JPH09296019A - ブロック共重合体および医療用材料 - Google Patents

ブロック共重合体および医療用材料

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JPH09296019A
JPH09296019A JP11346196A JP11346196A JPH09296019A JP H09296019 A JPH09296019 A JP H09296019A JP 11346196 A JP11346196 A JP 11346196A JP 11346196 A JP11346196 A JP 11346196A JP H09296019 A JPH09296019 A JP H09296019A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗タンパク付着、抗細胞接着などの生体適合
性に優れ、高分子で、かつ強固なフィルムなどの成型体
を容易に成形することができる新規かつ有用なポリシロ
キサン基−ホスホリルコリン基含有重合体を提供する。 【解決手段】特定のポリシロキサン基含有アゾ系重合開
始剤を用いてホスホリルコリン基単量体を重合した、下
記の一般式[1]で示されるブロック共重合体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシロキサン基
およびホスホリルコリン基を有するブロック共重合体に
関する。さらには、該ブロック共重合体を用いる医療用
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内には多種のリン脂質が含まれてお
り、これらのリン脂質は生体が生命を維持するために重
要な役割を演じていることが明らかになっている。例え
ば、ホスホリルコリン基などを有するリン脂質は細胞膜
などの細胞質の構成要素であり、生体の種々な代謝過程
と密接な関係があり、またその他にも脳組織のエネルギ
ー源、脂肪の運搬および吸収、血液の凝固、食物の味覚
などにも非常に重要な役割を果たしている。このように
リン脂質は生体全体の生命維持において多くの機能をも
つため、人工臓器用等の医用材料、バイオセンサー等の
センサー類などに応用する試みが数多くなされている。
必ずしも十分な性能を示したものはほとんどなかった。
また、一方ポリシロキサンは化学的安定性が高く、溶出
物をほとんど含まないといった点でも生体安定性に優れ
ている。また分子鎖の運動性が非常に高く、分子量や架
橋度の違いによってオイル、ゲル、ペースト、エラスト
マー、プラスチックス等と性状を変えることができる特
性をもっている。さらに気体透過性、生体親和性、撥水
性等の機能をもつことが知られている。また一方、ポリ
シロキサン基を含有するアゾ系重合開始剤を用いて、不
飽和単量体を重合した共重合体は知られている(特公平
2−33053号公報)。しかしながらポリシロキサン
成分とホスホリンコリン成分を同一分子内にもつ共重合
体、特にブロック共重合体は知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、ポリシロキサン基とホスホリル
コリン基を有するブロック共重合体を提供することにあ
る。さらにまた、本発明の目的は、該ブロック共重合体
を用いる医療用材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑み鋭意検討した結果、ポリシロキサン基含有アゾ
系重合開始剤を用いて、ホスホリルコリン基含有単量体
を重合するとポリシロキサン基とホスホリルコリン基の
両方を含有するブロック共重合体ができることを見いだ
し、また、生体親和性という点では共通の特性である
が、その他の諸物性、特性の異なる2種類のセグメン
ト、すなわちポリシロキサン基とホスホリルコリン基を
有する構造からなるブロック共重合体が、従来にない新
規な機能を発現する材料になりうる可能性を有している
ことを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、一般式[1]
【化8】 [ただし、式中、mは50〜300(ポリシロキサン部
分の分子量4,000〜20,000)、aは20〜3
00(数平均分子量10,000〜100,000)]
で示されるポリシロキサン基含有アゾ系重合開始剤を用
いて、下記一般式[2]
【化9】 [ただし、式中、R1、R2、R3は炭素数1〜8のアル
キル基、アリル基またはヒドロキシアルキル基、Xは、
【化10】 (ただし、式中、R4は水素原子もしくはメチル基、R5
は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはヒ
