JPH09293846A - Simox基板の製造方法 - Google Patents

Simox基板の製造方法

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JPH09293846A
JPH09293846A JP10752696A JP10752696A JPH09293846A JP H09293846 A JPH09293846 A JP H09293846A JP 10752696 A JP10752696 A JP 10752696A JP 10752696 A JP10752696 A JP 10752696A JP H09293846 A JPH09293846 A JP H09293846A
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美奈 斎藤
Sadao Nakajima
定夫 中嶋
Tatsuhiko Katayama
達彦 片山
Masato Imai
正人 今井
Yoshiji Miyamura
佳児 宮村
Muchiedourize Taimuraazu
ムチェドゥリゼ タイムラーズ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面シリコン層内の複合積層欠陥(SFC)
密度を低減する。 【解決手段】 本発明では、単結晶シリコン表面に酸素
イオンを注入した後高温アニール処理を行うに際し、高
温アニール処理工程の初期に酸素分圧を高めにして熱処
理を行う酸素分圧窓工程を含むことを特徴とする。望ま
しくは、この酸素分圧窓工程の酸素分圧を0.5%より
大きくかつ10%未満となるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、SIMOX基板の製造方
法に係り、特に、SIMOX基板に形成する埋めこみ酸
化膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、単結晶シリコン基板中に酸化シ
リコンなどの絶縁体を埋めこみ形成し、単結晶シリコン
基板と表面の半導体層とを絶縁分離した構造の半導体基
板はSOI(Silicon on Insulator)と呼ばれており、
種々の半導体デバイスの製造に用いられている。このS
OI基板の製造には、一般的に貼り合わせ法によるも
の、酸素イオンなどを表面から所定の深さに注入し酸化
膜を形成するイオン注入法によるもの、絶縁膜上に多結
晶薄膜を形成してこれを熱処理により単結晶化するも
の、成膜条件を制御して絶縁膜上に単結晶薄膜を形成す
るものなどがある。これらの方法のうちイオン注入によ
るものは、SIMOX(Separation by Implanted Oxyg
en)と呼ばれており、単結晶シリコン基板中に高濃度の
酸素イオンを注入しその後の高温アニール処理でシリコ
ンと酸素とを反応させてシリコン基板内部に埋めこみ酸
化膜を形成させるようにしたものである。
【0003】SIMOX基板の形成工程において、酸素
イオン注入直後では、化学的に安定なSiO2 の他に、
結合状態が不安定なSi−O化合物が混在しており、境
界面が急峻な埋めこみ酸化膜を形成するには図1に示す
ように単結晶シリコン基板1にイオン注入をおこなった
後、1100℃から1350℃の温度で数時間アニール
する必要がある。即ち、図20に示すように表面単結晶
シリコン層(以下表面シリコン層と称す)3の表面から
所定の深さに、埋めこみ酸化膜2すなわち安定なSiO
2 を形成するための高温アニール処理が必要とされてい
る。
【0004】このようなSIMOX基板では、酸素イオ
ンの注入によってシリコン基板表面下に形成される埋め
こみ酸化膜の組成、膜質はイオン注入量(ドーズ量)に
依存していることが知られており、界面が急峻な埋めこ
み酸化膜を形成するために、一般的に4・1017/cm
2から2・1018/cm2程度の酸素注入量が必要であ
る。しかしドーズ量が増すと表面単結晶シリコン層に結
晶欠陥が発生するという問題があった( S.Nakashima
and K.Izumi,J.Mater.Res.,Vol.8,No.3,523(1993))。
【0005】例えば通常は、図1に示すように、180
KeV、550℃で4・1017/cm2 程度のイオン注
入を行い、この後、Ar+0.5%のO2 雰囲気中で1
