JPH09296324A - 溶融液晶性ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

溶融液晶性ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維およびその製造方法

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JPH09296324A
JPH09296324A JP11236296A JP11236296A JPH09296324A JP H09296324 A JPH09296324 A JP H09296324A JP 11236296 A JP11236296 A JP 11236296A JP 11236296 A JP11236296 A JP 11236296A JP H09296324 A JPH09296324 A JP H09296324A
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sheath
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liquid crystalline
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Yoshio Kishino
喜雄 岸野
Junyo Nakagawa
潤洋 中川
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高強力高弾性率でフィブリル化や芯鞘剥離が
生じにくい複合繊維及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)
からなる芯成分、屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ
−)を含む鞘成分により構成され、該Aポリマ−および
Bポリマ−が芯鞘界面で混合されていることを特徴とす
る芯鞘型複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、溶融液晶性ポリエ
ステルからなる芯鞘型複合繊維に関し、芯成分と鞘成分
の密着性が良好で耐疲労性に優れ、しかも高強力・高弾
性率を有する繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融液晶性ポリエステル繊維は、高強力
高弾性率を有し、かつ耐熱性、耐薬品性等の諸性能に優
れていることが知られている。近年、溶融液晶性ポリエ
ステルを芯成分、他のポリマ−を鞘成分とする芯鞘型複
合繊維とすることにより耐摩耗性を高める方法等が検討
されており、界面の耐フィブリル性、被覆樹脂の剥離抑
制等に関してより一層の改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】芯鞘界面の剥離を物理
的に改善する方法として、芯鞘型複合繊維の鞘部を厚く
する方法も検討されているが、溶融液晶性ポリエステル
の有する優れた性能(高強力等)が十分発揮されない問
題がある。また、特開平4−100920号公報には、
芯成分に鞘成分が入り込んだ断面形状を有する複合繊維
が提案されているが、多ホ−ルを有する紡糸口金で、た
とえ芯形成ノズル異形にしても、溶融状態では互いに非
相溶性のポリマ−がその表面積を小さくしようと働くた
め、芯成分に鞘成分が入り込んだ界面構造を得るために
は、芯成分および鞘成分を構成するポリマ−の粘度バラ
ンスに著しい制限があり、実用的に困難が伴う。本発明
の目的は、芯成分および鞘成分の界面剥離が改善された
溶融液晶性ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶融液晶性ポ
リエステル(Aポリマ−)からなる芯成分、屈曲性熱可
塑性ポリマ−(Bポリマ−)を含む鞘成分により構成さ
れ、該Aポリマ−およびBポリマ−が芯鞘界面で混合さ
れていることを特徴とする芯鞘型複合繊維、および溶融
液晶性ポリエステル(Aポリマ−)からなる芯成分、屈
曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)を含む鞘成分から
構成された芯鞘複合流を揺らぎ形成層を通過させた後、
ノズルより吐出することを特徴とする芯鞘型複合繊維の
製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施形態】本発明にいう溶融液晶性(溶融異方
性)とは、溶融相において光学的液晶性(異方性)を示
