JPH09298571A - 受信装置 - Google Patents

受信装置

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JPH09298571A
JPH09298571A JP8137698A JP13769896A JPH09298571A JP H09298571 A JPH09298571 A JP H09298571A JP 8137698 A JP8137698 A JP 8137698A JP 13769896 A JP13769896 A JP 13769896A JP H09298571 A JPH09298571 A JP H09298571A
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modem
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JP8137698A
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Michihiko Tsuda
道彦 津田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回線状況が劣悪な場合にも、最尤復号(ビタ
ビ復号)の精度を向上させ、BER(ビットエラーレー
ト)を低減させることの可能な受信装置を提供する。 【解決手段】 判定制御部120は、モデムの収束状況
を判定するのに、トレーニング中の誤差信号eの2乗平
均E(k)を用いることができる。この場合、判定・復号
器114は、判定制御部120からの判定結果に基づき
復号に使用するトレリス長を変更する。すなわち、受信
側のモデムは、トレーニング中の誤差信号の2乗平均E
(k)を予め設定されている所定の閾値と比較し、その比
較結果に応じて最尤復号(ビタビ復号)に使用するトレリ
ス長を可変にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ファクシミリなど
に使用され、変調信号を復調し、復調されたデータ系列
が予め畳み込み符号化がなされたデータ列であるときに
これを最尤復号する機能を備えた受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】0.3〜3.4KHzの限られた帯域内で
の伝送を行なう時、9.6kbpsを越える伝送速度で良好
な伝送品質を得ようとする場合、モデム(変復調装置)に
は、近年、畳み込み符号化とその復号法としてビタビ復
号の誤り訂正の技術が導入されている。
【0003】すなわち、近年、モデムの高速化にともな
い、1シンボルに多数のビットを割り当てることが必須
となってきており、その際、誤り率を低下させるため、
例えば、著者「矢幡」による文献「“2.1DSPのモ
デムへの応用”,情報処理Vol.30 No.11,1
989年11月,pp.1315〜1323」に示され
ているように、トレリス符号化変調方式とビタビ復号方
式を利用することが一般的になってきている。
【0004】図7は畳み込み符号化とその復号法として
ビタビ復号法が適用されたモデムの概略的な構成例を示
す図である。図7を参照すると、送信側のモデム1に
は、スクランブラ8と、トレリス符号化器2と、変調器
3とが設けられ、また、受信側のモデム4には、復調器
5と、等化器6と、判定・復号器7と、デスクランブラ
9とが設けられている。
【0005】ここで、送信側モデム1のスクランブラ8
は、受信側モデム4側でビット同期抽出と自動等化を容
易にするため、送信データをランダム化する機能を有し
ている。
【0006】また、送信側モデム1のトレリス符号化器
2は、例えば、図8に示すような構成となっている。す
なわち、図8のトレリス符号化器(畳み込み符号器)の3
つのレジスタF2,F1,F0の内容により、この符号化
器2には、8つの状態S0〜S7が存在し、また、この符
号化器2の2つの入力Y2n,Y1nの組合せで4つの入力
状態がある。この入力の状態による符号化器2の状態遷
移図が図9のように描かれる。これをトレリス線図とい
う。符号化器2からの出力の3ビットのうち,2ビット
はY2n,Y1nそのままであり、Y0nはトレリス線図にお
いて状態S0〜S3にいたならば“0”に符号化され、S
4〜S7にいたならば“1”に符号化される。トレリス線
図をみれば分かるが、同一状態から出て、同一状態に入
るパスは、2つ離れた時間の間では2つあり、また3つ
離れた時間では、途中パスの重なりがないように選んで
4つある。
【0007】このトレリス符号化は、V32やV33モ
デムのように帯域に比べて超効率的な伝送を行なうモデ
ムに使用されているもので、畳み込み符号による一種の
誤り訂正符号であり、送信データに冗長ビットを付加す
る。そのため、例えばV33モデムの14,400b/
sの伝送では2,400ボーで26=64値で送信でき
るはずであるが、トレリス符号化を使用する場合には、
128値で伝送することにより、信号点が多くなる。こ
のように、トレリス符号化を用いることにより、信号点
が多くなるが、信号点間の遷移に規制が生まれ、これを
利用して、後述のように、受信側でビタビ復号化するこ
とにより、SN比対誤り率特性を改善することができ
る。
【0008】また、変調器3は、トレリス符号化器2か
らの出力を位相平面の各信号点にマッピングすることで
得られる位相が90゜異なる2つのキャリアを変調し、
変調して得られた2つの信号を合成してPSKまたはQ