350℃で4時間の高温アニール処理を行うようにして
いる。そして、このようにして得られたSIMOX基板
に対し低いドーズ量で結晶欠陥数が少なく良好な埋めこ
み酸化膜を形成するために、更にAr+50%から10
0%のO2 雰囲気中で図21に示すように1350℃4
時間程度の高温酸化処理を行うITOX(Internal Ther
mal Oxidation) 工程が提案されている(特開平7ー2
63538号公報)。この方法によれば、埋めこみ酸化
膜厚を厚くすることができるとともに、埋めこみ酸化膜
2中のピンホール密度を低くすることができ、更には埋
めこみ酸化膜界面の平坦度を改善することができる。
【0006】しかしながら、ITOX工程を経ても、図
22に示すように埋めこみ酸化膜2の内部にはシリコン
島6が残留し、これが絶縁耐圧の向上を阻む大きな問題
となっている。また、通常高温アニール処理後の測定に
よれば、表面シリコン層3と埋めこみ酸化膜2との界面
に形成される欠陥には四面体形状のものとピラミッド型
のものがあり、一方表面シリコン層3内部に形成される
欠陥は四面体形状のものがあり、これらを総称して複合
積層欠陥(SFC)5という。この表面シリコン層3内
部のSFC密度は108/cm2 検出されている。また、
これにさらにITOX工程を施した場合、SFC密度は
2・107/cm2 と低減はされる。しかしながら半導体
装置の高集積化・微細化は進む一方であり、MOSデバ
イスのゲート長が0.1μm程度以下となり、ゲート長
がこれらの結晶欠陥の大きさと同程度となると、これら
SFCに起因するリークの発生は免れ得ないものとなっ
てくると考えられる。そこでさらなるSFC密度の低減
が望まれることになる。
【0007】従来の方法では、ゲート長が0.1μm以
下のMOSデバイスの形成に十分対応できるように、表
面シリコン層の結晶欠陥密度を十分に低減し、かつ信頼
性の高い埋めこみ酸化膜を得るのは極めて困難であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のS
IMOX基板の製造方法においては、ゲート長が0.1
μm以下のMOSデバイスの形成に対応できる程度に、
SFC密度を十分に低減することは困難であるという問
題があった。
【0009】このように、表面のシリコン層内部および
埋めこみ酸化膜との界面での欠陥や埋めこみ酸化膜内部
のシリコン島を充分に低減することができないという問
題があった。
【0010】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、表面シリコン層内、および埋めこみ酸化膜との界面
でのSFC密度を低減することを目的とする。また本発
明の他の目的は、埋めこみ酸化膜の内部にシリコン島が
残留することなく、信頼性の高いSIMOX基板を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、単結
晶シリコン表面に酸素イオンを注入した後高温アニール
処理を行うに際し、高温アニール処理工程の初期に酸素
分圧を高めにして熱処理を行う酸素分圧窓工程を含むこ
とを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明の第1では、単結晶シリ
コン基板表面に酸素イオンを注入するイオン注入工程
と、イオン注入のなされた単結晶シリコン基板に対し低
濃度の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で高温アニール処
理工程を実行することにより、前記単結晶シリコン基板
表面から所定の深さに、埋めこみ酸化膜を形成するSI
MOX基板の製造方法において、前記高温アニール処理
工程の初期に、酸素析出物の解離速度を緩和するととも
に酸素析出物の解離を阻害しない程度の解離平衡状態を
維持するように、前記酸素を含む不活性ガス中の酸素分
圧を高めにして熱処理を行う酸素分圧窓工程を含むこと
を特徴とする。
【0013】望ましくは、前記高温アニール処理工程
は、1300℃以上であって、単結晶シリコンの融点に
満たない温度で、単結晶シリコン基板を処理する工程で
あることを特徴とする。
【0014】さらに望ましくは、前記酸素分圧窓工程の
酸素分圧は0.5%より大きくかつ10%未満であるこ
とを特徴とする。
