JPH09290552A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH09290552A
JPH09290552A JP10660896A JP10660896A JPH09290552A JP H09290552 A JPH09290552 A JP H09290552A JP 10660896 A JP10660896 A JP 10660896A JP 10660896 A JP10660896 A JP 10660896A JP H09290552 A JPH09290552 A JP H09290552A
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JP
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ink
stencil
plate cylinder
perforated
printing paper
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JP10660896A
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Atsushi Sato
佐藤  淳
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキの印刷用紙への転移量を少なくして
も、濃度ムラが少なくて裏移りやにじみの少ない鮮明な
画像が得られるようにする。 【解決手段】 外周にインキ供給用の穿孔2aが多数形
成された孔版原紙2を巻き付ける版胴部1を、それぞれ
開孔部6a,7aが多数形成された版胴6,7と、その
版胴6と7の間に挾まれたインキ拡散部材5aとからな
る三重構造にする。また、外側の版胴6の開孔部6aを
内側の版胴7の非開孔部7bで塞ぐ位置にする。それに
よって、孔版原紙2の穿孔2a付近においてインキ4が
版胴6から印刷用紙P側へ押し出される力が、開孔部6
aがある部分と無い部分(非開孔部)とで略均一になる
ため、印刷用紙Pの表面に転写されるインキ層の厚さ
が、その印刷用紙Pの全体に亘って略均一になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、版胴の外周にイ
ンキ供給用の穿孔が多数形成された孔版原紙を巻き付け
て、その孔版原紙に印刷用紙を圧接させた状態でインキ
をその用紙に転移させて印刷を行なう孔版印刷装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、このように版胴と孔版原紙とを使
用して印刷用紙にインキを転移させて印刷を行なう孔版
印刷装置は、その版胴の構成を例えば図7に示すような
構成にしている。すなわち、円筒状の版胴16の外側に
スクリーン17と、図8に示す熱溶解性フィルム18と
多孔性支持体19とからなる孔版原紙32を巻き付けて
いる。そして、印刷時には、図7に示したように版胴1
6の内側にインキローラ22を押し付けると共に、孔版
原紙32の外側には印刷用紙Pを押圧手段としての圧胴
13によって押し付ける。
【0003】インキ4は、インキローラ22の上部から
供給され、それがインキローラ22の矢示A方向への回
転により版胴16との間に流入し、さらに版胴16に形
成されている多数の開孔部16aからスクリーン17及
び孔版原紙32の穿孔(図示を省略している)を通って
印刷用紙Pに転写される。
【0004】図8乃至図10は従来の孔版印刷装置にお
ける孔版原紙の穿孔部付近のインキの移動を説明するた
めにそれぞれ断面状態で示した説明図である。なお、図
8乃至図10は説明用の図であるため、本来は断面円形
状の版胴16や孔版原紙32等を平面化(直線化)して
図示している。図8に示す状態において、インキローラ
22はまだ版胴16の内面に接していない。また、印刷
用紙Pもまだ孔版原紙32に接していない。この状態か
ら印刷用紙Pが孔版原紙32と圧胴13とが接するニッ
プ部Npで、図9に示すように圧胴13の加圧により孔
版原紙32に押し付けられると共に、インキローラ22
が版胴16の内面に接触し、その表面のインキ層Iaが
版胴16の内側のインキ層Ib(いずれも図8参照)と
接触してインキ層Icとなる。
【0005】そして、さらにインキローラ22が版胴1
