JPH09301914A - アセトンの精製方法 - Google Patents

アセトンの精製方法

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JPH09301914A
JPH09301914A JP11354596A JP11354596A JPH09301914A JP H09301914 A JPH09301914 A JP H09301914A JP 11354596 A JP11354596 A JP 11354596A JP 11354596 A JP11354596 A JP 11354596A JP H09301914 A JPH09301914 A JP H09301914A
Authority
JP
Japan
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acetone
alcohol
compound
distillation
present
Prior art date
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Pending
Application number
JP11354596A
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English (en)
Inventor
Takashi Odagiri
崇 小田切
Kyo Ishikawa
矯 石川
Akio Tsuboi
明男 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微量のアルコール成分を含有するアセトンか
らアルコール成分を効率的に分離除去する方法を提供す
る。 【解決手段】 微量のアルコールを含有するアセトン
に、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素及びメチル−t−ブ
チルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の
第3化合物を添加して蒸留し、アルコールの濃縮された
アセトン及び第3化合物を含有する留分を留出させると
共に、アルコール含有量の減少したアセトンを塔下部か
ら取得するアセトンの精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアセトンの精製方法
に関する。詳しくは本発明は微量のアルコール成分を含
有するアセトンから蒸留によりアルコール成分を分離除
去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アセトンは石油化学工業において製造さ
れる重要な溶剤であり、最近は化学工業の進展による化
学製品の多様化やその品質向上に伴い、ますます高純度
のアセトンが要求されるようになってきた。例えば、ア
セトン中に微量含有されるメタノール等のアルコール成
分は、当該アセトンを縮合反応によるジアセトンアルコ
ールの製造に用いる際に、縮合触媒の被毒成分となるの
で、その濃度を厳密に管理することが必要であるとされ
ている(特公昭61−16257号参照)。従来、アセ
トン中の微量不純物に関し、アルコール成分以外の微量
不純物の除去に関しては種々の有効な方法が開発されて
おり、現在では実用上問題のない程度に高純度のアセト
ンが得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アセト
ン中の微量のアルコール成分の分離除去に関して工業的
に有利な方法は未だ実現されていない。本発明者らの検
討によれば、通常の分別蒸留では高段数にしても微量の
アルコール成分を十分に分離除去することはできない。
特にアセトン濃度が100%に近い領域でのアセトン−
メタノール二成分系の気液平衡データの詳細は明らかで
はないが、この系のX−Y線図の関係は対角線(45
°)に対して接近した位置関係にあるものと推察され
る。かかる状況において本発明の目的は、アセトン中に
含まれる微量のアルコール成分を工業的有利に分離除去
する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、微量のアルコー
ル成分を含有するアセトンに特定の化合物を添加して蒸
留処理を行なうことにより、アルコール成分の含有量が
微量であることから共沸混合物は形成されないにもかか
わらず、アセトンとアルコールとの分離性が大幅に改善
され、アセトン中のアルコール成分が容易に分離除去で
きることを見出して本発明に到達した。
【0005】即ち本発明の要旨は、微量のアルコールを
含有するアセトンに、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素及
びメチル−t−ブチルエーテルからなる群から選ばれる
少なくとも1種の化合物(以下「第3化合物」という)
を添加して蒸留し、アルコールの濃縮されたアセトン及
び第3化合物を含有する留分を留出させると共に、アル
コール含有量の減少したアセトンを塔下部から取得する
ことを特徴とするアセトンの精製方法、に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明につきさらに詳細に
説明する。本発明方法の蒸留原料として用いられる微量
のアルコール成分を含有するアセトンとしては、クメン
法あるいはそれに類似する方法でフェノール類を製造す
る際に副生したアセトン、ヘキスト・ワッカー法による
プロピレンの酸化によって製造されたアセトン、及びイ
ソプロピルアルコールの酸化によって製造したアセトン
等があげられる。上記クメン法及びその類似法で副生し
たアセトン或いはヘキスト・ワッカー法によって得られ
たアセトンには、いずれも微量、例えば2〜500重量
ppm程度のメタノールが含まれている。また、イソプ
ロピルアルコールの酸化によって得られたアセトンに
は、原料のイソプロピルアルコールが微量含まれてい
る。
【0007】上記したアセトン中に含まれるアルコール
成分としては、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等の炭素数3以下のアルコールがあげられ
る。これらの不純物アルコールとしては上記のようなア
セトンの製造工程に由来して含まれるもののみでなく、
