JP2939637B2 - 撮像光学系 - Google Patents

撮像光学系

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JP2939637B2 JP2115107A JP11510790A JP2939637B2 JP 2939637 B2 JP2939637 B2 JP 2939637B2 JP 2115107 A JP2115107 A JP 2115107A JP 11510790 A JP11510790 A JP 11510790A JP 2939637 B2 JP2939637 B2 JP 2939637B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、テレビジョンカメラ,電子スチルカメラ,
電子内視鏡等に用いられる撮像光学系に関するものであ
る。
[従来の技術] テレビジョンカメラ,電子スチルカメラ,電子内視鏡
などのように、固体撮像素子や撮像管を用いてカラー画
像を得るようにした光学装置においては、固体撮像素子
の画素配列や固体撮像素子,撮像管の前に設けられた色
符号化フィルタのピッチにより定まるサンプリング周波
数と、これらの受光面上に形成される物体像の空間周波
数成分との干渉により、モアレ,エリアジング等と呼ば
れる偽信号が発生し、画質劣化の大きな要因となってい
る。斯かる偽信号を除去するため、従来から撮像素子の
受光面上に物体像を形成する撮像光学系中に、水晶等の
複屈折板から成る光学的ローパスフィルターを設けるこ
とが行なわれている。(例えば特公昭51−14033号公報
参照)。
ところが、従来の光学的ローパスフィルターは、特定
の空間周波数に大きな空間周波数を持つ物体を撮像する
場合には物体の結像条件が変化すると偽信号の除去が不
充分になるかあるいは全く出来なくなり、著しい画質の
劣化を生ずるという問題があった。このような現像は、
ファイバースコープの接眼部にテレビジョンカメラを取
付けて撮像を行なう場合などに顕著に生ずるので、この
例について詳しく説明する。
第20図はファイバースコープの接眼部にテレビジョン
カメラを取付けた状態を模式的に描いたもので、イメー
ジガイドファイバー束1と接眼レンズ2とを内蔵したフ
ァイバースコープ3の接眼部に、撮影レンズ4,複屈折板
から成る光学的ローパスフィルター5,CCD撮像素子6を
内蔵したテレビジョンカメラ7が取付けられておりイメ
ージガイドファイバー束1の射出端面に形成された物体
像を接眼レンズ2,撮影レンズ4により光学的ローパスフ
ィルター5を介してCCD最像素子6の受光面上に再結像
させることにより、撮像を行なうようになっている。周
知のように、イメージガイドファイバー束は多数の光学
ファイバーをいわゆる六方稠密に束ねたもので、その射
出端面を拡大すると、第21図に示すように規則的に配列
された各ファイバーのコアー部8のみが明るく光るよう
なものである。したがって、射出端面に形成された像は
このコアー部8の光班配列が物体の明るさ分布で変調さ
れたものと考えることができ、この物体像の空間周波数
スペクトルはコアー部の配列によって定まる基本周波数
に大きなスペクトル成分を有するものである。この基本
周波数とCCD撮像素子6のサンプリング周波数との干渉
により偽信号が発生するが、一つのテレビジョンカメラ
に種々のファイバースコープを取り付けて撮影を行なう
と偽信号の除去が不充分になる。
第22図,第23図は、これを説明するためのもので、内
視鏡(ファイバースコープ)の接眼部にテレビカメラを
取付けた際に形成される撮像光学系の構成を示す図であ
る。図中1はファイバースコープのイメージガイドファ
イバー束、2は接眼レンズ、14,14′は接眼レンズの射
出瞳、4はテレビカメラの撮影レンズ、6は撮像素子
で、イメージガイド1の射出端面に現われる物体像を接
眼レンズ2と撮影レンズ4とからなる撮像光学系により
撮像素子6上に結像させるようになっている。ファイバ
ースコープにおいては、イメージガイドファイバー束1
の各ファイバーから射出光のNAは一定であるので、接眼
レンズ4と射出瞳14,14′の大きさにより撮像光学系の
Fナンバーが決定される。
