JPH09284348A - 復号方法 - Google Patents
復号方法Info
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- JPH09284348A JPH09284348A JP8118334A JP11833496A JPH09284348A JP H09284348 A JPH09284348 A JP H09284348A JP 8118334 A JP8118334 A JP 8118334A JP 11833496 A JP11833496 A JP 11833496A JP H09284348 A JPH09284348 A JP H09284348A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- path
- occurrence probability
- signal point
- decoding method
- signal
- Prior art date
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- Pending
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- Error Detection And Correction (AREA)
- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ビタビアルゴリズムなどを用いる場合、より
正確な復号,より低いビットエラーレートで復号を行な
うことの可能な復号方法を提供する。 【解決手段】 一般的なビタビ復号器の構成に加えて、
信号点自身の生起確率P(S)を計算するための信号点生
起確率計算部20が設けられている。信号点生起確率計
算部20において、信号点の生起確率の対数logP(S)
を計算する(ステップS12)。これにより、本発明で
は、ブランチメトリックは、r2/2σ2−logP(S)と
して算出される。このように、本発明では、尤度として
信号点自身の生起確率P(S)を利用するので、より高い
確度で、最適パスを選択でき、判定,復号をより高精度
に行なうことができる。
正確な復号,より低いビットエラーレートで復号を行な
うことの可能な復号方法を提供する。 【解決手段】 一般的なビタビ復号器の構成に加えて、
信号点自身の生起確率P(S)を計算するための信号点生
起確率計算部20が設けられている。信号点生起確率計
算部20において、信号点の生起確率の対数logP(S)
を計算する(ステップS12)。これにより、本発明で
は、ブランチメトリックは、r2/2σ2−logP(S)と
して算出される。このように、本発明では、尤度として
信号点自身の生起確率P(S)を利用するので、より高い
確度で、最適パスを選択でき、判定,復号をより高精度
に行なうことができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畳み込み符号化さ
れた受信信号系列を復号する復号方法に関する。
れた受信信号系列を復号する復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モデムの高速化にともない、1シ
ンボルに多数のビットを割り当てることが必須となって
きた。その際、誤り率を低下させるため、例えば、著者
「矢幡」による文献「“2.1DSPのモデムへの応
用”,情報処理Vol.30 No.11,1989年1
1月,pp.1315〜1323」に示されているよう
に、トレリス符号化変調方式とビタビ復号方式を利用す
ることが一般的になってきている。
ンボルに多数のビットを割り当てることが必須となって
きた。その際、誤り率を低下させるため、例えば、著者
「矢幡」による文献「“2.1DSPのモデムへの応
用”,情報処理Vol.30 No.11,1989年1
1月,pp.1315〜1323」に示されているよう
に、トレリス符号化変調方式とビタビ復号方式を利用す
ることが一般的になってきている。
【0003】トレリス符号化変調方式については、IT
U−Tにより国際標準として勧告され、最新のV.34
規格では28,800bpsという高速通信が可能とな
っている。一方、上記の勧告書には復号器に関する記述
はなく、メーカー毎にエラー訂正能力などが異なり、よ
り高速で正確な復号方法が求められる。
U−Tにより国際標準として勧告され、最新のV.34
規格では28,800bpsという高速通信が可能とな
っている。一方、上記の勧告書には復号器に関する記述
はなく、メーカー毎にエラー訂正能力などが異なり、よ
り高速で正確な復号方法が求められる。
【0004】ビタビ復号方式は、トレリス符号化された
符号を比較的簡単な計算により最尤復号する優れた方式
であり、特開平6−252780号には、動作速度を向
上させるとともに回路規模の小さなビタビ復号器が提案
されている。また、特開平4−354422号には、複
数のビタビアルゴリズムを用意し、伝送路の品質毎にそ
れを使い分けることにより、伝送路の品質に応じた効率
のよい復号を行なうことを意図したビタビ復号法が提案
されている。
符号を比較的簡単な計算により最尤復号する優れた方式
であり、特開平6−252780号には、動作速度を向
上させるとともに回路規模の小さなビタビ復号器が提案
されている。また、特開平4−354422号には、複
数のビタビアルゴリズムを用意し、伝送路の品質毎にそ
れを使い分けることにより、伝送路の品質に応じた効率
のよい復号を行なうことを意図したビタビ復号法が提案
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビタビ
復号に対するこれらの改良は、基本的には、計算量を低
減するためのものであり、より正確な復号,より低いビ
ットエラーレート(Bit Error Rate: BER)を実現するも
のではなかった。
復号に対するこれらの改良は、基本的には、計算量を低
減するためのものであり、より正確な復号,より低いビ
ットエラーレート(Bit Error Rate: BER)を実現するも
のではなかった。
【0006】本発明は、ビタビアルゴリズムなどを用い
る場合、より正確な復号,より低いビットエラーレート
で復号を行なうことの可能な復号方法を提供することを
目的としている。
る場合、より正確な復号,より低いビットエラーレート
で復号を行なうことの可能な復号方法を提供することを
目的としている。
【0007】さらに、本発明は、ビタビアルゴリズムだ
けでなく、最尤推定を用いた最尤復号一般に適用可能な
復号方法を提供することを目的としている。
けでなく、最尤推定を用いた最尤復号一般に適用可能な
復号方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、畳み込み符号化がなされた
受信信号系列を、尤度をもとに判定し復号する復号方法
であって、尤度として信号点自身の生起確率を利用する
ことを特徴としている。
に、請求項1記載の発明は、畳み込み符号化がなされた
受信信号系列を、尤度をもとに判定し復号する復号方法
