求項3の発明によれば、熱伝導の原理に
基づいた簡単な演算式に基づいてエンジン冷却水の温度
を推定演算することができる。
基づいた簡単な演算式に基づいてエンジン冷却水の温度
を推定演算することができる。
【0011】請求項4の発明によれば、エンジンの停止
状態で推定演算動作をその計時時間と共に実施していた
のを、推定温度が略一定となった状態ではその演算動作
を中止するので、その後の計時時間の経過と共に実施す
る演算動作に要するエネルギを節約することができるよ
うになる。
状態で推定演算動作をその計時時間と共に実施していた
のを、推定温度が略一定となった状態ではその演算動作
を中止するので、その後の計時時間の経過と共に実施す
る演算動作に要するエネルギを節約することができるよ
うになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車の空調装置
に適用した場合の一実施例について図面を参照しながら
説明する。電気的構成の概略を示す図1において、EC
U1は、空調装置全体の制御を行うもので、制御回路2
を中心として他に外部との信号の授受を行うためのイン
ターフェース回路を含んで構成されている。制御回路2
は、CPU,ROM,RAMやタイマ機能などを含んで
構成されるもので、空調制御を行うための制御プログラ
ムおよび後述する温度推定プログラムがあらかじめ記憶
されており、計時手段および推定手段としての機能も兼
ね備えたものである。
に適用した場合の一実施例について図面を参照しながら
説明する。電気的構成の概略を示す図1において、EC
U1は、空調装置全体の制御を行うもので、制御回路2
を中心として他に外部との信号の授受を行うためのイン
ターフェース回路を含んで構成されている。制御回路2
は、CPU,ROM,RAMやタイマ機能などを含んで
構成されるもので、空調制御を行うための制御プログラ
ムおよび後述する温度推定プログラムがあらかじめ記憶
されており、計時手段および推定手段としての機能も兼
ね備えたものである。
【0013】ECU1において、定電圧電源回路3は車
載バッテリ4から給電されるとこれを5Vの定電圧に変
換して制御回路2に供給するものである。自動車の車室
内の運転席部に配設される空調装置の操作パネル5は、
パネル用インターフェース回路6を介して制御回路2に
接続され、外部入力用のスイッチ7は、スイッチ用イン
ターフェース回路8を介して制御回路2に接続され、サ
ーミスタなどの各種センサ9は、センサ用インターフェ
ース回路10を介して制御回路2に接続されている。
載バッテリ4から給電されるとこれを5Vの定電圧に変
換して制御回路2に供給するものである。自動車の車室
内の運転席部に配設される空調装置の操作パネル5は、
パネル用インターフェース回路6を介して制御回路2に
接続され、外部入力用のスイッチ7は、スイッチ用イン
ターフェース回路8を介して制御回路2に接続され、サ
ーミスタなどの各種センサ9は、センサ用インターフェ
ース回路10を介して制御回路2に接続されている。
【0014】なお、制御回路2は、A/D変換機能を有
した入力部2aを備えており、上述したセンサ用インタ
ーフェース回路10はその入力部2aに接続されてお
り、インターフェース回路10から与えられるアナログ
信号をデジタル信号に変換して制御回路2内部に取り込
まれるようになっている。
した入力部2aを備えており、上述したセンサ用インタ
ーフェース回路10はその入力部2aに接続されてお
り、インターフェース回路10から与えられるアナログ
信号をデジタル信号に変換して制御回路2内部に取り込
まれるようになっている。
【0015】空調装置の各種ダンパなどを駆動するリレ
ー11や各種の送風用ファンを駆動するためのモータ1
2は、それぞれ制御回路2から駆動回路11a,12a
を介して駆動制御されるようになっている。また、空調
装置と連携して動作される他のECU13は、データ授
受用のインターフェース回路14を介して制御回路2に
接続されている。
ー11や各種の送風用ファンを駆動するためのモータ1
2は、それぞれ制御回路2から駆動回路11a,12a
を介して駆動制御されるようになっている。また、空調
装置と連携して動作される他のECU13は、データ授
受用のインターフェース回路14を介して制御回路2に
接続されている。
【0016】そして、エンジンの状態を検出する手段と
して、本実施例においては、図2に示すように、エンジ
ン15を駆動制御する電子式燃料噴射装置であるEFI
