JPH09288254A - 光学的ローパスフィルター及びそれを有する光学機器 - Google Patents

光学的ローパスフィルター及びそれを有する光学機器

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JPH09288254A
JPH09288254A JP8152316A JP15231696A JPH09288254A JP H09288254 A JPH09288254 A JP H09288254A JP 8152316 A JP8152316 A JP 8152316A JP 15231696 A JP15231696 A JP 15231696A JP H09288254 A JPH09288254 A JP H09288254A
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    • G02B27/42Diffraction optics, i.e. systems including a diffractive element being designed for providing a diffractive effect
    • G02B27/46Systems using spatial filters

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撮像素子を備えた光学機器に用いた際に、安
定したローパス効果を発揮し、良好な画像を提供するこ
とのできる光学的ローパスフィルターを提供すること。 【解決手段】 入射する光束の中心の波面の位相を基準
とした時、入射する光束の波面の位相を進める進相作用
を有する領域と、位相を遅らせる遅相作用を有する領域
とが、交互になるよう光学的ローパスフィルターを形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮像素子を有する
ビデオカメラやデジタルカメラ等の光学機器に好適に用
いられる光学的ローパスフィルターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】CCD等の撮像素子を有する、例えば、
ビデオカメラやデジタルカメラのような光学機器におい
て、撮像素子の画素周期よりも高周波の周期構造を有す
る物体を撮影しようとすると、撮像素子は偽信号や偽色
を発生するため、撮影画像が劣化するという現象があ
る。
【0003】この現象を防止するため、水晶板の複屈折
性を利用することにより物体の像を2つ以上に分離し
て、高周波の像をカットする光学的ローパスフィルター
が知られている。
【0004】上記のような水晶板を利用した光学的ロー
パスフィルターで十分なローパス効果を得ようとする
と、少なくとも2枚の水晶板が必要である。しかしなが
ら、水晶板は高価であるため、このような構成ではコス
トが高くなってしまうという問題がある。また、偏光物
体では水晶の作用が適切に効かずローパス効果が低下し
てしまうという問題もある。
【0005】このような問題に対して、特公昭44−1
155に、複数のプリズムにより波面を分割し、像を2
つ以上に分離する光学的ローパスフィルターが開示され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
44−1155に開示された光学的ローパスフィルター
では、図40に示すように、ある像面IS1では像を分
割することができるが、像が1つに融合するしてしまう
他の像面IS2が存在する。像面の状態により合焦を判
断するAF機構を搭載した光学機器では、像面IS2を
合焦位置と判断してしまい、結果としてローパス効果が
低下するという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような課題に鑑みてなさ
れたものであり、光学機器に用いた際に、安定したロー
パス効果を発揮することができ、良好な画像が得られる
光学的ローパスフィルターを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1発明の光学的ローパスフィルターは、入射
する光束の中心の波面の位相を基準とした時、入射する
光束の波面の位相を進める進相作用を有する領域と、位
相を遅らせる遅相作用を有する領域とを、交互に有して
いることを特徴としている。
【0009】また、本願第2発明の光学機器は、本願第
1発明の光学的ローパスフィルターとを有することを特
徴としている。
【0010】また、本願第3発明の光学機器は、結像光
学系と、撮像素子と、本願第1発明の光学的ローパスフ
ィルターとを有することを特徴としている。
【0011】本願第1発明の光学的ローパスフィルター
には、進相作用を有する形状と、遅相作用を有する形状
とが、連続的に形成されている形態、及び/または、入
射する光束の中心を原点とした回転方向において、進相
作用を有する形状と、遅相作用を有する形状とが、交互
に形成されている形態がある。
【0012】ρを径方向の座標系、φを回転方向の座標
系、入射する光束の中心を原点とした円筒座標系(ρ,
φ) により、本願第1発明の光学的ローパスフィルター
の形状S(ρ,φ)は、 S(ρ、φ) =R(ρ) ×T(φ) R(ρ) :径方向の形状 T(φ) :回転方向の形状で表せる。
【0013】この時、回転方向の形状T(φ)が、 T(φ)=cos(mφ) m:2以上の整数で表せ、周期的に変化する形状である
ことが好ましい。
【0014】更に、径方向の形状R(ρ)は、非線形形
