JPH09289702A - 移動体使用の搬送設備 - Google Patents

移動体使用の搬送設備

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JPH09289702A
JPH09289702A JP10075096A JP10075096A JPH09289702A JP H09289702 A JPH09289702 A JP H09289702A JP 10075096 A JP10075096 A JP 10075096A JP 10075096 A JP10075096 A JP 10075096A JP H09289702 A JPH09289702 A JP H09289702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の移動体使用の搬送設備では、移動体が
故障してしまうと、移動体の現在位置が不明となるた
め、搬送制御ができなくなり、また後続の移動体が故障
した移動体に追突する恐れがあった。 【解決手段】 誘導線路14を案内レールB(一定経路)
のゾーン毎に分離して、各誘導線路14毎にこの誘導線路
に給電する交流電源設備Mを設け、各交流電源設備M
に、誘導線路14の電圧と電流の位相差を検出する位相検
出手段と、この位相検出手段により検出された位相差に
より誘導線路14上の搬送台車Vのピックアップコイル2
3,27の有無を検出し、誘導線路14上に搬送台車Vのピ
ックアップコイル23,27がある場合に搬送台車V移動方
向上流に隣接する交流電源設備Mへ在席信号を出力する
在席検出手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無接触給電される
移動体使用の搬送設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の移動体の無接触電源設備として
は、たとえば特開平6−153305号公報に開示され
ている。
【0003】すなわち、移動体の移動線路に沿って高周
波電流を流す誘導線路を張設し、前記移動体に、前記誘
電線路の磁束により起電力が発生するコイルを設け、こ
のコイルに誘導線路の周波数に共振する共振回路を形成
するコンデンサを接続し、このコンデンサの両端に整流
回路を介して電圧安定化回路を接続し、この電圧安定化
回路より移動体の走行モータに給電し、移動体の走行を
行い、荷の搬送を行っている。
【0004】また通常、移動体使用の搬送設備では、複
数の移動体を統括して搬送制御を実行するために制御装
置が設けられ、この制御装置と各移動体間でデータの授
受が行えるように構成されている。移動体からは、前記
搬送制御用に各移動体の現在位置データが制御装置へ伝
送され、制御装置からは各移動体へ各移動体の行先デー
タが伝送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の移動体使用の搬送設備では、移動体が故障してしま
うと、移動体の現在位置データの伝送が不能となり、搬
送制御ができなくなることがあり、また後続の移動体が
故障した移動体に追突する恐れがあった。
【0006】そこで、本発明は、移動体に故障が発生し
た場合でも移動体の現在位置を判断し、移動体の搬送制
御、追突防止を実現できる移動体使用の搬送設備を提供
することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本第1発明の移動体使用の搬送設備は、移動体
の移動経路に沿って電流を流す誘導線路を張設し、前記
移動体に、前記誘電線路から無接触で給電されるコイル
を設けた移動体使用の搬送設備であって、前記誘導線路
を前記移動経路のゾーン毎に分離して、各誘導線路毎に
この誘導線路に給電する交流電源設備を設け、前記各交
流電源設備に、前記誘導線路の電圧と電流の位相差を検
出する位相検出手段と、この位相検出手段により検出さ
れた位相差により誘導線路上の前記コイルの有無を検出
する在席検出手段を設けたことを特徴とするものであ
る。
【0008】上記構成により、誘導線路上にコイルが有
るときと、誘導線路上にコイルがないときでは、誘導線
路の電圧と電流の位相差が異なることから、誘導線路上
のコイルの有無が検出され、よってこの誘導線路のゾー
ンに移動体があるかどうかが検出される。
【0009】また本第2発明の移動体使用の搬送設備
は、上記本第1発明の移動体使用の搬送設備であって、