AMの変調波形を生成するようになっている。
【0009】また、受信側モデム4の復調器5は、送信
装置1から伝送路10を介して伝送された送信信号を復
調するようになっている。この場合、高速のモデムで
は、まず、キャリア周波数に近い固定周波数発振器を受
信装置4側でもち、この周波数で受信信号を復調する。
これを準同期検波という。なお、PSKやQAMを用い
る方式では、位相が90゜ずれた2つの再生キャリア
(または固定周波数信号)で復調を行なうので、復調信号
が2つ得られる。
【0010】また、等化器6は、伝送波形歪により起因
する符号間干渉を除去するもので、可変タップ・ゲイン
をもつトランスバーサル・フィルタが基本構成である。
なお、PSKやQAMでは2系統の復調信号が得られ、
符号間干渉はこの2系統相互間でも発生するので、その
影響も除去する構成になっている。
【0011】また、受信側モデム4の判定・復号器7
は、送信側モデム1の符号化器にトレリス符号化器2が
用いられることにより、これに対する最尤復号として、
ビタビ復号を行なうようになっている。ビタビ復号で
は、図9のようなトレリス線図の特徴を利用することに
なる。すなわち、受信信号系列Rに対して、符号語系列
がSiであったときの各尤度P(R|Si)を求め、最大の
尤度をもつ系列Skを送信された信号として最尤推定復
号するものである。符号語系列はトレリス線図のパスと
1対1に対応しているので、これは一番尤度の高いパス
をみつけることに対応する。従って、トレリス線図を使
用して、逐次的に尤度の高いパスを見つけていくことが
できる。すなわち、同一状態から出発して同一状態に入
るパスが複数あった場合、各パスの尤度を計算し、一番
高い尤度をもつパスを求める。そして、このパスによる
復号語がその部分に対応する送信符号語とされ、それ以
外のパスは棄てられる。このようにすると、生き残りパ
ス(残存パス)はいつも8つに限定される。以上のように
して、不要のパスを棄てていき、生き残ったパスのみを
残して復号を進めていくと、生き残りパス(残存パス)が
すべて一点より出発するようになる。そのときその一点
以前の符号が最尤復号されることになる。
【0012】以上がビタビ復号法の原理であるが、モデ
ムにおいてはパスの尤度を求めるのに一つの仮定を設け
ている。すなわち、この仮定は、送信側である信号点を
送って、受信側の判定回路にくるまでに符号間干渉(等
化後であるので残留の符号間干渉)や雑音の影響を受け
るが、この影響(送信信号点と受信点の差)はガウス分布
に従っているというものであり、この仮定は妥当性のあ
る仮定である。
【0013】図10はV33モデムの信号点の一部を示
している。受信点Rの信号を受けたとき、下位3ビット
が(a2,a1,a0)である信号点が送られたとするなら
ば、下位3ビットが(a2,a1,a0)である信号点のサ
ブ・セットのうち、一番近い信号点S(R:a2,a1
0)を求めて、それを送信信号点の候補としてRとの距
離r(a2,a1,a0)を計算する。
【0014】図10の例では(a2,a1,a0)=(0,
0,0)のサブ・セットに対して信号点Sは(00110
00)であり、同様に(0,1,0)のサブ・セットに対
して信号点Sは(0101010)であることが分かる。
8つのサブ・セットに対してそれぞれSを求め、それと
の距離r(≡ri)を求める。r(≡ri)はガウス分布に従
うから、この確率密度関数は次式のようになる。
【0015】
【数1】
【0016】従って、各状態間のパスのメトリックとし
てr2(≡ri 2)を使用し、ある部分パスの尤度の評価値
をそのパスのメトリックの総計でみることができる。も
ちろん、値が低いほど、尤度が高い。これにより最尤推
定による復号を進めていくことができる。
【0017】図11は畳み込み符号化がなされた受信信
号系列を、ビタビアルゴリズムを用いて復号する一般的
なビタビ復号器のブロック図である。一般に、ビタビ復
号器は、保存されているパスメトリックと入力されたデ
ータ列から求めたブランチメトリックとをいくつかの組
み合わせで加算し、その加算結果を比較して新しいパス
メトリックを選択し、そして、保存されているパスメト
リックの内容を、選択した新しいパスメトリックの内容
に更新するという処理を繰り返すことによって最も確か
らしいデータを復号するものである。ここに、ブランチ
(枝)とはある状態から次の状態に至るまでの復号経路を
いい、パスとはその枝の連なりで構成される一連の復号
経路をいう。また、ブランチメトリックおよびパスメト
リックとは、上記ブランチおよびパスからそれぞれ一定
の計算式により求めたデータをいう。
【0018】図11において、11はビタビ復号器に入
力される入力情報、12はこの入力情報11からブラン
チメトリックを計算するブランチメトリック計算部、1
3はブランチメトリック計算部12により計算されたブ
ランチメトリック、15aは上述の保存されているパス
メトリック、15bは上述の新しいパスメトリックであ
る。
【0019】また、16は残存パスおよび新しいパスメ
トリック15bを選択する加算比較選択部(ACS部)、
14は残存パスおよび新しいパスメトリック15bを保
存しておくパスメトリックメモリ、17は加算比較選択
部16で選択された残存パスを表す残存パス情報、18
は残存パス情報17を記憶するパスメモリ、19はパス
メモリ18に記憶された複数の残存パス情報17の中か
ら最も確からしいデータである最尤状態信号(最尤パス)
を選び出すパス選択部である。
【0020】図12は図11のビタビ復号器の処理動作
