JPH09290136A - 排ガスの浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

排ガスの浄化方法及び浄化装置

Info

Publication number
JPH09290136A
JPH09290136A JP8109808A JP10980896A JPH09290136A JP H09290136 A JPH09290136 A JP H09290136A JP 8109808 A JP8109808 A JP 8109808A JP 10980896 A JP10980896 A JP 10980896A JP H09290136 A JPH09290136 A JP H09290136A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalyst
filter
denitration
reducing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8109808A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Naomi Imada
尚美 今田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Babcock Hitachi KK filed Critical Babcock Hitachi KK
Priority to JP8109808A priority Critical patent/JPH09290136A/ja
Publication of JPH09290136A publication Critical patent/JPH09290136A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒担持バクフィルタを用いて高い脱硝率と
脱硝触媒活性の長寿命化に加えて、高い脱じん率と高い
脱硫率を実現した排ガスの総合浄化方法と装置を提供す
ること。 【解決手段】 排ガス中に注入された酸化剤(HNO3
ど)はNOと接触することにより排ガスに含まれるNO
の一部を酸化してNO2を生成し、反応式(NO+NO2
+2NH3→2N2+3H2O)により無害な窒素と水に
なるが、この反応は通常の脱硝反応であるNOとNH3
の反応に比べて極めて反応速度が速く、従来と同一脱硝
率を得るために必要な触媒量が1/4〜1/5で良い。
また、上記反応の反応速度は脱硝触媒成分が塩類に変化
しても低下しないため、酸性ガスの影響を受け難い。バ
グフィルタは脱じん作用がある。酸性ガスを含む排ガス
の場合は酸化ガス酸化剤(CaCO3)を排ガス中に注
入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排ガス浄化に係
り、特にゴミ焼却炉などの各種燃焼炉から排出される排
ガスに還元剤を添加後、触媒を担持したフィルタを通過
させることにより含有される窒素酸化物(NOx)を還
元除去すると共に、煤じん、塩化水素などの有害物質を
除去する排ガスの総合的浄化方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ゴミ焼却炉やその他各種燃焼炉排ガ
スに含まれる煤じん、フッ化水素、塩化水素、窒素酸化
物、硫黄酸化物などの各種有害物質の浄化方法には種々
の方法が知られており、排ガス中の有害物質を総合的に
処理する代表的な方法として次の方法が知られている。
【0003】(A)まず、排ガス中にアルカリ粉末を添
加して、これに酸性有害ガスを吸収させた後、アルカリ
粉末を煤じんと共にバグフィルタなどの除じん設備で除
去する。その後、排ガスを再加熱するとともに還元剤と
してアンモニアなどを添加し、脱硝触媒の充填された反
応器に導き、窒素酸化物を除去する方法。
【0004】(B)排ガス中にアルカリ粉末を添加して
酸性有害ガスを吸収させると共に還元剤としてアンモニ
アなどを添加した後、脱硝触媒を担持したバグフィルタ
に排ガスを導き、煤じん及び酸性物質を吸収したアルカ
リ粉末及び窒素酸化物を同時に除去する方法。
【0005】上記方法のうち、(B)の方法は、排ガス
を再加熱する必要がない上、新たな脱硝反応器が不要な
ため、設置コスト、運転費の面で優れた方法であり、特
公平4−36729号や特開平7−204466号など