6の内面に強く接すると、インキローラ22と孔版原紙
32との間に閉じ込められたインキ4が、そこに加えら
れる圧力により孔版原紙32の穿孔32aを通して印刷
用紙Pの表面へ押し出される。このインキローラ22と
孔版原紙32との間に閉じ込められたインキ4の移動を
微視的に見ると、転写時にインキローラ22が版胴16
の内面に接する部分となるニップ部Npにおいて、イン
キローラ22は版胴16の内側からインキ4を押さえ付
けているが、そのニップ部Npの用紙搬送方向の前後
(ニップ部Np以外の部分)ではインキローラ22は版
胴16の内面に密着していないので(図7も参照)、そ
の部分にあるインキ4は押圧されない。
【0006】そのため、印刷用紙Pの裏側(図で下面
側)に圧胴13が圧接してニップ部Npの部分に圧力を
加えると、版胴16の開孔部16aの部分にあって版胴
16の厚み方向に存在しているインキ層Idが図9で上
下方向から押圧されることによって、そこに存在するイ
ンキ4が圧力が加わっていないニップ部Npの前後(右
と左に分散)に移動しようとする。
【0007】すなわち、転写時にはニップ部Npの部分
でインキ4に圧力が加えられるので、その転写の初期時
には、瞬間的に若干量のインキ4が穿孔32aを通して
印刷用紙Pに転移するが、それ以外ではインキ4は孔版
原紙32の多孔性支持体19内で圧力が加わっていない
ニップ部Npの前後に微量ではあるが移動する。また、
版胴16の厚み方向(図9で上下方向)においては、開
孔部16aのある部分ではインキ層がインキローラ22
の表面までつながるので、そのインキ4は圧力が加えら
れると若干量が版胴16とインキローラ22とが接する
ニップ部Npの前後に矢示C,Dのように移動する。
【0008】一方、非開孔部16bの外側に存在してい
るインキ4は、インキローラ22と圧胴13とによって
加圧されても、開孔部16aを通ってインキローラ22
のニップ部Npの前後へ移動するようなことがない。し
たがって、転写時間内において実質的に孔版原紙32の
穿孔32aの付近に存在しているインキ4が押し出され
る力は、微視的に見ると版胴16の開孔部16aの外側
に位置する部分と非開孔部16bの外側に位置する部分
とでは違いがあり、非開孔部16bの外側に位置する部
分では印圧の逃げが少なくなる分だけ、インキ4が印刷
用紙P側に押し出される力が開孔部16aの外側に位置
する部分に比べて大きくなる。
【0009】そのため、図10に示すように、印刷用紙
Pの表面に転移したインキ層Ieの厚さはインキ4が押
し出される力に対応するので、そのインキ層Ieは版胴
16の非開孔部16bの外側に対応する部分Pbが、図
示のように開孔部16aの外側に対応する部分Paに比
べて厚くなる。このインキ層Ieの厚みの差は、本来印
刷画像の濃度差として現われるものであるが、従来の印
刷画像ではベタ部の埋まりをよくするため、インキを過
剰ぎみに転移させるようにしているので全体にインキ層
Ieが厚くなり、画像濃度も高いことから、あまり目立
つ濃度差として現われることはなかった。そのため、上
述したようなインキ層Ieの厚みの差は、これまではあ
まり問題にされることはなかった。
【0010】しかしながら、近年はユーザからこれまで
以上に裏移りや、にじみの少ない画像を要求する声が高
まってきており、それに対応するためにはインキの印刷
用紙への転移量を少なくすることが最も効果的であるこ
とから、そのインキの転移量を少なくする必要性が高ま
ってきている。ところが、従来の孔版印刷装置を使用し
て、インキの転移量を少なくすると、図10で説明した
印刷用紙P上に転移されるインキ層Ieが全体的に薄く
なってしまうため、特にベタ部では前述したようなイン
キ層Ieの厚みの差による画像濃度差が顕著に現われて
しまうようになって、見た目に濃度ムラが大きい低質な
画像になってしまうという問題点があった。したがっ
て、従来の孔版印刷装置で印刷用紙へ転移するインキの
量を少なくして、印刷用紙上に濃度ムラの少ない高画質
な画像を得ることは難しかった。
【0011】また、孔版印刷装置には、例えば特開平3
−15585号公報に記載されているように、版胴を内
側の多孔版胴と外側の多孔版胴との2重構造にして、そ
れらを重ね合わせることによって剛性を高めると共に、
画像濃度を調整するときには、その内側の多孔版胴ある
いは外側の多孔版胴(両方でもよい)を相対的に移動さ
