JPH09291273A - 蛍光体 - Google Patents

蛍光体

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JPH09291273A
JPH09291273A JP10695996A JP10695996A JPH09291273A JP H09291273 A JPH09291273 A JP H09291273A JP 10695996 A JP10695996 A JP 10695996A JP 10695996 A JP10695996 A JP 10695996A JP H09291273 A JPH09291273 A JP H09291273A
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phosphor
charge
silane compound
fog
blow
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Application number
JP10695996A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Iwama
哲治 岩間
Noboru Matsuhisa
昇 松久
Masami Hirono
政己 広野
Masaru Naito
勝 内藤
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Kasei Optonix Ltd
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蛍光体の表面電荷(ゼータ電位の等電点やブ
ローオフ電荷)を適正に調整して蛍光体充填度及びカブ
リを抑制し、高い色純度、高コントラストと高い輝度を
有する蛍光膜の作製に適した蛍光体を提供しようとする
ものである。 【解決手段】 表面に第4級アンモニウム塩を含有する
シラン化合物を被覆させてなる蛍光体、及び、蛍光体表
面の動電位(ゼータ電位)の等電点が5以下であり、か
つ、ポリビニルアルコールを表面に被覆した粒子径20
0〜800μmのビーズとの接触時に5μC/g以上の
ブローオフ電荷を帯電する上記の蛍光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線、紫外線等
で励起して高効率に発光する、ブラウン管等の表示装置
に適した蛍光体に関し、特に、スラリー塗布法、ペース
ト塗布法等により塗布された蛍光膜中の蛍光体充填密度
を良好にし、蛍光体の分散性が良好で、緻密な蛍光膜の
形成を可能にし、蛍光膜の高輝度化を可能とし、かつ色
純度及びコントラストの良好な画像を形成することがで
きる蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管の蛍光面は、まず、コ
ントラストを良好にするために、フェースプレート(ガ
ラス製パネル)の内面に黒色非発光物質からなるブラッ
クマトリックス(以下、BMという)を設け、フェース
プレートと蛍光体スラリーを良く馴染ませるために、B
Mの上にポリビニルアルコール(PVA)等からなるプ
レコート層を形成する。その後、G(緑)、B(青)、
R(赤)からなる3色の蛍光体スラリーを各色毎に順次
塗布し、光印刷法(露光・現像)で蛍光膜を形成する。
【0003】この蛍光膜形成工程において発生する「カ
ブリ」は、蛍光面の色純度やコントラストを悪化させ
る。上記のカブリを分類すると次のとおりである。 (1) 「BMカブリ」:BMに蛍光体が残留、付着してコ
ントラストを悪くする現象。 (2) 「ガラス面カブリ」:先に塗布する蛍光体が、後か
ら塗布される蛍光体粒子の付着位置に残留、付着し、そ
の後に形成される蛍光膜の色純度を悪くする現象。 (3) 「他色面カブリ」:先に塗布した蛍光膜の上に、後
から塗布する蛍光体粒子が残留、付着して先に形成され
た蛍光膜の色純度を悪くする現象。例えば、B/Gカブ