で、還元剤の注入時期や触媒に関して具体的な発明がな
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の内、
(B)の方法は優れた点を多数有しているものの、また
解決すべき多くの課題も有していた。その第一は、バグ
フィルタに担持する脱硝触媒の量が多いと、ガス流の圧
力損失が高くなる上、バグフィルタからの脱硝触媒の脱
落、飛散量が多くなり、触媒の担持量を一定以上大きく
できない点である。その結果、高い脱硝率を得ることが
難しかったり、触媒の寿命がバグフィルタの寿命に比べ
て著しく短いなどの実用上致命的な問題が生じている。
これを解決すべく特開平7−204466号公報などに
開示されているように、触媒の担持方法が改良されてい
る発明もあるが、根本的な解決に至っていない。
【0007】第二には、脱硝触媒が酸性ガスを含有する
排ガス中で150〜250℃の低温にさらされるため、
触媒成分の硫酸塩化や酸性物質と還元剤アンモニアとの
反応生成物が触媒上に析出して触媒が劣化する点であ
る。これを軽減する目的で、排ガス中にアルカリ粉末を
先に添加して酸性ガスを吸収後、アンモニアを入れる発
明が特公平4−36729号公報に開示されている。し
かし、前記した触媒の担持量を大きくできないこと及び
触媒が劣化する問題点を解決するまでには至っていな
い。
【0008】本発明の課題は、上記従来技術の問題を根
本的に解決し、触媒担持フィルタを用いて高い脱硝率、
高い脱じん率、脱硝触媒活性の長寿命化を実現した排ガ
スの浄化方法と装置を提供することにある。
【0009】本発明の課題は、触媒担持フィルタを用い
て高い脱硝率と脱硝触媒活性の長寿命化に加えて、高い
脱じん率、高い脱硫率を実現した排ガスの総合浄化方法
と装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は次の
構成によって達成される。すなわち、窒素酸化物含有排
ガス中に酸化剤と還元剤を注入後、脱硝触媒成分を担持
したフィルタを通過させることにより排ガス中のNOx
を窒素に還元除去すると同時にフィルタにより脱塵する
排ガスの浄化方法である。
【0011】本発明の排ガスの浄化方法は窒素酸化物含
有排ガスが塩化水素、硫黄酸化物などの酸性ガスを含有
している場合は、排ガス中に酸化剤あるいは還元剤を注
入する前または後に、酸性ガス吸収剤を排ガス中に注入
することができる。予め混合した酸化剤と還元剤の混合
物を排ガス中に注入しても良い。
【0012】本発明の上記課題は次の構成によって達成
される。すなわち、窒素酸化物含有排ガス流路に酸化剤
と還元剤の注入部を設け、該注入部の後流側の排ガス流
路に脱硝触媒成分を担持した脱じん用フィルタを配置し
た排ガスの浄化装置である。
【0013】上記排ガスの浄化装置は、酸化剤と還元剤
の注入部は予め混合された酸化剤と還元剤との混合物を
注入する注入部を設けても良い。また、窒素酸化物含有
排ガスが塩化水素、硫黄酸化物などの酸性ガスを含有し
ている場合は、酸化剤と還元剤の注入部の前流側または
後流側の排ガス流路に酸性ガス吸収剤の注入部を設けて
も良い。
【0014】ここで言う酸化剤とは、硝酸(HN
3)、硝安(NH4NO3)、オゾン(O3)または過酸
化水素(H22)などの排ガス中のNOと反応してNO
2を生成するものであり、水溶液などの液状、ガス状ま
たは粉末状など、どのような状態のものであっても良
い。また、酸化剤と還元剤は別々に排ガス流中に注入し
ても良いし、混合溶液などの形で一緒に排ガス流中に注
入しても良い。
【0015】還元剤としてアンモニア、ヒドラジン、尿
素またはシアヌル酸のいずれかを用いることができる。
また、酸性ガス吸収剤(アルカリ性粉末など)としては
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、酸化カルシウム
(CaO)または炭酸カルシウム(CaCO3)のいず
れかを用いることができる。
【0016】酸性ガス吸収剤を注入することにより排ガ
ス中の塩化水素または硫黄酸化物などの酸性有害成分を
吸収して固定後、フィルタで除去することができ、より
高度な排ガスの浄化が可能になる。しかし、酸性物質の
濃度やそれらの処理が不要な場合には、酸性ガス吸収剤
の添加を行わなくても良い。また、酸性ガス吸収剤と還
元剤(アンモニアなど)あるいは酸化剤の添加順序はど
ちらが先であってもよく任意の順序でよい。
【0017】触媒を担持した脱じん用フィルタとは、ガ
