JPH09296453A - 法面安定化構造物の構築工法 - Google Patents

法面安定化構造物の構築工法

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JPH09296453A
JPH09296453A JP8113940A JP11394096A JPH09296453A JP H09296453 A JPH09296453 A JP H09296453A JP 8113940 A JP8113940 A JP 8113940A JP 11394096 A JP11394096 A JP 11394096A JP H09296453 A JPH09296453 A JP H09296453A
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JP
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mortar
air
pressure
concrete
pipeline
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JP8113940A
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English (en)
Inventor
Shoji Shimizu
尚二 清水
Koji Sugiyama
好司 杉山
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Raito Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Raito Kogyo Co Ltd
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】打設後の硬化材料のダレ、搬送中の硬化材料の
脈動、および搬送管路の閉塞などを解決した法面安定化
構造物の構築工法を提供する。 【解決手段】混練されたモルタルを圧送ポンプ9により
圧送管路10A、Y字管14、およびエア圧送管路を介
して圧送し、その管路の先端の吹付ノズルから型枠20
に吹き付けるとともに、Y字管14にてコンプレッサー
12からの空気を吹込み、この空気を連行して、吹付ノ
ズル11から吹き付ける法面安定化構造物の構築工法に
おいて、前記モルタルは、セメント:砂=1:2.5〜
3.6、セメントに対して、5〜15重量%のシリカヒ
ュームおよび0.5〜5重量%の高性能減水剤を含有
し、かつ、スランプ値が10〜25cm、水セメント比が
40〜70%とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、打設後の硬
化材料のダレ、搬送中の硬化材料の脈動、および搬送管
路の閉塞などを解決した法面安定化構造物の構築工法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の法面安定化構造物の構築
工法としては、固練りの硬化材料を加圧タンクからの高
圧エアによりホース内に圧送し、このホースの先端に連
結した吹付ノズルから、対象法面に設けられた型枠内に
打設する、全エア搬送式の吹付方法が一般的であった。
【0003】しかし、この吹付方法は、固練りの硬化材
料を用いる点、およびこの硬化材料を長距離にわたって
エア搬送する点から、反発ロスの発生や型枠への充填性
に欠ける等の間題を抱えており、高強度の法枠を構築す
ることは困難であった。
【0004】そこで、本出願人は、より高強度で品質の
安定した法枠を得ることのできる法枠構築工法として、
特開平6一108470号公報において、軟練りの硬化
材料をコンクリート圧送ポンプにより管路を介して圧送
するとともに、管路途中においてエアを吹込み、このエ
アを硬化材料に連行せしめ、管路先端に連結する吹付ノ
ズルから硬化材料を型枠内に打設する、ポンプ併用式の
吹付工法を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポンプ
併用式の吹付方法により法枠を構築する場合、反発ロス
の発生や型枠への充填性は大幅に改善されるが、硬化材
料が非常に軟練りであるため、下記に示すような間題点
がある。
【0006】(1)打設した硬化材料がダレやすく、打
設後のコテ均しに多大な時間を要し、施工性が極めて悪
い。また、ダレやすいことによって、打設後の硬化材料
が型枠外にこぼれ落ちる打設ロスが多くなり不経済であ
