JPH09303480A - 防振ダンパー及びその製造方法 - Google Patents
防振ダンパー及びその製造方法Info
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- JPH09303480A JPH09303480A JP14664496A JP14664496A JPH09303480A JP H09303480 A JPH09303480 A JP H09303480A JP 14664496 A JP14664496 A JP 14664496A JP 14664496 A JP14664496 A JP 14664496A JP H09303480 A JPH09303480 A JP H09303480A
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- silicone
- vibration
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ホルダー中に振動吸収体を封入する必要がな
く、またホルダーに封入する場合においては、あらかじ
め形状の保持されたシリコーンゲル振動吸収体を使用す
るのでふた体の接着時に接着を阻害されることがことが
ない防振ダンパーおよびその製造方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】シリコーンゲル31の両面にフィルム32
を設けたシリコーンゲル挟着体Sを複数積層した積層体
表面にシリコーン被膜33を形成した振動吸収体を有す
ることを特徴とする。 【効果】シリコーンゲル両面にフィルムを配設するとと
もに、前記シリコーンゲルの表面にシリコーン被膜を形
成して振動吸収体としたために、前記振動吸収体自身が
所定形状を保持することが可能になり、このため、ホル
ダーに装入することなく、そのまま使用可能になる。こ
のため、ホルダーの必要のない防振ダンパーとすること
もできる。
く、またホルダーに封入する場合においては、あらかじ
め形状の保持されたシリコーンゲル振動吸収体を使用す
るのでふた体の接着時に接着を阻害されることがことが
ない防振ダンパーおよびその製造方法を提供することを
目的とする。 【解決手段】シリコーンゲル31の両面にフィルム32
を設けたシリコーンゲル挟着体Sを複数積層した積層体
表面にシリコーン被膜33を形成した振動吸収体を有す
ることを特徴とする。 【効果】シリコーンゲル両面にフィルムを配設するとと
もに、前記シリコーンゲルの表面にシリコーン被膜を形
成して振動吸収体としたために、前記振動吸収体自身が
所定形状を保持することが可能になり、このため、ホル
ダーに装入することなく、そのまま使用可能になる。こ
のため、ホルダーの必要のない防振ダンパーとすること
もできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防振ダンパー及びその製
造方法、更に詳細には車載の音響設備、計測機、ポータ
ブルCD、ポータブルCPなどの防振に使用される防振
ダンパーに関する。
造方法、更に詳細には車載の音響設備、計測機、ポータ
ブルCD、ポータブルCPなどの防振に使用される防振
ダンパーに関する。
【0002】
【従来技術及び問題点】従来、図4に示すように上述の
ような防振ダンパーは、弾性のある材料で製造されたホ
ルダー1の周囲にコイルバネ2を配するとともに、前記
ホルダー1中にシリコーンオイル、シリコーンゲルなど
の液状またはゲル状の振動吸収体3を装入した構造にな
っている。そして前記ホルダー1にふた体4を被せて、
前記振動吸収体3が密閉されるような構造になってい
る。
ような防振ダンパーは、弾性のある材料で製造されたホ
ルダー1の周囲にコイルバネ2を配するとともに、前記
ホルダー1中にシリコーンオイル、シリコーンゲルなど
の液状またはゲル状の振動吸収体3を装入した構造にな
っている。そして前記ホルダー1にふた体4を被せて、
前記振動吸収体3が密閉されるような構造になってい
る。
【0003】このような防振ダンパーは、コイルバネ2
および振動吸収体3の両方で振動が吸収できるため、2
種類の振動に対応できるという特性があり、複雑な振動
を吸収しなければならない車載の音響機器あるいは計測