16からのエンジンの始動信号あるいは停止信号を授受
することにより検出するようになっている。なお、エン
ジン15の状態を検出する手段としては、このようなE
FI16に限らず、例えば、エンジン15の回転数を検
出する手段からの検出信号に基づいて検出するようにす
ることもできる。
して、本実施例においては、図2に示すように、エンジ
ン15を駆動制御する電子式燃料噴射装置であるEFI
16からのエンジンの始動信号あるいは停止信号を授受
することにより検出するようになっている。なお、エン
ジン15の状態を検出する手段としては、このようなE
FI16に限らず、例えば、エンジン15の回転数を検
出する手段からの検出信号に基づいて検出するようにす
ることもできる。
【0017】次に本実施例の作用について、図3の温度
推定プログラムのフローチャートおよび図4を参照して
説明する。なお、この説明では、空調制御の内容につい
ては省略し、本実施例の要旨である空調制御に用いるデ
ータのひとつとしてエンジン冷却水の温度を推定する演
算内容について詳述する。
推定プログラムのフローチャートおよび図4を参照して
説明する。なお、この説明では、空調制御の内容につい
ては省略し、本実施例の要旨である空調制御に用いるデ
ータのひとつとしてエンジン冷却水の温度を推定する演
算内容について詳述する。
【0018】ECU1は空調制御の指令が操作パネル5
を介して入力されると、空調制御のプログラムに従っ
て、空調制御を実施するようになる。このとき、使用者
により設定されている室内温度に対して、制御回路2は
空調プログラムにしたがってエンジン冷却水の温度を基
準として冷気との混合比率を設定する。そして、そのと
きに必要となるのがエンジン冷却水の温度である。
を介して入力されると、空調制御のプログラムに従っ
て、空調制御を実施するようになる。このとき、使用者
により設定されている室内温度に対して、制御回路2は
空調プログラムにしたがってエンジン冷却水の温度を基
準として冷気との混合比率を設定する。そして、そのと
きに必要となるのがエンジン冷却水の温度である。
【0019】制御回路2は、空調装置の運転如何にかか
わらず、エンジン冷却水の温度の推定動作を行ってお
り、図3に示す温度推定プログラムのフローチャートに
従って行う。このプログラムは、エンジン15が始動さ
れた時点あるいは停止された時点を開始点として、以
後、250ms(1秒間に4回の頻度)間隔で割り込み
により実行されるようになっている。
わらず、エンジン冷却水の温度の推定動作を行ってお
り、図3に示す温度推定プログラムのフローチャートに
従って行う。このプログラムは、エンジン15が始動さ
れた時点あるいは停止された時点を開始点として、以
後、250ms(1秒間に4回の頻度)間隔で割り込み
により実行されるようになっている。
【0020】まず、温度推定プログラムをスタートする
と、制御回路2は、エンジンが始動されたのか停止され
たのかを判断する(ステップS1)。この場合において
は、EFI16からの信号に基づいて判断するもので、
始動した場合を想定する。制御回路2は、ここで「YE
S」と判断すると、続いて、水温上昇時の温度推定処理
を実施する(ステップS2)。
と、制御回路2は、エンジンが始動されたのか停止され
たのかを判断する(ステップS1)。この場合において
は、EFI16からの信号に基づいて判断するもので、
始動した場合を想定する。制御回路2は、ここで「YE
S」と判断すると、続いて、水温上昇時の温度推定処理
を実施する(ステップS2)。
【0021】この水温上昇時の温度推定処理では、制御
回路2は、図4に示すように、エンジン始動時(時刻t
o)のエンジン冷却水の開始温度Twnを、外気温度セ
ンサの検出温度Taoと冷却水の凝固点Twsとの高い
方に設定し、推定最終到達温度Twxを冷却水の沸点T
whに設定する。そして、始動時toからの経過時間t
と共に変化する冷却水温度Tw(t)を、次式に示す近
似式を用いて演算するようになる。 Tw(t)=Twx−(Twx−Twn)×exp(−t/T) …(1) (Tはエンジンの種類(ガソリン,ディーゼル等)や排
気量あるいは回転数等により決まる時定数である)
回路2は、図4に示すように、エンジン始動時(時刻t
o)のエンジン冷却水の開始温度Twnを、外気温度セ
ンサの検出温度Taoと冷却水の凝固点Twsとの高い
方に設定し、推定最終到達温度Twxを冷却水の沸点T
whに設定する。そして、始動時toからの経過時間t
と共に変化する冷却水温度Tw(t)を、次式に示す近
