JPH09295456A - 記録材料 - Google Patents

記録材料

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JPH09295456A
JPH09295456A JP8111522A JP11152296A JPH09295456A JP H09295456 A JPH09295456 A JP H09295456A JP 8111522 A JP8111522 A JP 8111522A JP 11152296 A JP11152296 A JP 11152296A JP H09295456 A JPH09295456 A JP H09295456A
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JP
Japan
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group
formula
silver salt
recording material
carbon atoms
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Pending
Application number
JP8111522A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotaka Matsumoto
浩隆 松本
Takami Ikeda
貴美 池田
Hisashi Okada
久 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8111522A priority Critical patent/JPH09295456A/ja
Publication of JPH09295456A publication Critical patent/JPH09295456A/ja
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/494Silver salt compositions other than silver halide emulsions; Photothermographic systems ; Thermographic systems using noble metal compounds
    • G03C1/498Photothermographic systems, e.g. dry silver
    • G03C1/49836Additives
    • G03C1/49845Active additives, e.g. toners, stabilisers, sensitisers

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シェルフライフが長く且つ高濃度の画像を記
録し得る、有機銀塩を使用した記録材料を提供する。 【解決手段】 支持体上に、有機銀塩、有機銀塩の現像
剤、及び水溶性バインダーを含有する記録層を設けてな
る記録材料であって、有機銀塩または有機銀塩の現像剤
のうちの少なくとも一方が熱応答性マイクロカプセルに
内包されると共に、前記記録層中にメルカプトテトラゾ
ール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物などのかぶ
り防止剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾式処理することに
より画像を形成する記録材料に関し、詳しくは、有機銀
塩を用いて銀画像を形成させることのできる、乾式の記
録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀の感光性、階調性、及び、
良好な画質を維持したまま、ハロゲン化銀の湿式処理の
欠点を解消し、実用化された乾式処理感光材料として
は、米国スリーエム(3M)社が開発した所謂ドライシ
ルバーが著名である。このドライシルバーの必須構成成
分の一つである有機銀塩として、光に安定な無色ないし
白色の銀塩であって、還元剤とともに100℃以上に加
熱されたときに酸化還元反応により銀(像)を生ずるベ
ヘン酸銀が使用されている。
【0003】ドライシルバー感光材料は、一般に、有機
銀塩をポリマー等の結合剤中に分散させた有機銀塩のポ
リマー分散液に、ハロゲン化銀形成剤を加えて有機銀塩
の一部をハロゲン化銀に変化させた塗布液、又は、有機
銀塩のポリマー分散液に予め別に調製しておいたハロゲ
ン化銀及び、還元剤(現像主薬)や各種添加剤を配合し
た塗布液を支持体上に塗布・乾燥して感光層を設けるこ
とによって調整される。この場合、ハロゲン化銀の有無
に関わらず、画像情報をサーマルヘッドの熱印加により
与える場合も画像が得られるので、ドライシルバー記録
材料は感熱記録材料としても用い得る。
【0004】このような記録材料の画像層は、単にポリ
マーにより被覆された有機銀塩、及び、還元剤等を分散
状態で含有するにすぎず、高濃度の画像を得るために、
有機銀塩の含有濃度を高くすると、常温における還元反
応が進行し易くなり、シェルフライフが低下するという
問題があり、高濃度の画像を記録することができ、しか
も、シェルフライフが長いという双方の特性を満足する
記録材料を得ることは極めて困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、有機銀塩を使用して、シェルフライフが長く、且つ
高濃度の画像を記録し得る記録材料を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、支持体上に、有機銀
塩、有機銀塩の現像剤、及び水溶性バインダーを含有す
る記録層を設けてなる記録材料であって、有機銀塩また
は有機銀塩の現像剤のうちの少なくとも一方が熱応答性
マイクロカプセル中に内包されると共に、前記記録層中
にかぶり防止剤として下記一般式(A)〜(F)で表さ
れる化合物の群の中から選ばれた少なくとも一種の化合
物を含有する記録材料によって、上記課題が解決される
ことを見出し本発明に到達した。
【0007】
【化3】
【0008】一般式(A)において、Ra は脂肪族炭化
水素基、アリール基またはヘテロ環基を、Yは−CO
−、−SO−または−SO2 −を、n1 は0または1
を、X1及びX2 はそれぞれハロゲン原子を、Aは水素
原子または電子吸引性基を表す。一般式(B)におい
て、Rb は脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ
環基を、Mb は水素原子またはカチオンを、n2 は分子
が中性となるように決定される数を表す。一般式(C)
において、Rc は脂肪族炭化水素基、アリール基または
ヘテロ環基を、Mc は水素原子またはカチオンを、n3
は分子が中性となるように決定される数を表す。一般式
(D)において、Rd1、Rd2、Rd3及びRd4はそれぞれ
脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を、M
d はカチオンを、n4 は分子が中性となるように決定さ
れる数を表す。一般式(E)において、Re は脂肪族炭
化水素基、アリール基またはヘテロ環基を、Me は水素
原子またはカチオンを、n5 は分子が中性となるように
決定される数を表す。一般式(F)において、Qは含窒
素ヘテロ環を形成するに必要な原子群を、Mf は水素原
子又はカチオンを、n6 は分子が中性となるように決定
される数を表す。
【0009】一般式(A)で表される化合物について詳
細に説明する。Ra で表される脂肪族炭化水素基は、直
鎖状、分岐状または環状のアルキル基(好ましくは炭素
数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、更に好ま
しくは炭素数1〜16であり、例えばメチル基、エチル
基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オ
クチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など
が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2
〜30、より好ましくは炭素数2〜20、更に好ましく
は炭素数2〜16であり、例えばビニル基、アリル基、
2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられ
る。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、よ
り好ましくは炭素数2〜20、更に好ましくは炭素数2
〜16であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル
基などが挙げられる。)であり、これらは更に置換基を
有してもよい。Ra で表される脂肪族炭化水素基とし
て、好ましくはアルキル基である。
【0010】Ra で表されるアリール基は、単環または
縮環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30、より
好ましくは6〜20、更に好ましくは6〜16の単環ま
たは二環のアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基
等)であり、これらは更に置換基を有してもよい。Ra
で表されるアリール基として好ましくは、フェニル基、
ナフチル基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0011】Ra で表されるヘテロ環基は、窒素原子、
酸素原子または硫黄原子の少なくとも一つを含む3ない
し10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、これ
