JPH09298013A - 屋外用絶縁高分子材料組成物 - Google Patents

屋外用絶縁高分子材料組成物

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JPH09298013A
JPH09298013A JP11103796A JP11103796A JPH09298013A JP H09298013 A JPH09298013 A JP H09298013A JP 11103796 A JP11103796 A JP 11103796A JP 11103796 A JP11103796 A JP 11103796A JP H09298013 A JPH09298013 A JP H09298013A
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Japan
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peroxide
phr
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JP11103796A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Kurata
保幸 蔵田
Katsushi Takano
克史 高野
Toru Nishizawa
徹 西澤
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性、耐トラッキング性、電気的絶縁性及
び成形性を高め、且つ軽量な絶縁高分子材料組成物を得
ることを目的とする。 【構成】 高分子材料としてEPDMゴムを選択すると
ともに、該EPDMゴムに充填材として水酸化アルミニ
ウムと、加硫剤としてのパーオキサイド系有機過酸化
物、成形助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、
酸化亜鉛及びN-シクロヘキシルチオフタルイミドを添加
して、混練物を射出成形手段によって成形した屋外用絶
縁高分子材料組成物を提供する。実施に際しては、EP
DMゴム100重量部に対して、水酸化アルミニウムを
150重量部、パーオキサイド系有機過酸化物を4重量
部、カーボンブラックを2重量部、ステアリン酸を1重
量部、酸化亜鉛を1重量部添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電圧機器で屋外に
直接暴露される絶縁高分子材料を用いた成形品、例えば
碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等の組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等を構成
する絶縁材組成物として、下記の技術文献に記載された
例が知られている。
【0003】(1)電気・電子先端技術展と技術セミナ
ー:「屋外用高分子碍子の現状」 電力中央研究所 横須賀研究所 新素材研究室 渡辺、
高橋他 (2)EIM−90−3「屋外碍子用ポリマーの長期特
性について」 日本ガイシ 国枝、篠窪、中井 (3)ゴム技術シンポジウム:ゴム練り〜理論と実学
1,2,3(日本ゴム協会技術部会) 上記の技術文献に記載されているように、高電圧機器で
屋外に直接暴露される絶縁材料及び構造材料は、従来か
ら電気,機械的に劣化しない磁器製品が使用されてい
る。
【0004】しかしながらこのような従来の絶縁材料及
び構造材料、例えば碍子に代表されるように、磁器は比
重が大きいことから製品自体が重くなって鉄塔の強度に
制限が生じる上、コンパクト化及び美化を妨げていると
いう難点がある。又、磁器自体が硬く且つ脆い性質を有
しているため、碍子外側での気中閃絡時の電気エネルギ
ーによる衝撃で碍子の笠が割れてしまい、鉄塔から部品
が落下したり、ソレスター素子を内在する碍管では過大
な雷サージを吸収する場合に生じる素子の貫通または素
子外側の閃絡によるエネルギーで素子と碍管との隙間に
ある空気が膨張,爆発して碍管が飛散することがあると
いう問題点がある。
【0005】上記に鑑みて、磁器と比べて相対的に耐衝
撃性が高く、且つ軽量である高分子材料による磁器製品
との置き換えが以前から検討されている。そして初期段
階では、高分子材料としてエポキシ樹脂が選択されてい
る。このエポキシ樹脂には低粘度の液体のものから固体
のものまであり、硬化剤又は触媒の存在で室温或は加熱
下で容易に硬化する。そして硬化時の収縮が少なく、水
とかガスを発生しないという特徴があり、且つ反応性に
富んだ硬化物を与えることで知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の高
分子材料、特に初期に検討されたエポキシ樹脂は、耐屋
