JPH09302031A - 変性ポリビニルアルコール系共重合体及び可塑化塩化ビニル系樹脂成形品用被覆組成物 - Google Patents

変性ポリビニルアルコール系共重合体及び可塑化塩化ビニル系樹脂成形品用被覆組成物

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JPH09302031A
JPH09302031A JP8139735A JP13973596A JPH09302031A JP H09302031 A JPH09302031 A JP H09302031A JP 8139735 A JP8139735 A JP 8139735A JP 13973596 A JP13973596 A JP 13973596A JP H09302031 A JPH09302031 A JP H09302031A
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pva
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑剤のブリードアウトを防止して成形品表
面の汚染を防止し、しかも成形品表面に耐ブロッキング
性、離型性、撥水性、印刷適性を付与するとともに、耐
候性、柔軟性、接着性等に優れた、変性PVA共重合
体、及び該共重合体からなる可塑化PVC成形品を与え
るのに適した被覆組成物を提供すること。 【解決手段】 PVA90〜40重量部と脂肪族ポリエ
ステル10〜60重量部とからなるPVA系共重合体と
炭素数が12個以上の脂肪族基を有するイソシアネート
とを反応させてなることを特徴とする変性PVA系共重
合体、及び該共重合体からなる可塑化塩化ビニル系樹脂
成形品用被覆組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリビニルアルコ
ール(以下単にPVAという)系共重合体及び可塑化塩
化ビニル系樹脂(以下単にPVCという)成形品用被覆
組成物に関し、更に詳しくは上記樹脂成形品の可塑剤の
ブリードアウト(表面移行)を防止して成形品表面の汚
染を防止するとともに、耐ブロッキング性、離型性、撥
水性、印刷適性等の優れた表面特性を与え、且つ耐候
性、柔軟性、接着性等に優れた可塑化PVC成形品を与
えるのに適した変性PVA系共重合体及び該共重合体か
らなる可塑化PVC成形品用被覆組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PVCは安価で化学的安定性に優
れており、添加する可塑剤の量を変えることにより、硬
質から軟質まで広範囲の成形品の製造に使用することが
できる樹脂であり、例えば、壁紙、床・天井材等の内装
材、農業用シート、テント、帆布等のシート、ホース、
チューブ等の各種成形品として多くの用途に利用されて
いる。
【0003】しかしながら、可塑化PVC成形品は多量
の可塑剤を含んでおり、経時的に可塑剤がその表面にブ
リードアウトし、表面に汚れの付着やブロッキングを起
こす等の欠点がある。可塑化PVC成形品中の可塑剤
が、その表面へブリードアウトするのを防ぐために従来
より種々の方法が検討されている。
【0004】特公昭47−28740号公報には、可塑
化PVC成形品の表面に、可塑剤が移行するのを抑制す
るために樹脂被覆層を設けることが提案されている。こ
のような樹脂被覆層を形成するための樹脂として、アク
リル酸エステルやメタアクリル酸エステルの単独重合
体、又はこれらのモノマーの共重合体等が知られている
が、これらの重合体又は共重合体からなる被膜では、可
塑剤のブリートアウト防止性は完全ではなく、成形品の
耐汚染性、耐ブロッキング性、耐屈曲性等の諸性質も満
足し得るものではない。
【0005】特開平2−299838号公報には、PV
Cシートに、架橋部位を有する含フッ素共重合体及びア
クリル系共重合体を主成分とする塗膜を形成すること
で、塗膜の密着性に優れたシートを提供することが示さ
れているが、該塗膜による可塑剤のブリートアウト防止
性能は低い。
【0006】又、PVAは、耐溶剤性、被膜強度、耐摩
耗、ガスバリヤー性等に優れた樹脂であり、可塑剤のブ
リードアウトの防止という点では好ましい材料である
が、PVAからなる被膜は柔軟性に乏しいために、PV
Aからなる被膜を有するシート等の屈曲時に被膜の割れ
