JP3358318B2 - 屋外用絶縁高分子材料組成物 - Google Patents

屋外用絶縁高分子材料組成物

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JP3358318B2
JP3358318B2 JP22385194A JP22385194A JP3358318B2 JP 3358318 B2 JP3358318 B2 JP 3358318B2 JP 22385194 A JP22385194 A JP 22385194A JP 22385194 A JP22385194 A JP 22385194A JP 3358318 B2 JP3358318 B2 JP 3358318B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高電圧機器で屋外に直接
暴露される絶縁高分子材料を用いた成形品、例えば碍
子,碍管,スペーサ,ブッシング等の組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等を構成
する絶縁材組成物として、下記の技術文献に記載された
例が知られている。
【0003】(1)電気・電子先端技術展と技術セミナ
ー:「屋外用高分子碍子の現状」電力中央研究所 横須
賀研究所 新素材研究室 渡辺、高橋他 (2)EIM−90−3「屋外碍子用ポリマーの長期特
性について」日本ガイシ 国枝、篠窪、中井 (3)ゴム技術シンポジウム:ゴム練り〜理論と実学
1,2,3(日本ゴム協会技術部会) 上記の技術文献に記載されているように、高電圧機器で
屋外に直接暴露される絶縁材料及び構造材料は、従来か
ら電気,機械的に劣化しない磁器製品が使用されてい
る。
【0004】しかしながらこのような従来の絶縁材料及
び構造材料、例えば碍子に代表されるように、磁器は比
重が大きいことから製品自体が重くなって鉄塔の強度に
制限が生じる上、コンパクト化及び美化を妨げていると
いう難点がある。又、磁器自体が硬く且つ脆い性質を有
しているため、碍子外側での気中閃絡時の電気エネルギ
ーによる衝撃で碍子の笠が割れてしまい、鉄塔から部品
が落下したり、ソレスター素子を内在する碍管では過大
な雷サージを吸収する場合に生じる素子の貫通または素
子外側の閃絡によるエネルギーで素子と碍管との隙間に
ある空気が膨張,爆発して碍管が飛散することがあると
いう問題点がある。
【0005】上記に鑑みて、磁器と比べて相対的に耐衝
撃性が高く、且つ軽量である高分子材料による磁器製品
との置き換えが以前から検討されている。そして初期段
階では、高分子材料としてエポキシ樹脂が選択されてい
る。このエポキシ樹脂には低粘度の液体のものから固体
のものまであり、硬化剤又は触媒の存在で室温或は加熱
下で容易に硬化する。そして硬化時の収縮が少なく、水
とかガスを発生しないという特徴があり、且つ反応性に
富んだ硬化物を与えることで知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の高
分子材料、特に初期に検討されたエポキシ樹脂は、耐屋
外性,耐トラッキング性等が不十分であり、又、フラッ
シュオーバー時に笠割れが生じるという問題点がある。
【0007】上記の問題点に対処するため、例えば高分
子材料として採用したエポキシ樹脂にシリコーン樹脂等
の表面コーティングを行う方法が考慮されるが、この方
法は時間と手間が多くかかる工程を採らざるを得ず、ま
た本質的にエポキシ樹脂の改良も求められている現状に
ある。しかしエポキシ樹脂として耐候性の高いグレード
のものを選択しても所詮エポキシ樹脂の中の相対順位の
問題であり、抜本的な問題解決とはなっていない。
【0008】更に高分子である以上は酸化及び熱に起因
する劣化が発生することは避けられず、特に碍子とか碍
管の連結部強度が疲労で低下し易く、50年の寿命をも
保持することが困難である。これら高分子碍子とか高分
子碍管は機械的強度を受け持つ部分の周囲を所望の耐候
性、耐トラッキング性を有する高分子が覆う構造である
ことが前提となっているため、これらの高分子材料の特
性が重要となってくるわけである。
【0009】本出願人は上記高分子材料としてのエポキ
シ樹脂に代えて、ゴムコンパウンド(合成ゴム化合物)
を用いたモールディング構造の検討を行った。一般的に
ゴムコンパウンドを加硫するために硫黄が用いられてい
るが、硫黄は電気的絶縁性が良好であるとは言えず、得
られた高分子材料組成物の耐トラッキング特性に悪影響
が生じてしまうという難点がある。従ってゴムコンパウ
ンドを用いた時には加硫材料として少なくとも硫黄は使
用しない方が良いことが確認されている。
【0010】そこで電気的絶縁性を高める材料として過
酸化物(パーオキサイド)を採用することが望ましい
が、従来から過酸化物として一般に使用されているパー
ブチルPは反応残渣物がブルーミングを起こして表面抵
抗が低下する惧れがある。このブルーミングとは噴硫又
は発硫とも呼称され、内部の物質が表面に出てきてこれ
を覆う現象を指している。
【0011】そこで本発明はこのような従来の絶縁材料
