JPH09290732A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH09290732A
JPH09290732A JP10828296A JP10828296A JPH09290732A JP H09290732 A JPH09290732 A JP H09290732A JP 10828296 A JP10828296 A JP 10828296A JP 10828296 A JP10828296 A JP 10828296A JP H09290732 A JPH09290732 A JP H09290732A
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JP
Japan
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pressure
vehicle body
increasing
output
pressure increase
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JP10828296A
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English (en)
Inventor
Takashi Watanabe
多佳志 渡辺
Shoichi Masaki
彰一 正木
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減圧制御における制御可能時間を確保すると
ともに、低μ路から高μ路に切り替わった場合の応答性
を向上することができるアンチスキッド制御装置を提供
することを目的とする。 【解決手段】 S342にて、車体加速度dVBが基準
値KdVB以上と判断されると、路面μが高いと推定さ
れるので、S346にて、パルス増圧モードの保持時間
KHを短い時間KH1にセットする。一方、車体加速度
dVBが基準値KdVBを下回る場合には、路面μが低
いと推定されるので、S344にて、車体速度VBが基
準値KVBを下回る低速の状態か否かを判断する。そし
て、車体速度VBが高い場合には、S348にて、保持
時間KHを長い時間KH2にセットし、一方、車体速度
VBが低い場合には、S346にて、保持時間KHを短
い時間KH1にセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両制動時に、車
両各車輪に設けられたブレーキ装置のブレーキ油圧(液
圧)を制御して、車両を安全に且つ速やかに制動させる
アンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両制動時に各車輪のスリッ
プ状態を検出し、その検出したスリップ状態に応じて各
車輪のブレーキ液圧を減圧・増圧・保持する液圧制御を
行なうことによって、各車輪のスリップ状態を車両を安
全且つ速やかに制動可能なスリップ状態(一般に、スリ
ップ率が10%〜20%程度となるスリップ状態)に制
御するアンチスキッド制御装置が知られている。
【0003】また、この種のアンチスキッド制御装置と
して、構造の簡略化の要請から、減圧時にリザーバに溜
められたブレーキ液をマスタシリンダに還流するための
ポンプを省略し、ブレーキの解除に伴うマスタシリンダ
の減圧により、リザーバに溜められたブレーキ液をマス
タシリンダに還流させるようにした装置が知られてい
る。
【0004】ところが、こうしたポンプを用いないアン
チスキッド制御装置では、リザーバの容量以上にブレー
キ液をホイールシリンダからリザーバ内に戻すことがで
きず、且つリザーバが満杯になるとブレーキ圧力をそれ
以上減圧することができないという問題がある。例えば
路面の摩擦係数μ(路面μ)が低い場合のように、リザ
ーバにブレーキ液を溜める減圧制御を長く行なう必要が
ある場合には、減圧制御の途中でリザーバが満杯になっ
て、車輪がロックするという問題がある。
【0005】この対策として、路面μに関連した値に応
じて、車輪速度が回復した際の制御である増圧・保持を
繰り返すステップ増圧制御の制御状態を変更して、低μ
路における制御可能時間を確保するという技術が提案さ
れている。この技術は、路面μに応じてステップ増圧の
開始タイミングを遅らせて(即ち、ブレーキ液圧の増圧
勾配を低減させて)、車両の停止までの減圧・増圧制御
の制御サイクル数を低減させ、リザーバの満杯による減
圧不能から生じる車輪ロックを防止するものである(特
開平2−290764号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、路面μ
が低い場合でも、アンチスキッド制御の制御開始時の車
速が低いときには、車両の停止までの制御時間が短いた
めにリザーバに余裕があり、上述したように、単に低μ
路の場合に増圧勾配を低減してしまうと、例えば制御途
中で低μ路から高μ路に切り替わったときには、車両減
速度の応答性が悪いという問題がある。
【0007】つまり、高μ路においては、車輪がロック
するブレーキ液圧が高いので、上述した好ましいスリッ
プ率となるまでブレーキ液圧を増圧して制動力を向上す
ることが望ましいが、低μ路においてそのまま増圧勾配
を低減すると、制御途中で高μ路に切り替わった場合に
は、好ましいスリップ率となる高いブレーキ液圧にする
までに時間がかかるという問題があった。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、減圧制御における制御可能時間を確保すると
ともに、低μ路から高μ路に切り替わった場合の応答性
