JP3249735B2 - インク噴射装置およびその駆動方法 - Google Patents
インク噴射装置およびその駆動方法Info
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Description
よびその駆動方法に関するものである。
装置にとってかわり、その市場を大きく拡大しつつある
ノンインパクト方式の印字装置のなかで、原理が最も単
純で、かつ多階調化やカラー化が容易であるものとし
て、インクジェット方式の印字装置が挙げられる。なか
でも印字に使用するインク液滴のみを噴射するドロップ
・オン・デマンド型が、噴射効率の良さ、ランニングコ
ストの安さなどから急速に普及している。
53−12138号公報に開示されているカイザー型、
あるいは特公昭61−59914号公報に開示されてい
るサーマルジェット型がその代表的な方式としてある。
このうち、前者は小型化が難しく、後者は高熱をインク
に加えるためにインクの耐熱性に対する要求が必要とさ
れ、それぞれに非常に困難な問題を抱えている。
方式として提案されたのが、特開昭63−247051
号公報に開示されている圧電セラミックスを利用したせ
ん断モード型である。図6に示すように、せん断モード
型のインクジェットヘッド600は、底壁601、天壁
602及びその間のせん断モードアクチュエータ壁60
3からなる。そのアクチュエータ壁603は、底壁60
1に接着され、且つ矢印611方向に分極された下部壁
607と、天壁602に接着され、且つ矢印609方向
に分極された上部壁605とからなっている。アクチュ
エータ壁603は一対となって、その間にインク流路6
13を形成し、且つ次の一対のアクチュエータ壁603
の間には、インク流路613よりも狭い空間615を形
成している。
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
設けられている。各電極619,621はインクと絶縁
するための絶縁層(図示せず)で覆われている。そし
て、空間615に面している電極619はアース623
に接続され、インク流路613内に設けられている電極
621はアクチュエータ駆動回路であるシリコン・チッ
プ625に接続されている。また、各インク流路613
の他端には、開口部を有する目止めプレート627が固
着され、更に各インク流路613の他端には、図示しな
いインク供給源からのインクを各インク流路613に供
給するためのマニホールド626が形成されたマニホー
ルド部材628が固着されている。
製造方法を説明する。まず、矢印611に分極された圧
電セラミックス層を底壁601に接着し、矢印609に
分極された圧電セラミックス層を天壁602に接着す
る。各圧電セラミックス層の厚みは、下部壁607、上
部壁605の高さに等しい。次に、圧電セラミックス層
に、平行な溝をダイヤモンドカッティング円板の回転等
によって形成して、下部壁607、上部壁605を形成
する。そして、真空蒸着等によって下部壁607の側面
に電極619、621を形成し、その電極619、62
1上に前記絶縁層を設ける。同様にして上部壁605の
側面に電極619、621、前記絶縁層を設ける。
頂部とを接着してインク流路613と空間615とを形
成する。次に、ノズル618が形成されているノズルプ
レート617を、ノズル618がインク流路613と対
応するように、インク流路613及び空間615の一端
に接着し、インク流路613と空間615との他端側で
電極621と電極619とをシリコン・チップ625と
アース623とに接続する。前記開口部が形成されてい
る目止めプレート627を、開口部がインク流路613
と対応するように、インク流路613及び空間615の
他端に接着し、更にマニホールド626が形成されたマ
ニホールド部材628をインク流路613及び空間61
5の他端に接着する。
にシリコン・チップ625が電圧を印加することによっ
て、各アクチュエータ壁603がインク流路613の容
積を増加する方向に圧電厚みすべり変形する。例えば図
7に示すようにインク流路613cの電極621cに電
圧Vが印加されると、アクチュエータ壁603eに矢印
629、631の方向の電界が発生し、アクチュエータ
壁603fに矢印630、632の方向の電界が発生
し、アクチュエータ壁603e、603fがインク流路
613cの容積を増加する方向に圧電厚みすべり変形す
