JPH11338100A - 記録材料 - Google Patents

記録材料

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JPH11338100A
JPH11338100A JP14092698A JP14092698A JPH11338100A JP H11338100 A JPH11338100 A JP H11338100A JP 14092698 A JP14092698 A JP 14092698A JP 14092698 A JP14092698 A JP 14092698A JP H11338100 A JPH11338100 A JP H11338100A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
recording material
acid
silver salt
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Pending
Application number
JP14092698A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Matsumoto
浩隆 松本
Sadao Ishige
貞夫 石毛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カブリが少なく、生保存性がよく、かつ、画
像保存性、特に中間調画像の保存性に優れた記録材料の
提供。 【解決手段】 支持体上に、少なくとも、有機銀塩及び
有機銀塩の還元剤を含む記録層を設けた記録材料におい
て、下記一般式(I) 及び(II)で表される化合物の少なく
ともいずれか一種を含有することを特徴とする記録材料
である。一般式(I) 及び(II)中、R1 及びR2 は、アリ
ール基、ヘテロ環基、パーフルオロアルキル基、スルホ
ニルメチル基、ニトロメチル基、又はシアノメチル基を
表し、これらは更に別の置換基を有していてもよい。Q
は、含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表
す。前記記録材料は、フタル酸、フタル酸誘導体、無水
フタル酸及び無水フタル酸誘導体から選ばれる少なくと
も一種を更に含有していることが好ましい。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乾式処理することに
よって画像を形成する記録材料に関し、詳しくは、有機
銀塩を用いて銀画像を形成させることのできる、乾式処
理用の記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀の感光性、階調性、及び、
良好な画質を維持したまま、ハロゲン化銀の湿式処理の
欠点を解消し、実用化された乾式処理用の感光材料とし
ては、米国スリーエム(3M)社が開発した所謂ドライ
シルバーが著名である。このドライシルバーの必須構成
成分の一つである有機銀塩として、光に安定な無色ない
し白色の銀塩であって、還元剤と共に100℃以上に加
熱されたときに酸化還元反応により銀(像)を生ずるベ
ヘン酸銀が使用されている。
【0003】ドライシルバー感光材料は、一般に、有機
銀塩をポリマー等の結合剤中に分散させた有機銀塩のポ
リマー分散液に、ハロゲン化銀形成剤を加えて有機銀塩
の一部をハロゲン化銀に変化させた塗布液、又は、有機
銀塩のポリマー分散液に予め別に調製しておいたハロゲ
ン化銀及び、還元剤(現像主薬)や各種添加剤を配合し
た塗布液を支持体上に塗布・乾燥して記録層を設けるこ
とによって調製される。この熱現像感光材料は常温で安
定であるが、露光後高温(例えば、80℃以上)に加熱
した場合に有機銀塩と有機銀塩の還元剤との間の酸化還
元反応を通じて銀を生成する。この酸化還元反応は露光
で発生した潜像の触媒作用によって促進される。露光領
域中の有機銀塩の反応によって生成した銀は黒色画像を
提供し、これは非露光領域と対照をなし、画像の形成が
なされる。一方、ハロゲン化銀の有無に拘わらず、画像
情報をサーマルヘッドの熱印加により与える場合も画像
が得られるので、ドライシルバー記録材料は感熱記録材
料としても用い得る。
【0004】このような記録材料の記録層は、高濃度の
画像を得るために、有機銀塩の含有濃度を高くすると、
常温における還元反応が進行し易くなり、シェルフライ
フが低下するという問題があった。また、シェルフライ
フを改良するために所謂カブリ防止剤を使用することが
知られている。従来のカブリ防止技術として最も有効な
カブリ防止剤は水銀イオンであった。感光材料中にカブ
リ防止剤として水銀化合物を使用することについては、
例えば米国特許第3,589,903号に開示されてい
る。しかし、水銀化合物は環境的に好ましくない。また
非水銀カブリ防止剤は、米国特許第3,874,946
号及び4,756,999号に開示されているような化
合物、−C(X1 )(X 2 )(X3 )(X1 及びX
2 は、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br又はI)
を表し、X3 は、水素原子又はハロゲン原子を表す。)
で表される1以上の置換基を備えたヘテロ環状化合物で
あるが、これらはそのまま使用すると銀の色調を著しく
悪化させたり、感度低下を引き起こす等の問題があり、
改善が必要であった。また、感熱記録材料として用いる
場合には、更に画像を印画した後に、中間調の濃度が伸
びてしまうという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、カブリが少なく、生保存性が
よく、かつ、画像保存性、特に中間調画像の保存性に優
れた記録材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に、少なくとも、有機銀塩及び有機銀
塩の還元剤を含む記録層を設けた記録材料において、下
記一般式(I) 及び(II)で表される化合物の少なくともい
ずれか一種を含有することを特徴とする記録材料であ
る。
【0007】
【化4】
【0008】(一般式(I) 及び(II)中、R1 及びR
2 は、アリール基、ヘテロ環基、パーフルオロアルキル
基、スルホニルメチル基、ニトロメチル基、又はシアノ
メチル基を表し、これらは更に別の置換基を有していて
もよい。Qは、含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原
子群を表す。) <2> 前記一般式(I) で表される化合物が、下記一般
式(III) 及び(IV)で表される化合物の少なくともいずれ
か一種である前記<1>に記載の記録材料である。
【0009】
【化5】
【0010】(一般式(III) 及び(IV)中、R3 〜R
13は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、ヘテロ環基、
アリールオキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、ア
シルオキシ基、スルホ基、アシル基、スルファモイル
基、ウレイド基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ
基、トリフルオロメチル基、アルケニル基、アルキニル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルフィニル
基、リン酸アミド基、又はスルホニル基を表し、これら
は更に別の置換基を有していてもよい。また、R3 〜R
6 の間、R7 〜R11の間、R12〜R13の間で芳香族環、
脂肪族環又はヘテロ環を形成していてもよい。) <3> 前記一般式(II)で表される化合物が、下記一般
式 (V)及び(VI)で表される化合物の少なくともいずれ
か一種である前記<1>又は<2>に記載の記録材料で
ある。
【0011】
【化6】
【0012】(一般式(V) 及び(VI)中、R3 〜R13は、
水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アミノ基、ヘテロ環基、アリー
ルオキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオ
キシ基、スルホ基、アシル基、スルファモイル基、ウレ
イド基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、トリフ
ルオロメチル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、スルフィニル基、リン酸ア
ミド基、又はスルホニル基を表し、これらは更に別の置
換基を有していてもよい。また、R3 〜R6 の間、R7
〜R11の間、R12〜R13の間で芳香族環、脂肪族環又は
ヘテロ環を形成していてもよい。) <4> フタル酸、フタル酸誘導体、無水フタル酸及び
無水フタル酸誘導体から選ばれる少なくとも一種を更に
含有してなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の
記録材料である。 <5> 前記フタル酸誘導体が、テトラブロモフタル酸
及びテトラクロロフタル酸の少なくともいずれか一方で
ある前記<4>に記載の記録材料である。 <6> 前記無水フタル酸誘導体が、無水テトラブロモ
フタル酸及び無水テトラクロロフタル酸の少なくともい
ずれか一方である前記<4>又は<5>に記載の記録材
料である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の記録材料は、支持体上に記録層を有してなり、
更に必要に応じてその他の層を有してなる。 [記録層]前記記録層は、前記一般式(I) 及び(II)で表
される化合物の少なくともいずれか一種、有機銀塩及び
有機銀塩の還元剤を含有し、更に必要に応じて、その他
の成分を含有してなる。
【0014】(一般式(I) 及び(II)で表される化合物)
以下に、一般式(I) 及び(II)で表される化合物を示す。
【0015】
【化7】
【0016】一般式(I) 及び(II)中、R1 及びR2 は、
アリール基、ヘテロ環基、パーフルオロアルキル基、ス
ルホニルメチル基、ニトロメチル基、シアノメチル基を
表し、これらは更に別の置換基を有していてもよい。Q