又ファイバースコープは、用途に応じて太いものから
細いものまで種々雑多であり、各ファイバースコープ毎
に使用されるイメージガイドファイバー束の太さもまち
まちである。しかし接眼レンズを覗いた時に見える視野
の大きさは、大体同じである方が見易いために、細いイ
メージガイドファイバー束のファイバースコープの接眼
レンズは高倍率、太いイメージガイドファイバー束のフ
ァイバースコープの接眼レンズは低倍率であって、接眼
レンズの倍率もまちまちである。この時見える像の明る
さを揃えるためには、各ファイバーから射出する光のNA
が一定であることから第23図(A)に示すように接眼レ
ンズの倍率が低い(焦点距離が長い)場合は瞳14を大き
くし、又第23図(B)に示すように接眼レンズの倍率が
高い場合には瞳14′を小さくすることになる。そのため
撮影レンズ4の側から見ると、接眼レンズの倍率が低い
場合はFナンバーが小さく、高い場合にはFナンバーが
大きいことになる。
今、仮りにイメージガイドを構成する各ファイバーの
太さが同じで、その配列ピッチがP、接眼レンズ2が低
倍率の場合の接眼レンズ2と撮影レンズ4との合成の倍
率がβ、高い倍率の場合の接眼レンズ2と撮影レンズ
4との合成の倍率がβであるとすると、接眼レンズが
低倍率の場合は、イメージガイドファイバー束の各ファ
イバーによる網目パターンが撮像素子の受光面上に周波
数1/(P・β)で細かく投影され、高倍率の場合には
1/(P・β)で粗く投影される。したがって低倍率の
接眼レンズを備えた内視鏡により撮像する場合、つまり
Fナンバーが小さい場合には、物体像の基本周波数は高
くなり、高倍率の接眼レンズを備えた内視鏡により撮像
する場合、つまりFナンバーが大きい場合は物体像の基
本周波数が低くなる。
[発明が解決しようとする課題] 光学的ローパスフィルタは特定の空間周波数より高周
波側において物体の解像度を低下させることにより、物
体像の空間周波数成分と撮像素子のサンプリング周波数
との干渉を防ぐものであるが、MTFを縦軸、空間周波数
を横軸にとって光学的ローパスフィルタの周波数特性を
示すとき、第25図の実線で示すようにFナンバーが小さ
に時に基本周波数1/(P・β)でMTFが零になるよう
に光学的ローパスフィルタを構成すると、Fナンバーが
小さい時には充分な偽信号除去効果があるが、Fナンバ
ーが大きい時の基本周波数1/(P・β)に対してはMT
Fが大きな値を有するため解像度が充分低下せず、偽信
号を除去することができない。一方、Fナンバーが大き
い時に偽信号が除去されるように周波数1/(P・β
でMTFが零になるように構成すると、Fナンバーが小さ
い時には1/(P・β)以下の周波数でMTFが大きな値
を有する方が望ましいにも拘らず、1/(P・β)の周
波数でMTFが零になってしまうため、必要以上に解像度
が低下し過ぎ、画質を損ねてしまうことになる。
このように、従来の光学的ローパスフィルターを用い
た撮像光学系では、特定の空間周波数に大きなスペクト
ル成分を有する物体の撮像を行なう場合に、偽信号の除
去に関して種々の問題を有している。
本発明は、これらの諸問題に鑑みなされたもので種々
の状況において常に良好な偽信号除去効果の得られる撮
像光学系を提供することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、開口絞りと撮像レンズとを備えた撮像光学
系において、開口絞りの開口の大きさの変動の範囲内で
開口の大きさが小さくなるにつれて空間周波数レスポン
スが低下するような撮像レンズを備えたことを特徴とす
るものである。
このような特性は、開口絞りの開口の大きさが小さく
なるほど錯乱円の大きさが大きくなるように撮影レンズ
の球面収差の補正状態を調節することにより実現出来
る。このような特性を持った球面収差は、撮影レンズに
非球面を導入して高次の収差を意識的に発生させること
によって実現できる。
以下本発明の撮像光学系について詳細に説明する。
既に述べたようにファイバースコープの接眼部に取付
けられ、その射出瞳を明るさ絞りとしてイメージガイド
の射出端面の像を撮像する撮像光学系においては、イメ
ージガイドのファイバーの配列の周波数(すなわち物体
の空間周波数)と撮像光学系の明るさ絞りの径との間に
