JP4269386B2 - 撮像光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子カメラの撮像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCDなどの撮像素子を用いたデジタルスチルカメラ(以下、本明細書中ではデジタルスチルカメラを単に「DSC」と称する)では、被写体の空間周波数と撮像素子の前面にあるドット状色分解フィルタの繰り返しピッチとのビートにより発生する色の偽信号、いわゆる「色モアレ」の発生を防止するために、撮影レンズと撮像素子との間に空間周波数フィルタが配設される。この空間周波数フィルタは、複屈折効果を有する複屈折板を用いて構成されており、複屈折板の有する複屈折効果によってビートを起こす空間周波数を制限する。複屈折板の材料としては、一般的に水晶が用いられる。
【0003】
特公平6−20316号公報には、上述した複屈折板を2枚用い、ドット状の色分解フィルタを有する撮像素子に適した空間周波数フィルタが提案されている。この空間周波数フィルタは、複屈折による像のずれる方向をほぼ90度ずらした2枚の複屈折板で、位相差板としての1/4波長板を挟んだ構成のものとなっている。
【0004】
ところで、DSCのうち、レンズ交換のできる一眼レフタイプのDSCでは、縮小光学系等を用いずに撮影レンズの一次結像面に直接撮像素子を配置するいわゆるダイレクト結像式のものが近年主流になりつつある。ダイレクト結像式のものが主流になりつつある背景として、従来のテレビカメラ等で用いられていた2/3インチサイズ(6.8mm×8.8mm程度)や1インチサイズ(9.3mm×14mm程度)のCCDに代わり、15.5mm×22.8mm程度のイメージエリアサイズの大きなCCDが製造され、これを利用することができるようになったことによる。この程度のイメージエリアの大きさがあれば、銀塩フィルムでのIX240システム(APS)におけるCタイプにほぼ匹敵するサイズ(縦横比約2:3=15.6mm×22.3mm)の画面となる。比較的大きなイメージエリアサイズのCCDを用いることにより、2/3インチサイズや1インチサイズのCCDを用いたのでは35mmフィルムに比べCCDのサイズが小さすぎるために35mmフィルムサイズのごく一部しか撮影できないといった不具合が解消される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、撮影レンズによる一次像をCCDにダイレクト結像させる一眼レフタイプのDSCでは、イメージエリアサイズが増すにつれ、以下に説明するように光学的な問題点が無視できなくなってくる。
【0006】
画素数を増すことなくCCDのイメージエリアを拡大すると、画素一つ一つの大きさが大きくなる。画素の大きさが増すと、画素ピッチも増す。空間周波数フィルタは、一つの入射光を複数の光に空間的に分離するものであるが、これらの光の相対ずれ量を画素ピッチの増加に応じて増す必要がある。この相対ずれ量を増すためには複屈折板の厚みを増す必要があり、したがって空間周波数フィルタの厚みは増す。
【0007】
ところで、厚さd、屈折率nを有する媒質中を光が透過して進む場合の空気換算光路長は、d/nで表される。つまり、同じ屈折率nの媒質中を光が進む場合に、厚さdが異なれば空気換算光路長(以下、本明細書中では空気換算光路長を単に「空気換算長」と称する)も異なる。いま、撮影光学系の光軸上の一点からCCDに向けて出射し、画面中央に達する光と画面周辺に達する光とを考える。
【0008】
画面中央に達する光は、空間周波数フィルタの光入射面に対し、ほぼ直角に入射するので、dは空間周波数フィルタの厚みにほぼ等しい。これに対し、画面周辺に達する光は空間周波数フィルタ中を斜めに進むため、画面中央に達する光に比べてdが大きくなる。このように、画面中央に達する光と画面周辺に達する光とで空間周波数フィルタを透過する際の空気換算長が異なるため、画面中央部と画面周辺部とでは光軸方向に焦点ずれを生じる。
【0009】
CCDのイメージエリア拡大すなわち画素ピッチが大きくなると空間周波数フィルタの厚みも増加する。空間周波数フィルタの厚み増加によって上述した焦点ずれの量も大きくなり、特に画面周辺部における画質低下の要因となる場合があった。
【0010】