ラス繊維織布、化学合成繊維の織布またはフェルト状織
布などからなるバグフィルタに触媒粉のスラリを含浸担
持させる、触媒成分溶液を含浸担持させるまたは触媒粉
スラリを塗布するなどの手段で担持したものの他、繊維
織布の中に触媒粉を織り込んだものまたは複数枚のフィ
ルタ織布の間に触媒粉を挟んでキルティング加工したも
のなどである。
【0018】触媒を担持した脱じん用フィルタとして
は、フィルタ機能を有する布状物と脱硝触媒成分とが何
らかの手段で一体化されたものでバグフィルタを形成す
るものを用いることが望ましい。また、担持される触媒
としてはどのような脱硝触媒であっても良いが、排ガス
が酸性ガスを含むため酸化チタン系の触媒、特にTi−
Mo−V系やTi−W−V系の触媒が耐久性に優れ高活
性である。
【0019】窒素酸化物含有排ガスとしては塵、NO
x、SOxおよびその他の有害物質を含むゴミ焼却炉か
ら排出される排ガスなどである。
【0020】本発明において排ガス中に注入された酸化
剤の内、オゾンの場合には気相で、他の酸化剤の場合に
は脱硝触媒上でNOと接触することにより排ガスに含ま
れるNOの一部を次の反応により酸化してNO2を生成
する。
【0021】 O3+NO → NO2+O2 (1) 2HNO3+NO → 3NO2+H2O (2) NH4NO3+NO → NO2+N2+2H2O (3) 生成したNO2と残存するNOは等モルづつ2モルのN
3と反応し、無害な窒素と水になる。
【0022】 NO+NO2+2NH3 → 2N2+3H2O (4) ここで(4)式の反応は従来の通常の脱硝反応であるN
OとNH3の反応((5)式)に比べて極めて反応速度
の速い反応であり、150〜200℃の範囲では反応速
度比にして4〜5倍という驚異的速さである。
【0023】 NO+NH3+O2 → N2+3/2H2O (5) このことは、従来の通常のNOとNH3の反応((5)
式)に基づく場合と同一脱硝率を得るために必要な触媒
量が1/4〜1/5で良いことを意味し、従来の触媒担
持バグフィルタなどを用いた脱硝法の大きな限界であっ
た「触媒量を多くできなくて高脱硝率運転が出来ない」
という問題を根本的に解決するものである。
【0024】すなわち、従来の脱硝触媒担持のバグフィ
ルタなどでは脱硝率を高めるためには、脱硝触媒の担持
量を増加させる必要があったが、触媒担持量を増すと、
バグフィルタなどの脱じん用フィルタ内でのガス流れの
圧力損失が大きくなり、また、触媒がバグフィルタなど
から剥離すると言う問題があった。
【0025】ところが、本発明では、酸化剤を排ガス中
に注入し、排ガス中のNOの一部をNO2にして、上記
(4)式の反応速度の速い脱硝反応を脱硝触媒を担持し
たバグフィルタなどの脱じん用フィルタ上で行わせるこ
とができるので、従来と同じ脱硝性能を得るためには脱
じん用フィルタの脱硝触媒担持量は従来の1/4〜1/
5でよく、触媒担持による脱じん用フィルタの通風抵抗
を大幅に低減できる。
【0026】逆に触媒担持量を従来と同程度に選定する
ならば、触媒活性は従来の4〜5倍高くなり、高脱硝率
運転が可能になる。そればかりでなく脱硝触媒担持脱じ
ん用フィルタを高活性領域で使用できるようになるた
め、触媒の劣化、脱落、飛散などの影響が脱硝性能低下
として現れにくく、長時間高い脱硝率を維持することが
できる。
【0027】本発明の優れた点は、上記のように脱硝反
応速度を飛躍的に向上させることができ、高効率運転が
可能になるだけでなく、酸性ガスを有する低温脱硝法で
問題となる触媒の劣化を顕著に低減できる点にある。
【0028】前述したようにゴミ焼却炉排ガス等の排ガ
スには硫黄酸化物、塩化水素などの酸性ガスが多量に含
まれており、活性、特に低温活性を低下させる原因にな
っている。これは触媒成分が硫酸塩をはじめとする塩類
に変化し、従来の脱硝反応((5)式)を促進できなく
なってしまうためと推定されている。ところが、本発明
の主脱硝反応である(4)式の反応は、硫酸塩などの塩
類に変化した触媒成分によっても促進されるため活性低
下が著しく小さいことを本発明者らは発見した。このよ
うに、本発明は(4)式の反応速度は脱硝触媒成分が塩
類に変化しても低下しないため、酸性ガスの影響を受け
難いことを見い出したことも大きな特徴である。
【0029】以上のように本発明によれば、高脱硝率運
転がしにくく、バグフィルタの逆洗による触媒飛散に伴
う脱硝率低下が大きく、かつ酸性ガスにより活性低下し