や白化現象を起こしたり、該被膜の高い水溶性のために
高湿度下では、シートの耐ブロッキング性、耐汚染性等
に乏しい等、満足し得るものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、可塑化PVC成形品の可塑剤のブリードアウトを防
止して成形品表面の汚染を防止するとともに、耐ブロッ
キング性、離型性、撥水性、印刷適性等の優れた表面特
性を与え、且つ耐候性、柔軟性、接着性等に優れた可塑
化PVC成形品を与えるのに適した変性PVA系共重合
体及び該共重合体からなる可塑化PVC成形品用被覆組
成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、PVA90〜4
0重量部と脂肪族ポリエステル10〜60重量部とから
なるPVA系共重合体と炭素数が12個以上の脂肪族基
を有するモノイソシアネート化合物とを反応させてなる
ことを特徴とする変性PVA系共重合体、及び該共重合
体からなる可塑化PVC成形品用被覆組成物である。
【0009】特に上記PVAとしては、その鹸化度が6
0モル%以上のものが好ましく、又、脂肪族ポリエステ
ルとしては、ポリカプロラクトン又はポリバレロラクト
ンからなる脂肪族ポリエステルが好ましい。従来、PV
C成形品の可塑化には、エステル化合物及びポリエステ
ル系樹脂が使用されており、一般にはエステル結合がP
VCの可塑化及び相溶性に寄与していることは明らかで
ある。
【0010】そこで本発明者は、PVAにエステル結合
を導入することにより、PVAのガスバリヤー性を保持
し、しかも可塑化PVC成形品への接着性及び被膜の柔
軟性を持った可塑化PVC成形品用被覆組成物について
鋭意研究を重ね、上記本発明を完成するに到った。
【0011】PVAに脂肪族ポリエステルをグラフトし
たPVA系共重合体に、炭素数が12個以上の脂肪族基
を有するモノイソシアネート化合物を反応させて得られ
るウレタン変性PVA系共重合体は、可塑化塩化ビニル
樹脂成形品における可塑剤のブリードアウトを防止し
て、耐ブロッキング性、離型性、撥水性、印刷適性等の
優れた表面特性を付与するとともに、耐候性、柔軟性、
接着性等の優れた可塑化PVC成形品用被覆組成物を提
供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳しく説明する。本発明のウレタン変性PVA系共
重合体は、脂肪族ポリエステルがグラフトされているP
VA系共重合体と炭素数が12個以上の脂肪族基を有す
るモノイソシアネート化合物との反応によって得られ
る。
【0013】先ず、PVA系共重合体は、PVAに、ε
−カプロラクトン化合物、δ−バレロラクトン化合物等
の如く、ラクトン開環重合によって脂肪族ポリエステル
を形成し得るラクトン化合物を開環グラフト共重合させ
ることにより得られる。本発明で使用するPVAは、酢
酸ビニル単位の鹸化度は60モル%以上で、重量平均重
合度20〜20,000、好ましくは200〜3,00
0のPVAである。
【0014】本発明においてPVAと反応せしめるカプ
ロラクトン化合物としては、ε−カプロラクトン、モノ
メチル−ε−カプロラクトン、モノエチル−ε−カプロ
ラクトン、モノプロピル−ε−カプロラクトン、及びモ
ノドデシル−ε−カプロラクトンのような種々のモノア
ルキル−ε−カプロラクトン類或いは2個のアルキル基
の双方がε−位置の炭素原子に結合せずに同様な別個の
炭素原子に各々置換しているジアルキル−ε−カプロラ
クトン類或いはラクトン環のε−位置の炭素原子はジ−
置換されておらず他の2個又は3個の炭素原子が3個の
アルキル基によって置換されているトリアルキル−ε−
カプロラクトン、及びエトキシ−ε−カプロラクトンの
ようなアルコキシ−ε−カプロラクトン類或いはシクロ
ヘキシル、フェニル−及びベンジル−ε−カプロラクト
ンのようなシクロアルキル−ε−カプロラクトン、アリ
ール−ε−カプロラクトン及びアラルキル−ε−カプロ
ラクトン等が挙げられる。
【0015】本発明において好ましく使用されるδ−バ
レロラクトン化合物としては、5−バレロラクトン、3
−メチル−5−バレロラクトン、3,3,−ジメチル−
5−バレロラクトン、2−メチル−5−バレロラクト
ン、3−エチル−5−バレロラクトン等が挙げられる。
【0016】PVAと上記ラクトン化合物との反応は、
両者を混合し、好ましくは窒素気流下で適当な触媒を使