る。このときノズル618c付近を含むインク流路61
3c内の圧力が減少する。この状態を圧力波のインク流
路613内での片道伝播時間Tだけ維持する。すると、
その間マニホールド626からインクが供給される。な
お、上記Tはインク流路613内の圧力波が、インク流
路613の長手方向に伝播するのに必要な時間であり、
インク流路613の長さLとこのインク流路613内部
のインク中での音速aによりT=L/aと決まる。圧力
波の伝播理論によると、上記の電圧の印加からちょうど
T時間がたつとインク流路613内の圧力が逆転し、正
の圧力に転じるが、このタイミングに合わせてインク流
路613cの電極621cに印加されている電圧を0に
戻す。
3fが変形前の状態(図6)に戻り、インクに圧力が加
えられる。そのとき、前記正に転じた圧力と、アクチュ
エータ壁603e、603fが変形前の状態に戻ること
により発生した圧力とが加え合わされ、比較的高い圧力
がインク流路613cのノズル618c付近の部分に生
じて、インク液滴がノズル618cから噴射される。
0で用いられるインクは図8に示すように、例えば、あ
るインクでは25℃においては、粘度が約3mPa・s
であるが、10℃では約6mPa・s、40℃では約2
mPa・sと温度に対して非常に大きく特性が変化す
る。このインク粘度の変化により、低温時は、高温時に
比べてはインク液滴噴射速度が小さくなり、着弾位置ず
れが大きくなって、印字品質が劣化する。そこで、印字
品質が劣化しないように、インク液滴噴射速度の変化を
抑えるために、周囲温度により、インクジェットヘッド
の駆動電圧を変化させていた。
た構成のインク噴射装置の駆動方法では、周囲温度の変
化に応じて駆動電圧を変化させるための、複雑な電圧可
変回路、または2種以上の電源を必要とし、コストが高
価であるという問題があった。
囲温度の変化によるインク液滴噴射速度の変化が少なく
良好な印字品質の得られる低コストのインク噴射装置お
よびその駆動方法を提示することを目的とする。
に本発明の請求項1では、インクが充填されるインク流
路および該インク流路の容積を変化させるためのアクチ
ュエータを備えるインクジェットヘッドと、前記アクチ
ュエータの近傍に配置され、前記アクチュエータに電気
信号を印加することにより、前記インク流路内のインク
に圧力を加えてインク液滴を噴射させる駆動回路とを有
するインク噴射装置であって、前記インクジェットヘッ
ドの温度が所定温度未満のときには、インク液滴を噴射
させない非噴射パルス信号と、インク液滴を噴射させる
噴射パルス信号とを有する第1の駆動波形を、前記イン
クジェットヘッドの温度が所定温度以上のときには、前
記第1の駆動波形を構成するパルス信号の数よりも少な
い数のパルス信号からなる第2の駆動波形を、それぞれ
前記駆動回路が前記アクチュエータに印加してインク液
滴を噴射させる。
によって、前記所定温度未満では、前記第1の駆動波形
により前記駆動回路に流れる電流の回数を増加して発熱
させて、アクチュエータの温度をすばやく上昇させる。
また、前記所定温度以上では、前記第2の駆動波形によ
り駆動回路に流れる電流の回数を少なく抑えて発熱を抑
えてアクチュエータの安定温度を低く抑える。つまり安
定温度に達するまでの時間を短くし、安定温度を低くす
る。このため、アクチュエータの温度変化に伴う、イン
クの粘度変化によるインク液滴噴射速度も変化が少な
く、良好な印字品質が得られる。
の駆動波形における非噴射パルス信号と噴射パルス信号
との波高値が同一であり、かつ前記第2の駆動における
パルス信号と前記第1の駆動波形の噴射パルス信号との
波高値が同じである。請求項3のインク噴射装置では、
前記アクチュエータは、前記パルス信号の印加により、
前記インク流路の容積を自然状態から増大状態に変化さ
せた後、再び自然状態に戻す動作をし、前記第1の駆動
波形における噴射パルス信号のパルス幅を、前記インク
流路内における圧力波の片道伝播時間Tの奇数倍として
インク液滴を噴射し、前記非噴射のパルス信号のパルス
幅を、0.3T以下、または(N−0.3)T〜(N+
0.3)Tとすることにより(Nは偶数)、前記駆動回
路に電流を流すがインク液滴を噴射させない。
の駆動波形は、前記非噴射パルス信号と前記噴射パルス
信号との2つのパルス信号からなり、前記第2の駆動波
形は、1つの前記噴射パルス信号からなることにより、
駆動周波数を高くすることが可能となる。
の駆動波形は前記非噴射パルス信号を印加した後に前記