状であることが好ましい。
【0015】本願第1発明の光学的ローパスフィルター
には、進相作用を有する屈折率の材質と、遅相作用を有
する屈折率の材質とが、連続的に形成されている形態、
及び/または、入射する光束の中心を原点とした回転方
向において、進相作用を有する屈折率の材質と、遅相作
用を有する屈折率の材質とが、交互に形成されている形
態がある。
【0016】また前述の円筒座標系(ρ,φ) によ
り、本願第1発明の光学的ローパスフィルターの屈折率
分布N(ρ,φ)は、 N(ρ、φ) =Nr(ρ)×Nt(φ) Nr(ρ) :径方向の屈折率分布関数 Nt(φ) :回転方向の屈折率分布関数で表せる。
【0017】この時、回転方向の屈折率分布関数Nt
(φ)が、 Nt(φ)=cos(mφ) m:2以上の整数で表せ、周期的に変化する分布である
ことが好ましい。
【0018】更に、径方向の屈折率分布関数Nr(ρ)
は、非線形分布であることが好ましい。
【0019】本願第1発明のローパスフィルターには、
合成樹脂材料により形成される形態、ガラス材料により
形成される形態、ガラス基板上に樹脂材料で形成される
形態、レンズ面上に形成される形態、透過率を能動的に
変化させることが可能な可変透過率素子上に形成される
形態、赤外線をカットする特性を有する材料により形成
される形態、赤外線をカットする特性を有する材料の基
板上に形成される形態、所定の径方向にのみ進相及び遅
相作用を有する形状と、それと直交する方向にのみ進相
及び遅相作用を有する形状が平行平板の2つの面にそれ
ぞれ形成される形態等が存在する。
【0020】なお、本発明の光学的ローパスフィルター
は、前記結像光学系の絞り近傍に設けられることが好ま
しい。
【0021】また、本発明の光学的ローパスフィルター
は、径方向において進相または遅相作用の大きい方向を
前記撮像素子の画素の配列の方向に対して30゜〜60
゜の範囲で傾けて配置することが好ましい。ここで、4
5゜傾けて配置することが特に好ましい。
【0022】ρを径方向の座標系、φを回転方向の座標
系、光学的ローパスフィルターの中心を原点とした円筒
座標系(ρ,φ) により、光学的ローパスフィルターの
形状S(ρ,φ)が、 S(ρ,φ)=A×R(ρ)×cos(mφ) m=2,3,…(整数) 0≦ρ≦1,0≦φ≦2π ここで、ρ方向は前記光学的ローパスフィルターの半径
で規格化し、 R(ρ) :径方向の形状 A:定数 n:フィルターの屈折率と表せる時に、
【0023】
【外2】 なる積分の絶対値が、所定のv=vc近傍において、最
大値または最小値を有することが好ましい。ただし k=(2π)/λ vc=(πrc)/(λF) rc=p/cos(α) ここで、λ:波長 F:Fナンバー p:撮像素子の画素ピッチ α:進相または遅相作用の大きい方向と撮像素子の画素
の配列の方向のなす角度である。
【0024】本願第3発明の光学機器には、複屈折性を
有する材料により形成された第2の光学的ローパスフィ
ルターを有する形態がある。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、本発明において像面の座
標系を説明するための図である。
【0026】本発明においては、像面上で4つの点像に
分離した強度分布を図1のように円筒座標系で考え、 I(r,θ)=I(r)×cos(2θ+δ) (1) δ:定数と表す。
【0027】このような点像強度分布を与える波面(収
差)の形状から円筒座標系で表した光学的ローパスフィ
ルターの形状を導く。
【0028】導出の手順を説明する。いま、円筒座標系
で表された光学的ローパスフィルターの形状を、 S(ρ,φ)=A×R(ρ)×cos(mφ) (2) と表す。ここで、Aは定数、ρは光学的ローパスフィル
ターの半径aで規格化した径方向の座標系で0≦ρ≦
1、R(ρ)は径方向の形状、φは回転方向の座標系で
0≦φ≦2π、回転方向の周期性よりm=2,3,4・
・・(整数)である。
【0029】このような形状から透過波面に付加される
波面収差は、光学的ローパスフィルターの屈折率をnと
すると、 W(ρ,φ)=S(ρ,φ)×(1−n) =A′×R(ρ)×cos(mφ) (3) と表せる。ここで、A′=(1−n)Aである。
【0030】このような波面収差を有する波面による像
面上の振幅分布は、瞳関数の回折積分により得られるこ
とが知られている。M.Born,E.Wolf著「光学の原理(Pri
nciples of Optics)」より、回折積分は、
【0031】
【外3】 となる。ここで、Cは定数、kは波数k=2π/λ、λ
は波長である。また、(u,v,θ)は像面上の規格化
された円筒座標で、uは光軸方向、vは径方向、θは回
転方向を表す。
【0032】物体が無限遠のときvと実際の座標との間
には、 v=πr/λF (5) が成り立つ。rは実際の距離、Fは光学系のFナンバー
である。
【0033】基準像面上での振幅の分布を考えるとu=
0であり、式(4)は、
【0034】
【外4】 となる。「光学の原理」9.4に従い、Jacobiの恒等式
を用いて、
【0035】
【外5】 ここで、Js(x)は第1種のベッセル関数である。
【0036】さらに、φに関する項別積分により、
【0037】
【外6】 となる。式(8)の第1項目は原点に対して回転方向に
一様に分布する振幅を表し、第2項目以降が回転方向に
周期的な分布の振幅を表している。第2項目の積分から
は像面の回転方向にcos(mθ)の周期で強度(振
幅)分布ができることが判る。
【0038】すなわち、入射する光束の波面に対して開