を向上することができるアンチスキッド制御装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの請求項1の発明では、車両制動時に、車輪のスリッ
プ状態を最適化するために、増減圧調整手段によって、
車輪に制動力を発生させる制動力発生手段にかかるブレ
ーキ液圧の増減圧調整が実行される。そして、この増減
圧調整手段によって、車体速度検出手段によって検出さ
れた車体速度に応じて、車輪制動力発生手段にかかるブ
レーキ液圧の増圧勾配が可変制御される。
【0010】つまり、本発明では、アンチスキッド制御
時に、車体速度に応じて、ブレーキ液圧の増圧勾配が可
変制御されるので、例えば車体速度が大きな場合は増圧
勾配を小さくし、逆に車体速度が小さな場合は増圧勾配
を大きくすることによって、十分な制御可能時間を確保
するとともに、制御途中で低μ路から高μ路に切り替わ
った場合における車体減速度の高い応答性を確保するこ
とができる。
【0011】請求項2の発明では、車両制動時に、車輪
のスリップ状態を最適化するために、増減圧調整手段に
よって、車輪に制動力を発生させる制動力発生手段にか
かるブレーキ液圧の増減圧調整が実行される。そして、
この増減圧調整手段により、車体速度検出手段によって
検出された車体速度が所定値よりも大きければ、車輪制
動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧は、第1の増
圧勾配で実行され、一方、車体速度検出手段によって検
出された車体速度が所定値以下であれば、車輪制動力発
生手段にかかるブレーキ液圧の増圧は、第1の増圧勾配
より大きな第2の増圧勾配で実行される。
【0012】つまり、本発明では、図1(a)に示す様
に、車体速度が大きな場合は、車両停止までの時間が長
いので、小さな増圧勾配である第1の増圧勾配にて増圧
している。これにより、リザーバからブレーキ液を汲み
上げるモータポンプがないシステムやモータポンプの能
力が小さいシステムであっても、リザーバが満杯になる
時間を長くすることによって、十分な制御可能時間を確
保している。
【0013】一方、図1(b)に示す様に、車体速度が
小さな場合には、車両停止までの時間が短くリザーバに
余裕があるので、より大きな増圧勾配である第2の増圧
勾配で増圧している。そのため、制御途中で低μ路から
高μ路に切り替わった場合でも、例えば時点t0からの
一点鎖線で示す様な高い増圧勾配にて、迅速に(好まし
い車輪のスリップ状態とするための)高いブレーキ液圧
とすることができるので、車体減速度の高い応答性を確
保することができる。
【0014】即ち、本発明の様に、アンチスキッド制御
時に車体速度に応じて増圧勾配を切り換えることによ
り、十分な制御可能時間を確保するとともに、低μ路か
ら高μ路に切り替わった場合における車体減速度の高い
応答性を確保することができる。
【0015】請求項3の発明では、増減圧調整手段は、
車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を実行
する増圧出力と、ブレーキ液圧の保持を実行する保持出
力とを備えている。そして、アンチスキッド制御時に
は、車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
を、増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互に実
行するパルス増圧にて実行するが、そのときには、第2
の増圧勾配で実行する際のパルス増圧における増圧出力
の実行比率は、第1の増圧勾配で実行する際のパルス増
圧における増圧出力の実行比率よりも大きくしている。
【0016】つまり、本発明では、大きな増圧勾配であ
る第2の増圧勾配を実現するための手段として、そのパ
ルス増圧における増圧出力の実行比率を大きくしてい
る。これによって、増圧される合計の期間が長くなるの
で、大きな圧力、即ち大きな増圧勾配が得られることに
なる。
【0017】請求項4の発明では、増減圧調整手段は、
車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を実行
する増圧出力と、ブレーキ液圧の保持を実行する保持出
力とを備えている。そして、アンチスキッド制御時に
は、車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
を、増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互に実
行するパルス増圧にて実行するが、第2の増圧勾配で実
行する際のパルス増圧における保持出力の実行比率は、
第1の増圧勾配で実行する際のパルス増圧における保持
出力の実行比率よりも小さくしている。
【0018】つまり、本発明では、大きな増圧勾配であ
る第2の増圧勾配を実現するための手段として、そのパ
ルス増圧における保持出力の実行比率を小さくしてい
る。これによって、液圧が保持される合計の期間が短く
なり、言い替えると増圧の期間が長くなるので、大きな
圧力、即ち大きな増圧勾配が得られることになる。
【0019】請求項5の発明では、増減圧調整手段は、
車輪下の路面状態を推定する路面状態推定手段を備えて
いる。そして、アンチスキッド制御時には、車輪制動力
発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を第1の増圧勾配
で実行するか又は第2の増圧勾配で実行するかを、路面
状態推定手段からの出力結果を加味して決定している。
【0020】つまり、本発明では、路面状態に応じて、
どの様な増圧勾配で制御するかを決定しているので、路
面状態に応じた最適な制御を行なうことができる。例え
ば路面μが大きな場合は、ロックが生じ難いので、ブレ