せ、その内と外の多孔版胴にそれぞれ形成されている各
インキ通過用の開孔の位置をずらすことによって、多孔
版胴の孔の開孔面積を調整することができるようにした
ものもある。
【0012】また、インキの供給を調整可能な孔版印刷
装置として、1枚の版胴の開孔(インキ通過孔)の周壁
外面側の面積を、周壁内面側の面積よりも小さくするよ
うにしたり、版胴を2層構造にして、外側の版胴に形成
する開孔の孔径を内側の版胴に形成する開孔の孔径より
も小さくするようにしたものもある(例えば実開平4−
13375号公報参照)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者は
2枚の版胴の孔の開孔面積を変えることによって画像濃
度の調整を可能にしてはいるが、少ないインキの転移量
で濃度ムラを少なくすることは期待できない。また後者
は、版胴の開孔の大きさを、外面側よりも内面側を大き
くすることによってインキをその開孔部に入りやすく
し、新しい孔版原紙を版胴に装着したときの初期の試し
刷り枚数を減少させることができるという効果は得られ
るが、前者と同様に少ないインキの転移量で濃度ムラを
少なくするという効果は、やはり期待できない。
【0014】この発明は上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、インキの印刷用紙への転移量を少なくして
も、濃度ムラが少なくて裏移りやにじみの少ない鮮明な
画像が得られるようにすることを目的する。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、周面に開孔を有する版胴の外周にインキ
供給用の穿孔が多数形成された孔版原紙を巻き付けて、
その孔版原紙に印刷用紙を押圧手段により圧接させた状
態でインキを版胴の内側から外に向けて供給し、インキ
を印刷用紙に転移させて印刷を行なう孔版印刷装置にお
いて、上記版胴は、それぞれ開孔が多数形成された内側
と外側の多孔版胴と、その多孔版胴間に挾まれたインキ
拡散部材とからなる三重構造に形成され、外側の多孔版
胴の開孔部を内側の多孔版胴の非開孔部で塞ぐ位置に上
記内側と外側の多孔版胴をそれぞれ配置したものであ
る。
【0016】このようにすれば、外側の多孔版胴の開孔
部を内側の多孔版胴の非開孔部が塞ぐようになるので、
孔版原紙の穿孔付近においてインキが多孔版胴から印刷
用紙側へ押し出される力は、外側の多孔版胴の開孔部が
ある部分と無い部分(非開孔部)とで略均一になる。し
たがって、印刷用紙の表面に転写されるインキ層の厚さ
が、その印刷用紙の全体に亘って略均一になる。
【0017】また、上記外側の多孔版胴の厚さを、内側
の多孔版胴の厚さよりも薄くするとよい。そうすれば、
外側の多孔版胴の開孔部に存在するインキ量がその外側
の版胴の厚さを薄くした分だけ少なくなる。したがっ
て、インキ拡散部材の部分で孔版原紙が印刷用紙を介し
て押圧された位置を中心として、その前後へ移動するイ
ンキがほとんどなくなる。それによって、外側の多孔版
胴の開孔部と非開孔部のそれぞれ孔版原紙と接する外側
の部分で、インキが押し出される力にほとんど差がなく
なるので、印刷用紙の表面に転写されたインキ層の厚さ
が、さらに全体的に均一なものになる。
【0018】さらに、そのインキ拡散部材を、親油性物
質で形成するとよい。そうすれば、インキ拡散部材とイ
ンキとのなじみがよくなるため、補給されるインキを外
側の多孔版胴の外側へムラなく拡散させることができる
ので、さらにムラができにくくなると共に、速やかにイ
ンキを孔版原紙側へ移動させることができる。
【0019】また、上記インキ拡散部材を、弾性体で形
成するとよい。そうすれば、孔版原紙に印刷用紙を押圧
手段により圧接させるとインキ拡散部材が圧縮されるよ
うになるため、そのインキ拡散部材の部分でインキがそ
の圧縮部分の前後へ移動する流路が狭くなるので、その
圧縮によりインキが上記前後へ移動しにくくなる。した
がって、転写時に押圧手段による加圧によって圧力が加
えられるインキ拡散部材の部分でインキがその前後へほ
とんど移動しなくなるため、外側の多孔版胴の開孔部と
非開孔部のそれぞれ外側の部分で、インキが押し出され
る力にほとんど差がなくなるので、印刷用紙に転写され
たインキ層の厚さが、全体に均一なものになる。
【0020】さらに、インキ拡散部材を、内側及び外側
