JPH09300893A - 熱転写用フィルム - Google Patents

熱転写用フィルム

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JPH09300893A
JPH09300893A JP8124778A JP12477896A JPH09300893A JP H09300893 A JPH09300893 A JP H09300893A JP 8124778 A JP8124778 A JP 8124778A JP 12477896 A JP12477896 A JP 12477896A JP H09300893 A JPH09300893 A JP H09300893A
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JP
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film
layer
thermal transfer
image
heat
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JP8124778A
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Inventor
Taro Yoshida
太郎 吉田
Kazuhiro Ikeda
和弘 池田
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Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱転写性、転写媒体であるフィルム基材
と転写される画像との剥離性、及び、被転写体上に転写
された画像の耐久性が良好で作業中や保存中にも傷が付
きにくい、熱転写媒体として好適な熱転写用フィルムを
提供する。 【解決手段】 印字形成層16の印字面に印刷インク2
0により形成された画像を被転写体に熱転写するための
熱転写用フィルム10は、耐熱性フィルム基材12の一
面に、接着層14及び熱転写印字形成層16が積層さ
れ、耐熱性フィルム基材12の他方の面には帯電防止剤
層18が形成されている。剥離層14は、シリカ系塗
料、シリケート系塗料、エポキシアルキッド系塗料、ア
クリル系塗料、ポリエステル系塗料、ホスファゼン系塗
料からなる群より選択される無機系塗料又は有機系塗料
をフイルム基材12表面に塗布することにより形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写用フィルム
に関し、詳しくは、フィルム基材から容易に剥離し、印
字形成層に形成された画像の転写性が良好で、優れた耐
スクラッチ強度の被転写画像を得るための熱転写用フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】転写印刷は、直接印字するのが困難なも
の、多色の図柄を得たいものなどに対して転写媒体を用
いて所望の印字を行うことができるため、広く行われて
おり、なかでも、熱転写は、多色の複雑な図柄を所望の
被転写体に簡単な方法で形成できることから、汎用され
ている。
【0003】従来用いられる転写媒体としては、セロハ
ン等の剥離性を有する非極性フィルム、ワックスを混入
したラッカー皮膜等の剥離層を形成した紙や樹脂フィル
ム等が挙げられ、これらシートの印字面に文字、図柄等
の画像をグラビア印刷などによって形成して熱転写フィ
ルムとするものである。熱転写フィルムは、被転写体に
印字面を接触させた後、加熱・加圧することによって、
予めフィルム上に形成された文字、図柄などの画像を被
転写体表面に転移させる目的で使用される。
【0004】従来の熱転写媒体においては、フィルム自
体を非極性とするか、ワックスなどの剥離層を利用し
て、熱転写媒体と印字された画像との剥離性の向上を図
っている。単独の層からなる熱転写媒体では、フィルム
自体の素材を選択することのみによって耐熱性及び画像
の易剥離性を両立させることは困難であった。また、積
層体からなる熱転写媒体で用いられているワックスなど
の剥離剤は耐熱性が十分ではなく、転写時に加熱・加圧
した際、熱転写媒体と印字層との剥離性が低下し、基材
側に画像を形成したインクが残留することにより、転写
された画像に欠陥が生じる虞があるなどの問題があっ
た。
【0005】さらに、熱転写しうる印字インクで形成さ
れ、被転写体に転写された文字や図柄等の画像は耐スク
ラッチ性が低く、耐久性に劣るという問題もあった。
【0006】また、従来の積層体からなる熱転写フィル
ムは、被転写体に基材フィルムが残存するため被転写体
のカールが激しいという問題も有しており、これを防止