らは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成
してもよい。ヘテロ環基として好ましくは、5ないし6
員の不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは5ないし
6員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原
子を含む5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に
好ましくは窒素原子を1ないし4原子含む5ないし6員
の芳香族ヘテロ環基であり、これらは更に置換基を有し
てもよい。
【0012】ヘテロ環の具体例としては、例えばピロリ
ジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフォリン、チオフ
ェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、
ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリア
ゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリ
ン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フ
タラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、
シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリ
ン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾ
ール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベン
ズチアゾール、インドレニン、テトラアザインデンなど
が挙げられる。
【0013】ヘテロ環として好ましくは、イミダゾー
ル、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピ
リダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、イ
ンダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾー
ル、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリ
ン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジ
ン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チ
アゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズ
オキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テト
ラアザインデンであり、より好ましくはピリジン、ピリ
ミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリア
ジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、
フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリ
ン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾ
ール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベン
ズチアゾール、テトラアザインデンであり、更に好まし
くは、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾー
ル、キノリンである。
【0014】Ra として特に好ましくは、置換又は無置
換のフェニル基、置換又は無置換のトリアジン基、置換
又は無置換のチアジアゾール基、置換又は無置換のオキ
サジアゾール基、置換又は無置換のキノリン基である。
【0015】Ra で表される脂肪族炭化水素基、アリー
ル基、ヘテロ環基の置換基しては、例えばアルキル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメ
チル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブ
チル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデ
シル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ま
しくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
2、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル
基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基など
が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2
〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましく
は炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペ
ンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好まし
くは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、
特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル
基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられ
る。)、
【0016】アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、よ
り好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0
〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基な
どが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数
1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好まし
くは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ
基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ
基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数
6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例え
ばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げ
られる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1
〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホル
ミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキ
シカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12
であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニ
ル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素
数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例
えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられ
る。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数
2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素2〜16、特に
好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アル
コキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭
素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ
などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミ
ノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素
数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例
えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられ
る。)、
【0017】スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ
基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられ
る。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜2
0、より好ましくは炭素0〜16、特に好ましくは炭素
数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルス
ルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニル
スルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素1
〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカル
バモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられ
る。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基な
どが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素
数6〜20、より好ましくは炭素6〜16、特に好まし
くは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基など
が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましく
は炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基な
どが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ま
しくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニ
ル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウ
レイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエ
チルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙
げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン
原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ
基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、
ヘテロ環基(例えばイミダゾリル基、ピリジル基、フリ
ル基、ピペリジル基、モルホリノ基などが挙げられ
る。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換さ
れてもよい。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じ
でも異なってもよい。
【0018】この更なる置換基として好ましくは、アル
キル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニ
ル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカ
ルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ
基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモ
イル基、ウレイド基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シ
アノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ
環基であり、より好ましくはアルキル基、アラルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカル
ボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ
基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環
基であり、更に好ましくはアルキル基、アルキニル基、
アリール基である。
【0019】Yは−CO−、−SO−、または−SO2
−を表し、好ましくは−CO−、−SO2 −であり、よ
り好ましくは−SO2 −である。n1 は0又は1を表
す。
【0020】X1 、X2 で表されるハロゲン原子は、同
一又は互いに異なってもよくフッ素原子、塩素原子、臭
素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは塩素原子、臭
素原子である。
【0021】Aで表される電子吸引性基として好ましく
は、ハメットの置換基定数σp 値が0.01以上の置換
基であり、より好ましくは0.1以上の置換基である。
ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medical
Chemistry,1973,vol.16,No.11,1207-1216等を参考にす
ることができる。このような電子吸引性基としては、例
えばハロゲン原子(フッ素原子(σp 値:0.06)、
塩素原子(σp 値:0.23)、臭素原子(σp 値:
0.23)、ヨウ素原子(σp 値:0.18))、トリ
ハロメチル基(トリブロモメチル(σp 値:0.2
9)、トリクロロメチル基(σp 値:0.33)、トリ
フルオロメチル基(σp 値:0.54))、シアノ基
(σp 値:0.66)、ニトロ基(σp 値:0.7
8)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基
(例えば、メタンスルホニル(σp 値:0.72))、
脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、ア
セチル基(σp 値:0.50)、ベンゾイル基(σ
p 値:0.43))、アルケニル基(例えば、3,4−
(CH=CHCH=CH)(σp 値:0.04))、アルキニル基
(例えば、C3H3(σp 値:0.09))、脂肪族・アリ
ールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メト
キシカルボニル基(σp 値:0.45)、フェノキシカ
ルボニル基(σp 値:0.45))、カルバモイル基
(σp 値:0.36)、スルファモイル基(σp 値:
0.57)などが挙げられる。
【0022】Aで表される電子吸引性基として、より好
ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素
環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシ
ル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニ
ル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、脂肪族・ア
リールもしくは複素環オキシカルボニル基であり、特に
好ましくは塩素原子、臭素原子、メトキシカルボニル基
である。
【0023】一般式(A)で表される化合物のうち、好
ましくは一般式(a−1)、(a−2)、(a−3)、
(a−4)又は(a−5)で表される化合物である。
【0024】
【化4】
【0025】上記一般式(a−1)において、Ra1は脂
肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表し、
一般式(A)において説明した脂肪族炭化水素基、アリ
ール基、ヘテロ環基と同義である。Ra1として好ましく
は脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは直鎖状、分
岐状または環状の炭素数1〜20のアルキル基であり、
より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、更
に好ましくは炭素数1〜6の直鎖状アルキル基であり、
特に好ましくはメチル基である。
【0026】一般式(a−2)において、Ra21 、Ra
22 、Ra23 、Ra24 、Ra25 及びRa26 は、それぞれ
水素原子または一般式(A)において説明したRa で表
される脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基の置
換基として挙げたものである。またRa21 、Ra22 、R
a23 、Ra24 、Ra25 及びRa26 は、それぞれ連結して
環を形成してもよい。Ra21 、Ra22 、Ra23 、Ra
24 、Ra25 、Ra26 として好ましくは水素原子であ
る。na2は0又は1を表し、好ましくは0である。
【0027】一般式(a−3)において、Ra3はアリー
ル基を表す。Aa3はハロゲン原子又は脂肪族・アリール
もしくは複素環オキシカルボニル基である。Ra3で表さ
れるアリール基は一般式(A)において説明したRa で
表されるアリール基と同義であり、好ましくは置換又は
無置換のフェニル基であり、より好ましくはフェニル
基、4−メチルフェニル基である。Aa3で表されるハロ
ゲン原子として好ましくは臭素原子である。Aa3で表さ
れる脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル
基とし好ましくはアルコキシカルボニル基であり、より
好ましくはメトキシカルボニル基である。
【0028】一般式(a−4)において、Ra4はアリー
ル基を表す。Ra4で表されるアリール基は一般式(A)
において説明したRa で表されるアリール基と同義であ