各交流電源設備に、移動体の移動方向下流に隣接する交
流電源設備よりコイル有りの在席信号を入力すると、ま
たはこの在席信号が所定時間継続すると、誘導線路への
給電を停止する機能を付加したことを特徴とするもので
ある。
【0010】上記構成により、下流の在席信号を入力す
ると、またはこの在席信号が所定時間継続すると、移動
体が下流のゾーンにて停止しているものと判断して、誘
導線路への給電を停止する。よって上流の移動体は停止
し、下流の移動体への追突が防止される。
【0011】さらに本第3発明の移動体使用の搬送設備
は、上記本第2発明の移動体使用の搬送設備であって、
移動体に、前記誘電線路から無接触で給電される第2コ
イルと、この第2コイルから給電される負荷と、この負
荷の電圧、またはこの負荷へ供給される電流の有無を検
出する検出手段と、前記検出手段により負荷の電圧、ま
たはこの負荷へ供給される電流無しの信号を入力する
と、移動体の駆動を停止する停止手段を設けたことを特
徴とするものである。
【0012】上記構成により、第2コイルに接続された
負荷の電圧、またはこの負荷へ供給される電流の有無を
検出することによって、誘導線路に給電されているかど
うかを判断でき、誘導線路に給電されていない場合、誘
導線路への給電が開始されるまで全ての駆動を停止す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態におけ
る移動体使用の搬送設備の要部経路図である。
【0014】一定経路を形成する案内レールB(後述す
る)が敷設され、この案内レールBに案内されて複数の
搬送台車(移動体)V(後述する)が走行する。また、
案内レールBは複数のゾーンに分けられており、各ゾー
ン毎に案内レールBに沿って、搬送台車Vへ無接触で給
電するための誘導線路ユニットX(後述する)が敷設さ
れている。
【0015】搬送台車Vは、図4,図5に示すように、
駆動トロリー1A、従動トロリー1B、およびこれらトロリ
ー1A,1Bにて支持される荷搬送用キャリア1Cから構成さ
れている。このキャリア1Cに荷が載置され、搬送され
る。
【0016】駆動トロリー1Aは、案内レールBの上部に
係合する走行用車輪2、案内レールBの下部に両横側か
ら接触する振れ止めローラ3、走行用車輪2を駆動する
減速機付電動モータ4、ピックアップユニットP(後述
する)、補助ピックアップユニットK(後述する)、お
よび制御ボックスJを備えている。また、減速機付電動
モータ4の軸には、パルスエンコーダPE(図2参照)
が連結されている。
【0017】従動トロリー1Bは、案内レールBの上部に
係合する走行用車輪5、および案内レールBの下部に両
横側から接触する振れ止めローラ6を備えている。案内
レールBは、断面がほぼI形状で、その上部に車輪案内
部7、その下部にローラ案内部8を備えて構成されてお
り、横一側部に連結される支持枠9によって、天井など
から吊り下げ状態に支持されている。また、案内レール
Bに沿って、一定経路の原点を形成する反射板10(図
1,図2参照)が設けられている。
【0018】また案内レールBの支持枠9が取り付けら
れた側部とは他方の側部に、上記誘導線路ユニットXが
取り付けられている。誘導線路ユニットXは、案内レー
ルBの横一側部に案内レールBに沿って、所定間隔置き
にハンガー11が垂直に突設されたブラケット12が取り付
けられ、図6に拡大して示すように、ハンガー11の先端
には袋状の凹部11Aが設けられ、この凹部11Aに、始端
が交流電源設備Mに接続されたループ状の誘導線路14を
長手方向に嵌め込んだカバー13のツメ部13Aが挿入さ
れ、案内レールBに沿って誘導線路14が敷設されること
により構成されている。前記ブラケット12は、案内レー
ルBの車輪案内部7とローラ案内部8からそれぞれ内方
へ突設されたツメ部7A,8Aに、その上下端部を嵌合さ
せ、上下端に設けたねじ孔12Aに止めネジ12Bをら合さ
せ、その先端を案内レールBに食い込ませることによ
り、固定している。また誘導線路14は、絶縁した細い素
線を集めて形成した撚線(以下、リッツ線と呼ぶ)を絶
縁体、たとえば樹脂材によりカバーして構成され、また
始端と終端が交流電源設備Mに接続され、ループ状に敷
設されている。
【0019】また、ピックアップユニットPは、図6,
図7に示すように、断面がコ字状でその先端にその開口
に向いてそれぞれ対向する凸部21Aを有し、側部21Bの
外方の両端部に脚部21Cが設けられたフェライト21を8