外性,耐トラッキング性等が不十分であり、又、フラッ
シュオーバー時に笠割れが生じるという問題点がある。
【0007】上記の問題点に対処するため、例えば高分
子材料として採用したエポキシ樹脂にシリコーン樹脂等
の表面コーティングを行う方法が考慮されるが、この方
法は時間と手間が多くかかる工程を採らざるを得ず、ま
た本質的にエポキシ樹脂の改良も求められている現状に
ある。しかしエポキシ樹脂として耐候性の高いグレード
のものを選択しても所詮エポキシ樹脂の中の相対順位の
問題であり、抜本的な問題解決とはなっていない。
【0008】更に高分子である以上は酸化及び熱に起因
する劣化が発生することは避けられず、特に碍子とか碍
管の連結部強度が疲労で低下し易く、50年の寿命をも
保持することが困難である。これら高分子碍子とか高分
子碍管は機械的強度を受け持つ部分の周囲を所望の耐候
性、耐トラッキング性を有する高分子が覆う構造である
ことが前提となっているため、これらの高分子材料の特
性が重要となってくるわけである。
【0009】本出願人は上記高分子材料としてのエポキ
シ樹脂に代えて、ゴムコンパウンド(合成ゴム化合物)
を用いたモールディング構造の検討を行った。一般的に
ゴムコンパウンドを加硫するために硫黄が用いられてい
るが、硫黄は電気的絶縁性及び成形性が良好であるとは
言えず、高分子材料組成物の耐トラッキング特性に悪影
響が生じてしまうという難点があり、ゴムコンパウンド
を用いた時には加硫材料として少なくとも硫黄は使用し
ない方が良いことが確認されている。
【0010】更に射出成形時にキャビティーの形状とか
射出容量に応じて加硫条件を変更しなければならない場
合があり、製造時の繁雑な成形条件変更を余儀なくされ
るという問題がある。
【0011】そこで本発明はこのような従来の絶縁材料
及び構造材料が有している課題を解消して、成形性を高
めるとともに耐候性及び耐トラッキング性に優れ、絶縁
抵抗特性が改良される上、製造時における成形条件を確
立することができる軽量な絶縁高分子材料組成物を得る
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、高分子材料としてEPDMゴムを選択す
るとともに、充填材として水酸化アルミニウムと、加硫
剤としてのパーオキサイド系有機過酸化物を加え、成形
助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜鉛
を添加して、上記6成分系の混練物を射出成形手段によ
って成形した屋外用絶縁高分子材料組成物を提供する。
上記パーオキサイド系有機過酸化物としてジ−クミルパ
ーオキサイドを用いる。
【0013】具体的には、EPDMゴム100重量部に
対して、水酸化アルミニウムを150重量部、パーオキ
サイド系有機過酸化物を4重量部、カーボンブラックを
2重量部、ステアリン酸を1重量部、酸化亜鉛を1重量
部添加する。
【0014】更に請求項4として、高分子材料としてE
PDMゴムを選択するとともに、充填材として水酸化ア
ルミニウムと、加硫剤としてのパーオキサイド系有機過
酸化物を加え、成形助剤としてカーボンブラック、ステ
アリン酸、酸化亜鉛、N-シクロヘキシルチオフタルイミ
ドを添加して、上記7成分系の混練物を射出成形手段に
よって成形した屋外用絶縁高分子材料組成物を提供す
る。
【0015】請求項5として、高分子材料としてシリコ
ーンゴムを選択し、充填材として水酸化アルミニウムを
添加して、上記2成分系の混練物を射出成形手段によっ
て成形した屋外用絶縁高分子材料組成物を提供する。上
記シリコーンゴムとして2液型室温硬化の材料を用い
る。
【0016】かかる高分子材料組成物によれば、EPD
Mゴムに充填材としての水酸化アルミニウムと、加硫剤
としてのパーオキサイド系有機過酸化物を添加し、更に
成形助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸化
亜鉛及びN-シクロヘキシルチオフタルイミドを添加した
ことにより、充填材の持つ耐屋外絶縁性及び難燃性に加
えて、加硫剤及び成形助剤の持つ成形性が有効に生かさ
れて、得られた組成物の耐候性及び耐トラッキング性を
高め、耐屋外絶縁性が良好となる上、製造時における成
形条件を確立することができる。又、得られた組成物の
比重は磁器の比重の半分以下であり、製品化した場合の
重量が大幅に軽減される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる屋外用絶縁
高分子材料組成物の具体的な実施例を説明する。本実施
例における上記組成物は、高電圧機器で屋外に直接暴露
される成形品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシン
グ等に採用される材料及び材料組成を提供するものであ
る。
【0018】通常屋外用絶縁高分子材料として求められ