り、好ましくは置換又は無置換のフェニル基であり、よ
り好ましくはフェニル基又は電子吸引性基で置換された
フェニル基であり、更に好ましくは4−トリフルオロメ
チルフェニル基である。)
【0029】一般式(a−5)において、Ra5はアリー
ル基を表す。Ra5で表されるアリール基は一般式(A)
において説明したRa で表されるアリール基と同義であ
り、好ましくは置換又は無置換のフェニル基であり、よ
り好ましくはフェニル基又はアルコキシ置換されたフェ
ニル基であり、更に好ましくは4−ブトキシフェニル基
である。またエチレン部分はトランス体であることが好
ましい。
【0030】次に一般式(B)で表される化合物につい
て詳細に説明する。Rb で表される脂肪族炭化水素基、
アリール基またはヘテロ環基は、一般式(A)における
Raで表される基と同義である。Rb として好ましくは
アリール基であり、より好ましくは置換又は無置換のフ
ェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくはフェニル
基である。
【0031】Mb で表されるカチオンは、有機または無
機のカチオンを表し、例えばアルカリ金属イオン(Li
+ 、Na+ 、K+ 、Cs+ など)、アルカリ土類金属イ
オン(Mg2+、Ca2+など)、アンモニウムイオン(ア
ンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、ト
リエチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウ
ムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラブ
チルアンモニウムイオン、1,2−エタンジアンモニウ
ムイオンなど)、ピリジニウムイオン、イミダゾリウム
イオン、ホスホニウムイオン(テトラブチルホスホニウ
ムイオンなど)などが挙げられる。Mb として好ましく
はアルカリ金属イオンであり、より好ましくはNa+
+ であり、更に好ましくはNa+ である。
【0032】n2 は分子が中性となるように決定される
数を表す。
【0033】次に一般式(C)で表される化合物につい
て詳細に説明する。Rc で表される脂肪族炭化水素基、
アリール基またはヘテロ環基は、一般式(A)における
Raで表される基と同義である。Rc として好ましくは
アリール基であり、より好ましくは置換又は無置換のフ
ェニル基、ナフチル基であり、更に好ましくは電子吸引
性基で置換されたフェニル基であり、特にハロゲン原子
で置換されたもの(特に塩素原子で置換されたもの)が
好ましく、具体例としては4−クロロフェニル、3,4
−ジクロロフェニル等が挙げられ、3,4−ジクロロフ
ェニルが最も好ましい。Mc 、n3 は、それぞれ一般式
(B)におけるMb 、n2 と同義である。Mc として好
ましくは水素原子である。
【0034】次に一般式(D)で表される化合物につい
て詳細に説明する。Rd1、Rd2、Rd3及びRd4で表され
る脂肪族炭化水素基、アリール基及びヘテロ環基は、一
般式(A)におけるRaで表される基と同義である。R
d1、Rd2、Rd3、Rd4として好ましくはアリール基であ
り、より好ましくは置換又は無置換のフェニル基、ナフ
チル基であり、更に好ましくはフェニル基である。Md
で表されるカチオンは、一般式(B)におけるMd で表
されるカチオンと同義である。Md として好ましくはア
ルカリ金属イオンであり、より好ましくはNa+ 、K +
であり、更に好ましくはNa+ である。n4 は一般式
(B)におけるn2 と同義である。
【0035】次に一般式(E)で表される化合物につい
て詳細に説明する。Re で表される脂肪族炭化水素基、
アリール基またはヘテロ環基は、一般式(A)における
Raで表される基と同義である。Re として好ましくは
ヘテロ環基であり、より好ましくは5ないし6員の不飽
和ヘテロ環基であり、より好ましくは5ないし6員の芳
香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子を含む
5ないし6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましく
は窒素原子を1ないし4原子含む5ないし6員の芳香族
ヘテロ環基である。
【0036】好ましいヘテロ環の具体例としては、ピロ
ール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジ
ン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジ
ン、インドール、インダゾール、プリン、チアゾール、
チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、キ
ノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キ
ナゾリン、シンノリン、プテリジン、テトラゾール、ベ
ンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾ
ール、インドレニン、テトラアザインデンなどが挙げら
れ、より好ましくはイミダゾール、トリアゾール、チア
ゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾ
ール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキ
サゾール、ベンズチアゾールであり、特に好ましくはテ
トラゾールである。Me 、n5 は、それぞれ一般式
(B)におけるMb 、n2 と同義である。Meとして好
ましくは水素原子、アルカリ金属イオンであり、より好
ましくは水素原子である。
【0037】次に一般式(F)で表される化合物につい
て詳細に説明する。Qで形成される含窒素ヘテロ環は3
ないし10員の飽和もしくは不飽和のヘテロ環であり、
これらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を
形成してもよい。ヘテロ環基として好ましくは、5ない
し6員の含窒素芳香族ヘテロ環基であり、より好ましく
は窒素原子を1ないし5原子含む5ないし6員の芳香族
ヘテロ環基である。Qで形成される好ましい含窒素ヘテ
ロ環の具体例としては、ピロール、イミダゾール、ピラ
ゾール、トリアゾール、インドール、イソインドール、
インダゾール、カルバゾール、ペリミジン、フェノチア
ジン、フェノキサジン、テトラゾール、ベンズイミダゾ
ール、ベンゾトリアゾール、テトラアザインデンなどが
挙げられ、より好ましくはインダゾール、ベンズイミダ
ゾール、ベンゾトリアゾール、テトラアザインデンであ
り、更に好ましくはインダゾール、ベンズイミダゾー
ル、ベンゾトリアゾールであり、特に好ましくはベンゾ
トリアゾールであり、中でも無置換又はニトロ基で置換
されたベンゾトリアゾールである。Mf 、n6 は、それ
ぞれ一般式(B)におけるMb 、n2 と同義である。M
fとして好ましくは水素原子、アルカリ金属イオンであ
り、より好ましくは水素原子である。以下に一般式
(A)〜(F)で表される化合物の具体例を挙げるが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化5】
【0039】
【化6】
【0040】
【化7】
【0041】
【化8】
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】
【化12】
【0046】本発明の一般式(A)〜(F)で表される
かぶり防止剤のなかでも、下記式(1)〜式(12)で
表される化合物がより好ましい。
【0047】
【化13】
【0048】本発明の上記の式(1)〜式(12)で表
されるかぶり防止剤の中でも式(1)〜式(4)で表さ
れる化合物が好ましい。また式(3)〜式(10)で表
される化合物を使用する場合には、これらに式(11)
または式(12)で表される化合物を併用することがよ
り好ましい。
【0049】このかぶり防止剤の使用量は、有機銀塩1
重量部に対して、好ましくは0.001重量部以上、
0.2重量部以下であり、更に好ましくは0.005重
量部以上、0.1重量部以下である。
【0050】本発明の記録材料の記録層に含有される有
機銀塩は、光に対して安定な無色ないし白色の銀塩であ
って、感光したハロゲン化銀の有無にかかわらず、現像
剤と共に加熱されたときに、酸化還元反応により銀を生
ずるものである。このような有機銀塩は、イミノ基、メ
ルカプト基又はカルボキシル基を有する有機化合物の銀
塩であり、その具体例としては、下記のものが挙げられ
る。 1)イミノ基を有する有機化合物の銀塩 サッカリン銀、フタラジノン銀、ベンゾトリアゾール銀
等、 2)メルカプト基又はチオン基有する有機化合物の銀塩 3−(2−カルボニルエチル)−4−オキシメチル−4
−チアゾリン−2−チオンの銀塩、3−メルカプト−4
−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩等、 3)カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩 ステアリン酸銀、ベヘン酸銀等。 これらのうち、白色で光に安定であること、耐湿性に優
れていること、比較的還元力の弱い還元剤と組み合わせ
て使用できること、優れた色調剤が知られていること、
などの観点から、ベヘン酸銀が最も好ましい。
【0051】本発明の記録材料においては、高濃度の有
機銀塩を使用して高濃度の画像を記録する観点から、脱
塩精製された有機銀塩を使用することが好ましい。有機
銀塩の脱塩精製は後記する方法で行うことができる。
【0052】本発明においては、有機銀塩と現像剤との
常温における還元反応を防止して記録材料のシェルフラ
イフを長くする観点から、有機銀塩または有機銀塩の現
像剤をマイクロカプセルに内包させる。このマイクロカ