本発明は、撮像素子のイメージエリアが拡大、あるいは画素ピッチが拡大されても、画面周辺部における画質の低下を抑制可能な空間周波数フィルタを備えた撮像光学系を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1) 一実施の形態を示す図1に対応付けて以下の発明を説明すると、請求項1に記載の発明は、入射光を第1の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第1複屈折板11と;第1複屈折板11から射出される二つの光のそれぞれのうち、一の振動方向に振動する成分の光と、一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差を生じせしめる1/4波長板13と;1/4波長板13から射出される二つの光のそれぞれを第1の方向と異なる第2の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第2複屈折板12とを有する光学的空間周波数フィルタSFを、撮影レンズ10と撮像素子35との間の光路中に配設する撮像光学系に適用される。そして、第1複屈折板11および第2複屈折板12は略同一の厚さおよび材質であって;撮影レンズ10に近い側から順に第1複屈折板11、1/4波長板13および第2複屈折板12が配列され;撮像素子35の撮像面の対角方向の最大像高をA、撮像面35pから撮影レンズ10の射出瞳Lまでの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に第1複屈折板11および第2複屈折板12の厚みt1および正常光に対する屈折率n1が以下の条件式を満足することにより上述した目的を達成する。
【数4】
(2) 一実施の形態を示す図9に対応付けて以下の発明を説明すると、請求項2に記載の発明に係る撮像光学系の空間周波数フィルタSFAは、第1複屈折板11Aおよび第2複屈折板12Aが略同一の正常光に対する屈折率n1を有するものである。そして、撮影レンズ10に近い側から第1複屈折板11A、1/4波長板13Aおよび第2複屈折板12Aが配列され;撮像素子35の撮像面35pの対角方向の最大像高をA、撮像面35pから撮影レンズ10の射出瞳Lまでの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に第1複屈折板11Aの厚みt11および正常光に対する屈折率n1ならびに第2複屈折板12Aの厚みt12および正常光に対する屈折率n1が以下の条件式を満足するものである。
【数5】
(3) 一実施の形態を示す図10に対応付けて以下の発明を説明すると、請求項3に記載の発明に係る撮像光学系の空間周波数フィルタSFBは、第1複屈折板11Bおよび第2複屈折板12Bは互いに異なる厚みおよび正常光に対する屈折率を有し;撮影レンズ10に近い側から第1複屈折板11B、1/4波長板13および第2複屈折板12Bが配列され;撮像素子35の撮像面35pの対角方向の最大像高をA、撮像面35pから撮影レンズ10の射出瞳Lまでの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に第1複屈折板11Bの厚みt11および正常光に対する屈折率n11ならびに第2複屈折板12Bの厚みt12および正常光に対する屈折率n12が以下の条件式を満足するものである。
【数6】
【0012】
なお、本発明の構成を説明する上記課題を解決するための手段の項では、本発明を分かり易くするために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、DSCの内部において撮影レンズ10と撮像素子35との間に空間周波数フィルタSFが配設される様子を概略的に示す図である。空間周波数フィルタSFは、2枚の複屈折板11および12の間に位相差板13を挟んだ構成となっている。複屈折板11および12の厚さは等しく、t1である。位相差板13の厚さはt2である。また複屈折板11および12の屈折率はn1であり、位相差板13の屈折率はn2である。撮像素子35にはCCDやMOS型イメージセンサ等の素子が用いられる。
【0014】
上記空間周波数フィルタSFの作用について図2を参照して説明する。なお、図2において撮影レンズ10の光軸と平行な方向にX軸をとり、撮像素子35の画素配列方向のうちの水平配列方向に平行な方向にY軸をとり、同じく垂直配列方向にZを軸をとる。そしてこれらX、Y、Z軸に沿う方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向と称して説明をする。図2において、X軸、Y軸およびZ軸はそれぞれ互いに略直交する。
【0015】
複屈折板11および12は、それらの複屈折方向が互いに略直交するように配設される。位相差板13は、入射する直線偏光のうち、一の振動方向に振動する成分の光と、一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差を生じせしめるためのものであり、1/4波長板とも称される。
【0016】
複屈折板11は、入射光36をY方向に沿って以下に説明するように空間的に分離する。すなわち複屈折板11は、入射光36を互いに直交する振動方向を有する二つの直線偏光である正常光37と異常光38とに分離する。これら正常光37および異常光38に対して複屈折板11は異なる屈折率を有している。したがって、正常光37および異常光38が複屈折板11を透過する際に相異なる屈折作用を受け、上述したように空間的に分離される。