口部の中心の位相を基準として、入射する光束の波面の
位相を進める進相作用を及ぼす形状と、位相を遅らせる
遅相作用を及ぼす形状が、開口部の回転方向に連続的に
形成されている光学的ローパスフィルターを光学系内に
設けることにより、光学系を透過する光束の波面に進相
遅相の位相変動を与えることができ、そのフラウンホー
ファー回折像として光束の結像面において結像スポット
を複数のスポットに分離することができることが分か
る。
【0039】本発明の光学的ローパスフィルターは、従
来の光学的ローパスフィルターと同様に、所定の空間周
波数のMTFを0にし、それよりも高周波数のMTFを
低下させる効果を有しながら、高価な材料を用いる必要
がないので安価に製造することができる。また、本発明
による光学的ローパスフィルターを撮影光学系の絞り近
傍に配することにより、各像高の光束に対して等しい進
相遅相作用を与えることができて望ましい。
【0040】式(8)において、第2項目により先に式
(1)で示した強度分布を表すとすると、cos(m
θ)内のmは2となる。これにより、光学的ローパスフ
ィルターの形状は、 S(ρ,φ)=A×R(ρ)×cos(2φ) (9) となる。
【0041】式(8)による振幅分布は、
【0042】
【外7】 となる。
【0043】収差量(w)が小さいときは、式(10)
のはじめの数項に積分値のほとんどが含まれ、第2項目
の積分により像面上の回転方向に周期的にできる強度
(=U×U* )の分布をほぼ表していると考えることが
できる。これにより光学的ローパスフィルターの径方向
の形状R(ρ)は、式(10)の第2項目の積分におい
て、撮像素子、例えばCCDの画素によって決まる所定
の位置vc近傍でその絶対値が最大値となる形状にすれ
ばよい。
【0044】
【外8】
【0045】CCDの画素のピッチがpのとき、CCD
に要求される輝度信号のカットオフ周波数は、fc=1
/(2p)であるので、光学的ローパスフィルターによ
り得られる分離した点像の画素方向の点像の間隔dc
は、 dc=1/(2×fc)=p (12) となる。
【0046】CCDの画素の方向に対して点像の方向
を、図2のようにした場合は、 rc=dc/2 (13) CCDの画素の方向に対して点像の方向を、図3のよう
にした場合は、 rc=dc・(√2/2) (14) となる。これより式(11)におけるvcが求められ
る。
【0047】式(11)の積分が、v=vcで最大値を
有するには、 J1 {kA′R(ρ)}≒J2 (vcρ) (15) であればよい。
【0048】式(15)を満たすならば、絞り径が撮影
条件により変化する場合でも、本発明の光学的ローパス
フィルターは、所定の空間周波数においてMTFがほぼ
0になる。
【0049】本発明による光学的ローパスフィルターに
おいて、進相または遅相作用の大きい方向をCCDの画
素の配列の方向に対して30゜〜60゜の範囲に設定す
ると、画素の配列の方向に直交する方向の線像強度分布
が平均化され、ローパス効果を高める上で有効であり、
特に45゜に設定するのが一番良い。
【0050】本発明による光学的ローパスフィルター
は、アクリルなどの合成樹脂材料(プラスチック)やガ
ラス材料を成形する、あるいはガラス基板上に合成樹脂
材料を成形することにより複雑な曲面形状が形成でき
る。
【0051】このようにして形成される形状は、絞り近
傍に設けられた平行平板の1面に形成してもいいし、本
発明の形状を例えば2つのシリンドリカル形状に分離
し、2つの面に別々に形成するようにしても良い。
【0052】また、本発明の形状は撮影光学系を構成す
るレンズの表面に形成することで、レンズの機能と光学
的ローパスフィルターの機能を兼ね備えた光学素子も実
現できる。
【0053】また、本発明の光学的ローパスフィルター
をEC液晶等で構成された透過率が変化する可変透過率
しぼりの一部に形成しても良い。
【0054】さらに、本発明の光学的ローパスフィルタ
ーの形状は、撮影レンズを構成する赤外線カットフィル
ターの一部、もしくは赤外線カット材料で形成されても
良い。
【0055】本発明の光学的ローパスフィルターは単一
で用いても十分なローパス効果を有するが、水晶の光学
的ローパスフィルターと併用することにより、撮像素子
の仕様の違いによりカットすべき空間周波数が異なる場
合でも、水晶の厚さを調整することにより様々な光学機
器に流用することができる。
【0056】本発明の光学的ローパスフィルターを用い
ることにより、結像光学系のMTFが所望の空間周波数
で5%以下となり、その所望の空間周波数よりも高周波
領域で20%以下となるよう設定できる。
【0057】
【実施例】
(実施例1)図4は、本発明の光学的ローパスフィルタ
ーを用いた光学機器の撮影光学系の要部概略図である。
【0058】L1からL9は結像光学系を構成するレン
ズであり、L1からL3により正のパワーの第1群、L
4からL6により負のパワーの第2群、L7により正の
パワーの第3群、L8からL9により正のパワーの第4
群を構成している。本実施例の撮影光学系では、第2群
が光軸方向に移動することにより変倍し、第4群が光軸
方向に移動することにより像面補償およびフォーカスを
行う。
【0059】1は本発明による光学的ローパスフィルタ
ー、2は絞り、3は赤外カットフィルター、4はCCD
(撮像素子)である。光学的ローパスフィルター1を絞
り2の近傍に設けることにより、各画角の光束の波面に
対して等しく位相の変化が与えられ、有効なローパス効
果が得られる。
【0060】入射光の波面の位相に進相遅相の作用を与