る要件は、太陽光,特に紫外線の照射と、温度変化及び
風雨等の自然環境の元で電圧が常時かかっている状態、
所謂屋外暴露課電状態で材料の変質がなく、且つ壊れた
りしないという本質的な要求の外に、材料自体が難燃性
を有し、且つ軽量化されていることが大きな要件となっ
ている。
【0019】以下に本発明の実施に際しての各種具体例
を説明する。
【0020】(1)具体例1 本具体例1では前記屋外用絶縁高分子材料として求めら
れる要件を満足するため、高分子材料としてエチレンプ
ロピレンジエンモノマーラバー(Ethylen Propylene Di
ene Monomer Rubber,以下EPDMゴムと略称する)を
選択し、充填材として耐屋外絶縁性に優れ、難燃性を合
わせ持つ水酸化アルミニウム(以下ATHと略称)を用
いた。上記の2成分が耐候性と耐トラッキング性を高め
るための特性中心となるものであるが、本実施例では電
気絶縁性を考慮した加硫剤としてパーオキサイド系有機
過酸化物を用いた。その他の成形助剤としてカーボンブ
ラック、ステアリン酸、酸化亜鉛、N-シクロヘキシルチ
オフタルイミドを用いて実験を試みた。
【0021】実施に際し、EPDMゴムとして住友化学
製エスプレン670Fを使用し、ATHとして昭和電工
製ハイジライトシリーズであるH−42Mを使用した。
このEPDMゴムとは共役二重結合が二つある化合物の
総称であり、一般にエチレンとプロピレンのゴム状共重
合体をEPMといい、この重合体と側鎖に不飽和基を持
たせたものが前記EPDMゴムである。尚、これらを総
称してEPR(エチレンプロピレンラバー)ということ
もある。
【0022】又、上記ハイジライトシリーズはバイヤー
法で製造される代表的な水酸化アルミニウムであり、中
でも本実施例で採用したH−42Mは微粒ハイジライト
に属している。このH−42Mは200〜350℃で大
きな吸熱反応を伴って激しく脱水分解し、ゴムに添加す
ることによって加熱時の温度上昇が抑えられるとともに
自己消火性を促して発煙が抑制され、有害ガスが発生し
ない上、耐アーク,耐トラッキング性が向上するという
特長を有している。
【0023】加硫剤としてのパーオキサイド系有機過酸
化物として、日本油脂製のパークミルD−40を採用し
た。このパークミルD−40は、化学名がジ−クミルパ
ーオキサイドでフレーク状又は粉状を呈し、フレーク状
のものの過酸化物含有量は98%(min)で活性酸素
量は5.77%(min)、粉状のものの過酸化物含有
量は40%(min)で活性酸素量は2.34%(mi
n)となっている。又、角ペレットタイプ及びシートタ
イプのものは純度40%、比重が1.07、架橋温度は
1分間の半減期温度が171℃となっている。
【0024】カーボンブラックは新日鉄化学製のニテロ
ン#200を、ステアリン酸は花王製のルナックS−3
5を、酸化亜鉛は日本化学製の亜鉛華1号を、N-シクロ
ヘキシルチオフタルイミドは東レ製のリターダーCTP
を用いた。
【0025】以下に実施例を説明すると、先ず実施に先
立って上記のエスプレン670Fの100phrとH−
42Mの150phrに、加硫剤としてのパークミルD
−40の4phrの3成分系の試料を作成して比較例と
した。尚、上記4phrとは、エスプレン670Fの1
00重量部に対してパークミルD−40が4.0重量部
の添加割合であることを表わしている。
【0026】次に下記に示す実施例1〜実施例5の試料
を作成し、ニーダー(混練機)で十分に混練し、射出成
形手段によって試料を作成した。この射出成形手段とは
周知のように成形材料を射出シリンダの中で加熱溶融
し、流動化した成形材料を射出プランジャ又はスクリュ
ーによって固く閉じた金型の中に圧入して成形する方法
である。
【0027】〔実施例1〕 EPDMゴム・・・・・・・100phr ATH・・・・・・・・・・・・・150phr 有機過酸化物・・・・・・・4phr カーボンブラック・・・2phr ステアリン酸・・・・・・・1phr 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・5phr 〔実施例2〕 EPDMゴム・・・・・・・100phr ATH・・・・・・・・・・・・・150phr 有機過酸化物・・・・・・・4phr カーボンブラック・・・2phr ステアリン酸・・・・・・・1phr 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・5phr N-シクロヘキシルチオフタルイミド・・・0.5phr 〔実施例3〕 EPDMゴム・・・・・・・100phr ATH・・・・・・・・・・・・・150phr 有機過酸化物・・・・・・・4phr カーボンブラック・・・2phr ステアリン酸・・・・・・・1phr 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・5phr N-シクロヘキシルチオフタルイミド・・・1phr 〔実施例4〕 〔実施例5〕 評価方法は以下の評価1〜評価5を用いた。 〔評価1〕上記配合物を混練・成形後に得られた平板状