リとはGの蛍光面へのBのカブリをいい、R/Gカブリ
とはGの蛍光面へのRのカブリをいう。
【0004】そこで、これらの「カブリ」を少なくし
て、色純度やコントラストを向上させ、かつ、蛍光体充
填密度を良好にして蛍光膜の輝度の向上を図るために、
蛍光体粒子の改良が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上記蛍
光膜の蛍光体充填度及びカブリ現象の問題を解消するた
めに、蛍光体表面を種々の表面処理物質で化学処理して
検討したところ、表面処理した蛍光体表面のゼータ電位
の等電点、及び、PVAで被覆されたビーズとの接触時
に生ずるブローオフチャージ(電荷)と蛍光体充填密度
やカブリ現象との間に相関があることを見出した。本発
明は、蛍光体表面に特定物質で表面処理し、蛍光膜を形
成するときの蛍光体充填密度を向上させ、かつ、カブリ
現象を防止できる蛍光体を提供しようとするものであ
る。
【0006】上記の問題点を解消する目的で、蛍光体表
面に特定の有機化合物及び/又は無機化合物を添加して
表面改質することが提案されているが(特公昭63−6
6876号公報、特開昭63−284290号公報、特
開平3−273088号公報、特公平7−116428
号公報、特開平1−284583号公報、特開平5−2
8967号公報、特公昭44−11769号公報参
照)、本発明者等による追試では蛍光膜の蛍光体充填密
度を十分に上げ、かつ、カブリ現象を確実になくすこと
はできなかった。
【0007】即ち、特公昭63−66876号公報で
は、二酸化ケイ素、ポリスチレン、アクリル樹脂等の負
に帯電する物質を蛍光体の表面に均一に付着して表面改
質したところ、蛍光体のゼ−タ電位の等電点は約5以下
にすることができるが、ブローオフ電荷も同時に低くな
るため、カブリが発生した。
【0008】また、特公昭63−66876号公報や特
開平3─273088号公報では、アルカリ金属やアル
カリ土類金属の酸化物、セルロース系高分子等の正に帯
電する物質を蛍光体の表面に付着して表面改質したとこ
ろ、蛍光体のブローオフ電荷を約5μC/g以上にする
ことはできるが、ゼ−タ電位の等電点が約5より高くな
るため、カブリ現象は少なくなって、蛍光膜の色純度や
コントラストが良好になる反面、蛍光膜の蛍光体充填密
度が低下して、所望の発光輝度が得られないといった問
題があった。なお、本発明においてブロ−オフ電荷と
は、PVAを表面に被覆した粒子径200〜800μm
のビーズとの接触時に生じるブロ−オフ電荷をいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の矛
盾した現象を同時に解決するための表面電荷の制御方法
について鋭意検討した結果、蛍光体表面に有機及び/又
は無機化合物を予め付着させた蛍光体、又は、付着させ
ない蛍光体に対して特定のシラン化合物を付着させるこ
とにより、蛍光体のゼ−タ電位の等電点を5以下に制御
し、かつ、PVAとの接触時に5μC/g以上のブロ−
オフ電荷に制御することができ、上記問題の解決に成功
した。
【0010】本発明の構成は以下のとおりである。 (1) 蛍光体表面に第4級アンモニウム塩を含有するシラ
ン化合物を被覆させてなることを特徴とする蛍光体。 (2) 前記シラン化合物が下記一般式(1)で表されるも
のであることを特徴とする上記(1) 記載の蛍光体。
【0011】
【化2】
【0012】(3) 蛍光体表面に、予めアニオン性有機化
合物及び/又は無機化合物を被覆した後、前記シラン化
合物を被覆してなることを特徴とする請求項1又は2記
載の蛍光体。
【0013】(4) 前記蛍光体表面の動電位(ゼータ電
位)の等電点が5以下であり、かつ、ポリビニルアルコ
ールを表面に被覆した粒子径200〜800μmのビー
ズとの接触時に5μC/g以上のブローオフ電荷を帯電
することを特徴とする上記(1)〜(3) のいずれか1つに
記載の蛍光体。
【0014】(5) 蛍光体表面の動電位(ゼータ電位)の
等電点が5以下であり、かつ、ポリビニルアルコールを