は、含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表
す。R1 及びR2 で表されるアリール基は、単環又は縮
環していてもよく、好ましくは炭素数6〜30、より好
ましくは6〜20、更に好ましくは6〜16の単環又は
二環のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基
等)であり、これらは更に置換基を有していてもよい。
好ましくは、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル
基、置換ナフチル基が挙げられる。
【0017】R1 及びR2 で表されるアリール基の置換
基は、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭
素数1〜8であり、例えば、メチル基、エチル基、is
o−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル
基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げら
れる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数
2〜8であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテ
ニル基、3−ペンテニル基等が挙げられる。)、アルキ
ニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭
素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例
えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基等が挙げられ
る。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より
好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜
12であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル
基、ナフチル基等が挙げられる。)、アミノ基(好まし
くは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、
特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えば、アミノ
基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミ
ノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。)、アルコ
キシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭
素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例
えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げら
れる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜2
0、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭
素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ基、2−
ナフチルオキシ基等が挙げられる。)、アシル基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ア
セチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ビバロイル基等
が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特
に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられ
る。)、
【0018】アリールオキシカルボニル基(好ましくは
炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に
好ましくは炭素数7〜10であり、例えば、フェニルオ
キシカルボニル基等が挙げられる。)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2
〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例え
ば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ
る。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数
2〜10であり、例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイ
ルアミノ基等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル
アミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは
炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であ
り、例えば、メトキシカルボニルアミノ基等が挙げられ
る。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましく
は炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特
に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニル
オキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。)、スルホ
基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数
1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ば、メタンスルホ基、ベンゼンスルホ基等が挙げられ
る。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ
基、ベンゼンスルホニルアミノ基等が挙げられる。)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好
ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜1
2であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファ
モイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルフ
ァモイル基等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、カ
ルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバ
モイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられ
る。)、
【0019】アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えば、メチルチオ基、エチルチ
オ基等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは
炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に
好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチ
オ基等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭
素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好
ましくは炭素数1〜12であり、例えば、スルホニルメ
チル基、トシル基等が挙げられる。)、スルフィニル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基等
が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド基、メチルウ
レイド基、フェニルウレイド基等が挙げられる。)、リ
ン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン
酸アミド基等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子)、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒ
ドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、ヘテロ
環基(例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、フリル
基、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられる。)等
が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよ
い。また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異な
っていてもよい。
【0020】R1 及びR2 で表されるアリール基の置換
基として、より好ましくは、ニトロ基、ハロゲン原子、
メチル基、パーフルオロアルキル基、シアノ基、アルコ
キシカルボニル基、スルホニル基であり、更に好ましく
はニトロ基、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル
基、スルホニルメチル基である。
