JPH09288109A - 非特異反応抑制剤、抑制方法及び測定キット - Google Patents

非特異反応抑制剤、抑制方法及び測定キット

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JPH09288109A
JPH09288109A JP12079096A JP12079096A JPH09288109A JP H09288109 A JPH09288109 A JP H09288109A JP 12079096 A JP12079096 A JP 12079096A JP 12079096 A JP12079096 A JP 12079096A JP H09288109 A JPH09288109 A JP H09288109A
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田辺  敏雄
Hisako Takagi
久子 高木
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政之 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】免疫測定法において、測定に伴う非特異反応を
簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成分の正確な検
出ならびに定量を実現する。 【解決手段】標識抗体を用いる免疫測定法において使用
する非特異反応抑制剤であって、標識抗体において標識
を抗体に結合する際に用いた結合方法と同一の結合方法
を少なくとも一部に使用して製造した抗体及び/又は抗
体断片を構成成分とする結合体からなり、抗体本来の特
異反応活性を完全もしくは実質的に喪失していてもよい
が、非特異反応抑制活性は保持している非特異反応抑制
剤を用いて非特異反応を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は標識抗体を用いる免疫測
定法において使用する、微量物質を正確に検出、定量す
るための障害となる非特異反応を抑制するための非特異
反応抑制剤、これを用いる非特異反応抑制方法及びこれ
を含む免疫測定キットに関する。
【0002】
【従来の技術】抗原抗体反応を利用した免疫測定法は微
量成分を特異的に検出あるいは精度よく測定できること
から、臨床検査に広く利用されている。免疫測定法には
一元放射免疫拡散法、比濁法、比ろう法、凝集法(血球
やラテックスを担体として用いた方法)、放射免疫測定
法、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法等の種類がある
が、放射免疫測定法、酵素免疫測定法、螢光免疫測定法
は測定感度も高く、特に極微量成分の検出あるいは定量
に適している。なかでも酵素免疫測定法は測定感度も高
く、放射免疫測定法のように放射性物質を使用するため
の特別な施設を必要としないため多用されている。
【0003】放射免疫測定法、酵素免疫測定法、螢光免
疫測定法はそれぞれ標識となる放射性物質、酵素、螢光
物質を抗体に結合した標識抗体を用いる方法で、一般的
には、抗体や抗原を不溶性担体に結合した固相化抗体ま
たは固相化抗原と組み合わせた固相法で使用される。固
相法には「固相化抗体−抗原−標識抗体」複合物を作ら
せ測定するサンドイッチ法や、固相化抗原と検体中の遊
離抗原が反応系内に添加された一定量の標識抗体に対し
て競合的に反応することを原理とする競合法がある。ま
た、酵素標識抗体を用いる場合、酵素とその基質の組み
合わせにより、比色、蛍光、発光等の種々の検出法で測
定される。
【0004】ところで、免疫測定において、本来の目的
とする特異的な抗原抗体反応以外の非特異反応により、
測定値の信頼性が損なわれてしまうことがしばしば認め
られている。この現象は、検体中に含まれる抗原以外の
成分が標識抗体に反応することによって引き起こされ
る。酵素免疫測定法においても例外ではない。
【0005】モノクローナル抗体を用いた測定系におい
ても非特異反応が認められており、せっかく優れた特異
性を持つモノクローナル抗体を得ることができたとして
も、それを実際の測定系において使用する段階で、その
性能を十分生かすことができないことが大きな問題とな
っている。
【0006】従来より、非特異反応を抑制し正しい測定
値を得るために色々な試みが行われてきた。例えば、測
定すべき検体を加熱や適当な試薬により前処理したり、