及び構造材料が有している課題を解消して、耐候性及び
耐トラッキング性に優れ、耐湿性及び絶縁抵抗特性が改
良された軽量な絶縁高分子材料組成物を得ることを目的
とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、高分子材料としてEPDMゴムを選択す
るとともに、該EPDMゴムに充填材として水酸化アル
ミニウムと、電気絶縁性を向上させるためのジアルキル
パーオキサイド系有機過酸化物を添加して、上記3成分
系の混練物を射出成形手段によって成形した屋外用絶縁
高分子材料組成物を提供する。
【0013】上記ジアルキルパーオキサイド系有機過酸
化物として、ジ−t−ブチルパーオキサイド、もしくは
t−ブチルクミルパーオキサイド、もしくはジ−クミル
パーオキサイド、もしくは2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘクタン、もしくは2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘク
タン−3を用いており、実施に際しては、EPDMゴム
100重量部に対してジアルキルパーオキサイド系有機
過酸化物を1.0重量部〜10.0重量部の範囲で添加
する。
【0014】
【作用】かかる高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに充填材としての水酸化アルミニウムと電気絶縁性を
高めるためのジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物
を添加したことにより、充填材の持つ耐屋外絶縁性及び
難燃性に加えて、添加剤の持つ電気的絶縁作用が有効に
生かされて、得られた組成物の耐候性及び耐トラッキン
グ性を高め、耐屋外絶縁性が良好となる。得られた組成
物の比重は磁器の比重の半分以下であり、製品化した場
合の重量が大幅に軽減される。
【0015】
【実施例】以下、本発明にかかる屋外用絶縁高分子材料
組成物の具体的な実施例を説明する。本実施例における
上記組成物は、高電圧機器で屋外に直接暴露される成形
品、例えば碍子,碍管,スペーサ,ブッシング等に採用
される材料及び材料組成を提供するものである。
【0016】通常屋外用絶縁高分子材料として求められ
る要件は、太陽光,特に紫外線の照射と、温度変化及び
風雨等の自然環境の元で電圧が常時かかっている状態、
所謂屋外暴露課電状態で材料の変質がなく、且つ壊れた
りしないという本質的な要求の外に、材料自体が難燃性
を有し、且つ軽量化されていることが大きな要件となっ
ている。
【0017】本実施例では上記の要件を満足するため、
高分子材料としてエチレンプロピレンジエンモノマーラ
バー(Ethylen Propylene Diene Monomer Rubber,以下
EPDMゴムと略称する)を選択し、充填材として耐屋
外絶縁性に優れ、難燃性を合わせ持つ水酸化アルミニウ
ムを用いた。上記の2成分が耐候性と耐トラッキング性
を高めるための特性中心となるものであるが、本実施例
では更に電気絶縁性を向上させるため、ジアルキルパー
オキサイド系有機過酸化物を添加して、このジアルキル
パーオキサイド系有機過酸化物の添加効果を得られた組
成物の表面抵抗値の測定により確認した。
【0018】実施に際し、EPDMゴムとして住友化学
製エスプレン670Fを使用し、水酸化アルミニウムと
して昭和電工製ハイジライトシリーズであるH−42M
を使用した。
【0019】EPDMゴムとは共役二重結合が二つある
化合物の総称であり、一般にエチレンとプロピレンのゴ
ム状共重合体をEPMといい、この重合体と側鎖に不飽
和基を持たせたものが前記EPDMゴムである。尚、こ
れらを総称してEPR(エチレンプロピレンラバー)と
いうこともある。
【0020】又、上記ハイジライトシリーズはバイヤー
法で製造される代表的な水酸化アルミニウムであり、中
でも本実施例で採用したH−42Mは微粒ハイジライト
に属している。このH−42Mは200〜350℃で大
きな吸熱反応を伴って激しく脱水分解し、ゴムに添加す
ることによって加熱時の温度上昇が抑えられるとともに
自己消火性を促して発煙が抑制され、有害ガスが発生し
ない上、耐アーク,耐トラッキング性が向上するという
特長を有している。
【0021】更にジアルキルパーオキサイド系有機過酸
化物として、日本油脂製のパーブチルD,パーブチル
C,パークミルD,パークミルD−40,パークミルD
−40MB(K),パーヘキサ25B,パーヘキサ25
B−40,パーヘキサ25B−40MB(K),パーヘ
キシン25B,パーヘキシン25B−40を採用した。
これら有機過酸化物に関して以下順次説明する。
【0022】パーブチルDは、化学名がジ−t−ブチル
パーオキサイドで液状を呈し、過酸化物含有量は98%
(min)で活性酸素量は10.73%(min)とな
っている。
【0023】以下に本発明の具体的な実施例を説明す
る。即ち、上記のエスプレン670FとH−42M及び
パーブチルDを適量の加硫剤及び加硫促進剤とともにニ