個、断面がコ字状のスペーサ22を介して横方向(図2に
おいて案内レールBに沿う方向)に並べ、その両側部21
Dに渡って、たとえば数10ターンの上記リッツ線を巻い
てピックアップコイル23を形成し、脚部21Cに磁界遮断
部材(アルミニウムや銅材)で形成された板状のバック
プレート24を取付けて構成されている。また、バックプ
レート24には、フェライト21から飛び出したピックアッ
プコイル23の側面をそれぞれ保持するエンドブロック25
が設けられ、また四方には取付け孔26が設けられてい
る。
【0020】また補助ピックアップユニットKは、上記
フェライト21を1または2個として上記ピックアップユ
ニットPの横方向の幅を短くしたものであり、同様に補
助ピックアップコイル27(図2参照)を形成している。
【0021】上記ピックアップユニットPと補助ピック
アップユニットKはそれぞれ、図6に示すように、ピッ
クアップコイル23が誘導線路14に沿い、かつコ字状のフ
ェライト21の開口が案内レールBの横一側部に対向し、
その中心Qに誘導線路14を位置するように調整し、車体
Vの案内レールB側の側面に固定される。この取付けに
より、ハンガー11はコ字状のフェライト21の開口部の中
心に位置する。誘導線路14に通電(交流)されると、ピ
ックアップコイル23と補助ピックアップコイル27に起電
力が発生する。また、磁界遮断部材で形成された板状の
バックプレート24により、フェライト21の側部21Dから
外方に誘導される無駄な磁束がしゃ断され、インダクタ
ンスが減少し、効率よく起電力が発生する。
【0022】交流電源設備Mと搬送台車(移動体)Vの
回路構成を図2の回路図にしたがって説明する。交流電
源設備Mは、交流電源装置31と在席検出装置32から構成
されている。
【0023】交流電源装置31は、高周波発振器33と、こ
の高周波発振器33から出力された高周波の正弦波電流を
増幅し、上記誘導線路14へ給電する電力増幅器34と、こ
れら高周波発振器33および電力増幅器34間をしゃ断する
しゃ断器35と、搬送台車Vの走行方向下流に隣接する交
流電源設備Mから入力する在席信号(後述する)により
動作するタイマー36から構成されている。前記タイマー
36は在席信号がタイマー36の設定時間(搬送台車Vのゾ
ーン通過時間以上の時間)連続すると動作し、その動作
信号によりしゃ断器35の動作リレイ35’が励磁され、し
ゃ断器(断路部)35が動作し、高周波発振器33と電力増
幅器34間がしゃ断され、誘導線路14への給電が停止され
る。
【0024】交流電源装置31は上記構成により、誘導線
路14へ高周波電流を給電し、また搬送台車Vの走行方向
下流に隣接する交流電源設備Mから在席信号を入力し、
上記所定時間以上この在席信号が継続すると、またそれ
以後在席信号が継続している間、誘導線路14への給電を
停止する。
【0025】上記在席検出装置32は、誘導線路14の電圧
を検出する電圧検出回路38と、誘導線路14の電流を検出
するCT39および電流検出回路40と、電圧検出回路38お
よび電流検出回路40により検出された電圧と電流の位相
差を検出する位相検出回路41と、この位相検出回路41に
て検出された位相がしきい値α(αは90°未満)以下
のとき、在席信号を搬送台車Vの走行方向上流に隣接す
る交流電源設備Mの交流電源装置31へ出力する比較回路
42から構成されている。
【0026】在席検出装置32は上記構成により、図3に
示すように、ピックアップコイル23と補助ピックアップ
コイル27が誘導線路14上に無いとき位相差はほぼ90°
であるのに対し、ピックアップコイル23と補助ピックア
ップコイル27が誘導線路14上に有ると電流が遅れて位相
差が90°より少なくなることから、コイル23,27の有
無を検出でき、よって搬送台車Vがゾーン内にいるかど
うか、すなわち在席を検出することができる。
【0027】また搬送台車Vの制御ボックスJには、ピ
ックアップコイル23と誘導線路14の周波数に共振する共
振回路を構成するコンデンサ51と、このコンデンサ51に
接続された受電装置52と、この受電装置52から給電され
るモータ4のインバータ53と、ダイオード54を介して受
電装置52から給電されるバッテリ55と、一定経路の原点
である反射板10検出用の光電スイッチ56と、補助ピック
アップコイル27と誘導線路14の周波数に共振する共振回
路を構成するコンデンサ57と、このコンデンサ57に接続