似式を用いて演算するようになる。 Tw(t)=Twx−(Twx−Twn)×exp(−t/T) …(1) (Tはエンジンの種類(ガソリン,ディーゼル等)や排
気量あるいは回転数等により決まる時定数である)
【0022】上述の演算式(1)は、エンジン始動に伴
って冷却水が循環経路(エンジン部とラジエータ部を環
状に連結された経路)を循環している状態で時間経過に
伴う冷却水の温度、あるいは、エンジンが停止された時
点から時間経過に伴う冷却水の温度のそれぞれについて
表現したものである。これは、冷却水の温度が一般的に
時定数をもって一定の温度に収束するように変化すると
いう原理に基づき、一般的な時定数の公式に代入するこ
とにより得たものである。
って冷却水が循環経路(エンジン部とラジエータ部を環
状に連結された経路)を循環している状態で時間経過に
伴う冷却水の温度、あるいは、エンジンが停止された時
点から時間経過に伴う冷却水の温度のそれぞれについて
表現したものである。これは、冷却水の温度が一般的に
時定数をもって一定の温度に収束するように変化すると
いう原理に基づき、一般的な時定数の公式に代入するこ
とにより得たものである。
【0023】そして、この場合、推定最終到達温度Tw
xはエンジン始動時には冷却水の沸点Twhに設定さ
れ、停止時には凝固点Twsあるいは外気温度Taoの
高い方に設定され、開始時点の温度Twnはその時点で
推定処理により得られている温度あるいは定常状態にあ
る場合には推定最終到達温度Twxに設定されるように
なっている。
xはエンジン始動時には冷却水の沸点Twhに設定さ
れ、停止時には凝固点Twsあるいは外気温度Taoの
高い方に設定され、開始時点の温度Twnはその時点で
推定処理により得られている温度あるいは定常状態にあ
る場合には推定最終到達温度Twxに設定されるように
なっている。
【0024】さて、図4に示す状態では、エンジンの始
動と共に、エンジン冷却水の温度Tw(t)は初め急激
に上昇して推定最終到達温度Twxに近付くにしたがっ
てゆっくり上昇するようになり、指数関数的な変化とな
る。逆に、エンジン停止のとき(図中時刻t1以降t2
までの間)には、エンジン冷却水の温度Tw(t)は、
初め急激に下降して推定最終到達温度Twxに近付くに
したがってゆっくり下降するようになり、指数関数的な
変化となる。このような変化の様子を示すのが前述した
式(1)である。
動と共に、エンジン冷却水の温度Tw(t)は初め急激
に上昇して推定最終到達温度Twxに近付くにしたがっ
てゆっくり上昇するようになり、指数関数的な変化とな
る。逆に、エンジン停止のとき(図中時刻t1以降t2
までの間)には、エンジン冷却水の温度Tw(t)は、
初め急激に下降して推定最終到達温度Twxに近付くに
したがってゆっくり下降するようになり、指数関数的な
変化となる。このような変化の様子を示すのが前述した
式(1)である。
【0025】上述のようにして、エンジン冷却水の温度
Tw(t)を推定すると、制御回路2は、ステップS3
に移行し、得られた冷却水の推定温度Tw(t)を記憶
すると共に、その推定温度Tw(t)を利用する演算処
理を実行し、メインプログラムにリターンするようにな
る。
Tw(t)を推定すると、制御回路2は、ステップS3
に移行し、得られた冷却水の推定温度Tw(t)を記憶
すると共に、その推定温度Tw(t)を利用する演算処
理を実行し、メインプログラムにリターンするようにな
る。
【0026】メインプログラムでは、例えば空調制御を
行っている場合には、記憶されたその時点でのエンジン
冷却水の推定温度Tw(t)に基づいて、空調制御のた
めの種々の演算処理を実行し、これによって種々のダン
パやファンを制御すべく、リレー11やモータ12に駆
動回路11a,12aを介して制御信号を出力するよう
になっている。
行っている場合には、記憶されたその時点でのエンジン
冷却水の推定温度Tw(t)に基づいて、空調制御のた
めの種々の演算処理を実行し、これによって種々のダン
パやファンを制御すべく、リレー11やモータ12に駆
動回路11a,12aを介して制御信号を出力するよう
になっている。
【0027】以後、250ms(250ミリ秒)が経過
すると、制御回路2は、再び推定プログラムを開始し、
上述同様にしてエンジン冷却水の温度推定処理を行う。
この場合には、前回の演算処理のタイミングから時間が
250ms経過しているので、その分だけ推定される温
度にも変化がおこる。そして、この後も、同様にして温