すことである。例えば試料をホットステ−ジにのせ、窒
素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察すること
により認定できる。本発明で用いる溶融液晶性ポリエス
テルは、芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族
ヒドロキシカルボン酸等の反復構成単位からなるが、下
記化1及び化2に示す反復構成単位の組み合わせからな
るものが好ましい。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】特に好ましくは、下記化3に示す反復構成
単位の組み合わせからなるポリマ−が好ましい。特に、
(A)及び(B)の反復構成単位からなる部分が65重量
%以上であるポリマ−であり、特に(B)の成分が4〜
45重量%である芳香族ポリエステルが好ましい。
【0009】
【化3】
【0010】好ましい溶融液晶性ポリエステルの融点
(MP)は、260 〜360 ℃、より好ましくは270 〜350
℃である。ここでいう融点とは、示差走査熱量(DS
C:例えばmettler 社製、TA3000)で観察される主吸
熱ピ−クのピ−ク温度である(JIS K7121)。具体
的には、DSC(例えばMettler 社製 TA3000)
装置に、サンプルを10〜20mgをとりアルミ製パンへ封入
した後、キャリア−ガスとして窒素を100cc/分流し、2
0℃/分で昇温したときの吸熱ピ−クを測定する。ポリ
マ−の種類により上記1st Runで明確な吸熱ピ−クが現
れない場合は、50℃/分の昇温速度で予想される流れ
温度よりも50℃高い温度まで昇温し、その温度で3分
間完全に溶融した後、80℃/分の速度で50℃まで冷
却し、しかる後に20℃/分の昇温速度で吸熱ピ−クを
測定するとよい。
【0011】本発明でAポリマ−として用いる溶融液晶
性ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲
で、ポリエチレンテレフタレ−ト、変性ポリエチレンテ
レフタレ−ト、ポリオレフィン、ポリカ−ボネ−ト、ポ
リアリレ−ト、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイ
ド、ポリエ−テルエステルケトン、フッ素樹脂熱可塑性
ポリマ−を添加しても良い。また酸化チタン、カオリ
ン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カ−ボンブラッ
ク、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
【0012】本発明に使用される屈曲性熱可塑性ポリマ
−(Bポリマ−)は特に限定されないが、ポリオレフィ
ン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリレ−ト、ポリ
カ−ボネ−ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエス
テルエ−テルケトン、フッ素樹脂等が挙げられる。特に
好ましくは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、
ポリエチレンナフタレ−ト及び下記化4で表される半芳
香族ポリエステルアミドである。なお、本発明にいう屈
曲性ポリマ−とは、主鎖上に芳香環を有さないポリマ−
及び主鎖上に芳香環を有し、かつ芳香環間の主鎖上に原
子が4個以上存在するポリマ−をいう。
【0013】
【化4】
【0014】また、本発明においては、鞘成分を、屈曲
性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)のみでなく、屈曲性
熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)と溶融液晶性ポリエス
テル(Cポリマ−)のブレンドで構成するのが好まし
く、特にBポリマ−を海成分、Cポリマ−を島成分とす
る海島構造とするのが好ましい。鞘成分を溶融液晶性ポ
リエステルと屈曲性高分子からなるブレンド(特に海島
構造)で構成することにより、鞘成分の強力を高めると
同時に鞘成分と芯成分との接着性を顕著に高めることが
できる。
【0015】本発明にいう海島構造とは、繊維横断面に
おいて、マトリックスとなる海成分の中に数十から数百
の島が存在している状態を意味する。Bポリマ−及びC
ポリマ−の混合比、溶融粘度等を変えることにより島数
を調整することができる。Bポリマ−とCポリマ−をチ
ップブレンドする、または両成分の溶融物をスタチック