するため、転写後、基材を剥離することも行われている
が、従来の転写用フィルムにおいては、層間の接着力が
大きいため、基材フィルムのみを剥離することは困難で
あり、印字形成層を破損し、被転写体の外観を損う虞が
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、本発明の
目的は、従来の前記課題を解決し、熱転写性、即ち、転
写媒体であるフィルム基材と転写される画像との剥離
性、及び、被転写体上に転写された画像の耐久性が良好
で作業中や保存中にも傷が付きにくい、熱転写媒体とし
て好適な熱転写用フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決する
ため、本発明者らは、熱転写用フィルムとして先に特願
平8−52799号において、耐熱性基材に剥離層、熱
緩衝層及び印字形成層を順次積層したものを提案した
が、本発明においては、さらに被転写体表面の耐久性を
向上し、簡単な構造で、且つ、作業中や保存中に傷が付
つくのを効果的に防止し得る熱転写フィルムを提供する
ものである。
【0009】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
で、基材から容易に剥離し、画像を転写した場合の表面
に耐スクラッチ性を有する層を形成するため、耐熱フィ
ルム基材と印字形成層との間に形成される剥離層とし
て、耐スクラッチ性を有する素材を用いるとともに、該
剥離層を転写される熱接着性樹脂製の印字形成層と同時
に被転写体上に転写して、転写された印字の表面に耐ス
クラッチ性層を形成するように工夫したものである。
【0010】即ち、本発明の熱転写用フィルムは、耐熱
性フイルム基材の一面に剥離層を有し、該剥離層上に熱
接着性樹脂からなる印字形成層を有することを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の請求項2記載の熱転写用フ
ィルムは、前記耐熱性フィルム基材の剥離層を有する面
の反対側に、帯電防止剤層が形成されていることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0013】本発明の熱転写用フィルムは、耐熱性フイ
ルムからなる基材上に、剥離層と、熱接着性樹脂からな
る印字形成層とを順次積層してなるものであるが、この
剥離層は耐熱性フイルムからなる基材の一面に剥離剤を
塗布することによって形成される。この剥離層を構成す
る剥離剤としては、基材として用いられる耐熱性樹脂と
の親和性(密着力)に比較して、印字形成層を構成する
熱接着性樹脂との親和性が良い剥離剤を選定する必要が
ある。
【0014】このような剥離剤は、用いられる基材用耐
熱性プラスチック及び熱接着性樹脂との関連において適
宜選択されるが、例えば、耐熱性フィルム基材として汎
用のポリエステルフィルムを用いた場合には、この剥離
剤としては、無機系塗料、或いは有機系の剥離性を有す
る熱硬化性塗料等が好適に用いられ、無機系塗料として
は、シリカ系塗料、エチルシリケート、メチルシリケー
トなどのシリケート系塗料、有機系塗料としては、エポ
キシアルキッド系塗料、アクリル系塗料、ポリエステル
系塗料、ホスファゼン系塗料などが挙げられ、これらの
塗料としては、前記熱硬化性塗料のほか、紫外線硬化
型、電子線硬化型の塗料も好適に使用することができ
る。これらの塗料を基材上に塗布して剥離層を形成する
ものであるが、その塗布量(基材への付着量)は、固形
分で0.1〜5g/m2 程度であることが好ましく、1
〜3g/m2 程度であることがより好ましい。
【0015】本発明の熱転写用フィルムにおいては、剥
離層は印字形成層及び印字形成層に形成された印字とと
もに被転写体に転写されて印字形成層表面に保護層を形
成するものであるが、転写後の剥離層の硬度が、鉛筆硬
度でH〜4Hの範囲であることが好ましい。硬度が低す
ぎると保護層としての機能が低下し、印字部分の表面が
傷付き易くなる虞があり、硬度が高すぎると被転写体の
柔軟性を損なうため、クラックが発生し易くなる等いず
れも好ましくない。なお、この鉛筆硬度はJIS K
5400に規定の方法に準じて測定することができる。
【0016】また、剥離層に用いる熱硬化性塗料にマッ
ト剤を添加して剥離層の表面を粗面化することができ
る。粗面化に用いるマット剤としては、シリカ系、チタ
ン系、アルミ系、ジルコニア系などの無機或いは金属系
マット剤、アクリル系などの有機系マット剤等を挙げる
ことができ、添加量としては0.5〜5重量%程度であ
ることが好ましい。粗面化の程度としては、JIS B
0601に規定される表面粗さで、Raが0.2〜
1.0程度であることが好ましく、Raが0.4〜0.