を説明するためのフローチャートである。図12を参照
すると、ビタビ復号器では、ブランチメトリック計算部
12において、先ず、受信信号(入力情報)11と受信装
置復調部のベースバンド信号星座内の信号点との距離の
二乗(ブランチメトリック)を計算する(ステップS1)。
すなわち、入力情報11のある時点における各状態から
次の時点における各状態(トレリス符号化における各状
態)に至るまでの全ての枝についてブランチメトリック
を求める。
【0021】このようにして、ブランチメトリックが計
算されると、ACS部16では、求められた全てのブラ
ンチメトリック13とパスメトリックメモリ14に保存
されている各状態におけるパスメトリック15aとを種
々の組み合せで加算する(ステップS2)。次いで、AC
S部16では、これらの加算結果である各状態について
のパスメトリックの大小関係を比較し、最大値を与える
ブランチメトリックとパスメトリックとの組み合せを残
存パス情報として検出する(ステップS3)。ACS部1
6は、このようにして検出した各状態(トレリス符号化
における各状態)についての残存パス情報17を、パス
メモリ18に記憶するとともに、検出した残存パス情報
に基づいて、パスメトリックメモリ14内に保存されて
いる種々のパスメトリック15aの中から新しいパスメ
トリック15bを各状態毎に選択し、選択した新しいパ
スメトリック15bによりパスメトリックメモリ14の
内容を更新する(ステップS4)。
【0022】そして、このようなループ処理が何回か繰
り返し行なわれた後、パス選択部19では、パスメモリ
18に記憶された入力情報11の状態数分の残存パス情
報17の中から最大値を与える残存パス情報17を最尤
状態信号(最尤パス)として選択し出力する(ステップS
5)。すなわち、パス選択部19では、パスメモリ18
に記憶されたパスの中から最尤パスを選び出し、そのパ
スの最初のブランチ,すなわち信号点を判定点として出
力する。
【0023】このビタビアルゴリズムは、理論的背景と
して前述のような伝送路のモデルを仮定している。すな
わち、送信器1が信号点Sを送信した時に伝送路10上
でガウス性ホワイトノイズが重畳すると仮定している。
この場合、受信点がRとなる確率P(R|S)は、次式に
よって表わされる。
【0024】
【数2】
【0025】ここで、r(≡ri)は信号点と受信点の距
離r=R−S、σ2はノイズの分散、Aは正規化のため
の定数を表わす。
【0026】また、これとは逆に、Rを受信したときの
送信信号点がSである確率は、ベイズの定理により次式
で表わされる。
【0027】
【数3】
【0028】ここで、信号の生起確率が一様であると仮
定し(信号Si,Sjに対し、P(Si)=P(Sj)が常に成
り立つとし)、数3に伝送路のモデル式である数2を代
入すると、次式が得られる。
【0029】
【数4】
【0030】数4から(すなわち前述の数1から)、r2
の小さいものが、事後確率最大の信号、すなわち尤度最
大の信号Sとなる。前述のように、通常のビタビアルゴ
リズムでは、数4(数1)を利用して、信号系列(パス)を
推定する。受信信号系列(R0,R1,…,Rn)を受信し
た時に、それが信号系列(S0,S1,…,Sn)である確
率は、次のように表わされる。
【0031】
【数5】
【0032】ビタビアルゴリズムでは、受信点と信号点
の距離が合計がもっとも短くなるパスを選択するが、そ
のパスは数5の事後確率を最大にするパスとなってい
る。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】このように、ビタビ復
号では、伝送路10上にガウス性ホワイトノイズが重畳
していると仮定して復号を行なうが、回線状況すなわち
伝送路10の状況が劣悪な場合には、ビタビ復号におい
ては、生き残りパス(残存パス)に沿ってトレリスを一定
期間(パス打ち切り長)遡っても、生き残りパスが1本に
絞られずに復号の精度が落ち、BER(ビットエラーレ
ート)が高くなるという問題があった。
【0034】本発明は、回線状況が劣悪な場合にも、最
尤復号(ビタビ復号)の精度を向上させ、BER(ビット
エラーレート)を低減させることの可能な受信装置を提
供することを目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、送信側からのデータがあら
かじめ畳み込み符号が行なわれたデータであるときこれ
を最尤復号する最尤復号部を有する受信装置において、
該受信装置には、データ伝送に先立ってモデムの状況を
判定し該判定結果を最尤復号部に与えるモデム状況判定
手段がさらに設けられており、該モデム状況判定手段か
らモデムの状況の判定結果を受けたとき、前記最尤復号
部は、該判定結果に基づき、データの最尤復号に使用す
るトレリス長を可変設定することを特徴としている。
【0036】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の受信装置において、最尤復号部には、ビタビ復号が
用いられることを特徴としている。
【0037】また、請求項3記載の発明は、請求項1記
載の受信装置において、モデム状況判定手段は、データ
伝送に先立って行なわれるトレーニング期間中の受信信
号に基づきモデムの状況を判定することを特徴としてい
る。
【0038】また、請求項4記載の発明は、請求項3記
載の受信装置において、モデムの状況の判定には、等化
器の係数更新に使用する判定点と受信点の差である誤差
信号を用いることを特徴としている。