は第24図に示すような関係がある。図中(A)は第23図
(A)、(B)は第23図(B)の場合の夫々を示してい
る。
このような撮像光学系において、物体像と固体撮像素
子等の撮像手段との間の干渉によるモアレ縞を効果的に
除去するためには、第25図に実線で示すように、瞳径が
小さい場合は、カットオフ周波数を低くし、瞳径が大き
い場合には、図中に破線で示ようにカットオフ周波数を
高くすれば、種々のファイバースコープに応じてNTFが
変化し、常に良好な偽信号除去効果が得られることにな
る。
次に上記のような空間周波数レスポンスを示す撮像レ
ンズの結像性能について説明する。
第12図は撮像レンズ系の像面における像点の結像の様
子を示す図であって縦軸を開口の大きさ横軸を光軸に垂
直な平面内における距離として結像状態を横収差で表わ
したものである。又ΔAは開口の変化する範囲を示して
ある。
開口を小さくするとMTFのカットオフ周波数が下り、
開口を大にするMTFのカットオフ周波数が上がるように
するためには、開口の変化する範囲ΔAでの錯乱円径
が、開口の変化する範囲での開口が最小の時の錯乱円径
φminより小である必要がある。つまり下記式(i)の
関係を有する。
φmin>φ (i) その場合錯乱円径は第13図(A),(B),(C)の
ようになる。これらの図は、縦軸を点像の強度(最大値
を1に規格化してある)横軸を光軸に垂直な面内の距離
として結像スポットの形状を示したもので、(A)は絞
りの開口が最小の場合、(C)は最大の場合、(B)は
その中間の開口状態に関するものである。第12図から明
らかなように、この撮像レンズ系では、最小開口値まで
は横収差が一定であるからスポット形状も(A)に示す
ように横収差値φminを直径とする円柱形となる。開口
の大きさが最小値よい大きくなると横収差φに対応す
る光束が増加するためスポットは(B)に示すように直
径DAの成分が中心に突出した形状になり、それに応じて
錯乱円の直径もφminよりも小さくなって行く。更に開
口の大きさが最大になると横収差φに対応する光束が
最も多くなるので、スポットの形状は(C)に示すよう
に直径φで突出部分が高くなり、錯乱円の直径も更に
小さくなってφに近い値をとるようになる。
現実には、横収差がある開口の大きさの範囲内で完全
に一定値をもつことはなかなか実現し難いと考えられる
ので、スポットの結像状態も第13図に示すような段のつ
いた形ではなく連続的に外径が変化して行くものになる
が概念的には以上のような考察で充分その特性を表現す
ることができるのである。
次に以上のような結像特性を空間周波数の角度から検
討するがここでは、ジェー・グッドマン(J.Goodman)
著「イントロダクション トゥ フーリエオプティクス
(Introdaction to Fourier Optics)」で定義されてい
る特殊関数を用いて考察を進めることにする。
第13図は、2次元的にみれば高さ1、直径φminの円
筒形状であるが、この形状を表わす関数をシリンダー関
数cyl(x)と呼び、以下のように定義する。即ち2次
元極座標を用いることにし、原点からの処理をrとする
である。この関数を用いると第13図(A)は次のように
表現出来る。
cyl(r/φmin) (i) ただしrは実空間の原点からの距離である。
この関数のフーリエ変換が空間周波数特性を与えるこ
とになるが、2次元座標平面において回転対象関数のフ
ーリエ変換は、極座標を用いると0次のハンケル変換に
変形されることになる。ここで任意の関数f(r)とそ
のハンケル変換F(ρ)との関係は、下記の通りであ
る。
ただしJo(2πρr′)等は0次のベッセル関数であ
る。
又(ii)式で示すシリンダー関数の0次のハンケル変
換は、ソンブレロ(sombrero)関数somb(x)を用いて
次の式(iii)のように表わされる。
(πφmin 2/4)somb(φmin ρ) (iii) ただしソンブレロ関数は次のように定義される。
ここでJ1{(π/d)r}は1次のベッセル関数であ
る。
式(iii)が第13図(A)のようなスポット強度を示
す撮像レンズ形のMTFとなり、そのカットオフ周波数
(最初の零点)をρminとするとρminは下記のようにな
る。