える光学的ローパスフィルター1の作用面は、アクリル
などの合成樹脂材料からなる平板の片面に成形されてい
る。この作用面の形状の等高線を図5に示す。図中、+
で示している部分が開口の中心に対して凸になっている
部分で、−で示している部分が凹になっている部分であ
る。
【0061】図5に示したように本発明の光学的ローパ
スフィルターの形状は、開口の中心を原点とした円筒座
標系で表した時に、回転方向において、入射する波面の
位相に対して進相作用のある部分(−で示している部
分)から遅相作用のある部分(+で示している部分)へ
と連続的に変化している。
【0062】この時、進相作用のある部分と遅相作用の
ある部分は、それぞれ2箇所以上設ける必要がある。例
えば、図6のように進相作用のある部分と遅相作用のあ
る部分が1箇所ずつしかない場合は、その面の形状は傾
き成分が多くなり像がある方向にずれるだけで、像を有
効に分離することができない。また、図7のように遅相
作用のある部分のみ、あるいは進相作用のある部分のみ
で構成されている場合は、ある像面では像を分割するこ
とができるが、像が1つに融合してしまう像面が必ず存
在するため、特公昭44−1155の光学的ローパスフ
ィルターと同様に、ローパス効果が低下する。
【0063】本実施例の光学的ローパスフィルターの面
形状の第1の数値実施例を以下に示す。
【0064】 S1(ρ,φ)=A1×R1(ρ)×cos(2φ) (16) ここで、 R1(ρ)=2.622ρ−1.140ρ2 (17) 0≦ρ≦1,0≦φ≦2π φ=0のときの断面形状を図8に示す。
【0065】本数値実施例の光学的ローパスフィルター
により、無収差のレンズによって構成された理想的な光
学系の射出瞳上では、光学的ローパスフィルターの形状
と相似の図9に示すような波面収差が発生し、像面上で
は、図10に示すように輪冠状に点像が分離する。これ
により、高周波成分のMTFをより低く抑えることが可
能となる。図11、12に、本数値実施例の光学的ロー
パスフィルターによるF/2.8のときのCCDの画素
方向と垂直な方向に加算した線像強度分布(LSF)と
MTFを示す。
【0066】図13は、第2の数値実施例による光学的
ローパスフィルターの作用面の形状を表す等高線であ
る。この形状は以下の式で表せる。
【0067】 S2(ρ,φ)=A2×R2(ρ)×cos(2φ) (18) ここで、 R2(ρ)= 3.534ρ+2.867ρ2 −13.267ρ3 −7.079ρ4 +12.737ρ5 (19) 0≦ρ≦1,0≦φ≦2π 本数値実施例は、径方向にも波面の位相に対して進相作
用のある部分と遅相作用のある部分を設けたものであ
る。φ=0のときの断面形状を図14に示す。径方向の
形状は、撮影光学系のFナンバーの変化に対して、カッ
トオフする高周波成分の領域が変動しないような形状に
しなければならない。そのため、図13に示すような非
線形の形状である方が望ましい。
【0068】図15、16にそれぞれ射出瞳上の波面収
差と像面上の点像強度分布の等高線を示し、図17にF
/1.65のときの像面上のCCDの画素方向と垂直な
方向に加算した線像強度分布を示す。図18、19にF
/1.65、F/5.6のときのMTFを示す。
【0069】ここまではレンズに収差のない理想的な状
態での説明をしてきたが、レンズに収差が存在する場合
でも本発明による光学的ローパスフィルターの効果は損
なわれるものではない。これは光学系の特性からレンズ
の波面収差をΦとすると、レンズ系および光学的ローパ
スフィルターによる瞳関数h0、h1は、 h0=exp(iΦ) (20) h1=exp(iw(ρ,φ)) (21) となり、全系での瞳関数hは、 h=h0×h1 (22) となる。振幅分布Uはhのフーリエ変換Fで求められる
ので、 U=F(h)=F(h0×h1)=F(h0)*F(h1) (23) となる。ここで演算子*はコンボリューションを表し、
F(h1)は先に説明した光学的ローパスフィルターに
よる振幅分布と一致するので、ローパス効果に変わりが
ないことが分かる。
【0070】図20に示すような波面収差を有する光学
系に本発明による式(18)で表される光学的ローパス
フィルターを付加した場合について示す。図21、22
にこの場合の射出瞳上の波面収差と像面上の点像強度分
布の等高線を示し、図23、24にF/1.65、F/
5.6のときのMTFを示す。なお、この計算結果では
光学系の波面収差を考慮し、MTFの低周波成分が最大
になるように光軸方向にデフォーカスしている。
【0071】図25、26は回転方向の形状が異なる別
の光学的ローパスフィルターの形状を示した等高線であ
る。
【0072】それぞれの図において形状は、 S3(ρ,φ)=A3×R3(ρ)×cos(3φ) (24) S4(ρ,φ)=A4×R4(ρ)×cos(4φ) (25) で表される。式(8)の第2項目の積分から、式(2
4)による光学的ローパスフィルターでは像面上で6つ
に分離した分布を有し、式(25)による光学的ローパ
スフィルターでは像面上で8つに分離した分布を有する
構成となる。
【0073】ここまで示した形状の例は、回転方向
(φ)に周期的で、進相作用のある部分と遅相作用のあ
る部分の形状が対称な形のものばかりであるが、図27
に示した等高線のように非対称で非周期的な形状をして
いるとき、あるいは進相遅相作用を及ぼす部分の高さ
(深さ)が均一でない形状をしているときは、面の形状
を表す関数がこれまでのように単一ではなく、 S(ρ,φ)=ΣAm×Rm(ρ)×cos(mφ) (26) m=1,2,3,・・・n のように表されていると考えられ、その回折積分である