であって、尤度として信号点自身の生起確率を利用する
ことを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明は、信号点の生
起確率として、既受信の信号点の頻度情報を利用するこ
とを特徴としている。
起確率として、既受信の信号点の頻度情報を利用するこ
とを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、該復号方法
は、信号点の生起確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、既受信の信号点の頻度の最上位ビットの
位置とその次のビットの値とを用いて、生起確率の対数
の近似をすることを特徴としている。
は、信号点の生起確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、既受信の信号点の頻度の最上位ビットの
位置とその次のビットの値とを用いて、生起確率の対数
の近似をすることを特徴としている。
【0011】また、請求項4記載の発明は、該復号方法
は、信号点の生起確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、頻度をC、その最上位ビットの位置をN
とした時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、
生起確率の対数の近似をすることを特徴としている。
は、信号点の生起確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、頻度をC、その最上位ビットの位置をN
とした時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、
生起確率の対数の近似をすることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、信号点の生
起確率として、既受信の信号系列から予測される事後確
率を利用することを特徴としている。
起確率として、既受信の信号系列から予測される事後確
率を利用することを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の発明は、事後確率を
計算する際にヒストグラムを利用することを特徴として
いる。
計算する際にヒストグラムを利用することを特徴として
いる。
【0014】また、請求項7記載の発明は、該復号方法
は、事後確率の対数を利用するようになっており、この
場合、ヒストグラムにおける頻度の最上位ビットの位置
とその次のビットの値とを用いて、事後確率の対数の近
似をすることを特徴としている。
は、事後確率の対数を利用するようになっており、この
場合、ヒストグラムにおける頻度の最上位ビットの位置
とその次のビットの値とを用いて、事後確率の対数の近
似をすることを特徴としている。
【0015】また、請求項8記載の発明は、請求項6記
載の復号方法において、該復号方法は、事後確率の対数
を利用するようになっており、この場合、ヒストグラム
における頻度をC、その最上位ビットの位置をNとした
時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、事後確
率の対数の近似をすることを特徴としている。
載の復号方法において、該復号方法は、事後確率の対数
を利用するようになっており、この場合、ヒストグラム
における頻度をC、その最上位ビットの位置をNとした
時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、事後確
率の対数の近似をすることを特徴としている。
【0016】また、請求項9記載の発明は、ビタビアル
ゴリズムを用いて復号することを特徴としている。
ゴリズムを用いて復号することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明に係る復号方法を適用
可能な送受信装置(モデム)の概略的な構成例を示す図で
ある。図1を参照すると、送信器1には、トレリス符号
化器2と、変調器3とが設けられ、また、受信機4に
は、復調器5と、等化器6と、判定・復号器7とが設け
られている。
基づいて説明する。図1は本発明に係る復号方法を適用
可能な送受信装置(モデム)の概略的な構成例を示す図で
ある。図1を参照すると、送信器1には、トレリス符号
化器2と、変調器3とが設けられ、また、受信機4に
は、復調器5と、等化器6と、判定・復号器7とが設け
られている。
【0018】ここで、送信器1のトレリス符号化器2
は、例えば、図2に示すような構成となっている。すな
わち、図2のトレリス符号化器(畳み込み符号器)の3つ
のレジスタF2,F1,F0の内容により、この符号化器
2には、8つの状態S0〜S7が存在し、また、この符号
化器2の2つの入力Y2n,Y1nの組合せで4つの入力状
態がある。この入力の状態による符号化器2の状態遷移
図が図3のように描かれる。これをトレリス線図とい
う。符号化器2からの出力の3ビットのうち,2ビット
はY2n,Y1nそのままであり、Y0nはトレリス線図にお
いて状態S0〜S3にいたならば“0”に符号化され、S
4〜S7にいたならば“1”に符号化される。トレリス線
図をみれば分かるが、同一状態から出て、同一状態に入
るパスは、2つ離れた時間の間では2つあり、また3つ
離れた時間では、途中パスの重なりがないように選んで
4つある。
は、例えば、図2に示すような構成となっている。すな
わち、図2のトレリス符号化器(畳み込み符号器)の3つ
のレジスタF2,F1,F0の内容により、この符号化器
2には、8つの状態S0〜S7が存在し、また、この符号
化器2の2つの入力Y2n,Y1nの組合せで4つの入力状
態がある。この入力の状態による符号化器2の状態遷移
図が図3のように描かれる。これをトレリス線図とい
う。符号化器2からの出力の3ビットのうち,2ビット
はY2n,Y1nそのままであり、Y0nはトレリス線図にお
いて状態S0〜S3にいたならば“0”に符号化され、S
4〜S7にいたならば“1”に符号化される。トレリス線
図をみれば分かるが、同一状態から出て、同一状態に入
るパスは、2つ離れた時間の間では2つあり、また3つ
離れた時間では、途中パスの重なりがないように選んで
4つある。
【0019】このトレリス符号化は、V32やV33モ
デムのように帯域に比べて超効率的な伝送を行なうモデ
ムに使用されているもので、畳み込み符号による一種の
誤り訂正符号であり、送信データに冗長ビットを付加す
る。そのため、例えばV33モデムの14,400b/
sの伝送では2,400ボーで26=64値で送信でき
るはずであるが、トレリス符号化を使用する場合には、
128値で伝送することにより、信号点が多くなる。こ
のように、トレリス符号化を用いることにより、信号点
が多くなるが、信号点間の遷移に規制が生まれ、これを
利用して、後述のように、受信側でビタビ復号化するこ
とにより、SN比対誤り率特性を改善することができ
る。
デムのように帯域に比べて超効率的な伝送を行なうモデ
