JPH0929960A - インク噴射装置の駆動方法 - Google Patents

インク噴射装置の駆動方法

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JPH0929960A
JPH0929960A JP18164695A JP18164695A JPH0929960A JP H0929960 A JPH0929960 A JP H0929960A JP 18164695 A JP18164695 A JP 18164695A JP 18164695 A JP18164695 A JP 18164695A JP H0929960 A JPH0929960 A JP H0929960A
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動周波数よってインク噴射速度が変動しに
くい印字品質の良好な低コストのインク噴射装置の駆動
方法を提示すること。 【構成】 駆動波形10は、インクを噴射させるため
の第1のパルス信号Aと、噴射後のインク流路613内
の残存圧力変動を補償するための第2のパルス信号Bか
らなり、第1のパルス信号A、第2のパルス信号Bのど
ちらも波高値(電圧値)はVである。第1のパルス信号
Aの幅Waは、インク流路613内の圧力波の片道伝播
時間Tの3倍に一致し、第2のパルス信号Bの幅Wbは
インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの1.5
倍である。第1のパルス信号の立ち下がりタイミングT
pから、第2のパルス信号Bの立ち上がりタイミングT
sと立ち下がりタイミングTeとの中間タイミングTm
までの時間Tdは、インク流路613内の圧力波の片道
伝播時間Tの2.5倍である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク噴射装置の駆動
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、これまでのインパクト方式の印字
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が挙げられる。なか
でも印字に使用するインク滴のみを噴射するドロップ・
オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコス
トの安さなどから急速に普及している。
【0003】ドロップ・オン・デマンド型として特公昭
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
【0004】以上のような欠陥を同時に解決する新たな
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報に開示されている圧電セラミックスを利用したせ
ん断モード型である。
【0005】図6に示すように、上記せん断モード型の
インク噴射装置600は、底壁601、天壁602及び
その間のせん断モードアクチュエータ壁603からな
る。そのアクチュエータ壁603は、底壁601に接着
され、且つ矢印611方向に分極された下部壁607
と、天壁602に接着され、且つ矢印609方向に分極
された上部壁605からなっている。アクチュエータ壁
603は一対となって、その間にインク流路613を形
成し、且つ次の一対のアクチュエータ壁603の間に
は、インク流路613よりも狭い空間615を形成して
いる。
【0006】各インク流路613の一端には、ノズル6
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
金属化層として設けられている。各電極619,621
はインクと絶縁するための絶縁層(図示せず)で覆われ
ている。そして、空間615に面している電極621は
アース623に接続され、インク流路613内に設けら
れている電極619はアクチュエータ駆動信号を与える
シリコン・チップ625に接続されている。
【0007】次に、このインク噴射装置600の製造方
法を説明する。まず、矢印611に分極された圧電セラ
ミックス層を底壁601に接着し、矢印609に分極さ
れた圧電セラミックス層を天壁602に接着する。各圧
電セラミックス層の厚みは、下部壁607、上部壁60
5の高さに等しい。次に、圧電セラミックス層に、平行
な溝をダイヤモンドカッティング円板の回転等によって
形成して、下部壁607、上部壁605を形成する。そ
して、真空蒸着によって下部壁607の側面に電極61
9を形成し、その電極619上に前記電極層を設ける。
同様にして上部壁605の側面に電極621、前記絶縁
層を設ける。
【0008】上部壁605の天頂部と下部壁607の天
頂部とを接着してインク流路613と空間615とを形
成する。次に、ノズル618が形成されているノズルプ
レート617を、ノズル618がインク流路613と対
応するように、インク流路613及び空間615の一端