の試料を未加硫物性として成形可能時間[ts0.4
0]とムーニー値[100℃,M1+4]を測定した。 〔評価2〕上記配合物を160℃,20分の加硫条件で
幅50mm,長さ120mm,厚み6mmの平板状の試
料を作成して耐トラッキング試験(IEC publ,58
7)を行った。試験電圧は3.5kvとし、評価は課電
2時間後の重量減少量(g)とした。 〔評価3〕上記配合物を用いて碍管の試作を行った。 射出成形機・・・・300トン直圧縦型 最大射出圧:1.5t 射出容量3000cc 成形対象・・・・・・6k碍管(容量250cc) 30kv碍管(容量1000cc) 〔評価4〕上記配合物の耐候性試験を行った。光源とし
てキセノンランプを用いて2000時間照射後に肉眼観
察によって表面クラックの有無を確認した。尚、上記評
価1における[ts0.40]とはレオメータ(ゴムの
ねじれトルク計)によって測定した組成物のトルクが最
も低い値から0.4(kgcm)に達するまでの時間
(分)である。
【0028】表1に評価1〜評価4の結果を一覧表とし
て示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1は耐トラッキング特性の面で最も
好ましい配合であり、6kvの碍管のような小さな成形
品であれば成形可能である。実施例2は実施例1に比し
て若干耐トラッキング特性に劣るが、30kvの碍管の
ような大きな成形品の成形が可能である。更に実施例3
はN-シクロヘキシルチオフタルイミドの過剰添加による
成形品の発泡現象が発生して成形不可能となった。
【0031】実施例4は低粘度のゴム(エスプレン51
4)添加の影響で実施例1に近い結果が得られた。実施
例5は上記低粘度のゴムを大量に添加した結果、低粘度
である分、充填材の高充填化ができず、成形不可能とな
った。又、比較例は粘度が高いため、評価3の成形品は
作ることができない。
【0032】(2)具体例2 本具体例2では屋外用絶縁高分子材料として求められる
要件を満足するため、高分子材料としてシリコーンゴム
を選択し、充填材として耐屋外絶縁性に優れ、難燃性を
合わせ持つ水酸化アルミニウム(ATH)を用いた。
【0033】実施に際し、シリコーンゴムとして信越化
学製KE1400・A液とKE1400・B液を採用
し、ATHとして昭和電工製ハイジライトシリーズであ
るH−31を使用した。
【0034】実施に先立って上記のKE1400・A液
100phrと、KE1400・B液10phrを混合
した液を硬化させたものを比較例とし、上記KE140
0・A液100phrと、KE1400・B液10ph
r及びH−31を10〜50phrを加えて硬化させた
ものを実施例6とした。評価は上記配合物を室温−24
時間の硬化条件で硬化して、幅50mm,長さ120m
m,厚み6mmの平板状の試料を作成して耐トラッキン
グ試験(IEC publ,587)を行った。試験電圧は
2.5kvとし、評価は課電2時間後の重量減少量
(g)とした。表2に実施例6のATH添加量を変えて
耐トラッキング性試験を行った結果を示す。尚、ATH
を添加していない比較例は43分の課電で短絡した。
【0035】
【表2】
【0036】表2によれば、ATHの添加量を10ph
rから40phrまで増やすほど耐トラッキング特性が
向上していることが分かる。しかしATHの添加量が5
0phr以上では樹脂粘度が高くなり、成形品を得るこ
とができない。
【0037】(3)具体例3 本具体例3では具体例2と同様に高分子材料としてシリ
コーンゴムを選択し、充填材として水酸化アルミニウム
(ATH)を用いた。実施に際してはシリコーンゴムと
して信越化学製KE1400・A液とKE1400・B
液を採用し、ATHとして昭和電工製ハイジライトシリ
ーズであるH−32、H−42M、H−43Mを採用し
た。
【0038】上記のKE1400・A液100phr
と、KE1400・B液10phrを混合した液を硬化
させたものを比較例とし、上記KE1400・A液10
0phrに、KE1400・B液10phr及びH−3
2を10〜50phrの範囲で添加量を変えて加え、硬
化させたものを実施例7とし、ATHとしてH−42M
を用いた場合を実施例8、ATHとしてH−43Mを用
いた場合を実施例9とした。評価は前記実施例6と同一
条件とした。
【0039】表3に実施例7,8,9の耐トラッキング
性試験を行った結果を示す。尚、ATHを添加していな
い比較例は43分の課電で短絡した。
【0040】
【表3】
【0041】表3によれば、ATHの添加量を10ph
rから40phrまで増やすほど耐トラッキング特性が
向上しているが、ATHの添加量が50phr以上では