ーキ液圧を増大させて制動性能を向上させることがで
き、逆に路面μが小さい場合には、増圧の程度を調節し
て、ロックの発生防止しつつできる限り制動性能を向上
させることができる。
【0021】請求項6の発明では、増減圧調整手段は、
車両の車体減速度を検出する車体減速度検出手段を備え
ている。そして、アンチスキッド制御時には、車輪制動
力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を第1の増圧勾
配で実行するか又は第2の増圧勾配で実行するかを、車
体減速度検出手段からの出力結果を加味して決定してい
る。
【0022】つまり、本発明では、車体減速度に応じ
て、どの様な増圧勾配で制御するかを決定しているが、
この車体減速度は路面状態に応じて変化する値であるの
で、車体減速度を考慮に入れることによって、路面状態
に応じた最適な制御を行なうことができる。
【0023】請求項7では、車両制動時に、車輪のスリ
ップ状態を最適化するために、増減圧調整手段によっ
て、車輪に制動力を発生させる制動力発生手段にかかる
ブレーキ液圧の増減圧調整が実行される。この増減圧調
整手段は、車体速度検出手段によって検出された車体速
度及び車体減速度検出手段によって検出された車体減速
度に応じて、アンチスキッド制御終了までの予想制御時
間を算出する予想制御時間算出手段を備えており、予想
制御時間算出手段によって算出された予想制御時間に応
じて、車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
勾配を可変制御する。
【0024】つまり、本発明では、アンチスキッド制御
時に、当該アンチスキッド制御終了までの予想制御時間
に応じて、ブレーキ液圧の増圧勾配が可変制御されるの
で、前記請求項1と同様に、十分な制御可能時間を確保
するとともに、制御途中で低μ路から高μ路に切り替わ
った場合における車体減速度の高い応答性を確保するこ
とができる。
【0025】請求項8では、増減圧調整手段は、予想制
御時間算出手段によって算出された予想制御時間が所定
値よりも大きければ、車輪制動力発生手段にかかるブレ
ーキ液圧の増圧を、第1の増圧勾配で実行し、予想制御
時間算出手段によって算出された予想制御時間が前記所
定値以下であれば、車輪制動力発生手段にかかるブレー
キ液圧の増圧を、第1の増圧勾配より大きな第2の増圧
勾配で実行する。
【0026】つまり、本発明では、予想制御時間(アン
チスキッド制御終了までの時間=車両停止までの時間)
が長い場合には、小さな増圧勾配である第1の増圧勾配
にて増圧している。これにより、リザーバからブレーキ
液を汲み上げるモータポンプがないシステムやモータポ
ンプの能力が小さいシステムであっても、リザーバが満
杯になる時間を長くすることによって、制御可能時間を
確保している。
【0027】一方、予想制御時間が短い場合には、リザ
ーバに余裕があるので、より大きな増圧勾配である第2
の増圧勾配で増圧している。そのため、制御途中で低μ
路から高μ路に切り替わった場合でも、高い増圧勾配に
て迅速に高いブレーキ液圧とすることができるので、車
体減速度の高い応答性を確保することができる。
【0028】請求項9の発明では、前記予想制御時間に
応じて増圧勾配を変更する装置において、第2の増圧勾
配で実行する際のパルス増圧における増圧出力の実行比
率は、第1の増圧勾配で実行する際のパルス増圧におけ
る増圧出力の実行比率よりも大きくされているので、前
記請求項3の発明と同様な作用効果を奏する。
【0029】請求項10の発明では、前記予想制御時間
に応じて増圧勾配を変更する装置において、第2の増圧
勾配で実行する際のパルス増圧における保持出力の実行
比率は、第1の増圧勾配で実行する際のパルス増圧にお
ける保持出力の実行比率よりも小さくされているので、
前記請求項4の発明と同様な作用効果を奏する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に本発明が適用された実施例
を図面に基づき説明する。 (実施例1)本実施例は、アンチスキッド制御時に、車
体速度及び(路面の状態を示す)車体減速度に応じて、
ブレーキ液圧(油圧)の増圧勾配を変更するものであ
る。
【0031】図1は実施例1のアンチスキッド制御装置
全体の構成を表わす概略構成図である。なお、本実施例
はフロントエンジン・フロントドライブ方式の四輪車に
本発明を適用した例である。 a)図1に示す如く、車両の右前輪(FR)1,左後輪
(RL)2,右後輪(RR)3及び左前輪(FL)4の
各々には、各車輪1〜4の回転に応じたパルス信号(回
転速度信号)を発生する、電磁式、磁気抵抗式等の回転
速度センサ5,6,7,8が配設されている。また、各
車輪1〜4には、夫々、マスタシリンダ16からの液圧
を受けて各車輪1〜4に制動をかけるブレーキ装置1
1,12,13,14が配設され、これら各ブレーキ装
置11〜14には、マスタシリンダ16からのブレーキ
液圧が、アクチュエータ21,22,23,24及び液
圧管路を介して送られる。更に、マスタシリンダ16か
ら液圧を発生させるブレーキペダル25には、その踏込
状態を検出して、制動時にはオン信号を、非制動時には
オフ信号を出力するストップスイッチ26が設けられて
いる。なお、本実施例では、マスタシリンダ16からの
液圧を各車輪1〜4のアクチュエータ21〜24に導く
液圧管路が、右前輪1及び左後輪2用の液圧管路と、右
後輪3及び左前輪4用の液圧管路との2系統に分離し
た、所謂X配管とされている。
【0032】次に、各アクチュエータ21〜24は、電
磁式の三位置弁から構成されている。このアクチュエー
タ21〜24は、非通電時には、例えばアクチュエータ