に接着し、インク流路613と空間615との他端をシ
リコン・チップ625とアース623とに接続する。
【0009】そして、各インク流路613の電極619
にリコン・チップ625が電圧を印加することによっ
て、各アクチュエータ壁603がインク流路613の容
積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。例えば図
7に示すようにインク流路613cに電圧Vが印加され
るとアクチュエータ壁603e、603fにそれぞれ矢
印627、629の方向の電界が発生し、アクチュエー
タ壁603d、603eがインク流路613cの容積を
増加する方向に圧電厚みすべり変形する。このときノズ
ル618c付近を含むインク流路613c内の圧力が減
少する。この状態を、圧力波がインク流路613内を片
道伝播する時間Tだけ維持する。すると、その間図示し
ないマニホールドからインクが供給される。この時、ノ
ズル618c付近のインクメニスカス24が図8(b)
に示すように後退する。なお、上記Tはインク流路61
3内の圧力波が、インク流路613の長手方向に伝播す
るのに必要な時間であり、インク流路613の長さLと
このインク流路613内部のインク中での音速aにより
T=L/aと決まる。圧力波の伝播理論によると、上記
の電圧の印加からちょうどT時間がたつとインク流路6
13内の圧力が逆転し、正の圧力に転じるが、このタイ
ミングに合わせてインク流路613cの電極619cに
印加されている電圧を0に戻す。
【0010】すると、アクチュエータ壁603e、60
3fが変形前の状態(図6)に戻り、インクに圧力が加
えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、アクチュ
エータ壁603e、603fが変形前の状態に戻ること
により発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力
がインク流路613cのノズル618c付近の部分に生
じて、インクがノズル618cから噴射される。インク
滴26(図8)になる。しかし後退したインクメニスカ
ス24をノズル618c出口まで押し戻すのに圧力の一
部が費やしてしまい、必要なインク液滴体積が得られ
ず、良好な印字品質が得られないという欠点がある。
【0011】これに対し、本出願人が特願平6−334
57号で提案したように、インク流路の容積を増加させ
てインク流路内に圧力波を発生させ、前記インク流路内
における圧力波の片道伝播時間Tの約3倍以上であり、
かつ前記片道伝播時間のほぼ奇数倍の時間が経過した
後、増大状態から容積を減少させて前記圧力波に圧力を
加えてインク滴を噴射させることで、図9(d)に示す
ようにインク滴を噴射する前に予め一部のインクをノズ
ルの外に押し出すことができ、比較的大きい体積のイン
ク滴を得ることができる。
【0012】インクが噴射された後、もしインク流路6
13cの電極619e、619fに対して新たな電圧パ
ルスを与えなければ、インク流路613c内の圧力は2
Tを周期として暫く変動しつづける。これが残留圧力変
動である。この残留圧力変動のために電圧パルスの周波
数を変化させたときインクの噴射速度が変動し、着弾位
置がずれるために印字品質が損なわれたり、噴射不能に
なるなどの不都合が生じる。
【0013】これに対し、例えば特開昭62−2993
43号公報等に開示されているように、インク噴射を行
うための印字パルスに続いてキャンセルパルスを印加す
ることにより、インク流路613内の残留圧力変動を低
減することが考えられている。つまり、インク噴射から
一定時間後に、インク流路613内の残留圧力変動と位
相が逆になるような圧力波を発生させるキャンセルパル
スを印加するのである。図10に示すようにインク流路
613の電極619に幅T、噴射パルスと位相が反対の
キャンセルパルスDを噴射パルスCの立ち下がりからT
後に印加する。また、電圧値は残留圧力変動の振幅に応
じて、その変動をちょうど打ち消すように設定(例えば
噴射パルスの0.6倍)する。このキャンセルパルスを
与えることによってアクチュエータ壁603は、インク
噴射時と反対の変形をし、残留圧力変動と位相が反対の
圧力波を与えて、残留圧力変動を打ち消す。これにより
電圧パルスの周波数を変化させたときのインクの噴射速
度の変動がなくなり、印字品質が良好になる。
【0014】次に、残留圧力変動のキャンセルを実現す
るための駆動回路を説明する。図11に示す出力信号
X、Y、Zは、それぞれインク流路613の電極619
に与える電圧をV、0、−0.6Vにするための信号で
ある。出力信号Xがオンになると、インクを噴射するた
めの電圧パルス(図10中のC)を発生させる。また、
出力信号Zがオンになると、キャンセル用の圧力変動を
おこすための電圧パルス(図10中のD)を発生させ
る。また、上記以外のときは出力信号Yがオンになり、
出力電圧を0にする。コンデンサ91はインク流路61