の多孔版胴の開孔部の開孔幅よりも細い繊維径の繊維に
より形成した繊維層とするとよい。そうすれば、内側及
び外側の多孔版胴の開孔部の開孔幅を小さくした場合で
も、その開孔部が繊維により目詰りするようなことがな
いので、インキをムラなく孔版原紙側へ移動させること
ができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明による孔版印刷
装置の一実施形態例のインキを印刷用紙に転移させる部
分を大半を断面状態にして示す概略図、図2は同じくそ
の孔版印刷装置の全体の構成を示す概略構成図、図3乃
至図5はその孔版印刷装置におけるインキの移動状況を
それぞれ説明するための概略図である。なお、図3乃至
図5は説明用の図であるため、本来はそれぞれ断面円形
状のインキローラ12や版胴6,7及び孔版原紙2等を
平面化(直線化)して図示している。
【0022】この孔版印刷装置は、図2に示すように装
置本体50の上部に設けられた原稿読取部80と、その
下方で装置本体50内に設けられた製版・給版部90
と、その図で左方側に設けられた印刷ドラム部100
と、その左方側に設けられた排版部70と、製版・給版
部90の下方に設けられた給紙部500と、その左方側
に設けられた排紙部600とからなる。
【0023】そして、その印刷ドラム部100に、図1
に示すように円筒状に形成された印刷用の版胴部1が矢
示B方向に回転可能に設けられていて、その版胴部1の
内面にインキローラ12が矢示A方向に接触回転可能に
設けられている。また、版胴部1の内側には、ドクタロ
ーラ8と、インキ供給パイプ9(図2)とが配設されて
いて、そのインキ供給パイプ9からドクタローラ8とイ
ンキローラ12に、印刷用のインキが供給される。
【0024】版胴部1の外側には、インキ拡散部材5b
と、外周にインキ供給用の穿孔2aが多数形成された孔
版原紙2が巻き付けてある。その版胴部1の下方には、
押圧手段としての圧胴3が配設されていて、その圧胴3
は印刷用紙Pに印刷する際に、その印刷用紙Pを版胴部
1の外周面に巻き付けられた孔版原紙2に印刷に適した
所定の加圧力で圧接させる。
【0025】その版胴部1は、外側の版胴6と、内側の
版胴7と、その版胴6と7の間に挾まれたインキ拡散部
材5aとからなる三重構造に形成されており、その版胴
6と7は、それぞれ多数の開孔部6aと7aが形成され
た多孔版胴である。その版胴6と7は、図3に明示する
ように外側の版胴6の各開孔部6aを内側の版胴7の各
非開孔部7bでそれぞれ塞ぐように配置してある。
【0026】その版胴6と7に挾まれているインキ拡散
部材5aは、インキローラ12から補給されたインキ4
をムラなく速やかに孔版原紙2側へ移動させる働きをす
るものであり、例えばポリエステル繊維からなるメッシ
ュスクリーン層や、ポリエステル繊維からなる不織布の
繊維層等を使用する。そして、版胴6と7とをインキ拡
散部材5aを挟んで固定し、その重ね合わせた状態のま
ま円筒状に巻き込んだ状態で、その両端部を図示しない
回転可能な版胴保持フレームにそれぞれ固定している。
なお、孔版原紙2は、熱溶解性フィルム10と多孔性支
持体11とを具備している。また、図1中においては、
孔版原紙2の多孔性支持体11の図示を省略している。
【0027】この孔版印刷装置による印刷は、次のよう
にして行なわれる。まず、図2に示した原稿読取部80
の原稿載置台(図示せず)に、印刷用の原稿をセット
し、スタートボタンを押す。すると、排版工程が実行さ
れ、ドラム状の版胴部1の外周面に前回の印刷で使用さ
れた使用済みの孔版原紙2が残っている場合には、それ
を取り除く動作が行なわれる。すなわち、版胴部1が図
2の矢示Bと逆方向に回転し、その版胴部1の外周面に
保持されている使用済みの孔版原紙2が、複数のローラ
やベルト類からなる排版剥離搬送部71により、後端部
側から引き剥がされて排版ボックス74内へ排出され
る。
【0028】この排版工程が実行されている間、原稿読
取部80では重ねられた原稿の最下位の1枚を図で左方
の読み取り位置へ搬送し、その原稿がコンタクトガラス
85上を移動している間、その原稿をランプ86で照明
し、その原稿は原稿トレイ800に排出される。その原
稿の反射光は、ミラー87により反射されてレンズ88
によりCCD等の画像センサ89上に結像される。そし
て、その画像センサ89から出力される画像情報は図示