【0021】R1 及びR2 で表されるヘテロ環基は、窒
素原子、酸素原子及び硫黄原子の少なくとも一つを含む
3〜10員の飽和若しくは不飽和のヘテロ環であり、こ
れらは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形
成していてもよい。ヘテロ環基として好ましくは、5〜
6員の不飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは5〜6
員の芳香族ヘテロ環基である。更に好ましくは窒素原子
を含む5〜6員の芳香族ヘテロ環基であり、特に好まし
くは窒素原子を1〜4原子含む5〜6員の芳香族ヘテロ
環基であり、これらは更に置換基を有していてもよい。
具体例として、好ましくは、ピリジン、ピリミジン、ピ
ラジン、ピリダジン、トリアジン、チアジアゾール、オ
キサジアゾール、キノリン、キノキサリン、キナゾリ
ン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナント
ロリン、フェナジンであり、より好ましくはピリジン、
ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、キノリンである。
【0022】R1 及びR2 として、好ましくはフェニル
基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、ト
リフルオロメチル基であり、特に好ましくはフェニル
基、ニトロフェニル基である。
【0023】Qで形成される含窒素ヘテロ環基とは、3
〜10員の飽和若しくは不飽和のヘテロ環であり、これ
らは単環であってもよいし、更に他の環と縮合環を形成
してもよい。好ましくは、5〜6員の含窒素芳香族ヘテ
ロ環基であり、より好ましくは窒素原子を1〜5原子含
む5〜6員の芳香族ヘテロ環基である。Qで形成される
好ましい含窒素ヘテロ環の具体例としては、ピロール、
イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、インドー
ル、イソインドール、インダゾール、カルバゾール、ペ
リミジン、フェノチアジン、フェノキサジン、テトラゾ
ール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、テト
ラアザインデン等が挙げられ、より好ましくは、トリア
ゾール、ベンゾトリアゾール、テトラゾール、インダゾ
ール、ベンズイミダゾール、テトラアザインデン、特に
好ましくは、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、テト
ラゾールであり、中でも無置換、ハロゲン原子又はニト
ロ基で置換されたベンゾトリアゾール、1,2,4−ト
リアゾール、1H−テトラゾールである。
【0024】一般式(I) 及び(II)で表される化合物は、
加熱により結合が切断され、遊離した含窒素ヘテロ環
が、カブリ防止効果を発揮する、カブリ防止剤プレカー
サーである。即ち、一般式(I) で表される化合物におい
ては、加熱により、窒素原子と硫黄原子との間の結合が
切断され、遊離した含窒素ヘテロ環が、カブリ防止剤と
して作用する。また、一般式(II)で表される化合物にお
いては、加熱により、窒素原子と炭素原子との間の結合
が切断され、遊離した含窒素ヘテロ環が、カブリ防止剤
として作用する。
【0025】一般式(I) 及び/又は(II)で表される化合
物を添加することにより、本発明の記録材料が、印画後
の画像保存性に優れるのは、画像形成のために加熱した
部分で、未反応の有機銀塩が残存するような地肌部から
中間濃度に至る部分において、本発明のカブリ防止剤プ
レカーサーより遊離した含窒素ヘテロ環化合物がカブリ
防止剤として作用し、保存経時でさらに未反応の有機銀
塩と有機銀塩の還元剤とが反応を続け、還元銀を生成
し、地肌のカブリを生成したり、画像の中間調の濃度が
伸びたりする現象を防止するためであると考えられる。
一般式(I) 及び/又は(II)で表される化合物の含有量
は、前記有機銀塩に対して通常、0.1〜400モル%
程度であり、好ましくは1〜100モル%、より好まし
くは、10〜80モル%である。前記含有量が0.1モ
ル%より少ないと、カブリ防止効果を十分発揮できず、
400モル%より多いと、銀の色調を悪化させたり、ヘ
イズが著しく高くなり、画像の透明性が低下することが
ある。本発明においては、本発明におけるカブリ防止剤
プレカーサーと共に、従来公知のカブリ防止剤を更に加
えることもできる。
【0026】一般式(I) 又は(II)で表される化合物の製
造方法は、特に制限はなく、従来公知の方法により製造
することができる。
【0027】前記一般式(I) で表される化合物は、下記
一般式(III) 及び(IV)で表される化合物の少なくともい
ずれか一種であることが好ましく、前記一般式(II)で表
される化合物は、下記一般式(V) 及び(VI)で表される化
合物の少なくともいずれか一種であることが好ましい。
【0028】
【化8】
【0029】一般式(III) から(VI)中、R3 〜R13は、
水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アミノ基、ヘテロ環基、アリー
ルオキシ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオ
キシ基、スルホ基、アシル基、スルファモイル基、ウレ
イド基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、トリフ
ルオロメチル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、スルフィニル基、リン酸ア
ミド基、又はスルホニル基を表し、これらは更に別の置
換基を有していてもよい。また、R3 〜R6 の間、R7
〜R11の間、R12〜R13の間で芳香族環、脂肪族環又は
ヘテロ環を形成していてもよい。
【0030】アルキル基は、好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭
素数1〜8であり、具体例としては、メチル基、エチル
基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オ
クチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が
挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基が挙げられ
る。これらは更に別の置換基を有していてもよい。アリ
ール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは
炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であ
り、具体例としては、フェニル基、p−メチルフェニル
基、ナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基が
挙げられる。これらは更に別の置換基を有していてもよ
い。
【0031】アルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭
素数1〜8であり、具体例としては、メトキシ基、エト
キシ基、ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ
基が挙げられる。これらは更に別の置換基を有していて
もよい。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素が挙げられる。アルコキシカルボニル
基は、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素
数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、具
体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基
が挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよ
い。
【0032】ヘテロ環基は、好ましくは、5〜6員の不
飽和ヘテロ環基であり、より好ましくは5〜6員の芳香
族ヘテロ環基であり、具体例としては、ピリジン、キノ
リン、アクリジン、ピラン、オキサゾール、チアゾール
等が挙げられ、好ましくは、ピリジン、キノリンが挙げ
られる。これらは更に置換基を有していてもよい。アリ
ールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜20、より好ま
しくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12
であり、具体例としては、フェニルオキシ基、2−ナフ
チルオキシ基等が挙げられ、好ましくはフェニルオキシ
基が挙げられる。これらは更に置換基を有していてもよ
い。スルホニル基は、好ましくは炭素数1〜20、より
好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜
12であり、具体例としては、スルホニルメチル基、ス
ルホニルエチル基、トシル基等が挙げられ、好ましくは
スルホニルメチル基が挙げられる。これらは更に置換基
を有していてもよい。
【0033】カルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
炭素数1〜12であり、具体例としては、カルバモイル
基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、
フェニルカルバモイル基等が挙げられ、好ましくはジエ
チルカルバモイル基が挙げられる。これらは更に別の置
換基を有していてもよい。アシルオキシ基は、好ましく
は炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特
に好ましくは炭素数2〜10であり、具体例としては、
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられ、好ま
しくはアセトキシ基が挙げられる。これらは更に別の置
換基を有していてもよい。スルホ基は、好ましくは炭素
