JPH09301044A - 車両設置用車イス等リフタ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡易な構成で容易且つ低廉にて設置可
能で、荷物や車イスの積み降ろしが容易で車イス利用者
の行動範囲を拡げることが可能な車両設置用車イスリフ
タ−を提供することを課題とする。 【解決手段】 車両１の床面にレ−ル５を敷き、レ−ル
５上にレ−ル５に沿って移動可能な昇降機構１０、１１
を設置し、前記昇降機構に支持されてそれと共に水平移
動する昇降ベ−ス６を設け、昇降ベ−ス６を車両外にお
ける水平移動端において前記昇降機構により昇降可能に
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両設置用車イスリ
フタ−、より詳細には、重量荷物を積み降したり、車イ
ス利用者を車イスごとワンボックスカ−等の車両に乗降
させたりするために車両に設置する車イス等リフタ−に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来車イス利用者を車イスごと乗せて外
出させるために、後面が開くワンボックスカ−タイプの
車両に車イスリフタ−を設置したものが用いられてい
る。これはワンボックスカ−タイプの車両を改造してリ
フタ−機能を持たせたものであるが、その改造のために
は数百万円もの出費を余儀なくされていた。重量物積み
降ろし用のリフタ−についても同様である。

【０００３】また、ワンボックスカ−においてその後面
ドアを跳ね上げ、フォ−クリフトを用いて重量荷物の積
み降ろしをしようとすると、フォ−クリフトのリフト部
上部が後面ドアに当たってしまうため、フォ−クリフト
を用いて荷物の積み降ろしをすることができない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
車両を改造してリフタ−機能を設置するには高額の出費
を余儀なくされていたため、止むなく改造を断念してい
る例が少なくなく、それに伴って車イス利用者の外出も
制限されざるを得ないのが現状である。また、フォ−ク
リフトを用いてワンボックスカ−の後部スペ−スへの荷
物の積み降ろしを行うことは困難であった。そこで本発
明は、比較的簡易な構成で容易且つ低廉にて設置可能
で、荷物や車イスの積み降ろしが容易で車イス利用者の
行動範囲を拡げることが可能な車両設置用車イスリフタ
−を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、車両の床面に
レ−ルを敷き、前記レ−ル上に前記レ−ルに沿って移動
可能な昇降機構を設置し、前記昇降機構に支持されてそ
れと共に水平移動する昇降ベ−スを設け、前記昇降ベ−
スを前記車両外における水平移動端において前記昇降機
構により昇降可能にした車両設置用車イスリフタ−、を
以て上記課題を解決した。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面を
参照しつつ説明する。先ず図１乃至図３に示されたウイ
ンチ式のものから説明する。図中１はワンボックスカ−
タイプの車両で、後面ドア２がハッチバック式となって
いる。本発明に係る車イスリフタ−３は、後面側の荷物
積載スペ−スの床面４上に設置される。５は床面４上に
固定される２本のガイドレ−ルで、車両１の長さ方向に
平行に対設される。

【０００７】６は平面コの字形の枠を有する昇降ベ−ス
で、ガイドレ−ル５、５に設置された昇降機構７に支持
される。昇降ベ−ス６は下面に自由回転するホイ−ル８
を備え、床面４上をガイドレ−ル５、５に沿って昇降機
構７と共に移動し得るようになっている。図示してない
が、昇降ベ−ス６には従来用いられているような車イス
を固定するための手段（例えばワイヤ−を車輪に通す方
法）が設置される（以下の実施形態においても同様）。

【０００８】昇降機構７はガイドレ−ル５、５に載るス
ライドガイド９、９と、スライドガイド９、９上に設置
されるウインチ機構部１０、１０と、ウインチ機構部１
０、１０の側面に設置される昇降ガイド１１、１１とを
備える。ウインチ機構部１０、１０は手巻式ウインチで
構成され、それらの巻胴は軸１２で連結され、一方の巻
胴にハンドル１３が取り付けられる。

【０００９】巻胴から繰り出されるロ−プ１４、１４の
先端はそれぞれ昇降ベ−ス６の先端部を通って後端部に
導かれ、そこから上方に引かれてウインチ機構部に固定
される。図示してないが、ウインチ機構部１０、１０
は、ロ−プ１４、１４の繰出しを停止させるロック機構
を備える。昇降ガイド１１、１１には、昇降ベ−ス６に
立設されたガイドバ−１５、１５が摺動自在に挿入され
る。

【００１０】上記構成において、人が乗った状態の車イ
スを車両１に載せるに当っては、先ず後面ドア２を開け
て昇降ベ−ス６を一杯に引出す（図１の実線の状態）。
次いでウインチ機構部１０、１０のロックを外し、ハン
ドル１３を回してロ−プ１４、１４を繰り出すと、昇降
ベ−ス６は自重で地面に当接するまで下降していく。そ
の下降動作はガイドバ−１５、１５によって支持され
る。昇降ベ−ス６が地上に降りた状態（図２の仮想線の
状態）で、車イスを運転して昇降ベ−ス６上に載せ、移
動しないように固定する。