ムに使用されているもので、畳み込み符号による一種の
誤り訂正符号であり、送信データに冗長ビットを付加す
る。そのため、例えばV33モデムの14,400b/
sの伝送では2,400ボーで26=64値で送信でき
るはずであるが、トレリス符号化を使用する場合には、
128値で伝送することにより、信号点が多くなる。こ
のように、トレリス符号化を用いることにより、信号点
が多くなるが、信号点間の遷移に規制が生まれ、これを
利用して、後述のように、受信側でビタビ復号化するこ
とにより、SN比対誤り率特性を改善することができ
る。
【0020】また、変調器3は、トレリス符号化器2か
らの出力を位相平面の各信号点にマッピングすることで
得られる位相が90゜異なる2つのキャリアを変調し、
変調して得られた2つの信号を合成してPSKまたはQ
AMの変調波形を生成するようになっている。
らの出力を位相平面の各信号点にマッピングすることで
得られる位相が90゜異なる2つのキャリアを変調し、
変調して得られた2つの信号を合成してPSKまたはQ
AMの変調波形を生成するようになっている。
【0021】また、受信器4の復調器5は、送信器1か
ら伝送路10を介して伝送された送信信号を復調するよ
うになっている。この場合、高速のモデムでは、まず、
キャリア周波数に近い固定周波数発振器を受信側でも
ち、この周波数で受信信号を復調する。これを準同期検
波という。なお、PSKやQAMを用いる方式では、位
相が90゜ずれた2つの再生キャリア(または固定周波
数信号)で復調を行なうので、復調信号が2つ得られ
る。
ら伝送路10を介して伝送された送信信号を復調するよ
うになっている。この場合、高速のモデムでは、まず、
キャリア周波数に近い固定周波数発振器を受信側でも
ち、この周波数で受信信号を復調する。これを準同期検
波という。なお、PSKやQAMを用いる方式では、位
相が90゜ずれた2つの再生キャリア(または固定周波
数信号)で復調を行なうので、復調信号が2つ得られ
る。
【0022】また、等化器6は、伝送波形歪により起因
する符号間干渉を除去するもので、可変タップ・ゲイン
をもつトランスバーサル・フィルタが基本構成である。
なお、PSKやQAMでは2系統の復調信号が得られ、
符号間干渉はこの2系統相互間でも発生するので、その
影響も除去する構成になっている。
する符号間干渉を除去するもので、可変タップ・ゲイン
をもつトランスバーサル・フィルタが基本構成である。
なお、PSKやQAMでは2系統の復調信号が得られ、
符号間干渉はこの2系統相互間でも発生するので、その
影響も除去する構成になっている。
【0023】また、受信器4の判定・復号器7は、送信
器1の符号化器にトレリス符号化器2が用いられること
により、これに対する最尤復号として、ビタビ復号化を
行なうようになっている。ビタビ復号化では、復号にあ
たっては図3のようなトレリス線図の特徴を利用するこ
とになる。すなわち、受信信号系列Rに対して、符号語
系列がSiであったときの各尤度P(R|Si)を求め、最
大の尤度をもつ系列Skを送信された信号として最尤推
定復号するものである。符号語系列はトレリス線図のパ
スと1対1に対応しているので、これは一番尤度の高い
パスをみつけることに対応する。従って、トレリス線図
を使用して、逐次的に尤度の高いパスを見つけていくこ
とができる。すなわち、同一状態から出発して同一状態
に入るパスが複数あった場合、各パスの尤度を計算し、
一番高い尤度をもつパスを求める。そして、このパスに
よる復号語がその部分に対応する送信符号語とされ、そ
れ以外のパスは棄てられる。このようにすると、生き残
りパス(残存パス)はいつも8つに限定される。以上のよ
うにして、不要のパスを棄てていき、生き残ったパスの
みを残して復号を進めていくと、生き残りパス(残存パ
ス)がすべて一点より出発するようになる。そのときそ
の一点以前の符号が最尤復号されることになる。
器1の符号化器にトレリス符号化器2が用いられること
により、これに対する最尤復号として、ビタビ復号化を
行なうようになっている。ビタビ復号化では、復号にあ
たっては図3のようなトレリス線図の特徴を利用するこ
とになる。すなわち、受信信号系列Rに対して、符号語
系列がSiであったときの各尤度P(R|Si)を求め、最
大の尤度をもつ系列Skを送信された信号として最尤推
定復号するものである。符号語系列はトレリス線図のパ
スと1対1に対応しているので、これは一番尤度の高い
パスをみつけることに対応する。従って、トレリス線図
を使用して、逐次的に尤度の高いパスを見つけていくこ
とができる。すなわち、同一状態から出発して同一状態
に入るパスが複数あった場合、各パスの尤度を計算し、
一番高い尤度をもつパスを求める。そして、このパスに
よる復号語がその部分に対応する送信符号語とされ、そ
れ以外のパスは棄てられる。このようにすると、生き残
りパス(残存パス)はいつも8つに限定される。以上のよ
うにして、不要のパスを棄てていき、生き残ったパスの
みを残して復号を進めていくと、生き残りパス(残存パ
ス)がすべて一点より出発するようになる。そのときそ
の一点以前の符号が最尤復号されることになる。
【0024】以上がビタビ復号法の原理であるが、モデ
ムにおいてはパスの尤度を求めるのに一つの仮定を設け
ている。すなわち、この仮定は、送信側である信号点を
送って、受信側の判定回路にくるまでに符号間干渉(等
化後であるので残留の符号間干渉)や雑音の影響を受け
るが、この影響(送信信号点と受信点の差)はガウス分布
に従っているというものであり、この仮定は妥当性のあ
る仮定である。
ムにおいてはパスの尤度を求めるのに一つの仮定を設け
ている。すなわち、この仮定は、送信側である信号点を
送って、受信側の判定回路にくるまでに符号間干渉(等
化後であるので残留の符号間干渉)や雑音の影響を受け
るが、この影響(送信信号点と受信点の差)はガウス分布
に従っているというものであり、この仮定は妥当性のあ
る仮定である。
【0025】図4はV33モデムの信号点の一部を示し
ている。受信点Rの信号を受けたとき、下位3ビットが
(a2,a1,a0)である信号点が送られたとするなら
ば、下位3ビットが(a2,a1,a0)である信号点のサ
ブ・セットのうち、一番近い信号点S(R:a2,a1,
a0)を求めて、それを送信信号点の候補としてRとの距
離r(a2,a1,a0)を計算する。
ている。受信点Rの信号を受けたとき、下位3ビットが
(a2,a1,a0)である信号点が送られたとするなら
ば、下位3ビットが(a2,a1,a0)である信号点のサ
ブ・セットのうち、一番近い信号点S(R:a2,a1,
a0)を求めて、それを送信信号点の候補としてRとの距
離r(a2,a1,a0)を計算する。
【0026】図4の例では(a2,a1,a0)=(0,0,
0)のサブ・セットに対して信号点Sは(001100
0)であり、同様に(0,1,0)のサブ・セットに対し
て信号点Sは(0101010)であることが分かる。8
つのサブ・セットに対してそれぞれSを求め、それとの
距離r(≡ri)を求める。r(≡ri)はガウス分布に従う
から、この確率密度関数は次式のようになる。