各種動物血清、免疫グロブリン画分、アルブミン、スキ
ムミルク、ゼラチン、界面活性剤等を測定系に添加する
ことが一般的に行われてきた。リュウマチ因子のように
抗体のFc部位に結合することにより引き起こされる非
特異反応を回避するためには、FabやF(ab’)2
等の抗体断片を特異反応に使用することも行われてい
る。また、測定系に使用するモノクローナル抗体とは反
応特異性が異なりかつ測定系に係わる反応を阻害しない
モノクローナル抗体を測定系に添加することも行われて
いる。
【0007】特開平1−254869号公報には、測定
対象に対し非特異性で、モノクローナル又はポリクロー
ナル抗体から誘導された凝集体の使用が提案されてい
る。この凝集体は該抗体のホモポリマーであっても、抗
体断片あるいはアルブミンのような蛋白質やデキストラ
ンのような多糖類の巨大分子とのヘテロポリマーであっ
てもよい。
【0008】特開平2−152999号公報では、非特
異反応の抑制のために、特異反応に使用するモノクロー
ナル抗体を加熱処理などすることにより調製した、本来
の抗体の特異活性は失っているが、非特異反応抑制活性
は保持しているモノクローナル抗体由来物質が使用され
ている。
【0009】特開平5−188055号公報には、酵素
免疫測定法において使用する抗体の標識に用いた酵素を
該標識抗体および/または生体試料と共に共存させる非
特異反応抑制方法が開示されている。しかし、これらの
方法は非特異反応の抑制にある程度の効果はあるもの
の、一部の検体ではその効果はまだ不十分であり、実用
上必ずしも満足できるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、標識抗体を用いる免疫測定法において、測定に伴う
非特異反応を簡便かつ効果的に抑制し、検体中の微量成
分の正確な検出ならびに定量を実現するための非特異反
応抑制剤とその使用方法を提供することが本発明の目的
である。 また、非特異反応を防止するための有用な非
特異反応抑制剤を含有する測定キットを提供することが
本発明のもう一つの目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
問題点を解決すべく非特異反応について鋭意検討した結
果、標識方法により非特異反応が観察される検体が異な
ったり、非特異反応の程度が異なることを見いだし、本
発明に至った。すなわち本発明は、(1)標識抗体を用
いる免疫測定法において使用する非特異反応抑制剤であ
って、標識抗体において標識を抗体に結合する際に用い
た結合方法と同一の結合方法を少なくとも一部に使用し
て製造した抗体及び/又は抗体断片を構成成分とする結
合体からなり、抗体本来の特異反応活性を完全にもしく
は実質的に喪失していてもよいが非特異反応抑制活性は
実質的に保持している非特異反応抑制剤、(2)標識抗
体が酵素標識抗体である上記(1)に記載の非特異反応
抑制剤、(3)結合体が、標識抗体に使用する抗体と同
一の抗体の完全抗体及び/又は抗体断片を用いて得られ
たものである上記(1)又は(2)の非特異反応抑制
剤。(4)結合体が、共有結合させることにより製造さ
れたものである上記(1)から(3)のいずれかに記載
の非特異反応抑制剤、(5)結合体が、抗体および/ま
たは抗体断片とそれ以外の高分子物質とを用いて得られ
たものである上記(1)から(4)のいずれかに記載の
非特異反応抑制剤、(6)抗体がモノクローナル抗体で
ある上記(1)から(5)のいずれかに記載の非特異反
応抑制剤、(7)加熱処理、分解処理またはそれらの組
み合わせによって抗体本来の特異反応活性が喪失させら
れた上記(1)から(6)のいずれかに記載の非特異反
応抑制剤、(8)検体中の抗原を標識抗体を用いて免疫
測定する際に、上記(1)から(7)のいずれかに記載
の非特異反応抑制剤を使用することを特徴とする非特異
反応抑制方法、(9)特異的な免疫反応工程を行う前
に、検体と非特異反応抑制剤との間に反応を行わせるこ
とを特徴とする上記(8)に記載の非特異反応抑制方
法、(10)非特異反応抑制剤の共存下に、検体を測定
するための特異的な免疫反応工程を行うことを特徴とす
る上記(8)に記載の非特異反応抑制方法、(11)免
疫測定がサンドイッチ法による測定であり、特異的な免
疫反応工程の一つ以上の工程を非特異反応抑制剤の共存
下で行わせることを特徴とする上記(8)に記載の非特
異反応抑制方法、(12)標識抗体及び上記(1)から
(7)のいずれかに記載の非特異反応抑制剤を含む免疫