式(8)の結果は、像面上にできる複数のスポットの回
転方向の周期性、形状の均一性が損なわれるものとな
る。
【0074】このような場合でも、CCDの画素方向と
垂直な方向に加算した線像強度分布の形状が、CCDの
画素のピッチpを幅とした矩形状の分布にほぼなってい
れば、光学的ローパスフィルターとしての機能に影響は
ない。そのためには式(26)によって表される形状に
よって生ずる波面収差において、式(8)の第2項目の
積分が、画素ピッチpからきまるvc(式(13)また
は式(14))の近傍において極値を有するようになっ
ていればよい。
【0075】(実施例2)図28は、実施例2の撮影光
学系の要部概略図である。
【0076】本実施例は、ローパス効果を有する面を撮
影光学系を構成するレンズの面に設けたものである。実
施例1と同符号のものは基本的に同機能なので説明を省
略する。
【0077】ローパス効果を有する面は、絞り2の近傍
のレンズに設けるのが望ましい。本実施例ではレンズL
7′のr1面に設けている。このようなレンズ面の形状
は次のように表すことができる。
【0078】 S(ρ,φ)=Sp(ρ)+Asp(ρ)+Lp(ρ,φ) (27) Sp(ρ)は近軸曲率半径Rできまる曲面形状、Asp
(ρ)はρの多項式などで表される軸対称非球面形状、
Lp(ρ,φ)は本発明によるローパス効果を有する面
形状である。式(27)から分かるように、Sp(ρ)
+Asp(ρ)の項は通常のレンズ設計で求め、Lp
(ρ,φ)の項を付加することによりレンズ面の形状を
決定することができる。
【0079】このようなレンズは、アクリルなどの合成
樹脂材料やガラスを溶解して成形するモールドレンズと
して成形すると容易に製造でき、成形の金型を式(2
7)で決定される形状に加工すればよい。また、ガラス
のレンズを式(27)のSp(ρ)によって表される球
面で研磨し、その球面にアクリルなどの合成樹脂材料で
式(27)のAsp(ρ)+Lp(ρ,φ)によって決
まる非球面形状及びローパス効果を有する面形状を付加
するようにして製造しても良い。
【0080】また、図29に示すように、ローパス効果
を有する面形状をレンズの一方の面r2に設け、他方の
面r1に球面、または軸対称非球面を設けた構成として
も良い。
【0081】(実施例3)図30は、実施例3の撮影光
学系の要部概略図である。
【0082】本実施例においては、本発明によるローパ
ス効果を有する面を、透過率を能動的に変化させて光量
を変化させる可変濃度素子5に設け、絞り2の近傍に配
置したものである。可変濃度素子5は、EC液晶などを
平板で封入した構造をしており、ローパス効果を有する
面は、EC液晶を封入する平板上に形成している。その
他、実施例1と同符号のものは基本的に同機能なので説
明を省略する。
【0083】(実施例4)図31は、実施例4の撮影光
学系の要部概略図である。
【0084】本実施例では、ローパス効果を有する面を
赤外光カットフィルター30に設け、この赤外カットフ
ィルター30を撮影レンズの絞りの近傍に配置したもの
である。ローパス効果を有する面は、特開平6−118
228に記載されているような赤外カット機能を有する
合成樹脂材料を実施例1で示したような形状に成形して
もいいし、平板の赤外カットフィルターに別の材料で実
施例1で示したような形状を付加する構成でも良い。そ
の他、実施例1と同符号のものは基本的に同機能なので
説明を省略する。
【0085】(実施例5)図32は、実施例5の撮影光
学系の要部概略図である。
【0086】本実施例では、波面の位相に進相遅相作用
を与える面が、絞りの近傍に設けられたアクリルなどの
合成樹脂材料からなる平板の両面に成形されている。各
面の形状は、図33、34に等高線を示すようなシリン
ドリカル形状をしており、それぞれの面の屈折力を有す
る方向を90゜回転させて設けている。図33のxで示
した方向の段面形状を図35に示す。
【0087】光学的ローパスフィルター10を透過した
平面波の等高線は、図36のように変換され、本実施例
の光学的ローパスフィルター10は実施例1で説明した
光学的ローパスフィルター1と同様な効果を果たす。そ
の他、実施例1と同符号のものは基本的に同機能なので
説明を省略する。
【0088】(実施例6)図37は、実施例6の撮影光
学系の要部概略図である。
【0089】本実施例では光学的ローパスフィルター1
の作用面を絞りの近傍に設け、更に複屈折軸を傾けて作
られた水晶板6を撮影光学系の中に設けたものである。
その他、実施例1と同符号のものは基本的に同機能なの
で説明を省略する。
【0090】光学的ローパスフィルター1は主に高周波
成分をカットし、水晶板6はCCDによるカットオフ周
波数を設定している。このような構成により、画素数の
異なるCCDを用いた撮影光学系に共通に使用すること
ができるようになる。
【0091】図38、39は上記のような構成で、光学
的なカットオフ周波数をそれぞれ110本、80本に設
定したときのMTFを示している。点線が本実施例の光
学的ローパスフィルター1単独のMTF、実線がこれに
水晶板6を付加したときのMTFである。Aで示される
範囲は、高周波成分の抑制効果が現れる領域を表し、f
cは水晶板で決まる光学的なカットオフ周波数である。
【0092】(実施例7)実施例1〜6では、入射光束
が光学的ローパスフィルターの異なる厚みの領域を通過
することによって、波面収差を与え、ローパス効果を得
ている。この波面収差は、ローパスフィルターの領域に
よって、通過する光束の光路長が異なる為に生ずるもの