ρmin=1.22/φmin 尚ρは周波数平面における原点からの距離すなわち空
間間周波数である。
次に第13図(C)の場合を同様に考察する。第13図
(C)は、2次元的にみると、第14図(A),(B)の
二つの成分を重ね合わせたものと考えることができる。
計算の便宜上、第14図(A)の像高を1、第14図
(B)の像高をaとすると、このスポットの形状は、次
の式の表わすことが出来る。
f(r)=cyl(r/φmin)+a cyl(r/φ) 第2項のハンケル変換は (πaφA 2/4)somb(φρ) で、カットオフ周波数はφ=1.22/φである。したが
ってf(r)のハンケル変換すなわち第13図(C)のよ
うなスポットを与える撮像光学系のMTFは次のようにな
る。
F(ρ)=π/4{φmin 2somb(φmin ρ) +aφA 2somb(φA ρ)} (ix) ここで各ソンブレロ関数somb(ρ)の係数は、第14図
(A),(B)の体積を表わしているので、その比をA
とするとAは次の式(X)の通りである。
A=a・φamin 2 (X) 式(ix)の両辺を開口の大きさを変えても変化しない
定数K=π・φmin 2/4で割ると式(xi)のようになる。
1/K.F(ρ)=somb(φminρ)+Asomb(φρ) (x
i) 係数Aを表わす式(X)におけるaの値を決めるのは
開口の面積である。第15図において開口15,16は開口の
変化の範囲な最大と最小を表わし、最小の開口15の径で
規格化した最大開口16の径をRとすると式(X)は次の
式(xii)のようになる。
A=φAmin(R2−1) (xii) 式(xii)を式(xi)に代入すると下記式(xiii)の
ようになる。
(1/K)・F(ρ)=somb(φminρ) +(φAmin)(R2−1)somb(φρ) …(xiii) この式(xiii)の第2項は、Rとともに大きさが変化
する。したがってR=1つまり開口の大きさが最小値の
ときは(1/K)F(ρ)は第1項のみになり撮像レンズ
系のMTFはρ=1.22/φminをカットオフ周波数とするな
だらかなカーブを描く。しかし開口の大きさが大きくな
るにつれて、式(iii)の第2項が加わるためにMTFは周
波数ρ=1.22/φminでは零でなくなり、第2項の値すな
わち (φAmin)(R2−1)somb{1.22(φφmin)} なる値を持つことになる。この値は、Rが増大ともに急
速に大きくなるから、開口が大きくなるにつれて、ρ=
1.22φminはカットオフ周波数ではなくなる。
一方、ソンブロ関数は、最大の零点より高周波側では
その値が急速に小さくなる。ベッセル関係の性質)か
ら、Rの値が大きくなるとρ=1.22/φが実質的な意
味でのカットオフ周波数になってくる。
以上のように式(xiii)で与えられるMTF特性は、絞
り開口の大きさが最小値から最大値へと移行するにつれ
て当初カットオフ周波数であったρ=1.22/φminにおけ
るMTFの値が徐々に大きくなる一方、それによりも高周
波数側のρ=1.22/φが新たなカットオフ周波数とし
て徐々に明確になってくるような性質を持っており、開
口の大きさの大小に応じてカットオフ周波数が高低に変
化するという当初の目的に適ったものであることが理解
される。
次に上記のようなMTF特性をもった撮像レンズ系を得
るための具体的な手段について説明する。
本発明においては、撮像レンズ系に特別な球面収差を
発生させることにより上記の特性を実現した。
第16図(A),(B)は、このような球面収差を横収
差表示で示した図である。いずれも開口の小さい部分で
球面収差が大きなふくらみを有し、開口の大きい部分で
は、球面収差のふくらみが小さくなっていて、ほぼ第12
図に示したものと同様の特性になっていることがわか
る。
ここで第16図(A),(B)の二つの場合を比較して
みると、この図の(A)に示すタイプのものは、ほぼガ
ウス像面での所望のMTFが得られるのに対して、(B)
に示すタイプのものは、ガウス像面から一定距離デフォ
ーカスすることによって所望のMTFが得られるという違
いがある。
このようなMTFとデフォーカス量との関係を示したの
が第17図である。この図で縦軸はMTF値、横軸はデフォ
ーカス量(ベスト像面からのずれ量)を表わしている。