【0017】
正常光37および異常光38は、位相差板13を透過する際にそれぞれ円偏光37’および38’に変換される。円偏光37’および38’に対して複屈折板12は、自然光(ランダム偏光)に対するのと同等の作用をするので、円偏光37’および38’は複屈折板12によってそれぞれZ方向に空間的に分離される。つまり、円偏光37’は正常光39と異常光40とに空間的に分離される一方、円偏光38’は正常光41と異常光42とに空間的に分離される。
【0018】
上述のようにして、入射光36は周波数フィルタSFを透過して互いに略直交するX方向およびY方向に空間的に分離され、撮像素子35上に4重像が形成される。複屈折板11および12は、上述したようにその複屈折方向が互いに直交するように配設されているため、4重像を構成する各点において強度が等しくなる。
【0019】
複屈折板11および12の複屈折作用による分離量dは、以下の式(48)で求められる。
【数7】
d=t×(ne2−no2)/(2×ne・no) … 式(48)
ここで t :複屈折板11または12の厚さ
ne:異常光に対する屈折率
no:正常光に対する屈折率
【0020】
以上の式(48)において、dは撮像素子35の画素ピッチによって決まり、neおよびnoは複屈折板11および12の材質によって決まる。つまり、複屈折板11または12の厚さt1は、撮像素子35の画素ピッチと複屈折板11および12の材質とによって決まる。
【0021】
ここでは詳細に説明しないが、位相差板13の厚さt2も同様にして定められる。すなわち、上述したように入射する直線偏光のうち、一の振動方向に振動する成分の光と、一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差が生じるように位相差板13の厚さt2が定められる。以上のようにして定められる位相差板13の厚さt2は、一般的に0.5mm程度となる。
【0022】
以上のように構成される空間周波数フィルタSFの厚みと撮像素子35のイメージエリアサイズとの関連について説明する。
【0023】
ここで、2/3インチのイメージエリアサイズを有する130万画素程度の撮像素子を用いる場合と、15.5mm×22.8mmのイメージエリアサイズを有する200万画素程度の撮像素子を用いる場合とを例にとり、空間周波数フィルタの総厚がどの程度になるかについて一般論を述べる。そして、空間周波数フィルタの厚みが増すことにより生じる光学的な問題点について説明する。
【0024】
2/3インチ程度の画面サイズで130万画素程度の画素数を有する撮像素子では、画素ピッチは6.6μm程度である。複屈折板として最も一般的な水晶を用いてこの程度の画素ピッチに相当する像の分離量を得るに必要な厚みtを求めると、以下のようになる。水晶は、589nmの波長を有する光に対して以下の屈折率を有する。
ne=1.55336
no=1.54425
【0025】
式(48)においてd=6.6μmとして逆算すると、複屈折板1枚あたりの厚さtは1.12mm程度になる。位相差板の厚さは分離量に関係なく、上述のように0.5mm程度必要なので、この場合に空間周波数フィルタとして3枚貼り合わせた厚さは2.74mm程度となる。
【0026】
一方、IX240システムにおけるCタイプに匹敵するような、15.5mm×22.8mm程度のイメージエリアサイズで約200万画素程度の画素数を有する撮像素子では、その画素ピッチは約13.2μmとなる。複屈折板を2/3インチ撮像素子の例と同様に水晶で構成するものとし、画素ピッチ13.2μmに相当する像の分離量を得るのに必要な厚みtを求めると、式(48)においてd=13.2μmとして逆算し、t=2.25mmとなる。この複屈折板2枚の厚みと位相差板の厚み0.5mmを合わせると、空間周波数フィルタの総厚は約5mmとなり、画素ピッチが6.6μmのときの空間周波数フィルタの厚みの約82%増しとなってしまう。さらに、撮像素子を用いたDSCでは、撮像素子の分光感度が人間の目のそれと異なるため、撮像光路内に赤外光をカットするIRカットフィルタを配置するのが通例である。このIRカットフィルタ(厚さ0.5mm程度)も、空間周波数フィルタと貼り合わせて配置する。すると画素ピッチ13.2μm対応の空間周波数フィルタは、IRカットフィルタと合わせて合計4枚で5.5mmもの厚さになる。
【0027】
ここで図3を参照し、撮影レンズ10と撮像素子35との間に総厚Tの空間周波数フィルタSFが配設されることにより生じる光学的な問題点について説明する。
【0028】