アセトンの縮合反応等の誘導体合成反応の際の副生物に
由来して含まれるものがあげられる。後者の場合、例え
ばアセトンの縮合反応を行う際には、大部分のアセトン
が未反応物として残存し、その未反応アセトンを回収し
て反応系に循環再使用するので、原料アセトン中のアル
コール、例えばメタノールはたとい微量であっても未反
応状態で反応系内に蓄積することとなる。
【0008】従って、本発明方法においては上記のよう
なアセトン製造法によって得られた微量のアルコールを
含有するアセトンに直接本発明を適用してもよく、また
例えばアセトンの縮合反応において、縮合反応液から反
応生成物(ジアセトンアルコール)を除去して得られる
未反応アセトンを縮合反応系に循環再使用することによ
って得られる、アルコール成分が濃縮されたアセトンの
一部又は全部に本発明を適用してもよい。
【0009】本発明方法においては、上記微量不純物と
してアルコール成分を、通常5重量%以下、好ましくは
0.01〜5重量%の範囲で含有するアセトンに、炭素
数5〜6の脂肪族炭化水素及びメチル−t−ブチルエー
テルからなる群から選ばれる第3化合物を添加して蒸留
処理し、アルコール成分の濃縮されたアセトン及び第3
化合物を含有する留分を留出させる一方で、アルコール
成分の減少したアセトンを塔下部より取得することによ
って、アセトンを精製する。上記脂肪族炭化水素として
は、例えばペンタン、ヘキサンが挙げられ、これらは単
独で又はそれらの混合物(異性体混合物)として用いて
もよい。
【0010】本発明の方法を更に具体的に図面を参照し
ながら説明する。図1は、本発明方法の実施に用いられ
る蒸留装置の例を示す構成図である。図1において、先
ず、不純物としてアルコールを含有するアセトンを経路
1から、また第3化合物を経路2から、それぞれ蒸留塔
3の中段に供給して蒸留処理し、蒸留塔3の塔頂より経
路4を経由してアルコール成分の濃縮されたアセトン及
び第3化合物を含有する留出液を留出させ、一方、塔底
より経路5を経てアルコール成分の減少したアセトンを
取得する。上記アルコール成分を含有するアセトンに第
3化合物を添加して蒸留処理すると、アルコール成分が
微量であるので共沸混合物は形成されないが、アセトン
に対するアルコールの分離性が大幅に改善され、その結
果としてアセトン中のアルコール成分を大幅に減少させ
ることができる。
【0011】図2は、本発明方法の実施に用いられる蒸
留装置の他の例を示す構成図である。図2においては、
経路4から抜き出された留出液を冷却器6を経てデカン
ター8に送り、デカンター8内に経路9を経て供給され
る水又は水蒸気と該留出液とを接触させる。ここで留出
液中のアセトン及びアルコール成分の一部を水層中に抽
出させ、未抽出物層(第3化合物層)と水層との2液相
を形成させる。相分離して第3化合物層と水層とに分離
し、第3化合物層は経路10を経て蒸留塔3の上段部へ
還流させる。第3化合物層の一部を供給アセトンに混合
して蒸留塔3の中段に供給してもよい。上記蒸留塔の段
数としては、理論段数で通常20段以上、望ましくは2
5〜50段の範囲が工業的には有利である。アセトンに
対する第3化合物の添加量は、特に限定されないが、好
適な添加量は不純物アルコールの種類及び含有量並びに
蒸留条件に応じて、実験的に容易に決定することができ
る。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施の態様を実施例により更に
具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限
り、以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 図1に示す蒸留装置を用いてアセトン中のメタノールの
分離除去を行なった。即ち、理論段数30段の多孔板蒸
留塔を用い、その中段(下から9段目)よりメタノール
1.0重量%を含有するアセトン原料を700kg/h
rの供給速度で、またヘキサンを32kg/hrの供給
速度で、それぞれ供給し、塔頂圧力を大気圧、塔頂温度
を48.3℃、塔底温度を58.7℃として蒸留し、塔
頂よりメタノール8.5重量%、アセトン43.7重量
%、ヘキサン47.8重量%の組成の留出液を67kg
/hrの流量で留出させ、一方、塔底よりメタノール
0.19重量%を含有するアセトンを665kg/hr
の流量で抜き出した。
【0013】実施例2〜3 第3化合物のヘキサンをそれぞれメチル−t−ブチルエ
ーテル(実施例2)及びペンタン(実施例3)に変えた
こと以外は実施例1と同様に操作した。結果を実施例1
のそれと共に表−1に示す。 比較例1 ヘキサンを供給しなかったこと以外は実施例1と同様に
操作した。結果を表−1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】本発明により微量のアルコール成分を含
有するアセトンからアルコール成分を効率的に分離除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いられる蒸留装置の例を
示す構成図である。
【図2】本発明方法の実施に用いられる蒸留装置の他の
例を示す構成図である。
【符号の説明】 1 アセトン供給経路 2 第3化合物供給経路 3 蒸留塔 4 塔頂液抜出し経路 5 塔底液抜出し経路 6 冷却器 8 デカンター 9 水(水蒸気)供給経路 10 第3化合物還流経路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微量のアルコールを含有するアセトン
    に、炭素数5〜6の脂肪族炭化水素及びメチル−t−ブ
    チルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種の
    化合物(以下「第3化合物」という)を添加して蒸留
    し、アルコールの濃縮されたアセトン及び第3化合物を
    含有する留分を留出させると共に、アルコール含有量の
    減少したアセトンを塔下部から取得することを特徴とす
    るアセトンの精製方法。
JP11354596A 1996-05-08 1996-05-08 アセトンの精製方法 Pending JPH09301914A (ja)

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