数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ま
しくは炭素数1〜12であり、具体例としては、メタン
スルホ基、ベンゼンスルホ基等が挙げられ、好ましく
は、メタンスルホ基が挙げられる。これらは更に別の置
換基を有していてもよい。
【0034】アシル基は、好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、具体例としては、アセチル基、ベンゾ
イル基、ホルミル基、ピバロイル基等が挙げられ、好ま
しくは、アセチル基、ベンゾイル基が挙げられる。これ
らは更に別の置換基を有していてもよい。スルファモイ
ル基は、好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭
素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、
具体例としては、スルファモイル基、メチルスルファモ
イル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファ
モイル基等が挙げられ、好ましくは、ジメチルスルファ
モイル基が挙げられる。これらは更に別の置換基を有し
ていてもよい。ウレイド基は、好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、具体例としては、ウレイド基、メ
チルウレイド基、フェニルウレイド基等が挙げられ、好
ましくは、メチルウレイド基が挙げられる。これらは更
に別の置換基を有していてもよい。
【0035】アシルアミノ基は、好ましくは炭素数2〜
20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは
炭素数2〜10であり、具体例としては、アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられ、好ましくは、
アセチルアミノ基が挙げられる。これらは更に別の置換
基を有していてもよい。スルホニルアミノ基は、好まし
くは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、
特に好ましくは炭素数1〜12であり、具体例として
は、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルア
ミノ基等が挙げられ、好ましくは、メタンスルホニルア
ミノ基が挙げられる。これらは更に別の置換基を有して
いてもよい。アルケニル基は、好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭
素数2〜8であり、具体例としては、ビニル基、アリル
基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基等が挙げられ、
好ましくは、ビニル基、アリル基が挙げられる。これら
は更に別の置換基を有していてもよい。
【0036】アルキニル基は、好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭
素数2〜8であり、具体例としては、プロパルギル基、
3−ペンチニル基等が挙げられ、好ましくは、3−ペン
チニル基が挙げられる。これらは更に別の置換基を有し
ていてもよい。アルキルチオ基は、好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましく
は炭素数1〜12であり、具体例としては、メチルチオ
基、エチルチオ基、ブチルチオ基等が挙げられ、好まし
くは、エチルチオ基が挙げられる。これらは更に別の置
換基を有していてもよい。アリールチオ基は、好ましく
は炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特
に好ましくは炭素数6〜12であり、具体例としては、
フェニルチオ基等が挙げられる。これらは更に別の置換
基を有していてもよい。
【0037】スルフィニル基は、好ましくは炭素数1〜
20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは
1〜12であり、具体例としては、メタンスルフィニル
基、ベンゼンスルフィニル基等が挙げられ、好ましく
は、メタンスルフィニル基が挙げられる。これらは更に
別の置換基を有していてもよい。リン酸アミド基は、好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、具体例とし
ては、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド
基等が挙げられ、好ましくは、ジエチルリン酸アミド基
が挙げられる。これらは更に別の置換基を有していても
よい。
【0038】該アルキル基、該アリール基、該アルコキ
シ基、該アルコキシカルボニル基、該アミノ基、該アリ
ールオキシ基、該アルキルスルホニル基の更なる置換基
としては、好ましくは、アルキル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル
オキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミ
ノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニル
アミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイ
ド基、ビトロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ
基、カルボキシル基、ニトロ基、ヘテロ環基であり、よ
り好ましくはアルキル基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、ビトロキシ
基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基であり、特に
好ましくはアルキル基、アルキニル基、アリール基であ
る。
【0039】R3 〜R6 の間で形成される環としては、
好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、
特に好ましくは2〜16の単環又は二環の芳香族環、脂
肪族環、若しくはヘテロ環であり、具体例としては、ベ
ンゼン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環等が挙
げられる。R7 〜R11の間で形成される環としては、好
ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、特
に好ましくは2〜16の単環又は二環の芳香族環、脂肪
族環、若しくはヘテロ環であり、具体例としては、ベン
ゼン環、シクロヘキセン環、シクロペンテン環等が挙げ
られる。R12〜R13の間で形成される環としては、好ま
しくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、特に
好ましくは2〜16の単環又は二環のヘテロ環であり、
具体例としては、ピロリン環が挙げられる。
【0040】以下に、一般式(I) 〜(VI)で表される化合
物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに何ら限定され
るものではない。
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】
【化12】
【0045】
【化13】
【0046】
【化14】
【0047】(有機銀塩)本発明の記録材料の記録層に
含有される有機銀塩は、光に対して安定な無色ないし白
色の銀塩であって、感光したハロゲン化銀の有無にかか
わらず、還元剤と共に加熱されたときに、酸化還元反応
により銀を生ずるものである。このような有機銀塩は、
イミノ基、メルカプト基又はカルボキシル基を有する有
機化合物の銀塩であり、その具体例としては、下記に示
すものが挙げられる。
【0048】前記イミノ基を有する有機化合物の銀塩と
しては、サッカリン銀、フタラジノン銀、ベンゾトリア
ゾール銀等が挙げられる。前記メルカプト基又はチオン
基有する有機化合物の銀塩としては、3−(2−カルボ
ニルエチル)−4−オキシメチル−4−チアゾリン−2
−チオンの銀塩、3−メルカプト−4−フェニル−1,
2,4−トリアゾールの銀塩等が挙げられる。前記カル
ボキシル基を有する有機化合物の銀塩としては、ステア
リン酸銀、ベヘン酸銀等が挙げられる。これらのうち、
白色で光に安定であること、耐湿性に優れていること、
緩やかな還元剤と組み合わせて使用できること、優れた
色調剤が知られていること、等の観点から、ベヘン酸銀
が最も好ましい。
【0049】本発明においては、有機銀塩は、固体分散
されたものでもよく、また、有機銀塩と還元剤との常温
における還元反応を防止して記録材料のシェルフライフ
を長くする観点から、有機銀塩を熱応答性マイクロカプ
セルで内包されたものでもよい。
【0050】固体分散の方法については、特に限定され
るものではなく、従来公知の方法を用いることができ
る。具体的には、有機銀塩をポリビニルアルコール等の
水溶性高分化合物、及び必要に応じて、色調剤、カブリ
防止剤プレカーサー、カブリ防止剤、分散剤、水等を組
み合わせてボールミル、サンドミル等により数ミクロン
以下にまで分散する。一方、還元剤は、同様にして固体
分散するか、若しくはポリビニルアルコール等の水溶液
に完全に溶解する。このようにして得られた各液をブレ
ンドして固体分散液を調製し、支持体上に塗布して記録
材料を得る。
【0051】本発明で使用することができる熱応答性マ
イクロカプセルは、常温において内包されている物質を
隔離すると共に、加熱時には圧力や熱等で破壊されるこ
とがなく、マイクロカプセルの壁が物質透過性となるこ
とが好ましい。本発明の記録材料は、有機銀塩を熱応答
性マイクロカプセルで内包する場合、熱応答性マイクロ
カプセルの壁材として、以下に挙げるイソシアネート系
化合物を用いることができる。
【0052】ここで好適に用いられるイソシアネート系
化合物は、公知のイソシアネート単量体の(1)ウレタ
ン変性体、(2)アロファネート変性体、(3)イソシ
アヌレート変性体、(4)ビュレット変性体、(5)カ