度推定処理を実施するようになる。さて、このように温
度推定処理を進めて行くと、時間の経過に伴って推定温
度Tw(t)は、ほぼ推定最終到達温度Twxに等しく
なる。
すると、制御回路2は、再び推定プログラムを開始し、
上述同様にしてエンジン冷却水の温度推定処理を行う。
この場合には、前回の演算処理のタイミングから時間が
250ms経過しているので、その分だけ推定される温
度にも変化がおこる。そして、この後も、同様にして温
度推定処理を実施するようになる。さて、このように温
度推定処理を進めて行くと、時間の経過に伴って推定温
度Tw(t)は、ほぼ推定最終到達温度Twxに等しく
なる。
【0028】次に、エンジンが停止された場合には、制
御回路2は、ステップS1にて「NO」と判断し、ステ
ップS4に移行する。ここで、制御回路2は、エンジン
が停止された場合の冷却水の温度を推定演算するように
なる。この場合にも、前述した演算式(1)を用いて経
過時間に応じた推定温度の演算処理を行う。なお、式
(1)中で、推定最終到達温度Twxは冷却水の凝固点
Twsと外気温度Taoとの高い方に設定され、開始温
度Twnは、その時点までエンジン始動に対応して推定
していた冷却水温度の最後に演算して求めた値を設定す
る。
御回路2は、ステップS1にて「NO」と判断し、ステ
ップS4に移行する。ここで、制御回路2は、エンジン
が停止された場合の冷却水の温度を推定演算するように
なる。この場合にも、前述した演算式(1)を用いて経
過時間に応じた推定温度の演算処理を行う。なお、式
(1)中で、推定最終到達温度Twxは冷却水の凝固点
Twsと外気温度Taoとの高い方に設定され、開始温
度Twnは、その時点までエンジン始動に対応して推定
していた冷却水温度の最後に演算して求めた値を設定す
る。
【0029】この後、ステップS5に進むと、制御回路
2は、演算によって求めた推定温度Tw(t)の値が推
定最終到達温度Twxに対して略同程度になっているか
否かを判断し、「NO」の場合には再び250msが経
過した後に上述の推定演算処理を繰り返し実行し、「Y
ES」の場合にはステップS6に移行し、推定演算処理
を停止するようになる。なお、エンジンが停止されてい
る状態では、このまま放置しても、冷却水の温度Tw
(t)は推定最終到達温度Twx(つまりTwsまたは
Taoのうちの高い方)と略同じ温度に保たれることが
推定されるので、演算を実行しなくとも支障はない。
2は、演算によって求めた推定温度Tw(t)の値が推
定最終到達温度Twxに対して略同程度になっているか
否かを判断し、「NO」の場合には再び250msが経
過した後に上述の推定演算処理を繰り返し実行し、「Y
ES」の場合にはステップS6に移行し、推定演算処理
を停止するようになる。なお、エンジンが停止されてい
る状態では、このまま放置しても、冷却水の温度Tw
(t)は推定最終到達温度Twx(つまりTwsまたは
Taoのうちの高い方)と略同じ温度に保たれることが
推定されるので、演算を実行しなくとも支障はない。
【0030】これにより、以後の演算に要する消費電力
を節約することができ、エンジンの停止時間が長時間に
渡る場合でも、その間のECU1の動作を停止すること
で演算によるバッテリの消費をなくし、ECU1の電力
消費に起因した「バッテリ上がり」の不具合が発生する
のを防止することができる。
を節約することができ、エンジンの停止時間が長時間に
渡る場合でも、その間のECU1の動作を停止すること
で演算によるバッテリの消費をなくし、ECU1の電力
消費に起因した「バッテリ上がり」の不具合が発生する
のを防止することができる。
【0031】さて、上述のようにエンジンが始動された
時点あるいは停止された時点を起点として温度推定プロ
グラムを新たに実行開始するので、例えば、図4に示す
ように、新たに温度推定プログラムを実行した時点にお
いてエンジンの冷却水温度Tw(t)が推定最終到達温
度Twxとほぼ同じになっていない状態でも、直前まで
推定演算を行っていた結果を利用することにより、その
後の温度を推定することができる。
時点あるいは停止された時点を起点として温度推定プロ
グラムを新たに実行開始するので、例えば、図4に示す
ように、新たに温度推定プログラムを実行した時点にお
いてエンジンの冷却水温度Tw(t)が推定最終到達温
度Twxとほぼ同じになっていない状態でも、直前まで
推定演算を行っていた結果を利用することにより、その
後の温度を推定することができる。