3のアクチュエータ壁603とその両側に形成された電
極615、619によって構成される。
【0015】駆動回路は破線で囲まれる3つのブロック
から構成され、それぞれが噴射用充電回路82、放電用
回路84およびキャンセル圧力発生用回路86である。
そして、入力信号XがオンするときはトランジスタTc
が導通し、抵抗R12を介してコンデンサー91の電極
Eに正の電源87からVの電圧を印加する。入力信号Y
がオンするときはトランジスタTgが導通し、抵抗R1
2を介してコンデンサー91の電極Eをアースする。ま
た、入力信号ZがオンするときはトランジスタTsが導
通し、抵抗R12を介してコンデンサー91の電極Eに
負の電源88から−0.6Vの電圧を印加する。
【0016】また、図12に示すように噴射パルスCの
立ち下がりから2T後に幅T、噴射パルスCと位相が同
じで、残留圧力変動の振幅に応じた電圧値(例えば噴射
パルスの0.5倍)のキャンセルパルスEを印加するこ
とでも残留圧力変動を打ち消すこともできる。この場合
の駆動回路は、図11のような負の電源88は不要であ
るが、電圧Vを発生する正の電源87と別に電圧V×
0.5を発生する第2の正の電源(図示しない)を用意
し、正の電源87と切り替えながら使用すれば良い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構成のインク噴射装置の駆動方法では、正の電圧Vで
ある噴射パルスCを与えてから圧力波がインク流路61
3内で伝播し一往復した後、または一往復半した後に、
残留圧力変動をキャンセルするため、負の電圧であるキ
ャンセルパルスD、または正の電圧であるが電圧値の異
なるキャンセルパルスEを与えなければならない。この
ため正の電源と負の電源、または電圧の異なる2種の正
の電源が必要であり、駆動回路が複雑となり、コストが
上がるという問題があった。
【0018】本発明は、印字に必要な体積を持つインク
滴が形成でき、単一の駆動電源のみで、電圧パルスの周
波数を変化させたときインクの噴射速度の変動を抑え、
良好な印字品質の得られる低コストのインク噴射装置の
駆動方法を提示することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1では、インクが充填されるインク室
と、前記インク室の容積を変化させるためのアクチュエ
ータと、前記アクチュエータに電気信号を印加するため
の単一の駆動電源と、前記アクチュエータに前記単一の
駆動電源から第一のパルス信号を印加することにより、
前記インク室の容積を増大させてインク室内に圧力波を
発生させ、前記インク室内を圧力波が片道伝播する時間
Tの約3倍以上であり、且つ前記片道伝播時間のほぼ奇
数倍である所定時間後、増大状態から容積を自然状態に
減少させて前記インク室内のインクに圧力を加えてイン
ク滴を噴射させる制御手段とを備えたインク噴射装置の
駆動方法であって、前記第1のパルス信号と波高値が同
じであり、且つ前記第1のパルス信号とパルス幅が異な
る第2のパルス信号を、前記制御手段が、第2のパルス
信号の立ち上がりタイミングTsと第2のパルス信号の
立ち下がりタイミングTeとの中心タイミングTmが前
記第1のパルス信号の立ち下がり時点から2.25T〜
2.75Tの間となるように、前記アクチュエータに前
記単一の駆動電源から印加することを特徴とする。
【0020】請求項2では、前記第2のパルス信号のパ
ルス幅が、0.5T〜0.7T、または1.3T〜1.
7Tであることを特徴とする。
【0021】請求項3では、前記第2のパルス信号の前
記中心タイミングTmが、前記第1のパルス信号の立ち
下がり時点から2.5Tである第2のパルス信号を前記
アクチュエータに印加することを特徴とする。
【0022】請求項4では、前記アクチュエータは、前
記インク室を構成する少なくとも1つの壁部であり、該
壁部の少なくとも一部は圧電材料で形成されていること
を特徴とする。
【0023】
【作用】 上記の構成を有する本発明に係るインク噴射
装置の駆動方法では、前記制御手段が、第1のパルス信
号をインクを噴射するインク室に印加すると、まずこの
第1のパルス信号の立ち上がりにおいて、そのインク室
の容積を増大させてインク室内に圧力波を発生させる。
前記インク室内における圧力波の片道伝播時間Tの約3
倍以上であり、かつほぼ奇数倍の時間が経過した後、第
1のパルス信号を立ち下げ、インク室内の容積を増大状
態から自然状態に減少させると、前記インク室内のイン
クに圧力が加わりインク滴が噴射する。この増大状態か
らの容積減少を、インク室の圧力波の片道伝播時間Tの
約3倍以上後に行うことにより、インク滴の噴射前に圧
力波の変動を利用して予め噴射口からインクが押し出さ
れ、その後の容積減少によって、比較的大きい体積のイ
ンク滴が得られる。また、前記片道伝播時間のほぼ奇数
倍とすることにより、インク滴の噴射に寄与する圧力の
利用率を高めている。
【0024】そして、第2のパルス信号の立ち上がりタ