ーダー(混練機)で十分に混練し、射出成形手段によっ
て試料を作成した。この射出成形手段とは周知のように
成形材料を射出シリンダの中で加熱溶融し、流動化した
成形材料を射出プランジャ又はスクリューによって固く
閉じた金型の中に圧入して成形する方法である。成形後
に適宜温度での加硫を行い、得られた平板状の試料をイ
オン交換水中に30分間浸漬してから四端子法によって
表面抵抗値を測定した。
【0024】実施に先立って、パーブチルDに代えて電
気絶縁性向上のために従来から採用されているパーブチ
ルPを用いた試料を作成して比較例とした。このパーブ
チルPとは、α,α′ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼンである。
【0025】得られた比較例4例の抵抗値(1013[Ω
・cm])を測定した結果を表1に示す。尚、試験電圧
はDC1(kV)とした。
【0026】
【表1】
【0027】表1における比較例1,2,3,4は、エ
スプレン670Fに充填材としてH−42Mを適量混合
し、更にパーブチルPを2.0(phr)添加して前記
混練及び射出成形手段によって得た試料の表面抵抗値の
測定結果を示している。表1によれば、比較例1,2,
3,4の表面抵抗値はそれぞれ0.15,0.20,0.
21,0.18(1013[Ω・cm])であった。
【0028】次に本実施例を適用した試料を作成して、
上記表面抵抗値を測定した結果を表2〜表4に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表2に示す実施例1,2,3,4は、エス
プレン670Fに充填材として水酸化アルミニウム(A
TH)H−42Mを添加してからパーブチルDを1.0
phr(per hundred resin)添加して、前記した混練
及び射出成形手段により成形した各試料について表面抵
抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.
98,2.94,2.93,2.96(1013[Ω・c
m])であった。
【0033】表3に示す実施例5.6.7,8は、上記
例におけるパーブチルDを5.0phr添加して同様に
して成形した各試料について表面抵抗値を測定した結果
であり、表面抵抗値はそれぞれ2.12,2.15,2.
11,2.14(1013[Ω・cm])であった。
【0034】表4に示す実施例9,10,11,12
は、上記例におけるパーブチルDを10.0phr添加
して同様にして成形した各試料について表面抵抗値を測
定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ1.34,1.
37,1.36,1.33(1013[Ω・cm])であっ
た。
【0035】尚、上記1.0phrとは、エスプレン6
70Fの100重量部に対してパーブチルDが1.0重
量部の添加割合であることを表わしている。
【0036】表2〜表4によれば、パーヘキサ3Mを
1.0phr〜10.0phr添加した各試料の表面抵抗
値が1.33〜2.98(1013[Ω・cm])の範囲に
あり、高い絶縁抵抗特性を有している。従ってパーブチ
ルDの添加量は1.0phr〜10.0phrの範囲にあ
ることが好ましいことが確認された。
【0037】次に上記実施例におけるパーブチルDに代
えて、他のジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物で
あるパーブチルCを用いた場合の各試料の表面抵抗値を
測定した結果を表5〜表7に示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】パーブチルCとは、化学名がt−ブチルク
ミルパーオキサイドで液状を呈し、過酸化物含有量は9
0%(min)で活性酸素量は6.92%(min)と
なっている。
【0042】表5に示す実施例13,14,15,16
は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミニ
ウム(ATH)H−42Mを添加してからパーブチルC
を1.0phr添加して、前記した混練及び射出成形手
段により成形した各試料について表面抵抗値を測定した
結果であり、表面抵抗値はそれぞれ5.30,5.27,
5.32,5.29(1013[Ω・cm])であった。
【0043】表6に示す実施例17,18,19,20
は、上記例におけるパーブチルCを5.0phr添加し
て同様にして成形した各試料について表面抵抗値を測定
した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ3.72,3.7
6,3.76,3.75(1013[Ω・cm])であっ
た。
【0044】表7に示す実施例21,22,23,24
は、上記例におけるパーブチルCを10.0phr添加
して同様にして成形した各試料について表面抵抗値を測
定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.01,1.