いま、説明を簡略化するために撮影レンズ10と撮像素子35との間に配設される総厚Tの空間周波数フィルタSFは均一な屈折率nを有するものとする。空間周波数フィルタSFを撮影レンズ10と撮像素子35との間に配設したことにより、レンズ10と撮像素子35の撮像面35pとの間の空気換算長は、この空間周波数フィルタSFが存在しない場合に比べて以下の式(49)で示されるように変化する。
【数8】
【0029】
ところで、上記式(49)で表される空気換算長の変化量Δ1は、撮影レンズ10の光軸Ax上を進む光線に関するものであって、空間周波数フィルタSFに垂直に光線が入射する場合にのみ成立する。レンズ10の射出瞳Lの中心Pを通ってフィルタSFへの入射角φが最大になるのは撮像素子35の撮像面35pの対角の隅35aに光線SRが入射する場合である。この光線SRのフィルタSF入射後の屈折角をθ1、光線SRのフィルタSL中の光路長をL1とすると、光線SRの進行方向に沿う空気換算長の変化量Δ3は、以下の式(50)で求められる。そして、この式(50)から光軸方向の空気換算長の変化量Δ2は、以下の式(51)で求められる。
【数9】
【0030】
式(49)および式(51)より、撮像素子35の撮像面35pの中心35cに達する光線と対角の隅の点35aに達する光線とでは空気換算長の変化量に以下の式(52)で示されるような差Δ2−Δ1を生じる。この差により画面中心と周辺とで焦点ずれを生じ、撮影レンズ10の結像面が平坦でなくなる。したがって、上述した差Δ2−Δ1が大きくなると画面周辺部での画質低下を招く。
【数10】
【0031】
差Δ2−Δ1は、式(52)から明らかなように、画面対角の隅35aへ入射する光線であっても空間周波数フィルタSFへの入射角がそれほど大きくない限りθ1 φとみなせるので、Δ2−Δ1は0とみなせる。
【0032】
画面対角の隅へ入射する光線であっても空間周波数フィルタSFへの入射角がそれほど大きくならない条件は、以下の二つである。すなわち、第1の条件は、撮影レンズ10の射出瞳Lと撮像面35pとの距離(PO)が長いことである。第2の条件は、撮像素子35のイメージエリアサイズが小さい、つまり撮像面35pのエリアサイズが小さくて画面中心35cから画面対角の隅35aまでの距離Aが小さいことである。
【0033】
一眼レフタイプのDSCでは、銀塩の135タイプフィルムを用いるカメラに用いられる交換レンズがそのまま使用できることが多いので、POの比較的短い50mm程度のレンズも用いられる。撮像素子の撮像サイズを仮に24mm×16mm(横:縦=3:2)、画素ピッチ13.2μmとし、PO=50mmのレンズ10を装着した場合、上述した差Δ2−Δ1がどの程度になるか算出してみる。
【0034】
フィルタSFの厚さ5mm(画素ピッチ13.2μm、位相差板の厚み0.5mmを含む)、n=1.54(水晶)と仮定すると、画面対角の像高=14.4mmとなり、空間周波数フィルタへの入射角φ=16.1°となる。屈折の法則よりθ1=10.4°となり、式(52)より画面中央35cと画面対角35aでの焦点ずれ量Δ2−Δ1は約75μmとなる。
【0035】
上記計算結果を先に例示した2/3インチサイズ(対角の像高=5.6mm、画素ピッチ6.6μm)の撮像素子を用い、PO=100mmのレンズがついた場合と比較してみると、入射角φ=3.2°よりθ1=2.1°となる。2/3インチサイズの撮像素子の画素ピッチは6.6μmであることより、空間周波数フィルタSF(n=1.54)の厚さが約2.7mm(同じく位相差板含む)となるので、この場合の画面対角での焦点ずれ量Δ2−Δ1は約1.6μmとなり、75μmの約2%でしかない。
【0036】
ところで、撮像素子で撮像した場合の焦点深度について論じる場合に、前提となる許容錯乱円の直径、すなわち許容錯乱円径をどのように定めるかが問題となる。135タイプ(35mmフルサイズ)の銀塩フィルムでは、許容錯乱円径を約33μm(=1/30mm)とする説がある。一方、撮像素子で撮像した場合には、許容錯乱円径を撮像素子の画素ピッチの何倍とするかについて1倍から3倍程度の間で諸説あるが、ここでは、許容錯乱円径を仮に画素ピッチの2倍の大きさとする。
【0037】
焦点深度は、撮影レンズの設定絞り値と許容錯乱円径との積で求められる。したがって、撮影レンズの設定絞り値をF2.8、画素ピッチを13.2μmとした場合の焦点深度は、2.8×13.2μm×2=74μmとなる。また、撮影レンズの設定絞り値をF2.8、画素ピッチを6.6μmとした場合の焦点深度は2.8×6.6μm×2=36μmとなる。36μmの焦点深度に対し1.6μmの焦点ずれは全く問題とならないが、74μmの焦点深度に対し75μmの焦点ずれは大きな問題となる。たとえ画面中央で誤差なしで焦点がぴったりと合ったとしても、画面対角の隅では空間周波数フィルタSFの厚さによる焦点ずれが焦点深度を既に超えており、これにさらに画面中央での焦点合わせの誤差要因(撮像画面の位置調整精度、レンズのピント合わせ誤差等)が加われば、画面対角の画像において誤差要因に対する許容幅が全くなくなってしまうからである。