された停止信号検出装置58と、搬送台車Vの現在位置デ
ータ(原点からの位置データ)と搬送台車Vの行先デー
タ(原点からの位置データ)の送受信を行う送受信装置
59およびアンテナ60と、制御装置61が設けられている。
【0028】上記受電装置52は、コンデンサ71に並列に
整流回路を接続し、この整流回路に出力を所定電圧に制
御する安定化電源回路を接続して構成され、また停止信
号検出装置58は、コンデンサ57の両端に接続された抵抗
(負荷)62と、この抵抗62の両端電圧を検出する電圧検
出回路63と、この電圧検出回路63にて検出された電圧が
しきい値β(βは所定電圧の半分未満)以下のとき、停
止信号を制御装置61へ出力する比較回路64から構成され
ている。また、インバータ53に減速機付電動モータ4が
接続されている。
【0029】上記制御装置61は、光電スイッチ56の出力
信号によりリセットされ、パルスエンコーダPEから出力
されるパルスをカウントするカウンタ66と、このカウン
タ66のカウント値により原点からの距離、すなわち現在
位置を確認し、この現在位置のデータを送受信装置59へ
出力し、また送受信装置59から行先データを入力し、上
記比較回路64から停止信号を入力していないとき、この
行先データと現在位置データが一致するようにインバー
タ53を駆動して搬送台車Vを走行させる、マイクロコン
ピュータからなるコントローラ67から構成されている。
【0030】また、停止信号検出装置58と送受信装置59
と制御装置61はバッテリ55から給電されている。また、
各搬送台車Vの搬送制御を実行する中央制御装置71が地
上側に設けられており、この中央制御装置71は、上記デ
ータの送受信を行う送受信装置72およびアンテナ73と、
送受信装置72に接続された統括制御装置74から構成され
ている。この統括制御装置74は、送受信装置72およびア
ンテナ73を介して各搬送台車Vから現在位置データを入
力して各搬送台車Vの現在位置を確認し、送受信装置72
およびアンテナ73を介して各搬送台車Vへ行先データを
出力することにより、搬送台車Vを走行させ、荷を搬送
させる。
【0031】上記交流電源設備Mと誘導線路14と搬送台
車Vの回路構成による作用を説明する。まず、交流電源
装置31により、高周波、たとえば10kHz の正弦波電流が
誘導線路14に供給される。
【0032】この誘導線路14に発生する磁束により、誘
導線路14の周波数に共振する案内レールB上に位置する
車体Vのピックアップコイル23に大きな起電力が発生
し、この起電力により発生した交流電流は受電装置52に
おいて整流され、所定の電圧に整圧されてインバータ53
とバッテリ55へ供給される。
【0033】同様に誘導線路14に発生する磁束により、
誘導線路14の周波数に共振する案内レールB上に位置す
る車体Vの補助ピックアップコイル27に大きな起電力が
発生し、この起電力により発生した交流電流は抵抗62へ
供給され、所定の電圧以上となると比較回路64の停止信
号はオフとなる。
【0034】また制御装置61のコントローラ67は、送受
信装置59およびアンテナ60を介して中央制御装置71より
行先データを入力すると、比較回路64の停止信号がオフ
のとき、カウンタ66から入力した現在位置データと比較
し、一致するまで駆動信号をインバータ53へ出力し、イ
ンバータ53は、このコントローラ67の駆動信号に応じて
減速機付電動モータ4へ給電し、よって搬送台車Vは、
給電されたこのモータ4により走行用車輪2が駆動さ
れ、案内レールBに案内されて移動する。
【0035】また交流電源設備Mの在席検出装置32は、
誘導線路14の電圧と電流の位相差により、搬送台車Vの
在席を検出し、在席信号を搬送台車Vの走行方向上流に
隣接する交流電源設備Mの交流電源装置31へ出力する。
【0036】またこの上流の交流電源設備Mの交流電源
装置31は、所定時間この在席信号が継続すると、またそ
れ以後在席信号が継続している間、しゃ断器35を動作さ
せて、誘導線路14への給電を停止する。よってピックア
ップコイル23に起電力が誘起されなくなり、インバータ
53への給電が停止され、この誘導線路14上の搬送台車V
は停止する。また同様に、補助ピックアップコイル27に
起電力が誘起されなくなり、所定の電圧以下となると比
較回路64の停止信号がオンとなり、コントローラ67はイ
ンバータ53への駆動信号をオフとする。また、故障中の
搬送台車Vがゾーンから出て、在席信号がオフとなる