【００１１】そこでハンドル１３を逆方向に回してロ−
プ１４、１４を巻き上げていくと、昇降ベ−ス６はロ−
プ１４、１４に引かれて上昇する。所定位置まで上昇し
たところでハンドル１３をロックし、昇降ベ−ス６を車
内に押し込む。一番奥まで押し込んだところで昇降ベ−
ス６をロックする。車イスを降ろすときは、上記と逆に
操作すればよい。重量物の積み降ろし操作も上記と同様
である。

【００１２】図４に示す実施形態は油圧駆動式のもので
あって、上記実施形態における手巻ウインチの機構を手
動の油圧シリンダに代えたものであり、ガイドレ−ル５
及び昇降ベ−ス６の構成は上記のものと同様である。こ
の実施形態においては油圧シリンダ機構１７がガイドレ
−ル５、５に沿って移動可能にされ、油圧シリンダ機構
１７のシリンダ部１８におけるシリンダ軸１９が昇降ベ
−ス６に固定される。

【００１３】この場合は昇降ベ−ス６を一杯に引出した
後、油圧シリンダ機構１７を駆動して昇降ベ−ス６を下
降させ、車イスないし荷物を載せた後、油圧シリンダ機
構１７の作用で昇降ベ−ス６を所定位置まで上昇させて
車内に押し込む。

【００１４】図５に示す実施形態は上記第１の実施形態
のウインチ機構部１０の部分をコイルスプリング機構２
０に代えたものであり、ロ−プ１４を繰り出すプ−リ２
１の軸にコイルスプリングが巻装されている。この場
合、昇降ベ−ス６を引出して押下下降させて車イス又は
荷物を載せた後、昇降ベ−ス６の押下力を解除すると、
昇降ベ−ス６はコイルスプリングの巻戻し力によってロ
−プ１４を引き上げるため、昇降ベ−ス６はゆるやかに
上昇していく。そして、上昇端において昇降ベ−ス６を
車内に押し込む。

【００１５】図６に示す実施形態は、昇降ベ−ス６に引
きバネ２１を配置したもので、引きバネ２１の一端は昇
降ベ−ス６の内方端２２に固定され、引きバネ２１の他
端はロ−プ２３に固定される。ロ−プ２３は、昇降ベ−
ス６の外方端２４を経由して昇降支持部２５に固定され
る。昇降支持部２５は上記第１の実施形態同様の昇降ガ
イド１１を有し、そこに昇降ベ−ス６に立設されたガイ
ドバ−１５が挿入される。

【００１６】この実施形態においては、昇降ベ−ス６を
引出して押下力を加えると、引きバネ２１が伸びること
により昇降ベ−ス６が下降可能となる。車イス又は荷物
の搭載後押下力を解除すると、昇降ベ−ス６は引きバネ
２１の復元力により上昇する。そして、上昇端において
昇降ベ−ス６を車内に押し込む。

【００１７】図７に示す実施形態は、車の幅方向左右一
対の屈折フレ−ム２７と屈折フレ−ム２７の先端部に取
り付けられる昇降ベ−ス２８とから成る。屈折フレ−ム
２７は前部２７ａと後部２７ｂとから成り、後部２７ｂ
の下端は車両の床面４上に設置されるベ−ス板２９に枢
支される。ベ−ス板２９から後部２７ｂにかけてネジリ
コイルバネ３０が取り付けられ、常時後部２７ｂを水平
状態にするよう作用する。また、ベ−ス板２９と後部２
７ｂ間に、クッション作用を果たすガススプリング３１
が配架される。

【００１８】屈折フレ−ム２７の屈折部、即ち、前部２
７ａと後部２７ｂの連結部にもネジリコイルバネ３２と
ガススプリング３３とが設置される。ネジリコイルバネ
３２は、常時前部２７ａと後部２７ｂとを屈折させるよ
う作用し、ガススプリング３３はその屈折動作に対しク
ッション作用を果たす。

【００１９】昇降ベ−ス２８は前部２７ａの下端におい
て、水平方向に移動可能に支持される。そのためには例
えば、前部２７ａの下端に上下２つのホイ−ル３５、３
６を設置し、昇降ベ−ス２８の両側面に、ホイ−ル３
５、３６が嵌合して転動する上下２段の軌道３７を設置
する（図９参照）。

【００２０】この実施形態においては、屈折フレ−ム２
７はネジリコイルバネ３０、３２の作用で常時最屈折状
態（図７において実線で示す状態）を維持しようとす
る。その状態から昇降ベ−ス２８を水平方向に引くと、
昇降ベ−ス２８はホイ−ル３５、３６が軌道３７内を転
動することにより、水平方向に引出される。そこで更に
昇降ベ−ス２８を引くと、屈折フレ−ム２７は次第に展
延され、昇降ベ−ス２８が車外に出る。