ルボジイミド変性体、(6)ブロックドイソシアネート
等の変性体、及び、(7)ポリメリックMDI、即ち、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MD
I)の直鎖状重合体、から選択されることができる。
【0053】有機銀塩をマイクロカプセルに内包する場
合には、一般式RCOOAgで表される有機銀塩を有機
溶剤中に分散させた後、ハロゲン供与性化合物を加えて
前記RCOOAgの一部をハロゲン化銀に変換すると同
時に、又は、変換した後、イソシアネート系化合物を加
えてなる油相成分を、水溶性ポリマーを含有する水溶液
中に添加・攪拌して前記油相成分を分散し、その後、該
イソシアネート化合物と水との反応により、前記有機銀
塩及びハロゲン化銀を内包するマイクロカプセルを含有
するマイクロカプセル液を調製し、更に、有機銀塩の還
元剤を添加して記録層用塗布液を調製した後、得られた
塗布液を支持体に塗布・乾燥することによって製造する
ことが好ましい。又は、周知の方法で作成したハロゲン
化銀粒子を有機溶剤に分散して有機銀塩と混合した後、
上記のマイクロカプセル化操作を行うこともできる。本
発明の記録材料として、感熱記録材料を製造する場合に
は、上記の場合においてハロゲン供与性化合物を加える
必要はない。
【0054】本発明の記録材料においては、高濃度の有
機銀塩を使用して高濃度の画像を記録する観点から、脱
塩精製された有機銀塩を使用することが好ましい。前記
脱塩精製とは、例えば、有機酸にアルカリを添加して形
成した有機酸の塩に硝酸銀を添加して有機銀塩を調製す
る場合に、該硝酸銀の添加によって副生した硝酸塩を系
外に除去することである。このような脱塩精製は、有機
銀塩は通さずに硝酸塩は透過させる半透膜を用いた限外
ろ過法、又は遠心分離法によって行うことが好ましい。
【0055】本発明の記録材料の記録層中に、露光され
た際に潜像を形成させると共に、有機銀塩に対する還元
反応、即ち現像を迅速に行わせることのできる感光性を
有するハロゲン化銀を有機銀塩に隣接して含有させた場
合には、本発明の記録材料は感光材料となる。この場合
のハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃化
銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀等の公知のハロゲン化銀の中
から、適宜選択して用いることができる。
【0056】ハロゲン化銀を有機銀塩に隣接して含有さ
せる場合には、前記ドライシルバーの場合と同様に、ハ
ロゲン化銀形成剤を加えて有機銀塩の一部をハロゲン化
銀に変化させることが好ましい。前記ハロゲン化銀形成
剤としては、KBr、KCl、HBr等の無機ハロゲン
化合物、NH4 Br、NH4 Cl等のオニウムハライド
類、ハロゲン化炭素、N−ブロモコハク酸イミド等のN
−ハロゲン化物等のハロゲン供与性化合物が挙げられ
る。前記感光性ハロゲン化銀を含有させない場合には、
本発明の記録材料は感熱記録材料である。
【0057】(有機銀塩の還元剤)前記還元剤は、加熱
したときに有機銀塩を還元して銀を生成する作用を有す
る還元剤であり、現像温度において迅速に還元反応する
こと、現像後の画像の色調に影響を与えるものではない
こと、等の特性を要求される。
【0058】前記還元剤としては、例えば、ヒドロキシ
クマロン又はヒドロキシクマラン類、スルホアミドフェ
ノール類又はスルホアミドナフトール類、ヒドラドン
類、ヒロオキサミン酸類、ビス−β−ナフトール類、イ
ンダン−1,3−ジオン類、アミノフェノール類又はア
ミノナフトール類、ピラゾリン−5−オン類、ヒドロキ
シルアミン類、レダクトン類、ヒドラジン類、ハイドロ
キノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールB等のポ
リフェノール類、没食子酸、没食子酸エステル類、フェ
ニレンジアミン類、ヒドロキシインダン類、1,4−ジ
ヒドロキシピリジン類、アミドオキシム類、ヒドロキシ
置換脂肪族カルボン酸アリール基ヒドラジド類、N−ヒ
ドロキシ尿素類、ホスホンアミドフェノール類、ホスホ
ンアミドアニリン類、α−シアノフェニル酢酸エステル
類、スルホンアミドアミリン類等が挙げられるが、これ
らの中でも、下記式で表される各化合物、没食子酸オク
チル、没食子酸プロピル、没食子酸エチル又は没食子酸
メチル等を使用することが好ましい。
【0059】
【化15】
【0060】(その他の成分) −前記カブリ防止剤プレカーサーと併用する化合物− 前記その他の成分としては、前記カブリ防止剤プレカー
サーと併用することにより、カブリ防止効果がより顕著
となる化合物が、好ましく用いられる。このような化合
物としては、フタル酸、フタル酸誘導体、無水フタル
酸、無水フタル酸誘導体、ナフタレンジカルボン酸、ナ
フタレンジカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボ
ン酸、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、4,4’−
イソプロピリデンジフェノキシ酢酸等が挙げられ、好ま
しくは、フタル酸、フタル酸誘導体、無水フタル酸及び
無水フタル酸誘導体が挙げられ、より好ましくは、それ
ぞれハロゲン原子を含むフタル酸誘導体及び無水フタル
酸誘導体が挙げられる。
【0061】フタル酸誘導体の具体例としては、テトラ
ブロモフタル酸、テトラクロロフタル酸、ベンゼントリ
カルボン酸、メリト酸、2,3−ナフタレンジカルボン
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジフェニルスル
ホンテトラカルボン酸等が挙げられ、好ましくは、テト
ラブロモフタル酸及びテトラクロロフタル酸が挙げら
れ、より好ましくは、テトラブロモフタル酸が挙げられ
る。
【0062】無水フタル酸誘導体の具体例としては、無
水テトラブロモフタル酸、無水テトラクロロフタル酸、
ベンゼンテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸無水物等が挙げられ、好ましくは、無水テトラブロ
モフタル酸及び無水テトラクロロフタル酸が挙げられ、
より好ましくは、無水テトラブロモフタル酸が挙げられ
る。
【0063】前記カブリ防止剤プレカーサーと併用する
化合物の含有量は、前記有機銀塩に対して通常、0.1
〜100モル%程度であり、好ましくは、1〜50モル
%、より好ましくは、5〜25モル%である。含有量が
0.1モル%より少ないと、カブリ防止効果を充分発揮
できず、100モル%より多いと、銀の色調を悪化させ
たり、ヘイズが高くなり画像の透明性が低下することが
ある。
【0064】−色調剤− 本発明においては、加熱時に有機銀塩と還元剤との還元
反応を促進し、画像の色調を整えて迅速に現像を行わせ
る観点から、色調剤を記録層に含有させることが好まし
い。この色調剤は生ずる画像を濃色像、特に黒色像とし
たい時に好んで用いられる。前記色調剤の使用量は、有
機銀塩1モル当り、約0.0001モル〜約2モル、好
ましくは、約0.0005モル〜約1モルである。有効
な色調剤は使用する有機銀塩及び還元剤によって変動す
るが、最も一般的な色調剤としては、少なくとも2つの
ヘテロ原子を含む複素環式有機化合物であって、その複
素環中に少なくとも1個の窒素原子が存在するものであ
る。
【0065】これらは、例えば、米国特許第3,08
0,254号明細書に記載されている。このような色調
剤の具体例としては、例えば、フタラジン、フタラゾン
(フタラジノン)、無水フタル類、2−アセチルフタラ
ジノン、2−フタリルフタラジノン、その他、特開昭5
0−67132号公報に記載されているような置換フタ
ラジノンが挙げられ、これらは本発明に好ましく使用さ
れる。他の有効な色調剤の例としては、特開昭46−6
077号公報に記載されているような、ピラゾリン−5
−オン類、環状イミド類、キナゾリノンが挙げられる。
これらの具体例としては、例えば、フタルイミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、フタルイミド銀が挙げられ
る。また、フタラジノン類も色調剤として有効である。
【0066】他にも、特開昭49−5019号、同49
−5020号公報に記載されているようなメルカプト化
合物が挙げられる。また、特開昭50−2542号公報
に記載されているようなオキサジンジオン類、同50−
67641号公報に記載されているようなフタラジンジ
オン類、同58−114217号公報に記載されている
ようなウラシル類、米国特許第3,782,941号明
細書に記載されているようなN−ヒドロキシナフタルイ
ミド類、西独特許出願公告公報第2,140,406
号、同第2,141,063号及び同第2,220,5
97号に記載されているような、置換フタルイミド類、
西独特許出願公開公報第2,220,618号に記載さ
れているような、フタラジノン誘導体も同様に使用でき
る。
【0067】−水溶性バインダー− 本発明においては、記録層に含有される有機銀塩(又は
有機銀塩内包マイクロカプセル)や還元剤を結着すると
共に、記録層を支持体に接着させるために、水溶性バイ
ンダーを使用することが好ましい。このような水溶性バ
インダーとしては、ゼラチン及び/又はゼラチン誘導体
(例えば、フタル化ゼラチン等)、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性ポリマー、ア
ラビヤゴム、ポリビニルピロリドン、カゼイン、スチレ
ン−ブタジエンラテックス、アクリロニトリル−ブタジ
エンラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エス
テル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の各種エマルジ
ョン等を挙げることができる。バインダーの使用量は、
固形分に換算して0.5〜5g/m2 であることが好ま
しい。以上の素材の他に酸安定剤としてクエン酸、酒石
酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加す
ることができる。
【0068】[支持体]本発明で使用する支持体は透明