0)のサブ・セットに対して信号点Sは(001100
0)であり、同様に(0,1,0)のサブ・セットに対し
て信号点Sは(0101010)であることが分かる。8
つのサブ・セットに対してそれぞれSを求め、それとの
距離r(≡ri)を求める。r(≡ri)はガウス分布に従う
から、この確率密度関数は次式のようになる。
【0027】
【数1】
【0028】従って、各状態間のパスのメトリックとし
てr2(≡ri 2)を使用し、ある部分パスの尤度の評価値
をそのパスのメトリックの総計でみることができる。も
ちろん、値が低いほど、尤度が高い。これにより最尤推
定による復号を進めていくことができる。
てr2(≡ri 2)を使用し、ある部分パスの尤度の評価値
をそのパスのメトリックの総計でみることができる。も
ちろん、値が低いほど、尤度が高い。これにより最尤推
定による復号を進めていくことができる。
【0029】図5は畳み込み符号化がなされた受信信号
系列を、ビタビアルゴリズムを用いて復号する一般的な
ビタビ復号器のブロック図である。一般に、ビタビ復号
器は、保存されているパスメトリックと入力されたデー
タ列から求めたブランチメトリックとをいくつかの組み
合わせで加算し、その加算結果を比較して新しいパスメ
トリックを選択し、そして、保存されているパスメトリ
ックの内容を、選択した新しいパスメトリックの内容に
更新するという処理を繰り返すことによって最も確から
しいデータを復号するものである。ここに、ブランチ
(枝)とはある状態から次の状態に至るまでの復号経路を
いい、パスとはその枝の連なりで構成される一連の復号
経路をいう。また、ブランチメトリックおよびパスメト
リックとは、上記ブランチおよびパスからそれぞれ一定
の計算式により求めたデータをいう。
系列を、ビタビアルゴリズムを用いて復号する一般的な
ビタビ復号器のブロック図である。一般に、ビタビ復号
器は、保存されているパスメトリックと入力されたデー
タ列から求めたブランチメトリックとをいくつかの組み
合わせで加算し、その加算結果を比較して新しいパスメ
トリックを選択し、そして、保存されているパスメトリ
ックの内容を、選択した新しいパスメトリックの内容に
更新するという処理を繰り返すことによって最も確から
しいデータを復号するものである。ここに、ブランチ
(枝)とはある状態から次の状態に至るまでの復号経路を
いい、パスとはその枝の連なりで構成される一連の復号
経路をいう。また、ブランチメトリックおよびパスメト
リックとは、上記ブランチおよびパスからそれぞれ一定
の計算式により求めたデータをいう。
【0030】図5において、11はビタビ復号器に入力
される入力情報、12はこの入力情報11からブランチ
メトリックを計算するブランチメトリック計算部、13
はブランチメトリック計算部12により計算されたブラ
ンチメトリック、15aは上述の保存されているパスメ
トリック、15bは上述の新しいパスメトリックであ
る。
される入力情報、12はこの入力情報11からブランチ
メトリックを計算するブランチメトリック計算部、13
はブランチメトリック計算部12により計算されたブラ
ンチメトリック、15aは上述の保存されているパスメ
トリック、15bは上述の新しいパスメトリックであ
る。
【0031】また、16は残存パスおよび新しいパスメ
トリック15bを選択する加算比較選択部(ACS部)、
14は残存パスおよび新しいパスメトリック15bを保
存しておくパスメトリックメモリ、17は加算比較選択
部16で選択された残存パスを表す残存パス情報、18
は残存パス情報17を記憶するパスメモリ、19はパス
メモリ18に記憶された複数の残存パス情報17の中か
ら最も確からしいデータである最尤状態信号(最尤パス)
を選び出すパス選択部である。
トリック15bを選択する加算比較選択部(ACS部)、
14は残存パスおよび新しいパスメトリック15bを保
存しておくパスメトリックメモリ、17は加算比較選択
部16で選択された残存パスを表す残存パス情報、18
は残存パス情報17を記憶するパスメモリ、19はパス
メモリ18に記憶された複数の残存パス情報17の中か
ら最も確からしいデータである最尤状態信号(最尤パス)
を選び出すパス選択部である。
【0032】図6は図5のビタビ復号器の処理動作を説
明するためのフローチャートである。図6を参照する
と、ビタビ復号器では、ブランチメトリック計算部12
において、先ず、受信信号(入力情報)11と受信装置復
調部のベースバンド信号星座内の信号点との距離の二乗
(ブランチメトリック)を計算する(ステップS1)。すな
わち、入力情報11のある時点における各状態から次の
時点における各状態(トレリス符号化における各状態)に
至るまでの全ての枝についてブランチメトリックを求め
る。
明するためのフローチャートである。図6を参照する
と、ビタビ復号器では、ブランチメトリック計算部12
において、先ず、受信信号(入力情報)11と受信装置復
調部のベースバンド信号星座内の信号点との距離の二乗
(ブランチメトリック)を計算する(ステップS1)。すな
わち、入力情報11のある時点における各状態から次の
時点における各状態(トレリス符号化における各状態)に
至るまでの全ての枝についてブランチメトリックを求め
る。
【0033】このようにして、ブランチメトリックが計
算されると、ACS部16では、求められた全てのブラ
ンチメトリック13とパスメトリックメモリ14に保存
されている各状態におけるパスメトリック15aとを種
々の組み合せで加算する(ステップS2)。次いで、AC
S部16では、これらの加算結果である各状態について
のパスメトリックの大小関係を比較し、最大値を与える
ブランチメトリックとパスメトリックとの組み合せを残
存パス情報として検出する(ステップS3)。ACS部1
6は、このようにして検出した各状態(トレリス符号化
における各状態)についての残存パス情報17を、パス
メモリ18に記憶するとともに、検出した残存パス情報
に基づいて、パスメトリックメモリ14内に保存されて
いる種々のパスメトリック15aの中から新しいパスメ
トリック15bを各状態毎に選択し、選択した新しいパ
スメトリック15bによりパスメトリックメモリ14の
内容を更新する(ステップS4)。
算されると、ACS部16では、求められた全てのブラ
ンチメトリック13とパスメトリックメモリ14に保存
されている各状態におけるパスメトリック15aとを種
々の組み合せで加算する(ステップS2)。次いで、AC
S部16では、これらの加算結果である各状態について
のパスメトリックの大小関係を比較し、最大値を与える
ブランチメトリックとパスメトリックとの組み合せを残
存パス情報として検出する(ステップS3)。ACS部1
6は、このようにして検出した各状態(トレリス符号化
における各状態)についての残存パス情報17を、パス
メモリ18に記憶するとともに、検出した残存パス情報
に基づいて、パスメトリックメモリ14内に保存されて
いる種々のパスメトリック15aの中から新しいパスメ
トリック15bを各状態毎に選択し、選択した新しいパ
スメトリック15bによりパスメトリックメモリ14の
内容を更新する(ステップS4)。