噴射パルス信号を印加する駆動波形であり、前記非噴射
パルス信号と前記噴射パルス信号との間隔を調整するこ
とにより、噴射パルス信号により噴射されるインク液滴
の速度や体積を適切とすることが可能となる。請求項6
のインク噴射装置の駆動方法では、インクが充填される
インク流路および該インク流路の容積を変化させるため
のアクチュエータを有するインクジェットヘッドと、前
記アクチュエータの近傍に配置され、前記アクチュエー
タに電気信号を印加するための駆動回路とを備えるイン
ク噴射装置において、前記アクチュエータに電気信号を
印加することにより、前記インク流路内のインクに圧力
を加えてインク液滴を噴射させる駆動方法であって、前
記インクジェットヘッドの温度が所定温度未満のときに
は、インク液滴を噴射させない非噴射パルス信号と、イ
ンク液滴を噴射させる噴射パルス信号とを有する第1の
駆動波形を、前記インクジェットヘッドの温度が所定温
度以上のときには、前記第1の駆動波形を構成するパル
ス信号の数よりも少ない数のパルス信号からなる第2の
駆動波形を、それぞれ前記アクチュエータに印加してイ
ンク液滴を噴射させる。 請求項7のインク噴射装置の駆
動方法では、前記第1の駆動波形は、前記非噴 射パルス
信号を印加した後に前記噴射パルス信号を印加する駆動
波形である。
て図面を参照して説明する。
は、図6に示す従来のインクジェットヘッド600と同
様に、底壁601、天壁602及びその間のせん断モー
ドアクチュエータ壁603からなる。そのアクチュエー
タ壁603は、底壁601に接着され、且つ矢印611
方向に分極された下部壁607と、天壁602に接着さ
れ、且つ矢印609方向に分極された上部壁605から
なっている。アクチュエータ壁603は一対となって、
その間にインク流路613を形成し、且つ次の一対のア
クチュエータ壁603の間には、インク流路613より
も狭い空間615を形成している。
18を有するノズルプレート617が固着され、各アク
チュエータ壁603の両側面には電極619,621が
設けられている。各電極619,621はインクと絶縁
するための絶縁層(図示せず)で覆われている。そし
て、空間615に面している電極619はアース623
に接続され、インク流路613内に設けられている電極
621はアクチュエータ駆動回路であるシリコン・チッ
プ625に接続されている。また、各インク流路613
の他端には、開口部を有する目止めプレート627が固
着され、更に各インク流路613の他端には、図示しな
いインク供給源からのインクを各インク流路613に供
給するためのマニホールド626が形成されたマニホー
ルド部材628が固着されている。そして、このインク
ジェットヘッド600及びシリコン・チップ625は記
録媒体に沿って移動するキャリッジ(図示せず)上に搭
載されている。
寸法の1例は、インク流路613の長さLが7.5mm
である。ノズル618の寸法は、インク噴射側の径が4
0μm、インク流路613側の径が72μm、長さが1
00μmである。また、実験に供したインクの25℃に
おける粘度は約3mPa・s、表面張力は30mN/m
であり、粘度の温度変化は図8に示すように10℃では
約6mPa・s、40℃では約2mPa・sである。こ
のインク流路613内のインク中における音速aと上記
Lとの比L/a(=T)は8μsecであった。
21に印加する駆動波形10、20を図1に示す。第2
の駆動波形10は、ヘッドの発熱量を抑え、かつインク
液滴の噴射速度を小さくするための波形であり、第1の
駆動波形20は、ヘッドの発熱量を増加し、かつインク
液滴の噴射速度を大きくするための波形である。インク
が高粘度となる低温度域、例えば25℃以下では第1の
駆動波形20を用いて駆動し、インクが低粘度となる高
温度域、例えば25℃以上では第2の駆動波形10を用
いることで、ヘッドおよびインクの温度を、低温度域か
ら速く高温度域に移行し、高温度域内の安定した温度に
保ちながらインク液滴の噴射を行なうことができる。
させるための第1のパルス信号Aのみからなり、第1の
パルス信号Aの波高値(電圧値)はV(例えば20v)
である。第1のパルス信号Aの幅Waは、インク流路6
13内の圧力波の片道伝播時間T(L/a)に一致、す
なわち8μsecである。
させない第2のパルス信号Bと、インク液滴を噴射させ
るための第3のパルス信号Cとからなり、第2のパルス
信号B、第3のパルス信号Cのどちらも波高値(電圧