6程度であることがさらに好ましい。Raが0.2未満
であると粗面化の効果が不十分であり、1.0を超える
とシートの硬度が低下する虞がある。
【0017】なお、剥離層の形成にあたっては、耐熱性
プラスチックフィルム基材の表面に接着向上処理などの
前処理をおこなうことは、基材と剥離層との接着強度が
強くなり、前記層間の剥離性を低下させるため、好まし
くない。
【0018】本発明の熱転写用フィルムに用いられる耐
熱性フィルム基材としては、強度、耐熱性及び成形性の
観点から、ポリエステル、2軸延伸ポリプロピレン、ポ
リアミド(ナイロン)などの高融点熱可塑性樹脂材料で
形成されることが好ましく、厚みは12〜250μm、
より好ましくは50〜100μm程度である。
【0019】熱転写される画像が形成される印字形成層
は、印字されるインクとの親和性が良好な熱接着性樹脂
からなることが好ましい。
【0020】通常、熱転写用の印刷インクは、低分子ポ
リエチレン系ビヒクルに顔料、染料などの着色料が分散
されたものが一般的であり、この低分子ポリエチレン系
ビヒクルと相溶性のある熱接着性樹脂としては、比較的
融点の低いポリオレフィン系樹脂を使用することが好ま
しく、具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレ
ン単位を含む共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン
−マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、メチルペンテン樹脂等が例示される。
【0021】本発明においてアイオノマー樹脂とは、エ
チレンと、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸との共重合体におけるカルボン酸の全部又は一部を
金属カチオンにより中和した樹脂を指す。
【0022】印字形成層の厚さには、とくに制限はない
が、通常10〜80μm程度が好ましく、さらにカール
防止の観点から15〜30μmが好ましい。
【0023】この熱接着性樹脂には、画像を形成する印
字インキとの親和性、接着性を損なわない範囲で、紫外
線防止剤、帯電防止剤、スリップ剤などの添加剤を適宜
添加してもよい。
【0024】また、熱転写用フィルムに転写用の画像を
形成するための、印刷機による印字工程における走行性
を改良するため、熱接着性樹脂層の表面である印字形成
面は、粗面化されていることが好ましい。また、フィル
ムの印字面が粗面化されていることにより、熱転写時の
空気抜けが好適に行われ、フィルム内に気泡が封入され
た場合に生じる転写画像の欠陥を防止しうるという利点
もあり、この粗面化により、本発明の熱転写用フィルム
は、積層して保存する場合にもフィルム同士が密着せ
ず、スタック性も良好となる。
【0025】印字面の粗面化は、フィルム形成時に、熱
転写印字形成層の印字面に当たる側に所望の凹凸を有す
るロールを用いてマット加工を行うなどの公知の方法に
より行うことができ、粗面化の程度はJIS B 06
01に規定されるRaが0.2〜1.0、さらに0.3
〜0.8であることが好ましい。Raが0.2以下の場
合は粗面化の効果がなく、また1.0を超えると印字面
が粗になりすぎて、印字に欠落を生じることがある。
【0026】本発明の熱転写用フィルムにおいては、印
字形成面の反対側に、帯電防止剤層を設けることが好ま
しい。帯電防止剤層は、耐熱性フィルム基材の表面に帯
電防止剤を塗布、乾燥することによって形成することが
でき、用いる帯電防止剤としては、カチオン系、ノニオ
ン系、アニオン系など、いずれの帯電防止剤でもよく、
その塗布量は、0.01〜0.5g/m2 程度であるこ
とが好ましく、帯電防止効果としては表面抵抗率が10
7 〜109 Ωとなるように帯電防止剤層を設けることが