イミングTsと該第2のパルス信号の立ち下がりタイミ
ングTeとの中心タイミングTmが前記第1のパルス信
号の立ち下がり時点から2.25T〜2.75Tの間と
なるように前記第二のパルス信号を、前記制御手段が前
記単一の駆動電源から前記アクチュエータに印加するこ
とにより、駆動周波数に対する噴射速度がほぼ一定にな
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面を
参照して説明する。
【0026】本実施例のインク噴射装置600は、図6
に示す従来のインク噴射装置600と同様に、底壁60
1、天壁602及びその間のせん断モードアクチュエー
タ壁603からなる。そのアクチュエータ壁603は、
底壁601に接着され、且つ矢印611方向に分極され
た下部壁607と、天壁602に接着され、且つ矢印6
09方向に分極された上部壁605からなっている。ア
クチュエータ壁603は一対となって、その間にインク
流路613を形成し、且つ次の一対のアクチュエータ壁
603の間には、インク流路613よりも狭い空間61
5を形成している。
【0027】各インク流路613の一端には、ノズル6
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
金属化層として設けられている。各電極619,621
はインクと絶縁するための絶縁層(図示せず)で覆われ
ている。そして、空間615に面している電極621は
アース623に接続され、インク流路613内に設けら
れている電極619はアクチュエータ駆動信号を与える
シリコン・チップ625に接続されている。
【0028】本インク噴射装置の具体的な寸法の一例を
述べる。インク流路613の長さLは7.5mmであ
る。ノズル618の寸法は、インク噴射側の径が40μ
m、インク流路613側の径が72μm、長さが100
μmである。また、実験に供したインクは、粘性が2m
Pa/s、表面張力が30mN/mである。そして、こ
のインク流路613内のインク中における音速aとイン
ク流路613の長さLとの比L/a(=圧力波の片道伝
播時間T)は8μsecである。
【0029】次に本実施例のインク流路613内の電極
619に印加する駆動波形10を図1に示す。駆動波形
10は、インクを噴射させるための第1のパルス信号A
と、噴射後のインク流路613内の残存圧力変動を補償
するための第2のパルス信号Bとからなり、第1のパル
ス信号A、第2のパルス信号Bのどちらも波高値(電圧
値)はV(例えば22v)である。第1のパルス信号A
の幅Waは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時
間T(L/a)の3倍に一致し、すなわち24μsec
である。第2のパルス信号Bの幅Wbはインク流路61
3内の圧力波の片道伝播時間Tの1.5倍し、すなわち
12μsecである。第2のパルス信号Bの立ち上がり
タイミングTsと立ち下がりタイミングTeとの中間タ
イミングTmは、第1のパルス信号Aの立ち下がりタイ
ミングTpから時間Tdだけ経過している。時間Td
は、インク流路613内の圧力波の片道伝播時間Tの
2.5倍、すなわち20μsecである。
【0030】この駆動波形10を実現するための駆動回
路の一実施例を図2、3を用いて説明する。図2に示す
出力信号X、Yは、それぞれインク流路613内の電極
619に与える電圧をV、0にするための信号である。
出力信号Xがオンになると、電圧Vを発生し、出力信号
Yがオンになると電圧が0になる。コンデンサ191は
インク流路613のアクチュエータ壁603とその両側
に形成された電極619、621によって構成される。
【0031】駆動回路は破線で囲まれる2つのブロック
から構成され、それぞれが噴射用充電回路182、放電
用回路184である。そして、入力信号Xがオンすると
きはトランジスタTcが導通し、抵抗R120を介して
コンデンサー191の電極Eに正の電源187からVの
電圧、例えば22vを印加する。入力信号Yがオンする
ときはトランジスタTgが導通し、抵抗R120を介し
てコンデンサー191の電圧Eをアースする。
【0032】入力信号X、Yのそれぞれのタイミングチ
ャート11、12と電極Eの出力電圧波形13を図3に
示す。入力信号Xのタイミングチャート11のように、
入力信号Xは通常オフの状態に有り、所定のタイミング
T1にてオンされ、タイミングT2にてオフされる。そ
の後のタイミングT3にてオンされ、タイミングT4に
てオフされる。入力信号Yのタイミングチャート12
は、上記入力信号Xがオンのときオフされ、上記入力信
号Xがオフのときオンされる。
【0033】そのときの電極Eでの出力波形13は、通
常0vであるが、タイミングT1にてコンデンサ191
への電荷が充電され、トランジスタTcと抵抗R12と
コンデンサ191にて決まる充電時間Ta後に電圧V
(例えば22v)になる、またタイミングT2にてコン
デンサ191の電荷が放電され、トランジスタTgと抵