プセル化の方法については後記の方法で行うことができ
る。
【0053】本発明の記録材料の記録層中に、露光され
た際に潜像を形成させると共に、有機銀塩に対する還元
反応、即ち現像を迅速に行わせることのできる感光性を
有するハロゲン化銀を有機銀塩に隣接して含有させた場
合には、本発明の記録材料は感光材料となる。この場合
のハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等の公知のハロゲン化銀のな
かから、適宜選択して用いることができる。ハロゲン化
銀を有機銀塩に隣接して含有させる場合には、前記ドラ
イシルバーの場合と同様に、ハロゲン化銀形成剤を加え
て有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変化させることが好
ましい。前記ハロゲン化銀形成剤としては、KBr、K
Cl、HBr等の無機ハロゲン化合物、NH4 Br、N
4 Cl等のオニウムハライド類、ハロゲン化炭素、N
−ブロモコハク酸イミド等のN−ハロゲン化物等のハロ
ゲン供与性化合物が挙げられる。ハロゲン化銀を併用す
る場合には、有機銀塩とともにマイクロカプセルに内包
させることが好ましい。前記感光性ハロゲン化銀を含有
させない場合には、本発明の記録材料は感熱記録材料で
ある。
【0054】本発明で用いられる現像剤は、加熱したと
きに有機銀塩を還元して銀を生成する作用を有する還元
剤であり、現像温度において迅速に還元反応すること、
現像後の画像の色調に影響を与えるものではないこと、
等の特性を要求される。このような還元剤としては、例
えば、ヒドロキシクマロン又はヒドロキシクマラン類、
スルホアミドフェノール類又はスルホアミドナフトール
類、ヒドラドン類、ヒロオキサミン酸類、ビス−β−ナ
フトール類、インダン−1,3−ジオン類、アミノフェ
ノール類又はアミノナフトール類、ピラゾリン−5−オ
ン類、ヒドロキシルアミン類、レダクトン類、ヒドラジ
ン類、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールB等のポリフェノール類、没食子酸エステル類、
フェニレンジアミン類、ヒドロキシインダン類、1,4
−ジヒドロキシピリジン類、アミドオキシム類、ヒドロ
キシ置換脂肪族カルボン酸アリールヒドラジド類、N−
ヒドロキシ尿素類、ホスホンアミドフェノール類、ホス
ホンアミドアニリン類、α−シアノフェニル酢酸エステ
ル類、スルホンアミドアミリン類等が挙げられるが、こ
れらのなかでも、下記式で表される各化合物、没食子酸
オクチル、没食子酸プロピル、没食子酸エチル又は没食
子酸メチル等を使用することが好ましい。
【0055】
【化14】
【0056】本発明においては、加熱時に有機銀塩と現
像剤との還元反応を促進し、画像の色調を整えて迅速に
現像を行わせる観点から、色調剤を記録層に含有させる
ことが好ましい。この色調剤は生ずる画像を濃色像、特
に黒色像としたい時に好んでもちいられる。使用量は有
機銀塩1モル当り約0.0001モル〜約2モル、好ま
しくは、約0.0005モル〜約1モルの範囲である。
有効な色調剤は使用する有機銀塩及び還元剤によって変
動するが、最も一般的な色調剤としては、少なくとも2
つのヘテロ原子を含む複素環式有機化合物であって、そ
の複素環中に少なくとも1個の窒素原子が存在するもの
である。
【0057】これらは、例えば、米国特許第3,08
0,254号明細書に記載されている。このような色調
剤の具体例としては、例えば、フタラゾン(フタラジノ
ン)、無水フタル類、2−アセチルフタラジノン、2−
フタリルフタラジノン、その他、特開昭50−6713
2号公報に記載されているような置換フタラジノンが挙
げられ、これらは本発明に好ましく使用される。他の有
効な色調剤の例としては、特開昭46−6077号公報
に記載されているような、ピラゾリン−5−オン類、環
状イミド類、キナゾリノンが挙げられる。これらの具体
例としては、例えば、フタルイミド、N−ヒドロキシフ
タルイミド、フタルイミド銀が挙げられる。又はフタラ
ジノン類も色調剤として有効である。他の有効な色調剤
としては、特開昭49−5019号、同49−5020
号公報に記載されているようなメルカプト化合物が挙げ
られる。他に、特開昭50−2542号公報に記載され
ているようなオキサジンジオン類、同50−67641
号公報に記載されているようなフタラジンジオン類、同
58−114217号公報に記載されているようなウラ
シル類、米国特許第3,782,941号明細書に記載
されているようなN−ヒドロキシナフタルイミド類、西
独特許出願公告公報第2,140,406号、同第2,
141,063号及び同第2,220,597号に記載
されているような、置換フタルイミド類、西独特許出願
公開公報第2,220,618号に記載されているよう
な、フタラジノン誘導体も同様に使用できる。本発明に
おいては、色調剤は固体分散状態で使用することができ
るが、マイクロカプセル化して使用しても良い。
【0058】本発明の記録材料に使用される有機銀塩ま
たは有機銀塩の現像剤を内包する熱応答性マイクロカプ
セルは、(1)ウレタン変性体、(2)アロファネート
変性体、(3)イソシアヌレート変性体、(4)ビュレ
ット変性体、(5)カルボジイミド変性体、(6)ブロ
ックドイソシアネート及び(7)ポリメリックMDIよ
り選択されたイソシアネート系化合物の少なくとも1種
を用い、この反応生成物からカプセル壁を形成すること
ができる。前記熱応答性マイクロカプセルの壁材である
イソシアネート系化合物の添加量は、有機銀塩に対して
固形重量比で0.1〜5であることが好ましい。また、
前記熱応答性マイクロカプセルの平均粒径を0.2〜
3.0μmとすることにより、透明な記録層を有する記
録材料を得ることができる。
【0059】また、本発明の記録材料の製造方法は、有
機銀塩を有機溶剤中に分散させた分散液に、さらに、下
記式(a)〜(k)で表される多価イソシアネート化合
物の少なくとも1種を添加してなる油相成分を、水溶性
バインダーを含む水溶液中に添加した後、攪拌して、該
油相成分を水溶液中に分散させた分散液とし、その後、
該イソシアネート化合物と水との反応により、熱応答性
マイクロカプセルの壁材を形成させる工程を含むもので
ある。
【0060】
【化15】
【0061】
【化16】
【0062】本発明で使用する熱応答性マイクロカプセ
ルは、常温において内包されている物質を隔離すると共
に、加熱時には圧力や熱等で破壊されることがなく、マ
イクロカプセルの壁が物質透過性となるマイクロカプセ
ルである。
【0063】本発明の記録材料は、熱応答性マイクロカ
プセルの壁材として、以下に挙げるイソシアネート系化
合物を用いることができる。変性体を形成するイソシア
ネート単量体としては、トリレンジイソシアネート(T
DI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、
ナフチレンジイソシアネート(NDI)、パラフェニレ
ンジイソシアネート(PPDI)、テトラメチルキシリ
レンジイソシアネート(TMXDI)、ヘキサメチレン
ジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン
ジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、リジンジイソシアネート(LD
I)、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソ
シアネート)(IPC)、水添キシリレンジイソシアネ
ート(水添XDI)、シクロヘキシルジイソシアネート
(CHDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)
等が挙げられる。以下に、このイソシアネート単量体の
構造を示すが、本発明に用いられるイソシアネート単量
体はこれらに限定されるものではない。これらは、例え
ば、「最新ポリウレタンの合成、配合と機能化・用途展
開」(技術情報協会、1989年刊)に詳細に記載され
ている。
【0064】これらのイソシアネート単量体は、毒性等
の好ましくない物性の改質、反応速度の制御や配合比率
の改善等を向上させる目的で、前記した如き種々のイソ
シアネート変性体に変性されて用いられる。次に、変性
体について説明する。(1)ウレタン変性体とは、イソ
シアネート単量体(又は、ジイソシアネート)を不足量
のポリオールで変性したものである。(2)アロファネ
ート変性体は、ウレタン基にイソシアネート基が付加し
て生成される。(3)イソシアヌレート変性体は、イソ
シアヌレート環を分子内に有しており、耐熱性が向上す
る傾向がある。(4)ビュレット変性体は、ウレア結合
にイソシアネート基が付加した化合物であり、遊離のイ
ソシアネートを除去したものである。(5)カルボジイ
ミド変性体は、2モルのイソシアネート基から脱炭酸ガ
ス反応により、カルボジイミド結合が生成する。更に、
イソシアネートが付加するとウレトンイミンが生成した
後、カルボジイミドとウレトンイミンが平衡的に共存す
る。(6)ブロックドイソシアネートはイソシアネート
基の活性を一時マスクするために各種ブロック剤を反応
させて得られ、ブロック剤としては、フェノール、キシ
レノール等のフェノール系ブロック剤、オキシム、ラク
タム、アルコール類等の活性水素化合物などが挙げられ
る。
【0065】このような壁材を用いてマイクロカプセル
を製造する方法としては、公知の製造方法を採用するこ
とができるが、特に、有機銀塩または有機銀塩の現像剤
を有機溶剤に溶解又は分散せしめた芯物質に、前記壁材
を添加してなる油相成分を、水溶性高分子を溶解した水
溶液中で乳化した後、その油滴の周囲に前記壁材の重合
体からなる壁を形成させる界面重合法を採用することが
好ましい。上記有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のカルボン酸エステル、トルエン、キシレン、リ