である。光路長は、光のみちすじの長さ(厚みd)と屈
折率の積で与えられることから、ローパスフィルターの
領域によってdを異ならせるだけでなく、屈折率を異な
らせることによっても、光路長が変化し、本発明の光学
的ローパスフィルターを実施することができる。
【0093】本実施例は、領域によって屈折率が異なる
光学的ローパスフィルターに関するものである。
【0094】図1のような点像分布を与える波面(収
差)の形状から円筒座標系で表した本実施例のような光
学的ローパスフィルターの屈折率分布を導く。
【0095】導出の手順を説明する。いま、円筒座標系
で表された光学的ローパスフィルターの屈折率分布を N(ρ、φ)=N0+Nr(ρ)×cos(mφ) (28) と表す。ここで、N0は中心部の屈折率、ρは径方向の
座標、Nr(ρ)は径方向の屈折率分布、φは回転方向
の座標、回転方向の周期性よりm=2,3,4...
(整数)である。
【0096】このような屈折率分布から透過波面に付加
される波面収差は、フィルターの厚みをdとすると、 W(ρ、φ)=A×δN(ρ、φ)×d =A×Nr(ρ)×cos(mφ)×d (29) =A′×Nr(ρ)×cos(mφ) と表せる。
【0097】式(8)において、第2項目により先に示
した式(1)の強度分布を表すとすると、cos(m
θ)内のmは2とするのが望ましい。これにより、光学
的ローパスフィルターの屈折率誤差分布は、 δN(ρ、φ)=Nr(ρ)×cos(2φ) (30) となる。
【0098】ここで、所定の屈折率分布を有した本発明
の光学的ローパスフィルターの数値実施例を示す。
【0099】 N1(ρ,φ)=N0+Nr1(ρ)×cos(2φ) (31) ただし Nr1(ρ)=(2.184ρ−0.949ρ2)λ (32) 0≦ρ≦1, 0≦φ≦2π φ=0のときの屈折率分布を図40に示す。
【0100】本数値実施例の光学的ローパスフィルター
により、無収差のレンズによって構成された理想的な光
学系の射出瞳上では、光学的ローパスフィルターの形状
と相似の図41に示すような波面収差が発生し、像面上
では、図42に示すように輪冠状に点像が分離する。こ
れにより、高周波成分のMTFをより低く抑えることが
可能となる。図43、44に、本数値実施例の光学的ロ
ーパスフィルターによるF/2.8のときのCCDの画
素方向と垂直な方向に加算した線像強度分布(LSF)
とMTFを示す。
【0101】このように、ローパスフィルターに所定の
屈折率分布を与えることによっても、所望のローパス効
果を得ることができる。
【0102】上述してきたように、厚み(形状)により
光路長を変え、進相作用と遅相作用を有する領域をもつ
ローパスフィルターと、屈折率分布により光路長を変
え、進相作用と遅相作用を有する領域をもつローパスフ
ィルターは同じ作用効果をもたせることができる。すな
わち、実施例1〜6に示したローパスフィルターも、屈
折率分布を有したローパスフィルターに置き換え可能で
ある。
【0103】また、領域によって厚みと屈折率が同時に
異なるような光学的ローパスフィルターも考えられる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ビデオカメラやデジタルカメラ等の光学機器に用いた際
に、安定したローパス効果を発揮でき、良好な画像が得
られる光学的ローパスフィルターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】像面の座標系を説明するための図である。
【図2】像面の点像の間隔と中心から点像までの距離を
説明するための図である。
【図3】像面の点像の間隔と中心から点像までの距離を
説明するための図である。
【図4】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた光
学機器の撮影光学系の要部概略図である。
【図5】第1の数値実施例における光学的ローパスフィ
ルターの形状を示す等高線である。
【図6】進相作用のある部分と遅相作用のある部分が1
箇所ずつしかない光学的ローパスフィルターの形状を示
す等高線である。
【図7】遅相作用のある部分しかない光学的ローパスフ
ィルターの形状を示す等高線である。
【図8】第1の数値実施例における光学的ローパスフィ
ルターの形状を示す断面図である。
【図9】第1の数値実施例における光学的ローパスフィ
ルターによって生ずる波面収差を示した等高線である。
【図10】第1の数値実施例における像面上の光強度を
示した等高線である。
【図11】第1の数値実施例においてF/2.8のとき
のCCDの画素方向と垂直な方向に加算した線像強度分
布(LSF)である。
【図12】第1の数値実施例においてF/2.8のとき
のMTFである。
【図13】第2の数値実施例における光学的ローパスフ
ィルターの形状を示す等高線である。
【図14】第2の数値実施例における光学的ローパスフ
ィルターの形状を示す断面図である。
【図15】第2の数値実施例における光学的ローパスフ
ィルターによって生ずる波面収差を示した等高線であ
る。
【図16】第2の数値実施例における像面上の光強度を
示した等高線である。
【図17】第2の数値実施例においてF/1.65のと
きのCCDの画素方向と垂直な方向に加算した線像強度
分布(LSF)である。
【図18】第2の数値実施例においてF/1.65のと
きのMTFである。
【図19】第2の数値実施例においてF/5.6のとき
のMTFである。
【図20】実際の光学系の波面収差を表す図である。
【図21】図20に示した波面収差を有する光学系に、