樹脂粘度が高くなり、成形品を得ることができない。特
にATHの平均粒径が小さいほど同一添加量に対する耐
トラッキング特性が向上していることが判明した。
【0042】(4)具体例4 本具体例4では具体例1と同様に高分子材料としてEP
DMゴムを選択し、充填材として水酸化アルミニウム
(ATH)を用いた。更に電気絶縁性を考慮した加硫剤
としてパーオキサイド系有機過酸化物を用い、その他の
充填剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜
鉛を用いて実験を試みた。EPDMゴムとしてエスプレ
ン670Fとエスプレン524を採用し、パーオキサイ
ド系有機過酸化物としてはパークミルD−40を採用し
た。カーボンブラックはニテロン#200を、ステアリ
ン酸はルナックS−35を、酸化亜鉛は亜鉛華1号を用
いた。尚、前記実施例1の試料を作成して比較例とし
た。
【0043】〔実施例10〕 〔実施例11〕 〔実施例12〕 〔実施例13〕 EPDMゴム…エスプレン524・・・100phr ATH・・・・・・・・・・・・・150phr 有機過酸化物・・・・・・・4phr カーボンブラック・・・2phr ステアリン酸・・・・・・・1phr 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・5phr 評価方法は以下の評価1〜評価3を用いた。 〔評価1〕上記配合物を混練・成形後に得られた平板状
の試料を未加硫物性として成形可能時間[ts0.4
0]とムーニー値[100℃,M1+4]を測定した。 〔評価2〕上記配合物を160℃,20分の加硫条件で
幅50mm,長さ120mm,厚み6mmの平板状の試
料を作成して耐トラッキング試験(IEC publ,58
7)を行った。試験電圧は4.5kvとし、評価は課電
2時間後の重量減少量(g)とした。 〔評価3〕上記配合物を用いて碍管の試作を行った。 射出成形機…300トン直圧縦型 最大射出圧:1.5t 射出容量:最大4000cc 成形対象:30kv碍管(容量1000cc) 66kv碍管(容量3500cc) 表4に評価1〜評価3の結果を一覧表として示す。
【0044】
【表4】
【0045】実施例10〜13とも耐トラッキング特性
は良好であり、66kv碍管のように大型成形品でも成
形可能であったのに対して、比較例は粘度が高いため、
評価3の大型成形品は作ることができない。
【0046】(5)具体例5 本具体例5では具体例1,4と同様に高分子材料として
EPDMゴムを選択し、充填材として水酸化アルミニウ
ム(ATH)を用いた。更に電気絶縁性を考慮した加硫
剤としてパーオキサイド系有機過酸化物を用い、その他
の成形助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸
化亜鉛を用いて実験を試みた。EPDMゴムとしてエス
プレン670Fとエスプレン514を採用し、パーオキ
サイド系有機過酸化物としてはパークミルD−40を採
用した。カーボンブラックはニテロン#200を、ステ
アリン酸はルナックS−35を、酸化亜鉛は亜鉛華1号
を用いた。尚、前記実施例1の試料を作成して比較例と
した。
【0047】〔実施例14〕 〔実施例15〕 〔実施例16〕 〔実施例17〕 EPDMゴム…エスプレン514・・・100phr ATH・・・・・・・・・・・・・150phr 有機過酸化物・・・・・・・4phr カーボンブラック・・・2phr ステアリン酸・・・・・・・1phr 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・5phr 評価方法は具体例4で説明した評価1〜評価3を用い
た。表5に評価1〜評価3の結果を一覧表として示す。
【0048】
【表5】
【0049】実施例14〜17とも耐トラッキング特性
は良好であり、66kv碍管のように大型成形品でも成
形可能であったのに対して、比較例は粘度が高いため、
評価3の大型成形品は作ることができない。
【0050】(6)具体例6 本具体例6では具体例3と同様に高分子材料としてシリ
コーンゴムを選択し、充填材として水酸化アルミニウム
(ATH)を用いた。実施に際してはシリコーンゴムと
して信越化学製KE1400・A液とKE1400・B
液を採用し、ATHとして昭和電工製ハイジライトシリ
ーズであるH−210、H−310、H−320、H−
320I、H−320STを採用した。
【0051】上記のKE1400・A液100phr
と、KE1400・B液10phrを混合した液を硬化
させたものを比較例とし、上記KE1400・A液10
0phrに、KE1400・B液10phr及びH−2
10を10〜50phrの範囲で添加量を変えて加え、
硬化させたものを実施例18とし、ATHとしてH−3
10を用いた場合を実施例19、ATHとしてH−32
0を用いた場合を実施例20、ATHとしてH−320