用し、10〜220℃の温度で数時間乃至数十時間反応
させることによって行われ、PVAに脂肪族ポリエステ
ルがグラフトしたPVA系共重合体が得られる。上記グ
ラフト反応において、PVAにグラフトする脂肪族ポリ
エステルの分子量、即ち反応に使用するPVAと脂肪族
ポリエステルの重量比を変化させることにより、PVA
及び脂肪族ポリエステルのそれぞれの特性を持ったPV
A系共重合体が得られる。
【0017】上記共重合体中におけるPVAと脂肪族ポ
リエステルとの重量比としては、PVA90〜60重量
部と脂肪族ポリエステル10〜40重量部の範囲が好ま
しい。PVAが90重量部を越え、脂肪族ポリエステル
が10重量部未満であるPVA系共重合体は、PVAか
らの性能が優位を占めるので、得られる共重合体の可塑
化PVC成形品に対する密着性、被膜の可撓性、溶剤に
対する溶解性において改善の効果が少ない。
【0018】一方、PVAが60重量部未満で、脂肪族
ポリエステルが40重量部を越えたPVA系共重合体
は、脂肪族ポリエステルからの性能が優位を占めるの
で、可塑剤のブリードアウト防止効果に劣り、本発明の
可塑化PVC成形品用被覆組成物としては不十分であ
る。本発明においてPVAにラクトン化合物をグラフト
重合させるには、両者を混合し、好ましくは窒素気流下
で触媒を添加し、80乃至220℃の温度で数時間攪拌
しながら行う。又、一軸及び二軸押し出し機、バンバリ
ーミキサー、ニーダー、ブラベンダー等の混練機で両者
を溶融加熱状態でグラフト重合することも可能である。
このようにして得られる共重合体の分子量は、GPCで
測定した数平均分子量(標準ポリスチレン換算)で約1
〜50万であり、約1〜20万の範囲が好ましい。分子
量が上記範囲を越えると、該共重合体の成形性の点で不
十分であり、一方、分子量が上記範囲未満であると、該
共重合体の機械特性の点で不十分である。
【0019】次に、上記のように得られたPVA系共重
合体を、炭素数が12個以上の脂肪族基を有するモノイ
ソシアネート化合物と反応させることによって本発明の
ウレタン変性PVA系共重合体が得られる。本発明で用
いる脂肪族基を有するモノイソシアネート化合物は、一
般式R−NCOで表すことができる。式中のRは炭素数
が12個以上の脂肪族基であり、アルキル基やアルケニ
ル基が包含される。これら脂肪族基を有するモノイソシ
アネート化合物としては、例えば、ラウリルイソシアネ
ート(炭素数12)、ミリスチルイソシアネート(炭素
数14)、セチルイソシアネート(炭素数16)、ステ
アリルイソシアネート(炭素数18)、オレイルイソシ
アネート(炭素数18)、エイコサニルイソシアネート
(炭素数20)、ドコサニルイソシアネート(炭素数2
2)、テトラコサニルイソシアネート(炭素数24)、
ヘキサコサニルイソシアネート(炭素数26)、オクタ
コサニルイソシアネート(炭素数28)等が挙げられ
る。
【0020】又、脂肪族基を有するモノイソシアネート
化合物としては、炭素数が12個以上の脂肪族アルコー
ルとジイソシアネート化合物の等モル比の反応生成物で
あるモノイソシアネート化合物も使用することができ
る。上記の炭素数12個以上の脂肪族アルコールとして
は、例えば、ラウリルアルコール(炭素数12)、ミリ
スチルアルコール(炭素数14)、セチルアルコール
(炭素数16)、ステアリルアルコール(炭素数1
8)、オレイルアルコール(炭素数18)、エイコサノ
ール(炭素数20)、ドコサノール(炭素数22)、テ
トラコサノール(炭素数24)、ヘキサコサノール(炭
素数26)、オクタコサノール(炭素数28)等が挙げ
られる。又、上記のジイソシアネート化合物としては、
ポリウレタン樹脂の原料として使用されている種々のジ
イソシアネート化合物、例えば、トリレンジイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0021】次に、前記PVA系共重合体と炭素数が1
2個以上の脂肪族基を有するモノイソシアネート化合物
との反応につてい説明する。前記PVA共重合体を溶融
状態又は溶媒中に溶解或いは分散させた後、60〜15
0℃の温度にて炭素数が12個以上の脂肪族基を有する
モノイソシアネート化合物を反応させる。このとき、炭
素数が12個以上の脂肪族基を有するモノイソシアネー
ト化合物の反応割合は、PVA系共重合体中の水酸基に
対し0.2〜1.1当量の範囲が好ましい。重量比で表