【0038】
空間周波数フィルタへの入射角と上述した焦点ずれ量との関係を、空間周波数フィルタの厚さをパラメータとしてグラフ化したのが図4である。図4のグラフにおいて、曲線1が画素ピッチ13.2μmの撮像素子に対応した水晶の複屈折板を用いた比較的厚い空間周波数フィルタによる焦点ずれ量の変化を示し、曲線2が画素ピッチ6.6μmの撮像素子に対応した水晶の複屈折板を用いた比較的薄い空間周波数フィルタによる焦点ずれ量の変化を示している。PO=50mm、画素ピッチ13.2μm、対角像高14.4mmの場合がT点であり、PO=100mm、画素ピッチ6.6μm、対角像高5.6mmの場合がS点で表される。
【0039】
画素ピッチ6.6μmの撮像素子を24mm×16mmまで大型化すると、画面対角での焦点ずれ量はS点から曲線2に沿って右上がりに増大し、入射角16.1°でのS1点の値となる。しかし、大型化した撮像素子の画素ピッチは画素数の増大と製作上の歩留まり等を比較考量し、また感度を向上させる目的もあり、画素ピッチも大きくするのが一般的である。すると、それに対応して水晶を用いた空間周波数フィルタの厚さも増さなければならない。
【0040】
この空間周波数フィルタの厚さ増しによって、焦点ずれ量は曲線2上のS1点からさらに上に向かって増大し、画素ピッチ13.2μmの撮像素子の場合は曲線1上のT点となる。このように、イメージエリアサイズの大きい撮像素子において画面対角での焦点ずれ量が飛躍的に増大するのは、画面対角への入射光のフィルタへの入射角が増大することと、画素ピッチの増大によりフィルタの厚さの増大を招くこととが相乗されるからである。
【0041】
図4と同様のグラフを図5に示す。図5では画素ピッチ13.2μmの撮像素子に対応した水晶の複屈折板を用いた空間周波数フィルタによる焦点ずれ量の変化を示す曲線と、画素ピッチ9μmの撮像素子に対応した水晶の複屈折板を用いた空間周波数フィルタによる焦点ずれ量の変化を示す曲線とが図示されている。
【0042】
いま、上述した焦点ずれの許容値を焦点深度の1/3と仮定する。撮影レンズの設定絞り値がF2.8の場合、焦点深度は2.8×画素ピッチ×2で与えられる。焦点ズレの許容値を画素ピッチで表現すると、2.8×画素ピッチ×2÷3=1.9×画素ピッチとなる。1.9画素ピッチの焦点ずれ(13.2μmの画素ピッチで25.1μm、9μmの画素ピッチで17.1μm)は、図5より入射角約9.5°付近のときに生じることが読み取れる。TAN9°=0.158となるので、画面対角の像高をAとしたとき、TANφ=A/PO≧0.15 程度を越すようなPO、および画面対角の像高Aの組み合わせを有することがある場合に画面対角での焦点ずれを考慮したフィルタにしなければならないことがわかる。
【0043】
ここで再び図1を参照し、本発明の実施の形態に係る空間周波数フィルタSFで如何にして上述した焦点ずれが減じられるかについて説明する。図1に示すように、撮影レンズ10の射出瞳Lの中心を通って撮像面35pの対角の隅35aへ入射する光線SRの複屈折板11に入射後の屈折角をθ1(複屈折板11および12の屈折率は互いに等しいので、複屈折板12に入射後の屈折角も同じθ1である)とする。同じく、光線SRの位相差板13入射後の屈折角をθ2とする。また、複屈折板11、12の屈折率をn1、位相差板13の屈折率をn2とする。
【0044】
複屈折板11、位相差板13、そして複屈折板13それぞれを透過することにより生じる画面対角での焦点ずれ量は、式(52)より、複屈折板11、12それぞれによる分が以下の式(53)で、位相差板13による分が以下の式(54)でそれぞれ求められる。空間周波数フィルタSFにより画面対角で生じる焦点ずれ量Δaは両者の和となり、以下の式(55)により求めることができる。
【数11】
【0045】
この画面対角での焦点ずれ量の許容値の考え方について再度説明する。画面中央(=レンズ光軸上)での焦点位置には、ピント合わせ誤差(AFによる側距誤差やレンズ停止精度誤差、あるいはマニュアルの場合のピント合わせ誤差)が必ずといってよいほど存在し、カメラの像面位置自体の機械的精度自体も誤差=0とすることは困難である。よってこれらの誤差は、最終的には像面の焦点深度(=撮影レンズの設定絞り値と許容錯乱円径との積)によってカバーしなければならない。したがって、焦点ずれ量の許容値=焦点深度とすることはできず、焦点ずれ量の許容値は焦点深度のK倍(K<1)以内としなければならないこととなる。画面中央における上述したピント精度のばらつき要因を考慮すると、焦点深度の1/4〜1/3程度(0.25≦K≦0.35)にするのが常識的な値と考えられる。
【0046】