98,1.97,1.94(1013[Ω・cm])と高い
絶縁抵抗特性を示した。従ってパーブチルCの添加量は
1.0phr〜10.0phrの範囲にあることが好まし
いことが確認された。
【0045】次に上記実施例におけるパーブチルCに代
えて、他のジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物で
あるパークミルDを用いた場合の各試料の表面抵抗値を
測定した結果を表8〜表10に示す。
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
【0049】パークミルDとは、化学名がジ−クミルパ
ーオキサイドでフレーク状又は粉末状を呈し、フレーク
状のものの過酸化物含有量は98%(min)で活性酸
素量は5.77%(min)、粉末状のものの過酸化物
含有量は40%(min)で活性酸素量は2.34%
(min)となっている。
【0050】表8に示す実施例25,26,27,28
は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミニ
ウム(ATH)H−42Mを添加してからパークミルD
を1.0phr添加して、前記した混練及び射出成形手
段により成形した各試料について表面抵抗値を測定した
結果であり、表面抵抗値はそれぞれ4.14,4.16,
4.11,4.13(1013[Ω・cm])であった。
【0051】表9に示す実施例29,30,31,32
は、上記例におけるパークミルDを5.0phr添加し
て同様にして成形した各試料について表面抵抗値を測定
した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.49,2.5
2,2.51,2.50(1013[Ω・cm])であっ
た。
【0052】表10に示す実施例33,34,35,3
6は、上記例におけるパークミルDを10.0phr添
加して同様にして成形した各試料について表面抵抗値を
測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ0.25,
0.27,0.28,0.26(1013[Ω・cm])であ
った。
【0053】表8〜表10によれば、パークミルDを
1.0phr〜5.0phr添加した各試料の表面抵抗値
が2.49〜4.16(1013[Ω・cm])の範囲に
あり、高い絶縁抵抗特性を有しているのに対して、パー
クミルDを10.0phr添加した試料の表面抵抗値は
0.25〜0.28であって従来例(表1)と近似した値
となっている。従ってパークミルDの添加量は1.0〜
5.0phrの範囲にあることが好ましいことが確認さ
れた。
【0054】次に上記実施例におけるパークミルDに代
えて、他のジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物で
あるパークミルD−40を用いた場合の各試料の表面抵
抗値を測定した結果を表11〜表13に示す。
【0055】
【表11】
【0056】
【表12】
【0057】
【表13】
【0058】パークミルD−40とは、パークミルDの
濃度40%品であり、他の60%は炭酸カルシウム等の
無機フィラーで構成されている。
【0059】表11に示す実施例37,38,39,4
0は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミ
ニウム(ATH)H−42Mを添加してからパークミル
D−40を1.0phr添加して、前記した混練及び射
出成形手段により成形した各試料について表面抵抗値を
測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ4.93,
4.94,4.97,4.95(1013[Ω・cm])であ
った。
【0060】表12に示す実施例41,42,43,4
4は、上記例におけるパークミルD−40を5.0ph
r添加して同様にして成形した各試料について表面抵抗
値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.7
0,2.70,2.73,2.72(1013[Ω・cm])
であった。
【0061】表13に示す実施例45,46,47,4
8は、上記例におけるパークミルD−40を10.0p
hr添加して同様にして成形した各試料について表面抵
抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.