【0015】望ましくは、前記高温アニール処理工程
は、1350℃で処理する工程であって、前記酸素分圧
窓工程の酸素分圧は5%より大きく10%未満であるこ
とを特徴とする。
【0016】本発明の第2では、前記単結晶シリコン表
面に酸素イオンを注入した後、高温アニール処理を行う
に際し、SFC密度が107/cm2以下となるように、酸
素分圧を高めにして熱処理を行う酸素分圧窓工程を含む
ことを特徴とする。
【0017】望ましくは、前記酸素分圧窓工程は、SF
C密度が107/cm2以下であってかつシリコン島密度が
1・106/cm2 以下となるように、酸素分圧を高めに
して熱処理を行う工程であることを特徴とする。
【0018】また望ましくは、前記高温アニール処理工
程は、1300℃以上であって、単結晶シリコンの融点
に満たない温度で、単結晶シリコン基板を処理する工程
であることを特徴とする。
【0019】更に望ましくは、前記酸素分圧窓工程の酸
素分圧は0.5%より大きくかつ10%未満であること
を特徴とする。
【0020】更に望ましくは、前記高温アニール処理工
程は、1350℃で処理する工程であって、前記酸素分
圧窓工程の酸素分圧は、5%より大きく10%未満であ
ることを特徴とする。
【0021】本発明の第3では、 前記高温アニール処
理工程の初期に前記酸素分圧を高めにして熱処理を行う
酸素分圧窓工程と、この後0.5%程度の酸素を含む不
活性ガス雰囲気中で高温アニール処理を行い、埋めこみ
酸化膜を形成する高温主アニール工程と、 50%から
100%の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で高温酸化処
理を行うITOX工程とを含むことを特徴とする。
【0022】ITOX工程は、1350℃程度以上で数
時間の高温酸化処理であるが、1350℃3〜4時間程
度であることが望ましい。
【0023】望ましくは、前記酸素分圧窓工程の酸素分
圧は0.5%より大きくかつ10%未満であることを特
徴とする。
【0024】本発明者は種々の実験の結果から、酸素分
圧を高めていくと、SFC密度は減少傾向にある一方、
酸素析出物が増大するが、両者がともに小さくなる酸素
分圧領域が存在することを発見し、高温アニール処理に
先立ち、この酸素分圧窓工程を実行することにより、表
面シリコン層中のSFC密度を大幅に低減することがで
きる。また埋めこみ酸化膜中のシリコン島密度の低いS
OI基板を得ることが可能となる。
【0025】ここで、酸素分圧を高めに設定するが、酸
素析出物の解離速度を緩和するとともに酸素析出物の解
離を阻害しない程度の解離平衡状態を維持するように、
設定する。また、この時の酸素分圧の上限の設定につい
ては、酸素析出物の解離によって生成される酸素量とシ
リコン基板内に供給される酸素量との和が、表面酸化膜
および埋めこみ酸化膜の形成に消費される酸素量よりも
大きくなリ過ぎないように、かつ酸素析出物の解離を阻
害する解離平衡状態を持つ程には高めないようにする。
なおこの酸素分圧窓工程の酸素分圧は温度あるいはイ
オン注入条件などによって最適範囲はわずかにずれるこ
とがあるが、0.5%より大きくかつ10%未満とする
のが望ましく、10%以上になると、酸素析出物の解離
速度が小さくなりすぎ、熱処理を行っても表面シリコン
層から酸素析出物が完全に除去され得なくなる。一方
0.5%以下であると、シリコン島が増加する。
【0026】かかる方法によれば、検出されるSFC密
度は3・106/cm2となる。この値は従来検出されてい
たSFC密度が、108/cm2程度であったのに対し、大
幅に減少していることがわかる。
【0027】これは、以下に示すような理由によるもの
と考えられる。SIMOX基板の形成における埋めこみ
酸化膜の形成の最終段階の熱処理工程に相当する135
0℃の等温アニール工程の最初の2時間は、表面シリコ
ン層に形成された酸素析出物の解離段階に相当すると考
えられる。この工程では、種々の実験結果から、酸素分
圧が0.5%である時は、酸素析出物の解離によって得
られる酸素原子の一部は、熱酸化膜の形成に消費され
る。従って埋めこみ酸化膜中にシリコン島が残留する可
能性が増える。更にこの場合、酸素析出物の解離が急速
であることによって空孔が過飽和の状態になり、SFC
の生成される可能性が増大する。そこで熱酸化膜の形成
に消費される酸素原子量を越えるように酸素分圧が0.