値)はV(例えば20v)である。第2のパルス信号B
の幅Wbは、インク流路613内の圧力波の片道伝播時
間T(L/a)の2倍、すなわち16μsecであり、
第3のパルス信号Cの幅Wcはインク流路613内の圧
力波の片道伝播時間Tに一致、すなわち8μsecであ
る。
シリコン・チップ625内部の駆動回路の一実施例を図
2、3を用いて説明する。図2に示す出力信号X、Y
は、それぞれインク流路613内の電極619に与える
電圧をV、0にするための信号である。出力信号Xがオ
ンになると、電圧Vを発生し、出力信号Yがオンになる
と電圧が0になる。コンデンサ191はインク流路61
3のアクチュエータ壁603とその両側に形成された電
極619、621によって構成される。
から構成され、それぞれが充電用回路182、放電用回
路184である。そして、入力信号Xがオンするときは
トランジスタTcが導通し、抵抗R120を介してコン
デンサ191の電極Eに正の電源187からVの電圧、
例えば20vを印加する。入力信号Yがオンするときは
トランジスタTgが導通し、抵抗R120を介してコン
デンサ191の電圧Eをアースする。第1の駆動波形2
0の場合の入力信号X、Yのそれぞれのタイミングチャ
ート21、22と電極Eの出力電圧波形23を図3に示
す。
うに、入力信号Xは通常オフの状態に有り、噴射する所
定のタイミングT1、T3にてオンされ、所定のタイミ
ングT2、T4にてそれぞれオフされる。入力信号Yの
タイミングチャート22は、上記入力信号Xがオンのと
きオフされ、上記入力信号Xがオフのときオンされる。
そのときの電極Eでの出力波形23は、通常0vである
が、タイミングT1にてコンデンサ191への電荷が充
電され、トランジスタTcと抵抗R120とコンデンサ
191にて決まる充電時間Ta後に電圧V(例えば20
v)になる。この充電時間Taの間、正の電源187か
らトランジスタTc、抵抗R120、コンデンサ191
に電流が流れる。
の電荷が放電され、トランジスタTgと抵抗R120と
コンデンサ191にて決まる放電時間Tb後に0vにな
る。この充電時間Tbの間、コンデンサ191から抵抗
R120、トランジスタTgに電流が流れる。
1への電荷が充電され、トランジスタTcと抵抗R12
0とコンデンサ191にて決まる充電時間Ta後に電圧
V(例えば20v)になる。この充電時間Taの間、正
の電源187からトランジスタTc、抵抗R120、コ
ンデンサ191に電流が流れる。
の電荷が放電され、トランジスタTgと抵抗R120と
コンデンサ191にて決まる放電時間Tb後に0vにな
る。この充電時間Tbの間、コンデンサ191から抵抗
R120、トランジスタTgに電流が流れる。
りと立ち下がりでそれぞれTa、Tbの遅れが生じるた
め、電圧が1/2V(例えば10v)における第1の駆
動波形20における第2のパルス信号Bの幅Wb、第3
のパルス信号Cの幅Wcを、それぞれ所定の値となるよ
うに上記各タイミングT1、T2、T3、T4を設定す
る。同様に第2の駆動波形10も、第1のパルス信号A
の幅Waが、所定の値となるように設定する。
たインクジェットヘッド600では、圧電セラミックス
が変形するとき、すなわち駆動波形の立ち上がり及び立
ち下がりの時に、駆動回路に電流が流れるので、この電
流によりシリコン・チップ625が発熱する。第2の駆
動波形10では電流がシリコン・チップ625に2度流
れ、第1の駆動波形20ではシリコン・チップ625に
電流が4度流れるので、第1の駆動波形20では、第2
の駆動波形10よりもシリコン・チップ625の発熱が
大きい。
動した場合のインク噴射テストを行った。インクジェッ
トヘッド600の温度が10℃の状態から、第2の駆動
波形10、および第1の駆動波形20にて20vの駆動
電圧にて連続駆動した場合のインクジェットヘッド60
0の温度の変化を測定した。また、インクジェットヘッ
ド600の温度が25℃未満の場合は第2の駆動波形1
0にて駆動し、インクジェットヘッド600の温度が2
5℃以上の場合は第1の駆動波形20にて駆動した場合
のインクジェットヘッド600の温度変化についても測
定した。このテストの結果を図4に示す。第2の駆動波
形10にて駆動した場合は、約7.5℃/min.の速
度でインクジェットヘッド600の温度が上昇し、20
0秒後に32℃に達して安定することがわかる。第1の
駆動波形20にて駆動した場合は、約30℃/min.