23,2.25,2.22,2.24(1013[Ω・c
m])と高い絶縁抵抗特性を示した。従ってパークミル
D−40の添加量は1.0phr〜10.0phrの範囲
にあることが好ましいことが確認された。
【0062】次に上記実施例におけるパークミルD−4
0に代えて、パークミルD−40MB(K)を用いた場
合の各試料の表面抵抗値を測定した結果は基本的にパー
クミルD−40を用いた場合と同一であった。このパー
クミルD−40MB(K)はパークミルD−40の形状
が変形した例であって、角ペレットタイプ及びシートタ
イプのものは純度が40%,比重が1.07、架橋温度
は1分間の半減期温度が171℃となっている。
【0063】次に上記実施例におけるパークミルD−4
0MB(K)に代えて、他のジアルキルパーオキサイド
系有機過酸化物であるパーヘキサ25Bを用いた場合の
各試料の表面抵抗値を測定した結果を表14〜表16に
示す。
【0064】
【表14】
【0065】
【表15】
【0066】
【表16】
【0067】パーヘキサ25Bとは、化学名が2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘクタ
ンで液状又は粉末状を呈し、液状のものの過酸化物含有
量は90%(min)で活性酸素量は9.92%(mi
n)、粉末状のものの過酸化物含有量は40%(mi
n)で活性酸素量は4.38%(min)となってい
る。
【0068】表14に示す実施例49,50,51,5
2は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミ
ニウム(ATH)H−42Mを添加してからパーヘキサ
25Bを1.0phr添加して、前記した混練及び射出
成形手段により成形した各試料について表面抵抗値を測
定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ6.38,6.
42,6.30,6.39(1013[Ω・cm])であっ
た。
【0069】表15に示す実施例53,54,55,5
6は、上記例におけるパーヘキサ25Bを5.0phr
添加して同様にして成形した各試料について表面抵抗値
を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ5.0
3,4.99,4.98,4.97(1013[Ω・cm])
であった。
【0070】表16に示す実施例57,58,59,6
0は、上記例におけるパーヘキサ25Bを10.0ph
r添加して同様にして成形した各試料について表面抵抗
値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ4.1
4,4.16,4.17,4.15(1013[Ω・cm])
と高い絶縁抵抗特性を示した。従ってパーヘキサ25B
の添加量は1.0phr〜10.0phrの範囲にあるこ
とが好ましいことが確認された。
【0071】次に上記実施例におけるパーヘキサ25B
に代えて、他のジアルキルパーオキサイド系有機過酸化
物であるパーヘキサ25B−40を用いた場合の各試料
の表面抵抗値を測定した結果を表17〜表19に示す。
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
【0075】パーヘキサ25B−40とは、パーヘキサ
25Bの濃度40%品であり、他の60%は炭酸カルシ
ウム等の無機フィラーで構成されている。
【0076】表17に示す実施例61,62,63,6
4は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミ
ニウム(ATH)H−42Mを添加してからパーヘキサ
25B−40を1.0phr添加して、前記した混練及
び射出成形手段により成形した各試料について表面抵抗
値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ9.1
6,9.20,9.18,9.15(1013[Ω・cm])
であった。
【0077】表18に示す実施例65,66,67,6
8は、上記例におけるパーヘキサ25B−40を5.0
phr添加して同様にして成形した各試料について表面
抵抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ
6.45,6.43,6.40,6.41(1013[Ω・c
m])であった。
【0078】表19に示す実施例69,70,71,7
2は、上記例におけるパーヘキサ25B−40を10.
0phr添加して同様にして成形した各試料について表
面抵抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ
5.22,5.27,5.24,5.25(1013[Ω・c
m])と高い絶縁抵抗特性を示した。従ってパーヘキサ
25B−40の添加量は1.0phr〜10.0phrの
範囲にあることが好ましいことが確認された。
【0079】次に上記実施例におけるパーヘキサ25B
−40に代えて、パーヘキサ25B−40MB(K)を
用いた場合の各試料の表面抵抗値を測定した結果は基本
的にパーヘキサ25B−40を用いた場合と同一であっ
た。このパーヘキサ25B−40MB(K)はパーヘキ
サ25B−40の形状が変形した例であって、角ペレッ
トタイプ及びシートタイプのものは純度が40%,比重
が1.05、架橋温度は1分間の半減期温度が179℃
となっている。
【0080】次に上記実施例におけるパーヘキサ25B
−40MB(K)に代えて、他のジアルキルパーオキサ
イド系有機過酸化物であるパーヘキシン25Bを用いた
場合の各試料の表面抵抗値を測定した結果を表20〜表
22に示す。
【0081】
【表20】
【0082】
【表21】
【0083】
【表22】
【0084】パーヘキシン25Bとは、化学名が2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘク
タン−3で液状又は粉末状を呈し、液状のものの過酸化
物含有量は90%(min)で活性酸素量は10.06
%(min)、粉末状のものの過酸化物含有量は40%
(min)で活性酸素量は4.42%(min)となっ
ている。
【0085】表20に示す実施例73,74,75,7
6は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミ
ニウム(ATH)H−42Mを添加してからパーヘキシ
ン25Bを1.0phr添加して、前記した混練及び射
出成形手段により成形した各試料について表面抵抗値を
測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ3.93,
3.97,3.94,3.96(1013[Ω・cm])であ
った。
【0086】表21に示す実施例77,78,79,8
0は、上記例におけるパーヘキシン25Bを5.0ph
r添加して同様にして成形した各試料について表面抵抗
値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ3.3
9,3.41,3.42,3.41(1013[Ω・cm])
であった。
【0087】表22に示す実施例81,82,83,8
4は、上記例におけるパーヘキシン25Bを10.0p
hr添加して同様にして成形した各試料について表面抵
抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ2.