抗R12とコンデンサ191にて決まる放電時間Tb後
に0vになる。続いてタイミングT3にてコンデンサ1
91への電荷が充電され、トランジスタTcと抵抗R1
2とコンデンサ191にて決まる充電時間Ta後に電圧
V(例えば22v)になる、またタイミングT4にてコ
ンデンサ191の電荷が放電され、トランジスタTgと
抵抗R12とコンデンサ191にて決まる放電時間Tb
後に0vになる。このように実際の駆動波形13は立ち
上がりと立ち下がりでそれぞれTa、Tbの遅れが生じ
るため、電圧が1/2V(例えば11v)における第1
のパルス信号Aの幅Wa、第2のパルス信号Bの幅W
b、および第2のパルス信号Bの立ち上がりタイミング
Tsと立ち下がりタイミングTeの中間タイミングTm
の、第1のパルス信号Aの立ち下がりタイミングTpか
らの遅れ時間Tdを図1に示す値になるように上記各タ
イミングT1、T2、T3、T4を設定する。
【0034】上記した本実施例の駆動方法にて駆動した
場合のインク噴射テストを行った。駆動電圧は、非常に
遅い駆動周波数、例えば60Hzのときにインク噴射速
度が5m/sとなる22vにて駆動した。駆動周波数を
5kHzから15kHzまで変化させたところインク噴
射速度が4.5〜5.3m/sの間で安定に噴射でき
た。比較実験として本実施例の駆動波形の第1のパルス
信号Aのみにて駆動した場合インク噴射速度が4.5〜
6.5m/sの間でばらつき、駆動周波数が8kHz以
上では噴射不能になった。この結果を図4に示す。この
結果から本実施例の駆動方法が電圧パルスの周波数を変
化させたときのインクの噴射速度が変動を抑えているこ
とがわかる。また、本実施例のインク噴射装置の駆動方
法では、インク流路613の電極619に第1のパルス
信号Aとして正の電圧Vを印加し、第2のパルス信号B
として、第1のパルス信号Aと同じ正の電圧Vを印加す
るので、駆動電源が正の電源87のみで済み、従来のよ
うに正の電源と負の電源、または電圧の異なる2種の正
の電源を用いる場合に比較して制御回路が単純となり、
コスト低減を図り得る。
【0035】次に第2のパルスBの幅Wbと、第1のパ
ルス信号Aの立ち上がりタイミングT0から第2のパル
ス信号Bの中間タイミングTmまでの遅れ時間Tdの適
正範囲とを求めるために行った実験の結果を説明する。
【0036】図5は、第2のパルス信号Bの幅Wbを
0.3T〜2.0Tに変え、遅れ時間Tdを2.0T〜
3.0Tに変えたときの評価結果を示す。評価方法とし
ては5kHz〜15kHzまで駆動周波数を変化させて
インク噴射速度の変化を調べた。駆動電圧は非常に遅い
駆動周波数、例えば60Hzのときにインク噴射速度が
5m/sとなる22vにて駆動した。
【0037】ここで評価の2重丸は、速度の変動が1m
/s未満であり、丸は速度変動が1.0以上2.0m/
s未満、三角は速度変動が2.0以上3m/s未満、×
はある周波数にて噴射不能となったことを示す。この結
果から、遅れ時間Tdは、2.25Tから2.75Tの
範囲で、且つ第2のパルス信号Bの幅Wbを0.3T〜
2.0Tとすると速度変動が少ない。さらに遅れ時間T
dを2.5Tとするか、第2のパルス信号Bの幅Wbを
0.5T〜0.7T、または1.3T〜1.7Tとする
と、より速度変動が少なく、安定して印字品質の良好な
インク噴射が行い得る。
【0038】以上、一実施例を詳細に説明したが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。例えば上記
実施例では、正の電源87を用いたが、分極方向を図7
の609、611を逆にして、負の電源を用いても良
い。その他の構成についても、特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良
を施した態様で本発明を実施できる。
【0039】尚、本実施例では、アクチュエータ壁60
3の下部壁607及び上部壁605の圧電変形によりイ
ンク流路613の容積を変形してインクを噴射していた
が、下部壁もしくは上部壁の一方を圧電変形しない材質
で形成し、他方の圧電変形にともなって変形するように
して、インクを噴射してもよい。
【0040】また、本実施例では、インク流路613の
両側に空気室615を設けていたが、空気室を設けず
に、インク流路が隣接するようにしてもよい。
【0041】
【発明の効果】上述したように、本発明のインク噴射装
置の駆動方法によれば、インクを噴射する第1のパルス
信号と波高値が同じで、且つパルス幅の異なり、且つ第
2のパルス信号の立ち上がりタイミングTsと該第2の
パルス信号の立ち下がりタイミングTeとの中心タイミ
ングTmが、前記第1のパルス信号の立ち下がり時点か
ら2.25T〜2.75Tの間となる前記第二のパルス
信号を、前記制御手段が前記アクチュエータに印加して
いるので、インクの噴射速度の駆動周波数による変動を
減少させることができる。更に単一の駆動電源にて駆動
することができるので、従来よりも駆動回路が単純とな