と、誘導線路14への給電を再開する。よって誘導線路14
上の搬送台車Vは元の通り、走行を開始する。
【0037】このように、搬送台車Vが故障を起こして
停止すると、このゾーンの交流電源設備Mの在席信号は
所定時間を過ぎても継続することによって、上流の交流
電源設備Mは、下流のゾーンに故障中の搬送台車Vが停
止していることを認識することができ、このとき誘導線
路14への給電を停止することにより、上流の搬送台車V
が下流の故障中の搬送台車Vが停止しているゾーンへ進
入することを阻止でき、追突を防止できる。また、搬送
台車Vの故障を台車Vからの伝送データに頼らずに検出
でき、制御装置61、送受信装置59が故障しデータ伝送が
不能な場合にでも、検出できる。
【0038】また、補助ピックアップコイル27に接続さ
れた抵抗62の電圧の有無を検出することにより、誘導線
路14が給電されているかどうかを判断でき、誘導線路14
に給電されていない場合、コントローラ37により搬送台
車Vの駆動を停止することにより、誘導線路14への給電
が開始されるまで全ての駆動を停止でき、不用の動作を
行うことにより、不具合が発生することを防止すること
ができる。たとえば、搬送台車Vに、ピックアップコイ
ル23から給電されるインバータ53以外に、バッテリ55よ
り給電される荷の移載手段を設けている場合、誘導線路
14の給電が停止されてインバータ53への給電が停止し、
停止してしまっているときに、停止の条件により荷の移
載手段が動作してしまうなどの不具合を防止できる。
【0039】また、ゾーン別に誘導線路14を敷設し、ゾ
ーンへの搬送台車Vの進入を制限することにより、誘導
線路14へ流す電流を少なくすることができ、誘導線路14
の径を細く、安価なものとすることができる。またリッ
ツ線でなく、通常の銅線を使用することも可能となる。
【0040】なお、本実施の形態では、停止信号検出装
置58において、抵抗62の両端電圧を検出しているが、電
圧を検出する代わりに、図8(a)に示すように、抵抗
62へ供給される電流を、CT81および電流検出回路82に
より検出し、電流値がしきい値(所定電流の半分未満)
以下のとき、停止信号を制御装置61へ出力するようにし
てもよい。さらに図8(b)に示すように、抵抗62と並
列に、抵抗83と整流回路(抵抗へ流れる電流は高周波)
を形成するダイオード84および発光ダイオード85からな
る回路を取付け、発光ダイオード85に対向してフォトト
ランジスタ86を配置し、このフォトトランジスタ86の出
力を高周波による脈流をカットするローパスフィルタ87
を介して制御装置61へ出力するようにしてもよい。
【0041】また、本実施の形態では、在席信号の継続
を検出するタイマー36を交流電源装置31に設けている
が、在席検出装置32に設けてもよい。すなわち、比較回
路42の出力信号を入力とするタイマーを設け、このタイ
マーの動作により在席信号を出力する。このとき、この
在席信号は、搬送台車Vが所定時間以上継続してゾーン
内にいることを示す信号となるため、この在席信号によ
り上流の交流電源装置31は即にしゃ断器35を動作させて
誘導線路14への給電を停止する。
【0042】また、本実施の形態では、一定経路の直線
部もゾーンに分けて、交流電源設備Mを設けているが、
搬送台車Vに正面前方の台車Vを検出して停止する機能
を付加できるとき、直線部をゾーンに分けることなく、
直線部とカーブ部のみに分けて、本発明の誘導線路14と
交流電源設備Mを設けるようにしてもよい。この構成に
より、直線部に故障中の搬送台車Vが停止している場合
は、上記正面前方の台車Vの検出機能により停止するこ
とによって追突を防止でき、前方の台車Vの検出が不能
なカーブ部に故障中の搬送台車Vが停止している場合
は、上記在席信号により故障中の搬送台車Vがカーブ部
に停止していることを認識することにより追突を防止す
ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本第1発明によれ
ば、誘導線路上にコイルが有るときと、誘導線路上にコ
イルが無いときでは、誘導線路の電圧と電流の位相差が
異なるため、交流電源設備側で誘導線路上のコイルの有
無が判断でき、よって移動体に故障が発生した場合、移
動体上の制御装置への制御装置への給電がしゃ断された
場合にでも、移動体側の電源に頼ることなく、移動体が
ゾーンに在席していることを検出することができる。
【0044】また、本第2発明によれば、下流の在席信