21に図示したA位置となって、マスタシリンダ16か
ら各車輪1〜4のブレーキ装置11〜14に至る液圧管
路を連通して、ブレーキ装置11〜14のブレーキ液圧
(所謂ホイールシリンダ圧であり、以下単にW/C圧と
もいう)をマスタシリンダ16からの液圧によって増圧
する。
【0033】また、通電時には、その電流レベルに応じ
て、例えばアクチュエータ21に図示したB位置又はC
位置に切り換えられる。そして、通電によりB位置とな
ったときには、液圧管路を遮断してブレーキ装置11〜
14のW/C圧を現在の状態に保持し、通電によりC位
置となったときには、ブレーキ装置11〜14のホイー
ルシリンダ内の液を前記2系統の液圧管路毎に設けられ
たリザーバ28a,28bへ逃して、各ブレーキ装置1
1〜14のW/C圧を減圧する。
【0034】次に、各アクチュエータ21〜24を、増
圧位置(A位置)、減圧位置(C位置)、保持位置(B
位置)の何れかに制御する電子制御装置40は、CP
U、ROM、RAM、入出力インターフェース等からな
るマイクロコンピュータから構成されており、図示しな
いイグニッションスイッチのオン時に電源供給を受けて
動作する。即ち、電子制御装置40は、前記各車輪の回
転速度センサ5〜8及びストップスイッチ26からの信
号を受け、これら各信号に基づきアンチスキッド制御の
ための演算処理を行い、前記各アクチュエータ21〜2
4の弁位置を切り換える。
【0035】b)以下、この電子制御装置40にてアン
チスキッド制御のために実行される演算処理について、
図3〜図5に示すフローチャートに沿って説明する。 図3に示す如く、電子制御装置40が起動されると、
まずS100(S:ステップを表わす)にて、メモリク
リア、フラグリセット等の初期化処理を行ない、続くS
110にて、以降の演算処理を所定時間Ta(例えば5
ms)毎に実行するために、所定時間Taが経過したか
否かを判断することにより、所定時間Taが経過するの
を待つ。
【0036】そして、S110にて、所定時間Taが経
過したと判断すると、S120に移行して、前記各回転
速度センサ5〜8からの回転速度信号に基づき、各車輪
1〜4の回転速度(以下、車輪速度という)VWを算出
し、続くS130にて、その算出した車輪速度の微分値
である各車輪1〜4の回転加速度(以下、車輪加速度と
いう)dVWを演算する。
【0037】次に、S140では、前記S120で求め
た各車輪1〜4の車輪速度VWの内の例えば最大速度VW
maxに基づき、車体速度VBを演算(推定)する。この
処理は、例えば、各車輪1〜4の車輪速度VWの内の最
大速度VWmaxが、前回求めた車体速度VB(n-1)に所定
値を加えた加速限界値Vαから、車体速度VB(n-1)か
ら所定値を減じた減速限界値Vβまでの範囲内にあるか
否かを判断し、最大速度VWmaxが加速限界値Vαから減
速限界値Vβまでの範囲内にあれば、最大速度VWmaxを
そのまま車体速度VBとして設定し、最大速度VWmaxが
加速限界値Vαを越えていれば、この加速限界値Vαを
車体速度VBとして設定し、最大速度VWmaxが減速限界
値Vβを下回っていれば、その減速限界値Vβを車体速
度VBとして設定する、といった従来より周知の手順で
実行される。
【0038】こうして、S140にて車体速度VBが求
められると、今度はS150に移行して、その車体速度
VBの微分値である車体加速度dVBを演算し、続くS
160では、前記S120にて算出した各車輪1〜4の
車輪速度VWと、前記S140にて算出した車体速度V
Bとに基づき、各車輪1〜4のスリップ率SWを算出す
る。
【0039】なお、この車体加速度dVBは、Gセンサ
等を用いて直接検出してもよい。また、Gセンサを用い
て車体加速度dVBを検出する場合には、この検出した
車体加速度dVBを積分することにより車体速度VBを
求めることもできる。更に、スリップ率SWは、車体速
度VBと車輪速度VWとの偏差(VB−VW)を、車体速
度VBで除することにより求めることができる(SW=
(VB−VW)/VB)。
【0040】以上のように、各車輪1〜4のスリップ率
SWが算出されると、今度は、S170〜S200に
て、各車輪1〜4のスリップ率SWと車輪加速度dVWと
に基づき、各車輪1〜4毎に、各アクチュエータ21〜
24の制御モードを、増圧モード、減圧モード、保持モ
ード、或はパルス増モードの何れに制御するかを設定す
る制御モードの演算処理を実行する。
【0041】つまり、S170では右前輪(FR)1の
制御モードを、S180では左後輪(RL)2の制御モ
ードを、S190では右後輪(RR)3の制御モード
を、S200では左前輪(FL)4の制御モードを、夫
々設定する。 次に、図4にて、各車輪1〜4の制御モードを設定す
る制御モード演算処理を説明する。
【0042】図4示す如く、S170〜S200で実行
される制御モードの演算処理では、まずS310にて、
対象となる車輪1,2,3又は4に対して制御中モード
が設定されており、既にアンチスキッド制御(液圧制
御)を実行しているか否かを判断する。
【0043】そして、制御中モードが設定されていなけ
れば、S320にて、S160にて求めた当該車輪のス
リップ率SWが予め設定された目標スリップ率KS0
(例えばKS0=20%)を越えたか否かを判断し、ス
リップ率SWが目標スリップ率KS0を越えていなけれ
ば、当該車輪に対する液圧制御を実行する必要はないの
で、S330にて、制御中モードをリセット状態とし、
S340にて、当該車輪のアクチュエータを図1に示し
たA位置(増圧位置)に保持する増圧モードにセットし
て、当該処理を終了する。
【0044】一方、S320にて、スリップ率SWが目
標スリップ率KS0を越えたと判断されると、車輪が大