【００２１】昇降ベ−ス２８が車外に出たところでこれ
を押し下げると、屈折フレ−ム２７は更に開くと共に後
部２７ｂが回動し、昇降ベ−ス２８が着地するに至る。
そこで昇降ベ−ス２８に車イスないし荷物を載せ、昇降
ベ−ス２８に対する押下力を解除すると、屈折フレ−ム
２７はネジリコイルバネ３０、３２の作用で次第に元の
屈折状態に戻ろうとし、その結果昇降ベ−ス２８は車両
１の床面の高さまで上昇する。そこで昇降ベ−ス２８を
水平方向に押すと、ホイ−ル３５、３６が軌道３７内を
転動することにより、昇降ベ−ス２８が車内に押し込ま
れていく。

【００２２】図８に示す例は昇降ベ−ス４０を斜め方向
に昇降させるものであり、昇降ベ−ス４０を支持するロ
ッド４１と、ロッド４１を嵌挿するボア４２を有する。
ボア４２は車両１の床面に配置されたベ−ス板４３上に
斜めに設置される。ベ−ス板４３は図８において左右方
向に移動可能とされ、車イス等の昇降時に右方向に移動
させる。ボア４２からロッド４１にかけ、強力な引きス
プリング４４が内蔵され、引きスプリング４４は常時ロ
ッド４１をボア４２内に引き込むよう作用する。また、
ボア４２からロッド４１にかけ、上記ロッド４１の引き
込み動作のクッションとなるガススプリング４５が内蔵
される。

【００２３】昇降ベ−ス４０は、図７に示す例同様に２
段の軌道３７を有し、また、ロッド４１の下端に軌道３
７内を転動するホイ−ル３５、３６が取り付けられ、以
てロッド４１に対し昇降ベ−ス４０を水平方向に移動し
得るようになっている（図９参照）。

【００２４】この場合昇降ベ−ス４０に車イス等を載せ
るに際しては、ベ−ス板４３を外方に移動させた状態
で、ロッド４１に対して昇降ベ−ス４０を引張り、その
ままロッド４１の傾斜方向へ押圧下降させる。そして、
昇降ベ−ス４０に車イス等を載せた後、上記斜め下方向
への押圧力を解除すると、昇降ベ−ス４０は引きスプリ
ング４４の張力によって斜め上方に引き上げられる。昇
降ベ−ス４０が所定位置まで上昇したところでこれを車
内へ押送し、また、ベ−ス板４３を押してボア４２及び
ロッド４１を車内に収容する。

【００２５】

【発明の効果】本発明は上述した通りであって、いずれ
の実施形態の場合も構成簡易で廉価にて供給でき、一般
のワンボックスカ−等に容易に設置できて車イスや重量
物の積み降ろしを簡単に行うことを可能ならしめ、車イ
ス利用者の生活を保護してその行動範囲を拡大し得る効
果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態の側面図である。

【図２】 本発明の一実施形態の平面図である。

【図３】 本発明の一実施形態の正面図である。

【図４】 本発明の他の実施形態の側面図である。

【図５】 本発明の更に他の実施形態の側面図である。

【図６】 本発明の更に他の実施形態の側面図である。

【図７】 本発明の更に他の実施形態の側面図である。

【図８】 本発明の更に他の実施形態の側面図である。

【図９】 図７及び図８に示す実施形態における昇降ベ
−スの水平方向移動方法を示す図である。

【符号の説明】

１ 車両 ４ 床面 ５ ガイドレ−ル ６ 昇降ベ−ス ７ 昇降機構 10 ウインチ機構部 17 油圧シリンダ機構 20 コイルスプリング機構 21 引きバネ 27 屈折フレ−ム 27ａ 前部 27ｂ 後部 28 昇降ベ−ス 29 ベ−ス板 30 ネジリコイルバネ 31 ガススプリング 32 ネジリコイルバネ 33 ガススプリング 40 昇降ベ−ス 41 ロッド 42 ボア 43 ベ−ス板 44 引きスプリング

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の床面にガイドレ−ルを敷き、前記
   ガイドレ−ル上に前記ガイドレ−ルに沿って移動可能な
   昇降機構を設置し、前記昇降機構に支持されてそれと共
   に水平移動する昇降ベ−スを設け、前記昇降ベ−スを前
   記車両外における水平移動端において前記昇降機構によ
   り昇降可能にした車両設置用車イス等リフタ−。
2. 【請求項２】 昇降機構が手巻ウインチ機構である請求
   項１記載の車両設置用車イス等リフタ−。
3. 【請求項３】 昇降機構が手動油圧シリンダ機構である
   請求項１記載の車両設置用車イス等リフタ−。
4. 【請求項４】 昇降機構がコイルスプリング機構である
   請求項１記載の車両設置用車イス等リフタ−。
5. 【請求項５】 昇降機構が引きバネ機構である請求項１
   記載の車両設置用車イス等リフタ−。
6. 【請求項６】 引きバネ機構の引張力が斜め方向へ作用
   する請求項５記載の車両設置用車イス等リフタ−。
7. 【請求項７】 車両の床面に設置したベ−ス板に前部と
   後部とから成る屈折フレ−ムの前記後部下端を枢着し、
   前記ベ−ス板と前記後部にかけてネジリコイルバネとガ
   ススプリングを設置し、前記前部と後部との接続部にネ
   ジリコイルバネとガススプリングを設置し、前記前部の
   先端に昇降ベ−スを取り付けて成る車両設置用車イス等
   リフタ−。