機などの防振のために使用されている。
および振動吸収体3の両方で振動が吸収できるため、2
種類の振動に対応できるという特性があり、複雑な振動
を吸収しなければならない車載の音響機器あるいは計測
機などの防振のために使用されている。
【0004】上述のような構造の防振ダンパーにおいて
は、振動吸収体3をホルダー1中に封入するときには、
一般にホルダー1中に振動吸収体3を装入した後、前記
ふた体4を被せて両者を圧着により接着していた。しか
しながら、振動吸収体であるシリコーンオイル、シリコ
ーンゲルなどが接着表面に存在すると、ふた体4との接
着が極めて困難になるという欠点があった。
は、振動吸収体3をホルダー1中に封入するときには、
一般にホルダー1中に振動吸収体3を装入した後、前記
ふた体4を被せて両者を圧着により接着していた。しか
しながら、振動吸収体であるシリコーンオイル、シリコ
ーンゲルなどが接着表面に存在すると、ふた体4との接
着が極めて困難になるという欠点があった。
【0005】上述の振動吸収体のうちシリコーンゲルは
シリコーン樹脂(ゴム)のモノマーにシリコーンオイル
を付加させて通常のシリコーンエラストマーの1/5〜
1/10の架橋密度で硬化させたものであり、振動吸収
性に優れ、柔らかく、小さな圧力で容易に変形し、低弾
性率を有するなど防振材料として良好な性質を有してい
る。しかしながら、粘着性、密着性が強く、強度は小さ
いため、型にいれて所定形状に成型することは困難であ
る。また、シート形状として打ち抜きによって所定形状
に成型する場合においても、粘着性が大きく、強度が小
さいため、打ち抜き刄に粘着して打ち抜けず、また大き
く変形するために所定形状に打ち抜き困難であるという
欠点があった。このため前述のようにホルダー1内に収
納して使用するほかなかった。
シリコーン樹脂(ゴム)のモノマーにシリコーンオイル
を付加させて通常のシリコーンエラストマーの1/5〜
1/10の架橋密度で硬化させたものであり、振動吸収
性に優れ、柔らかく、小さな圧力で容易に変形し、低弾
性率を有するなど防振材料として良好な性質を有してい
る。しかしながら、粘着性、密着性が強く、強度は小さ
いため、型にいれて所定形状に成型することは困難であ
る。また、シート形状として打ち抜きによって所定形状
に成型する場合においても、粘着性が大きく、強度が小
さいため、打ち抜き刄に粘着して打ち抜けず、また大き
く変形するために所定形状に打ち抜き困難であるという
欠点があった。このため前述のようにホルダー1内に収
納して使用するほかなかった。
【0006】本発明は上述の点に鑑みなされたものであ
り、前記ホルダー中に振動吸収体を封入する必要がな
く、またホルダーに封入する場合においては、あらかじ
め形状の保持されたシリコーンゲル振動吸収体を使用す
るのでふた体の接着時に接着を阻害されることがことが
ない防振ダンパーおよびその製造方法を提供することを
目的とする。
り、前記ホルダー中に振動吸収体を封入する必要がな
く、またホルダーに封入する場合においては、あらかじ
め形状の保持されたシリコーンゲル振動吸収体を使用す
るのでふた体の接着時に接着を阻害されることがことが
ない防振ダンパーおよびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
ため、本発明による防振ダンパーは、シリコーンゲルの
両面にフィルムを設けたシリコーンゲル挟着体を複数積
層した積層体表面にシリコーン被膜を形成した振動吸収
体を有することを特徴とする。
ため、本発明による防振ダンパーは、シリコーンゲルの
両面にフィルムを設けたシリコーンゲル挟着体を複数積
層した積層体表面にシリコーン被膜を形成した振動吸収
体を有することを特徴とする。
【0008】また、本発明の防振ダンパーの製造方法
は、フィルム上に所定厚シリコーンゲル材料を設け、加
熱架橋する工程、前記架橋して形成されたシリコーンゲ
ル挟着体を所定形状に打ち抜き、前記シリコーンゲル挟
着体を複数積層する工程、前記所定形状のシリコーンゲ
ルをシリコーン組成液中に浸漬する工程、前記浸漬され
た所定形状のシリコーンゲルを取り出し、乾燥架橋する
工程を含むことを特徴とする。
は、フィルム上に所定厚シリコーンゲル材料を設け、加
熱架橋する工程、前記架橋して形成されたシリコーンゲ
ル挟着体を所定形状に打ち抜き、前記シリコーンゲル挟