【0039】また、請求項5記載の発明は、請求項3ま
たは請求項4記載の受信装置において、該受信装置は、
トレーニング終了時点の誤差信号の大きさを予め設定さ
れている所定の閾値と比較し、誤差信号の大きさが所定
の閾値よりも大きいときに、データの最尤復号に使用す
るトレリス長を可変設定することを特徴としている。
【0040】また、請求項6記載の発明は、請求項1記
載の受信装置において、モデム状況判定手段は、データ
伝送に先立って行なわれるモデムの状況判定を、トレー
ニング後のTCF/CFR,FTTルーチンの正解ビッ
ト数に基づいて行なうことを特徴としている。
【0041】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載の受信装置において、該受信装置は、TCFのうち正
解のビット数を予め設定した閾値と比較し、正解のビッ
ト数がこの閾値よりも小さいときに、データの最尤復号
に使用するトレリス長を可変設定することを特徴として
いる。
【0042】また、請求項8記載の発明は、請求項1記
載の受信装置において、該受信装置は、データ伝送に先
立って行なわれるモデムの状況の判定結果に応じて、デ
ータの最尤復号に使用するトレリス長を連続的に可変設
定することを特徴としている。
【0043】このように、請求項1乃至請求項8記載の
発明は、送信側からのデータがあらかじめ畳み込み符号
が行なわれたデータであるときこれを最尤復号する最尤
復号部を有する受信装置において、該受信装置には、デ
ータ伝送に先立ってモデムの状況を判定し、該判定結果
を最尤復号部に与えるモデム状況判定手段がさらに設け
られており、該モデム状況判定手段からモデムの状況の
判定結果を受けたとき、最尤復号部は、該判定結果に基
づき、データの最尤復号に使用するトレリス長を可変設
定するので、回線状況が劣悪な場合にも、それに応じて
トレリス長(パス打ち切り長)が最適なものに可変に設定
されるので、データの最尤復号を最適設定されたトレリ
ス長で行なうことができ、最尤復号(ビタビ復号)の精度
を向上させ、BER(ビットエラーレート)を低減させる
ことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る受信装置の構成
例を示す図である。図1の受信装置31は、受信側のモ
デム32と、通信制御部33とを有している。ここで、
受信装置31は、送信側モデム30が図7の送信側モデ
ム1のようにトレリス符号化変調方式によって畳み込み
符号化されたデータを伝送路10を介してこの受信装置
31に伝送する場合に、畳み込み符号化されたデータを
モデム32においてビタビ復号するように構成されてい
る。すなわち、受信側のモデム32も、基本的には、図
7の受信側モデム4と同様に、ビタビ復号法によって復
号する機能を有している。
【0045】図2は受信側のモデム32の構成例を示す
図である。図2の例では、受信側モデム32は、伝送路
10からの受信信号をデジタル信号に変換するA/D変
換器100と、A/D変換器100からの信号に対し複
素化処理を施す複素化処理部102と、タイミング再生
を行なうタイミング再生部101と、伝送路10からの
受信信号に含まれている不要な高周波成分などを除去し
符号間干渉を取り除くベースバンドフィルタ(BBF)1
04と、加入者線路の損失を補正する1次のIIRフィ
ルタで構成される固定等化器106と、信号のレベルを
自動調整する自動利得制御部(AGC)108と、受信信
号が伝送路の周波数により受けた歪みについて補償する
適応等化器110と、適応等化器110から出力される
信号に含まれる周波数シフトおよび位相揺らぎについて
補償する位相同期部112と、実数軸・虚数軸を2軸と
する2次元平面のシグナルコンストレーション(信号点
配置)上での受信点を用いて、送信装置側の畳み込み符
号化器(例えば、図7のトレリス符号化器2)の状態に応
じた判定点を決定し、受信点と判定点との誤差(誤差信
号e)を用いてビタビ復号(最尤復号)を行ない、信号を
復号(最尤復号)する判定・復号器(最尤復号部)114
と、送信装置30側のスクランブラ(例えば、図7と同
様のスクランブラ8)でランダム化された信号を元に戻
し、信号SGNとするためのデスクランブラ116と、
等化器誤差信号eを計算する誤差計算部118と、エラ
ーカウント値E_COUNTを出力するエラーカウンタ119
とを有している。
【0046】ここで、適応等化器110には、トランス
バーサル型のFIRフィルタが用いられ、そのフィルタ
タップ係数Ciは、誤差計算部118からの誤差信号e
に基づき次式のように更新される。
【0047】
【数6】Ci=Ci−μ・e・xi *
【0048】数6において、xi *は適応等化器110へ
入力する信号xiの共役複素数、μは収束速度を調整す
る係数(収束係数)である。
【0049】また、通信制御部33は、動作制御CPU
により構成されており、通信制御部33においてモデム
32の最終的な収束判定がなされるようになっている。
【0050】図3には受信装置31の通信手順の一例が
示されている。図3の例では、先づ、伝送速度等が送信
側,受信側間で取決められた後、送信側からトレ−ニン
グ信号とそれに続いてTCF信号が送られると、受信装
置31は、そのトレ−ニング信号を用いて適応等化器1
10,キャリア再生,タイミング再生回路の調整を行な
い、しかる後、TCF信号を受信して、エラーカウント
E_COUNTを算出し、通信制御部33でモデムの状態を評
価する。その結果、エラーカウントE_COUNTが所定閾値