る。さらに、硬化途中でダレを起こした場合、硬化物に
クラックを生じさせる虞れがある。
【0007】このようなダレを防止するため、公知の増
粘剤、例えばカルボキシルメチルセルローズ系(以下、
CMC系という)を硬化材料中に添加するという方法も
考えられる。しかし、本発明者の知見によれば、公知の
増粘剤を添加した場合、ダレを防止できる一方で、エア
搬送時に硬化材料が脈動するという問題点がある。さら
には、硬化材料によって管路が閉塞されることもある。
したがって、円滑な打設を行うことができない。
【0008】(2)例えば、吹付地点と硬化材料の混練
地点との距離が遠いなどの理由で、長距離の管路搬送が
必要とされる場合、軟練りの硬化材料は、これに減水剤
等を添加したとしても、水/セメント比が高くなりポン
プ搬送中にブリージングを起こしやすい。また、このブ
リージングによって管路が閉塞される虞れがある。
【0009】そこで、本発明の課題は、第1に、打設後
の硬化材料がダレにくくコテ均しが効率的に行え、第2
に、硬化材料の脈動および管路の閉塞がなく圧送ポンプ
による圧送性およびエア搬送性が良好であり、もって、
施工性及び経済性に優れる、法面安定化構造物の構築工
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成した本発
明に係る法面安定化構造物の構築工法は、モルタルまた
はコンクリートを主体とする硬化材料を、ポンプにより
管路を介して圧送し、その管路の先端の吹付ノズルか
ら、地山に固定されかつ上方が開放された型枠内にその
上方から吹付るとともに、管路の途中にて空気を吹込
み、この空気を連行して前記吹付ノズルから硬化材料を
吹き付ける法枠構築工法において、前記モルタルまたは
コンクリート中に、セメントに対して、5〜15重量%
のシリカヒュームおよび0.5〜5重量%の減水剤を含
有し、かつスランプ値が10〜25cmであることを特徴
とするものである。
【0011】本発明に係るモルタルまたはコンクリート
は、セメントに対して5〜15重量%のシリカフューム
を含有するので、後述の実施例からも明らかなように、
シリカフュームを含有しないものと比較して、打設後の
モルタルまたはコンクリートがダレにくい。さらに、エ
ア搬送時のモルタルまたはコンクリートの脈動少なく、
エア搬送管路が閉塞されない。よって、円滑にエア搬送
を行うことができ、施工性が良好である。
【0012】また、本発明に係るモルタルまたはコンク
リートは、セメントに対して5〜15重量%のシリカフ
ュームを含有し、さらにセメントに対して0.5〜5重
量%の減水剤を含有するので、これらを含有しないもの
と比較してブリージング量が少ない。さらに、後述の実
施例に示されるとおり、公知の増粘剤を添加したものに
比ベ、ポンプ圧送中の圧送抵抗が少ないため、圧送管路
が閉塞されることなく円滑に長距離圧送が行える。
【0013】さらに、本発明においては、モルタルまた
はコンクリートはスランプ値が10〜25cmと軟練りで
あるとともに、管路先端付近でエアを混入するポンプ併
用式の吹付工法を採用しているため、吹付時の反発ロス
の発生が抑制されるとともに型枠内の鉄筋回りや隅部ま
で充分にモルタルが行き渡る。よって、型枠への充填性
に優れる。
【0014】他方、上述の法面安定化構造物の構築工法
においては、請求項2に記載の発明に従って、前記管路
の先端から10〜25mの位置で空気を吹込むのが好適
である。
【0015】これにより、ダレ防止効果をさらに向上さ
せ、かつ良好なエア搬送をおこなうことができる。さら
に、構築後の法面安定化構造物は、強度にバラツキがな
く品質の安定したものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る法面安定化構
造物の構築工法の施工形態を図面を参照しながらさらに
詳説する。図1は全体図であり、砂1をショベル車2な
どによりホッパー3に投入し、ベルトコンベア4により
計量器5に投入する。計量後、それらをミキサー6に投
入するとともに、図示しない貯留夕ンクに貯留されたセ
メント7a、シリカフューム7b、高性能減水剤7c、
および水タンク8からの水を所定量だけ供給してミキサ
ー6にて混練する。
【0017】混練したモルタルは、スクイズポンプやピ
ストンポンプなどの圧送ポンプ9により圧送管路10
A、エア搬送管路10Bを通して、吹付ノズル11に圧
送する。一方で、コンプレッサー12からのエアを、エ
ア供給管路13を介して、圧送管路10Aの先端に位置
するY字管14からモルタル中に投入する。これによっ
て、モルタル中にエアが連行され、エア搬送管路10B
