JPH05314841A - 屋外用絶縁高分子材料組成物 - Google Patents
屋外用絶縁高分子材料組成物Info
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- JPH05314841A JPH05314841A JP11295392A JP11295392A JPH05314841A JP H05314841 A JPH05314841 A JP H05314841A JP 11295392 A JP11295392 A JP 11295392A JP 11295392 A JP11295392 A JP 11295392A JP H05314841 A JPH05314841 A JP H05314841A
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- Japan
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- antimony
- high polymer
- epdm rubber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 樹脂材料を用いた高分子絶縁材の特に難燃性
を高めた絶縁高分子材料組成物を得ることを目的とす
る。 【構成】 高分子材料としてEPDMゴムを選択して、
このEPDMゴムに、充填材として水酸化アルミニウム
と、難燃剤としてハロゲン系化合物及びアンチモン系化
合物を添加して混練し、射出成形手段によって成形した
屋外用絶縁高分子材料組成物の構成にしてある。上記ハ
ロゲン系化合物としてデカブロムジフェニルエーテルを
採用し、アンチモン系化合物として三酸化アンチモンを
採用している。上記難燃剤の配合比は、ハロゲン系化合
物/アンチモン系化合物=1〜5であり、両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように構成してある。
を高めた絶縁高分子材料組成物を得ることを目的とす
る。 【構成】 高分子材料としてEPDMゴムを選択して、
このEPDMゴムに、充填材として水酸化アルミニウム
と、難燃剤としてハロゲン系化合物及びアンチモン系化
合物を添加して混練し、射出成形手段によって成形した
屋外用絶縁高分子材料組成物の構成にしてある。上記ハ
ロゲン系化合物としてデカブロムジフェニルエーテルを
採用し、アンチモン系化合物として三酸化アンチモンを
採用している。上記難燃剤の配合比は、ハロゲン系化合
物/アンチモン系化合物=1〜5であり、両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように構成してある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧機器で屋外に直接
暴露される絶縁高分子材料を用いた成形品、例えば碍
子,碍管,スペーサ,ブッシング等の組成物に関するも
のである。
暴露される絶縁高分子材料を用いた成形品、例えば碍
子,碍管,スペーサ,ブッシング等の組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等を構成
する絶縁材組成物として、下記の技術文献に記載された
例が知られている。
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等を構成
する絶縁材組成物として、下記の技術文献に記載された
例が知られている。
【0003】(1)電気・電子先端技術展と技術セミナ
ー:「屋外用高分子碍子の現状」 電力中央研究所 横須賀研究所 新素材研究室 渡辺、
高橋他 (2)EIM−90−3「屋外碍子用ポリマーの長期特
性について」 日本ガイシ 国枝、篠窪、中井 (3)ゴム技術シンポジウム:ゴム練り〜理論と実学
1,2,3 (日本ゴム協会技術部会) 上記の技術文献に記載されているように、高電圧機器で
屋外に直接暴露される絶縁材料及び構造材料は、従来か
ら電気,機械的に劣化しない磁器製品が使用されてい
る。
ー:「屋外用高分子碍子の現状」 電力中央研究所 横須賀研究所 新素材研究室 渡辺、
高橋他 (2)EIM−90−3「屋外碍子用ポリマーの長期特
性について」 日本ガイシ 国枝、篠窪、中井 (3)ゴム技術シンポジウム:ゴム練り〜理論と実学
1,2,3 (日本ゴム協会技術部会) 上記の技術文献に記載されているように、高電圧機器で
屋外に直接暴露される絶縁材料及び構造材料は、従来か
ら電気,機械的に劣化しない磁器製品が使用されてい
る。
【0004】しかしながらこのような従来の絶縁材料及
び構造材料、例えば碍子に代表されるように、磁器は比
重が大きいことから製品自体が重くなって鉄塔の強度に
制限が生じる上、コンパクト化及び美化を妨げていると
いう難点がある。又、磁器自体が硬く且つ脆い性質を有
しているため、碍子外側での気中閃絡時の電気エネルギ
ーによる衝撃で碍子の笠が割れてしまい、鉄塔から部品
が落下したり、ソレスター素子を内在する碍管では過大
な雷サージを吸収する場合に生じる素子の貫通または素
子外側の閃絡によるエネルギーで素子と碍管との隙間に