着体を複数積層する工程、前記所定形状のシリコーンゲ
ルをシリコーン組成液中に浸漬する工程、前記浸漬され
た所定形状のシリコーンゲルを取り出し、乾燥架橋する
工程を含むことを特徴とする。
【0009】本来シリコーンゲルは非常に強度が小さ
く、型成形が困難であったが、シリコーンゲルの両面に
フィルムを設けることにより保形が可能になる。このた
め本発明によれば、たとえばフィルムを両面に設けた円
柱形状のシリコーンゲル挟着体を複数積層し、さらに前
記シリコーンゲルの表面にシリコーン被膜を形成して振
動吸収体とした。したがって前記シリコーンゲル自身が
円柱形状を保持することが可能になり、また、シリコー
ンゲルが粘着することがなく取り扱いが容易で、このた
め、ホルダーに装入することなく、そのまま振動吸収体
として使用可能になる。
く、型成形が困難であったが、シリコーンゲルの両面に
フィルムを設けることにより保形が可能になる。このた
め本発明によれば、たとえばフィルムを両面に設けた円
柱形状のシリコーンゲル挟着体を複数積層し、さらに前
記シリコーンゲルの表面にシリコーン被膜を形成して振
動吸収体とした。したがって前記シリコーンゲル自身が
円柱形状を保持することが可能になり、また、シリコー
ンゲルが粘着することがなく取り扱いが容易で、このた
め、ホルダーに装入することなく、そのまま振動吸収体
として使用可能になる。
【0010】本発明によれば、図1に示すように、上下
方向に設けられたふた体4の間に振動吸収体3が挟着さ
れている。
方向に設けられたふた体4の間に振動吸収体3が挟着さ
れている。
【0011】このような構造の防振ダンパーにおいて、
本発明では、従来と異なり振動吸収体3はシリコーンゲ
ル31の両面にフィルム32が配設されたシリコーンゲ
ル挟着体Sが複数積層されており、かつ前記積層された
シリコーンゲル挟着体Sの表面全体にシリコーン被膜3
3が形成された構造になっている。なお、この構成例に
おいてはコイルバネを設けていないが、従来と同様にフ
タ体4の間にコイルバネを設けてもよいのは明らかであ
る。
本発明では、従来と異なり振動吸収体3はシリコーンゲ
ル31の両面にフィルム32が配設されたシリコーンゲ
ル挟着体Sが複数積層されており、かつ前記積層された
シリコーンゲル挟着体Sの表面全体にシリコーン被膜3
3が形成された構造になっている。なお、この構成例に
おいてはコイルバネを設けていないが、従来と同様にフ
タ体4の間にコイルバネを設けてもよいのは明らかであ
る。
【0012】このようなシリコーンゲル31の内部に
は、シリコーンゲル31の形状保持を強化するために、
たとえば布体、フィルムあるいはファイバーチップ、マ
イクロカプセルなどの補強材を設けることもできる。そ
して、前記シリコーンゲル挟着体S表面にはシリコーン
被膜33が設けられており、前記補強材とともにシリコ
ーンゲル挟着体Sの形状保持を良好としている。
は、シリコーンゲル31の形状保持を強化するために、
たとえば布体、フィルムあるいはファイバーチップ、マ
イクロカプセルなどの補強材を設けることもできる。そ
して、前記シリコーンゲル挟着体S表面にはシリコーン
被膜33が設けられており、前記補強材とともにシリコ
ーンゲル挟着体Sの形状保持を良好としている。
【0013】図2は、本発明の作用を説明する図である
が、この図より明らかなように、上下方向から圧力が付
加された時に、フィルム32で挟まれたシリコーンゲル
31のそれぞれが周方向にはみ出すような状態に変形す
る。すなわち、シリコーンゲル31の変形は各フィルム
32に拘束されるため、前記周方向のはみ出しが小さく
なり(積層せずに1層で振動吸収体を構成した場合に比
較して)、保形性が良好になり、耐久性も良好になる。
が、この図より明らかなように、上下方向から圧力が付
加された時に、フィルム32で挟まれたシリコーンゲル
31のそれぞれが周方向にはみ出すような状態に変形す
る。すなわち、シリコーンゲル31の変形は各フィルム
32に拘束されるため、前記周方向のはみ出しが小さく
なり(積層せずに1層で振動吸収体を構成した場合に比
較して)、保形性が良好になり、耐久性も良好になる。
【0014】上述のようなシリコーンゲルとしては、従
来この種の防振ダンパーに使用する防振性のシリコーン
ゲルを使用することができる。しかしながら、従来と異