やすいと言う従来技術の問題点をなくすことができる。
換言すれば、本発明の方法は、脱硝触媒上で生起する反
応を(5)式の反応から(4)式の反応に変更すること
により従来技術では達成できなかった高活性、高耐久性
を実現できる新規脱硝方法と該脱硝方法に加えて脱硝触
媒担持フィルタにより脱じんし、排ガスが酸性ガスを含
む場合は脱硫まで行う優れた排ガスの総合浄化方法であ
る。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の具体例を説明する。 実施例1〜3 酸化チタン粉末(比表面積:300m2/g、SO4含有
量:3wt%)1.5kg、モリブデン酸アンモニウム
((NH46・Mo724・4H2O)188g、メタバ
ナジン酸アンモニウム(NH4VO3)175g及びしゅ
う酸(H224・2H2O)226gに水を加えて加熱
・混練し、粘土状物質を得た。これを3φの柱状に押し
出し成形した後、流動層乾燥機で乾燥し、500℃で2
時間焼成した。しかる後、ハンマーミルを用いて1μm
以下の粒径が60%以上の粉末に粉砕して触媒粉末を得
た。本触媒粉末100gを水500ミリリットルに分散
させ、担持用触媒スラリを調製した。
【0031】これとは別に500mm角のフィルタ用ポ
リイミド製不織布(厚み2mmt、重量密度520g/
2)を用意し、上記スラリの全量を含浸後、150℃
で乾燥して触媒担持量400g/m2の触媒担持フィル
タを調製した。
【0032】上記触媒担持フィルタを50cm2の大き
さに切り出し、表1に示すガス組成のガスをフィルタ面
に直交する方向に1m/minで流しながら150〜2
00℃に加熱して脱硝率を測定して酸化剤の添加効果を
調べた。
【0033】
【表1】
【0034】比較例1 実施例1〜3の酸化剤の添加を行わない条件(表1参
照)で脱硝率を測定した。実施例1〜3及び比較例1で
得られた結果を図1にまとめて示した。本発明になる実
施例1〜3は何れも従来技術に相当する比較例1に比べ
て著しく高い脱硝率を示している。180℃近傍の反応
速度で比較すると本発明の実施例1〜3のものは比較例
1の約5倍に相当し、酸化剤添加が高脱硝性能を得るに
有効な手段であることが分かる。
【0035】実施例4〜6 本実施例1で用いた触媒スラリの濃度を変化させ、触媒
担持量が100、200、600g/m2である触媒担
持フィルタを調製した。これを実施例1と同様の方法で
180℃における脱硝率を測定し、本発明の触媒担持フ
ィルタにおける触媒担持量と脱硝性能との関係を調べ
た。
【0036】比較例2〜4 実施例4〜6と同様の触媒担持フィルタを用い比較例1
と同様のガス条件で180℃の脱硝率を測定し、従来技
術における触媒担持量と脱硝性能の関係を調べた。実施
例1及び4〜6と比較例1〜4で得られた結果を図2に
まとめて示す。図2に示すように比較例の場合には触媒
担持量が少なくなると著しく脱硝率が低下し、100g
/m2では10%程度になり実用に耐えない。これに対
し、本発明の実施例では100g/m2でも70%以上
の脱硝率が得られる。これは比較例の触媒担持量600
g/m2の場合よりはるかに高い値である。
【0037】また、実施例では、触媒担持量約200g
/m2以上で約90%以上の脱硝率が得られ、本発明の
方法が極めて少ない触媒担持量で高脱硝率が得られる方
法であることは明白である。
【0038】さらに本発明の方法では非常に少ない触媒
量で高い性能が得られるため、可能な限り通気抵抗を少
なくすることが望まれる触媒付きバグフィルタの通風抵
抗が大幅に低減できる効果がある。また少ない触媒担持
量の領域で使用するためバグフィルタの目詰まりを取り
除くために行われる逆洗によっても触媒の飛散が少な
く、劣化が少ないと言う付随的効果もある。
【0039】実施例7 実施例2で用いた触媒担持フィルタをSO2200pp
mを含有する150℃の排ガス中に50時間曝し、触媒
成分を硫酸塩にして(硫酸塩化)触媒中の硫酸根を初期
値1.4wt%から4.1wt%に増加させた。これを
用いて実施例2の酸化剤を硝安とするガス条件で脱硝性
能を評価した。
【0040】実施例8 硫酸塩化による劣化度を把握するため、実施例1の触媒
担持フィルタに1N硫酸2ミリリットルを水で希釈した
ものを含浸し、触媒中の硫酸根を6.5%にしたものを
調整し、実施例1と同様に条件で脱硝率を測定した。
【0041】比較例5及び6 従来法における硫酸塩化による触媒の劣化度を確認する