5%より大きくして酸素過剰雰囲気を構成することによ
り、シリコン島の残留を低減するとともにSFC密度の
低減をはかることが可能となるものと考えられる。一方
酸素分圧10%以上になると、酸素析出物が表面シリコ
ン層に残留する理由は、解離平衡によって、酸素析出物
の解離速度が大幅に小さくなり、表面シリコン層内にお
ける酸素析出物が、熱処理工程によって完全に除去され
なくなるためであると考えられる。
【0028】これは、酸素析出物の解離によって生成さ
れる空孔が結晶欠陥生成の核となっていると考えられ、
本発明は、この空孔生成速度を小さくすることにより、
結晶欠陥が生成されるのを抑制しようとするものであ
る。そこで解離平衡を考慮し、酸素分圧を高めることに
より、酸素析出物の解離速度を小さくし、これにより、
結晶欠陥の生成を抑制する。
【0029】前記高温アニール処理工程は、1300℃
以上であって、単結晶シリコンの融点に満たない温度
で、単結晶シリコン基板を処理することにより、信頼性
の高いSIMOX基板を得ることができる。 1300
℃未満では酸素析出物の解離速度が小さくなる。従っ
て、実用的な熱処理時間では酸素析出物は完全に除去さ
れない。
【0030】また望ましくは、前記酸素分圧窓工程の酸
素分圧を0.5%より大きくかつ10%未満とすれば、
上記温度範囲では十分にSFC密度を低減することがで
きるとともに埋めこみ酸化膜中のシリコン島密度も低減
することができる。
【0031】また、高温アニール処理工程を、1350
℃とし、酸素分圧窓工程の酸素分圧を5%より大きく1
0%未満とした時、SFC密度を更に減少させることが
できる。
【0032】更に、またこのような酸素分圧窓工程を実
行したものに対し、ITOX工程を施した場合、SFC
密度は8・105/cm2程度に減少する。ちなみに酸素分
圧窓工程を実行しないでITOX工程を施した場合、S
FC密度は2・107/cm2程度であった。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例のSIMOX基板の製
造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0034】本発明実施例は、単結晶シリコン表面に酸
素イオンを注入した後高温アニール処理を行うに際し、
高温アニール処理工程の初期に酸素分圧を高めにして熱
処理を行う酸素分圧窓工程を含むことを特徴とする。す
なわちこの工程では図1に示すように、180KeV、
550℃で4・1017/cm2 程度のイオン注入を行い、
この後図2に示すように、Ar+1.8%のO2 雰囲気
中で1350℃2時間の中間アニール処理を行った後A
r+0.5%のO2 雰囲気中で1350℃2時間の高温
アニール処理を行うようにしている。
【0035】このようにして得られたSIMOX基板で
は、SFC密度は、2・107/cm2程度ンとなってお
り、シリコン島も減少している。このように本発明実施
例の方法によれば、従来に比べ大幅にこれらの欠陥が減
少していることがわかる。また表面シリコン層の酸素析
出物密度も十分に低減されている。
【0036】次に、同様にしてイオン注入を行った単結
晶シリコン基板に対し、酸素分圧窓工程における酸素分
圧を変化させた時の状態変化を観察した。ここで、図4
は、イオン注入の高温アニール開始時の状態を示すTE
M写真である。そして、中間段階すなわち酸素分圧窓工
程を開始してから0.5時間後の状態と高温アニール工
程を終了した段階(終了段階) におけるシリコン基板の
断面状態を示す TEM写真を図5(a)、(b)から 図9
(a)、(b)に示す。ここで、各図において (a) は中間段
階、(b)は高温アニール処理を終了した段階のTEM写
真であり、図5(a)、(b)から図9(a)、(b)にはそれぞ
れ、Xを 0.5%、1.8%、10%、30%、70
%とした時の結果を示す 。この図から明らかなよう
に、 Xを0.5%、1.8%としたときは、 図5(a)
及び(b)及び図6(a)及び(b) に示すように、図4に示し
た高温アニール開始時の状態に比べ表面のシリコン層内
の酸素析出物は減少しており、転位もなく良好なSIM
OX基板が形成されている。一方、図7(a)及び(b)から
図9(a)及び(b)では、酸素析出物の残留や転位が検出さ
れる。
【0037】また、図10に酸素分圧(横軸)と、結晶
欠陥密度(縦軸)との関係を測定した結果を示す。図
中、黒丸は酸素析出物を示し、白丸はSFCを示す。こ
の図からも酸素分圧(Ar+X%O2)Xを0.5%より大き
く10%未満とした時、酸素析出物密度が低減し、また
SFC密度も少なくなっていることがわかる。更にXを
5%より大きく10%未満とした時、酸素析出物密度もS
FC密度も小さくなっていることがわかる。ここで熱処
理温度は1350℃であった。また、図11に、この時
の埋めこみ酸化膜中のシリコン島密度を測定した結果を
示す。この図から、Xを0.5%から5%としたときシリ
コン島密度は十分に少なくなっている。Xが 5%を越え
ると、下がる傾向にあり、図には示していないが十分に
少なくなっている。
【0038】更に図12は中間段階すなわちAr+X%O2
1350℃、30分の酸素分圧窓工程を行った後、酸素
含有量と、析出物密度及び析出物の平均粒径との関係を
測定した結果を示す。また 図13は高温アニール工程終
了後すなわち終了段階の酸素析出物密度及び酸素析出物