であっても不透明であってもよい。不透明な支持体とし
ては、紙、合成紙、紙に高分子フィルムをラミネートし
たもの、アルミ蒸着ベース、高分子フィルムに白色顔料
をコートしたもの等を挙げることができる。透明な支持
体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポ
リブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、
三酢酸セルロースフィルム等のセルロース誘導体フィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、
ポリエチレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポ
リイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化
ビニリデンフィルム、ポリアクリル酸共重合体フィル
ム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられ、これらを
単独或いは貼り合わせて用いることができるが、特にポ
リエステルフィルムに耐熱処理、帯電防止処理を施した
ものが好ましい。
【0069】フィルムの製造方法は、上記の目的を達す
ることができる条件で行えばよく、特に制限はない。具
体的には、加熱溶融して押出し、冷却、固化、延伸、熱
固定させてフィルムを製造する方法等が挙げられる。支
持体の厚みは20〜300μm程度であり、50〜25
0μmが好ましく、60〜150μmがより好ましい。
前記厚みが20μm以下では力学強度が不足し、取扱い
上問題が発生しやすい。一方、前記厚みを300μm以
上に厚くして、力学強度を上げる必要はない。透明支持
体として使用し得るフィルム類は、厚みが20〜300
μmで、ヘイズ(くもり度)が3%以下のものが好まし
い。
【0070】また、支持体には、本発明の目的を妨げな
い範囲で無機微粒子、有機微粒子、酸化防止剤、帯電防
止剤、色素等を配合することができる。ここで使用し得
る無機微粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA
族、VII A族、VIII族、IB族、IIB族、III B族、IV
B族、各元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、
ハロゲン化物、炭酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有
機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれ
らの含水化合物、それらを中心とする複合化合物、天然
鉱物粒子等が挙げられる。具体的には、弗化リチウム、
硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、
炭酸マグネシウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウ
ム(マグネシア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウ
ム、弗化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マ
グネシウム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸
カルシウム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸
カルシウム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カ
ルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カ
ルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウ
ム、炭酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜燐
酸バリウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタ
ニア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウ
ム(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等IVA族元素化
合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリ
ブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マン
ガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバ
ルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素
化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸
化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウム、弗化
アルミニウム、アルミノシリケート(珪酸アルミナ、カ
オリン、カオリンナイト)等のIII B族元素化合物、酸
化珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラ
ファイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、
カイナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース
鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられる。中でも、ハンドリ
ング性の観点から、シリカ、タルク、チタニア、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム
等及びこれらの混合物等が好ましい。
【0071】また、有機微粒子としては、架橋ポリスチ
レン、架橋ポリメチルメタクリレート等の微粒子が挙げ
られる。酸化防止剤、帯電防止剤、色素等は、樹脂用添
加剤として公知のものを目的に応じて配合することがで
きる。
【0072】[その他の層] (下塗層)本発明において、高分子フィルム又はこれを
ラミネートした紙を支持体として用いる場合、或いは、
透明な支持体を使用する場合には、支持体と記録層の接
着性を高めるために、これらの間に下塗層を設けること
が好ましい。下塗層の素材としては、ゼラチンや合成高
分子ラテックス、ニトロセルロース等が用いられる。下
塗層の塗布量は0.1〜2.0g/m2 が好ましく、
0.2〜1.0g/m2 がより好ましい。下塗層は、記
録層がその上に塗布された時に、記録層中に含まれる水
により膨潤して記録層の画質を悪化させることがあるの
で、硬膜剤を用いて硬化させることが望ましい。
【0073】硬膜剤としては、例えば、特開平2−14
1279号公報に記載されているものを挙げることがで
きる。これらの硬膜剤の添加量は、下塗層の重量に対し
て0.20〜3.0重量%であり、塗布方法や希望の硬
化度に合わせて適切な添加量を選ぶことができる。用い
る硬膜剤によっては、必要ならば、更に苛性ソーダを加
えて液のpHをアルカリ側にすることも、或いはクエン
酸等により液のpHを酸性側にすることもできる。ま
た、塗布時に発生する泡を消すために消泡剤を添加する
ことも、或いは、液のレベリングをよくして塗布筋の発
生を防止するために活性剤を添加することもできる。
【0074】更に、下塗層を塗布する前には、支持体の
表面を公知の方法により活性化処理することが好まし
い。活性化処理の方法としては、酸によるエッチング処
理、ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロナ放電処
理、グロー放電処理等が用いられるが、コストの面或い
は簡便さの点から、米国特許第2,715,075号、
同第2,846,727号、同第3,549,406
号、同第3,590,107号等の公報に記載されたコ
ロナ放電処理が最も好んで用いられる。
【0075】(保護層)本発明においては、記録層をス
ティッキングや溶剤等から保護するために、記録層上に
顔料を含有する保護層を設けることが好ましい。このよ
うな顔料としては、雲母、タルク、炭酸カルシウム、酸
化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、カオリン、
タルク、ロウ石、合成珪酸塩、非晶質シリカ、尿素ホル
マリン樹脂粉末等が挙げられるが、これらの中でも特に
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリ
カ、雲母及びタルクが好ましい。
【0076】本発明における保護層は、顔料を保持する
と共に透明性を良好にする観点から、バインダーとして
完全齢化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール等を
含有するものであることが好ましい。本発明における保
護層用塗布液は、上記バインダーの溶液に顔料を混合し
て得られるが、目的に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、パラフィンワックス、ポリエチレ
ンワックス等の滑剤及び分散剤、蛍光増白剤、架橋剤、
スルホコハク酸系のアルカリ金属塩及びフッ素含有界面
活性剤等の各種助剤を更に添加してもよい。
【0077】(バックコート層)本発明においては、更
に、必要に応じて記録材料の支持体の記録層とは反対の
面にバックコート層を設けてもよい。バックコート層
は、記録材料のバックコート層として公知の物であれば
いずれのものでも使用することができる。
【0078】[塗布法等]本発明の記録材料は、例え
ば、有機銀塩、還元剤、その他の添加物を含有した記録
層用塗布液及び保護層用塗布液を作り、支持体上に、バ
ー塗布、ブレード塗布、エアナイフ塗布、グラビア塗
布、ロールコーティング塗布、スプレー塗布、ディップ
塗布等の塗布法により塗布乾燥して、固形分重量で2.