【0034】そして、このようなループ処理が何回か繰
り返し行なわれた後、パス選択部19では、パスメモリ
18に記憶された入力情報11の状態数分の残存パス情
報17の中から最大値を与える残存パス情報17を最尤
状態信号(最尤パス)として選択し出力する(ステップS
5)。すなわち、パス選択部19では、パスメモリ18
に記憶されたパスの中から最尤パスを選び出し、そのパ
スの最初のブランチ,すなわち信号点を判定点として出
力する。
り返し行なわれた後、パス選択部19では、パスメモリ
18に記憶された入力情報11の状態数分の残存パス情
報17の中から最大値を与える残存パス情報17を最尤
状態信号(最尤パス)として選択し出力する(ステップS
5)。すなわち、パス選択部19では、パスメモリ18
に記憶されたパスの中から最尤パスを選び出し、そのパ
スの最初のブランチ,すなわち信号点を判定点として出
力する。
【0035】このビタビアルゴリズムは、理論的背景と
して前述のような伝送路のモデルを仮定している。すな
わち、送信器1が信号点Sを送信した時に伝送路10上
でガウス性ホワイトノイズが重畳すると仮定している。
この場合、受信点がRとなる確率P(R|S)は、次式に
よって表わされる。
して前述のような伝送路のモデルを仮定している。すな
わち、送信器1が信号点Sを送信した時に伝送路10上
でガウス性ホワイトノイズが重畳すると仮定している。
この場合、受信点がRとなる確率P(R|S)は、次式に
よって表わされる。
【0036】
【数2】
【0037】ここで、r(≡ri)は信号点と受信点の距
離r=R−S、σ2はノイズの分散、Aは正規化のため
の定数を表わす。
離r=R−S、σ2はノイズの分散、Aは正規化のため
の定数を表わす。
【0038】また、これとは逆に、Rを受信したときの
送信信号点がSである確率は、ベイズの定理により次式
で表わされる。
送信信号点がSである確率は、ベイズの定理により次式
で表わされる。
【0039】
【数3】
【0040】ここで、信号の生起確率が一様であると仮
定し(信号Si,Sjに対し、P(Si)=P(Sj)が常に成
り立つとし)、数3に伝送路のモデル式である数2を代
入すると、次式が得られる。
定し(信号Si,Sjに対し、P(Si)=P(Sj)が常に成
り立つとし)、数3に伝送路のモデル式である数2を代
入すると、次式が得られる。
【0041】
【数4】
【0042】数4から(すなわち前述の数1から)、r2
の小さいものが、事後確率最大の信号、すなわち尤度最
大の信号Sとなる。前述のように、通常のビタビアルゴ
リズムでは、数4(数1)を利用して、信号系列(パス)を
推定する。受信信号系列(R0,R1,…,Rn)を受信し
た時に、それが信号系列(S0,S1,…,Sn)である確
率は、次のように表わされる。
の小さいものが、事後確率最大の信号、すなわち尤度最
大の信号Sとなる。前述のように、通常のビタビアルゴ
リズムでは、数4(数1)を利用して、信号系列(パス)を
推定する。受信信号系列(R0,R1,…,Rn)を受信し
た時に、それが信号系列(S0,S1,…,Sn)である確
率は、次のように表わされる。
【0043】
【数5】
【0044】ビタビアルゴリズムでは、受信点と信号点
の距離が合計がもっとも短くなるパスを選択するが、そ
のパスは数5の事後確率を最大にするパスとなってい
る。
の距離が合計がもっとも短くなるパスを選択するが、そ
のパスは数5の事後確率を最大にするパスとなってい
る。
【0045】本発明は、このビタビアルゴリズムの理論
的背景をさらに進め、信号点自身の生起確率を考慮に入
れた尤度を利用して、より高い確度で判定,復号を行な
うことを意図している。このため、本発明では、数3を
使って数4を導出する際に一様であるとして無視してい
た信号点生起確率P(S)を考慮に入れ、数4を、次式
(数6)のようなものに変形する。
的背景をさらに進め、信号点自身の生起確率を考慮に入
れた尤度を利用して、より高い確度で判定,復号を行な
うことを意図している。このため、本発明では、数3を
使って数4を導出する際に一様であるとして無視してい
た信号点生起確率P(S)を考慮に入れ、数4を、次式
(数6)のようなものに変形する。
【0046】
【数6】
【0047】これにより、数5を、次式(数7)のように
変形し、数7の事後確率に基づいて、最適パスを選択す
るようにしている。
変形し、数7の事後確率に基づいて、最適パスを選択す
るようにしている。
【0048】
【数7】
【0049】図7は畳み込み符号化がなされた受信信号
系列を、ビタビアルゴリズムを用いて復号する本発明を
適用したビタビ復号器のブロック図である。なお、図7
のビタビ復号器は、図1において、受信器1の判定・復
号器7に適用される。また、図7において、図5と対応
する箇所には同じ符号を付している。図7を参照する
と、本発明では、図5に示す一般的なビタビ復号器の構
成に加えて、信号点自身の生起確率P(S)を計算するた
めの信号点生起確率計算部20が設けられている。
系列を、ビタビアルゴリズムを用いて復号する本発明を
適用したビタビ復号器のブロック図である。なお、図7
のビタビ復号器は、図1において、受信器1の判定・復
号器7に適用される。また、図7において、図5と対応
する箇所には同じ符号を付している。図7を参照する
と、本発明では、図5に示す一般的なビタビ復号器の構
成に加えて、信号点自身の生起確率P(S)を計算するた
めの信号点生起確率計算部20が設けられている。
【0050】ここで、信号点生起確率推定部20は、信
号点の生起確率として、その頻度情報のヒストグラムを
用いることができる。すなわち、信号点生起確率計算部
20は、例えば、判定された信号点をカウントし、既受
信の信号点の個数(総受信信号点数)で正規化して作成し
た頻度情報をそのまま信号点の生起確率として利用する
ことができる。
号点の生起確率として、その頻度情報のヒストグラムを
用いることができる。すなわち、信号点生起確率計算部
20は、例えば、判定された信号点をカウントし、既受
信の信号点の個数(総受信信号点数)で正規化して作成し
た頻度情報をそのまま信号点の生起確率として利用する
ことができる。
【0051】また、数7の計算においては、生起確率P
(S)の対数logをとることが必要となるが、信号のカウ
ント数を正規化することによって得られる頻度情報を、
生起確率P(S)として利用する場合には、既受信の信号
点の頻度の最上位ビットの位置とその次のビットの値と
を用いて、生起確率P(S)の対数の近似を行なうことが
できる。すなわち、信号Sの頻度C(S)の最上位ビット
の位置をN(S)(最下位ビットを0とする)とし、N(S)
−1ビット目が0ならM(S)=N(S)、1ならM(S)=
N(S)+1とすると、P(S)≒C(S)≒2M(S)となる。
従って、生起確率P(S)の対数logP(S)を次式のよう
にM(S)で近似することができる。
(S)の対数logをとることが必要となるが、信号のカウ
ント数を正規化することによって得られる頻度情報を、
生起確率P(S)として利用する場合には、既受信の信号
点の頻度の最上位ビットの位置とその次のビットの値と
を用いて、生起確率P(S)の対数の近似を行なうことが