好ましい。なお、この表面抵抗率はJIS K 691
1に規定される方法に準じて測定することができる。
【0027】本発明の熱転写用フィルムには、前記各層
に使用される樹脂成分の他、各層の物性を改良するため
に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて任
意の配合成分を添加することができる。任意成分として
は、例えば、可塑剤、充填剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤等を挙げることが
できる。
【0028】本発明の熱転写用フィルムの製造方法とし
ては、耐熱性フィルム基材を構成する樹脂成分を押出成
形、カレンダー成形等によってフィルム状に加工し、そ
の表面に剥離剤を塗布、乾燥することにより剥離層を形
成し、その後、印字形成層を構成する樹脂成分を前記耐
熱性フィルム基材の場合と同様にフィルム状に加工し
て、接着或いは加熱圧着などにより一体化する方法等の
公知の方法により行うことができる。熱転写用フィルム
製造時の積層一体化を行うときの温度は、110〜28
0℃とすることが好ましく、さらに、200〜250℃
程度であることが好ましい。加熱温度が280℃を超え
ると、耐熱性フィルム基材と剥離層との剥離性が低下し
て好ましい転写画像が得難く、110℃以下では樹脂が
溶融しない。
【0029】前記の構成を有する本発明の熱転写用フィ
ルムは、印字面を被転写体に密着させて加熱・加圧した
とき、耐熱性フィルム基材と剥離層との間が剥離し、剥
離層、熱転写印字形成層及びその表面に印刷インキによ
り形成された画像が一体的に被転写体に転写される。こ
のため、印刷インキにより形成された画像表面には、剥
離層を構成する塗料及び熱転写印字形成層を構成する樹
脂からなる保護層が形成されることになり、転写画像に
は樹脂保護層による光沢と耐久性が付与される。このと
き、印刷インキにより形成された画像表面には、剥離層
及び熱転写印字形成層を構成する樹脂からなる保護層が
形成されることになり、保護層の最外層には剥離剤から
なる層が形成される。この剥離層は、その硬度が鉛筆硬
度でH〜4Hの範囲であり、転写画像の耐スクラッチ性
は特に優れたものとなる。
【0030】また、剥離層にマット剤を添加することに
より、転写画像に艶消し効果が付与される。
【0031】本発明の熱転写用フィルムは、前記の如
く、耐熱性、画像の剥離性が良好であり、被転写体とし
て、葉書、カードなどの紙類、T−シャツやハンカチな
どの布類、各種樹脂フィルムや樹脂成形品等を任意に選
択することができる。さらに、転写画像に剥離層、熱転
写印字形成層を構成する樹脂からなる保護層が形成され
ているため、転写された画像の耐スクラッチ性、耐久性
が良好である。さらに、画像形成後の熱転写用フィルム
は作業性が良好であり、印刷機などを用いた連続転写印
刷にも好適に用いることができる。これらの利点を有す
る本発明の熱転写用フィルムは広い範囲に応用すること
ができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明を具体例を挙げて詳述する
が、本発明はこの実施例に制限されるものではない。
【0033】(実施例1)以下に記載した組成のフィル
ムを形成し、図1の断面図に示す如き各層を積層してな
る熱転写用フィルムを得た。図1は本実施例の熱転写用
フィルム10を示す概略断面図である。耐熱性フィルム
基材12上には剥離層14が形成され、隣接して熱転写
印字形成層16が積層されている。また、耐熱性プラス
チックフィルム基材12の剥離層14の反対側には帯電
防止剤層18が形成されている。
【0034】耐熱性プラスチックフィルム基材12とし
て厚さ75μmのポリエステルフィルムを用い、その片
面に帯電防止剤であるカチオン系の4級アンモニウム塩
〔ジュリマー(商品名)、日本純薬(株)製〕を、0.