ドロキシアルキル基を示す)であり、またYは、
【化11】 であり、pは1〜9の整数である。]で示されるホスホ
リルコリン基含有単量体を必須成分として重合してなる
ポリシロキサン基−ホスホリルコリン基含有ブロック共
重合体である。またさらに、前記のポリシロキサン基−
ホスホリルコリン基含有ブロック共重合体の構造が下記
一般式[3]
【化12】 [ただし、式中、R1、R2、R3は炭素数1〜8のアル
キル基、アリル基またはヒドロキシアルキル基、X’は
Xのエチレン性重合可能な不飽和基がラジカル開始剤に
よって開裂して生成したエチレン連鎖であり、そのX
は、
【化13】 (ただし、式中、R4は水素原子もしくはメチル基、R5
は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基またはヒ
ドロキシアルキル基を示す)であり、またYは、
【化14】 であり、pは1〜9の整数である。また、nは10〜5
0000の整数、mは50〜300、bは20〜300
である。また25℃におけるメタノール溶液としたとき
の極限粘度が0.05〜0.5dl/gである。]で示
されるブロック共重合体である。またさらに、前記のポ
リシロキサン基−ホスホリルコリン基含有ブロック共重
合体を用いることを特徴とする医療用材料である。
【0005】
【発明の実施の形態】一般式[1]で示されるポリシロ
キサン基含有アゾ系重合開始剤は、ポリシロキサン基単
位を有するラジカル発生剤である。具体的には、例え
ば、市販のアゾ系重合開始剤として和光純薬(株)製V
PSシリーズが挙げられる。VPS−0501は、数平
均分子量約3〜4万、シロキサン部分の分子量約5千で
あり、VPS−1001は、数平均分子量約7〜9万、
シロキサン部分の分子量約1万のものが挙げられる。一
般式[1]において、mは、50〜300で、ポリシロ
キサン部分の分子量1,000〜20,000であり、
aは、20〜300、数平均分子量10,000〜10
0,000である。
【0006】一般式[2]において、Xはアリルオキシ
基、ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、(メタ)ア
クリル基、(メタ)アクリルアミド基、p−メチルスチ
リル基、p−メチル−α−メチルスチリル基などが挙げ
られる。具体的には、
【化15】 などの化合物の基が挙げられる。R1、R2、R3は炭素
数1〜8のアルキル基、アリル基またはヒドロキシアル
キル基、R4は水素原子もしくはメチル基、R5は炭素数
1〜20のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシ
アルキル基である。一般式[2]において、Yは、アル
キル鎖、エチレンオキシド鎖、プロピレンオキシド鎖由
来の基であり、具体的には、
【化16】 などの化合物の基が挙げられる。pは1〜9の整数であ
る。
【0007】一般式[3]で示されるブロック共重合体
は、前記の一般式[1]のポリシロキサン基含有アゾ系
重合開始剤を用いて、一般式[2]で示されるホスホリ
ルコリン基含有単量体を重合して得られる。ホスホリル
コリン基含有単量体の具体例としては、前記のXおよび
Yの組み合わせによって各種単量体が挙げられるが、特
にたとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリ
ルコリン(以下MPCと略す。)が入手しやすく好まし
く挙げることができる 本発明のブロック共重合体の製造は、前記のポリシロキ
サン基含有アゾ系重合開始剤、MPCを、たとえばエタ
ノール、ベンゼン等の単一有機溶媒、またはこれらの混
合溶媒中に溶解してガラスアンプル等の容器の中で、脱
気または窒素置換を行った環境下で、50〜100℃、
好ましくは60〜80℃の条件で、10〜40時間、好
ましくは15〜25時間振盪しながら重合する。重合後
たとえばジエチルエーテルのような沈殿剤中にブロック
共重合体を析出させることによって目的のブロック共重
合体を得ることができる。得られた共重合体の構造とし
ては、アゾ系重合開始剤のラジカル重合の機構より下記
に示すような生成物構造が考えられる。本発明ではアゾ
系重合開始剤の溶解するジエチルエーテルに不溶な、す
なわちアゾ系重合開始剤が分解しコモノマーとブロック
共重合体を生成したこれら共重合体成分の混合物として
得られる。重合体の構造式を下記に示す。
【化17】
【0008】本発明のブロック共重合体は、ポリシロキ
サン基およびホスホリルコリン基の両成分とも一般的に
言う生体親和性のある材料である。それとともに本発明
のポリマーの構成成分であるシロキサンセグメントは疎
水性であり、ホスホリルコリン基単位は、一般的に大き