なりフィルムとの密着性、粘着性を向上させ形状を保持
する必要があることから、その動的貯蔵弾性率E'は10
5〜107dyne/cm2であるのがよい。
来この種の防振ダンパーに使用する防振性のシリコーン
ゲルを使用することができる。しかしながら、従来と異
なりフィルムとの密着性、粘着性を向上させ形状を保持
する必要があることから、その動的貯蔵弾性率E'は10
5〜107dyne/cm2であるのがよい。
【0015】さらに、動的粘弾性tanδは0.3〜
1.0であるのが好ましい。tanδが0.3未満であ
ると、反発弾性が大きくなり過ぎ、衝撃を吸収できない
恐れがあり、一方、1.0を越えると、機械的な耐久性
に問題を生じる恐れがある。
1.0であるのが好ましい。tanδが0.3未満であ
ると、反発弾性が大きくなり過ぎ、衝撃を吸収できない
恐れがあり、一方、1.0を越えると、機械的な耐久性
に問題を生じる恐れがある。
【0016】このようなシリコーンゲル31に対し、補
強材を内部に設けることができる。このような補強材と
しては、前記シリコーンゲルの形状保持に寄与するもの
であれば基本的にいかなるものでもよい。たとえば、形
状としては布体、フィルム、ファイバーチップ、マイク
ロバルーンなどの形状であることができる。布体の場
合、たとえばポリエステル、ナイロンなどより形成され
た布体の一種以上、ファイバーチップの場合、ポリエス
テル、ナイロン繊維よりなるチップの一種以上、フィル
ムの場合には、ポリエステル、ナイロンなどの一種以上
のフィルムを使用することができる。またこれらの補強
材は組み合わせて使用することもでき、例えばファイバ
ーチップとマイクロバルーンを混在してシリコーンゲル
中に配合することも可能である。また布体、フィルムな
どを組み合わせてもよく、これにさらにファイバーチッ
プ、マイクロバルーンを組み合わせてもよい。すなわち
種々の組み合わせも可能である。
強材を内部に設けることができる。このような補強材と
しては、前記シリコーンゲルの形状保持に寄与するもの
であれば基本的にいかなるものでもよい。たとえば、形
状としては布体、フィルム、ファイバーチップ、マイク
ロバルーンなどの形状であることができる。布体の場
合、たとえばポリエステル、ナイロンなどより形成され
た布体の一種以上、ファイバーチップの場合、ポリエス
テル、ナイロン繊維よりなるチップの一種以上、フィル
ムの場合には、ポリエステル、ナイロンなどの一種以上
のフィルムを使用することができる。またこれらの補強
材は組み合わせて使用することもでき、例えばファイバ
ーチップとマイクロバルーンを混在してシリコーンゲル
中に配合することも可能である。また布体、フィルムな
どを組み合わせてもよく、これにさらにファイバーチッ
プ、マイクロバルーンを組み合わせてもよい。すなわち
種々の組み合わせも可能である。
【0017】上述のようなファイバーチップあるいはマ
イクロバルーンを混入する場合、シリコーンゲル100
重量部に対し5〜20重量部添加する。5重量部未満で
あると、シリコーンゲルの強度向上効果が小さく、一方
20重量部を超えると、シリコーンゲルの本来の特性が
劣化する恐れがある。
イクロバルーンを混入する場合、シリコーンゲル100
重量部に対し5〜20重量部添加する。5重量部未満で
あると、シリコーンゲルの強度向上効果が小さく、一方
20重量部を超えると、シリコーンゲルの本来の特性が
劣化する恐れがある。
【0018】上述のようなフィルム32としては、たと
えばポリエステルフィルムなどを使用することができ
る。このようなフィルム32の厚さは、好ましくは50
〜250μmであるのがよい。50μm未満であると、
形状保持が困難になるおそれがあり、一方250μmを
越えると、構造物として吸振性が減ずる。
えばポリエステルフィルムなどを使用することができ
る。このようなフィルム32の厚さは、好ましくは50
〜250μmであるのがよい。50μm未満であると、
形状保持が困難になるおそれがあり、一方250μmを
越えると、構造物として吸振性が減ずる。
【0019】さらに、一つの前記シリコーンゲル挟着体
Sのシリコーンゲル31の厚さは、好ましくは1〜5m
mであるのがよい。1mm未満であると防振効果が小さ
くなる恐れがあり、一方5mmを越えると、フィルム3
2が両面に設けられていても形状保持が困難になるおそ