一方、既に述べたように、撮像素子での撮像画面の場合、許容錯乱円径が撮像素子の画素ピッチの何倍となるかについては1倍〜3倍程度の間で諸説あるので、許容錯乱円径をB×d(1≦B≦3、d:画素ピッチ)とする。
【0047】
撮影レンズ10の設定絞り値をFnoとし、上述した関係を数式で表すと、式(56)で示される。
【数12】
【0048】
レンズの射出瞳Lから撮像面35pまでの距離と撮像素子35のイメージエリアサイズを固定し、位相差板の材質と厚さを一定(例えば一般的な水晶で厚さ0.5mm程度)とすれば、n2=1.54、θ2=10.4°、t2=0.5と、定数となる。また、φも一定値となり、式(56)の左辺第2項は定数となる。したがって、θ1はn1の関数として表すことができ、式(56)は以下の式(57)のように表すことができる。
【数13】
【0049】
ここで画面対角の像高14.4mm(24mm×16mmの対角)、像面からレンズの射出瞳までが空気換算長で50mm、K=0.3、B=3、d=12μm、Fno=2.8の場合を考えると、フィルタへの入射角φ=16.1°、θ2=10.4゜より、Y(n1)およびCは以下の式(63)および式(64)で求められる。
【数14】
【0050】
これらの値を代入して、式(57)の関係をn1を横軸に、t1を縦軸にとってグラフにすると、図6の曲線Gのようになる。式(57)の不等式を満たすt1とn1の組み合わせは、図6の曲線Gより下の領域に存在する組み合わせとなる。複屈折板11および12の材料として、上述のような屈折率n1および厚みt1の組み合わせとなるように選定することにより、画面対角での焦点ずれ量が所定の値(BとKの値を決めることにより決まった許容値)以下となる。例えば複屈折板11および12に水晶を用いる場合を考える。この複屈折板11および12に水晶を用いたときの厚さをt1qとすれば、d=12μmを式(48)に代入してt1q=2.04mmとなる。水晶の屈折率n1q=1.54であるから、図6に示すグラフ中の(n1q、t1q)の座標は点Qの位置になり、画面対角での焦点ずれ量が許容値以下にはならないことがわかる。
【0051】
そこで、水晶と同じ複屈折作用を有する材料として知られるリチウムナイオベート(LiNbO3)を複屈折板11および12の材料として用いる場合を考える。リチウムナイオベートの異常光屈折率neおよび正常光屈折率noは、それぞれ、ne=2.2238、no=2.3132(=n1b)である。この複屈折板11および12の材料としてリチウムナイオベートを用いたときの厚さをt1bとすれば、d=12μmおよび上述のne、noを式(48)に代入してt1b=0.3mmとなる。
【0052】
(n1b,t1b)の座標は、図6のグラフにおいて点NBの位置となる。点NBは曲線Gよりも下の領域にあり、焦点ずれが余裕をもって許容値内に収まることがわかる。
【0053】
次に、評価基準を厳しく取り、K=0.25、B=1.5としたときのグラフを図7に示す。この評価基準では、複屈折板11および12の材料としてリチウムナイオベートを用いた場合の点NBも曲線G’の上側の領域に位置し、厳しい評価基準では焦点ずれ量が許容値以下ではなくなる。この場合には、図7において点NAで表されるチリ硝石(NaNO3、ne=1.34、no=1.60)や点TIで表されるルチル(TiO2、ne=2.9、no=2.61)などを複屈折板11および12の材料としてを使用すれば許容値以下になることがわかる。
【0054】
このような評価基準のレベル設定は、KとBの値の選択、そして装着可能な撮影レンズのF値や射出瞳位置の位置、さらにはどの程度の像高までピントの合った画像を保証するかによって決まる。F値の選択は、レンズ交換のできないカメラであれば当然そのレンズの開放F値ということになるし、レンズ交換式のカメラであれば、装着される可能性のあるレンズのうち最も明るい開放F値のレンズの開放F値とするのが常識的な選択である。射出瞳の位置についても同様である。また、KおよびBの設定は、前述した設定値の範囲内で、この空間周波数フィルタが組み込まれる電子カメラの全体的な目標性能のレベル等から設定することとなる。例えば、使用可能な交換レンズのラインナップ中に開放F値が1.4のレンズがあって、そのレンズの使用が予想されるならば、当然その開放F値に見合う目標性能を設定する必要がある。図8に、K=0.33、B=3においてFno=1.4とし、複屈折板11および12の材料としてリチウムナイオベートを用いた場合(NB)の評価結果を示す。
【0055】
以上では、撮像素子35の画素が縦・横の両方向に同じ配列ピッチで配列された、いわゆる正方画素配列の撮像素子と本発明に係る空間周波数フィルタSFとを組み合わせる例について説明した。しかし、撮像素子35は必ずしも正方画素配列である必要はない。撮像素子35が正方画素配列のものでない場合、縦・横方向の配列ピッチに応じて2枚の複屈折板11および12による像の分離量を相異なるものとする必要がある。このような場合には、同じ材料で2枚の複屈折板を構成し、厚みを相異なるものとする方法と、2枚の複屈折板を同じ厚みで屈折率の相異なる材料で構成する方法と、2枚の複屈折板の厚みおよび屈折率を相異なるものとする方法とがある。