きくスリップしており、液圧制御を実行する必要がある
として、S342に進む。S342では、車体加速度d
VBが、基準値KdVBを下回るか否かを判断する。そ
して、車体加速度dVBが基準値KdVB以上の場合に
は、路面μが高いと推定されるので、S346にて、パ
ルス増圧モードの保持時間KHを短い時間KH1(例え
ば50ms)にセットし、S350に進む。
【0045】つまり、図6のソレノイド駆動出力方法の
説明図に示す様に、保持出力の時間KHを短くすれば、
モード全体における増圧出力の時間KUの比率は増加す
るので、増圧勾配は大きくなる。それによって、高い路
面μに対応して、ロックを防止しつつできる限り高い制
動力を保つ様にしている。
【0046】一方、車体加速度dVBが基準値KdVB
を下回る場合には、路面μが低いと推定されるので、S
344にて、車体速度VBが、基準値KVBを下回る低
速の状態か否か、即ち制御開始速度が低いか否かを判断
する。そして、車体速度VBが基準値KVB以上の高い
状態の場合には、前記S348に進んで、パルス増圧モ
ードの保持時間KHを長い時間KH2(例えば150m
s)にセットし、S350に進む。
【0047】つまり、前記図6に示す様に、保持出力の
時間KHを長くすれば、モード全体における増圧出力の
時間KUの比率は減少するので、増圧勾配は小さくな
る。また、前記図1(a)に示す様に、車体速度VBが
高い場合には車両停止までの時間が長いので、制動可能
期間を確保するため、リザーバ28a,28bが制御途
中で一杯とならない様に、このように保持出力の時間K
Hを長くして、増圧勾配を小さくしている。
【0048】一方、前記S344にて、車体速度VB
が、基準値KVBを下回る低速の状態であると判断され
ると、S346に進んで、パルス増圧モードの保持時間
KHを短い時間KH1にセットし、S350に進む。つ
まり、前記図6に示す様に、保持出力の時間KHを短く
すれば、モード全体における増圧出力の時間KUの比率
は増加するので、増圧勾配は大きくなる。また、前記図
1(b)に示す様に、車体速度VBが小さな場合には、
車両停止までの時間が短くリザーバ28a,28bに余
裕があるので、この大きな増圧勾配で増圧することが可
能になる。そのため、制御途中で低μ路から高μ路に切
り替わった場合に、迅速に高いブレーキ液圧とすること
ができるので、車体減速度の高い応答性を確保すること
ができる。
【0049】前記S350では、制御モードをセットす
る。そして、S350にて制御中モードをセットする
か、或は前記S310にて現在制御中モードであると判
断された場合には、S360に移行し、前記S320の
処理と同様に、当該車輪のスリップ率SWが目標スリッ
プ率KS1(例えばKS1=15%)を越えているか否
かを判断する。
【0050】そして、S360にて、スリップ率SWが
目標スリップ率KS1を越えていると判断されると、S
370に移行し、前記S130にて算出した当該車輪の
車輪加速度dVWは、液圧制御によって車輪の減速が抑
制されて、その車輪速度VWの変化方向が減速方向から
加速方向に反転したか否か、つまり加速度零(0G)以
上となったか否かを判断する。
【0051】そして、S370にて、車輪加速度dVW
が0Gよりも小さく、即ち車輪速度VWは減速方向に変
化していると判断されると、S380に移行して、アク
チュエータを図1に示したC位置(減圧位置)に制御し
て、ブレーキ装置のW/C圧を減圧させる減圧モードを
セットし、当該処理を終了する。
【0052】一方、S370にて、車輪加速度dVWは
0G以上となって、車輪速度VWの変化方向が減速方向
から加速方向になっていると判断されると、S390に
移行して、アクチュエータを図2に示したB位置(保持
位置)に制御して、ブレーキ装置のW/C圧を保持させ
る保持モードをセットし、当該処理を終了する。
【0053】また、前記S360にて、スリップ率SW
が目標スリップ率KS1以下になっていると判断された
場合には、S400に移行して、アクチュエータを図2
に示したA位置(増圧位置)とB位置(保持位置)との
間を所定周期で交互に変化させて、ブレーキ装置のW/
C圧をその変化周期に応じた増圧パターンで除々に増圧
させるパルス増モードの制御を、所定回数(所定パター
ン)分実行したか否かを判断する。
【0054】そして、このS400にて、パルス増モー
ドの制御を所定パターン分実行したと判断すると、当該
車輪のスリップは完全に抑制され、液圧制御を終了して
ももはや車輪がスリップすることはないものとして、S
330に移行し、S330にて制御中モードをリセット
し、S340にて増圧モードをセットした後、当該処理
を終了する。
【0055】一方、S400にて、パルス増モードの制
御を所定パターン分実行していないと判断されると、S
400にて、当該車輪に対する制御モードとして、パル
ス増モードをセットし、当該処理を一旦終了する。尚、
上述した図6は、増圧モード,減圧モード,保持モード
及びパルス増モードの際のアクチュエータのソレノイド
に対する駆動出力を表わす。つまり、図6に示す如く、
本実施例では、制御モードとして増圧モードが設定され
ている場合には、ソレノイドへの通電を禁止してアクチ
ュエータを増圧位置に固定し、減圧モードが設定されて
いる場合には、ソレノイドに減圧用の所定電流を連続通
電して、アクチュエータを減圧位置に固定し、保持モー
ドが設定されている場合には、ソレノイドに保持用の所
定電流を連続通電して、アクチュエータを保持位置に固
定し、パルス増モードが設定されている場合には、ソレ
ノイドに所定時間KHだけ保持用の所定電流を流し、そ
の後所定時間KUだけソレノイドへの通電を停止する、
というように、アクチュエータを保持位置と増圧位置と
に交互に切り換える。