5〜25g/m 2 の記録層、固形分重量で0.2〜7g
/m2 の保護層を設けることによって製造される。有機
銀塩及び還元剤の塗布量は、記録層中のAg成分として
0.5〜3.0g/m2 とすることが好ましく、0.8
〜2.0g/m2 とすることがより好ましい。
【0079】本発明に用いる塗布液には、本発明の特性
を損なわない限り、顔料分散剤、増粘剤、流動変性剤、
消泡剤、抑泡剤、離型剤及び着色剤等を必要に応じて適
宜配合することができる。
【0080】
【実施例】以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるもので
はない。文中で特に断りのない限り「%」は「重量%」
を、「部」は「重量部」を意味する。
【0081】(実施例1) [感熱記録材料の調製] <ベヘン酸銀の調製>ベヘン酸10.59gを水200
gに添加し、90℃に加温した後、水26.5gに水酸
化ナトリウム1.06gを溶解した水溶液を添加し、よ
く攪拌した後、50℃に冷却した。次いで、得られた溶
液に、水25.3gに硝酸銀4.30gを添加した水溶
液を5分間かけて滴下した後、30分間攪拌を続行して
反応を行わせた。得られた反応液をろ布でろ過し、水8
00mlを加えて攪拌し洗浄した後、再度ろ過した。こ
のような水洗操作を3回繰り返した後、得られた固形分
を50℃の送風乾燥機で3日間乾燥し、ベヘン酸銀乾燥
固体(ベヘン酸銀として85.0重量%)を得た。
【0082】<ベヘン酸銀/4−メチルフタル酸共分散
液の調製>このようにして得たベヘン酸銀乾燥固体から
19.1gを秤量し、これに4−メチルフタル酸0.9
g、15%ポリビニルアルコール水溶液(PVA20
5、(株)クラレ製)33.0g及びイオン交換水6
7.0gを加えて、磁性ボールミルで16時間分散し
て、平均粒径約0.6μmのベヘン酸銀/4−メチルフ
タル酸共分散液を得た。
【0083】<カブリ防止剤プレカーサー分散液(1)
の調製>化9のIII −1で表される化合物(カブリ防止
剤プレカーサー)20.0gに15%ポリビニルアルコ
ール水溶液(PVA205、(株)クラレ製)33.0
g及びイオン交換水67.0gを加えて、磁性ボールミ
ルで16時間分散してカブリ防止剤プレカーサー分散液
(1)を得た。
【0084】<テトラブロモフタル酸無水物分散液の調
製>テトラブロモフタル酸無水物20.0gに15%ポ
リビニルアルコール水溶液(PVA205、(株)クラ
レ製)33.0g及びイオン交換水67.0gを加え
て、磁性ボールミルで16時間分散してテトラブロモフ
タル酸無水物分散液を得た。
【0085】<カブリ防止剤液の調製>IH−テトラゾ
ール1.0gをメタノール1.8gとイオン交換水7.
2gの溶液に添加し、撹拌溶解して、カブリ防止剤液を
得た。 <フタラジン水溶液の調製>フタラジン3.0gをイオ
ン交換水3.0gに添加し、撹拌溶解してフタラジン水
溶液を得た。
【0086】<還元剤水溶液の調製>22%ポリビニル
アルコール水溶液(PVA203、(株)クラレ製)4
4.5gに没食子酸メチル2.1g、没食子酸エチル
2.1gを加え、50℃で撹拌溶解し、さらに、ホウ酸
0.6gを加えて撹拌溶解して還元剤水溶液を得た。
【0087】<感熱記録層用塗布液(1)の調製>前記
ベヘン酸銀/4−メチルフタル酸共分散液26.3gに
前記カブリ防止剤液1.7gを添加し、撹拌・混合した
後、さらに前記フタラジン水溶液1.7g、還元剤水溶
液9.8g、テトラブロモフタル酸無水物分散液4.4
g、カブリ防止剤プレカーサー分散液(1)7.2g、
イオン交換水4.7gを添加し、撹拌混合し感熱記録層
用塗布液(1)を得た。
【0088】<保護層用塗布液の調製>水32g及びカ
ルボキシ変性ポリビニルアルコール(PVA−KL−3
18、(株)クラレ製)10%の水溶液32gと、エポ
キシ変性ポリアミド(FL−71、東邦化学社製)30
%の分散液3gとを混合した液に、ポリオキシエチレン
(界面活性剤)2%水溶液5g、ステアリン酸亜鉛20
%の分散液(ハイドリンZ、中京油脂株社製)4gを添
加して保護層用塗布液を得た。
【0089】<感熱記録材料(1)の作製>下塗り層を
設けた透明ポリエチレンテレフタレート支持体(175
μm/厚)上に、前記記録層用塗布液(1)をワイアー
バーを用いてベヘン酸銀の塗設量で4.9g/m2 とな
る様に塗布し、50℃で20分間乾燥した。次いで、こ
の塗膜上に、さらに、固形分が2.0g/m2 となるよ
うに保護層用塗布液を塗布・乾燥して感熱記録材料
(1)を作製した。
【0090】[感熱記録材料の熱記録及び画像保存性・
生保存性の評価]得られた感熱記録材料(1)に対し
て、作製直後にサーマルヘッドKST型(京セラ株式会
社製の商品名)を用いて、単位面積当たりの記録熱エネ
ルギーが0〜60mJ/mm2 となるように印加電圧及
びパルス幅を段階的に調節して、印画を行い、最大発色
部から背景部(最低発色部)に至る各ステップの光学透
過濃度をマクベス濃度計を用いて測定した。さらに印画
した記録材料を(1)40℃で湿度90%RH(相対湿
度)の条件で1日間放置後、(2)60℃のドライオー
ブン中で16時間放置後、及び(3)ウェザオメーター
Ci65型(ATLAS Electric Devi
ces Co.製)を用いてキセノンランプで16時間
曝光後、再度各ステップの光学透過濃度をマクベス濃度
計を用いて測定し、印画直後の光学透過濃度が1.2±
0.2のステップにおける光学濃度変化(ΔOD)を求
めた。ΔODの値が小さい程、画像保存性に優れること
を示す。また、あらかじめ40℃で湿度90%RHの条
件下で1日間放置した記録材料を同様の方法で印画を行
い、各ステップの光学透過濃度をマクベス濃度計を用い
て測定した。作製直後に印画したものに対し、光学透過
濃度が1.2±0.2のステップにおける光学濃度変化
(ΔOD)を求めた。ΔODの値が小さい程、生保存性
に優れることを示す。結果を表3に示す。
【0091】(実施例2〜12) <カブリ防止剤プレカーサー分散液(2)〜(11)の
調製>カブリ防止剤プレカーサー分散液(1)の調製に
おいて、化9のIII −1で表される化合物に代え、それ
ぞれ表1に示す化合物を使用した外は、カブリ防止剤プ
レカーサー分散液(1)と同様にして分散液を調製し、
カブリ防止剤プレカーサー分散液(2)〜(11)を得
た。
【0092】
【表1】
【0093】<感熱記録材料(2)〜(12)の作製>
感熱記録層用塗布液(1)の調製において、カブリ防止
剤プレカーサー分散液(1)7.2g及びテトラブロモ
フタル酸無水物分散液4.4gを表2に示すように変え
た外は、感熱記録層用塗布液(1)と同様にして感熱記
録層用塗布液(2)〜(12)を調製した。実施例1の
感熱記録材料(1)の作製で、感熱記録層用塗布液
(1)をそれぞれ感熱記録層用塗布液(2)〜(12)
に代えて感熱記録材料(2)〜(12)を作製し、実施
例1と同様にして、感熱記録及び画像保存性・生保存性
の評価を行った(実施例2〜12)。結果を表3に示
す。尚、前記感熱記録層用塗布液の番号と、前記感熱記
録材料の番号と、実施例の番号とは対応している。
【0094】
【表2】
【0095】(比較例1)実施例1でカブリ防止剤プレ
カーサーを使用しなかった外は、実施例1と同様にして
感熱記録材料を作製し、同様な評価を行った。結果を表
3に示す。
【0096】(比較例2)実施例1でカブリ防止剤プレ
カーサー及びテトラブロモフタル酸無水物を使用しなか
った外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を作製
し、同様な評価を行った。結果を表3に示す。
【0097】
【表3】
【0098】表3の結果から、本発明の実施例の感熱記
録材料は、画像保存性に優れ、しかも生保存性の著しい
悪化も起こらないことがわかる。
【0099】(実施例13) <ベヘン酸銀/フタラゾン共分散液の調製>調製済みの
ベヘン酸銀乾燥固体から21.1gを秤取し、これにフ
タラゾン3.26g、15%ポリビニルアルコール水溶
液(PVA205、(株)クラレ製)52.8g及びイ
オン交換水103gを加えて、ペイントシェーカーにて