れがあり、またコーティング時に流れる可能性がある。
Sのシリコーンゲル31の厚さは、好ましくは1〜5m
mであるのがよい。1mm未満であると防振効果が小さ
くなる恐れがあり、一方5mmを越えると、フィルム3
2が両面に設けられていても形状保持が困難になるおそ
れがあり、またコーティング時に流れる可能性がある。
【0020】上述のシリコーンゲルの形状を保持するた
めに、前記シリコーンゲル表面にシリコーン被膜が設け
られる。シリコーン被膜は前記シリコーンゲルと良好に
接着し、かつ形状保持効果を発揮するからである。前記
シリコーン被膜の硬度は、好ましくはJISA硬度で3
0°〜80°であるのが好ましい。30°未満である
と、形状保持効果及び被膜強度が十分でない恐れがあ
り、一方80°を越えると、振動吸収性を損ない、また
振動吸収体が圧縮されたときに亀裂を生じる恐れがあ
る。
めに、前記シリコーンゲル表面にシリコーン被膜が設け
られる。シリコーン被膜は前記シリコーンゲルと良好に
接着し、かつ形状保持効果を発揮するからである。前記
シリコーン被膜の硬度は、好ましくはJISA硬度で3
0°〜80°であるのが好ましい。30°未満である
と、形状保持効果及び被膜強度が十分でない恐れがあ
り、一方80°を越えると、振動吸収性を損ない、また
振動吸収体が圧縮されたときに亀裂を生じる恐れがあ
る。
【0021】またシリコーン被膜の厚さは、好ましくは
30〜300μmであるのがよい。30μm未満である
と、形状保持効果及び強度が十分でない恐れがあり、一
方300μmを越えると、振動吸収性を損なう。
30〜300μmであるのがよい。30μm未満である
と、形状保持効果及び強度が十分でない恐れがあり、一
方300μmを越えると、振動吸収性を損なう。
【0022】次に本発明の防振ダンパーの製造方法につ
いて説明する。
いて説明する。
【0023】図3に示すように、フィルム32上にシリ
コーンゲル材料を所定厚さにコーティングし、その上に
さらにフィルム32を積層して加熱架橋して、シリコー
ンゲル31の両面にフィルム32が配設されたシリコー
ンゲル挟着体Sを製造する。また枠内にフィルム32を
敷設し、前記枠内にシリコーンゲル材料を所定投入し、
前記シリコーンゲル材料を所定厚にすると共にその上に
フィルム32をさらに積層し、加熱架橋してシリコーン
ゲル挟着体Sを製造することも可能である。
コーンゲル材料を所定厚さにコーティングし、その上に
さらにフィルム32を積層して加熱架橋して、シリコー
ンゲル31の両面にフィルム32が配設されたシリコー
ンゲル挟着体Sを製造する。また枠内にフィルム32を
敷設し、前記枠内にシリコーンゲル材料を所定投入し、
前記シリコーンゲル材料を所定厚にすると共にその上に
フィルム32をさらに積層し、加熱架橋してシリコーン
ゲル挟着体Sを製造することも可能である。
【0024】マイクロバルーン、ファイバーチップの場
合には、前記マイクロバルーンおよび/またはファイバ
ーチップをシリコーンゲル材料中にあらかじめ混入して
おく。
合には、前記マイクロバルーンおよび/またはファイバ
ーチップをシリコーンゲル材料中にあらかじめ混入して
おく。
【0025】このゲルの針入度は、好ましくは30〜7
0%である。30%未満であると、シリコーンゲルの形
状保持が困難であり、また70%を越えると、防振効果
が小さくなる。さらに上述の範囲であれば、前述のE’
およびtanδの範囲にすることが容易である(図3a
参照)。
0%である。30%未満であると、シリコーンゲルの形
状保持が困難であり、また70%を越えると、防振効果
が小さくなる。さらに上述の範囲であれば、前述のE’
およびtanδの範囲にすることが容易である(図3a
参照)。
【0026】上述のような架橋を行う場合、例えば14
0〜165℃で、10〜20分加熱して行うのがよい。
140℃未満であると、架橋の進行に時間がかかり過ぎ
る恐れがある。更に架橋時間が、10分未満であると、
架橋が十分でない恐れがある。
0〜165℃で、10〜20分加熱して行うのがよい。
140℃未満であると、架橋の進行に時間がかかり過ぎ
る恐れがある。更に架橋時間が、10分未満であると、
架橋が十分でない恐れがある。
【0027】このようにシリコーンゲル挟着体Sを製造
した後、前記シリコーンゲル挟着体Sを所定形状に打ち