ミキサ−等で混合することにより得られる。鞘成分中の
島成分比は、製造された鞘型複合繊維の横断面積比C/
(B+C)において、強力及び耐フィブリル性の点で
0.25〜0.5とするのが好ましい。島成分比は、繊
維横断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の芯成
分と鞘成分の吐出量の体積比により求めることもでき
る。島成分の直径は0.1〜2μm程度とするのが好ま
しい。
【0016】なおCポリマ−は、Aポリマ−と同様の溶
融液晶性ポリエステルを用いることができ、Aポリマ−
とCポリマ−は同種であっても異種であっても良い。好
ましくは、Bポリマ−の融点(MP)+80℃以下、M
P−10℃以上のポリマ−が好ましい。また、Bポリマ
−及びCポリマ−には、本発明の効果を損なわない程度
に、他のポリマ−や各種添加剤を含んでいても良い。
【0017】本発明においては芯鞘型複合繊維を対象に
しているが、偏心芯鞘型を含むものである。複合繊維に
おける芯成分比は0.25〜0.80、好ましくは、
0.4〜0.7とする。特に、鞘成分をBポリマ−とC
ポリマ−で構成した場合には、鞘成分も強力向上に寄与
するため、芯成分比率を低くした場合においても、強度
15g/d以上の優れた複合繊維を得ることができる。
芯成分比が大きくなりすぎると芯が露出しやすく、小さ
すぎると強力の点で不十分となる場合がある。なお、本
発明にいう芯成分比とは、複合繊維の断面積比A/(A
+B+C)を示す。断面積比は、繊維横断面の顕微鏡写
真から求められるが、製造時の芯成分と鞘成分の吐出量
の体積比により求めることもできる。得られる繊維の線
径変動率は−3.5〜+3.5%、さらに−3.0〜+
3.0%であるのが好ましく、抱合度(ガイド摩耗回
数)は1200回以上とするのが好ましい。
【0018】次に本発明の芯鞘型複合繊維の製造方法に
ついて説明する。本発明においては、芯部と鞘部とを構
成する溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)および屈
曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)がその界面で混合
されていることに大きな特徴を有する。一般に繊維の製
造において、溶融ポリマ−は計量ポンプ通過後、ろ過層
を通って紡糸口金に送られ、繊維化される。複合繊維の
製造方法においても、該複合繊維を構成する各ポリマ−
がそれぞれろ過層を通ったのち複合され、複合形態を保
ったまま紡糸口金から繊維化される。本発明において
は、Aポリマ−およびBポリマ−を含む複合流を形成し
た後、さらに『揺らぎ形成層』を通すことにより、芯成
分と鞘成分との界面でAポリマ−とBポリマ−、または
該ポリマ−と他のポリマ−を混合し、その結果、界面剥
離を抑制する。
【0019】該『揺らぎ形成層』は、複合流が通過する
ことにより芯鞘型複合繊維の芯成分と鞘成分等のポリマ
−相互の界面を乱す機能を有するものであれば、とくに
その素材に限定はないが、金網、金属細線等からなる不
織布、金属細線からなる焼結体、金属やセラミックスか
らなる微粒子層などを用いることができる。金網はステ
ンレスワイヤ等を織ったもので、平織、畳織、綾畳織等
のものが用いられる。また、該金網は30〜500メッ
シュのものが好適であり、金網は1枚のみならず、メッ
シュの異なる金網を数枚重ねて用いることも可能であ
る。金属細線からなる不織布としては5〜100ミクロ
ンのろ過効率を有し、捕集効率の良好なものが用いら
れ、金属微粒子としては30〜100メッシュアンダ−
のステンレスパウダ−、セラミックとしては20〜10
0メッシュアンダ−のサンドや100〜1000ミクロ
ンのガラスビ−ズが用いられる。これらの素材は1種の
みならず、2種以上を組み合わせて用いることもでき
る。
【0020】上述の『揺らぎ形成層』を通過した複合流
は口金から吐出され、繊維化される。本発明の芯鞘型複
合繊維は、上述の『揺らぎ形成層』を通過させることに
より得られるが、その他は公知の複合溶融紡糸法が適用
される。芯形成部のノズル直径は0.06〜0.8mm
が好ましく、口金ノズル直径は0.06〜1.0mmの
ものが好ましい。芯形成ノズルおよび口金ノズルの形状
は丸型、異形のいずれでもよいし、口金ノズルは円柱状
であっても、末広がり型の円錐状であってもよい。
【0021】このようにして得られた芯鞘型複合繊維
は、芯部と鞘部を構成する各ポリマ−が芯鞘界面で複雑
にランダムに入り組んだ状態であり、該各ポリマ−が混
合された断面形態を有する。この芯部と鞘部を構成する