表面に被覆した粒子径200〜800μmのビーズとの
接触時に5μC/g以上のブローオフ電荷を帯電するこ
とを特徴とする蛍光体。
【0015】
【発明の実施の態様】本発明に使用される蛍光体として
は、表示装置の蛍光膜用の蛍光体、例えば、カラ−ブラ
ウン管用のZnS:Ag,Al青色発光蛍光体、Zn
S:Ag,Cl青色発光蛍光体、ZnS:Zn青色発光
蛍光体など、また、Y2 3 :Eu赤色発光蛍光体、Y
2 2 S:Eu赤色発光蛍光体など、さらに、ZnS:
Cu,Al緑色発光蛍光体、ZnS:Cu,Au,Al
緑色発光蛍光体などを挙げることができる。また、上記
以外にも、通常の表示装置に使用される蛍光体も同様に
使用することができる。蛍光体の粒径は、通常約1〜1
0ミクロンの範囲で、表示装置の蛍光膜に要求される精
細度に応じて適宜選択される。
【0016】蛍光体処理用のシラン化合物としては、特
公昭53ー17555号公報、特公昭62ー4778号
公報等に開示の疎水性の化合物、及び特公昭63ー66
876号公報に開示のアミノ基含有シラン化合物等があ
るが、蛍光体表面に被覆した後の、表面のブローオフ電
荷を高くし難く、かつ、塗布スラリー中でアミノ基が加
水分解し易く、スラリー中のpHを上げて露光感度を下
げる等の欠点を有している。
【0017】本発明に用いる第4級アンモニウム塩を含
有するシラン化合物(以下、単に「シラン化合物」とい
う)は、「シラン化合物」中のアンモニウム塩の側鎖に
アルキル基又はアリール基を有するもので、かつ、「シ
ラン化合物」中の珪素原子(Si)にアルコキシル基を
結合したものが適している。具体的には上記一般式
(1)で表される化合物であり、式中、アルコキシル基
は、OCH3 、OC2 5、OC3 8 及びOC4 9
が付着後の蛍光体表面の親水度、加水分解特性を安定に
するので好適である。また、アンモニウム塩の側鎖に結
合するアルキル基又はアリール基は、炭素数が1〜24
の範囲、好ましいは3〜18の範囲が適しており、炭素
数が大きくなると、スラリー調合時の水中に分散し難く
なるので、分散性を考慮してノニオン系の界面活性剤等
を添加することが望ましい。さらに、式中のnは1〜8
の範囲、好ましくは2〜4の範囲が適している。
【0018】本発明の蛍光体の製造には、特開昭63−
284299号公報に記載されているように、蛍光体表
面に予め特定の有機化合物及び/又は無機化合物を被覆
させてもよい。ここで、蛍光体表面に予め被覆させる有
機化合物としては、例えば、蛍光体に顔料を付着させる
ためのバインダー、蛍光体スラリー中の蛍光体の分散性
を向上させるための、ポリアクリル酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム等の分散剤等を挙げることができる。
【0019】また、蛍光体表面に予め被覆させる無機化
合物としては、例えば、分子中に水酸基を含有するS
i、P、Ge、Ti、Zn等の水酸化物を挙げることが
でき、「シラン化合物」とのカップリング付着を可能に
する物質が特に好ましい。さらに、これらの化合物を蛍
光体スラリー中に添加してpH調整し、蛍光体粒子表面
に微細にかつ均一に介在させることがより望ましい。
【0020】また、この時用いられる上記有機及び/又
は無機物からなる表面処理用化合物の付着量はその化合
物の種類及び付着状態(その粒度、均一度等)、処理す
る蛍光体の種類や粒子径によって一義的に決定できない
が、ほぼ処理する蛍光体に対して500〜10000p
pmとするのが好ましく、特に、好ましくは蛍光体に対
して2000〜5000ppmである。この付着量が5
00ppmより少ないと、例えばシリカゾル等を処理化
合物として用いた場合、被覆が均一とならず、「シラン
化合物」添加時の蛍光体への付着性が悪くなり被覆が不
十分となる。これを用いて蛍光膜を作成した場合、蛍光
膜中の蛍光体の充填密度が悪くなって蛍光膜としての発
光輝度が低下し易い。
【0021】また、この付着量が10000ppmより
多いとシリカゾル等の場合、これと蛍光体との付着性が