ある空気が膨張,爆発して碍管が飛散することがあると
いう問題点がある。
び構造材料、例えば碍子に代表されるように、磁器は比
重が大きいことから製品自体が重くなって鉄塔の強度に
制限が生じる上、コンパクト化及び美化を妨げていると
いう難点がある。又、磁器自体が硬く且つ脆い性質を有
しているため、碍子外側での気中閃絡時の電気エネルギ
ーによる衝撃で碍子の笠が割れてしまい、鉄塔から部品
が落下したり、ソレスター素子を内在する碍管では過大
な雷サージを吸収する場合に生じる素子の貫通または素
子外側の閃絡によるエネルギーで素子と碍管との隙間に
ある空気が膨張,爆発して碍管が飛散することがあると
いう問題点がある。
【0005】上記に鑑みて、磁器と比べて相対的に耐衝
撃性が高く、且つ軽量である高分子材料による磁器製品
との置き換えが以前から検討されている。そして初期段
階では、高分子材料としてエポキシ樹脂が選択されてい
る。このエポキシ樹脂には低粘度の液体のものから固体
のものまであり、硬化剤又は触媒の存在で室温或は加熱
下で容易に硬化する。そして硬化時の収縮が少なく、水
とかガスを発生しないという特徴があり、且つ反応性に
富んだ硬化物を与えることで知られている。
撃性が高く、且つ軽量である高分子材料による磁器製品
との置き換えが以前から検討されている。そして初期段
階では、高分子材料としてエポキシ樹脂が選択されてい
る。このエポキシ樹脂には低粘度の液体のものから固体
のものまであり、硬化剤又は触媒の存在で室温或は加熱
下で容易に硬化する。そして硬化時の収縮が少なく、水
とかガスを発生しないという特徴があり、且つ反応性に
富んだ硬化物を与えることで知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の高
分子材料、特に初期に検討されたエポキシ樹脂は、耐屋
外性,耐燃焼性、耐トラッキング性等が不十分であり、
又、フラッシュオーバー時に笠割れが生じるという問題
点がある。
分子材料、特に初期に検討されたエポキシ樹脂は、耐屋
外性,耐燃焼性、耐トラッキング性等が不十分であり、
又、フラッシュオーバー時に笠割れが生じるという問題
点がある。
【0007】上記の問題点に対処するため、例えば高分
子材料として採用したエポキシ樹脂にシリコーン樹脂等
の表面コーティングを行う方法が考慮されるが、この方
法は時間と手間が多くかかる工程を採らざるを得ず、ま
た本質的にエポキシ樹脂の改良も求められている現状に
ある。しかしエポキシ樹脂として耐候性の高いグレード
のものを選択しても所詮エポキシ樹脂の中の相対順位の
問題であり、抜本的な問題解決とはなっていない。
子材料として採用したエポキシ樹脂にシリコーン樹脂等
の表面コーティングを行う方法が考慮されるが、この方
法は時間と手間が多くかかる工程を採らざるを得ず、ま
た本質的にエポキシ樹脂の改良も求められている現状に
ある。しかしエポキシ樹脂として耐候性の高いグレード
のものを選択しても所詮エポキシ樹脂の中の相対順位の
問題であり、抜本的な問題解決とはなっていない。
【0008】そこで本発明はこのような従来の絶縁材料
及び構造材料が有している課題を解消して、耐候性及び
耐トラッキング性に優れている上、特に難燃性を考慮し
た絶縁高分子材料組成物を得ることを目的とするもので
ある。
及び構造材料が有している課題を解消して、耐候性及び
耐トラッキング性に優れている上、特に難燃性を考慮し
た絶縁高分子材料組成物を得ることを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、高分子材料としてEPDMゴムを選択し
て、このEPDMゴムに、充填材として水酸化アルミニ
ウムを添加するとともに、難燃剤としてハロゲン系化合
物及びアンチモン系化合物を添加して得られた混練物を
射出成形手段によって成形した屋外用絶縁高分子材料組
成物の構成にしてある。上記ハロゲン系化合物としてデ
カブロムジフェニルエーテルを採用し、アンチモン系化
合物として三酸化アンチモンを採用している。
成するために、高分子材料としてEPDMゴムを選択し
て、このEPDMゴムに、充填材として水酸化アルミニ
ウムを添加するとともに、難燃剤としてハロゲン系化合
物及びアンチモン系化合物を添加して得られた混練物を
射出成形手段によって成形した屋外用絶縁高分子材料組
成物の構成にしてある。上記ハロゲン系化合物としてデ
カブロムジフェニルエーテルを採用し、アンチモン系化
合物として三酸化アンチモンを採用している。
【0010】更に上記難燃剤の配合比は、ハロゲン系化
合物/アンチモン系化合物=1〜5であり、両化合物の
総量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以
上であるように構成されている。
合物/アンチモン系化合物=1〜5であり、両化合物の
総量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以
上であるように構成されている。
【0011】
【作用】かかる高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに耐屋外絶縁性に優れた水酸化アルミニウムを充填
し、同時にハロゲン系化合物とアンチモン系化合物を混