な親水性を有する。これ以外にも、極性−非極性といっ
た諸物性的には異なった特性を有する2成分より成って
いる。現在、生体の分子認識の一説として生体が自己認
識する場合、材料表面の親水−疎水成分からなるミクロ
ドメイン構造の大きさが大きな役割を果たしていること
が言われている。この説からすると本材料を精密に分子
設計することによって、生体により近い材料をつくり出
すことができるとともに用途に応じた材料設計も可能と
考えらる。
【0009】また、本発明のブロック共重合体は、従来
の天然リン脂質に比較して製膜性や成形性に優れてお
り、容易にフイルム状や繊維状に成形可能である。しか
も得られたフィルム、繊維などの成型品は天然のリン脂
質から成形された成形品に較べはるかに強固なものとな
る。例えば、溶液キャスト法などの極めて簡単な方法に
より、容易にフィルムを成形することができる。また本
発明のブロック共重合体は、ホスホリルコリン基および
ポリシロキサン基を含有する構造を有しているため、ポ
リシロキサン基のセグメントとホスホリルコリン基のセ
グメントの分子量の違いによってオイル、ゲル、ペース
ト、エラストマー、プラスチックス等と性状を変えるこ
とができるとともに、抗血栓、抗細胞接着、抗タンパク
付着等の生体親和性、酸素透過性などガス透過性、また
撥水性などをもっている。このため人工臓器などの医用
材料、バイオセンサー等のセンサー類、コンタクトレン
ズ等のアイケア品、ガス分離膜など、幅広い分野への利
用が可能である。特に、抗血栓、抗タンパク付着、抗細
胞接着等の生体親和性に優れ、医療用材料として好適で
ある。
【0010】
【発明の効果】本発明は、新規かつ有用なポリシロキサ
ン基−ホスホリルコリン基を含有する構造のブロック共
重合体である。本発明のブロック共重合体は、ポリシロ
キサンセグメントを構成するたとえばアゾ開始剤の種
類、組成を容易に変えることによって、また、リン脂質
類似構造を有するモノマーたとえばMPCの組成を変え
ることによって、膜のミクロ構造等の特性、諸物性、溶
解性等を幅広くまた望むように設計することが可能で、
強固なフィルムなどの成形体を容易に成形することがで
き、また、抗タンパク付着、抗細胞接着等の生体親和性
に優れ、医療用材料として好適である。
【0011】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を説明する。 [実施例1−1]P−1のブロック共重合体(PDMS
−b−PMPC)の合成表1に示すように所定量の2−
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MP
C)及びポリシロキサン開始剤(和光純薬製VSPシリ
ーズ、VPS−0501)をエタノール:ベンゼン(3
0:70 V/V%)の混合溶媒に溶解してガラス製重
合管に入れ、液体窒素浴を用いて脱気操作を行った後溶
封した。重合管は80℃、20時間振とうし重合させ
た。反応後、内容物を多量のジエチルエーテル中に注入
してブロック共重合体(P−1とする。)を析出させ
た。溶媒のジエチルエーテルに不溶のブロック共重合体
として0.454g得た。収率は59.8%であった。
【0012】得られたP−1の共重合体を1H−NMR
で測定した。結果は次のとおりであった。1 H−NMR(δ(ppm):TMS/CD3OD) 0.12 −Si(CH32O− 0.8−1.4 −CH3 1.7−2.2 −CH2− 3.2−3.4 −N(CH33 3.7−3.9 −CH2− 4.0−4.1 −CH2N− 4.1−4.3 −POCH2− 4.3−4.4 −COOCH2− また、1H−NMRの測定からプロトンの面積比より表
1のP−1の共重合体中のMPCモル分率を算出した結
果は、79モル%であった。またさらに、P−1の共重
合体の赤外吸収スペクトル(IR)を測定した。結果を
図1に示した。なお、比較として、MPCの単独重合
体、アゾ系重合開始剤の測定結果も併せて示した。以上
の結果から、P−1の主な構造は、次のものと推定し
た。
【化18】 得られたブロック共重合体P−1の極限粘度はメタノー
ルを溶媒としてウベローデ型粘度計で、25℃で測定し
た。その結果、0.150dl/gであった。
【0013】
【表1】
【0014】[実施例1−2]P−2のブロック共重合
体(PDMS−b−PMPC)の合成表1に示すように
所定量の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコ
リン(MPC)及びポリシロキサン開始剤(和光純薬製
VSPシリーズ、VPS−1001)を用いて、実施例
1−1と同様にして重合した。溶媒のジエチルエーテル
に不溶のブロック共重合体(P−2とする)として0.