よりも小さくトレ−ニングが成功していればCFR(Con
figuration Reciever)信号を送出してモデムトレ−ニン
グの成功を送信側へ知らせる。これに対し、エラーカウ
ントE_COUNTが所定閾値よりも大きい時には、FTT(Fa
ilure ToTrain)信号を送信側へ送出してモデムトレ−ニ
ングの不成功を知らせる。CFRを送信側が受信する
と、送信側からはリトレ−ニング信号とそれに続いてデ
ータ情報(受信装置31がファクシミリの場合には画情
報)が送信され、受信側ではそれを受信する。なお、受
信側ではCFRを送信後6秒以内にデータ情報(例えば
画情報)の(最初の)EOL(End of Line)が検出されない
ときには、フォ−ルバックや回線断の措置をとる。この
措置は、リトレ−ニングの失敗あるいは回線状況悪化を
判定し、ファクシミリ通信を保護するためになされる。
【0051】このような手順は、一般に、G3ファクシ
ミリの伝送においてなされる。すなわちG3ファクシミ
リの伝送手順では、先ず、伝送速度等の設定が送受信フ
ァクシミリ間で取り決められ、その後、実際の画像デー
タの伝送(受信)に先立って、受信側ファクシミリの適応
等化器などの調整を行なうために、所定のトレーニング
信号を用いてモデムのトレーニングが実施される。すな
わち、トレーニング信号によるモデムの調整状況(すな
わちモデムの収束状況)を受信側のファクシミリの通信
制御部が知るために、ファクシミリ通信では、トレーニ
ング信号後に所定のデータパターン,すなわちトレーニ
ングチェックフラグ(TCF)を送信し、これを受信側フ
ァクシミリが復調することでモデムの収束(調整)状況を
判定している。具体的には、モデムトレーニング信号の
TCFは約1.5秒間、連続“0”の信号であり、受信
側ではこれらの信号を何個“1”と誤ったかをエラーカ
ウントとして算出し、このエラーカウントを所定の閾値
と比較するなどしてモデムの収束状態を判定している。
このようにして、トレーニングを行なうことで、受信装
置においての伝送品質を向上させるようにしている。
【0052】本願の発明者は、回線状況が劣悪な場合に
も、ビタビ復号の精度を向上させ、BER(ビットエラ
ーレート)を低減させるこのトレーニングに着目し、本
発明を完成させた。
【0053】すなわち、本発明では、実際のデータの伝
送時に、回線状況が劣悪な場合、ビタビ復号において
は、生き残りパス(残存パス)に沿ってトレリスを一定期
間(パス打ち切り長)遡っても、生き残りパスが1本に絞
られずに復号の精度が落ち、BER(ビットエラーレー
ト)が高くなるという問題を回避するため、実際のデー
タの伝送に先立ってなされるモデム32のトレーニング
時に、回線状況を判断し、回線状況が劣悪と判断された
ときには、パス打ち切り長をより長く設定し、実際のデ
ータの伝送(受信)時には、より長く設定されたパス打ち
切り長でビタビ復号を行なうようにしている。これによ
り、復号の精度を向上させ、BER(ビットエラーレー
ト)を低減させることを意図している。
【0054】このようなトレーニング,復号機能を受信
側モデム32にもたせるため、図2のモデム32には、
さらに、トレーニング期間中にモデム32の収束状況を
判定する判定制御部120が設けられている。この判定
制御部120は、誤差計算部118からの等化器誤差信
号eの2乗平均値を求め、この2乗平均値によりモデム
32の収束状況を判定し、その判定結果を通信制御部3
3に与えるとともに、その判定結果を判定・復号器11
4の制御に用いるようになっている。
【0055】図4は判定制御部120の構成例を示す図
である。図4の例では、判定制御120は、誤差計算部
118からの誤差信号eの2乗平均E(k)を計算する誤
差平均計算部400と、誤差信号eの2乗平均E(k)と
所定の閾値THEとを比較する閾値比較部402と、受
信信号からトレーニング信号を監視し、トレーニング信
号の開始と終了を検知するトレーニング信号監視部40
6と、トレーニング信号が検知された時点からトレーニ
ング信号の終了が検知されるまでの時間を管理する処理
時間管理部404と、モデム32の収束状況を判定する
収束判定部408とを有している。
【0056】ここで、収束判定部408は、モデムの収
束状況を判定するのに、トレーニング中の誤差信号eの
2乗平均E(k)を用いることができる。この場合、判定
・復号器114は、収束判定部408からの判定結果に
基づき復号に使用するトレリス長を変更するようになっ
ている。すなわち、受信側のモデム32は、トレーニン
グ中の誤差信号の2乗平均E(k)を予め設定されている
所定の閾値と比較し、その比較結果に応じてトレリス長
を可変にするようになっている。
【0057】より具体的に、受信側のモデム32は、例
えば、処理時間管理部404において計数されたトレー
ニング信号の開始から終了までの時間の内、2乗平均E
(k)が所定閾値THEよりも小さくなった時間(回数)を
継続時間Cとして計数し、計数した継続時間Cが継続時
間に関する所定の閾値THLよりも大きいときに、モデ
ム32が収束していると判定し(回線状況が良好である
と判断し)、ビタビ復号におけるパス打ち切り長(トレリ
ス長)として、予め定められたものが用いられるように
決定する一方、計数した継続時間Cが所定閾値THLよ
りも小さいときには、モデム32は収束していないと判
定し(回線状況が悪いと判断し)、ビタビ復号におけるパ
ス打ち切り長(トレリス長)として、予め定められている
トレリス長よりも長いトレリス長が用いられるように決
定するようになっている。