号を入力すると、またはこの在席信号が所定時間継続す
ると、移動体が下流のゾーンにて停止しているものと判
断して、誘導線路への給電を停止することによって上流
の移動体を停止でき、下流の移動体への追突を防止する
ことができる。
【0045】さらに、本第3発明によれば、第2コイル
に接続された負荷の電圧、またはこの負荷へ供給される
電流の有無を検出することにより、誘導線路が給電され
ているかどうかを判断でき、誘導線路に給電されていな
い場合、移動体の駆動を停止することにより、誘導線路
への給電が開始されるまで全ての駆動を停止でき、不用
の動作を行うことにより、不具合が発生することを防止
することができる。たとえば、移動体に、コイルから給
電される走行手段以外に、バッテリより給電される荷の
移載手段を設けている場合、誘導線路の給電が停止され
て走行手段への給電が停止し、停止してしまっていると
きに、停止の条件により荷の移載手段が動作してしまう
などの不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における移動体使用の搬送
設備の要部経路図である。
【図2】同移動体使用の搬送設備の回路構成図である。
【図3】同移動体使用の搬送設備の誘導線路の電流と電
圧の特性図である。
【図4】同移動体使用の搬送設備の側面図である。
【図5】同移動体使用の搬送設備の一部断面正面図であ
る。
【図6】同移動体使用の搬送設備のブラケットの側面
図、平面図である。
【図7】同移動体使用の搬送設備のピックアップコイル
の平面図、正面図、側面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態における移動体使用の
搬送設備の停止信号検出装置の回路構成図である。
【符号の説明】
V 搬送台車(移動体) B 案内レール X 誘導線路ユニット P ピックアップユニット J 制御ボックス M 交流電源設備 PE パルスエンコーダ 4 電動モータ 10 反射板(原点) 14 誘導線路 23,27 ピックアップコイル 31 交流電源装置 32 在席検出装置 33 高周波発振器 34 電力増幅器 35 しゃ断器 36 タイマー 38 電圧検出回路 39 CT 40 電流検出回路 41 位相検出回路 42 比較回路 51,57 コンデンサ 52 受電装置 53 インバータ 55 バッテリ 56 光電スイッチ 58 停止信号検出装置 59,72 送受信装置 60,73 アンテナ 61 制御装置 62 抵抗 63 電圧検出回路 64 比較回路 71 中央制御装置 74 統括制御装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の移動経路に沿って電流を流す誘
    導線路を張設し、前記移動体に、前記誘電線路から無接
    触で給電されるコイルを設けた移動体使用の搬送設備で
    あって、 前記誘導線路を前記移動経路のゾーン毎に分離して、各
    誘導線路毎にこの誘導線路に給電する交流電源設備を設
    け、 前記各交流電源設備に、前記誘導線路の電圧と電流の位
    相差を検出する位相検出手段と、この位相検出手段によ
    り検出された位相差により誘導線路上の前記コイルの有
    無を検出する在席検出手段を設けたことを特徴とする移
    動体使用の搬送設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の移動体使用の搬送設備で
    あって、 各交流電源設備に、移動体の移動方向下流に隣接する交
    流電源設備よりコイル有りの在席信号を入力すると、ま
    たはこの在席信号が所定時間継続すると、誘導線路への
    給電を停止する機能を付加したことを特徴とする。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の移動体使用の搬送設備で
    あって、 移動体に、前記誘電線路から無接触で給電される第2コ
    イルと、この第2コイルから給電される負荷と、この負
    荷の電圧、またはこの負荷へ供給される電流の有無を検
    出する検出手段と、前記検出手段により負荷の電圧、ま
    たはこの負荷へ供給される電流無しの信号を入力する
    と、移動体の駆動を停止する停止手段を設けたことを特
    徴とする。
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