ン酸エステル等の沸点が150℃以下の非水溶媒を使用
することが好ましい。前記壁材原料から、壁となる重合
体を形成するリアクタントとしては、乳化、分散後に、
加温することが好ましい。加温の条件としては、30〜
80℃で30分間〜4時間であることが好ましく、30
℃未満であると、反応に長時間を要し、また、反応が不
完全にしか進まず、80℃を超えると反応の制御が困難
となり、いずれも好ましくない。
【0066】前記水溶性高分子の具体例としては、ゼラ
チン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等
が挙げられる。例えば、イソシアネート化合物をカプセ
ル壁材として用いる場合には、有機銀塩または有機銀塩
の現像剤を前記の如き有機溶剤中に分散させた分散液
に、さらに、イソシアネート化合物の少なくとも1種を
添加した油相成分を、ゼラチン等の水溶性バインダーを
含む水溶液中に添加した後、攪拌して、該油相成分を水
溶液中に分散させた分散液を得て、分散系全体を、例え
ば、40〜90℃程度に加温して熱応答性マイクロカプ
セルの壁材を形成させることができる。このとき、得ら
れる熱応答性マイクロカプセルの平均粒径は0.1〜
3.0μmであることが好ましく、0.2〜1.2μm
であることがより好ましい。粒径を前記範囲に制御する
ことにより、記録層の透明性が向上し、シャーカステン
にて透過光で画像を視察しうる、非画像部の透明性が優
れているため、紫外線光を用いて印刷版を形成する場合
のマスク(印刷感光層の光遮蔽層)として好適に使用し
うる等の利点を有することになる。更に、マイクロカプ
セルの壁材を形成させるための加熱時にマイクロカプセ
ル壁を膨潤させるために、増感剤を乳化分散又は固体分
散状態で添加することもできる。
【0067】増感剤は、マイクロカプセル壁材として用
いるポリマーの可塑剤と言われるものの中から、融点が
50℃以上、好ましくは150℃以下で常温では固体で
あるものを選択して用いることができる。例えば、壁材
がポリウレア、ポリウレタンから成る場合には、ヒドロ
キシ化合物、カルバミン酸エステル化合物、芳香族アル
コキシ化合物、有機スルホンアミド化合物、脂肪族アミ
ド化合物、アリールアミド化合物等が好適に用いられ
る。
【0068】本発明で使用する水溶性バインダーは、記
録層に含有される現像剤やマイクロカプセルを結着する
と共に、記録層を支持体に接着させる作用を有するもの
である。このような水溶性バインダーとしては、ゼラチ
ン及び/又はゼラチン誘導体(例えば、フタル化ゼラチ
ン等)、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等の水溶性ポリマー、アラビヤゴム、ポリビニルピ
ロリドン、カゼイン、スチレン−ブタジエンラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス、ポリ酢
酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等の各種エマルジョン等を挙げることがで
きる。バインダーの使用量は、固形分に換算して0.5
〜5g/m2 であることが好ましい。
【0069】以上の素材の他に酸安定剤としてクエン
酸、酒石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等
を添加することができる。
【0070】本発明の記録材料として、感光材料を製造
する場合には、一般式RCOOAgで表される有機銀塩
を有機溶剤中に分散させた後、ハロゲン供与性化合物を
加えて前記RCOOAgの一部をハロゲン化銀に変換す
ると同時に、又は、変換した後、イソシアネート系化合
物を加えてなる油相成分を、水溶性ポリマーを含有する
水溶液中に添加・攪拌して前記油相成分を分散し、その
後該イソシアネート化合物と水との反応により、前記有
機銀塩及びハロゲン化銀を内包するマイクロカプセルを
含有するマイクロカプセル液を調製し、更に、有機銀塩
の現像剤を添加して記録層用塗布液を調製した後、得ら
れた塗布液を支持体に塗布・乾燥することによって製造
することが好ましい。又は、周知の方法で作成したハロ
ゲン化銀粒子を有機溶剤に分散して有機銀塩と混合した
後、上記のマイクロカプセル化操作を行うこともでき
る。本発明の記録材料として、感熱記録材料を製造する
場合には、上記の場合においてハロゲン供与性化合物を
加える必要はない。本発明において使用する有機銀塩
は、前記した如く、脱塩精製したものであることが好ま
しい。
【0071】脱塩精製とは、例えば、有機酸にアルカリ
を添加して形成させた反応する有機酸の塩に硝酸銀を添
加して有機銀塩を調製する場合に、該硝酸銀の添加によ
って副生した硝酸塩を系外に除去することである。この
ような脱塩精製は、有機銀塩は通さずに硝酸塩は透過さ
せる半透膜を用いた限外ろ過法、または遠心分離法によ
って行うことが好ましい。
【0072】本発明で使用する支持体は透明であっても
不透明であっても良い。不透明な支持体としては、紙、
合成紙、紙に高分子フィルムをラミネートしたもの、ア
ルミ蒸着ベース、高分子フィルムに白色顔料をコートし
たもの等を挙げることができる。透明な支持体として
は、例えばポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレート等のポリエステルフィルム、三酢酸セル
ロースフィルム等のセルロース誘導体フィルム、ポリス
チレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレ
ンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデン
フィルム、ポリアクリル酸共重合体フィルム、ポリカー
ボネートフィルム等が挙げられ、これらを単独或いは貼
り合わせて用いることができるが、特にポリエステルフ
ィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施したものが好まし
い。フィルムの製造方法は上記の目的を達することがで
きる条件で行えばよく、特に制限はない。具体的には、
加熱溶融して押出し、冷却、固化、延伸、熱固定させて
フィルムを製造する方法等が挙げられる。支持体の厚み
は20〜300μm、より好ましくは、50〜250μ
m、さらに好ましくは、60〜150μmである。この
範囲以下では力学強度が不足し、取扱い上問題が発生し
やすい。一方、この範囲以上に厚くして、力学強度を上
げる必要はない。本発明の記録材料の透明支持体として
使用し得るフィルム類は、厚さ20〜300μmでヘイ
ズ(くもり度)が3%以下のものは好ましい。
【0073】また、支持体には、本発明の目的を妨げな
い範囲で無機微粒子、酸化防止剤、帯電防止剤、色素等
を配合することができる。ここで使用し得る無機微粒子
としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VII A
族、VIII族、IB族、IIB族、III B族、IVB族、各元
素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化
物、炭酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン
酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化
合物、それらを中心とする複合化合物、天然鉱物粒子な
どが挙げられる。具体的には、弗化リチウム、硼砂(硼
酸ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグ
ネシウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグ
ネシア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化
マグネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウ
ム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウ
ム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウ
ム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜燐酸バリ
ウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニ
ア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム
(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等IVA族元素化合
物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリブ
デン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マンガ
ン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバル
ト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素化
合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸化
アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウム、弗化ア
ルミニウム、アルミノシリケート(珪酸アルミナ、カオ
リン、カオリンナイト)等のIII B族元素化合物、酸化
珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーポン、グラフ
ァイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カ
イナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱
等の天然鉱物の粒子が挙げられる。なかでも、ハンドリ
ング性の観点から、シリカ、タルク、チタニア、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム
等およびこれらの混合物等が好ましい。
【0074】また、有機微粒子としては、架橋ポリスチ
レン、架橋ポリメチルメタクリレート等の微粒子が挙げ
られる。酸化防止剤、帯電防止剤、色素等は、樹脂用添
加剤として公知のものを目的に応じて配合することがで
きる。
【0075】本発明において、高分子フィルム又はこれ
をラミネートした紙を支持体として用いる場合、或い
は、透明な支持体を使用する場合には、支持体と記録層
の接着性を高めるために、これらの間に下塗層を設ける
ことが好ましい。下塗層の素材としては、ゼラチンや合
成高分子ラテックス、ニトロセルロース等が用いられ
る。下塗層の塗布量は0.1g/m2 〜2.0g/m2
の範囲にあることが好ましく、特に0.2g/m2
1.0g/m2 の範囲が好ましい。下塗層は、記録層が
その上に塗布された時に、記録層中に含まれる水により
膨潤して記録層の画質を悪化させることがあるので、硬
膜剤を用いて硬化させることが望ましい。
【0076】硬膜剤としては、例えば特開平2−141
279号公報に記載されているものを挙げることができ
る。これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量に対して
0.20重量%から3.0重量%となる範囲で、塗布方
法や希望の硬化度に合わせて適切な添加量を選ぶことが
できる。用いる硬膜剤によっては、必要ならば、更に苛
性ソーダを加えて液のpHをアルカリ側にする事も、或
いはクエン酸等により液のpHを酸性側にする事もでき
る。また、塗布時に発生する泡を消すために消泡剤を添
加する事も、或いは、液のレベリングを良くして塗布筋
の発生を防止するために活性剤を添加する事も可能であ
る。更に、下塗層を塗布する前には、支持体の表面を公
知の方法により活性化処理する事が望ましい。活性化処
理の方法としては、酸によるエッチング処理、ガスバー
ナーによる火焔処理、或いはコロナ放電処理、グロー放
電処理等が用いられるが、コストの面或いは簡便さの点
から、米国特許第2,715,075号、同第2,84
6,727号、同第3,549,406号、同第3,5
90,107号等に記載されたコロナ放電処理が最も好
んで用いられる。
【0077】本発明においては、記録層をスティッキン
グや溶剤等から保護するために、記録層上に顔料を含有
する保護層を設けることが好ましい。このような顔料と
しては、雲母、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸
化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、ロ
ウ石、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホルマリン樹脂
粉末等が挙げられるが、これらの中でも特に炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリカ、雲母及
びタルクが好ましい。本発明における保護層は、顔料を
保持すると共に透明性を良好とする観点から、バインダ
ーとして完全齢化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコ
ール等を含有するものであることが好ましい。本発明に
おける保護層用塗布液(保護層液という)は、上記バイ
ンダーの溶液に顔料を混合して得られるが、目的に応じ
て、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラ
フィンワックス、ポリエチレンワックス等の滑剤及び分
散剤、蛍光増白剤、架橋剤、スルホコハク酸系のアルカ
リ金属塩及びフッ素含有界面活性剤等の各種助剤を更に
添加してもよい。
【0078】本発明の記録材料は、例えば、有機銀塩を
内包した熱応答性マイクロカプセル、現像剤、水溶性バ
インダー、その他の添加物を含有した記録層用塗布液及
び保護層用塗布液を作り、支持体上に、バー塗布、ブレ
ード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコー
ティング塗布、スプレー塗布、ディップ塗布等の塗布法
により塗布乾燥して、固形分重量で2.5〜25g/m
2 の記録層、固形分重量で0.2〜7g/m2 の保護層
を設けることによって製造される。
【0079】有機銀塩及び現像剤の塗布量は、記録層中
のAg成分として0.5〜3.0g/m2 とすることが
好ましく、特に0.8〜2.0g/m2 とすることが好
ましい。本発明に用いる塗布液には、本発明の特性を損
なわない限り、顔料分散剤、増粘剤、流動変性剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤及び着色剤等を必要に応じて適宜配
合することができる。さらに、必要に応じて記録材料の
支持体の発色層とは反対の面にバックコート層を設けて
もよい。バックコート層は記録材料のバックコート層と
して公知の物であればいずれのものでも使用することが
できる。
【0080】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。文中で特に断りのない限り「%」は「重量%」
を、「部」は「重量部」を意味する。
【0081】(実施例1) 記録材料の調製 (ベヘン酸銀の調製)ベヘン酸25.59gを水480
gに添加し、90℃に加温した後、水45gにNaOH
2.89gを溶解した水溶液を添加し、よく攪拌した
後、50℃に冷却した。次いで、得られた溶液に、水7
5gにAgNO3 12.13gを添加した水溶液を5分
間掛けて滴下した後、30分間攪拌を続行して反応を行
わせた。得られた反応液をろ布でろ過し、水900ml
を加えて攪拌し洗浄した後、再度ろ過した。このような
水洗操作を3回繰り返した後、得られた固形分を50℃
の送風乾燥機で3日間乾燥し、ベヘン酸銀乾燥固体を得
た。
【0082】記録層用塗布液の調製 (ベヘン酸銀を内包するカプセル液の調製)調製済のベ
ヘン酸銀乾燥固体から27gを秤取し、これにポリビニ
ルブチラール1.10g、酢酸イソアミル110gを加
え、ペイントシェーカーにて3時間分散し、さらに、モ
ーターミルにかけて分散し、平均粒径0.3μmのベヘ
ン酸銀分散液を得た。得られた分散液10gにカプセル
壁材としてタケネートD−110N〔商品名、武田薬品
社製:前記式(a)の構造を有するイソシアネート化合
物〕6gを添加したものを油相成分とした。これを、1
0%ポリビニルアルコール(PVA217E:商品名、
クラレ社製)水溶液32gと、水21gを混合した溶液
(水相)に添加し、ホモジナイザー(日本精機製、エー
スホモジナイザー)を用いて、8,000rpmでさら
に10分間微細乳化した。得られた微細乳化分散液に水
60gを添加した液を、攪拌しながら65℃に加熱し、
3時間保持してカプセル化反応を行わせた。ここで、壁
材のベヘン酸銀に対する固形分重量比は約2.3であっ
た。得られた液は、ベヘン酸銀を内包する平均粒径が
0.8μmのマイクロカプセル液である。 (現像剤分散物の調製)5%ポリビニルアルコール(P
VA205、クラレ社製)100gにフタラジノン(色
調剤)10g、没食子酸n−プロピル10gを添加し、
磁性ボールミルで16時間分散して、粒子径が0.4μ
mの現像剤分散液を調整した。
【0083】(かぶり防止剤液の調製)式(1)で表さ
れる化合物0.3gをメタノール10gに添加し、攪拌
溶解してかぶり防止剤液を得た。 (塗布液の調製)前記ベヘン酸銀を内包するカプセル液
(固形分18%)15gに水3.4g、現像剤分散液
2.8g、かぶり防止剤液0.6gを混合して、塗布液
を得た。
【0084】保護層用塗布液の調製 水32g及びカルボキシ変性ポリビニルアルコール(P
VA−KL−318:商品名、クラレ社製)10%の水
溶液32gと、エポキシ変性ポリアミド(FL−71:
商品名、東邦化学社製)30%の分散液3gとを混合し
た液に、ポリオキシエチレン(界面活性剤)2%水溶液
5g、ステアリン酸亜鉛20%の分散液(ハイドリン
Z:商品名、中京油脂株社製)4gを添加して保護層用
塗布液を得た。 記録材料の作製 下塗り層を設けた透明ポリエチレンテレフタレート支持
体(130μm/厚)上に、前記記録層用塗布液をワイ
ヤーバーを用いて乾燥膜厚22g/m2 となる様に塗布
し、50℃で20分間乾燥した。次いで、この塗膜上
に、さらに、固形分が2.0g/m2 となるように保護
層用塗布液を塗布・乾燥して記録材料を得た。
【0085】熱記録及びシェルフライフの評価 得られた記録材料を作製直後のもの、及び40℃で湿度
が90%RH(相対湿度)または60℃で湿度が30%
RH(相対湿度)の条件で3日放置(劣化テスト)した
ものを用い、下記のようにして熱記録した。得られた記
録材料に、サーマルヘッドKST型(商品名:京セラ株
式会社製)を用いて、単位面積当たりの記録熱エネルギ
ーが60mJ/mm2 となるように印加電圧及びパルス
幅を調節して、画像を記録し、最大発色部と背景部(最
低発色部)の光学透過濃度をマクベス濃度計を用いて測
定した(発色部はイエローフィルターを、背景部は紫外
フィルターを使用)。結果を表1に示す。
【0086】〔実施例2〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(2)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0087】〔実施例3〕かぶり防止剤として式(1)