抜き、複数積層して積層体を形成した後に、シリコーン
組成液6に浸漬する。このようなシリコーン組成液6と
しては、例えば付加重合型の未架橋シリコーン組成液を
使用することができる(図3b参照)。このようなシリ
コーン組成液6の粘度は、好ましくは10〜50ポイズ
である。10ポイズ未満であると、シリコーン被膜の膜
厚が十分でない恐れがあり、一方50ポイズを越える
と、シリコーン被膜が厚くなり過ぎる恐れがあるからで
ある。
した後、前記シリコーンゲル挟着体Sを所定形状に打ち
抜き、複数積層して積層体を形成した後に、シリコーン
組成液6に浸漬する。このようなシリコーン組成液6と
しては、例えば付加重合型の未架橋シリコーン組成液を
使用することができる(図3b参照)。このようなシリ
コーン組成液6の粘度は、好ましくは10〜50ポイズ
である。10ポイズ未満であると、シリコーン被膜の膜
厚が十分でない恐れがあり、一方50ポイズを越える
と、シリコーン被膜が厚くなり過ぎる恐れがあるからで
ある。
【0028】シリコーンゲル組成液6より取り出した
後、乾燥し付加重合させてシリコーン被膜を形成する。
後、乾燥し付加重合させてシリコーン被膜を形成する。
【0029】このように形成した振動吸収体をふた体4
と組み合わせて防振ダンパーとする。
と組み合わせて防振ダンパーとする。
【0030】
【実施例】シリコーンゲル材料(KE1051A/B;
商標名;信越化学株式会社製:針入度65%、粘度70
0〜1000ポイズ)および補強材(マイクロカプセ
ル)を、前記補強材が5重量部になるように混合した。
その後、厚さ50μmのポリエステルフィルム上に3m
mの厚さにシリコーンゲル材料をコーティングした後、
同じフィルムを、さらに積層して加熱架橋した。架橋は
140℃、15分の架橋条件で行ったこのシリコーンゲ
ルの針入度は60%であった。
商標名;信越化学株式会社製:針入度65%、粘度70
0〜1000ポイズ)および補強材(マイクロカプセ
ル)を、前記補強材が5重量部になるように混合した。
その後、厚さ50μmのポリエステルフィルム上に3m
mの厚さにシリコーンゲル材料をコーティングした後、
同じフィルムを、さらに積層して加熱架橋した。架橋は
140℃、15分の架橋条件で行ったこのシリコーンゲ
ルの針入度は60%であった。
【0031】また、シリコーンゲルはE’=106dy
ne/cm2、tanδは0.6であった。
ne/cm2、tanδは0.6であった。
【0032】このように製造したシリコーンゲル挟着体
を5層積層し、円柱状積層体を形成した後付加反応型シ
リコーン組成液(KE1940−30;商標名;信越化
学株式会社製:シリコーンの物性;TB70%以上、E
B300%以上,付加反応型)中に浸漬した。シリコー
ン組成液の粘度は15ポイズであった。この積層体をと
りだし乾燥して付加重合させシリコーン被膜を表面に形
成した。このシリコーン被膜の厚さは150μm、硬度
はJISAで40°であった。
を5層積層し、円柱状積層体を形成した後付加反応型シ
リコーン組成液(KE1940−30;商標名;信越化
学株式会社製:シリコーンの物性;TB70%以上、E
B300%以上,付加反応型)中に浸漬した。シリコー
ン組成液の粘度は15ポイズであった。この積層体をと
りだし乾燥して付加重合させシリコーン被膜を表面に形
成した。このシリコーン被膜の厚さは150μm、硬度
はJISAで40°であった。
【0033】このようにして製造された振動吸収体を図
1に示すような防振ダンパーに組み上げた後、20Hz
の共振周波数で加振特性(MAG dB)を測定した結
果、6.65dBであった。
1に示すような防振ダンパーに組み上げた後、20Hz
の共振周波数で加振特性(MAG dB)を測定した結
果、6.65dBであった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明による防振ダ
ンパーによれば、シリコーンゲル両面にフィルムを配設
するとともに、前記シリコーンゲルの表面にシリコーン
被膜を形成して振動吸収体としたために、前記振動吸収
体自身が所定形状を保持することが可能になり、このた
め、ホルダーに装入することなく、そのまま使用可能に
なる。このため、ホルダーの必要のない防振ダンパーと
することもできる。
ンパーによれば、シリコーンゲル両面にフィルムを配設