できる。すなわち、信号Sの頻度C(S)の最上位ビット
の位置をN(S)(最下位ビットを0とする)とし、N(S)
−1ビット目が0ならM(S)=N(S)、1ならM(S)=
N(S)+1とすると、P(S)≒C(S)≒2M(S)となる。
従って、生起確率P(S)の対数logP(S)を次式のよう
にM(S)で近似することができる。
【0052】
【数8】
【0053】数8を用いると、数7を次式(数9)のよう
に近似することができ、対数log計算の計算量を大幅に
削減することができる。
に近似することができ、対数log計算の計算量を大幅に
削減することができる。
【0054】
【数9】
【0055】また、上述の例では、N(S)−1ビット目
をテストしたが、N(S)−1ビット目をテストするかわ
りに、頻度をC、その最上位ビットの位置をNとした
時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、生起確
率の定数の近似をすることもできる。この場合、C(S)
+2N(S)-1の最上位ビットの位置を調べると、その位置
はM(S)と等しくなり、さらに分岐を1つ減らすことが
できる。
をテストしたが、N(S)−1ビット目をテストするかわ
りに、頻度をC、その最上位ビットの位置をNとした
時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用いて、生起確
率の定数の近似をすることもできる。この場合、C(S)
+2N(S)-1の最上位ビットの位置を調べると、その位置
はM(S)と等しくなり、さらに分岐を1つ減らすことが
できる。
【0056】図8は図7の復号器の処理動作を示すフロ
ーチャートである。図8を参照すると、ブランチメトリ
ック計算部12では、図5のブランチメトリック計算部
12と同様に、受信点と信号点との距離の二乗r2(ブラ
ンチメトリック)を計算する(ステップS11)。さら
に、信号点生起確率計算部20において、信号点の生起
確率の対数logP(S)を計算する(ステップS12)。こ
れにより、本発明では、ブランチメトリックは、r2/
2σ2−logP(S)として算出される。
ーチャートである。図8を参照すると、ブランチメトリ
ック計算部12では、図5のブランチメトリック計算部
12と同様に、受信点と信号点との距離の二乗r2(ブラ
ンチメトリック)を計算する(ステップS11)。さら
に、信号点生起確率計算部20において、信号点の生起
確率の対数logP(S)を計算する(ステップS12)。こ
れにより、本発明では、ブランチメトリックは、r2/
2σ2−logP(S)として算出される。
【0057】このようにして、受信点と信号点との距離
の二乗r2,信号点の生起確率の対数logP(S)が計算さ
れると、ACS部16では、求められた全てのブランチ
メトリック(r2/2σ2−logP(S))とパスメトリック
メモリ14に保存されている各状態におけるパスメトリ
ック15aとを種々の組み合せで加算する(ステップS
13)。次いで、ACS部16では、これらの加算結果
である各状態についてのパスメトリックの大小関係を比
較し、最大値を与えるブランチメトリックとパスメトリ
ックとの組み合せを残存パス情報として検出する(ステ
ップS14)。ACS部16は、このようにして検出し
た各状態(トレリス符号化における各状態)についての残
存パス情報17を、パスメモリ18に記憶するととも
に、検出した残存パス情報に基づいて、パスメトリック
メモリ14内に保存されている種々のパスメトリック1
5aの中から新しいパスメトリック15bを各状態毎に
選択し、選択した新しいパスメトリック15bによりパ
スメトリックメモリ14の内容を更新する(ステップS
15)。
の二乗r2,信号点の生起確率の対数logP(S)が計算さ
れると、ACS部16では、求められた全てのブランチ
メトリック(r2/2σ2−logP(S))とパスメトリック
メモリ14に保存されている各状態におけるパスメトリ
ック15aとを種々の組み合せで加算する(ステップS
13)。次いで、ACS部16では、これらの加算結果
である各状態についてのパスメトリックの大小関係を比
較し、最大値を与えるブランチメトリックとパスメトリ
ックとの組み合せを残存パス情報として検出する(ステ
ップS14)。ACS部16は、このようにして検出し
た各状態(トレリス符号化における各状態)についての残
存パス情報17を、パスメモリ18に記憶するととも
に、検出した残存パス情報に基づいて、パスメトリック
メモリ14内に保存されている種々のパスメトリック1
5aの中から新しいパスメトリック15bを各状態毎に
選択し、選択した新しいパスメトリック15bによりパ
スメトリックメモリ14の内容を更新する(ステップS
15)。
【0058】そして、このようなループ処理が何回か繰
り返し行なわれた後、パス選択部19では、パスメモリ
18に記憶された入力情報11の状態数分の残存パス情
報17の中から最大値を与える残存パス情報17を最尤
状態信号(最尤パス)として選択し出力する(ステップS
16)。すなわち、パス選択部19では、パスメモリ1
8に記憶されたパスの中から最尤パスを選び出し、その
パスの最初のブランチ,すなわち信号点を判定点として
出力する。また、このようにしてパス選択部19で判定
された信号点は、信号点生起確率計算部20で利用され
る。
り返し行なわれた後、パス選択部19では、パスメモリ
18に記憶された入力情報11の状態数分の残存パス情
報17の中から最大値を与える残存パス情報17を最尤
状態信号(最尤パス)として選択し出力する(ステップS
16)。すなわち、パス選択部19では、パスメモリ1
8に記憶されたパスの中から最尤パスを選び出し、その
パスの最初のブランチ,すなわち信号点を判定点として
出力する。また、このようにしてパス選択部19で判定
された信号点は、信号点生起確率計算部20で利用され
る。
【0059】このように、本発明では、尤度として信号
点自身の生起確率P(S)を利用するので、より高い確度
で、最適パスを選択でき、判定,復号をより高精度に行
なうことができる。
点自身の生起確率P(S)を利用するので、より高い確度
で、最適パスを選択でき、判定,復号をより高精度に行
なうことができる。
【0060】上述の例では、信号点自身の生起確率を用
いたが、信号系列が無記憶でない場合、信号点単独の生
起確率のかわりに、受信信号系列から予測される事後確
率を利用することもできる。図9は図7の信号点生起確
率計算部20のかわりに、事後確率推定部21が設けら
れた復号器のブロック図である。この場合、信号が1つ
前の信号に依存すると仮定すると(信号系列が例えばマ
ルコフ過程に従うと仮定すると)、信号Sn-1のときに信
号Snである確率,すなわち事後確率はP(Sn|Sn-1)
と表わされ、この確率P(Sn|Sn-1)が事後確率推定部
21で推定される。
いたが、信号系列が無記憶でない場合、信号点単独の生
起確率のかわりに、受信信号系列から予測される事後確
率を利用することもできる。図9は図7の信号点生起確
率計算部20のかわりに、事後確率推定部21が設けら
れた復号器のブロック図である。この場合、信号が1つ