ため、実施例7及び8で用いた触媒担持フィルタを用い
た比較例1と同じ酸化剤を添加しない条件で脱硝性能を
測定した。
【0042】実施例2、3、7及び8と比較例1、5及
び6で得られた結果を触媒中の硫酸根と脱硝率の関係に
整理して図3に示した。従来技術では触媒中の硫酸根の
増加に伴い脱硝率が大きく低下するが、本発明の実施例
の場合には脱硝率の低下は極めて僅かである。
【0043】この様に本発明は触媒が硫黄酸化物などの
酸性ガスを吸収し、塩類を作っても、ほとんど脱硝性能
は影響を受けない画期的脱硝方法である。このため従来
の総合排ガス浄化システムでは予め酸性ガスを除去後、
アンモニアを入れるなどして触媒劣化を防止していた
が、本発明によれば、このような配慮をしなくても高い
脱硝性能を長時間安定して得ることが可能である。
【0044】実施例9 実施例1で用いたモリブデン酸アンモニウム188gに
代えメタタングステン酸アンモニウム((NH46・H
21240・xH2O)290gを用いる他は同様にし
て脱硝性能を測定した。
【0045】比較例7 実施例9で用いた触媒担持フィルタを用い酸化剤を添加
しないで脱硝率を測定した。実施例9及び比較例7で得
られた180℃における脱硝率は、それぞれ93%と4
5%であり、触媒が変わっても酸化剤の添加による脱硝
率の向上効果は変わらない。このことから本発明の酸化
剤添加と触媒担持フィルタとを組み合わせて高度な排ガ
ス浄化を行う方法は触媒の種類の影響が小さく汎用性に
優れたものであることが明らかになった。
【0046】実施例10 図4に本発明を用いた総合排ガス浄化システムの基本系
統例を示す。図4において、都市ゴミ焼却炉1からの排
ガス煙道6内に、まず酸化剤貯蔵タンク3からの酸化
剤、アンモニア(還元剤)貯蔵タンク4からのアンモニ
ア、及び酸性ガス吸収用アルカリ粉末酸化剤貯蔵タンク
5からのアルカリ粉末がそれぞれ注入ポンプ7a〜7c
により吹き込まれる。ついで排ガスは触媒を担持したバ
グフィルタ2からなる除じん装置に導かれ、ここで排ガ
ス中の煤じんおよび酸性ガスを吸収したアルカリ粉末が
ろ過されて除去される。一方、排ガス中にあるNOは酸
化剤より一部が気相または触媒上でNO2に酸化された
後、(4)式の触媒反応によりアンモニアにより還元さ
れて無害化される。
【0047】この系統に示す方法により脱じんと酸性ガ
スの除去に加えて高率でNOx除去を行う総合排ガス浄
化を行うことができるようになった。
【0048】本発明の場合、酸性ガスによる劣化がほと
んどないため、上記酸化剤、アンモニア及び酸性ガス吸
収用アルカリが吹き込まれる順序はどのような順序であ
ってもよいことは前述したとおりである。
【0049】また、用いる酸化剤の種類による脱硝率の
向上効果は大きく変わらないが、オゾンを酸化剤とする
場合にはSO2をSO3に酸化する副反応がある。一方、
酸、硝安または過酸化水素を酸化剤とする場合は触媒
の作用によりNOの酸化反応に前記酸化剤が使用される
ため、気相でのNOはもとよりSO2の酸化反応は進行
しない。このためSO3の生成を少なくしたい場合の酸
化剤には硝安、硝酸または過酸化水素などを用いる方が
良い。
【0050】実施例11 図5に他の実施例を示す。図4の装置と同一機能を奏す
る装置、部材は同一番号を付した。本実施例では酸化剤
水溶液とアンモニア水溶液とを混合溶液貯蔵タンク8内
で混合し、該混合溶液貯蔵タンク8から注入ポンプ7d
により煙道6に注入する例である。これにより注入ライ
ンや制御系統を簡素化することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、触媒付きバグフィルタ
の脱硝性能を飛躍的に向上させることができる。さらに
都市ゴミ焼却炉など酸性ガス含有排ガスと触媒担持バグ
フィルタの触媒成分が反応することによる脱硝性能低下
を殆どなくすことができる。
【0052】このため触媒担持バグフィルタを用いて脱
じん、脱酸性ガス及び脱硝とを極めて高率で行うことが
可能な総合排ガス浄化システムを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の効果を示す図である。
【図2】 本発明の実施例の効果を示す図である。
【図3】 本発明の実施例の効果を示す図である。
【図4】 本発明に基づく総合排ガス浄化システムの基
本系統図である。
【図5】 本発明に基づく総合排ガス浄化システムの他