を通って吹付ノズル11から吐出される。この際、空気
量または空気圧は、モルタルの性状または吹付状況によ
って、流量・圧力調整器15により調整されるようにな
っている。
【0018】ここで、圧送管路10Aは金属管で構成
し、エア搬送管路10Bは可撓性の耐圧ホースとするの
が好適である。前記圧送管路10Aには可撓性耐圧ホー
スを使用することもできる。空気を連行させるY字管1
4の位置(耐圧ホース10Bの長さに相当する)として
は、吹付ノズル11から10〜25mが好ましい。
【0019】空気の投入位置が吹付ノズル11に近い
と、吹き付けたモルタルがダレやすく、コテ均し等の施
工性を悪化させるとともに、硬化物の品質低下をもたら
す。逆に、過度に遠いと、エア搬送管路10B内におい
てモルタルが脈動し、この管路10Bが開塞する虞れが
ある。
【0020】型枠は、図2に示すように、法面上に、金
網、パンチングメタル、エキスパンドメタル等の有孔材
からなる単位型枠20を平行に隣接して立設し、例えば
格子状に組み上げるのが好ましい。この場合、隣接する
単位型枠20、20同士は、鋼棒や鋼線などによる連結
材21にて連結するとともに、長手方向に鉄筋22を配
し連結材21に番線などにより固定する。さらに、必要
箇所に、例えばアンカーピン23等を地山に対して打ち
込む。このように法面に設置された型枠20の開放上面
は、法面の傾斜と略平行状態とされる。
【0021】ここでは、法枠用の型枠を例示したが、型
枠はこれに限定されるものではなく、アンカーの受圧構
造物等に利用される方形状の型枠を用いることもでき
る。
【0022】かかる段取りが終了したならば、図3に示
すように、作業員が、エア搬送管路10Bを担いで、吹
付ノズル11を型枠20内に向けた状態で、モルタルを
吹き付け打設する。
【0023】以上、硬化材料としてモルタルを例示して
本発明の施工形態を説明したが、当然、コンクリートを
用いることもできる。この場合、周知のように、砂1を
ミキサー6に投入するまでの工程と同様にして、粗骨材
をミキサー6に投入するだけである。
【0024】次に、本発明に係るモルタルまたはコンク
リートについて説明する。
【0025】本発明のモルタルの配合、セメント
(C):砂(S)の重量比が1:2.5〜1:4.0、
より好適には1:2.5〜1:3.6とされる。C:S
が1:2.5未満では、圧送管路内の圧力が低く圧送性
は良好であるが、単位セメント量が増えることにより、
硬化時においてクラックが生じてしまう。逆に、C:S
が1:4.0を超えると圧送性が悪化するとともに、硬
化物の強度が不足する。
【0026】このモルタルには、セメントに対して5.
0〜15.0重量%のシリカフュームが添加される。シ
リカフュームは、一般に、粒径が1μm以下、平均粒径
は約0.1μm、比表面積は平均20m2 /gである。
本発明では、どのような粒径のものでも便用できるが、
特に0.1〜0.5μmの粒径のものが好ましい。
【0027】シリカフュームの添加量が5.0重量%未
満では、モルタルに含有される材料が分離する、または
打設されたモルタルがダレを起こす。また、15重量%
を超えると、エア搬送時にモルタルが脈動しやすく、エ
ア搬送管路が閉塞されやすくなるとともに、シリカフュ
ームの使用量が多く不経済である。
【0028】さらに、セメントに対して0.5〜5.0
重量%の高性能減水剤が添加される。この高性能減水剤
としては、公知のものを適宜用いることができるが、例
えば花王社製のアニオン系高分子の「マイティ2000WH」
を挙げることができる。この他、高性能減水剤として
は、リグニンスルホン酸系、オキシカルボン酸系、芳香
族系高分子、アルキルアリルエーテルまたはエステル系
のものを用いることができる。
【0029】高性能減水剤の添加量が0.5重量%未満
では、モルタルの水セメント比を低下させて流動性を高
めるのに不十分であり、圧送管路が閉塞されることもあ
る。
【0030】また、5.0重量%より多く添加したとし
ても、その効果は飽和するため不経済である。
【0031】スランプ値は10〜25cm、特に好ましく
は15〜22cmとされる。スランプ値が10cm未満で
は、吹付時に材料が固くなり過ぎて反発ロス量が多くな
る。逆に、スランプ値が25cm以上では打設後のモルタ
ルにダレが生じるとともに、エア搬送時にモルタルが脈
動しやすく、エア搬送管路が閉塞されることもある。
【0032】水(W)/セメント(C)比は40〜70
%、より好ましくは50〜60%とされる。W/Cが低
いと、ポンプ圧送および吹き付けに必要なワーカビリテ