第16図(A),(B)のいずれのタイプも、夫々のベス
ト像面において所望のMTF値をもつが、(B)のタイプ
のものは、光線の像面への入射位置が光軸に対して一方
の側に片寄っているため、ベスト像面から離れると急激
にMTF値が小さくなってしまう特性がある。したがっ
て、デフォーカスに対して撮像レンズ系のMTF特性が不
安定である。これに対して第16図(A)のタイプのもの
は、比較的安定した特性をもっている。しかもこの形状
の球面収差は、非球面を用いることで容易に実現でき
る。
以上の考察では、撮像レンズ系については、格別の限
定を設けていないが、このレンズ系がズームレンズ等の
変倍レンズ系である場合には、変倍機能を持つレンズ群
よりも入射側で球面収差を発生させることが望ましい。
第18図は、変倍レンズ系の一例として最も物体側に入
射瞳を有するフロント絞りタイプのレンズ系を示してあ
る。この図において9は固定レンズ群、17は水晶板から
なる光学的ローパスフィルター、10はバリエータレンズ
群、12はコンペンセーターレンズ群である。
このレンズ系では、固定レンズ群9で所望の球面収差
が発生させるようにすれば、バリエーターレンズ群10に
よる結像倍率の変化に応じて球面収差の大きさも変化す
るためズーミングによらず常に良好なモアレ除去効果が
得られる。
またこの例では、本発明の方式に加えて水晶板も備え
ているため、両者の特性を加え合わせたモアレ除去効果
がある。この例のようにMTFを制御する手段を組合わせ
る場合には、両者の関係が第19図に示すようになること
が望ましい。
この図において、実線aは水晶フィルターのMTF曲線
で、水晶の場合その特徴としてデフォーカスに対して影
響が全くなく、また低周波でのMTFの劣化が少ない。し
かし欠点として、高周波でMTFが再度高くなりモアレの
除去が不充分である。一方球面収差のカットオフ周波数
は高周波でのMTFは充分小さくおさえられるが、デフォ
ーカスによって特に高周波のMTFが変動する欠点があ
る。尚一点鎖線bが球面収差によるMTFである。以上の
ことから水晶板等の複屈折板と球面収差とを組合わせる
ことによって両者の欠点を補うことが出来る。そして次
の条件を満足するようにして、両者を組合わせて所望の
MTFを得るようにすればデフォーカスに強く、低周波で
の劣化が少なくかつ高周波でのMTFを充分おさえたモア
レ除去に適したMTFが得られる。
ν<ν 第19図における破線Cが両者を組合わせた時のMTFで
ある。
[実施例] 次に本発明の撮像光学系の実施例を示す。
実施例1 f=18.285(ワイド端)、28.252(テレ端) F/3.457(ワイド端)、F/5.125(テレ端) 非球面係数 P=0.9833,E=0.23958×10-2 B=O F=−0.28856×10-2,G=0.13786×10-2 H=−0.33695×10-3,I=0.44546×10-4 J=−0.30277×10-5,K=0.82796×10-7 ワイド端 テレ端 D1 1.100 1.100 D2 1.000 3.540 D3 3.340 0.800 実施例2は、実施例1と同じ諸元を有するもので、非
球面の形状(非球面係数)が異なっている。
実施例2の非球面係数 P=1.0000,E=0.24049×10-2 B=O F=−0.28949×10-2,G=0.13801×10-2 H=−0.33659×10-3,I=0.44436×10-4 J=−0.30188×10-5,K=0.82612×10-7 上記データーで、r1,r2,…は各レンズ面の曲率半径、
d1,d2,…は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n1,n2,…
は各レンズの屈折率、ν12,…は各レンズのアッペ数
である。
実施例1は、第1図に示す構成で、(A)はワイド
端、(B)はテレ端を示す。球面収差を発生させる面は
第1群の凸面である。
この実施例の非球面の形状は、次の式で表わされる。
ここでx,yは光軸をx軸にとって像の方向を正方向に
とり、y軸を面と光軸との交点を原点としてx軸に直交
した方向にとった座標の値、Cは光軸近傍でこの非球面
と接する円の曲率半径の逆数、Pは非球面の形状をあら