【0056】従って、パルス増モードでは、ブレーキ装
置11〜14のW/C圧が除々に増加することになり、
本実施例では、保持・増圧の切り換えが所定回数(例え
ばN=10パターン分)連続すると、前記S400にて
パルス増モードが終了したと判断されて、制御中モード
がリセットされ、制御モードが増圧モードに切り換えら
れる。
【0057】次に、図5は、前記S100〜S200
の一連の処理により設定された各車輪1〜4の制御モー
ドに従い、各車輪1〜4のアクチュエータ21〜24を
夫々駆動し、各車輪1〜4のブレーキ装置11〜14の
W/C圧を各々制御するために、所定時間(例えば1m
s)Tb毎のタイマ割込みによって実行される割込み処
理を表わす。
【0058】図5に示す如く、この割込み処理では、ま
ずS710にて、右前輪(FR)1の制御モードを読み
込み、この制御モードに従い、アクチュエータ21のソ
レノイドを図6に示した前述の駆動出力にて駆動し、ア
クチュエータ21をその制御モードに対応した弁位置に
制御する。なお、制御モードがパルス増モードであれ
ば、前記制御パターンに従い、アクチュエータ21を増
圧位置又は保持位置に制御するための増圧出力又は保持
出力がなされる。
【0059】続くS720以降では、このS710と同
様にして、左後輪(RL)2のアクチュエータ22に対
する駆動出力(S720)、右後輪(RR)3のアクチ
ュエータ23に対する駆動出力(S730)、左前輪
(FL)4のアクチュエータ24に対する駆動出力(S
740)、を順次実行し、この割込み処理を終了する。
【0060】この結果、各車輪1〜4のアクチュエータ
21〜24は、増圧位置,減圧位置,保持位置のいずれ
かに制御され、各車輪1〜4のブレーキ装置11〜14
のW/C圧は、設定された制御モードに応じて、増圧,
減圧,保持,又は緩増圧(パルス増モード)されること
になる。
【0061】以上説明したように、本実施例では、車体
減速度dVBが基準の車体減速度KdVBを下回り、且
つ車体速度VBが基準の車体速度KVB以上の場合に
は、保持時間KHを長くしてブレーキ液圧の増圧勾配を
増大させている。それによって、本実施例の様に、リザ
ーバ28a,28bからブレーキ液を汲み上げるモータ
ポンプがないシステムであっても、リザーバ28a,2
8bが満杯になる時間を長くすることによって、十分な
制御可能時間を確保することができる。
【0062】また、車体減速度dVBが基準の車体減速
度KdVB以上、又は車体速度VBが基準の車体速度K
VBを下回る場合には、リザーバ28a,28bに余裕
があるので、保持時間KHを短くして増圧勾配を増大さ
せている。そのため、制御途中で低μ路から高μ路に切
り替わった場合でも、迅速に高いブレーキ液圧とするこ
とができるので、車体減速度の高い応答性を確保するこ
とができる。
【0063】つまり、本発明の様に、アンチスキッド制
御時に車体速度VBに応じて増圧勾配を切り換えること
により、十分な制御可能時間を確保するとともに、低μ
路から高μ路に切り替わった場合における車体減速度の
高い応答性を確保することができるという顕著な効果を
奏する。 (実施例2)次に、実施例2について説明する。
【0064】本実施例は、前記実施例1とは、ハード構
成は同じでその制御処理のみが異なるので、異なる処理
である制御モード演算処理を説明する。尚、ハード構成
の番号は、前記実施例1と同じ番号を使用した。本実施
例は、アンチスキッド制御時に、車両停止までの予想制
御時間(即ちアンチスキッド制御終了時間)を算出し
て、ブレーキ液圧の増圧勾配を変更するものである。
【0065】図7の制御モード演算処理では、前記実施
例1のS310〜S340と同様にして、S1310〜
S1340の処理を行ない、S1320にて、スリップ
率SWが目標スリップ率KS0を越えたと判断される
と、S1342に進む。S1342では、制御開始時の
車体速度VBと車体減速度dVBとに基づいて、車両停
止までの予想制御時間TABSの演算を、下記式(1)を
用いて行なう。
【0066】TABS=K・VB/dVB …(1) 但し、K;単位合わせ用定数 続くS1344では、予想制御時間TABSが基準の時
間KT(例えば5sec)を下回るか否かを判断する。
つまり、予想制御時間TABSが基準の時間KTを下回
る場合は、制御時間が短くリザーバ28a,28bに余
裕があると推定され、一方、そうでない場合は、制御時
間が長くリザーバ28a,28bが満杯になる可能性が
あると推定される。
【0067】従って、予想制御時間TABSが基準の時
間KTを下回る場合は、リザーバ28a,28bに余裕
があるので、S1346にて、パルス増圧モードの保持
時間KHを短い時間KH1(例えば50ms)にセット
する。これによって、増圧勾配を増大することができる
ので、制動能力を向上することができるとともに、制御
途中で低μ路から高μ路に切り替わった場合に、迅速に
高いブレーキ液圧とすることができるので、車体減速度
の高い応答性を確保することができる。
【0068】一方、予想制御時間TABSが基準の時間
KT以上の場合は、リザーバ28a,28bに余裕がな
いので、S1348にて、パルス増圧モードの保持時間
KHを長い時間KH2(例えば150ms)にセットす
る。これによって、増圧勾配を低減することができるの
で、ロックを防止しつつできる限り高い制動力を保つこ
とができる。
【0069】以下、S1350〜S1410にて、前記
実施例1のS350〜S410と同様な処理を行なっ
て、一旦本処理を終了する。このように、本実施例で
は、車両停止までの予想制御時間TABSを求め、この
予想制御時間TABSの長短に応じて、増圧勾配を変更
している。従って、前記実施例1と同様な作用効果を奏