ィー性が得られず、反発ロスが多量となる。逆に、W/
Cが過度に高い場合、圧送管路内においてモルタルのペ
ースト分と骨材とが分離しやすく、該管路が閉塞される
ことがあるとともに、硬化物の強度低下を招く。
【0033】コンクリートの配合としては、セメント:
砂:粗骨材=1:2.5:0.5〜1:3.5:2.0
とされ、シリカフュームの添加量、高性能減水剤の添加
量、水/セメント比、およびスランプ値については前述
のモルタルと同様である。特に、コンクリートの場合、
粗骨材の粒径は15mm以下が好適である。15mmを超え
ると圧送管路における圧送性が悪化する。
【0034】以下、実施例を示して本発明の効果を明ら
かにする。
【0035】表1に、後述の実施例1〜4で使用するモ
ルタルまたはコンクリートの配合例を示す。
【0036】
【表1】
【0037】本発明例1〜6のモルタル配合は、シリカ
フューム添加量を5,10,15重量%の三種類とし、
かつスランプ値を10±3,20±5cmの二種類とし、
これらを種々組み合わせたものであり、本発明例7およ
び8のコンクリート配合は、スランプ値を20±5cmで
一定とし、シリカフューム添加量をそれぞれ5,10重
量%としたものである。
【0038】比較例1および2のモルタル配合は、両者
ともにシリカフュームを3重量%だけ添加し、スランプ
値をそれぞれ10±3,20±5cmとしたものである。
また、比較例3および4のモルタル配合は、両者ともに
シリカフュームを無添加とし、スランプ値をそれぞれ1
0±3,20±5cmとしたものである(以下、プレーン
モルタルともいう)。比較例5および6のモルタル配合
は、前記比較例3および4のモルタル配合のそれぞれ
に、0.5,1.0重量%のCMC系増粘剤を添加し、
スランプ値をそれぞれ10±3,20±5cmとしたもの
である。比較例7のモルタル配合は、全エア搬送方式に
用いる極めて固練りのプレーンモルタルを得るためのも
のである。
【0039】なお、シリカフューム、減水剤、および増
粘剤の添加量は、セメントに対する重量百分率で示して
ある。
【0040】《実施例1》表1に示す配合例のうち、本
発明例1〜8、および比較例1〜6に従ってモルタルお
よびコンクリートを混練し、一方で、圧送ポンプとエア
混入用のY字管とを金属管(長さ30m、内径3inch)
を介して接続し、さらにこのY字管と吹付ノズルとを耐
圧ゴムホース(長さ3〜40m、口径2inch)を介して
接続しておき、混練されたモルタルまたはコンクリート
を、圧送ポンプによって圧送するとともに、Y字管に圧
力5Kgf /cm2 、風量5m3 /min のエアを供給し、吹
付ノズルから60度の斜面に設置された50cm(縦)×
200cm(横)×50cm(深さ)の寸法の型枠内に吹き
付け打設した。この際に、 目視によるダレ防止効果(◎:ほとんどダレない、
○:僅かにダレる、△:少しダレる、×:かなりダレ
る、の4段階評価) エア搬送時の脈動回数(10分間の連続エア搬送をし
た場合の脈動回数) 打設硬化物の圧縮強度(材令28日の硬化物から採取
した3本のコア供試体の圧縮強度の平均値) を評価もしくは測定した。
【0041】この結果、表2に示すように、ダレ防止効
果については、シリカフュームをセメントに対して5〜
15重量%添加した、本発明例1〜6のモルタル(M)
および本発明例7,8のコンクリート(C)は、添加量
が3%以下の比較例1またはシリカフューム無添加の比
較例2,3のモルタル(M)に比べ、全般的に優れたダ
レ防止効果を示すとともに、シリカフューム添加量の増
加にともないダレ防止効果が向上する傾向を示した。ま
た、一般に、スランプ値が低いほどダレ防止効果が向上
するのであるが、本発明例1〜8においては、スランプ
値=20±5cmのものでも充分なダレ防止効果を発揮す
ることが確認された。さらに、エア搬送距離との関係で
は、搬送距離が長くなるほどダレ防止効果が向上する傾
向にあり、少なくとも搬送距離を5m以上にすると充分
なダレ防止効果を得ることが判明した。
【0042】エア搬送時の脈動回数については、表3に
示すように、本発明例1〜6のモルタル(M)および本
発明例7,8のコンクリート(C)は、エア搬送距難が
30m以下であれば脈動回数が少なく、エア搬送性に優
れていることが確認された。
【0043】また、エア搬送距離を短くするほど脈動回
数が少なくなり、エア搬送性が向上することが分かっ
た。
【0044】ただし、エア搬送距離と圧縮強度との関係
では、表4に示すように、エア搬送距離が長くなるに従
い若干圧縮強度が低下する傾向にあった。これは、エア