【0058】次に、このような構成の受信装置,特に判
定制御部120および判定・復号器114の処理動作に
ついて説明する。図5は判定制御部120および判定・
復号器114の処理動作例を示すフロ−チャ−トであ
る。なお、この例においては、処理時間管理部404は
カウンタから構成されているとする。いま、トレ−ニン
グ信号監視部406において受信信号からトレ−ニング
信号を検知すると、適応等化器110はトレーニング信
号によるフィルタタップ係数Ciの更新を行なう。ま
た、トレーニング信号監視部406において、受信信号
からトレーニング信号が検知されると、処理時間管理部
404がクリアされ、収束時間の判定カウント値Cが
“0”に初期セットされる(ステップS1)。次に、誤差
平均計算部400では、誤差信号eの2乗平均E(k)を
例えば次式のように計算する(ステップS2)。なお、L
は平均をとる時間長である。
【0059】
【数7】
【0060】しかる後、閾値比較部402では、上記2
乗平均E(k)と所定の閾値THEとを比較する(ステッ
プS3)。この結果、E(k)<THEのときには、カウ
ント値Cを“1”だけ歩進し(ステップS4)、それ以外
の時には、カウント値Cを“0”にクリアする(ステッ
プS5)。これにより、処理時間管理部404において
は、E(k)<THEとなる継続時間Cがカウントされ
る。トレ−ニング終了が検知されてトレ−ニングが終了
すると(ステップS6)、カウント値Cは収束判定部40
8に渡される。
【0061】収束判定部408では、例えば、上記カウ
ント値Cと継続時間に関する所定の閾値THLとを比較
する(ステップS7)。その結果、C>THLのときには
モデムが収束しているものと判断し、モデムが収束して
いるか否かの状態情報(モデム収束フラグ)Sとして、こ
れを例えば“1”(モデムが収束している旨)に設定し
て、この状態情報を通信制御部3に通知するとともに、
判定・復号器114に与える(ステップS8)。モデムが
収束している旨の状態情報S(=“1”)が判定・復号器
114に与えられると、判定・復号器114は、ビタビ
復号におけるパス打ち切り長(トレリス長)として、予め
定められたものが用いられるように決定する(ステップ
S9)。
【0062】これに対し、ステップS7の比較の結果、
C>THL以外のときには、収束判定部408は、モデ
ムは収束していないと判断し、上記状態情報(モデム収
束フラグ)Sを例えば“0”(モデムが収束していない
旨)に設定して、この状態情報を通信制御部33に通知
するとともに、判定・復号器114に与える(ステップ
S10)。モデムが収束していない旨の状態情報S(=
“0”)が判定・復号器114に与えられると、判定・
復号器114は、ビタビ復号におけるパス打ち切り長
(トレリス長)として、予め定められているトレリス長よ
りも長いトレリス長が用いられるように決定する(ステ
ップS11)。
【0063】このようにして、トレーニング時に、トレ
リス長(パス打ち切り長)が決定されると、決定されたト
レリス長(パス打ち切り長)は、以後のデータ伝送におけ
るビタビ復号で用いられるため、保持される。
【0064】また、このような収束判定を行なった後、
モデム32はTCFの処理を行なう(ステップS12)。
この場合、通信制御部33では、モデム32の判定制御
部120からのトレ−ニング信号受信後のモデムの収束
判定結果,すなわちフラグSとTCF後のエラーカウン
トとを用いて、トレ−ニングが成立したか失敗したかを
それぞれCFR,FTTにより送信側に知らせる。送信
側にトレ−ニングが成立したか失敗したかを知らせる判
断条件を示す方法として、一般には、エラーカウント値
E_COUNTと所定の閾値TH_COUNTとを比較し、E_COUNT<TH_
COUNTのときCFR、それ以外の時FTTを返している
が、上述のように、モデム収束フラグSが出力される構
成となっている場合には、例えば、モデム収束フラグS
が“0”またはE_COUNT≧TH_COUNTのときにFTTを返
すことができる。この場合には、モデム収束フラグSの
条件がさらに加味されるので、所定の閾値TH_COUNTを従
来よりゆるめに設定しておくことができる。さらに、こ
の場合、E_COUNT≧TH_COUNTであっても、モデム収束フ
ラグSが“1”のときには、通信制御部33は、モデム
は収束しているが、TCF期間の回線障害(インパルス
ノイズ、瞬断)によってエラーカウントが増加したと判
断することができる。また、モデム収束フラグSが
“0”のときには、通信制御部33は、モデムが収束し
ていないためにエラーカウントが増加していると判断す
ることができる。これにより、TCFにおけるエラーカ
ウントの信頼性をも評価することができて、収束判定を
より高精度に行なうことが可能となる。
【0065】このようにして、TCFを受信し、CF
R,FTTを送信側に送った後、この受信装置31は、
送信装置から伝送されたデータ(例えば画情報データ)を
受信し、これを復号する。この際、受信装置31のモデ
ム32は、送信装置から伝送されたデータ信号に対し、
前述のトレーニング時に決定したトレリス長(パス打ち
切り長)で、ビタビ復号を行なう。すなわち、トレーニ
ング時にモデムが収束し回線状況が良好であると判定さ
れトレリス長(パス打ち切り長)として予め設定されてい
るトレリス長(例えば標準的なトレリス長)を用いること
が決定されてきているときには、このトレリス長を用い
てビタビ復号を行なう。トレーニング時に回線状況が良
好であると判定された場合には、データ伝送時にも回線