するとともに、前記シリコーンゲルの表面にシリコーン
被膜を形成して振動吸収体としたために、前記振動吸収
体自身が所定形状を保持することが可能になり、このた
め、ホルダーに装入することなく、そのまま使用可能に
なる。このため、ホルダーの必要のない防振ダンパーと
することもできる。
【図1】本発明による防振ダンパーの断面図。
【図2】振動吸収体の変形状態を示す図。
【図3】振動吸収体の製造方法を説明する説明図。
【図4】従来の防振ダンパーの断面図。
1 ホルダー 2 コイルバネ 3 振動吸収体 31 シリコーンゲル 32 フィルム 33 シリコーン被膜 4 ふた体 6 シリコーン組成液 S シリコーンゲル挟着体
Claims (9)
- 【請求項1】 シリコーンゲルの両面にフィルムを設け
たシリコーンゲル挟着体を複数積層した積層体表面にシ
リコーン被膜を形成した振動吸収体を有することを特徴
とする防振ダンパー。 - 【請求項2】 前記シリコーンゲルの動的貯蔵弾性率E'
は105〜107dyne/cm2であり、動的粘弾性t
anδは0.3〜1.0であることを特徴とする請求項
1記載の防振ダンパー。 - 【請求項3】 前記シリコーン被膜の硬度はJISAで
30〜80°、厚さは30〜300μmであることを特
徴とする請求項1または2記載のいずれかの防振ダンパ
ー。 - 【請求項4】 前記フィルムの厚さは50〜250μm
であることを特徴とする請求項1から3記載のいずれか
の防振ダンパー。 - 【請求項5】 前記シリコーンゲル中に補強材をシリコ
ーンゲル100重量部に対し5〜20重量部設けたこと
を特徴とする請求項1から4記載のいずれかの防振ダン
パー。 - 【請求項6】 前記シリコーンゲルの厚さは1〜5mm
であることを特徴とする請求項1から5記載のいずれか
の防振ダンパー。 - 【請求項7】 フィルム上に所定厚シリコーンゲル材料
を設け、加熱架橋する工程、前記架橋して形成されたシ
リコーンゲル挟着体を所定形状に打ち抜き、前記シリコ
ーンゲル挟着体を複数積層する工程、前記所定形状のシ
リコーンゲルをシリコーン組成液中に浸漬する工程、前
記浸漬された所定形状のシリコーンゲルを取り出し、乾
燥架橋する工程を含むことを特徴とする防振ダンパーの
製造方法。 - 【請求項8】 前記シリコーンゲル材料を針入度30〜
70%に硬化させたことを特徴とする請求項7記載の防
振ダンパーの製造方法。 - 【請求項9】 前記シリコーン組成液の粘度は5〜50
ポイズであることを特徴とする請求項7または8記載の
防振ダンパーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14664496A JPH09303480A (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 防振ダンパー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14664496A JPH09303480A (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 防振ダンパー及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09303480A true JPH09303480A (ja) | 1997-11-25 |
Family
ID=15412398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14664496A Pending JPH09303480A (ja) | 1996-05-16 | 1996-05-16 | 防振ダンパー及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09303480A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-05-16 JP JP14664496A patent/JPH09303480A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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