【0032】このような本実施例によれば、エンジン冷
却水の温度Tw(t)をエンジンの始動時あるいは停止
時を起点として所定時間間隔(250ms間隔)で温度
推定プログラムを実行することにより推定することがで
きるようになり、空調制御などに用いる冷却水の温度と
して支障なく利用することができ、これによって温度セ
ンサの取付スペースを不要としさらに取付のためのコス
トを低減することができるようになる。
却水の温度Tw(t)をエンジンの始動時あるいは停止
時を起点として所定時間間隔(250ms間隔)で温度
推定プログラムを実行することにより推定することがで
きるようになり、空調制御などに用いる冷却水の温度と
して支障なく利用することができ、これによって温度セ
ンサの取付スペースを不要としさらに取付のためのコス
トを低減することができるようになる。
【0033】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形また拡張できる。エンジン
の冷却水の温度を利用するもの全般に適用することがで
きる。エンジンの状態を検出する手段としては、EFI
16以外に、エンジンの回転数を検出する手段から回転
数信号を入力して検出することもできる。この場合に、
エンジンの回転数を温度推定の式の時定数Tの設定に盛
り込むことができる。エンジンの始動時あるいは停止時
を起点として温度推定プログラムの実行を開始し、以後
所定時間間隔で割り込み実行するようにしたが、エンジ
ンの運転状態に関係なく定期的に割り込み実行するよう
にしても良い。
のではなく、次のように変形また拡張できる。エンジン
の冷却水の温度を利用するもの全般に適用することがで
きる。エンジンの状態を検出する手段としては、EFI
16以外に、エンジンの回転数を検出する手段から回転
数信号を入力して検出することもできる。この場合に、
エンジンの回転数を温度推定の式の時定数Tの設定に盛
り込むことができる。エンジンの始動時あるいは停止時
を起点として温度推定プログラムの実行を開始し、以後
所定時間間隔で割り込み実行するようにしたが、エンジ
ンの運転状態に関係なく定期的に割り込み実行するよう
にしても良い。
【図1】本発明の一実施例を示す電気的構成のブロック
図
図
【図2】ECUとエンジンとの関係を示す概念図
【図3】温度推定プログラムのフローチャート
【図4】エンジンの始動,停止による冷却水温度の時間
的推移を示す図
的推移を示す図
1はECU、2は制御回路(計時手段、推定手段)、3
は定電圧回路、4は車載バッテリ、5は操作パネル、6
はパネル用インターフェース回路、7は外部入力スイッ
チ、8はスイッチ用インターフェース回路、9は各種セ
ンサ(外気温度検出手段)、10はセンサ用インターフ
ェース回路、11はリレー、12はモータ、13は他の
ECU、14はインターフェース回路、15はエンジ
ン、16はEFI(検出手段)である。
は定電圧回路、4は車載バッテリ、5は操作パネル、6
はパネル用インターフェース回路、7は外部入力スイッ
チ、8はスイッチ用インターフェース回路、9は各種セ
ンサ(外気温度検出手段)、10はセンサ用インターフ
ェース回路、11はリレー、12はモータ、13は他の
ECU、14はインターフェース回路、15はエンジ
ン、16はEFI(検出手段)である。
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンの冷却を冷却水を循環させるこ
とにより行うようにしたものにおいて、 前記エンジンの運転状態を検出する検出手段と、 この検出手段により前記エンジンの運転あるいは停止が
検出されるとその時点から計時動作を開始する計時手段
と、 前記検出手段により前記エンジンの運転あるいは停止が
検出されるとその時点のエンジン冷却水温度を開始温度
とし、この開始温度から推定最終到達温度までの温度変
化を前記計時手段による計時時間に基づいて演算を行っ
てその時点のエンジン冷却水温度を推定する推定手段と
を備えたことを特徴とするエンジン冷却水の温度推定装
置。 - 【請求項2】 前記エンジン始動時に外気温度を検出す
る外気温度検出手段を備えたことを特徴とする請求項1
記載のエンジン冷却水の温度推定装置。 - 【請求項3】 前記推定手段は、前記開始温度をTw
n,推定最終到達温度をTwxとしたときに、前記計時
手段による計時時間tにおけるエンジン冷却水の推定温
度Twの値を、次式に従って演算を行うことにより求め
るように構成されていることを特徴とする請求項1また