悪くなって蛍光体から剥離し、後で添加する「シラン化
合物」とカップリングさせた化合物によるカブリ改良効
果が少ないと考えられる。なお、上記の「シラン化合
物」の側鎖が含有する炭素(C)数が11より多く、水
に対する溶解性が悪くなる場合でも、付着時及び付着後
の蛍光体表面に例えばノニオン系の界面活性剤等を介在
させることによって表面親水化して適用することもでき
る。
【0022】本発明にかかる「シラン化合物」の付着方
法は、処理対象の蛍光体(上記の有機化合物及び/又は
無機化合物で予め表面処理された蛍光体を含む)を純水
中に懸濁させた蛍光体スラリ−中に、「シラン化合物」
を添加して十分に撹拌して加水分解させた後、脱水、乾
燥して蛍光体表面に「シラン化合物」を被覆して、本発
明の蛍光体を得る。
【0023】この時、添加される「シラン化合物」の添
加量は、処理対象の蛍光体の種類、蛍光体の粒径等及び
「シランン化合物」の組成(C数)によって変化するの
で一義的には規定することができないが、蛍光体の最表
面に均一に被覆するためには、処理対象の蛍光体に対し
て100〜3000ppm、好ましくは300〜800
ppmの範囲が良い。「シラン化合物」の添加量が10
0ppmより少なくいと、PVA被覆ビーズとの接触時
に発生するブローオフ電荷が5μC/gより小さくな
り、カブリ特性を改良することができない。また、30
00ppmを超えると付着不良の蛍光体となるためか、
蛍光体の分散度、表面電荷及び親水度が不安定になり、
やはり好ましくない。
【0024】なお、正電荷を示す化合物は、本発明の
「シラン化合物」以外にも、例えば、前記の特開平3−
273088号公報に開示の正電荷を示す、ポリビニル
アルコールの第4級アンモニウム塩付加物、ポリアリル
の第4級アンモニウム塩付加物等の水溶性高分子化合物
があり、蛍光体表面のブローオフ電荷を約5μC/g以
上にすることが可能であるが、ゼータ電位の等電点が5
より大きくなるため、本発明の効果を有しない。
【0025】本発明の蛍光体においては、水不溶性の
「シラン化合物」のカップリング作用を基本とした結合
のため蛍光体表面に予め存在しているOH基を有する微
細な無機化合物、例えば、分散剤としてのシリカゾル等
の一部と結合するだけで、その結果として、乾燥後の蛍
光体の最表面に存在する第4級アンモニウム塩の効果に
より、ブローオフ電荷は高くなり、かつ水中におけるゼ
ータ電位の等電点はカップリングされていないアニオン
性のシリカゾル等のOH基の負電荷によって低くなって
いるためであると思われる。
【0026】一方、特開平3─273088号公報に記
載の水溶性の第4級アンモニウム塩化合物を用いる場合
は、蛍光体表面に付着する時はフィルム状に略全面を一
層で被覆するため、表面の負の電荷が中和されて、乾燥
後の蛍光体のブローオフ電荷を高くすることができる反
面、水中におけるゼータ電位の等電点も高くなると考え
られる。
【0027】しかし、本発明の蛍光体に処理剤として用
いられる「シラン化合物」は水不溶性であるため、蛍光
体表面に一旦吸着後の付着性が良好であり、蛍光体塗布
スラリー中に溶解されることがなく、蛍光体の表面電荷
を安定に制御することができる。
【0028】また、上記以外に、本発明の蛍光体を製造
する方法は種々考えられるが、例えば、シリカ粒子表面
に第4級アンモニウム含有シランカップリング剤(「シ
ラン化合物」)を予めカップリングさせたものを気相中
において蛍光体表面に付着させるような方法でも、本発
明の蛍光体を製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例において、本発明の蛍光体をカ
ラーブラウン管の蛍光膜用途に適用した例を示すが、本
発明の蛍光体は実施例に限定されず、カブリを少なくし
色純度並びにコントラストをより向上させ、かつ蛍光膜
中の蛍光体充填密度を良好にして、蛍光膜の発光輝度を
向上させることにより、良好な画像が得られる表示装置
(例えば、ブラウン管)の製造に広く適用できることは
言うまでもない。