しない画像処理部でデジタル信号に変換される。
【0029】次に製版工程が行なわれ、製版・給版部9
0にロール状に巻かれている孔版原紙2を一端側から引
き出し、プラテンローラ92の位置でサーマルヘッド9
1により、前述したデジタル信号化された画像情報に基
づいて画像の書き込みを行なう。その書き込みは、孔版
原紙2の熱溶解性フィルム10において、サーマルヘッ
ド91の発熱部に接触している部分が画像情報に基づい
て溶融穿孔されることにより行なわれる。
【0030】その穿孔パターンが形成された孔版原紙2
は、複数の搬送ローラ対93により版胴部1へ向けて搬
送され、それが図示しないガイドにより進行方向を下方
へ変えられてクランパ102へ向けて垂れ下がる。この
時、版胴部1上からは既に使用済みの孔版原紙2が取り
除かれているので、クランパ102が所定のクランプ位
置で孔版原紙2をクランプ可能な状態になっている。
【0031】そして、そのクランパ102が、そこに送
りこまれる孔版原紙2の先端部をクランプすると、版胴
部1が図2の矢示B方向に回転しながら、その外周面に
孔版原紙2を巻き付けていき、その後端部はカッタ95
によりカットされる。このようにして、新たな孔版原紙
2が版胴部1に巻装されると「製版・給版工程」が終了
し、次の印刷工程が開始される。
【0032】その印刷工程では、給紙部500の給紙コ
ロ110により、印刷用紙Pが最上位のものから1枚ず
つレジストローラ対112へ向けて送り出され、レジス
トローラ対112はその送り出された印刷用紙Pの先端
部を挾持した状態で一旦待機する。そして、そのレジス
トローラ対112は、回転する版胴部1上の孔版原紙2
と同期をとったタイミングで、その印刷用紙Pを送り出
す。その印刷用紙Pは、圧胴3により裏面(下面)側が押
し上げられることにより、表面側が版胴部1の外周面に
保持された孔版原紙2に押圧される。
【0033】一方、版胴部1の内周面には、インキロー
ラ12が転接しつつ、ドクタローラ8とインキローラ1
2との近接部のインキ溜りからインキ4を供給する。す
ると、版胴部1は多孔性であるため供給されたインキ4
はその孔から外周面に滲み出し、そのインキ4がさらに
孔版原紙2の溶融穿孔された部分を通って印刷用紙Pの
表面に転移して、そこに画像が形成される。
【0034】このようにして、画像が形成された印刷用
紙Pは、剥離爪113により版胴部1から分離され、搬
送ベルト116により排紙部600へ排出される。この
ような各工程を経て先ず、版付け印刷が行なわれ、その
後、正規の印刷工程を繰り返し行なって所望の枚数の印
刷物を得る。
【0035】次に、このようにして印刷を行なった際の
孔版原紙2の穿孔2aの付近のインキの移動について説
明する。図3に示す状態において、インキローラ12は
まだ版胴7の内面に接していない。また、印刷用紙Pも
まだ孔版原紙2に接していない。この状態から印刷用紙
Pが孔版原紙2と圧胴3とのニップ部内に進行し、イン
キローラ12が版胴7の内面に接すると、そのインキロ
ーラ12の表面に形成されているインキ層Iaが版胴7
の内側のインキ層Ibに接触して、図4に示すようにイ
ンキ層Icとなる。そして、インキローラ12が版胴7
の内面を加圧すると、インキローラ12と孔版原紙2と
の間に閉じ込められたインキ4が押圧されるようになる
ため、そのインキ4が孔版原紙2の穿孔2aを通って印
刷用紙Pの表面へ押し出される。
【0036】ところで、従来の孔版印刷装置では、イン
キを印刷用紙に転移させるインキの転写時に、孔版原紙
の穿孔の付近に存在するインキが押し出される実質的な
力は、図8乃至図10を使用して説明したように、微視
的に見ると版胴16の開孔部16aの外側の部分と非開
孔部16bの外側の部分とでは違いがあることを説明し
た。
【0037】すなわち、図9に示したように非開孔部1
6bの外側では、孔版原紙32と圧胴13とが印刷用紙
Pを介して接するニップ部Npの前後(図で左右)へ開
孔部16aを通って矢示CとDのように移動するインキ
4がない分だけ、版胴16の厚み方向(図で上下方向)
での印圧の逃げが少なくなるため、孔版原紙32の穿孔
32a付近でインキ4が印刷用紙P側に押し出される力
は開孔部16aのある部分よりも大きくなる。そのた
め、図10に示したように印刷用紙Pに転移されるイン
キ層Ieの厚さについては、版胴16の非開孔部16b
の外側に対応する部分Pbが、開孔部16aの外側に対