練して射出成形手段により成形することにより、ハロゲ
ン系化合物は燃焼時に発生したガスが励起原子・原子団
と反応して燃焼を抑制する作用をもたらし、更にアンチ
モン系化合物は脱ハロゲン反応を促進するとともに自身
は溶融して燃焼に必要な酸素を遮断する作用をもたらし
て、成形物の難燃性が高められる。
ムに耐屋外絶縁性に優れた水酸化アルミニウムを充填
し、同時にハロゲン系化合物とアンチモン系化合物を混
練して射出成形手段により成形することにより、ハロゲ
ン系化合物は燃焼時に発生したガスが励起原子・原子団
と反応して燃焼を抑制する作用をもたらし、更にアンチ
モン系化合物は脱ハロゲン反応を促進するとともに自身
は溶融して燃焼に必要な酸素を遮断する作用をもたらし
て、成形物の難燃性が高められる。
【0012】上記難燃剤の配合比を、ハロゲン系化合物
/アンチモン系化合物=1〜5とし、更に両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように設定したことにより、上記難燃性がより高
められて信頼性の高い屋外用絶縁高分子材料組成物が得
られる。
/アンチモン系化合物=1〜5とし、更に両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように設定したことにより、上記難燃性がより高
められて信頼性の高い屋外用絶縁高分子材料組成物が得
られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明にかかる屋外用絶縁高分子材料
組成物の具体的な実施例を説明する。本実施例における
上記組成物は、高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等に採用
される材料及び材料組成を提供するものである。
組成物の具体的な実施例を説明する。本実施例における
上記組成物は、高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等に採用
される材料及び材料組成を提供するものである。
【0014】通常屋外用絶縁高分子材料として求められ
る要件は、太陽光,特に紫外線の照射と、温度変化及び
風雨等の自然環境の元で電圧が常時かかっている状態、
所謂屋外暴露課電状態で材料の変質がなく、且つ壊れた
りしないという本質的な要求の外に、材料自体が軽量化
されていることが大きな要件となっている。
る要件は、太陽光,特に紫外線の照射と、温度変化及び
風雨等の自然環境の元で電圧が常時かかっている状態、
所謂屋外暴露課電状態で材料の変質がなく、且つ壊れた
りしないという本質的な要求の外に、材料自体が軽量化
されていることが大きな要件となっている。
【0015】そこで本実施例では、上記の要件を満足す
るため、高分子材料としてエチレンプロピレンジエンモ
ノマーラバー(Ethylen Propylene Diene Monomer Rubb
er,以下EPDMゴムと略称する)を選択し、充填材と
して耐屋外絶縁性に優れ水酸化アルミニウムを用いると
ともに、難燃性を高めるための難燃剤として、ハロゲン
系化合物とアンチモン系化合物を混練して使用した。こ
のハロゲン系化合物は燃焼時に発生したガスが励起原子
・原子団と反応して燃焼を抑制する作用を有しており、
アンチモン系化合物は脱ハロゲン反応を促進するととも
に自身は溶融して燃焼に必要な酸素を遮断する作用を有
している。
るため、高分子材料としてエチレンプロピレンジエンモ
ノマーラバー(Ethylen Propylene Diene Monomer Rubb
er,以下EPDMゴムと略称する)を選択し、充填材と
して耐屋外絶縁性に優れ水酸化アルミニウムを用いると
ともに、難燃性を高めるための難燃剤として、ハロゲン
系化合物とアンチモン系化合物を混練して使用した。こ
のハロゲン系化合物は燃焼時に発生したガスが励起原子
・原子団と反応して燃焼を抑制する作用を有しており、
アンチモン系化合物は脱ハロゲン反応を促進するととも
に自身は溶融して燃焼に必要な酸素を遮断する作用を有
している。
【0016】具体的にはEPDMゴムとして住友化学製
エスプレン600Fを使用し、水酸化アルミニウムとし
て昭和電工製H−32を使用した。又、難燃剤としての
ハロゲン系化合物として、臭素化合物であるデカブロム
ジフェニルエーテル(東ソー製フレームカット110
R)を使用し、アンチモン系化合物として三酸化アンチ
モン(日本精鉱製ATOX−S)を使用した。
エスプレン600Fを使用し、水酸化アルミニウムとし
て昭和電工製H−32を使用した。又、難燃剤としての
ハロゲン系化合物として、臭素化合物であるデカブロム
ジフェニルエーテル(東ソー製フレームカット110
R)を使用し、アンチモン系化合物として三酸化アンチ
モン(日本精鉱製ATOX−S)を使用した。
【0017】EPDMゴムとは共役二重結合が二つある
化合物の総称であり、一般にエチレンとプロピレンのゴ
ム状共重合体をEPMといい、この重合体と側鎖に不飽
和基を持たせたものが前記EPDMゴムである。尚、こ
れらを総称してEPR(エチレンプロピレンラバー)と
いうこともある。
化合物の総称であり、一般にエチレンとプロピレンのゴ