3時間分散して平均粒径が0.6μm以下のベヘン酸銀
/フタラゾン共分散液を得た。
【0100】<感光感熱記録材料(13)の作製>ベヘ
ン酸銀/フタラゾン共分散液を100gに対して5%C
aBr2 水溶液を5.25g加えて42℃、1時間撹拌
し、ベヘン酸銀の一部をAgBrに変換した。一方、還
元剤分散液は、前記化15の(a)で表される化合物1
4.0g、15%ポリビニルアルコール水溶液(PVA
205、(株)クラレ製)30g及びイオン交換水57
gを加えて磁性ボールミルで24時間分散して粒子径が
0.4μmの還元剤分散液を調製した。得られた前記ベ
ヘン酸液(一部Br化)8g、還元剤分散液3.5g、
ベンゾトリアゾールの3%メタノール液1.9g、下記
式の分光増感色素の0.1%メタノール液0.75g、
前記カブリ防止剤プレカーサー分散液(1)1.6g、
及び前記テトラフタル酸無水物分散液1.0gを混合
し、実施例1と同様にしてベヘン酸銀の塗設量で9.7
g/m2 となるように塗布・乾燥して感光感熱記録材料
(13)を作製した。
【0101】
【化16】
【0102】[感光感熱記録材料の画像保存性評価]得
られた感光感熱記録材料(13)にステップガイドP
(富士写真フイルム(株)製)を介して500Wのキセ
ノンランプで光を照射し、次いで115℃のヒートロー
ラーに通し20秒加熱を行った。同様にして、未露光の
記録材料についても加熱を行った。露光・未露光の記録
材料について各ステップの光学透過濃度をマクベス濃度
計を用いて測定した。さらに印画した記録材料を(1)
40℃で湿度90%RH(相対湿度)の条件で1日間放
置後、再度各ステップの光学透過濃度をマクベス濃度計
を用いて測定した。未露光部(地肌部)及び印画直後の
光学透過濃度が1.2±0.2のステップにおける光学
濃度変化(ΔOD)を求めた。ΔODの値が小さい程、
画像保存性に優れることを示す。結果を表5に示す。
【0103】(実施例14〜20)実施例13におい
て、カブリ防止剤プレカーサー分散液(1)1.6g、
テトラブロモフタル酸無水物分散液1.0gをそれぞれ
表4のように変えた外は、実施例13と同様にして感光
感熱記録材料(14)〜(20)を作製し、画像保存性
の評価を行った。結果を表5に示す。尚、前記感光感熱
記録材料の番号と、実施例の番号とは対応している。
【0104】
【表4】
【0105】(比較例3)実施例13でカブリ防止剤プ
レカーサーを使用しなかった外は、実施例13と同様に
して感光感熱記録材料を作製し、同様な評価を行った。
結果を表5に示す。
【0106】(比較例4)実施例13でカブリ防止剤プ
レカーサー及びテトラブロモフタル酸無水物を使用しな
かった外は、実施例13と同様にして感光感熱記録材料
を作製し、同様な評価を行った。結果を表5に示す。
【0107】
【表5】
【0108】表5の結果から、本発明の実施例の感光感
熱記録材料は、画像保存性に優れていることがわかる。
【0109】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、カ
ブリが少なく、生保存性がよく、かつ、画像保存性、特
に中間調画像の保存性に優れた記録材料を提供すること
ができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、少なくとも、有機銀塩及び
    有機銀塩の還元剤を含む記録層を設けた記録材料におい
    て、下記一般式(I) 及び(II)で表される化合物の少なく
    ともいずれか一種を含有することを特徴とする記録材
    料。 【化1】 (一般式(I) 及び(II)中、R1 及びR2 は、アリール
    基、ヘテロ環基、パーフルオロアルキル基、スルホニル
    メチル基、ニトロメチル基、又はシアノメチル基を表
    し、これらは更に別の置換基を有していてもよい。Q
    は、含窒素ヘテロ環を形成するのに必要な原子群を表
    す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(I) で表される化合物が、下
    記一般式(III) 及び(IV)で表される化合物の少なくとも
    いずれか一種である請求項1に記載の記録材料。 【化2】 (一般式(III) 及び(IV)中、R3 〜R13は、水素原子、
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原
    子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ
    カルボニル基、アミノ基、ヘテロ環基、アリールオキシ
    基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、
    スルホ基、アシル基、スルファモイル基、ウレイド基、
    アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、トリフルオロメ
    チル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルチオ
    基、アリールチオ基、スルフィニル基、リン酸アミド
    基、又はスルホニル基を表し、これらは更に別の置換基
    を有していてもよい。また、R3 〜R6 の間、R7 〜R
    11の間、R12〜R13の間で芳香族環、脂肪族環又はヘテ
    ロ環を形成していてもよい。)
  3. 【請求項3】 前記一般式(II)で表される化合物が、下
    記一般式 (V)及び(VI)で表される化合物の少なくとも
    いずれか一種である請求項1又は2に記載の記録材料。 【化3】 (一般式(V) 及び(VI)中、R3 〜R13は、水素原子、ア
    ルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
    ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカル
    ボニル基、アミノ基、ヘテロ環基、アリールオキシ基、
    ヒドロキシ基、カルバモイル基、アシルオキシ基、スル
    ホ基、アシル基、スルファモイル基、ウレイド基、アシ
    ルアミノ基、スルホニルアミノ基、トリフルオロメチル
    基、アルケニル基、アルキニル基、アルキルチオ基、ア
    リールチオ基、スルフィニル基、リン酸アミド基、又は
    スルホニル基を表し、これらは更に別の置換基を有して
    いてもよい。また、R3 〜R6 の間、R7 〜R11の間、
    12〜R13の間で芳香族環、脂肪族環又はヘテロ環を形
    成していてもよい。)
  4. 【請求項4】 フタル酸、フタル酸誘導体、無水フタル
    酸及び無水フタル酸誘導体から選ばれる少なくとも一種
    を更に含有してなる請求項1から3のいずれかに記載の
    記録材料。
  5. 【請求項5】 前記フタル酸誘導体が、テトラブロモフ
    タル酸及びテトラクロロフタル酸の少なくともいずれか
    一方である請求項4に記載の記録材料。
  6. 【請求項6】 前記無水フタル酸誘導体が、無水テトラ
    ブロモフタル酸及び無水テトラクロロフタル酸の少なく
    ともいずれか一方である請求項4又は5に記載の記録材
    料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6171767B1 (en) * 1999-04-28 2001-01-09 Eastman Kodak Company 1-sulfonyl-1H-benzotriazole compounds as print stabilizers in photothermographic elements
JP2015071622A (ja) * 2008-12-24 2015-04-16 バイアル ポルテラ アンド シーエイ エス エイBIAL−Portela & Ca, S.A. 医薬品

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