応する部分Paに比べてインキ層Ieが厚くなってしま
うという問題があった。
【0038】しかしながら、この実施の形態による孔版
印刷装置の版胴部1は、図3で説明したように外側の版
胴6の開孔部6aを内側の版胴7の非開孔部7bでそれ
ぞれ塞ぐように、その版胴6と7とを配置しているの
で、図4に示すように圧胴3が印刷用紙Pを版胴部1に
取り付けられた孔版原紙2へ押し付けて加圧することに
よってインキ4に圧力を加えても、外側の版胴6の各開
孔部6aに存在するインキ4の版胴6の厚み方向への移
動は、内側の版胴7の非開孔部7bによって遮られるよ
うになる。
【0039】この時、版胴6と7に挾まれているインキ
拡散部材5aに存在しているインキ4は、上記加圧によ
り生じる印圧により孔版原紙2と圧胴3とのニップ部N
pの前後(図でNpの左右)へ若干量が矢示E,F方向
に移動するが、そのインキ4の移動は図9で説明した従
来の版胴16におけるインキ4の移動量と比べるとかな
り微量である。したがって、版胴部1において孔版原紙
2の各穿孔2a付近でインキ4が印刷用紙P側へ押し出
される力は、開孔部6aのある部分と非開孔部6bの部
分に関係なく、全体に略均一になる。そのため、図5に
示すように、転移されることによって印刷用紙Pの表面
に転写されるインキ層Ieの厚さが全体に略均一にな
る。
【0040】そのため、この孔版印刷装置は、従来の孔
版印刷装置に比べて濃度ムラが少ないので、インキ4の
印刷用紙Pへの転移量を少なくしても、ベタ部の画質を
落すことなしに、裏移りが少なく、にじみの少ない鮮明
な画像を得ることができる。なお、外側の版胴6の厚さ
は、内側の版胴7の厚さよりも薄くするとよい。そうす
れば、外側の版胴6の開孔部6aに存在するインキ量が
その版胴6の厚さを薄くした分だけ少なくなるので、図
4に示したようにニップ部Npの部分が加圧されること
によって、開孔部6aに存在するインキ4がニップ部N
pを中心として、その前後(図で左右)へほとんど移動
しなくなる。
【0041】したがって、外側の版胴6の開孔部6aと
非開孔部6bのそれぞれ孔版原紙2側で、インキ4が印
刷用紙P側に押し出される力にほとんど差がなくなるの
で、印刷用紙Pの表面に転写されるインキ層の厚さが、
さらに全体的に均一なものになる。
【0042】また、インキ拡散部材5aを、ポリエステ
ルよりも親油性のあるポリプロピレンの繊維(親油性物
質)からなる不織布の繊維層やメッシュスクリーン層で
形成するようにするとよい。そうすれば、インキ拡散部
材5aとインキ4とのなじみがよくなるため、補給され
るインキ4を版胴6の外側へムラなく拡散させることが
できるので、さらにムラができにくくなると共に、速や
かにインキ4を孔版原紙2側へ移動させることができ
る。
【0043】さらに、そのインキ拡散部材5aを、例え
ば連続気孔多孔質体のポリウレタンやシリコンゴム、あ
るいは化学繊維の不織布や金属繊維の不織布をある程度
の厚みにして弾力性を持たせたもの等の弾性体で形成す
るとよい。そうすれば、孔版原紙2に印刷用紙Pを圧胴
3により圧接させるとインキ拡散部材5aが圧縮される
ようになるため、そのインキ拡散部材5aの部分でイン
キ4がその圧縮部分の前後へ移動する流路が狭くなるの
で、その圧縮によりインキ4が図4に示したニッブ部N
pの前後(図で左右)へ移動しにくくなる。
【0044】したがって、転写時に圧胴3による加圧に
より圧力が加えられるインキ拡散部材5aの部分で、イ
ンキ4がその加圧されるニップ部Npの前後へほとんど
移動しなくなるため、版胴6の開孔部6aと非開孔部6
bのそれぞれ外側の部分で、インキ4が押し出される力
にほとんど差がなくなるので、印刷用紙Pに転写された
インキ層Ie(図5)の厚さが、全体に均一なものにな
る。
【0045】さらに、インキ拡散部材5aを、図6に示
すように外側の版胴6の開孔部6a及び内側の版胴7の
開孔部7a(内側の版胴7は図示せず)の開孔幅DW
(この例では開孔部6a,7aが円形の孔であるため直
径)よりも細い繊維径dの繊維を織りこむことによって
形成した繊維層にするとよい。そうすれば、外側の版胴
6の開孔部6a及び内側の版胴7の開孔部7aの開孔幅
DW を小さくした場合でも、外側の版胴6の開孔部6a
及び内側の版胴7の開孔部7aが繊維により目詰りする
ようなことがないので、インキがムラなく孔版原紙側へ