ム状共重合体をEPMといい、この重合体と側鎖に不飽
和基を持たせたものが前記EPDMゴムである。尚、こ
れらを総称してEPR(エチレンプロピレンラバー)と
いうこともある。
【0018】以下に本発明の実施例を説明する。基本的
な操作方法としてニーダー(混練機)を用いて上記のエ
スプレン600FにH−32(以下の表中にはATHと
略称),フレームカット110R(表中にはデカブロと
略称)及びATOX−Sを添加して4成分系の混練を行
い、有機過酸化物による160℃,15分間の加硫を行
い、射出成形手段によって試料を作成した。この射出成
形手段とは周知のように成形材料を射出シリンダの中で
加熱溶融し、流動化した成形材料を射出プランジャ又は
スクリューによって固く閉じた金型の中に圧入して成形
する方法である。そして上記4成分系の射出成形による
平板を作成し、UL94に基づく垂直燃焼試験に供して
評価した。
な操作方法としてニーダー(混練機)を用いて上記のエ
スプレン600FにH−32(以下の表中にはATHと
略称),フレームカット110R(表中にはデカブロと
略称)及びATOX−Sを添加して4成分系の混練を行
い、有機過酸化物による160℃,15分間の加硫を行
い、射出成形手段によって試料を作成した。この射出成
形手段とは周知のように成形材料を射出シリンダの中で
加熱溶融し、流動化した成形材料を射出プランジャ又は
スクリューによって固く閉じた金型の中に圧入して成形
する方法である。そして上記4成分系の射出成形による
平板を作成し、UL94に基づく垂直燃焼試験に供して
評価した。
【0019】この垂直燃焼試験とは、プラスチックの難
燃度に関する米国規格の一つであり、その試験方法を簡
単に説明する。即ち、規定幅に裁断したサンプルをガス
バーナの炎の先端から2インチの高さに10秒間維持し
てから離して、炎が発生しているか否かを確認し、発炎
した場合には消炎までに要した時間を測定して第1有炎
時間とする。消炎後に再度同一の操作を繰り返して、同
様に消炎までに要した時間を測定して第2有炎時間とす
る。第2有炎時間測定後に更に同一の操作を繰り返し
て、発炎せずに有煙状態であれば、煙が消滅するまでの
時間を測定して第2無煙時間とする。従って上記第1,
第2有炎時間及び第2無煙時間が短いほど難燃性が高い
ものと判断することができる。
燃度に関する米国規格の一つであり、その試験方法を簡
単に説明する。即ち、規定幅に裁断したサンプルをガス
バーナの炎の先端から2インチの高さに10秒間維持し
てから離して、炎が発生しているか否かを確認し、発炎
した場合には消炎までに要した時間を測定して第1有炎
時間とする。消炎後に再度同一の操作を繰り返して、同
様に消炎までに要した時間を測定して第2有炎時間とす
る。第2有炎時間測定後に更に同一の操作を繰り返し
て、発炎せずに有煙状態であれば、煙が消滅するまでの
時間を測定して第2無煙時間とする。従って上記第1,
第2有炎時間及び第2無煙時間が短いほど難燃性が高い
ものと判断することができる。
【0020】先ず上記難燃剤の効果を確認するための比
較実験として、難燃剤としてのデカブロムジフェニルエ
ーテルと三酸化アンチモンを添加せず、EPDMゴムに
充填材としての水酸化アルミニウムを100phr,1
20phr,140phr充填した3例について燃焼試
験を行った。その結果を表1に示す。尚、上記100p
hr(per hundred resin)とは、EPDMゴム100
重量部に対して水酸化アルミニウムが100重量部の添
加割合であることを表している。
較実験として、難燃剤としてのデカブロムジフェニルエ
ーテルと三酸化アンチモンを添加せず、EPDMゴムに
充填材としての水酸化アルミニウムを100phr,1
20phr,140phr充填した3例について燃焼試
験を行った。その結果を表1に示す。尚、上記100p
hr(per hundred resin)とは、EPDMゴム100
重量部に対して水酸化アルミニウムが100重量部の添
加割合であることを表している。
【0021】
【表1】
【0022】表1における比較例−1では、第1有炎時
間200秒で試料が燃え尽きた。又、比較例−2では、
第1有炎時間は20秒であり、第2有炎時間150秒で
試料が燃え尽きた。更に比較例−3では充填材としての
水酸化アルミニウムの充填量が多すぎて粘度が高くな
り、混練不可能であった。
間200秒で試料が燃え尽きた。又、比較例−2では、
第1有炎時間は20秒であり、第2有炎時間150秒で
試料が燃え尽きた。更に比較例−3では充填材としての
水酸化アルミニウムの充填量が多すぎて粘度が高くな
り、混練不可能であった。
【0023】次に水酸化アルミニウムの充填量を100
phrとして、難燃剤としてのデカブロムジフェニルエ
ーテルと三酸化アンチモンの最適配合比を求めるため、
両者の合計量を30phrとして適宜配合比を変え、前
記と同様な操作を経て試料を作成し、垂直燃焼試験に供
した。その結果を表2,表3に示す。
phrとして、難燃剤としてのデカブロムジフェニルエ
ーテルと三酸化アンチモンの最適配合比を求めるため、
両者の合計量を30phrとして適宜配合比を変え、前
記と同様な操作を経て試料を作成し、垂直燃焼試験に供