432g得た。収率は57.6%であった。
【0015】得られたP−2の共重合体を1H−NMR
で測定した。結果は次のとおりであった。1 H−NMR(δ(ppm):TMS/CD3OD) 0.12 −Si(CH32O− 0.8−1.4 −CH3 1.7−2.2 −CH2− 3.2−3.4 −N(CH33 3.7−3.9 −CH2− 4.0−4.1 −CH2N− 4.1−4.3 −POCH2− 4.3−4.4 −COOCH2− また、1H−NMRの測定からプロトンの面積比より表
1のポリマー中のMPCモル分率を算出した結果88モ
ル%であった。またさらに、P−2のブロック共重合体
の赤外吸収スペクトル(IR)を測定した。結果は実施
例1−1と同様であった。得られたP−2のブロック共
重合体の構造は、次のものと推定した。
【化19】 得られたブロック共重合体P−2の極限粘度はメタノー
ルを溶媒としてウベローデ型粘度計で、25℃で測定し
た。その結果、0.071dl/gであった。結果を併
せて表1に示した。
【0016】[参考例1]X線光電子分光法(XPS)
の測定 実施例1−1および1−2で得られた共重合体P−1お
よびP−2(PDMS−b−PMPC)を0.1g溶か
したメタノール溶液20mlをガラス基板(0.5×
0.5cm)上に展開して、常温常圧でキャストし、続
いて常温で減圧乾燥を10時間行いフィルムを得た。さ
らに、このフィルムを25℃の水に24時間浸漬させた
後、凍結乾燥させ試料を調製した。島津製作所製ESC
A750を使用し、PDMS−b−PMPCフィルムを
MgKα(1253.6eV)で測定した。その結果P
−1およびP−2ともに共重合体のフイルムの表面にP
とSiの元素が検出されたことを確認した。
【0017】[実施例2]タンパク質の吸着試験 実施例1−1および1−2で得たP−1およびP−2の
ブロック共重合体を用いて、直径0.20mm、60c
m2/gのガラスビーズを0.1重量%PDMS−b−
PMPCのメタノール溶液に浸し、表面をコートした。
表面コートしたガラスビーズ83.34g(0.10m
2)を直径20mm、高さ300mmのカラムに充填
し、0.067Mのリン酸緩衝液(Alb=pH 5.