の例を示す系統図である。
【符号の説明】
1 焼却炉 2 触媒担持バ
グフィルタ 3 酸化剤貯蔵タンク 4 還元剤貯蔵
タンク 5 酸性ガス吸収剤貯蔵タンク 6 煙道 7 注入用ポンプ 8 酸化剤−還元剤混合溶液貯蔵タンク

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素酸化物含有排ガス中に酸化剤と還元
    剤を注入後、脱硝触媒成分を担持したフィルタを通過さ
    せることにより排ガス中のNOxを窒素に還元除去する
    と同時にフィルタにより脱塵することを特徴とする排ガ
    スの浄化方法。
  2. 【請求項2】 脱硝触媒成分を担持したフィルタは脱硝
    触媒粉末のスラリを織布または不織布状のフィルタ材に
    含浸して得られる脱硝触媒担持のバグフィルタであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の排ガスの浄化方法。
  3. 【請求項3】 窒素酸化物含有排ガスが塩化水素、硫黄
    酸化物などの酸性ガスを含有している場合は、排ガス中
    に酸化剤あるいは還元剤を注入する前または後に、酸性
    ガス吸収剤を排ガス中に注入することを特徴とする請求
    項1または2記載の排ガスの浄化方法。
  4. 【請求項4】 酸性ガス吸収剤は水酸化カルシウム、酸
    化カルシウム、炭酸カルシウムのいずれかを用いること
    を特徴とする請求項3記載の排ガスの浄化方法。
  5. 【請求項5】 酸化剤はオゾン、硝酸アンモニウム、硝
    酸または過酸化水素のいずれかを用い、還元剤はアンモ
    ニア、ヒドラジン、尿素またはシアヌル酸のいずれかを
    用い、脱硝触媒担持フィルタの担持触媒はチタン、モリ
    ブデン、タングステンまたはバナジウムの酸化物のいず
    れかまたはこれらの酸化物の1以上の組み合わせからな
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    の排ガスの浄化方法。
  6. 【請求項6】 予め混合した酸化剤と還元剤の混合物を
    排ガス中に注入することを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載の排ガスの浄化方法。
  7. 【請求項7】 予め混合された酸化剤と還元剤との混合
    物が硝酸と硝酸アンモニウムとアンモニアとの水溶液、
    硝酸とアンモニアとの水溶液または硝酸アンモニウムと
    アンモニアとの水溶液であることを特徴とする請求項6
    記載の排ガスの浄化方法。
  8. 【請求項8】 窒素酸化物含有排ガスはゴミ焼却炉から
    排出される排ガスであることを特徴とする請求項1ない
    し7のいずれかに記載の排ガスの浄化方法。
  9. 【請求項9】 触媒が塩類へ変化することなどによる触
    媒の劣化、フィルタからの触媒の脱落または触媒の飛散
    の影響が脱硝性能の低下に現れにくい、長時間高い脱硝
    率を維持することができる脱硝触媒を用いる請求項1な
    いし8のいずれかに記載の排ガスの浄化方法。
  10. 【請求項10】 窒素酸化物含有排ガス流路に酸化剤と
    還元剤の注入部を設け、該注入部の後流側の排ガス流路
    に脱硝触媒成分を担持した脱じん用フィルタを配置した
    ことを特徴とする排ガスの浄化装置。
  11. 【請求項11】 窒素酸化物含有排ガスが塩化水素、硫
    黄酸化物などの酸性ガスを含有している場合は、酸化剤
    と還元剤の注入部の前流側または後流側の排ガス流路に
    酸性ガス吸収剤の注入部を設けることを特徴とする請求
    項10記載の排ガスの浄化装置。
  12. 【請求項12】 酸性ガス吸収剤は水酸化カルシウム、
    酸化カルシウム、炭酸カルシウムのいずれかを用いるこ
    とを特徴とする請求項11記載の排ガスの浄化装置。
  13. 【請求項13】 酸化剤はオゾン、硝酸アンモニウム、
    硝酸または過酸化水素のいずれかを用い、還元剤はアン
    モニア、ヒドラジン、尿素またはシアヌル酸のいずれか
    を用い、脱硝触媒担持フィルタの担持触媒はチタン、モ
    リブデン、タングステンまたはバナジウムの酸化物のい
    ずれかまたはこれらの酸化物の1以上の組み合わせから
    なることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか
    に記載の排ガスの浄化装置。
  14. 【請求項14】 フィルタは脱硝触媒粉末のスラリを織
    布または不織布状のフィルタ材に含浸させて得られるバ
    グフィルタであることを特徴とする請求項10ないし1
    3のいずれかに記載の排ガスの浄化装置。
  15. 【請求項15】 酸化剤と還元剤の注入部は予め混合さ
    れた酸化剤と還元剤との混合物を注入する注入部である
    ことを特徴とする請求項14記載の排ガスの浄化装置。
  16. 【請求項16】 窒素酸化物含有排ガス流路はゴミ焼却
    炉から排出される排ガス流路であることを特徴とする請
    求項10ないし15のいずれかに記載の排ガスの浄化装
    置。
JP8109808A 1996-04-30 1996-04-30 排ガスの浄化方法及び浄化装置 Pending JPH09290136A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8109808A JPH09290136A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 排ガスの浄化方法及び浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8109808A JPH09290136A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 排ガスの浄化方法及び浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09290136A true JPH09290136A (ja) 1997-11-11

Family

ID=14519732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8109808A Pending JPH09290136A (ja) 1996-04-30 1996-04-30 排ガスの浄化方法及び浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09290136A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138887A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Babcock Hitachi Kk 粒状物質含有排ガスの浄化方法および装置
US10940471B1 (en) 2019-10-30 2021-03-09 W. L. Gore & Associates, Inc. Catalytic efficiency of flue gas filtration
KR102231930B1 (ko) * 2019-10-15 2021-03-25 한국화학연구원 선택적 촉매 환원 방법 및 선택적 촉매 환원 시스템
US11071947B2 (en) 2019-10-30 2021-07-27 W. L. Gore & Associates, Inc. Catalytic efficiency of flue gas filtration

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007138887A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Babcock Hitachi Kk 粒状物質含有排ガスの浄化方法および装置
JP4664807B2 (ja) * 2005-11-22 2011-04-06 バブコック日立株式会社 粒状物質含有排ガスの浄化方法および装置
KR102231930B1 (ko) * 2019-10-15 2021-03-25 한국화학연구원 선택적 촉매 환원 방법 및 선택적 촉매 환원 시스템
WO2021075714A1 (ko) * 2019-10-15 2021-04-22 한국화학연구원 선택적 촉매 환원 방법 및 선택적 촉매 환원 시스템
CN114466690A (zh) * 2019-10-15 2022-05-10 韩国化学研究院 选择性催化还原方法及选择性催化还原系统