した。その結果を表2,表3に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表2,表3の実験ではデカブロムジフェニ
ルエーテルと三酸化アンチモンの配合比を5phrきざ
みで変更して試料を作成した。そして燃焼試験の結果か
ら、デカブロムジフェニルエーテル/三酸化アンチモン
の比が1〜5(実施例2,3,4)であれば難燃効果が
高いことが判明した。中でも上記比が2である実施例3
に示したデカブロムジフェニルエーテル20phr,三
酸化アンチモン10phrの配合比が最も良い結果を示
した。
ルエーテルと三酸化アンチモンの配合比を5phrきざ
みで変更して試料を作成した。そして燃焼試験の結果か
ら、デカブロムジフェニルエーテル/三酸化アンチモン
の比が1〜5(実施例2,3,4)であれば難燃効果が
高いことが判明した。中でも上記比が2である実施例3
に示したデカブロムジフェニルエーテル20phr,三
酸化アンチモン10phrの配合比が最も良い結果を示
した。
【0027】そこでデカブロムジフェニルエーテル/三
酸化アンチモンの比を2と決定して、難燃剤の最適添加
量を求める実験を行った。実験はデカブロムジフェニル
エーテルを20phrから5phrきざみで増量し、三
酸化アンチモンはデカブロムジフェニルエーテルの半分
量とした。そして前記と同様な操作を経て試料を作成
し、垂直燃焼試験に供した。その結果を表4,表5に示
す。
酸化アンチモンの比を2と決定して、難燃剤の最適添加
量を求める実験を行った。実験はデカブロムジフェニル
エーテルを20phrから5phrきざみで増量し、三
酸化アンチモンはデカブロムジフェニルエーテルの半分
量とした。そして前記と同様な操作を経て試料を作成
し、垂直燃焼試験に供した。その結果を表4,表5に示
す。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】表4,表5の結果から、デカブロムジフェ
ニルエーテルと三酸化アンチモンとの合計添加量が略4
0phr以上(実施例10〜実施例15)であれば燃焼
試験の結果が良好であることが分かった。尚、上記合計
添加量が50phr以上であることがより一層好まし
い。
ニルエーテルと三酸化アンチモンとの合計添加量が略4
0phr以上(実施例10〜実施例15)であれば燃焼
試験の結果が良好であることが分かった。尚、上記合計
添加量が50phr以上であることがより一層好まし
い。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる屋外用絶縁高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに耐屋外絶縁性に優れた水酸化アルミニウムを充填
し、同時にハロゲン系化合物とアンチモン系化合物を混
練して加硫成形したことにより、ハロゲン系化合物によ
って燃焼時に発生したガスが励起原子・原子団と反応し
て燃焼を抑制し、更にアンチモン系化合物によって脱ハ
ロゲン反応を促進されるとともに燃焼に必要な酸素が遮
断されて、得られた成形物の難燃性を高めることができ
る。
かる屋外用絶縁高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに耐屋外絶縁性に優れた水酸化アルミニウムを充填
し、同時にハロゲン系化合物とアンチモン系化合物を混
練して加硫成形したことにより、ハロゲン系化合物によ
って燃焼時に発生したガスが励起原子・原子団と反応し
て燃焼を抑制し、更にアンチモン系化合物によって脱ハ
ロゲン反応を促進されるとともに燃焼に必要な酸素が遮
断されて、得られた成形物の難燃性を高めることができ
る。
【0032】特に上記難燃剤の配合比を、ハロゲン系化
合物/アンチモン系化合物=1〜5とし、両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように設定したことによって難燃性が高められ、
信頼性の高い屋外用絶縁高分子材料組成物が得られる。
合物/アンチモン系化合物=1〜5とし、両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
であるように設定したことによって難燃性が高められ、
信頼性の高い屋外用絶縁高分子材料組成物が得られる。
【0033】又、充填材として水酸化アルミニウムを添
加することにより、耐屋外絶縁性が良好であり、且つ製
作時に多くの時間と手間がかからず、しかも得られた組
成物の比重は磁器の比重の半分以下であり、製品化した
場合の重量は大幅に軽減可能であるという効果が発揮さ
れる。
加することにより、耐屋外絶縁性が良好であり、且つ製
作時に多くの時間と手間がかからず、しかも得られた組
成物の比重は磁器の比重の半分以下であり、製品化した
場合の重量は大幅に軽減可能であるという効果が発揮さ
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 高分子材料としてEPDMゴムを選択し
て、このEPDMゴムに、充填材として水酸化アルミニ
ウムを添加するとともに、難燃剤としてハロゲン系化合
物及びアンチモン系化合物を添加して得られた混練物を
射出成形手段によって成形したことを特徴とする屋外用