するとともに、車体速度が高速か低速かを基準値で分け
て制御するのでなく、実際の制御時間を予測するので、
より精密な制御を行なうことができるという利点があ
る。
【0070】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこうした実施例に限定されることはなく、
種々の態様をとることができる。 (1)例えば、前記実施例1,2では、リザーバに排出
されたブレーキ液をマスタシリンダ側に戻すモータポン
プを有しないシステムについて説明したが、例えば図8
に示す如く、リザーバ28a,28b側の液圧管路とマ
スタシリンダ16側の液圧管路との間に、電動モータの
駆動によってリザーバ28a,28b側の液をマスタシ
リンダ16側に汲上げるモータポンプ27a,27bを
備えたシステムにも適用できる。この場合には、モータ
ポンプ27a,27bの能力が小さくても、リザーバ2
8a,28bが満杯になる時間を長くすることによっ
て、十分な制御可能時間を確保することができる。
【0071】(2)前記実施例1では車体加速度や車体
速度に応じて、また、前記実施例2では予想制御時間に
応じて、パルス増圧モードの保持時間KHを変更する様
にしたが、これとは別に、保持時間KHは変更せずに、
増圧時間KUを変更する様にしてもよい。例えばS34
6,S1346では保持時間KHを短くし、S358,
S1358では保持時間KHを長くしたが、それとは逆
に、S346,S1346にて増圧時間KUを長くし、
S357,S1357にて増圧時間KUを短くしてもよ
い。
【0072】(3)前記実施例1では、車体加速度を路
面状態を推定する手段として採用し、その車体加速度に
応じて、パルス増圧モードの保持時間KHを変更する様
にしたが、これとは別に、直接に路面μを検出する手段
(例えば光学的な手段等)を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アンチスキッド制御中にスリップが発生した
場合の制御動作を説明するタイムチャートである。
【図2】 実施例1のアンチスキッド制御装置全体の構
成を表わす概略構成図である。
【図3】 実施例1のメインルーチンの処理内容を表わ
すフローチャートである。
【図4】 実施例1の各車輪に対して各々実行される制
御モード演算処理を表わすフローチャートである。
【図5】 実施例1の所定時間毎のタイマ割込みにて実
行されるタイマ割込み処理を表わすフローチャートであ
る。
【図6】 実施例1の制御モードと液圧制御のためのア
クチュエータのソレノイドに対する駆動出力との関係を
説明する説明図である。
【図7】 実施例2の各車輪に対して各々実行される制
御モード演算処理を表わすフローチャートである。
【図8】 アンチスキッド制御装置の他の構成例を表わ
す概略構成図である。
【符号の説明】
1〜4…車輪(1…右前輪,2…左後輪,3…右後輪,
4…左前輪) 5〜8…回転速度センサ 11〜14…ブレーキ装置 16…マスタシリンダ 21〜24…アクチュエータ(三位置弁) 25…ブレーキペダル 27a,27b…モータポンプ 28a,28b…リザーバ 40…電子制御装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両制動時に、車輪のスリップ状態を最
    適化するべく、車輪に制動力を発生させる制動力発生手
    段にかかるブレーキ液圧の増減圧調整を実行する増減圧
    調整手段を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記増減圧調整手段は、 前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段を備
    え、 該車体速度検出手段によって検出された車体速度に応じ
    て、前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増
    圧勾配を可変制御することを特徴とするアンチスキッド
    制御装置。
  2. 【請求項2】 車両制動時に、車輪のスリップ状態を最
    適化するべく、車輪に制動力を発生させる制動力発生手
    段にかかるブレーキ液圧の増減圧調整を実行する増減圧
    調整手段を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記増減圧調整手段は、 前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段を備
    え、 該車体速度検出手段によって検出された車体速度が所定
    値よりも大きければ、前記車輪制動力発生手段にかかる
    ブレーキ液圧の増圧を、第1の増圧勾配で実行し、 前記車体速度検出手段によって検出された車体速度が前
    記所定値以下であれば、前記車輪制動力発生手段にかか
    るブレーキ液圧の増圧を、第1の増圧勾配より大きな第
    2の増圧勾配で実行することを特徴とする前記請求項1
    記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】 前記増減圧調整手段は、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    実行する増圧出力と、前記ブレーキ液圧の保持を実行す
    る保持出力とを備え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
    を、前記増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互
    に実行するパルス増圧にて実行し、 前記第2の増圧勾配で実行する際の前記パルス増圧にお