は2記載のエンジン冷却水の温度推定装置。 Tw=Twx−(Twx−Twn)× exp(−t/T) ただし、Tはエンジンの性能により決定される時定数で
ある - 【請求項4】 前記推定手段は、前記エンジンが停止状
態で且つ推定温度が略一定の温度となったときに演算動
作を中止することを特徴とする請求項1ないし3のいず
れかに記載のエンジン冷却水の温度推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11895796A JPH09304195A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | エンジン冷却水の温度推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11895796A JPH09304195A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | エンジン冷却水の温度推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09304195A true JPH09304195A (ja) | 1997-11-28 |
Family
ID=14749468
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11895796A Pending JPH09304195A (ja) | 1996-05-14 | 1996-05-14 | エンジン冷却水の温度推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09304195A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009019965A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Honda Motor Co Ltd | 外気温測定装置 |
JP2011123001A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Yamatake Corp | 温度推定値提示装置、降温所要時間予測値提示装置および方法 |
JP2014105687A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Mitsubishi Motors Corp | エンジンの冷却水温推定装置及びエンジン制御装置 |
US10254179B2 (en) | 2014-12-25 | 2019-04-09 | Fujitsu Limited | Enclosure surface temperature estimation method and electronic apparatus |
-
1996
- 1996-05-14 JP JP11895796A patent/JPH09304195A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009019965A (ja) * | 2007-07-11 | 2009-01-29 | Honda Motor Co Ltd | 外気温測定装置 |
JP4573275B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2010-11-04 | 本田技研工業株式会社 | 外気温測定装置 |
JP2011123001A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Yamatake Corp | 温度推定値提示装置、降温所要時間予測値提示装置および方法 |
JP2014105687A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Mitsubishi Motors Corp | エンジンの冷却水温推定装置及びエンジン制御装置 |
US10254179B2 (en) | 2014-12-25 | 2019-04-09 | Fujitsu Limited | Enclosure surface temperature estimation method and electronic apparatus |
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