わすパラメータ、B,E,F,G…は夫々2次,4次,6次,8次…
の非球面係数である。
P=1でB,E,F,G,…がすべて0の場合は上記式は球面
を表す。
第2図はこの実施例1の球面収差で ワイド端で φmin≒0.03、φ≒0.0175 テレ端で φmin≒0.04、φ≒0.02 である。
又第3図は同実施例のMTFで、開口の変化および変倍
で生ずるMTFの変化は、内視鏡のニーズにしたがって開
口を絞るとMTFは下がり、ワイド端からテレ端になるに
したがってMTFは下がる。尚図中(A),(B),
(C),(D)は夫々ワイド端開口最大、テレ端開口最
大、ワイド端開口最小、テレ端開口最小のものである。
この実施例1には、バリエーター前の水晶フィルター
は1枚だけ挿入した例を示してある。この水晶フィルタ
ーによる点の分離方向は、CCDの水平走査方向に一致さ
せてあり、厚さは2.587mmである。
水晶による点の分離に対する後群の倍率は、ワイド端
で×0.7613、テレ端で×1.1309であり、そのためMTFは
第4図の(A)(ワイド端),(B)(テレ端)に実線
にて示す通りである。ただしこの曲線は水晶フィルター
による効果の他に開口の回折による影響も含めてある。
又第4図の(A)における点線は開口が最大の時の球面
収差によるMTFを掛けたもので、(B)における点線
は、開口最小の時の球面収差によるMTFを掛けたもので
ある。
これら図から明らかなように複屈折板によるMTFと球
面収差によるMTFの長所が出ており、カットオフ周波数
が確実に決められ、複屈折板の欠点である高周波でのMT
Fの持ち上がりが低く押えられている。
実施例2は、非球面の形状(非球面係数)のみが実施
例1と異なっている。第5図に示す球面収差も実施例1
のものとほとんど同じで、 ワイド端で φmin≒0.03、φ≒0.0165 テレ端で φmin≒0.04、φ≒0.02 である。
第6図にはワイド端におけるMTFを、又第7図にはテ
レ端におけるMTFを示してあり、これによりデフォーカ
スに対するMTFの変動がわかる。尚これら図で(A),
(B)は夫々開口最大でデフォーカス量がガウス面より
0.05,0.1、又(C),(D)は夫々開口最小でデフォー
カス量がガウス面より0.05,0.1の場合である。
ただしワイド端テレ端では、デフォーカスの幅が同一
であるが、中央値は、ガウス像面ではない。それは第5
図に示すワイド端の球面収差からもわかるように、全体
的にプラス側に傾いているためにベスト像面が多少右へ
シフトしているためである。このシスト量が多いか少な
いかは、第8図をみればわかる。第8図(A)は実施例
2の開口が最大の時のテレ端における20本/mm、30本/m
m、40本/mmのMTF値のデフォーカスに対する変動量であ
る。又第8図(B)は、同一の近軸量持つある程度球面
収差を除去した光学系である(実施例1,2において非球
面係数のP=1,E.F,…=0)に関するものである。これ
らから第8図(A)は非常に安定していることがわか
る。
この実施例2は、光学フィルターとして第9図(A)
に示すような3枚構成のフィルターが配置されている。
このフィルターを構成する水晶18,19,20はCCDの水平走
査方向に対して常光線と異常光線の分離方向は第9図
(B)の通りで、第9図(C)に示すように1点を8点
に分離する作用を有している。
ファイバースコープとCCDの組合わせの場合、イメー
ジガイドが六方稠密であるためCCDとの傾きは第9図
(C)のように15゜が好ましい。
上記のような水晶フィルターを用いることによって第
10図の実線のようなMTFが得られ、MTFはH方向(CCDの
水平走査方向)に対して描いてある。この図で、(A)
はワイド端、(B)はテレ端であり、変倍と共に変化す
る。これに光学系の球面収差によるMTFが掛かると点線
で示したMTFになる。又(A)は開口が最大の時、
(B)は開口が最小の時である。
各実施例では、バリエーターよりも前に配置する水晶
のみを考えたが、CCDの直前にも水晶等のローパスフィ
ルターを配置してもよい。
各実施例においては光学的ローパスフィルターをレン
ズとは別に設ける構成としているが、レンズ系を構成す
る複数のレンズのいずれかを水晶等の複屈折物質で作