の平均粒径との関係を測定した結果を示す。
【0039】また図14乃至図16は、それぞれ各段階
における表面シリコン層中に残留する酸素析出物の密
度、酸素析出物の平均粒径、及び酸素濃度を示す図であ
る。これらの結果から酸素(Ar+X%O2)Xを0.5%よ
り大きく10.0%未満とした時、析出物密度も析出物
の平均粒径も酸素濃度も終了段階で十分に小さくなって
いることがわかる。
【0040】また、図17に、酸素分圧(Ar+X%O2)X
を0.5%、10%及び70%とした時のイオン注入表
面からの深さ(横軸)と酸素濃度(縦軸)との関係を測
定した結果を示す。この結果からも、Xを0.5%、1
0%とした場合、酸素濃度が急峻に変化し、良好な埋め
こみ酸化膜が形成されている事がわかる。
【0041】次に図18にその高温アニール工程にIT
OX工程を加えた熱処理工程のプロファイルを示すよう
に、このようにして得られたSIMOX基板の一部に対
して更にAr+50%から100%のO2 雰囲気中で1
350℃3時間程度の高温酸化処理を行ういわゆるIT
OX工程をおこなった場合その前後のSFC密度の変化
を図19に示す。この結果からも、ITOX工程によっ
て何れも大幅に低減されることがわかる。 なお、高温
アニール工程における温度あるいは時間、また、高温ア
ニール工程の初期段階における温度あるいは時間最適酸
素分圧はイオン注入条件あるいは他の条件によっていく
らかは変動することがある。
【0042】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、高温アニール処理に先立ち、酸素分圧窓工程を実行
することにより、SFC及びシリコン島の少ないSIM
OX基板を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法で用
いられるイオン注入工程を説明する図
【図2】本発明実施例の高温アニール工程のプロファイ
ルを示す図
【図3】本発明実施例及び比較例の高温アニール工程の
プロファイルを示す図
【図4】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける高温アニール開始時の結晶構造を示すTEM写真
【図5】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける中間段階(a) 及び終了段階(b)の結晶構造を示すT
EM写真
【図6】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける中間段階(a) 及び終了段階(b)の結晶構造を示すT
EM写真
【図7】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける中間段階(a) 及び終了段階(b)の結晶構造を示すT
EM写真
【図8】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける中間段階(a) 及び終了段階(b)の結晶構造を示すT
EM写真
【図9】本発明実施例のSIMOX基板の製造方法にお
ける中間段階(a) 及び終了段階(b)の結晶構造を示すT
EM写真
【図10】酸素分圧(横軸)と、結晶欠陥密度(縦軸)との
関係を測定した結果を示す図
【図11】酸素分圧(横軸)と、埋めこみ酸化膜中のシ
リコン島密度(縦軸)との関係を測定した結果を示す図
【図12】中間段階の、酸素分圧と、析出物密度及び析
出物の平均粒径との関係を測定した結果を示す図
【図13】終了段階の析出物密度および析出物の平均粒
径との関係を測定した結果を示す図
【図14】各段階における表面シリコン層中に残留する
酸素析出物の密度を測定した結果を示す図
【図15】各段階における表面シリコン層中に残留する
酸素析出物の平均粒径を測定した結果を示す図
【図16】各段階における表面シリコン層中に残留する
酸素濃度(縦軸)を測定した結果を示す図
【図17】酸素分圧を変化したときのイオン注入表面か
らの深さ(横軸)と酸素濃度(縦軸)との関係を測定し
た結果を示す図
【図18】高温アニール工程後にITOX工程を行う場
合の熱処理工程を示す説明図
【図19】ITOX工程をおこなった場合その前後のS
FC密度の変化を示す説明図
【図20】従来のSIMOX基板の製造工程における高
温アニール工程を示す説明図
【図21】従来のSIMOX基板の製造工程におけるI
TOX工程を行う場合の熱処理工程を示す説明図
【図22】従来のSIMOX基板における欠陥を示す説
明図
【符号の説明】
1 単結晶シリコン基板 2 埋めこみ酸化膜 3 表面シリコン層 4 酸化シリコン膜 5 SFC 6 シリコン島
フロントページの続き (72)発明者 中嶋 定夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 片山 達彦 神奈川県平塚市四之宮2612番地 コマツ電 子金属株式会社内 (72)発明者 今井 正人 神奈川県平塚市四之宮2612番地 コマツ電 子金属株式会社内 (72)発明者 宮村 佳児 神奈川県平塚市四之宮2612番地 コマツ電 子金属株式会社内 (72)発明者 タイムラーズ ムチェドゥリゼ 神奈川県平塚市四之宮2612番地 コマツ電 子金属株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶シリコン基板表面に酸素イオンを