US10940471B1 (en) 2019-10-30 2021-03-09 W. L. Gore & Associates, Inc. Catalytic efficiency of flue gas filtration
US11071947B2 (en) 2019-10-30 2021-07-27 W. L. Gore & Associates, Inc. Catalytic efficiency of flue gas filtration
JP2022548409A (ja) * 2019-10-30 2022-11-18 ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド 煙道ガスろ過の触媒効率の改善
US11602717B2 (en) 2019-10-30 2023-03-14 W. L. Gore & Associates, Inc. Catalytic efficiency of flue gas filtration

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100686381B1 (ko) 넓은 활성온도 대역에서 질소산화물 및 다이옥신을제거하기 위한 천연망간광석을 포함하는 바나듐/티타니아계촉매 및 이의 사용방법
JP5051977B2 (ja) 排ガス中微量有害物質の除去装置及びその運転方法
EP2044997B1 (en) Apparatus for removing of trace of toxic substance from exhaust gas and method of operating the same
US20030170159A1 (en) Method and apparatus for removing mercury from waste gas
CN101507923B (zh) 一种用于烧结烟气同时脱硫脱硝的催化剂的制备方法
CN102513095B (zh) 一种炭基材料负载铈钨的中温脱硝催化剂及其制备方法
JPS5915022B2 (ja) 排ガス中の窒素酸化物除去用触媒
EP2324903B1 (en) Method for purifying exhaust gas containing mercury metal, oxidation catalyst for mercury metal in exhaust gas and method for producing the same
US8288309B2 (en) Mercury oxidation catalyst and method for producing the same
JP3352494B2 (ja) 窒素酸化物分解触媒及びそれを用いた脱硝方法
JPH09884A (ja) 排ガス中の亜酸化窒素などの除去方法と装置および触媒
JP5386096B2 (ja) 排ガス処理触媒
JPH09290136A (ja) 排ガスの浄化方法及び浄化装置
JP4182325B2 (ja) 低温脱硝用触媒および排ガスの低温脱硝方法
JP2003236343A (ja) 排気ガスの浄化方法および低温脱硝装置
US4521388A (en) NOx reduction in flue gas
KR100382051B1 (ko) 이산화황을 포함하고 있는 배가스 중의 질소산화물을저온에서 제거하기 위한 선택적 환원촉매
JP3815813B2 (ja) 排ガス中の一酸化窒素酸化触媒、およびこれを用いた排ガス中の窒素酸化物除去方法
JP2008030017A (ja) 排ガス中微量有害物質の除去装置及びその運転方法
JPH0647282A (ja) 煙道ガスの低温脱窒素用触媒、その製法及び煙道ガスの低温脱窒素法
JPH09150039A (ja) 排ガス浄化装置と方法
KR100460665B1 (ko) 폐가스에 함유된 질소 산화물 및 다이옥신의 동시 제거방법
KR20210077018A (ko) 소결로 배기가스 처리 방법
JPH11165043A (ja) 廃棄物焼却炉の排ガス処理方法
KR20100001315A (ko) 질소산화물 제거용 촉매 조성물과 그 제조방법 및 이를이용한 질소산화물 제거방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050404

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060110