せば、PVA系共重合体100重量部当たり、モノイソ
シアネート化合物約50〜500重量部が反応して結合
するの割合で使用することが好ましい。モノイソシアネ
ート化合物の使用量が上記の当量範囲を越えると、過剰
のモノイソシアネート化合物が反応混合物中に残存する
点で不十分であり、一方、モノイソシアネート化合物の
使用量が上記の当量範囲未満であると、得られる共重合
体の撥水性や離型性の点で不十分である。
【0022】反応は、反応混合物中のイソシアネート基
に基づく赤外吸収スペクトルにおける吸収ピークが消失
した時点で完了する。得られた反応混合物を2〜5倍の
アルコール等の貧溶媒中に注加してウレタン変性物を析
出させ、析出物を濾過分離して後、乾燥して本発明のウ
レタン変性PVA共重合体を得る。このようにして得ら
れたウレタン変性PVA共重合体は、トルエン、キシレ
ン等の溶剤に優れた溶解性を示し、可塑化PVC成形品
の可塑剤のブリードアウト防止、耐ブロッキング性、剥
離性、撥水性、印刷適性、耐光性、柔軟性及び接着性等
に優れた性能を有する。
【0023】本発明では上記のように、PVAに脂肪族
ポリエステルをグラフト重合させた後に、該グラフト共
重合体に前記モノイソシアネート化合物を容易に反応結
合させることができるが、従来の方法によりPVAに炭
素数12個以上のモノイソシアネート化合物を直接効率
よく反応結合させることは困難であった。つまり、PV
Aが100℃以上の温度に加熱されると徐々に熱分解を
起こすとともに、PVAの軟化点が高いため、実質的に
無水又は無可塑化の状態ではモノイソシアネート化合物
と効率よく反応させることが困難であった。
【0024】これに対して、本発明では、初期のグラフ
ト重合反応時には、PVAとラクトン化合物とは混合状
態では、白色粉末のPVAと液状のラクトン化合物は不
均一の状態であるが、反応の進行とともに白色粉末のP
VAは均一な反応生成物に変化し、高温下にもかかわら
ず、未反応状態のPVAの熱分解は見られず、その後の
前記モノイソシアネート化合物との反応においても、同
様にPVA(脂肪族ポリエステル変性物)は融点が低く
且つ有機溶剤に容易に溶解するので、PVAが熱分解す
ることなく、モノイソシアネート化合物によるPVAの
変性が容易であった。
【0025】本発明のウレタン変性PVA系共重合体か
らなる可塑化PVC成形品用被覆組成物は、固体状でも
溶液状でも使用することができる。又、必要に応じて各
種添加剤が配合される。添加剤としては、着色顔料、体
質顔料、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、コロイダルシリ
カ、分散剤、防カビ剤、艶消し剤等である。本発明の可
塑化PVC成形品用被覆組成物は、前記ウレタン変性P
VA共重合体をトルエン、キシレン、メチルエチルケト
ン等の汎用溶剤に約5〜50重量%の濃度に溶解して使
用することが好ましく、該溶液を使用して、固形分とし
て0.01〜1.0g/m2、好ましくは0.05〜
0.5g/m2の量で各種可塑化PVC成形品を被覆す
ることができる。
【0026】又、この可塑化PVC成形品用被覆組成物
による被膜形成に際し、PVA共重合体中に水酸基を意
図的に残し、該水酸基を利用して種々の架橋剤によって
架橋させることにより、耐熱性、機械的強度、耐水性、
耐溶剤性等に優れた被膜を得ることができる。架橋剤と
しては水酸基と反応する多官能性化合物であればいずれ
も使用可能である。具体的には、例えば、フェノール、
メラミン、エポキシ、ポリイソシアネート化合物等の多
官能化合物が適当である。
【0027】本発明のウレタン変性PVA系共重合体に
よる可塑化PVC成形品の被覆方法としては、ウレタン
変性PVA系共重合体を各種溶媒に溶解させ、グラビア
コーター、ナイフコーター、リバースコーター、浸漬、
ハケ塗り、エアースプレー、エアレススプレー等の塗布
法で行うことができる。又、本発明の可塑化PVC成形
品用被覆組成物を直接溶融成形してフイルム化或いはシ
ート化し、可塑化PVC成形品へラミネートする方法で
も行うことができる。ラミネートに際しては、直接熱ラ
ミネートで行ってもよく、各種接着剤を介してラミネー
トを行ってもよい。
【0028】本発明の可塑化PVC成形品用被覆組成物
により被覆された可塑化PVC成形品は、壁紙、シー
ト、デスクマット、レザー、フイルム、ホース、チュー
ブ等として非常に有用である。