絶縁高分子材料組成物。 - 【請求項2】 前記ハロゲン系化合物がデカブロムジフ
ェニルエーテルであり、アンチモン系化合物が三酸化ア
ンチモンである請求項1記載の屋外用絶縁高分子材料組
成物。 - 【請求項3】 前記難燃剤の配合比は、ハロゲン系化合
物/アンチモン系化合物=1〜5であり、両化合物の総
量がEPDMゴム100重量部に対して40重量部以上
である請求項1記載の屋外用絶縁高分子材料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11295392A JPH05314841A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 屋外用絶縁高分子材料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11295392A JPH05314841A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 屋外用絶縁高分子材料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05314841A true JPH05314841A (ja) | 1993-11-26 |
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ID=14599668
Family Applications (1)
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JP11295392A Pending JPH05314841A (ja) | 1992-05-06 | 1992-05-06 | 屋外用絶縁高分子材料組成物 |
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JP (1) | JPH05314841A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0617435A2 (en) * | 1993-03-26 | 1994-09-28 | Ngk Insulators, Ltd. | Electrically insulating material for composite insulators, process for the production of composite insulators, and composite insulators |
WO2024029144A1 (ja) | 2022-08-05 | 2024-02-08 | Nok株式会社 | 難燃性ゴム組成物およびガスケット |
-
1992
- 1992-05-06 JP JP11295392A patent/JPH05314841A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP0617435A2 (en) * | 1993-03-26 | 1994-09-28 | Ngk Insulators, Ltd. | Electrically insulating material for composite insulators, process for the production of composite insulators, and composite insulators |
EP0617435A3 (en) * | 1993-03-26 | 1994-12-07 | Ngk Insulators Ltd | Electrically insulating material for composite insulators, process for producing composite insulators and composite insulators. |
AU662676B2 (en) * | 1993-03-26 | 1995-09-07 | Ngk Insulators, Ltd. | Electrically insulating material to be used in composite insulators, a process for the production of composite insulators by using such an electrically insulating material for housings thereof, and composite insulators using such an electrically insulating material as housings thereof |
WO2024029144A1 (ja) | 2022-08-05 | 2024-02-08 | Nok株式会社 | 難燃性ゴム組成物およびガスケット |
KR20240115907A (ko) | 2022-08-05 | 2024-07-26 | 에누오케 가부시키가이샤 | 난연성 고무 조성물 및 개스킷 |
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