各ポリマ−が混合していることは、放流糸を銅板法でカ
ットし、透過光源にて光顕微鏡で観察することにより容
易に観察できる。被写体が光を透過しないものは落射照
明法で観察できる。芯鞘型複合繊維における芯鞘界面で
の混合状態、入り組み状態はポリマ−の組み合わせ、各
ポリマ−の粘度等によって微妙に異なるが、一般に高粘
度程またはポリマ−間の粘度差が大きい程、複雑な界面
構造を呈する。
【0022】芯鞘界面構造が単調になり、芯成分と鞘成
分との剥離が若干生じる場合は、上述の『揺らぎ形成
層』を構成する金網のメッシュの異なるものを数枚積層
したり、金網と金属細線不織布や微粒子層との併用で芯
成分と鞘成分との剥離の問題を解決できる。
【0023】また、本発明の複合繊維は、紡糸しただけ
で既に十分な強度、弾性率を有しているが弛緩熱処理あ
るいは緊張熱処理により性能を更に向上させることがで
きる。熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気下や、空気
の如き酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行う
ことが可能である。熱処理雰囲気は露点が−80℃以下
の低湿気体が好ましい。好ましい熱処理条件としては、
芯成分の融点−40℃以下から鞘成分ポリマ−の融点以
下まで順次昇温していく温度パタ−ンが挙げられる。処
理時間は目的により数分から数十時間行う。
【0024】熱の供給は、気体等の媒体を用いる方法、
加熱板、赤外線ヒ−タ−等により輻射を利用する方法、
熱ロ−ラ−、熱プレ−ト等に接触して行う方法、高周波
等を利用した内部加熱方法等がある。処理は、目的によ
り緊張下あるいは無緊張下で行われる。処理形状はカセ
状、トウ状(例えば金属網等にのせて行う)、あるいは
ロ−ラ−間で連続的に処理することも可能である。緊張
熱処理は、芯成分の融点−80℃以下の温度で、切断強
度の1〜10%の張力をかけて行うのが好ましく、この
処理により様々な性能、特に弾性率は一層改善される。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。 [溶融粘度 MV]300 ℃、剪断速度r=1000sec -1
条件で東洋精機キャピログラフ1B型を用いて測定し
た。 [対数粘度ηinh ]試料をペンタフルオロフェノ−ルに
0.1 重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中でウッ
ペロ−デ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、
ηinh =ln(ηrel)/cにより算出した。なおcはポリ
マ−濃度(g/dl)である。
【0026】[強度g/d、伸度%]JIS L 10
13に準じ、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm
/minの条件で破断強伸度を求め、5点以上の平均値を採
用した。 [弾性率 g/d]強伸度曲線を作成し、該曲線の原点
付近においてフックの法則に従う直線部分から、弾性率
=(w/D)/(ΔL/L)により算出される。なお、
wはΔL伸長したときの荷重g、Dは繊維のデニ−ル、
ΔLは荷重により伸長した長さ、Lは繊維原長を示す。
【0027】[線径変動%]ZIMMER社製の外径測定器M-
4609A/2 を用い、糸速20m/分で長さ100mのフィ
ラメントの線径を連続記録し、最大(max)と最小
(min)及び平均値(x)を測定し、下記式より求め
た。 線径変動(%)=±((max−min)/2x)×1
00 線径変動が大きいほど、鞘成分の剥離、脱落が生じてい
ることとなる。 [抱合度(ガイド摩耗) 回]大栄科学機器社製の抱合
力試験機を用い、120度の角度を配置された3本の櫛
ガイドに6本のモノフィラメントを各々ガイドに通し、
各フィラメントに1g/dの荷重を掛け、ストロ−ク長
3cm、速度95回/分で往復運動を与え、毛羽(剥
離、フィブリル化)の発生した回数を測定した。
【0028】<実施例1>Aポリマ−には、前記化3で
示した構成単位(A)と(B)が73/27 モル%である溶
融液晶性ポリエステル(MP=281 ℃、MV=425pois
e、ηinh =4.38dl/g)を用い、Bポリマ−としてポリ
カ−ボネ−トを用いた。芯成分と鞘成分を別々の押出機
より溶融し、芯と鞘の重量比2:1になるように複合
し、図1に示される紡糸パックを用い、0.20mmφ
で6ホ−ルの口金より315℃、800m/分で複合紡
糸を行った。「揺らぎ形成層」として、300メッシ