【0030】〔実施例1〕 (緑色蛍光体の処理)平均粒径7.5μmのカラーブラ
ウン管用緑色蛍光体(ZnS:Cu、Al)を有機化合
物であるゼラチン/アラビアガム(300ppm)で表
面処理した後、その蛍光体の水スラリー中に、平均粒径
が80mμの市販のシリカゾルを前記蛍光体に対して5
000ppm、硫酸亜鉛水溶液を亜鉛の量に換算して4
00ppm添加した後、pH調整して蛍光体表面に付着
させた(親水化工程)。
【0031】次に、上記蛍光体の水スラリー中に、第4
級アンモニウム塩を含有するシラン化合物である、下記
式(2)に示すジメチルオクタデシルー3ートリメトキ
シ・シリルプロピルアンモニウムクロライド(東芝シリ
コーン製:XS70ー241)を予め水中に添加して加
水分解したものを、処理対象の蛍光体に対して500p
pm添加して蛍光体の最表面に付着させた(表面電荷制
御工程)。その後、脱水して乾燥した後、500メッシ
ュのステンレス製篩にかけて凝集している蛍光体の凝集
をほぐし、次いで、スラリー塗布法でG,B,Rの三色
の蛍光膜を作成し、その際の「詰まり(蛍光膜中の蛍光
体の充填密度)」、及び、他色面かぶり「B/G」、
「R/G」、「R/B」を観察した。
【0032】
【化3】
【0033】(青色蛍光体の処理)平均粒径7.5μm
のカラーブラウン管用青色蛍光体(ZnS:Ag、C
l)に対し、アクリルバインダー(蛍光体に対して10
00ppm)及びゼラチン/アラビアガム(蛍光体に対
して2000ppm)を用いてアルミン酸コバルト顔料
(蛍光体に対して1.2wt%)を付着した後、顔料付
蛍光体の水スラリー中に、平均粒径が80mμのシリカ
ゾル(日産化学社製、ST−ZL)を蛍光体に対して5
000ppmと、硫酸亜鉛水溶液を亜鉛に換算して50
0ppm添加し、pH調整して蛍光体表面にシリカゾル
を付着した(顔料付け、親水化工程)。
【0034】上記蛍光体の水スラリー中に、「シラン化
合物」である、上記式(2)に示すジメチルオクタデシ
ル−3−トリメトキシシリルプロピルアンモニウムクロ
ライド(東芝シリコーン製:XS70ー241)を予め
加水分解したものを、処理対象の蛍光体に対して750
ppm添加して蛍光体の最表面に第4級アンモニウム塩
含有シラン化合物を付着させた後、脱水して乾燥し、5
00メッシュのステンレス製篩にかけて粉体化し、スラ
リー塗布法で蛍光膜を作成し、その際の「詰まり」、及
び、他色面かぶり「B/G」及び「R/B」、「R/
B」を観察した(表面電荷制御工程)。
【0035】(赤色蛍光体の処理)平均粒径7.5μm
のカラーブラウン管用赤色蛍光体(Y2 2 S:Eu)
に対して0.08wtの弁柄(Fe2 3 顔料)をゼラ
チン/アラビアガム(蛍光体に対して約1000pp
m)で付着した後、顔料付蛍光体の水スラリー中に、硫
酸亜鉛水溶液を亜鉛に換算して蛍光体に対し、200p
pm添加後、pH調整して蛍光体表面に付着した(顔料
付け、親水化工程)。
【0036】上記弁柄付着蛍光体の水スラリー中に、第
4級アンモニウム塩を含有するシラン化合物である、ジ
メチルオクタデシル−3−トリメトキシシリルプロピル
アンモニウムクロライド(東芝シリコーン製、XS70
ー241)を予め加水分解したものを、処理対象の蛍光
体に対して300ppm添加して蛍光体の最表面にこれ
を付着させた(表面電荷制御工程)。その後、脱水して
乾燥した後、500メッシュのステンレス製篩にかけて
粉体化し、次いで、スラリー塗布法で蛍光膜を作成し、
その際の「詰まり」、及び、他色面かぶり「B/G」、
「R/G」、「R/B」を観察した。
【0037】〔実施例2〕実施例1の緑色蛍光体(Zn
S:Cu、Al)に第4級アンモニウム塩を含有するシ
ラン化合物を付着する工程において、その添加量を蛍光
体に対して300ppm使用した以外は、全て実施例1
と同様にして他色面カブリを観察した。
【0038】〔実施例3〕実施例1のアルミン酸コバル
ト顔料付青色蛍光体(ZnS:Ag、Cl)に第4級ア
ンモニウム塩を含有するシラン化合物付着する工程にお
いて、その添加量を蛍光体に対して300ppmにする