り、コストが低下する。
【0042】また、インクを噴射する第1のパルス信号
のパルス幅が、前記インク室内における圧力波の片道伝
播時間Tの約3倍以上であり且つほぼ奇数倍であるの
で、インク滴の噴射前に圧力波の変動を利用して予め噴
射口からインクが押し出され、その後の容積減少によっ
て、比較的大きい体積のインク滴を得ることができる。
更に、前記片道伝播時間のほぼ奇数倍とすることによ
り、インク滴の噴射に寄与する圧力の利用率を高めてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインク噴射装置の駆動波形
を示す図である。
【図2】前記インク噴射装置の駆動回路を示す図であ
る。
【図3】前記インク噴射装置の駆動方法のタイミングチ
ャートである。
【図4】前記インク噴射装置の駆動方法の周波数を変化
させた実験の結果を示す図である。
【図5】前記インク噴射装置の方法の第2のパルス信号
の幅と印加タイミングを変えた実験の結果を示す図であ
る。
【図6】従来例、および本発明に係るインク噴射装置を
示す図である。
【図7】従来例、および本発明に係るインク噴射装置の
動作を説明する図である。
【図8】従来例に係るインク滴形成過程を説明する図で
ある。
【図9】従来例、および本発明に係る比較的大きなイン
ク滴の形成過程を説明する図である。
【図10】従来例の他の駆動波形を示す図である。
【図11】従来例の他の駆動波形を発生する駆動回路を
示す図である。
【図12】従来例の更に他の駆動波形を示す図である。
【符号の説明】
10 駆動波形 600 インク噴射装置 603 アクチュエータ壁 613 インク流路 619 電極 621 電極

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが充填されるインク室と、 前記インク室の容積を変化させるためのアクチュエータ
    と、 前記アクチュエータに電気信号を印加するための単一の
    駆動電源と、 前記アクチュエータに前記単一の駆動電源から第一のパ
    ルス信号を印加することにより、前記インク室の容積を
    増大させてインク室内に圧力波を発生させ、前記インク
    室内を圧力波が片道伝播する時間Tの約3倍以上であ
    り、且つ前記片道伝播時間のほぼ奇数倍である所定時間
    後、増大状態から容積を自然状態に減少させて前記イン
    ク室内のインクに圧力を加えてインク滴を噴射させる制
    御手段とを備えたインク噴射装置の駆動方法であって、 前記第1のパルス信号と波高値が同じであり、且つ前記
    第1のパルス信号とパルス幅が異なる第2のパルス信号
    を、前記制御手段が、第2のパルス信号の立ち上がりタ
    イミングTsと第2のパルス信号の立ち下がりタイミン
    グTeとの中心タイミングTmが前記第1のパルス信号
    の立ち下がり時点から2.25T〜2.75Tの間とな
    るように、前記アクチュエータに前記単一の駆動電源か
    ら印加することを特徴とするインク噴射装置の駆動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第2のパルス信号のパルス幅が、
    0.5T〜0.7T、または1.3T〜1.7Tである
    ことを特徴とする請求項1に記載のインク噴射装置の駆
    動方法。
  3. 【請求項3】 前記第2のパルス信号の前記中心タイミ
    ングTmが、前記第1のパルス信号の立ち下がり時点か
    ら2.5Tである第2のパルス信号を前記アクチュエー
    タに印加することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のインク噴射装置の駆動方法。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータは、前記インク室を
    構成する少なくとも1つの壁部であり、該壁部の少なく
    とも一部は圧電材料で形成されていることを特徴とする
    請求項1〜請求項3に記載のインク噴射装置の駆動方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004155209A (ja) * 2004-02-26 2004-06-03 Brother Ind Ltd インク滴噴射装置
USRE38941E1 (en) 1997-12-16 2006-01-24 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink droplet ejecting method and apparatus
JP2013188974A (ja) * 2012-03-14 2013-09-26 Konica Minolta Inc インクジェット記録装置

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