の速度でインクジェットヘッド600の温度が上昇し、
160秒後に76℃に達して安定することがわかる。そ
れぞれの駆動波形を単独で用いると、第2の駆動波形1
0の場合では、安定する温度はそれほど高くはないが、
温度上昇がゆっくりで温度が安定するまでに長時間を要
するという問題がある。第1の駆動波形20の場合で
は、安定する温度が高くなりすぎるという問題がある
が、温度上昇は速い。
0、25℃以上では第2の駆動波形10を用いた場合
は、インクジェットヘッド600の温度は連続駆動30
秒後には25℃に達し、100秒後には32℃に達し安
定するするので、安定温度に達するまでの時間も短く、
また安定温度も32℃と低い。このため、インクジェッ
トヘッド600の温度変化に伴う、インクの粘度変化に
よるインク液滴噴射速度も変化が少なく、良好な印字品
質が得られる。
電極619に第2の駆動波形10における第1のパルス
信号A 、第1の駆動波形20における第2のパルス信
号B、第3のパルス信号Cに全て同じ正の電圧Vを印加
するので、駆動電源が正の電源187のみで済み、従来
のように電圧可変回路を用いたり、電圧の異なる2種以
上の電源を用いる場合に比較して制御回路が単純とな
り、コストを低減することができる。
信号からなり、第2の駆動波形10は1つのパルス信号
からなるので、駆動周波数を高くすることができる。
噴射しない第2のパルス信号Bが印加された後にインク
液滴を噴射する第3のパルス信号Cが印加される駆動波
形であるので、第2のパルス信号Bと第3のパルス信号
Cとの間隔を調整することにより、噴射されるインク液
滴の速度や体積を適切な値とすることができる。
形20のそれぞれのパルス信号の幅の適正範囲を求める
ために行った実験の結果を説明する。評価方法としては
周囲温度が25℃において、パルス信号の幅Wを変化さ
せ、20v、1kHzにて駆動したときのインク液滴噴
射速度を測定した。この結果を図5に示す。この結果か
ら第1のパルス信号Aの幅Wa及び第3のパルス信号C
の幅Wcを1.0T、3.0T、5.0T、7.0T
と、圧力波の片道伝播時間Tの奇数倍とすることで、安
定な噴射が得られることが分かり、第2のパルス信号B
の幅Wbを0.3T以下、1.7T〜2.3T、3.7
T〜4.3T、5.7T〜6.3Tとすると、第2パル
ス信号Bによる噴射がないことが分かる。
明はこの実施例に限定されるものではない。例えば上記
実施例では、正の電源187を用いたが、分極方向を図
7の609、611を逆にして、負の電源を用いても良
い。その他の構成についても、特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良
を施した態様で本発明を実施できる。
と第1の駆動波形20との切り換えを25℃を境にして
行なっていたが、この限りではなく、例えば20℃で切
り換えてもよい。
は2つのパルス信号から構成されていたが、この限りで
はなく、例えば3つや4つのパルス信号から構成されて
いてもよい。この場合、シリコン・チップ625の発熱
は、2つのパルス信号からなる駆動波形よりも大きくな
るので、より短時間でアクチュエータの温度を所定温度
まで上昇させることができる。
00はインク流路613の両側に空気室615を有して
いたが、空気室を設けずにインク流路を隣接したインク
噴射装置であってもよい。
03が互いに反対方向に分極された下部壁607と上部
壁605とから構成されていたが、上部もしくは下部の
みが分極されたアクチュエータ壁であってもよい。
ド600及びシリコン・チップ625が図示しないキャ
リッジに搭載されていたが、キャリッジを有さない記録
装置、例えば記録媒体の幅分のノズルを有するラインヘ
ッドタイプの記録装置の場合は、シリコン・チップの発
熱がインクジェットヘッドに伝達する距離に、シリコン
・チップとインクジェットヘッドとを配置すればよい。
ンク噴射装置および請求項6の駆動方法によれば、所定
温度未満においては、インク液滴を噴射させない非噴射
パルス信号と、インク液滴を噴射させる噴射パルス信号
とを有する第1の駆動波形を、前記アクチュエータに印