以外は、全て実施例1と同様にして他色面カブリを観察
した。
【0039】〔実施例4〕実施例1の弁柄顔料付赤色蛍
光体(Y2 2 S:Eu)に第4級アンモニウム塩を含
有するシラン化合物を付着させる工程において、その添
加量を蛍光体に対して500ppmにする以外は、全て
実施例1と同様にして他色面カブリを観察した。
【0040】〔比較例1〕実施例1の緑色蛍光体(Zn
S:Cu、Al)、アルミン酸コバルト顔料付青色蛍光
体(ZnS:Ag、Cl)、弁柄顔料付赤色蛍光体(Y
2 2 S:Eu)の各表面処理において、第4級アンモ
ニウム塩を含有するシラン化合物を省略した以外は、全
て実施例1と同様にして他色面カブリを観察した。
【0041】〔比較例2〕実施例1の緑色蛍光体(Zn
S:Cu、Al)、弁柄顔料付赤色蛍光体(Y2
2 S:Eu)の第4級アンモニウム塩を含有するシラン
化合物を省略した以外は、全て実施例1と同様にして他
色面カブリを観察した。
【0042】〔比較例3〕比較例1の緑色蛍光体(Zn
S:Cu、Al)、アルミン酸コバルト顔料付青色蛍光
体、弁柄顔料付赤色蛍光体(Y2 2 S:Eu)にそれ
ぞれゼラチン/アラビアガム無機物を付着させる工程に
おいて、シリカゾル及び硫酸亜鉛で処理する時に、アル
ミナゾルを蛍光体に対して500ppm添加してpH調
整し、ゼータ電位の等電点を比較例1の各蛍光体より大
きくした以外は、全て比較例1と同様にして他色面カブ
リを観察した。
【0043】(評価)実施例1〜4及び比較例1〜3で
得た蛍光膜の特性(蛍光膜中の蛍光体充填度、他色面カ
ブリ)及び、そこで用いた蛍光体の蛍光体表面電荷(ゼ
−タ電位の等電点、ブロ−オフ電荷)を評価し、結果を
表1に示した。なお、表1における各評価方法はそれぞ
れ下記の通りである。
【0044】(1)蛍光膜特性 (a)充填度 ポリビニルアルコ−ル(PVA)、重クロム酸アンモニ
ウム(ADV)及び界面活性剤を含む水溶液に各色蛍光
体をそれぞれ分散させ、蛍光体塗布スラリ−を調製した
後、先ず、陰極線管のフェ−スプレ−ト内面にBMを設
け、その上にPVAからなるプレコ−ト層を形成した。
次いで、G(緑)、B(青)、R(赤)からなる蛍光体
塗布スラリ−を順次塗布して光印刷法(露光、現像)で
蛍光膜を形成してカラ−ブラウン管の蛍光面を作成し
た。
【0045】得られた蛍光膜に光を照射して、蛍光膜中
の光透過に基づく画像の濃淡を画像解析して、光透過量
の少ない蛍光膜に対し、蛍光体充填度が良好であると評
価した。なお、表中の印は以下のとおりである。 ○印:充填度の良好なもの △印:充填度が普通のもの ×印:充填度が悪いもの
【0046】(b)他色面カブリ 実施例及び比較例の蛍光膜形成時に、先に塗布した蛍光
膜の上に、後から塗布する蛍光体粒子が残留、付着し
て、先に形成した蛍光膜の色純度を悪くする程度を、実
体顕微鏡によって残留、付着している蛍光体を目視観察
してその個数を測定して判定した。 B/G:G(緑)の蛍光膜面へのB(青)のカブリ、 R/G:G(緑)の蛍光膜面へのR(赤)のカブリ、 R/B:R(赤)の蛍光膜面へのB(青)のカブリ、 ○印:カブリがほとんど確認できなかったもの、 △印:カブリは僅かであり、他色面カブリは普通のも
の、 ×印:カブリが多く、他色面カブリが顕著なもの。
【0047】(2)表面電荷特性 (a)ゼ−タ電位の等電点 蛍光体のゼ−タ電位の等電点は、Malvern社製の
ZetasizerIICを用い、0.01NのKCl電
解水溶液中に、所定量の蛍光体を添加してスラリ−化し
た後、該スラリ−のpHをNaOH、HClで調整し、
pHゼ−タ電位曲線を求めて、その曲線のゼ−タ電位が
ゼロとなるpH値を等電点とした。
【0048】(b)ブロ−オフ電荷 蛍光体のブロ−オフ電荷は、所定の表面処理を施した
後、乾燥した蛍光体をステンレス500メッシュの篩に
かけた。その蛍光体と、PVAを表面に被覆した粒径2
00〜800μmのビ−ズとを広口瓶に入れて、振動を
与えて蛍光体とPVAを接触させた後、東芝ケミカル社