【0029】
【実施例】次に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発
明を更に具体的に説明する。尚、文及び表中、部又は%
とあるのは特に断りのない限り重量基準である。 製造例1〜3 表1に記載にように、鹸化度98.5モル%のPVA
(重合度550)、ε−カプロラクトン及び触媒量のテ
トラブチルチタネートを反応容器に仕込み、窒素気流下
攪拌しながら1℃/2〜3minの昇温速度で加温す
る。150〜160℃でそれまでの不均一系であった反
応混合物が徐々に均一になり、180〜200℃では完
全均一系となる。200〜220℃で反応を6時間続
け、本発明で使用する脂肪族ポリエステルがグラフトさ
れているPVA系共重合体が得られる。
【0030】
【表1】
【0031】試験方法 表1に記載の各物性の試験は次の方法で行った。 *1)分子量:製造例1〜3で得られた共重合体のN,
N−ジメチルホルムアミド溶液(5%)でのGPC測定
値。 *2)硬度:製造例1〜3で得られた共重合体を160
℃の温度でプレス成形し、得られたシートをJIS K
−6301に基づいてA型硬度計で測定した。 *3)100%モジュラス(MPa)、抗張力(MP
a)、伸度(%):上記硬度の測定に使用したと同じプ
レス成形シートをJIS K−7311の3号ダンベル
で打抜いて物性を測定した。 *4)ビカット軟化点:各樹脂の軟化点をJIS K−
7206により測定した。
【0032】実施例1 製造例1の共重合体30部をキシレン60部中に分散さ
せ、還流温度でステアリルイソシアネート166部を加
えて反応を行う。反応の進行に伴い反応混合物は均一系
になる。反応混合物が完全に均一系になった後更に1時
間反応を続け、冷却後反応生成物を3倍量のメタノール
中に注いで白色沈澱物が得られる。白色沈殿物を洗浄及
び乾燥後、粉砕して本発明のウレタン変性PVA共重合
体を得た。この共重合体を固形分濃度10%にキシレン
に溶解して本発明の被覆組成物を得た。
【0033】実施例2 製造例2の共重合体30部、キシレン60部及びドコサ
ニルイソシアネート185部を使用し、他は実施例1と
同様にして本発明のウレタン変性PVA共重合体を得
た。この共重合体を固形分濃度10%にキシレンに溶解
して本発明の被覆組成物を得た。
【0034】実施例3 製造例3の共重合体40部、キシレン70部及びヘキサ
コニルイソシアネート200部を使用し、他は実施例1
と同様にして本発明のウレタン変性PVA共重合体を得
た。この共重合体を固形分濃度10%にキシレンに溶解
して本発明の被覆組成物を得た。
【0035】軟質塩化ビニルシート(3mm厚)に実施
例1〜3で得られた本発明の被覆組成物を、バーコータ
ーにより両面に乾燥後の膜厚が10〜20μmとなるよ
うに塗布し、これを80℃で30秒間乾燥させて以下の
試験を行った。
【0036】1.可塑剤ブリードアウト量の試験 軟質塩化ビニルシートを50mm×50mmに切り、ポ
リエチレンシートに挟み、更にガラス板で挟み、この状
態で5kgの荷重をかけ、70℃に保持した恒温槽に2
4時間放置する。次いで恒温槽から取り出し、ポリエチ
レンシートを剥離し、ポリエチレンシートの増減量を測
定する。ポリエチレンシートの増量の値が小さい程、軟
質塩化ビニルシートからの可塑剤のブリードアウト量が
少ないことを示す。
【0037】2.耐汚染性 軟質塩化ビニルシートを50mm×50mmに切り、予
め感光させたコピー用紙に密着させ、ガラス板で挟み、
この状態で3kgの荷重をかけ、50℃に保持した恒温
槽に24時間、及び72時間それぞれ放置する。次いで
恒温槽から取り出し、各シートをコピー用紙から剥離
し、各シートの汚染度を観察する。 ○・・・汚染なし。 △・・・一部汚染。 ×・・・全体汚染。
【0038】3.密着性 塗膜にナイフで1mm角の枡目を100個刻み、セロハ
ンテープで剥離試験を行った。 4.柔軟性 軟質塩化ビニルシートを室温で20回折り曲げ、塗膜の
状態を観察した。 ○・・・変化なし。 △・・・白化する。 ×・・・割れる。
【0039】5.耐水性 軟質塩化ビニルシートを室温で1日間水中に浸漬後取り
出し、室温で乾燥した。取り出し直後と乾燥後の塗膜の
状態を観察した。 ○・・・取り出し直後は僅かに白濁しているが、膨れ等
は認められず、乾燥後は浸漬前と変わらなかった。 △・・・取り出し直後は白濁しているか、膨れが認めら