    ける前記増圧出力の実行比率は、前記第1の増圧勾配で
    実行する際の前記パルス増圧における前記増圧出力の実
    行比率よりも大きいことを特徴とする前記請求項2記載
    のアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】 前記増減圧調整手段は、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    実行する増圧出力と、前記ブレーキ液圧の保持を実行す
    る保持出力とを備え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
    を、前記増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互
    に実行するパルス増圧にて実行し、 前記第2の増圧勾配で実行する際の前記パルス増圧にお
    ける前記保持出力の実行比率は、前記第1の増圧勾配で
    実行する際の前記パルス増圧における前記保持出力の実
    行比率よりも小さいことを特徴とする前記請求項2記載
    のアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】 前記増減圧調整手段は、 前記車輪下の路面状態を推定する路面状態推定手段を備
    え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    前記第1の増圧勾配で実行するか又は前記第2の増圧勾
    配で実行するかを、前記路面状態推定手段からの出力結
    果を加味して決定することを特徴とする前記請求項2〜
    4のいずれか記載のアンチスキッド制御装置。
  6. 【請求項6】 前記増減圧調整手段は、 前記車両の車体減速度を検出する車体減速度検出手段を
    備え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    前記第1の増圧勾配で実行するか又は前記第2の増圧勾
    配で実行するかを、前記車体減速度検出手段からの出力
    結果を加味して決定することを特徴とする前記請求項2
    〜4のいずれか記載のアンチスキッド制御装置。
  7. 【請求項7】 車両制動時に、車輪のスリップ状態を最
    適化するべく、車輪に制動力を発生させる制動力発生手
    段にかかるブレーキ液圧の増減圧調整を実行する増減圧
    調整手段を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記増減圧調整手段は、 前記車両の車体速度を検出する車体速度検出手段と、 前記車両の車体減速度を検出する車体減速度検出手段
    と、 該車体速度検出手段によって検出された車体速度及び前
    記車体減速度検出手段によって検出された車体減速度に
    応じて、アンチスキッド制御終了までの予想制御時間を
    算出する予想制御時間算出手段と、を備え、 該予想制御時間算出手段によって算出された予想制御時
    間に応じて、前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ
    液圧の増圧勾配を可変制御することを特徴とするアンチ
    スキッド制御装置。
  8. 【請求項8】 前記増減圧調整手段は、 前記予想制御時間算出手段によって算出された予想制御
    時間が所定値よりも大きければ、前記車輪制動力発生手
    段にかかるブレーキ液圧の増圧を、第1の増圧勾配で実
    行し、 前記予想制御時間算出手段によって算出された予想制御
    時間が前記所定値以下であれば、前記車輪制動力発生手
    段にかかるブレーキ液圧の増圧を、第1の増圧勾配より
    大きな第2の増圧勾配で実行することを特徴とする前記
    請求項7記載のアンチスキッド制御装置。
  9. 【請求項9】 前記増減圧調整手段は、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    実行する増圧出力と、前記ブレーキ液圧の保持を実行す
    る保持出力とを備え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
    を、前記増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互
    に実行するパルス増圧にて実行し、 前記第2の増圧勾配で実行する際の前記パルス増圧にお
    ける前記増圧出力の実行比率は、前記第1の増圧勾配で
    実行する際の前記パルス増圧における前記増圧出力の実
    行比率よりも大きいことを特徴とする前記請求項8記載
    のアンチスキッド制御装置。
  10. 【請求項10】 前記増減圧調整手段は、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧を
    実行する増圧出力と、前記ブレーキ液圧の保持を実行す
    る保持出力とを備え、 前記車輪制動力発生手段にかかるブレーキ液圧の増圧
    を、前記増圧出力と保持出力とを所定のレートにて交互
    に実行するパルス増圧にて実行し、 前記第2の増圧勾配で実行する際の前記パルス増圧にお
    ける前記保持出力の実行比率は、前記第1の増圧勾配で
    実行する際の前記パルス増圧における前記保持出力の実
    行比率よりも小さいことを特徴とする前記請求項8記載
    のアンチスキッド制御装置。
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