測定キット、に関する。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明において標識抗体は、代表
的には、酵素、放射性物質、螢光物質等の何らかの手段
により定量可能なシグナルを出す物質(標識)を結合し
た抗体で、抗原抗体反応を行う溶液に可溶性のものを指
すが、シグナルを出す物質を直接抗体に結合していなく
ても、アビジン−酵素複合体を結合するためのビオチン
を結合した抗体や放射活性あるいは螢光活性を有する金
属イオン等と錯化合物を形成する能力のある化合物を結
合した抗体で可溶性のものも含まれる。特に好ましい標
識抗体は酵素標識抗体である。標識抗体を用いる免疫測
定法は、固相法であろうと液相法であろうと方法は問わ
ない。固相法には正サンドイッチ法、逆サンドイッチ
法、1段階サンドイッチ法等のサンドイッチ法や競合法
が含まれる。液相法には、特公平7−72731号公報
に開示されるような、酵素標識抗体を用いて抗原抗体反
応を行わせ、標識抗体と抗原の会合の結果生じる酵素活
性の変化により抗原量を測定する測定法が含まれる。
又、抗原抗体反応に続く反応工程で酵素等の標識物質を
結合するような測定法、例えば、ビオチニル化抗体を用
いたサンドイッチ法による免疫反応工程の後に、アビジ
ン−酵素複合体を反応させるような測定法も含まれる。
【0013】標識抗体が酵素標識抗体である場合、標識
に使用される酵素は特に限定されず、例えば西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラ
ーゼ、ウレアーゼ、リゾチーム、グルコース−6−リン
酸デヒドロゲナーゼ、リボヌクレアーゼ等が挙げられ
る。
【0014】結合体の構成成分となる抗体(完全抗体)
及び/又は抗体断片として各種のものが使用できるが、
標識抗体に使用する抗体と同じ動物種由来のものを用い
るのが好ましく、特に同じIgクラスに属する抗体及び
/又はその断片を用いるのが好ましい。更に、標識抗体
に使用する抗体と同一の抗体の完全抗体および/または
抗体断片を用いて結合体を製造するのが好ましい。抗体
はポリクローナル抗体であっても、モノクローナル抗体
であってもよく、抗体を産生する実際上任意の動物種、
例えば家兎、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウマ、マウスまたは
ラットなど由来の抗体が使用できる。
【0015】標識抗体に使用される抗体の形態には完全
抗体や、それを酵素処理や化学処理により切断したF
(ab’)2 やFab’等のような抗体断片があるが、
本発明の非特異反応抑制剤に用いる抗体の形態は特に限
定されない。標識抗体に使用する抗体と同一の抗体の完
全抗体及び/又は抗体断片を用いて結合体を製造する場
合も、その形態は、標識抗体に使用した抗体の形態と同
一の形態である必要はない。例えば特異的結合部位を持
たないFc断片であってもよい。なお、非特異反応が検
体中の測定対象物質以外の何らかの物質が標識抗体に反
応して起こることを考慮すると、標識抗体に用いた抗体
断片部位を含む抗体及び/又は抗体断片を用いるのが好
ましい。
【0016】抗体断片の作製は例えばパパイン、ペプシ
ン、トリプシン等の酵素による消化又は還元剤によるS
−S結合の切断又はこれらを組み合わせた公知の方法で
行える。例えば抗体(完全抗体)をパパインで消化する
とFabとFc断片に切断できる。ペプシンで消化すれ
ばF(ab’)2 断片が得られ、さらに、2−メルカプ
トエチルアミンで還元すればFab’断片が得られる。
抗体(完全抗体)をジチオスレイトールや2−メルカプ
トエタノールで還元し、次いで、ヨードアセトアミドの
ようなSH試薬で処理すればL鎖とH鎖に切断できる。
【0017】本発明における非特異反応抑制剤は抗体及
び/又は抗体断片単独の結合体であっても、他の高分子
物質との結合体であってもよい。抗体及び/又は抗体断
片単独の結合体の場合、抗体のみのまたは抗体断片のみ
の結合体であっても、それらの混合物の結合体であって
もよい。結合体を製造するために抗体及び/又は抗体断
片とともに用いられる他の高分子物質としては、アルブ
ミン、ゼラチンなどの蛋白質、デキストラン、アミノデ
キストラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロースなどの多糖類またはその誘導体、末
端をアミノ基で修飾したポリアルキレングリコール誘導
体などの合成高分子などが用いられる。又、標識抗体に