れるが、乾燥後は浸漬前の状態と変わらなかった。 ×・・・取り出し直後に白濁及び膨れが著しく、乾燥後
も浸漬前の状態には戻らなかった。 6.撥水性 軟質塩化ビニルシートの塗布面の水滴による接触角を測
定した。
【0040】実施例4〜6 実施例4〜6として、実施例1〜3のそれぞれの被覆組
成物100部に硬化剤0.5部(日本ポリウレタン製、
コロネートHX)を添加した溶液を、実施例1〜3と同
じように軟質塩化ビニルシートに塗布し、80℃で30
秒間乾燥させ、室温で1日間放置したものについて実施
例1〜3と同様の試験を行った。
【0041】比較例1 軟質塩化ビニルシートに被覆組成物を塗布せず、そのま
ま実施例1〜3と同様の各試験を行った。 比較例2 軟質塩化ビニルシートに鹸化度98.5%のPVA(重
合度550)の水溶液(固型分15%)を塗布し、実施
例1〜3と同様の各試験を行った。
【0042】比較例3 軟質塩化ビニルシートにアクリル樹脂(三菱レーヨン
製、アクリルポリオールLR−620)に硬化剤(日本
ポリウレタン製、コロネートHX)を配合したものを塗
布し、実施例1〜3と同様の各試験を行った。 比較例4 軟質塩化ビニルシートに塩化ビニル用フッ素樹脂(旭硝
子製、フロロトップ)に硬化剤(日本ポリウレタン製、
コロネートHX)を配合したものを塗布し、実施例1〜
3と同様の各試験を行った。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】上記のように、本発明のウレタン変性P
VA系共重合体よりなる被覆組成物は、可塑化PVC成
形品を被覆すると、可塑化PVC成形品に含まれる可塑
剤のブリードアウトを防止して成形品表面の汚染を防止
するとともに、撥水性、離型性に優れた被膜を与える。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール90〜40重量部
    と脂肪族ポリエステル10〜60重量部とからなるポリ
    ビニルアルコール系共重合体と炭素数が12個以上の脂
    肪族基を有するモノイソシアネート化合物とを反応させ
    てなることを特徴とする変性ポリビニルアルコール系共
    重合体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコールが、鹸化度60モ
    ル%以上である請求項1に記載の変性ポリビニルアルコ
    ール系共重合体。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステルが、ポリカプロラク
    トン又はポリバレロラクトンからなる請求項1に記載の
    変性ポリビニルアルコール系共重合体。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステルがグラフトされてい
    るポリビニルアルコール系共重合体の分子量が、10,
    000〜500,000である請求項1に記載の変性ポ
    リビニルアルコール系共重合体。
  5. 【請求項5】 炭素数が12個以上の脂肪族基を有する
    モノイソシアネート化合物の結合量が、脂肪族ポリエス
    テルがグラフトされているポリビニルアルコール系共重
    合体100重量部当たり、50〜500重量部である請
    求項1に記載の変性ポリビニルアルコール系共重合体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の変性ポリビニルア
    ルコール系共重合体からなることを特徴とする可塑化塩
    化ビニル系樹脂成形品用被覆組成物。
JP08139735A 1996-05-10 1996-05-10 変性ポリビニルアルコール系共重合体及びその製造方法並びに可塑化塩化ビニル系樹脂成形品用被覆組成物 Expired - Lifetime JP3133256B2 (ja)

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WO2020022367A1 (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社 撥水剤、撥水性繊維製品の製造方法および撥水性繊維製品

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