01g/m2 塗布、乾燥して帯電防止剤層18を形成し
た。このときの帯電防止剤層18の表面抵抗率は10 7
Ωであった。
【0035】このポリエステルフィルム12の反対面
に、剥離剤としてシリケート系塗料(三菱化学(株)製
MS−51)を、付着量0.5g/m2 となるようメ
イヤバーにより塗布し、乾燥して剥離層14を形成した
後、印字形成層16としてアイオノマー樹脂〔ハイミラ
ン(商品名)、三井デュポンケミカル(株)製〕を厚さ
20μmになるように押出ラミネートして積層した。こ
の印字形成層16を形成する押出ラミネートの際に、印
字形成層16の表面である画像形成面に、マットロール
により、深さ1.5μmの粗面加工を施して熱転写用フ
ィルム10を得た。
【0036】得られた熱転写用フィルム10の粗面化さ
れた印字形成層の表面(印字面)に、印字インキ(顔料
を低分子ポリエチレン系ビヒクルに分散させたもの)2
0を用いて、グラビヤ印刷法により多色印字して人物画
像を形成した。
【0037】この画像形成後の熱転写フィルム10を所
定の寸法に切断し高さ約30cm重ねて、90日間常温
で保存したが、フィルム間の密着、画像のブロッキング
等の現象は見られず、安定したものであった。
【0038】画像形成後30日経過したのち、被転写体
として葉書を用い前記熱転写用フィルム10の印字面
を、葉書に当接し160℃に加温されたアイロンで1秒
間加熱圧着して形成された画像を葉書に転写し、フィル
ム基材(ポリエステルフィルム)12を剥離層14より
剥離した。
【0039】葉書の上には、剥離層14および印字形成
層16を構成する樹脂とともに画像が好適に転写形成さ
れており、冷却後画像を観察したが、画像に欠落はな
く、画像表面には剥離層塗料および熱転写用印字形成層
樹脂による保護層が形成されており、光沢が良好であっ
た。また、転写画像の最外面を構成する剥離層は鉛筆硬
度で3Hの硬度を有しており、耐久性が良好で作業中や
保存中にも傷が付きにくく、耐スクラッチ性にも優れた
フラットな転写カードを得ることができた。
【0040】(実施例2)耐熱性フィルム基材として厚
さ75μmのポリエステルフィルムを用い、片面に帯電
防止剤として酸化錫〔ハイテック(商品名)、東邦化学
(株)製〕を、0.01g/m2 となるように塗布、乾
燥して帯電防止剤層を形成した。このときの帯電防止剤
層18の表面抵抗率は109 Ωであった。
【0041】このポリエステルフィルムの反対面に、剥
離剤としてアクリル系塗料〔SF塗料、大日本インキ
(株)製〕を、付着量1.0g/m2 となるようメイヤ
バーにより塗布し、乾燥して剥離層を形成した後、印字
形成層として、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂を厚
さ20μmとなるように押出ラミネートして積層し、印
字形成層を積層した。この押出ラミネートの際に印字形
成層の画像形成層となる面に、マットロールにより、深
さ1.5μmの粗面加工を施し、熱転写用フィルムを得
た。
【0042】これを実施例1と同様にして転写を行った
ところ、葉書上には、剥離層および印字形成層を構成す
る樹脂とともに画像が好適に転写形成されており、冷却
後画像を観察したが、画像に欠落はなく、画像表面には
剥離層塗料および熱転写用印字形成層樹脂による保護層
が形成されており、光沢は良好であった。また、転写画
像の最外面を構成する剥離層は鉛筆硬度で3Hの硬度を
有しており、耐久性が良好で作業中や保存中にも傷が付
きにくく、耐スクラッチ性も優れたフラットな転写カー
ドを得ることができた。
【0043】(実施例3)耐熱性フィルム基材として厚
さ50μmのポリエステルフィルムを用い、片面に帯電
防止剤としてカチオン系の4級アンモニウム塩〔ジュリ
マー(商品名)、日本純薬(株)製〕を、付着量0.0
1g/m2 となるようメイヤバーにより塗布し、乾燥し
て帯電防止剤層18を形成した。このときの帯電防止剤
層18の表面抵抗率は107 Ωであった。
【0044】このポリエステルフィルム12の反対面
に、剥離剤としてシリケート系塗料(三菱化学(株)製
MS−51)にマット剤〔サイシリア350(商品
名)、富士シリシア化学(株)製〕を2重量%添加し、
よく攪拌混合したものを、付着量1.0g/m2 となる
ようメイヤバーにより塗布し、乾燥して剥離層14を形
成した。
【0045】また、印字形成層として、ポリエチレン
〔スミカセンL−705(商品名)、住友化学(株)
製〕を厚さ25μmとなるように押出ラミネートして積
層し、印字形成層を積層した。この押出ラミネートの際
に印字形成層の画像形成層となる面に、マットロールに
より、深さ1.5μmの粗面加工を施し、熱転写用フィ