前の信号に依存すると仮定すると(信号系列が例えばマ
ルコフ過程に従うと仮定すると)、信号Sn-1のときに信
号Snである確率,すなわち事後確率はP(Sn|Sn-1)
と表わされ、この確率P(Sn|Sn-1)が事後確率推定部
21で推定される。
【0061】また、信号Sn-1と受信点Rnがわかってい
る時、送信点がSnである確率P(Sn|Sn-1,Rn)は、
次式によって与えられる。
る時、送信点がSnである確率P(Sn|Sn-1,Rn)は、
次式によって与えられる。
【0062】
【数10】
【0063】また、P(Sn,Rn|Sn-1)は、次式によ
り表わすことができる。
り表わすことができる。
【0064】
【数11】P(Sn,Rn|Sn-1)=P(Rn|Sn,Sn-1)
P(Sn|Sn-1)
P(Sn|Sn-1)
【0065】ここで、伝送路が無記憶であるとすると、
RnはSnのみに依存し、Sn-1には無関係である。よっ
てP(Rn|Sn,Sn-1)=P(Rn|Sn)となる。一方、
P(R n|Sn-1)は、次式によって表わされる。
RnはSnのみに依存し、Sn-1には無関係である。よっ
てP(Rn|Sn,Sn-1)=P(Rn|Sn)となる。一方、
P(R n|Sn-1)は、次式によって表わされる。
【0066】
【数12】
【0067】従って、数10は、数11,数12によっ
て次式のようになる。
て次式のようになる。
【0068】
【数13】
【0069】ここで、P(Rn|Sn)は、数2で表わすこ
とができ、また、P(Sn|Sn-1)は、上述のように事後
確率推定部21で推定されるので、この尤度を利用する
と、より高精度な最尤復元を通常のビタビアルゴリズム
と同様に行なうことができる。
とができ、また、P(Sn|Sn-1)は、上述のように事後
確率推定部21で推定されるので、この尤度を利用する
と、より高精度な最尤復元を通常のビタビアルゴリズム
と同様に行なうことができる。
【0070】すなわち、次式のP(S0,S1,…,Sn|
R0,R1,…,Rn)を最大とするパスを見つけることが
できる。
R0,R1,…,Rn)を最大とするパスを見つけることが
できる。
【0071】
【数14】
【0072】なお、上記のような事後確率P(Sn|S
n-1)の推定方法として、例えばヒストグラムを利用する
ことができる。この場合、単純なカウントと割算だけで
事後確率の推定が可能となる。さらに、ヒストグラムに
おける頻度の最上位ビットの位置と次のビットの値を利
用することにより、事後確率の対数の近似を行なうこと
ができ、対数log計算を大幅に簡略化することができ
る。あるいは、ヒストグラムにおける頻度をC、その最
上位ビットの位置をNとした時、C+2N-1の最上位ビ
ットの位置を用いて、事後確率の対数の近似をすること
もできる。
n-1)の推定方法として、例えばヒストグラムを利用する
ことができる。この場合、単純なカウントと割算だけで
事後確率の推定が可能となる。さらに、ヒストグラムに
おける頻度の最上位ビットの位置と次のビットの値を利
用することにより、事後確率の対数の近似を行なうこと
ができ、対数log計算を大幅に簡略化することができ
る。あるいは、ヒストグラムにおける頻度をC、その最
上位ビットの位置をNとした時、C+2N-1の最上位ビ
ットの位置を用いて、事後確率の対数の近似をすること
もできる。
【0073】上述の例では、説明を簡単にするため、信
号系列が一つ前の記憶しかもたないとしたが、P(Sn|
Sn-1,Sn-2,…,Sn-1,Rn)のように複数の過去の
履歴を用いて事後確率の推定を行なうこともできる。ま
た、上述の例では最尤復号法としてビタビアルゴリズム
を用いたが、本発明自体は尤度の規定であり、他の最尤
復号法(最尤推定を用いた最尤復号一般)に適用すること
も可能である。また、ビタビアルゴリズムを利用する場
合、過去の履歴をパスメモリに保存しているため、事後
確率を用いる手法を用いても新たに必要とするメモリを
最小限に抑えることができる。
号系列が一つ前の記憶しかもたないとしたが、P(Sn|
Sn-1,Sn-2,…,Sn-1,Rn)のように複数の過去の
履歴を用いて事後確率の推定を行なうこともできる。ま
た、上述の例では最尤復号法としてビタビアルゴリズム
を用いたが、本発明自体は尤度の規定であり、他の最尤
復号法(最尤推定を用いた最尤復号一般)に適用すること
も可能である。また、ビタビアルゴリズムを利用する場
合、過去の履歴をパスメモリに保存しているため、事後
確率を用いる手法を用いても新たに必要とするメモリを
最小限に抑えることができる。
【0074】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
発明によれば、尤度に、信号点自身の生起確率を導入す
ることにより、最尤復号をより高精度に行なうことがで
きる。
発明によれば、尤度に、信号点自身の生起確率を導入す
ることにより、最尤復号をより高精度に行なうことがで
きる。
【0075】また、請求項2記載の発明によれば、生起
確率として頻度情報を利用することにより、単純なカウ
ントと割算だけの計算で、生起確率を計算することがで
きる。
確率として頻度情報を利用することにより、単純なカウ
ントと割算だけの計算で、生起確率を計算することがで
きる。
【0076】また、請求項3記載の発明によれば、頻度
情報における頻度の最上位ビットの位置とその次のビッ
トの値を用いて生起確率の対数の近似をすることによ
り、大幅な計算量削減が可能となる。
情報における頻度の最上位ビットの位置とその次のビッ
トの値を用いて生起確率の対数の近似をすることによ
り、大幅な計算量削減が可能となる。
【0077】また、請求項4記載の発明によれば、頻度
をC、その最上位ビットの位置をNとしたとき、C+2
N-1の最上位ビットの位置を用いて、生起確率の対数の
近似をすることにより、さらに計算量の削減が可能とな
る。
をC、その最上位ビットの位置をNとしたとき、C+2
N-1の最上位ビットの位置を用いて、生起確率の対数の
近似をすることにより、さらに計算量の削減が可能とな
る。
【0078】また、請求項5記載の発明によれば、生起
確率として、信号系列から予測される事後確率を利用す
ることにより、より高精度な最尤復号を行なうことがで
きる。
確率として、信号系列から予測される事後確率を利用す
ることにより、より高精度な最尤復号を行なうことがで
きる。
【0079】また、請求項6記載の発明によれば、事後
確率としてヒストグラムを利用することにより、単純な
カウントと割算だけの計算で事後確率を計算することが
できる。
確率としてヒストグラムを利用することにより、単純な
カウントと割算だけの計算で事後確率を計算することが
できる。
【0080】また、請求項7記載の発明によれば、ヒス
トグラムにおける頻度の最上位ビットの位置とその次の
ビットの値を用いて事後確率の対数の近似をすることに
より、大幅な計算量削減が可能となる。
トグラムにおける頻度の最上位ビットの位置とその次の
ビットの値を用いて事後確率の対数の近似をすることに
より、大幅な計算量削減が可能となる。
【0081】また、請求項8記載の発明によれば、頻度