状況は良好であると考えられるので、上記のように予め
設定されているトレリス長(例えば標準的なトレリス長)
を用いる場合にも、ビタビ復号を精度良く行なうことが
できる。
【0066】これに対し、トレーニング時にモデムが収
束せず回線状況が悪いと判定されトレリス長(パス打ち
切り長)として予め設定されているトレリス長よりも長
いトレリス長を用いることが決定されているときには、
このトレリス長を用いてビタビ復号を行なう。トレーニ
ング時に回線状況が悪いと判定された場合には、データ
伝送時にも回線状況は悪いと考えられるので、この場
合、上記のように予め設定されているトレリス長よりも
長いトレリス長を用いることによって、ビタビ復号の精
度が低下するのを有効に防止することができる。
【0067】また、図6は判定制御部120の他の処理
動作例を示すフロ−チャ−トである。この例において
も、図5とほぼ同様の処理(ステップS11〜S22)が
なされるが、収束判定をトレ−ニング信号受信中に常に
動作させている点が図5の処理と異なっている。すなわ
ち、誤差信号eの2乗平均E(k)と所定の閾値THEと
をトレーニング信号受信中に順次比較し、所定閾値TH
Eより誤差信号eの2乗平均E(k)が連続して(継続し
て)小さくなる時間が予め設定された時間長に達したと
き、モデムが収束状態にあると判定する。これによっ
て、トレ−ニング中に何らかの回線障害が発生しても収
束状況判定誤りを軽減することができる。
【0068】なお、図6においても、モデム収束フラグ
Sを例えば“1”あるいは“0”に設定して、通信制御
部33および判定・復号器114にその結果を知らせ、
通信制御部33および判定・復号器114に図5で説明
したと同様の処理を行なわせることができる。
【0069】また、図5あるいは図6の処理例の他に
も、例えば、トレーニング終了時点の誤差信号eの大き
さを、予め設定されている所定の閾値と比較し、誤差信
号eの大きさが所定の閾値よりも大きいとき、トレリス
長をより長く決定するようにしても良い。
【0070】なお、上述の例では、データ伝送に先立っ
て行なわれるモデムの収束状況の判定を、トレーニング
期間中の受信信号に基づき行なったが、これのかわり
に、例えば、トレーニング後のTCF/CFR,FTT
ルーチンの正解ビット数によりモデムの収束状況を判定
し、該判定結果を最尤復号部(判定・復号器114)に与
え、該判定結果に基づいてトレリス長(パス打ち切り長)
の決定(変更処理)を行なわせても良い。例えば、TCF
のうち正解のビット数を予め設定した閾値と比較し、正
解のビット数がこの閾値よりも小さいときにトレリス長
を変化させる(長くする)ようにしても良い。
【0071】また、上述の各例では、誤差信号eの2乗
平均E(k)あるいは正解ビット数を所定の閾値と比較
し、誤差信号eの2乗平均E(k)あるいは正解ビット数
が所定の閾値よりも大きいかあるいは小さいかを判断し
(これにより、モデムが収束しているか否かを判断し)、
誤差信号eの2乗平均E(k)あるいは正解ビット数が所
定の閾値よりも大きいかあるいは小さい場合にトレリス
長を変更する(長くする)としたが、本発明は、上記のよ
うな場合に限定されず、任意の仕方で(最適な仕方で)、
トレリス長を変更する(可変設定する)こともできる。例
えば、上記のような所定閾値を用いずに、誤差信号eの
2乗平均E(k)あるいは正解ビット数そのものの値を用
いて、トレリス長を可変設定することもできる。具体的
に、誤差信号eの2乗平均E(k)が非常に小さかった
り、あるいは、正解ビット数が非常に大きかった場合に
は、トレリス長を短かく(例えば標準的なトレリス長に)
設定し、誤差信号eの2乗平均E(k)が大きくなるに従
がい、あるいは、正解ビット数が小さくなるに従がい、
トレリス長を徐々に長くするように、トレリス長を例え
ば連続的に可変設定することもできる。
【0072】また、上述の各構成例では、トレリス長の
変更(決定)を、トレーニング時に、あるいは、TCF/
CFR,FTT時に行なうとしたが、データ伝送に先立
って、モデムの収束状況(回線の状況)を適確に判定でき
る他のフェーズが存在すれば、トレーニング時、あるい
は、TCF/CFR,FFT時以外の他のフェーズで行
なうこともできる。
【0073】換言すれば、データ伝送に先立ってモデム
の状況を判定できるものであれば、誤差信号eの2乗平
均E(k)や正解ビット数以外のものを用いることもでき
る。
【0074】また、図1の例では、受信装置31には、
モデム32の他に、通信制御部33も含まれているが、
受信装置31をモデム32だけで構成し、通信制御部3
3を受信装置31に対して外付けにしても良い。換言す
れば、本発明において、受信装置は、モデム32だけに
よって構成されても良いし、モデム32の他に、通信制
御部33などの他の要素が含まれて構成されたものであ
っても良い。
【0075】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項8記載の発明によれば、送信側からのデータがあら
かじめ畳み込み符号が行なわれたデータであるときこれ
を最尤復号する最尤復号部を有する受信装置において、
該受信装置には、データ伝送に先立ってモデムの状況を
判定し、該判定結果を最尤復号部に与えるモデム状況判
定手段がさらに設けられており、該モデム状況判定手段
からモデムの状況の判定結果を受けたとき、前記最尤復
号部は、該判定結果に基づき、データの最尤復号に使用
するトレリス長を可変設定するので、回線状況が劣悪な