ュ、30メッシュ、100メッシュの金網3枚を積層し
た。分繊後にソフト巻きし265℃の温度で窒素ガス雰
囲気中で18時間熱処理し、その後油剤を付与して9d
のモノフィラメント(線径28μm)を製造した。製造
工程での問題は全くなく、良好に生産できた。結果を表
1に示す。
【0029】<比較例1>「揺らぎ形成層」を用いない
以外は実施例1と同様に9dのモノフィラメント(線径
29μm)を得た。結果を表1に示す。
【0030】<実施例2>Bポリマ−として直鎖ポリフ
ェニレンサルファイド(溶融粘度1100poise -1、温度3
00℃)、Cポリマ−として実施例1で用いたAポリマ
−と同様の溶融液晶性ポリエステルを用い、島成分比
0.33となるようにブレンドした以外は、実施例1と
同様に紡糸して9dのモノフィラメント(線径28μ
m)を製造した。結果を表1に示す。
【0031】<実施例3、4>鞘成分比、島成分比を変
更した以外は実施例2と同様に行った。結果を表1に示
す。 <比較例2>「揺らぎ形成層」を用いない以外は実施例
2と同様に9dのモノフィラメント(線径26μm)を
得た。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】本発明の複合繊維は強度及び弾性率に優
れ、線径変動率も4%未満のものであり、鞘成分と芯成
分の剥離、脱落は極めて生じにくく、耐摩耗性に優れた
ものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、芯鞘界面の剥離やフィ
ブリル化が生じにくく、耐摩耗性に優れた高強力高弾性
率繊維が得られる。本発明により得られる繊維は、あら
ゆる分野、用途に使用できるが、特に産業資材分野に好
適であり、具体的には、耐薬品性ロ−プ、布帛、バグフ
ィルタ−、プリント配線基板用基布、FRC用途等に広
く使用できる。また、染色性の良好な屈曲性熱可塑性ポ
リマ−を用いた場合には、得られた繊維を後染めできる
ため、釣糸、ガットや土木、建設、スポ−ツ関係の標識
類等に効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる紡糸パックの横断面を示す
一例図である。
【図2】本発明により得られる芯鞘型複合繊維の横断面
形状の具体例。
【符号の説明】
a:複合板 b:複合板 c:揺らぎ形成層 d:口金 A:熱可塑性ポリマ−A流 B:熱可塑性ポリマ−B流

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)
    からなる芯成分、屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ
    −)を含む鞘成分により構成され、該Aポリマ−および
    Bポリマ−が芯鞘界面で混合されていることを特徴とす
    る芯鞘型複合繊維。
  2. 【請求項2】 溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)
    からなる芯成分、屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ
    −)を含む鞘成分から構成された芯鞘複合流を揺らぎ形
    成層を通過させた後、ノズルより吐出することを特徴と
    する芯鞘型複合繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)
    からなる芯成分、海成分が屈曲性熱可塑性ポリマ−(B
    ポリマ−)、島成分が溶融液晶性ポリエステル(Cポリ
    マ−)である鞘成分から構成され、該Aポリマ−および
    Bポリマ−が接触界面で混合されていることを特徴とす
    る芯鞘型複合繊維。
  4. 【請求項4】 溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)
    からなる芯成分、海成分が屈曲性熱可塑性ポリマ−(B
    ポリマ−)、島成分が溶融液晶性ポリエステル(Cポリ
    マ−)である鞘成分から構成された芯鞘複合流を、揺ら
    ぎ形成層を通過させた後、ノズルより吐出することを特
    徴とする芯鞘型複合繊維の製造方法。
JP11236296A 1996-05-07 1996-05-07 溶融液晶性ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維およびその製造方法 Pending JPH09296324A (ja)

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