搬送距離が長くなると、脈動回数が多くなり反発ロスが
発生しやすくなることが原因だと考えられる。
【0045】一方、CMC系の増粘剤を添加した比較例
5,6のモルタル(M)は、本発明例1〜6のモルタル
(M)または本発明例7,8のコンクリート(C)と同
様に良好なダレ防止効果を示したが、エア搬送時の脈動
回数が多く、エア搬送性は悪いことが確認された。
【0046】このように、ダレ防止効果、エア搬送性
(脈動回数)及び圧縮強度の3つ要素を考慮するなら
ば、本発明例1〜6のモルタル(M)または本発明例
7,8のコンクリート(C)を用いる場合、エア搬送距
離、すなわち吹付ノズルからY字管までの距離は、5〜
30mが実用可能な範囲であり、特に10〜25mが好
適である。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】《実施例2》表1に示す配合例のうち、本
発明例3,5のモルタルおよび本発明例8のコンクリー
トと、比較例3,5のモルタルとを混練し、一方で、金
属管(長さ200m、内径3inch)を先端部の高さが3
0mになるように傾斜して配置しておき、前記モルタル
およびコンクリートをピストンポンプにより金属管内に
導入し、10分間の連続圧送の後に10分間停止させる
という運転サイクルを60分問繰り返した。この連続圧
送時の、ポンプ圧送元、圧送元から15m、100mの
各地点での管内圧力を測定した結果を図4〜6に示す。
【0051】図4〜6から明らかなように、シリカフュ
ームを添加した本発明例3,5のモルタル(M)および
本発明例8のコンクリート(C)は、CMC系の増粘剤
を添加した比較例5のモルタル(M)に比べ、いずれの
測定地点においても、管内圧力が低く、圧送ポンプによ
る圧送性に優れているといえる。また、シリカフューム
の添加量を増やすに従い管内圧力が高くなる傾向を示し
た。
【0052】なお、シリカフュームが無添加である比較
例3のモルタル(M)の場合、通常の圧送時にはかなり
圧力が低くて良好な圧送性を示すが、一旦圧送を停止
し、再び圧送を開始した際に閉塞トラブルが発生した。
したがって、このようなプレーンモルタルは断続的な吹
き付けには不向きであることが判明した。
【0053】《実施例3》表1に示す配合例のうち、本
発明例2,5のモルタルおよび本発明例8のコンクリー
トと、比較例3〜5のモルタルとを混練するとともに、
圧送ポンプとエア混入用のY字管とを金属管(長さ30
m、内径3inch)を介して接続し、さらにこのY字管と
吹付ノズルとを耐圧ゴムホース(長さ15m、口径3in
ch)を介して接続しておき、混練されたモルタルまたは
コンクリートを、圧送ポンプによって圧送するととも
に、Y字管に圧力5Kgf /cm2 、風量5m3 /min のエ
アを供給し、吹付ノズルから60度の斜面に設置された
50cm(縦)×50cm(横)×15cm(深さ)の寸法の
型枠内に吹付け打設した。打設時の反発ロス率(吹き付
けたモルタルの総重量に対する反発ロスの重量%)を測
定した結果を図7に示す。
【0054】さらに、表1に示す比較例7の配合に従っ
て混練したモルタルを、耐圧ゴムホース(長さ60m)
を用いた全エア搬送方式の吹付方法により、吹き付け打
設し、この際にも反発ロス率を測定して、その結果を図
7に併記した。
【0055】この結果、図7に示されるように、シリカ
フュームを添加した本発明例2,5のモルタル(M)お
よび本発明例8のコンクリート(C)は、反発ロス率が
4〜8%と、全エア搬送式の比較例7のモルタル(M)
の14%に比べてかなり低いことが分かる。さらに、シ
リカフューム無添加の比較例3,4、またはCMC系の
増粘剤を添加した比較例5のモルタル(M)と比較して
も、本発明例2,5のモルタル(M)は、その反発ロス
率は僅かながら低くなる傾向を示した。本発明例8のコ
ンクリート(C)は、比較例3,5のモルタル(M)と
比較すると、反発ロス率は高くなった。しかし、本発明
例8がコンクリートであるのに対して、比較例3,5は
モルタルであるので一概には比較できない。特に、コン
クリートの吹き付け打設においては、粗骨材が反発しや
すいために反発ロス率が高くなることが考えられるから
である。また、CMC系の増粘剤を添加した比較例5の
モルタル(M)は、実施例1で述べたようにエア搬送中
に脈動しやすく、これに起因して反発ロス率が高くなっ
たと考えられる。
【0056】《実施例4》まず、表1に示す配合例のう
ち、本発明例3,4のモルタルおよび本発明例7のコン
クリートと、比較例3,5とを混練し、一方で、圧送ポ