【0056】
同じ材料で2枚の複屈折板を構成し、これら2枚の複屈折板の厚みを相異なるものとする例を図9に示す。図9において、撮影レンズ10と撮像素子35Aとの間に配設される空間周波数フィルタSFAを構成する2枚の複屈折板11Aおよび12Aの厚みをそれぞれt11、t12とすると、式(57)に相当する条件式は以下の式(65)で示されるようになる。
【数15】
【0057】
2枚の複屈折板の厚みが相異なるものである場合、図6に相当するグラフは(n1、t11+t12)を変数として同様に描かれ、選択した複屈折材は、その屈折率n1をX座標とし、必要な像分離量から求まる厚みt11およびt12の和t11+t12をY座標とする座標位置で評価される。
【0058】
2枚の複屈折板の厚みを相異なるものとするとともに、屈折率も相異なるもので構成する例を図10に示す。図10において、撮影レンズ10と撮像素子35Aとの間に配設される空間周波数フィルタSFBを構成する2枚の複屈折板11Bおよび12Bそれぞれの厚さをt11、t12、屈折率をn11、n12とすると、式(57)に相当する条件式は以下の式(71)で示されるようになる。
【数16】
【0059】
以上の実施の形態の説明においては、DSC用の空間周波数フィルタに本発明を適用する例について説明したが、ビデオカメラ等、個体撮像素子を有する他のカメラや機器等にも本発明は適用可能である。
【0060】
以上の実施の形態の説明では、撮影レンズ10と撮像素子との間に配設されるのは空間周波数フィルタのみである場合を例にとって説明したが、赤外カットフィルタが上記空間周波数フィルタとともに配設されるものであってもよい。この場合、赤外カットフィルタの厚みによる焦点ずれの影響を考慮する必要があるのは言うまでもない。
【0061】
また、以上の実施の形態の説明において、図1に示される正方画素配列の撮像素子35とともに用いられる空間周波数フィルタSFを構成する第1複屈折板11および第2複屈折板12の厚みt1および屈折率n1は、互いに等しいものであった。しかし、本発明はこの例に限られない。つまり、1枚の複屈折板によって入射光線が二つの空間的に離れた光線に分離される際の分離距離は、複屈折板の厚みと屈折率との積によって決まるものである。したがって、撮像素子が正方画素配列のものであっても2枚の複屈折板の厚みおよび屈折率を互いに異なるものとする組み合わせであってもよい。また、第1および第2の複屈折板によって光を分離する方向の相対角度は90゜に限られるものではなく、分離パターンにより30゜、45゜、60゜等、種々の角度に設定する場合もある。
【0062】
【発明の効果】
以上に説明したように、
(1) 請求項1に記載の発明によれば、撮像光学系が有する空間周波数フィルタに用いる2枚の複屈折板の正常光に対する屈折率と厚みが同じ場合において、その屈折率および厚みの組み合わせを、所定の条件を満足するように選択することで、画面対角での焦点ずれ量を減じ、画面周辺部での画質低下を抑制できる。
(2) 請求項2に記載の発明によれば、撮像光学系が有する空間周波数フィルタに用いる2枚の複屈折板の正常光に対する屈折率および厚さのうち、厚さのみが異なる場合においてその厚さの和および屈折率の組み合わせを、所定の条件を満足するように選択することで、画面対角での焦点ずれ量を減じることができる。
(3) 請求項3に記載の発明によれば、撮像光学系が有する空間周波数フィルタに用いる2枚の複屈折板の正常光に対する屈折率と厚さの双方が異なる場合において、その屈折率および厚さ双方の組み合わせを、所定の条件を満足するように選択することで、画面対角での焦点ずれ量を減じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る空間周波数フィルタの概略的構成を示す図であり、2枚の複屈折板の厚みおよび屈折率が互いに等しい組み合わせ例を説明する図である。
【図2】 撮影レンズより射出された光線が複屈折板により4つの光線に分離される様子を説明する図。
【図3】 空間周波数フィルタによって焦点ずれが生じる様子を説明する図。
【図4】 空間周波数フィルタに入射する光線の入射角と焦点ずれ量との関係を説明する図。
【図5】 空間周波数フィルタに入射する光線の入射角と焦点ずれ量との関係を説明する図。
【図6】 複屈折板板の屈折率および厚みの組み合わせを選択する方法の一例を説明する図。
【図7】 複屈折板板の屈折率および厚みの組み合わせを選択する方法の別の一例を説明する図。
【図8】 複屈折板板の屈折率および厚みの組み合わせを選択する方法のさらに別の一例を説明する図。