第2の数値実施例における光学的ローパスフィルターを
設けたことによって生ずる波面収差を示した等高線であ
る。
【図22】図20に示した波面収差を有する光学系に、
第2の数値実施例における光学的ローパスフィルターを
設けた光学系の像面上の光強度を示した等高線である。
【図23】図20に示した波面収差を有する光学系に、
第2の数値実施例における光学的ローパスフィルターを
設けた光学系のF/1.65のときのMTFである。
【図24】図20に示した波面収差を有する光学系に、
第2の数値実施例における光学的ローパスフィルターを
設けたときのF/5.6のときのMTFである。
【図25】光学的ローパスフィルターの他の形状を示す
等高線である。
【図26】光学的ローパスフィルターの他の形状を示す
等高線である。
【図27】光学的ローパスフィルターの他の形状を示す
等高線である。
【図28】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例2の撮影光学系の要部概略図である。
【図29】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例2の別の形態の撮影光学系の要部概略
図である。
【図30】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例3の撮影光学系の要部概略図である。
【図31】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例4の撮影光学系の要部概略図である。
【図32】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例5の撮影光学系の要部概略図である。
【図33】実施例5における光学的ローパスフィルター
10の物体側面の等高線である。
【図34】実施例5における光学的ローパスフィルター
10の像側面の等高線である。
【図35】図33のxで示した方向の段面形状である。
【図36】実施例5における光学的ローパスフィルター
によって生ずる波面収差を示した等高線である。
【図37】本発明の光学的ローパスフィルターを用いた
光学機器の実施例6の撮影光学系の要部概略図である。
【図38】実施例6において、光学的なカットオフ周波
数を110本に設定したときのMTFである。
【図39】実施例6において、光学的なカットオフ周波
数を80本に設定したときのMTFである。
【図40】実施例7における光学的ローパスフィルター
の屈折率分布を示す図である。
【図41】実施例7における光学的ローパスフィルター
によって生ずる波面収差を示した等高線である。
【図42】実施例7における像面上の光強度を示した等
高線である。
【図43】実施例7においてF/2.8のときのCCD
の画素方向と垂直な方向に加算した線像強度分布(LS
F)である。
【図44】実施例7においてF/2.8のときのMTF
である。
【図45】従来のプリズムを利用した光学的ローパスフ
ィルターの問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
L1〜L9 撮影光学系を構成するレンズ 1 光学的ローパスフィルター 2 絞り 3 赤外カットフィルター 4 CCD

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射する光束の中心の波面の位相を基準
    とした時、入射する光束の波面の位相を進める進相作用
    を有する領域と、位相を遅らせる遅相作用を有する領域
    とを、交互に有していることを特徴とする光学的ローパ
    スフィルター。
  2. 【請求項2】 進相作用を有する形状と、遅相作用を有
    する形状とが、連続的に形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の光学的ローパスフィルター。
  3. 【請求項3】 前記入射する光束の中心を原点とした回
    転方向において、前記進相作用を有する形状と、前記遅
    相作用を有する形状とが、交互に形成されていることを
    特徴とする請求項1、2記載の光学的ローパスフィルタ
    ー。
  4. 【請求項4】 ρを径方向の座標系、φを回転方向の座
    標系、前記入射する光束の中心を原点とした円筒座標系
    (ρ,φ) により、形状S(ρ,φ)が、 S(ρ、φ) =R(ρ) ×T(φ) R(ρ) :径方向の形状 T(φ) :回転方向の形状で表せることを特徴とする請
    求項1乃至3記載の光学的ローパスフィルター。
  5. 【請求項5】 前記回転方向の形状T(φ)が、 T(φ)=cos(mφ) m:2以上の整数で表せる周期的に変化する形状である
    ことを特徴とする請求項4記載の光学的ローパスフィル
    ター。
  6. 【請求項6】 径方向の形状R(ρ)が、非線形形状で
    あることを特徴とする請求項4、5記載の光学的ローパ
    スフィルター。
  7. 【請求項7】 合成樹脂材料により形成されることを特
    徴とする請求項1乃至6記載の光学的ローパスフィルタ
    ー。
  8. 【請求項8】 ガラス材料により形成されることを特徴
    とする請求項1乃至6記載の光学的ローパスフィルタ
    ー。
  9. 【請求項9】 ガラス基板上に樹脂材料で形成されるこ
    とを特徴とする請求項1乃至6記載の光学的ローパスフ
    ィルター。
  10. 【請求項10】 レンズ面上に形成されることを特徴と
    する請求項1乃至6記載の光学的ローパスフィルター。