をC、その最上位ビットの位置をNとしたとき、C+2
N-1の最上位ビットの位置を用いて、事後確率の対数の
近似をすることにより、さらに計算量の削減が可能とな
る。
をC、その最上位ビットの位置をNとしたとき、C+2
N-1の最上位ビットの位置を用いて、事後確率の対数の
近似をすることにより、さらに計算量の削減が可能とな
る。
【0082】また、請求項9記載の発明によれば、最尤
復号としてビタビアルゴリズムを利用する場合、過去の
履歴をパスメモリに保存しているため、事後確率を利用
する手法を用いても新たに必要とするメモリを最小限に
抑えることができる。
復号としてビタビアルゴリズムを利用する場合、過去の
履歴をパスメモリに保存しているため、事後確率を利用
する手法を用いても新たに必要とするメモリを最小限に
抑えることができる。
【図1】本発明に係る復号方法を適用可能な送受信装置
(モデム)の概略的な構成例を示す図である。
(モデム)の概略的な構成例を示す図である。
【図2】トレリス符号化器の構成例を示す図である。
【図3】トレリス線図の一例を示す図である。
【図4】V33モデムの信号点の一部を示す図である。
【図5】一般的なビタビ復号器のブロック図である。
【図6】図5のビタビ復号器の処理動作を説明するため
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図7】本発明を適用したビタビ復号器のブロック図で
ある。
ある。
【図8】図7の復号器の処理動作を示すフローチャート
である。
である。
【図9】本発明を適用したビタビ復号器のブロック図で
ある。
ある。
1 送信器 2 トレリス符号化器 3 変調器 4 受信器 5 復調器 6 等化器 7 判定・復号器 12 ブランチメトリック計算部 14 パスメトリックメモリ 16 加算比較選択部(ACS部) 18 パスメモリ 19 パス選択部 20 信号点生起確率計算部 21 事後確率推定部
Claims (9)
- 【請求項1】 畳み込み符号化がなされた受信信号系列
を、尤度をもとに判定し復号する復号方法であって、尤
度として信号点自身の生起確率を利用することを特徴と
する復号方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の復号方法において、信号
点の生起確率として、既受信の信号点の頻度情報を利用
することを特徴とする復号方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の復号方法において、該復
号方法は、信号点の生起確率の対数を利用するようにな
っており、この場合、既受信の信号点の頻度の最上位ビ
ットの位置とその次のビットの値とを用いて、生起確率
の対数の近似をすることを特徴とする復号方法。 - 【請求項4】 請求項2記載の復号方法において、該復
号方法は、信号点の生起確率の対数を利用するようにな
っており、この場合、頻度をC、その最上位ビットの位
置をNとした時、C+2N-1の最上位ビットの位置を用
いて、生起確率の対数の近似をすることを特徴とする復
号方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の復号方法において、信号
点の生起確率として、既受信の信号系列から予測される
事後確率を利用することを特徴とする復号方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の復号方法において、事後
確率を計算する際にヒストグラムを利用することを特徴
とする復号方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の復号方法において、該復
号方法は、事後確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、ヒストグラムにおける頻度の最上位ビッ
トの位置とその次のビットの値とを用いて、事後確率の
対数の近似をすることを特徴とする復号方法。 - 【請求項8】 請求項6記載の復号方法において、該復
号方法は、事後確率の対数を利用するようになってお
り、この場合、ヒストグラムにおける頻度をC、その最
上位ビットの位置をNとした時、C+2N-1の最上位ビ
ットの位置を用いて、事後確率の対数の近似をすること
を特徴とする復号方法。 - 【請求項9】 請求項1記載の復号方法において、ビタ
ビアルゴリズムを用いて復号することを特徴とする復号
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8118334A JPH09284348A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 復号方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8118334A JPH09284348A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 復号方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09284348A true JPH09284348A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14734101
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8118334A Pending JPH09284348A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 復号方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09284348A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100290928B1 (ko) * | 1997-12-30 | 2001-06-01 | 서평원 | 비터비디코더의가변브렌치메트릭지원장치및방법 |
JP2009524152A (ja) * | 2006-01-20 | 2009-06-25 | マーベル ワールド トレード リミテッド | 符号化及び信号処理機能を有するフラッシュメモリ |
JP2009524176A (ja) * | 2006-01-20 | 2009-06-25 | マーベル ワールド トレード リミテッド | フラッシュメモリにおける誤り訂正のための方法およびシステム |
-
1996
- 1996-04-15 JP JP8118334A patent/JPH09284348A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100290928B1 (ko) * | 1997-12-30 | 2001-06-01 | 서평원 | 비터비디코더의가변브렌치메트릭지원장치및방법 |
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