ンプとエア混入用のY字管とを金属管(長さ30m、口
径3inch)を介して接続し、さらにこのY字管と吹付ノ
ズルとを耐圧ゴムホース(長さ15m、口径2inch)を
介して接続しておき、混練されたモルタルまたはコンク
リートを、圧送ポンプによって圧送するとともに、Y字
管に圧力5Kgf /cm2 、風量5m3 /min のエアを供給
し、吹付ノズルから60度の斜面に設置された50cm
(縦)×50cm(横)×30cm(深さ)の寸法の型枠内
に吹付け打設した。
【0057】次いで、打設後に材令28日に達した各硬
化物から6本のコア供試体(φ5×10cm)を採取し、
それぞれの圧縮強度を測定した。この結果を、各コア供
試体の圧縮強度の最大最小の差とともに図8に示す。
【0058】また、表1に示す比較例7の配合に従って
混練したモルタルを、長さ60mの耐圧ゴムホースを使
用した全エア搬送方式の吹付方法により打設したものに
ついても同様に圧縮強度を測定し、その結果を図8に併
記した。
【0059】図8に示されるように、本発明例3、4の
モルタル(M)および本発明例7のコンクリート(C)
は、圧縮強度の最大と最小の差が18〜25kgf /cm2
の範囲で、全エア搬送方式の比較例7のモルタル(M)
のそれと比較して非常に小さく、強度にバラツキのない
安定した硬化物を得ることが確認された。また、本発明
例3、4のモルタル(M)および本発明例7のコンクリ
ート(C)は、シリカフューム無添加の比較例3のモル
タル(M)またはCMC系増粘剤を添加した比較例5の
モルタル(M)と比べても、圧縮強度の最大と最小の差
が小さかった。
【0060】特に、比較例5のモルタル(M)は、実施
例3に示したように、反発ロス率が高く、これが硬化物
の強度バラツキを大きくしている原因だと考えられる。
【0061】
【発明の効果】以上、詳述のとおり、本発明によれば、
第1に、打設後の硬化材料がダレにくくコテ均しが効率
的に行え、第2に、硬化材料の脈動および管路の閉塞が
なく圧送ポンプによる搬送性およびエア搬送性が良好で
あり、もって、施工性及び経済性に優れる、法面安定化
構造物の構築方法が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の施工形態を説明するための概略図であ
る。
【図2】法枠の構築状況を示す斜視図である。
【図3】吹付状況を示す斜視図である。
【図4】ポンプ圧送元における圧送管の管内圧力を示す
グラフである。
【図5】ポンプ圧送元から15m地点における圧送管の
管内圧力を示すグラフである。
【図6】ポンプ圧送元から100m地点における圧送管
の管内圧力を示すグラフである。
【図7】本発明例および比較例の、反発ロス率を示すグ
ラフである。
【図8】本発明例および比較例の、圧縮強度を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…砂、2…ショベル車、3…ホッパー、4…ベルトコ
ンベア、5…計量器、6…ミキサー、7a…セメント、
7b…シリカフューム、7c…高性能減水剤、8…水タ
ンク、9…圧送ポンプ、10A…圧送管路、10B…エ
ア搬送管路、11…吹付ノズル、12…コンプレッサ
ー、13…エア供給管路、14…Y字管、15…流量・
圧力調整器、20…型枠、21…連結材、22…鉄筋、
23…アンカーピン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 103:32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モルタルまたはコンクリートを主体とする
    硬化材料を、ポンプにより管路を介して圧送し、その管
    路の先端の吹付ノズルから、地山に固定されかつ上方が
    開放された型枠内にその上方から吹付るとともに、管路
    の途中にて空気を吹込み、この空気を連行して前記吹付
    ノズルから硬化材料を吹き付ける法面安定化構造物の構
    築工法において、 前記モルタルまたはコンクリート中に、セメントに対し
    て、5〜15重量%のシリカヒュームおよび0.5〜5
    重量%の減水剤を含有し、かつスランプ値が10〜25
    cmであることを特徴とする法面安定化構造物の構築工
    法。
  2. 【請求項2】前記管路の先端から10〜25mの位置で
    空気を吹込むことを特徴とする請求項1記載の法面安定
    化構造物の構築工法。
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