Iを用いた場合を実施例21、ATHとしてH−320
STを用いた場合を実施例22とした。評価は前記実施
例6と同一条件とした。
【0052】表6に実施例18〜22の耐トラッキング
性試験を行った結果を示す。尚、ATHを添加していな
い比較例は43分の課電で短絡した。
【0053】
【表6】
【0054】表6によれば、ATHの添加量を10ph
rから40phrまで増やすほど耐トラッキング特性が
向上しているが、ATHの添加量が50phr以上では
樹脂粘度が高くなり、成形品を得ることができない。特
にATHの平均粒径が小さいほど同一添加量に対する耐
トラッキング特性が向上していることが判明した。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる屋外用絶縁高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに充填材として水酸化アルミニウムと、加硫剤として
のパーオキサイド系有機過酸化物と成形助剤としてのカ
ーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜鉛及びN-シクロ
ヘキシルチオフタルイミドを添加して、混練物を射出成
形手段によって成形したことにより、充填材の持つ耐屋
外絶縁性及び難燃性に加えて、加硫剤及び成形助剤の持
つ成形性が有効に生かされて、得られた組成物の耐候性
及び耐トラッキング性を高め、耐屋外絶縁性が良好とな
る上、製造時における成形性を高めることができる。
【0056】特に射出成形時におけるキャビティーの形
状とか射出容量に応じて加硫条件を変更しなければなら
ない場合にも対応可能であり、素早く成形条件が確立さ
れるとともにを製造時の繁雑な成形条件変更にも敏速に
対処することができる。
【0057】更にEPDMゴムと充填材及び成形助剤の
持つ電気的絶縁作用が有効に生かされて、得られた組成
物の耐候性及び耐トラッキング性を高め、耐屋外絶縁性
が良好で実用性が高い絶縁高分子材料組成物を得ること
が出来る。そして製作時に多くの時間と手間がかから
ず、得られた組成物の比重は磁器の比重の半分以下であ
り、製品化した場合の重量が大幅に軽減されるという効
果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/14 KDD C08K 5/14 KDD C08L 9/00 C08L 9/00 83/04 LRX 83/04 LRX H01B 17/00 H01B 17/00 B 17/60 17/60 D // B29K 19:00 83:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料としてEPDMゴムを選択す
    るとともに、充填材として水酸化アルミニウムと、加硫
    剤としてのパーオキサイド系有機過酸化物を加え、成形
    助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜鉛
    を添加して、上記6成分系の混練物を射出成形手段によ
    って成形したことを特徴とする屋外用絶縁高分子材料組
    成物。
  2. 【請求項2】 上記パーオキサイド系有機過酸化物とし
    てジ−クミルパーオキサイドを用いた請求項1記載の屋
    外用絶縁高分子材料組成物。
  3. 【請求項3】 EPDMゴム100重量部に対して、水
    酸化アルミニウムを150重量部、パーオキサイド系有
    機過酸化物を4重量部、カーボンブラックを2重量部、
    ステアリン酸を1重量部、酸化亜鉛を1重量部添加した
    請求項1記載の屋外用絶縁高分子材料組成物。
  4. 【請求項4】 高分子材料としてEPDMゴムを選択す
    るとともに、充填材として水酸化アルミニウムと、加硫
    剤としてのパーオキサイド系有機過酸化物を加え、成形
    助剤としてカーボンブラック、ステアリン酸、酸化亜
    鉛、N-シクロヘキシルチオフタルイミドを添加して、上
    記7成分系の混練物を射出成形手段によって成形したこ
    とを特徴とする屋外用絶縁高分子材料組成物。
  5. 【請求項5】 高分子材料としてシリコーンゴムを選択
    し、充填材として水酸化アルミニウムを添加して、上記
    2成分系の混練物を射出成形手段によって成形したこと
    を特徴とする屋外用絶縁高分子材料組成物。
  6. 【請求項6】 上記シリコーンゴムとして2液型室温硬
    化の材料を用いた請求項3記載の屋外用絶縁高分子材料
    組成物。
JP11103796A 1996-05-02 1996-05-02 屋外用絶縁高分子材料組成物 Pending JPH09298013A (ja)

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