6、Glo=pH 6.2)でリンスした後、所定濃度
のタンパク質水溶液をいれた。2時間吸着した後その水
溶液を2mL採取して水溶液中のタンパク質濃度を決定
した。表面コートしたガラスビーズへのタンパク質の吸
着量は、仕込みタンパク質量と水溶液中のタンパク質量
の差から求めた。水溶液のタンパク質の濃度はLowr
y法で定量した。その結果を図2に示す。比較のガラス
ビーズ単独での吸着量に比べ、P−1およびP−2の共
重合体を用いた場合はタンパク質の吸着が少ないことが
わかる。
【0018】[実施例3]細胞接着試験 P−1またはP−2の共重合体のメタノール溶液からキ
ャストしてフイルム状の成形体を得た。このフィルムを
紫外線滅菌を2時間行ったのち、マウス繊維芽細胞(L
−929)の所定量を培養液に分散させ、フィルムに細
胞を藩種し、写真撮影(×100)を行った。また比較
のためにガラスセルとの接着試験も行った。その結果
は、次の状態が観察された。P−1の共重合体のフイル
ムは、L−929の接着は全く認められない。P−2の
共重合体のフイルムでは、L−929の接着が認めら
れ、コンフルエンス状態(規則的な配向状態)となる。
ガラス基板では、L−929の変成が認められ、異物認
識されている。結果を図3に示した。以上の結果から、
比較例のガラス基板では、異物認識されて変成している
のに対して、本発明の実施例1−1のP−1の共重合体
のフイルムでは、異物としての認識がなく、細胞種が接
着しない。これに対して、本発明の実施例1−2のP−
2の共重合体のフイルムでは、異物としての認識がな
く、細胞種が接着し、増殖することがわかる。
【0019】[参考例2]接触角の測定 接触角は、実施例1−1(P−1)または1−2(P−
2)のブロック共重合体をガラスセル上にコーテイング
したものを試料とし、ゴニオメーター式接触角測定器
(ERMA製型式G−I型)を用いて行った。なお、水
滴は15μlの量をコーテイングガラスセルの上に置
き、50秒後に左の接触角を、また、70秒後に右の接
触角を測定した。測定は、6点の水滴について行い、最
大値、最小値を除いた4点の平均値から求めた。結果を
併せて、表1に示した。表より、本発明のブロック共重
合体をコーテイングしたものは、接触角が14〜20度
と低く、表面のぬれ性が大きいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−1のP−1の共重合体の赤外吸収ス
ペクトル(IR)を図1−aに示した。なお、比較とし
て、MPCのホモポリマーのIRを1−bに、またアゾ
系重合開始剤のVPS−0501のIRを1−cに示し
た。
【図2】実施例2における実施例1−1(P−1)およ
び1−2(P−2)のタンパク吸着試験結果を示した。
【図3】実施例3における実施例1−1(P−1)およ
び1−2(P−2)の細胞接着試験の結果を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] 【化1】 [ただし、式中、mは50〜300(ポリシロキサン部
    分の分子量4,000〜20,000)、aは20〜3
    00(数平均分子量10,000〜100,000)]
    で示されるポリシロキサン基含有アゾ系重合開始剤を用
    いて、下記一般式[2] 【化2】 [ただし、式中、R1、R2、R3は炭素数1〜8のアル
    キル基、アリル基またはヒドロキシアルキル基、Xは、 【化3】 (ただし、式中、R4は水素原子もしくはメチル基、R5
    は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、ヒドロ
    キシアルキル基を示す)であり、また、Yは、 【化4】 であり、pは1〜9の整数である。]で示されるホスホ
    リルコリン基含有単量体を必須成分として重合してなる
    ポリシロキサン基−ホスホリルコリン基含有ブロック共
    重合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリシロキサン基−ホスホ
    リルコリン基含有ブロック共重合体の構造が下記一般式
    [3] 【化5】 [ただし、式中、R1、R2、R3は炭素数1〜8のアル
    キル基、アリル基またはヒドロキシアルキル基、X’は
    Xのエチレン性重合可能な不飽和基がラジカル開始剤に
    よって開裂して生成したエチレン連鎖であり、そのX
    は、 【化6】 (ただし、式中、R4は水素原子もしくはメチル基、R5
    は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル基、ヒドロ
    キシアルキル基をしめす)であり、またYは、 【化7】 であり、pは1〜9の整数である。また、nは10〜5
    0000の整数、mは50〜300、bは20〜300
    である。また25℃におけるメタノール溶液としたとき
    の極限粘度が0.05〜0.5dl/gである。]で示
    されるブロック共重合体。
  3. 【請求項3】請求項1記載のポリシロキサン基−ホスホ
    リルコリン基含有ブロック共重合体を有効材料とする医
    療用材料。
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