加してインク液滴を噴射させているので、駆動回路に流
れる電流の回数を増加して発熱させて、アクチュエータ
の温度をすばやく上昇させることができる。また所定温
度以上においては、前記第1の駆動波形を構成するパル
ス信号の数よりも少ない数のパルス信号からなる第2の
駆動波形を、前記アクチュエータに印加してインク液滴
を噴射させているので、駆動回路に流れる電流の回数を
少なく抑えて発熱を抑えてアクチュエータの安定温度を
低く抑えることができる。つまり、安定温度に達するま
での時間を短くし、安定温度を低くすることができるた
め、アクチュエータの温度変化に伴う、インクの粘度変
化によるインク液滴噴射速度も変化が少なく、良好な印
字品質を得ることができる。
ことで、単一の駆動電源にて駆動することができ、その
ため従来よりも駆動回路が単純となり、コストを低減す
ることができる。
アクチュエータは、前記パルス信号の印加により、前記
インク流路の容積を自然状態から増大状態に変化させた
後、再び自然状態に戻す動作をし、前記第1の駆動波形
における噴射パルス信号のパルス幅を、前記インク流路
内における圧力波の片道伝播時間Tの奇数倍とすること
により、インク液滴を噴射することができ、前記非噴射
のパルス信号のパルス幅を、0.3T以下、または(N
−0.3)T〜(N+0.3)Tとすることにより(N
は偶数)、前記駆動回路に電流を流すがインク液滴を噴
射させなくすることができる。
第1の駆動波形は、前記非噴射パルス信号と前記噴射パ
ルス信号との2つのパルス信号からなり、前記第2の駆
動波形は、1つの前記噴射パルス信号からなるので、駆
動周波数を高くすることができる。
の駆動方法によれば、前記第1の駆動波形は前記非噴射
パルス信号を印加した後に前記噴射パルス信号を印加す
る駆動波形であるので、前記非噴射パルス信号と前記噴
射パルス信号との間隔を調整することにより、噴射パル
ス信号により噴射されるインク液滴の速度や体積を適切
な値とすることができる。
動波形を示す図である。
である。
チャートを示す図である。
せた実験の結果をを示す図である。
信号の幅の適正範囲を求めるために行った実験の結果を
説明する図である。
ッドを示す図である。
ッドの動作を説明する図である。
度による変化を説明する図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 インクが充填されるインク流路および該
インク流路の容積を変化させるためのアクチュエータを
備えるインクジェットヘッドと、前記アクチュエータの
近傍に配置され、前記アクチュエータに電気信号を印加
することにより、前記インク流路内のインクに圧力を加
えてインク液滴を噴射させる駆動回路とを有するインク
噴射装置であって、前記インクジェットヘッドの温度が 所定温度未満のとき
には、インク液滴を噴射させない非噴射パルス信号と、
インク液滴を噴射させる噴射パルス信号とを有する第1
の駆動波形を、前記インクジェットヘッドの温度が所定
温度以上のときには、前記第1の駆動波形を構成するパ
ルス信号の数よりも少ない数のパルス信号からなる第2
の駆動波形を、それぞれ前記駆動回路が前記アクチュエ
ータに印加してインク液滴を噴射させることを特徴とす
るインク噴射装置。 - 【請求項2】 前記第1の駆動波形における非噴射パル
ス信号と噴射パルス信号との波高値が同一であり、かつ
前記第2の駆動におけるパルス信号と前記第1の駆動波
形の噴射パルス信号との波高値が同じであることを特徴
とする請求項1に記載の インク噴射装置。 - 【請求項3】 前記アクチュエータは、前記パルス信号
の印加により、前記インク流路の容積を自然状態から増
大状態に変化させた後、再び自然状態に戻す動作をし、
前記第1の駆動波形における噴射パルス信号のパルス幅
は、前記インク流路内における圧力波の片道伝播時間T
の奇数倍であり、前記非噴射のパルス信号のパルス幅
は、0.3T以下、または(N−0.3)T〜(N+
0.3)Tであること(Nは偶数)であることを特徴と