移動する。なお、上記実施の形態では、押圧手段として
圧胴を用いたが、版胴部の外径よりも小径のプレスロー
ラ等の押圧手段を圧胴に代えて用いてもよいことは勿論
である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、外側の多孔版胴の開孔部を内側の多孔版胴の非開孔
部で塞ぐ位置関係にしたので、孔版原紙の穿孔付近でイ
ンキが多孔版胴から印刷用紙側へ押し出される力が、外
側の多孔版胴の開孔部がある部分と無い部分とで略均一
になる。したがって、印刷用紙の表面に転写されるイン
キ層の厚さが、その印刷用紙の全体に亘って略均一にな
るため、インキの転移量を少なくするようにしても、従
来の孔版印刷装置に比べて濃度ムラが少ないので、ベタ
部の画質を落すことなしに裏移りが少なく、にじみの少
ない鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による孔版印刷装置の一実施形態例の
インキを印刷用紙に転移させる部分を大半を断面状態に
して示す概略図である。
【図2】同じくその孔版印刷装置の全体の構成を示す概
略構成図である。
【図3】同じくその孔版印刷装置の印刷時におけるイン
キの移動状況を説明するために印刷用紙が圧胴により孔
版原紙に押圧される前の状態を示す断面図である。
【図4】同じくその印刷用紙が圧胴によって孔版原紙に
押圧された状態を示す断面図である。
【図5】同じくその印刷用紙にインキが転移されてその
印刷用紙が圧胴から離れた状態を示す断面図である。
【図6】図1の孔版印刷装置の版胴部に設けられている
インキ拡散部材を内側及び外側の版胴の開孔部の開口幅
よりも細い繊維径の繊維を織りこんだ繊維層で形成した
場合の例を示す概略図である。
【図7】従来の版胴を有する孔版印刷装置の一部を示す
概略図である。
【図8】図7の版胴を使用して印刷する際に孔版原紙か
ら離れた位置にある圧胴と版胴との間に印刷用紙が送り
こまれた状態を示す概略図である。
【図9】同じくその印刷用紙が圧胴によって孔版原紙に
押し付けられた状態を示す概略図である。
【図10】同じくその印刷用紙へインキの転移が終了し
て圧胴が孔版原紙から離れた状態を示す概略図である。
【符号の説明】
1:版胴部 2:孔版原紙 2a:穿孔 3:圧胴(押圧手段) 4:インキ 5a,5b:インキ拡散部材 6:外側の版胴(多孔版胴) 7:内側の版胴(多孔版胴) 6a,7a:開孔部 7b:非開孔部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に開孔を有する版胴の外周にインキ
    供給用の穿孔が多数形成された孔版原紙を巻き付けて、
    その孔版原紙に印刷用紙を押圧手段により圧接させた状
    態でインキを前記版胴の内側から外に向けて供給し、イ
    ンキを印刷用紙に転移させて印刷を行なう孔版印刷装置
    において、 前記版胴は、それぞれ開孔が多数形成された内側と外側
    の多孔版胴と、その多孔版胴間に挾まれたインキ拡散部
    材とからなる三重構造に形成され、前記外側の多孔版胴
    の開孔部を前記内側の多孔版胴の非開孔部で塞ぐ位置に
    その内側と外側の多孔版胴をそれぞれ配置したことを特
    徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】 外側の多孔版胴は、その厚さが内側の多
    孔版胴の厚さよりも薄く形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】 前記インキ拡散部材が、親油性物質で形
    成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の孔
    版印刷装置。
  4. 【請求項4】 前記インキ拡散部材が、弾性体からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】 前記インキ拡散部材が、内側及び外側の
    多孔版胴の開孔部の開孔幅よりも細い繊維径の繊維で形
    成された繊維層からなることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか一項に記載の孔版印刷装置。
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