【図9】 本発明の実施の形態に係る空間周波数フィルタの概略的構成を示す図であり、2枚の複屈折板の厚みが互いに異なり、屈折率が互いに等しい組み合わせの例を説明する図である。
【図10】 本発明の実施の形態に係る空間周波数フィルタの概略的構成を示す図であり、2枚の複屈折板の厚みおよび屈折率が互いに異なる組み合わせの例を説明する図である。
【符号の説明】
10 撮影レンズ
11、12、11A、12A、11B、12B 複屈折板
13 位相差板
35 撮像素子
35p 撮像面
SF 空間周波数フィルタ
Claims (3)
- 入射光を第1の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第1複屈折板と、
前記第1複屈折板から射出される前記二つの光のそれぞれのうち、一の振動方向に振動する成分の光と、前記一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差を生じせしめる1/4波長板と、
前記1/4波長板から射出される前記二つの光のそれぞれを前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第2複屈折板とを有する光学的空間周波数フィルタを、撮影レンズと撮像素子との間の光路中に配設する撮像光学系において、
前記第1複屈折板および前記第2複屈折板は略同一の厚さおよび材質であって、
前記撮影レンズに近い側から順に前記第1複屈折板、前記1/4波長板および前記第2複屈折板が配列され、
前記撮像素子の撮像面の対角方向の最大像高をA、撮像面から撮影レンズの射出瞳までの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に前記第1複屈折板および前記第2複屈折板の厚みt1および正常光に対する屈折率n1が以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
- 入射光を第1の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第1複屈折板と、
前記第1複屈折板から射出される前記二つの光のそれぞれのうち、一の振動方向に振動する成分の光と、前記一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差を生じせしめる1/4波長板と、
前記1/4波長板から射出される前記二つの光のそれぞれを前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第2複屈折板とを有する光学的空間周波数フィルタを、撮影レンズと撮像素子との間の光路中に配設する撮像光学系において、
前記第1複屈折板および前記第2複屈折板は略同一の材質であって、
前記撮影レンズに近い側から順に前記第1複屈折板、前記1/4波長板および前記第2複屈折板が配列され、
前記撮像素子の撮像面の対角方向の最大像高をA、撮像面から撮影レンズの射出瞳までの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に前記第1複屈折板の厚みt11および正常光に対する屈折率n1ならびに前記第2複屈折板の厚みt12および正常光に対する屈折率n1が以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
- 入射光を第1の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第1複屈折板と、
前記第1複屈折板から射出される前記二つの光のそれぞれのうち、一の振動方向に振動する成分の光と、前記一の振動方向に対して直交する他の振動方向に振動する成分の光との間に1/4波長分の位相差を生じせしめる1/4波長板と、
前記1/4波長板から射出される前記二つの光のそれぞれを前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って空間的に分割された二つの光に分離するための第2複屈折板とを有する光学的空間周波数フィルタを、撮影レンズと撮像素子との間の光路中に配設する撮像光学系において、
前記第1複屈折板および前記第2複屈折板は互いに異なる厚みおよび材質であって、
前記撮影レンズに近い側から順に前記第1複屈折板、前記1/4波長板および前記第2複屈折板が配列され、
前記撮像素子の撮像面の対角方向の最大像高をA、撮像面から撮影レンズの射出瞳までの空気換算長をPOとしたとき、A/PO≧0.15の場合に前記第1複屈折板の厚みt11および正常光に対する屈折率n11ならびに前記第2複屈折板の厚みt12および正常光に対する屈折率n12が以下の条件式を満足することを特徴とする撮像光学系。
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