する請求項2に記載のインク噴射装置。 - 【請求項4】 前記第1の駆動波形は、前記非噴射パル
ス信号と前記噴射パルス信号との2つのパルス信号から
なり、前記第2の駆動波形は、1つの噴射パルス信号か
らなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
載のインク噴射装置。 - 【請求項5】 前記第1の駆動波形は、前記非噴射パル
ス信号を印加した後に前記噴射パルス信号を印加する駆
動波形であることを特徴とする請求項1から4のいずれ
かに記載のインク噴射装置。 - 【請求項6】 インクが充填されるインク流路および該
インク流路の容積を変化させるためのアクチュエータを
有するインクジェットヘッドと、前記アクチュエータの
近傍に配置され、前記アクチュエータに電気信号を印加
するための駆動回路とを備えるインク噴射装置におい
て、前記アクチュエータに電気信号を印加することによ
り、前記インク流路内のインクに圧力を加えてインク液
滴を噴射させる駆動方法であって、 前記インクジェットヘッドの温度が所定温度未満のとき
には、インク液滴を噴射させない非噴射パルス信号と、
インク液滴を噴射させる噴射パルス信号とを有する第1
の駆動波形を、前記インクジェットヘッドの温度が所定
温度以上のときには、前記第1の駆動波形を構成するパ
ルス信号の数よりも少ない数のパルス信号からなる第2
の駆動波形を、それぞれ前記アクチュエータに印加して
インク液滴を噴射させることを特徴とするインク噴射装
置の駆動方法。 - 【請求項7】 前記第1の駆動波形は、前記非噴射パル
ス信号を印加した後に前記噴射パルス信号を印加する駆
動波形であることを特徴とする請求項6に記載のインク
噴射装置の駆動方法。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP1102296A JP3249735B2 (ja) | 1996-01-25 | 1996-01-25 | インク噴射装置およびその駆動方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09201962A JPH09201962A (ja) | 1997-08-05 |
JP3249735B2 true JP3249735B2 (ja) | 2002-01-21 |
Family
ID=11766488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1102296A Expired - Fee Related JP3249735B2 (ja) | 1995-12-25 | 1996-01-25 | インク噴射装置およびその駆動方法 |
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WO2000006387A1 (fr) * | 1998-07-29 | 2000-02-10 | Nec Corporation | Tete d'enregistrement a jet d'encre et enregistreur a jet d'encre |
JP3056191B1 (ja) * | 1999-01-12 | 2000-06-26 | 新潟日本電気株式会社 | インクジェット式プリンタ用ヘッドの駆動装置および方法 |
JP2004155209A (ja) * | 2004-02-26 | 2004-06-03 | Brother Ind Ltd | インク滴噴射装置 |
JP5854191B2 (ja) * | 2011-08-02 | 2016-02-09 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッドの制御方法、制御装置および液体噴射装置 |
-
1996
- 1996-01-25 JP JP1102296A patent/JP3249735B2/ja not_active Expired - Fee Related
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