ルムを得た。
【0046】これを実施例1と同様にして転写を行った
ところ、葉書上には、マット調の剥離層および印字形成
層を構成する樹脂とともに画像が好適に転写形成されて
おり、冷却後画像を観察したが、画像に欠落はなく、画
像表面には剥離層塗料および熱転写用印字形成層樹脂に
よる保護層が形成されており、艶消し表面状態は良好で
あった。また、転写画像の最外面を構成する剥離層は鉛
筆硬度で2Hの硬度を有しており、耐久性が良好で作業
中や保存中にも傷が付きにくく、耐スクラッチ性も優れ
たマット調の転写カードを得ることができた。
【0047】上記の如く、本発明の実施例1乃至3の熱
転写用フィルムによれば、良好な転写画像が得られ、得
られた画像の耐スクラッチ性が良好であることがわかっ
た。また、実施例3のように剥離層をマット剤で粗面化
した熱転写用フィルムによれば、美麗なマット調の転写
画像が得られた。
【0048】
【発明の効果】このように、本発明によれば、熱転写
性、即ち、転写媒体であるフィルム基材と転写される画
像との剥離性、及び、被転写体上に転写された画像の耐
久性が良好で作業中や保存中にも傷が付きにくい、熱転
写媒体として好適な熱転写用フィルムを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の熱転写用フィルムを示す概略断面
図である。
【符号の説明】
10 熱転写用フィルム 12 耐熱性フィルム基材 14 剥離層 16 印字形成層 18 帯電防止剤層 20 印刷インク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印字面に形成された画像を被転写体に熱
    転写するための熱転写用フィルムであって、 耐熱性フイルム基材の一面に剥離層を有し、該剥離層上
    に熱接着性樹脂からなる印字形成層を有することを特徴
    とする熱転写用フィルム。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性フィルム基材の剥離層を有す
    る面の反対側に、帯電防止剤層が形成されていることを
    特徴とする請求項1記載の熱転写用フィルム。
  3. 【請求項3】 前記剥離層が、シリカ系塗料、シリケー
    ト系塗料、エポキシアルキッド系塗料、アクリル系塗
    料、ポリエステル系塗料、ホスファゼン系塗料からなる
    群より選択される無機系塗料又は有機系塗料を前記耐熱
    性フイルム基材表面に塗布することにより形成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の熱転写用フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 前記剥離層の、熱転写後の表面が粗面化
    されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の熱転
    写用フィルム。
JP8124778A 1996-05-20 1996-05-20 熱転写用フィルム Pending JPH09300893A (ja)

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JP8124778A JPH09300893A (ja) 1996-05-20 1996-05-20 熱転写用フィルム

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JP8124778A Pending JPH09300893A (ja) 1996-05-20 1996-05-20 熱転写用フィルム

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JP (1) JPH09300893A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005007864A (ja) * 2003-05-23 2005-01-13 Seiko Epson Corp 画像保護フィルム並びにこれを用いた画像保護方法及びオーバーコート記録物

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JP2005007864A (ja) * 2003-05-23 2005-01-13 Seiko Epson Corp 画像保護フィルム並びにこれを用いた画像保護方法及びオーバーコート記録物

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