  11. 【請求項11】 透過率を能動的に変化させることが可
    能な可変透過率素子上に形成されることを特徴とする請
    求項1乃至6に記載の光学的ローパスフィルター。
  12. 【請求項12】 赤外線をカットする特性を有する材料
    により形成されることを特徴とする請求項1乃至6記載
    の光学的ローパスフィルター。
  13. 【請求項13】 赤外線をカットする特性を有する材料
    の基板上に形成されることを特徴とする請求項1乃至6
    記載の光学的ローパスフィルター。
  14. 【請求項14】 所定の径方向にのみ進相及び遅相作用
    を有する形状と、それと直交する方向にのみ進相及び遅
    相作用を有する形状が平行平板の2つの面にそれぞれ形
    成されることを特徴とする請求項1乃至6記載の光学的
    ローパスフィルター。
  15. 【請求項15】 進相作用を有する屈折率の材質と、遅
    相作用を有する屈折率の材質とが、連続的に形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の光学的ローパスフ
    ィルター。
  16. 【請求項16】 前記入射する光束の中心を原点とした
    回転方向において、前記進相作用を有する屈折率の材質
    と、前記遅相作用を有する屈折率の材質とが、交互に形
    成されていることを特徴とする請求項1、15記載の光
    学的ローパスフィルター。
  17. 【請求項17】 ρを径方向の座標系、φを回転方向の
    座標系、前記入射する光束の中心を原点とした円筒座標
    系(ρ,φ)により、屈折率分布N(ρ,φ)が、 N(ρ、φ)=N0+Nr(ρ)×Nt(φ) R(ρ)=径方向の屈折率分布関数 T(φ):回転方向の屈折率分布関数で表せることを特
    徴とする請求項1、15、16記載の光学的ローパスフ
    ィルター。
  18. 【請求項18】 前記回転方向の屈折率分布関数Nt
    (φ)が、 Nt(φ)=cos(mφ) m:2以上の整数で表わせる周期的に変化する屈折率分
    布であることを特徴とする請求項17記載の光学的ロー
    パスフィルター。
  19. 【請求項19】 径方向の屈折率分布関数Nr(ρ)
    が、非線形分布であることを特徴とする請求項17、1
    8記載の光学的ローパスフィルター。
  20. 【請求項20】 入射する光束の中心の波面の位相を基
    準とした時、入射する光束の波面の位相を進める進相作
    用を有する領域と、位相を遅らせる遅相作用を有する領
    域とを有し、かつ少なくとも一方の領域を複数有してい
    ることを特徴とする光学的ローパスフィルター。
  21. 【請求項21】 中心の光路長を基準とした時、光路長
    の短い領域と、光路長の長い領域とを、交互に有してい
    ることを特徴とする光学的ローパスフィルター。
  22. 【請求項22】 請求項1乃至21記載の光学的ローパ
    スフィルターを有する光学機器。
  23. 【請求項23】 結像光学系と、撮像素子と、光学的ロ
    ーパスフィルターとを有する光学機器において、 前記光学的ローパスフィルターは、入射する光束の中心
    の波面の位相を基準とした時、入射する光束の波面の位
    相を進める進相作用を有する領域と、位相を遅らせる遅
    相作用を有する領域とを、交互に有していることを特徴
    とする光学機器。
  24. 【請求項24】 前記光学的ローパスフィルターが、前
    記結像光学系の絞り近傍に設けられることを特徴とする
    請求項23記載の光学機器。
  25. 【請求項25】 径方向において、進相または遅相作用
    の大きい方向を前記撮像素子の画素の配列の方向に対し
    て30゜〜60゜の範囲で傾けて、前記光学的ローパス
    フィルターを配置することを特徴とする請求項23、2
    4記載の光学機器。
  26. 【請求項26】 径方向において進相または遅相作用の
    大きい方向を前記撮像素子の画素の配列の方向に対して
    略45゜傾けて、前記光学的ローパスフィルターを配置
    することを特徴とする請求項23、24記載の光学機
    器。
  27. 【請求項27】 ρを径方向の座標系、φを回転方向の
    座標系、前記光学的ローパスフィルターの中心を原点と
    した円筒座標系(ρ,φ) により、前記光学的ローパス
    フィルターの形状S(ρ,φ)が、 S(ρ,φ)=A×R(ρ)×cos(mφ) m=2,3,…(整数) 0≦ρ≦1,0≦φ≦2π ここで、ρ方向は前記光学的ローパスフィルターの半径
    で規格化し、 R(ρ) :径方向の形状 A:定数 n:フィルターの屈折率で表せる時に、 【外1】 なる積分の絶対値が、所定のv=vc近傍において、最
    大値または最小値を有することを特徴とする請求項23
    乃至26記載の光学機器。ただし k=(2π)/λ vc=(πrc)/(λF) rc=p/cos(α) ここで、λ:波長 F:Fナンバー p:撮像素子の画素ピッチ α:進相または遅相作用の大きい方向と撮像素子の画素
    の配列の方向のなす角度
  28. 【請求項28】 複屈折性を有する材料により形成され
    た第2の光学的ローパスフィルターを有することを特徴
    とする請求項23乃至27記載の光学機器。
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