    注入するイオン注入工程と、イオン注入のなされた単結
    晶シリコン基板に対し低濃度の酸素を含む不活性ガス雰
    囲気中で高温アニール処理工程を実行することにより、
    前記単結晶シリコン基板表面から所定の深さに、埋めこ
    み酸化膜を形成するSIMOX基板(Separation by Im
    planted Oxygen )の製造方法において、 前記高温アニール処理工程の初期に、酸素析出物の解離
    速度を緩和するとともに酸素析出物の解離を阻害しない
    程度の解離平衡状態を維持するように、前記酸素を含む
    不活性ガス中の酸素分圧を高めにして熱処理を行う酸素
    分圧窓工程を含むことを特徴とするSIMOX基板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記高温アニール処理工程は、1300
    ℃以上であって、単結晶シリコンの融点に満たない温度
    で、単結晶シリコン基板を処理する工程であることを特
    徴とする請求項1記載のSIMOX基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸素分圧窓工程の酸素分圧は0.5
    %より大きく10%未満であることを特徴とする請求項
    1記載のSIMOX基板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記高温アニール処理工程は、1350℃
    で処理する工程であって、前記酸素分圧窓工程の酸素分
    圧は5%より大きくかつ10%未満であることを特徴と
    する請求項2記載のSIMOX基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 単結晶シリコン基板表面に酸素イオンを
    注入するイオン注入工程と、イオン注入のなされた単結
    晶シリコン基板に対し低濃度の酸素を含む不活性ガス雰
    囲気中で高温アニール処理工程を実行することにより、
    前記単結晶シリコン基板表面から所定の深さに、埋めこ
    み酸化膜を形成するSIMOX基板の製造方法におい
    て、 前記単結晶シリコン表面に酸素イオンを注入した後高温
    アニール処理を行うに際し、埋めこみ酸化膜上部に位置
    する表面単結晶シリコン層中のSFC(複合積層欠陥)
    密度が107/cm2以下となるように、酸素分圧を高めに
    して熱処理を行う酸素分圧窓工程を含むことを特徴とす
    るSIMOX基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記酸素分圧窓工程は、SFC密度が1
    7/cm2以下であってかつシリコン島密度が1・106
    /cm2 以下となるように、酸素分圧を高めにして熱処
    理を行う工程であることを特徴とする請求項5記載のS
    IMOX基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記高温アニール処理工程は、1300
    ℃以上であって、単結晶シリコンの融点に満たない温度
    で、単結晶シリコン基板を処理する工程であることを特
    徴とする請求項5記載のSIMOX基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸素分圧窓工程の酸素分圧は0.5
    %より大きく10%未満であることを特徴とする請求項
    5記載のSIMOX基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高温アニール処理工程は、1350
    ℃で処理する工程であって、前記酸素分圧窓工程の酸素
    分圧は5%より大きくかつ10%未満であることを特徴
    とする請求項5記載のSIMOX基板の製造方法。
  10. 【請求項10】単結晶シリコン基板表面に酸素イオンを
    注入するイオン注入工程と、イオン注入のなされた単結
    晶シリコン基板に対し低濃度の酸素を含む不活性ガス雰
    囲気中で高温アニール処理工程を実行することにより、
    前記単結晶シリコン基板表面から所定の深さに、埋めこ
    み酸化膜を形成するSIMOX基板の製造方法におい
    て、 前記高温アニール処理工程の初期に前記酸素分圧を高め
    にして熱処理を行う酸素分圧窓工程と、 この後0.5%程度の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で
    高温アニール処理を行い、埋めこみ酸化膜を形成する高
    温主アニール工程と、 50%から100%の酸素を含む不活性ガス雰囲気中で
    高温酸化処理を行うITOX(Internal Th
    ermal Oxidation)工程とを含むことを
    特徴とするSIMOX基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記酸素分圧窓工程の酸素分圧は、
    0.5%より大きく、かつ10%未満であることを特徴
    とする請求項10記載のSIMOX基板の製造方法。
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