55,2.54,2.53,2.56(1013[Ω・c
m])と高い絶縁抵抗特性を示した。従ってパーヘキシ
ン25Bの添加量は1.0phr〜10.0phrの範囲
にあることが好ましいことが確認された。
【0088】次に上記実施例におけるパーヘキシン25
Bに代えてパーヘキシン25B−40を用いた場合の各
試料の表面抵抗値を測定した結果を表23〜表25に示
す。
【0089】
【表23】
【0090】
【表24】
【0091】
【表25】
【0092】パーヘキシン25B−40とは、パーヘキ
シン25Bの濃度40%品であり、他の60%は炭酸カ
ルシウム等の無機フィラーで構成されている。
【0093】表23に示す実施例85,86,87,8
8は、エスプレン670Fに充填材として水酸化アルミ
ニウム(ATH)H−42Mを添加してからパーヘキシ
ン25B−40を1.0phr添加して、前記した混練
及び射出成形手段により成形した各試料について表面抵
抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ5.
46,5.43,5.42,5.40(1013[Ω・c
m])であった。
【0094】表24に示す実施例89,90,91,9
2は、上記例におけるパーヘキシン25B−40を5.
0phr添加して同様にして成形した各試料について表
面抵抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ
5.13,5.14,5.10,5.12(1013[Ω・c
m])であった。
【0095】表25に示す実施例93,94,95,9
6、上記例におけるパーヘキシン25B−40を10.
0phr添加して同様にして成形した各試料について表
面抵抗値を測定した結果であり、表面抵抗値はそれぞれ
3.84,3.86,3.89,3.88(1013[Ω・c
m])と高い絶縁抵抗特性を示した。従ってパーヘキシ
ン25B−40の添加量は1.0phr〜10.0phr
の範囲にあることが好ましいことが確認された。
【0096】本実施例によって得られた試料の比重は、
従来用いられている磁器の半分以下であり、製品化した
場合の重量を大幅に軽減することが可能となる。
【0097】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にか
かる屋外用絶縁高分子材料組成物によれば、EPDMゴ
ムに充填材として水酸化アルミニウムと、電気絶縁性を
高めるためのジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物
を添加したことにより、充填材の持つ耐屋外絶縁性及び
難燃性に加えて、添加剤の持つ電気的絶縁作用が有効に
生かされて、得られた組成物の耐候性及び耐トラッキン
グ性を高め、耐屋外絶縁性が良好で実用性が高い絶縁高
分子材料組成物を得ることが出来る。そして製作時に多
くの時間と手間がかからず、得られた組成物の比重は磁
器の比重の半分以下であり、製品化した場合の重量が大
幅に軽減されるという効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/16 - 3/56

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料としてEPDMゴムを選択す
    るとともに、該EPDMゴムに充填材として水酸化アル
    ミニウムと、電気絶縁性を向上させるためのジアルキル
    パーオキサイド系有機過酸化物を添加して、上記3成分
    系の混練物を射出成形手段によって成形したことを特徴
    とする屋外用絶縁高分子材料組成物。
  2. 【請求項2】 上記ジアルキルパーオキサイド系有機過
    酸化物として、ジ−t−ブチルパーオキサイド、もしく
    はt−ブチルクミルパーオキサイド、もしくはジ−クミ
    ルパーオキサイド、もしくは2,5−ジメチル−2,5
    −ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘクタン、もしくは2,
    5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
    クタン−3を用いた請求項1記載の屋外用絶縁高分子材
    料組成物。
  3. 【請求項3】 EPDMゴム100重量部に対して前記
    ジアルキルパーオキサイド系有機過酸化物を1.0重量
    部〜10.0重量部の範囲で添加した請求項1記載の屋
    外用絶縁高分子材料組成物。
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