り、そのレンズに光学的ローパスフィルターの機能を負
担させても良い。この場合は該レンズとバリエーターレ
ンズとのは配置関係を各実施例における光学的ローパス
フィルターとバリエータレンズの配置関係と同様に設定
すれば、所期の目的を達成することができる。
高次の球面収差を発生させる手段は、非球面のみでな
く、不均質レンズを用いてもよい。又非球面は、屈折力
を有する面だけでなく、ハーフプリズムの面やカバーガ
ラスの面を上記手段である非球面にしてもよい。
尚実施例においては、本発明の目的を達成するための
高次の球面収差を発生させるために第11図に示すような
非球面形状(図中縦軸は光軸からの高さ、横軸は基準球
面からのずれ量)にしてあり、第5図の球面収差になっ
ている。つまり、非球面形状としては変曲を多数持ち、
この変曲点は、少なくとも開口が最小以下で一つ有する
ことが必要であり、又開口の変化する範囲でも一つ有す
ることが必要であり、合計二つ以上の変曲点が必要であ
る。
[発明の効果] 本発明の撮像光学系は、例えば高次の球面収差を発生
させる等の開口が小さくなると周波数レスポンスの低下
する光学手段を有するもので、これによって種々の影響
状態において最も効果的に偽信号を除去し得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光学系の実施例の断面図、第2図は実
施例1の球面収差曲線図、第3図,第4図は上記実施例
のMTFを示す図、第5図は実施例2の球面収差曲線図、
第6図乃至第8図は実施例2のMTFを示す図、第9図は
水晶フィルターの構成を示す図、第10図は水晶フィルタ
ーを含むMTFを示す図、第11図は本発明で用いる非球面
の1例の基準球面からのずれ量を示す図、第12図乃至第
14図は光学系の開口の大きさとスポットの横収差の関係
を示す図、第15図は光学系の開口の変化範囲を示す図、
第16図は本発明の目的を達成するための球面収差の一例
を示す図、第17図はデフォーカスによるMTFのずれを示
す図、第18図は複屈折板を配置した光学系の一例を示す
図、第19図は複屈折板およびこれと組合わせた光学系の
MTFを示す図、第20図はファイバースコープとテレビカ
メラを組合わせた構成を示す図、第21図はイメージガイ
ド端面の図、第22図、第23図は従来の撮像光学系の構成
を示す図、第24図は上記従来例の絞り径とイメージガイ
ドファイバーによる空間周波数との関係を示す図、第25
図は上記従来例のMTFを示す図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体面を所定の結像面に形成するための撮
    像光学系において、前記光学系内にそのFナンバーを決
    める開口絞りと、前記開口絞りの開口の変化の範囲内で
    開口が小さくなると共に光学系の周波数レスポンスが低
    下する光学手段を備えた撮像光学系。
  2. 【請求項2】前記光学手段が高次の球面収差を発生させ
    る非球面であって、該非球面の非球面形状はその非球面
    量が開口の最小値以下の高さにおいて少なくとも1つ以
    上の変曲点を有する請求項1の撮像光学系。
  3. 【請求項3】撮像光学系が変倍系で、前記非球面が前記
    開口絞りの近傍で光学系のバリエーターよりも物体側に
    配置され変倍により非球面による高次球面収差が拡大さ
    れると共に光学系の周波数レスポンスが低下するように
    したことを特徴とする請求項1又は2の撮像光学系。
  4. 【請求項4】物体面を所定の結像面に形成するための撮
    像光学系において、前記光学系内にそのFナンバーを決
    める開口絞りと、設定された開口内で高次の球面収差を
    発生させることにより所定の周波数レスポンスを低下さ
    せる非球面であって、該非球面の非球面形状はその非球
    面量が開口の最小値以下の高さにおいて少なくとも1つ
    以上の変曲点を有する非球面と、複屈折板とを有し、撮
    像光学系のカットオフ周波数を前記複屈折板により決定
    することを特徴とする撮像光学系。
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