の化合物に代えて、式(3)の化合物を使用した他は実
施例1と同様にして記録材料を調製し、同様にして画像
を熱記録し、シェルフライフの評価を行った。結果は表
1に示す。
【0088】〔実施例4〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(4)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0089】〔実施例5〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(5)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0090】〔実施例6〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(6)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0091】〔実施例7〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(7)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0092】〔実施例8〕実施例1のかぶり防止剤液の
調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(8)の化合物0.1gを、メタノ
ールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1と
同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記録
し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0093】〔実施例9〕かぶり防止剤として式(1)
の化合物に代えて、式(9)の化合物を使用した他は実
施例1と同様にして記録材料を調製し、同様にして画像
を熱記録し、シェルフライフの評価を行った。結果は表
1に示す。
【0094】〔実施例10〕かぶり防止剤として式
(1)の化合物0.3gに代えて、式(10)の化合物
0.05gを使用した他は実施例1と同様にして記録材
料を調製し、同様にして画像を熱記録し、シェルフライ
フの評価を行った。結果は表1に示す。
【0095】〔実施例11〕かぶり防止剤として式
(1)の化合物0.3gに代えて、式(11)の化合物
0.5gを使用した他は実施例1と同様にして記録材料
を調製し、同様にして画像を熱記録し、シェルフライフ
の評価を行った。結果は表1に示す。
【0096】〔実施例12〕実施例1のかぶり防止剤液
の調製において、かぶり防止剤として式(1)の化合物
0.3gに代えて式(12)の化合物0.1gを、メタ
ノールに代えてアセトニトリルを使用した他は実施例1
と同様にして記録材料を調製し、同様にして画像を熱記
録し、シェルフライフの評価を行った。結果は表1に示
す。
【0097】〔実施例13〕かぶり防止剤として式
(3)の化合物0.3gに加えて、式(11)の化合物
0.5gを加えた他は実施例3と同様にして記録材料を
調製し、同様にして画像を熱記録し、シェルフライフの
評価を行った。結果は表1に示す。
【0098】〔実施例14〕 記録材料の調製 (ベヘン酸銀/フタラジノンの共分散液の調製)実施例
1において調製したベヘン酸銀11.74g、フタラジ
ノン(色調剤)1.81g、ポリビニルアルコール(重
合度500、けん化度88%)の15%水溶液29.3
gに、水57.1gを添加し、ボールミルで12時間分
散した。粒子の平均粒子サイズは0.4μmであった。
【0099】(現像剤を含有するマイクロカプセル液の
調製)下記式で表される現像剤5gを酢酸エチル13g
に添加し、均一に混合した。得られた液に、カプセル壁
剤としてトリメチロールプロパンとキシリレンジイソシ
アネートの(1:3)付加反応物(商品名:タケネート
D−110N、武田薬品工業株式会社製)10gを添加
し、均一に混合して現像剤液を得た。
【0100】
【化17】
【0101】得られた現像剤液を、ポリビニルアルコー
ル(重合度1700、けん化度88%)の6%水溶液3
4gとスルホコハク酸ジオクチルナトリウムの2%水溶
液0.5gを混合した溶液に添加し、ホモジナイザーで
10000rpm、5分間乳化分散した。得られた乳化
分散液に水15g、ジエチレントリアミン0.2gを加
えて均一に混合し、攪拌しながら40℃に加温し、カプ
セルの平均粒径が0.5μmになるように3時間カプセ
ル化反応を行わせて現像剤を含有するマイクロカプセル
液を得た。 (記録層用塗布液の調製)ベヘン酸銀/フタラジノンの
共分散液8g、5−ニトロベンゾトリアゾール(かぶり
防止剤)の3%メタノール溶液1.0g、現像剤含有マ
イクロカプセル液(固形分39%)6gを混合し、記録
層用塗布液とした。
【0102】保護層用塗布液の調製)実施例1と同様に
して保護層用塗布液を調製した。 (記録材料の作製)下塗り層を設けた透明ポリエチレン
テレフタレート支持体(130μm/厚)上に、前記記
録層用塗布液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚22g/
2 となるように塗布し、50℃で20分間乾燥した。
次いでこの塗膜上に、さらに固形分が2.0g/m2
なるように保護層用塗布液を塗布乾燥して記録材料を得
た。実施例1と同様にして画像を熱記録し、シェルフラ
イフの評価を行った。結果は表1に示す。
【0103】〔比較例1〕かぶり防止剤を使用しなかっ
た他は実施例1と同様にして記録材料を調製し、同様に
して画像を熱記録し、シェルフライフの評価を行った。
結果は表1に示す。
【0104】
【表1】
【0105】表1の結果より、本発明の記録材料は、調
製直後のみならず高温高湿化での放置(劣化テスト)後
も、優れた発色濃度を維持しており、背景部の着色も観
察されず、シェルフライフが従来品に比較して長いこと
がわかった。
【0106】
【発明の効果】以上のように本発明においては、シェル
フライフが従来のものに比べて著しく長いうえ、記録画
像の濃度が高い記録材料が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、有機銀塩、有機銀塩の現像
    剤、及び水溶性バインダーを含有する記録層を設けてな
    る記録材料であって、有機銀塩または有機銀塩の現像剤
    のうちの少なくとも一方が熱応答性マイクロカプセル中
    に内包されると共に、前記記録層中にかぶり防止剤とし
    て下記一般式(A)〜(F)で表される化合物の群の中
    から選ばれた少なくとも一種の化合物を含有することを
    特徴とする記録材料。 【化1】 一般式(A)において、Ra は脂肪族炭化水素基、アリ
    ール基またはヘテロ環基を、Yは−CO−、−SO−ま
    たは−SO2 −を、n1 は0または1を、X1及びX2
    はそれぞれハロゲン原子を、Aは水素原子または電子吸
    引性基を表す。一般式(B)において、Rb は脂肪族炭
    化水素基、アリール基またはヘテロ環基を、Mb は水素
    原子またはカチオンを、n2 は分子が中性となるように
    決定される数を表す。一般式(C)において、Rc は脂
    肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を、Mc
    は水素原子またはカチオンを、n3 は分子が中性となる
    ように決定される数を表す。一般式(D)において、R
    d1、Rd2、Rd3及びRd4はそれぞれ脂肪族炭化水素基、
    アリール基またはヘテロ環基を、Md はカチオンを、n
    4 は分子が中性となるように決定される数を表す。一般
    式(E)において、Re は脂肪族炭化水素基、アリール
    基またはヘテロ環基を、Me は水素原子またはカチオン
    を、n5 は分子が中性となるように決定される数を表
    す。一般式(F)において、Qは含窒素ヘテロ環を形成
    するに必要な原子群を、Mf は水素原子又はカチオン
    を、n6 は分子が中性となるように決定される数を表
    す。
  2. 【請求項2】 前記かぶり防止剤が下記式(1)〜式
    (12)で表される化合物の群の中から選ばれた少なく
    とも一種の化合物であることを特徴とする請求項1に記
    載の記録材料。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記かぶり防止剤が式(1)〜式(4)
    で表される化合物の群の中から選ばれた少なくとも一種
    の化合物であることを特徴とする請求項2に記載の記録
    材料。
  4. 【請求項4】 かぶり防止剤として式(3)〜式(1
    0)で表される化合物の群の中から選ばれた少なくとも
    一種の化合物、及び式(11)または式(12)で表さ
    れる化合物のうち少なくとも一種の化合物を含有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の記録材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7175977B2 (en) 2003-12-18 2007-02-13 Agfa-Gevaert Stabilizers for use in thermographic recording materials

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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