場合にも、それに応じてトレリス長(パス打ち切り長)が
最適なものに可変に設定されるので、データの最尤復号
を最適設定されたトレリス長で行なうことができ、最尤
復号(ビタビ復号)の精度を向上させ、BER(ビットエ
ラーレート)を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る受信装置の構成例を示す図であ
る。
【図2】図1に示す受信側のモデムの構成例を示す図で
ある。
【図3】図1の受信装置の通信手順の一例を示す図であ
る。
【図4】判定制御部の構成例を示す図である。
【図5】判定制御部の処理動作例を示すフローチャート
である。
【図6】判定制御部の他の処理動作例を示すフローチャ
ートである。
【図7】畳み込み符号化とその復号法としてビタビ復号
法が適用された送受信装置(モデム)の概略的な構成例を
示す図である。
【図8】トレリス符号化器の構成例を示す図である。
【図9】トレリス線図の一例を示す図である。
【図10】V33モデムの信号点の一部を示す図であ
る。
【図11】一般的なビタビ復号器のブロック図である。
【図12】図11のビタビ復号器の処理動作を説明する
ためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 伝送路 30 送信側モデム 31 受信装置 32 受信側モデム 33 通信制御部 100 A/D変換器 108 自動利得制御部 102 複素化処理部 101 タイミング再生部 104 ベースバンドフィルタ(BBF) 106 固定等化器 110 適応等化器 112 位相同期部 114 判定・復号器(最尤復号部) 118 誤差計算部 116 デスクランブラ 119 エラーカウンタ 120 判定制御部 406 トレーニング信号監視部 400 誤差平均計算部 402 閾値比較部 404 処理時間管理部 408 収束判定部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信側からのデータがあらかじめ畳み込
    み符号が行なわれたデータであるときこれを最尤復号す
    る最尤復号部を有する受信装置において、該受信装置に
    は、データ伝送に先立ってモデムの状況を判定し該判定
    結果を最尤復号部に与えるモデム状況判定手段がさらに
    設けられており、該モデム状況判定手段からモデムの状
    況の判定結果を受けたとき、前記最尤復号部は、該判定
    結果に基づき、データの最尤復号に使用するトレリス長
    を可変設定することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の受信装置において、最尤
    復号部には、ビタビ復号が用いられることを特徴とする
    受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の受信装置において、前記
    モデム状況判定手段は、データ伝送に先立って行なわれ
    るトレーニング期間中の受信信号に基づきモデムの状況
    を判定することを特徴とする受信装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の受信装置において、モデ
    ムの状況の判定には、等化器の係数更新に使用する判定
    点と受信点の差である誤差信号を用いることを特徴とす
    る受信装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4記載の受信装置
    において、該受信装置は、トレーニング終了時点の誤差
    信号の大きさを予め設定されている所定の閾値と比較
    し、誤差信号の大きさが所定の閾値よりも大きいとき
    に、データの最尤復号に使用するトレリス長を可変設定
    することを特徴とする受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の受信装置において、前記
    モデム状況判定手段は、データ伝送に先立って行なわれ
    るモデムの状況判定を、トレーニング後のTCF/CF
    R,FTTルーチンの正解ビット数に基づいて行なうこ
    とを特徴とする受信装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の受信装置において、該受
    信装置は、TCFのうち正解のビット数を予め設定した
    閾値と比較し、正解のビット数がこの閾値よりも小さい
    ときに、データの最尤復号に使用するトレリス長を可変
    設定することを特徴とする受信装置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の受信装置において、該受
    信装置は、データ伝送に先立って行なわれるモデムの状
    況の判定結果に応じて、データの最尤復号に使用するト
    レリス長を連続的に可変設定することを特徴とする受信
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001007746A (ja) * 1999-05-19 2001-01-12 Motorola Inc Dmtシステムにおける等化器の高速トレーニング

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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