製のブロ−オフ粉体帯電量測定装置(Model TB
−200)を用い、蛍光体とPVA被覆ビ−ズの混合体
を測定容器(ファラデ−ゲ−ジ)に入れ、これを高圧窒
素(N2 )ガスを所定の時間吹き付けて、被測定蛍光体
を吹き飛ばした(ブロ−オフした)後、ファラデ−ゲ−
ジの帯電量を求め、PVA粒子との接触時に発生する電
荷(μc/g)をブロ−オフ電荷量とした。
【0049】
【表1】
【0050】第4級アンモニウム塩を含有する、水不溶
性のシラン化合物が蛍光体表面に付着された本発明の実
施例の蛍光体は、蛍光膜を形成した後の膜中の「蛍光体
充填密度」と「他色面カブリ」をともに良好にすること
ができた。その結果、ブラウン管の輝度及びコントラス
トの優れた蛍光膜を得ることができた。
【0051】また、本発明の蛍光体は、従来、コントロ
ールすることができなかった表面電荷を低く、即ち、ゼ
ータ電位の等電点を5以下にすることができ、空気中で
の粉体の電荷(ブローオフ電荷)を5μC/g以上に調
節することによって、これを用いて蛍光膜を作製すると
きに、膜中の「蛍光体充填密度」が大きく、「他色面カ
ブリ」の少ない蛍光膜の作製が可能になった。
【0052】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、適正な表面電荷(ゼータ電位の等電点やブローオ
フ電荷)を有する蛍光体を提供することができ、その結
果、カブリが少なく、高い色純度、高コントラストと高
い輝度を有する蛍光膜を作製できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 勝 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体表面に第4級アンモニウム塩を含
    有する水不溶性シラン化合物を被覆させてなることを特
    徴とする蛍光体。
  2. 【請求項2】 前記シラン化合物が下記一般式(1)で
    表されるものであることを特徴とする請求項1記載の蛍
    光体。 【化1】
  3. 【請求項3】 蛍光体表面に、予めアニオン性有機化合
    物及び/又は無機化合物を被覆した後、前記シラン化合
    物を被覆してなることを特徴とする請求項1又は2記載
    の蛍光体。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体表面の動電位(ゼータ電位)
    の等電点が5以下であり、かつ、ポリビニルアルコール
    を表面に被覆した粒子径200〜800μmのビーズと
    の接触時に5μC/g以上のブローオフ電荷を帯電する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    蛍光体。
  5. 【請求項5】 蛍光体表面の動電位(ゼータ電位)の等
    電点が5以下であり、かつ、ポリビニルアルコールを表
    面に被覆した粒子径200〜800μmのビーズとの接
    触時に5μC/g以上のブローオフ電荷を帯電すること
    を特徴とする蛍光体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003041247A (ja) * 2001-07-31 2003-02-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイ装置
US7976948B2 (en) 2005-10-06 2011-07-12 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. Nanosized phosphor
JP2015181198A (ja) * 2015-06-19 2015-10-15 コニカミノルタ株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子

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