使用する抗体と同一の抗体の完全抗体及び/又は抗体断
片を用いて得られる結合体の場合は、他の高分子物質と
して、標識抗体に使用した抗体以外のポリクローナル抗
体又はモノクローナル抗体も挙げることができる。好ま
しい他の高分子物質としては、アルブミン、ヒドロキシ
プロピルセルロース、標識抗体に使用した抗体以外のポ
リクローナル抗体又はモノクローナル抗体等が挙げられ
る。又、他の高分子物質の分子量は1000〜1000
000の範囲が好ましく、特に10000〜30000
0の範囲が好ましい。
【0018】標識を抗体に結合する方法とそれに用いる
架橋試薬は多数知られている。有機化学的な結合方法
(共有結合による方法)の主なものとしてカルボジイミ
ド、イソシアネート、ジアゾ化合物、ベンゾキノン、グ
ルタルアルデヒド、過ヨウ素酸、N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル化合物、マレイミド化合物、ピリジル
・ジスルフィド化合物等を用いる方法がある。これらの
架橋試薬を使用した結合方法は石川らの「酵素免疫測定
法第3版(医学書院、1987年)75〜126頁」や
P.Tijssenの「エンザイムイムノアッセイ(生
化学実験法11、東京化学同人、1989年)196〜
251頁」に詳細に記載されている。これらの試薬の多
くは抗体および酵素等の標識のアミノ基やチオール基を
利用している。抗体のチオール基を利用する場合には抗
体を酵素および還元処理してFab’に断片化し、抗体
のヒンジ部分にあるチオール基を利用したり、S−アセ
チルメルカプトコハク酸無水物、メチル−4−メルカプ
トブチルイミデート、N−スクシンイミジル−3−(2
−ピリジルジチオ)プロピオネート等によりチオール基
を導入する場合もある。また、架橋試薬の主なものは抗
体と酵素を結合するために2つの官能基を持っている。
同じ官能基を2つ持つ同反応性二価試薬と異なる官能基
からなる異反応性二価試薬がある。
【0019】本発明において、共有結合による結合体の
製造方法の例をいくつか説明する。グルタルアルデヒド
法はグルタルアルデヒドが2つのアルデヒド基を持って
いることから、抗体及び/又は抗体断片又はこれと他の
高分子物質のアミノ基と反応して架橋させる方法であ
る。過ヨウ素酸法は抗体及び/又は抗体断片又は他の高
分子物質の糖鎖を過ヨウ素酸により酸化して生成したア
ルデヒド基と抗体及び/又は抗体断片又は他の高分子物
質のアミノ基の反応により架橋する方法である。N,
N’−o−フェニレンジマレイミド、N,N’−p−フ
ェニレンジマレイミドやN,N’−オキシジメチレンジ
マレイミド等の2つのマレイミド基を有する架橋試薬を
使用する方法では抗体及び/又は抗体断片又は他の高分
子物質のチオール基により架橋が行われる。ビス−コハ
ク酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル等のような
同反応性二価試薬はアミノ基との反応により架橋が行わ
れる。N−スクシンイミジル−2−マレイミドアセテー
ト、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレー
ト、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノエ
ート、N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメ
チル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート、N−
スルホスクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート、N−ス
ルホスクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、
N−スルホスクシンイミジル−4−マレイミドベンゾエ
ート、N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドフ
ェニル)−4−ブチレート等のマレイミド誘導体のN−
ヒドロキシスクシンイミドエステルは異反応性二価試薬
で、抗体及び/又は抗体断片や他の高分子物質のアミノ
基とチオール基を介して架橋させる。N−スクシンイミ
ジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネートもア
ミノ基とチオール基の架橋に使われる。
【0020】生物学的親和性を利用した結合体の製造方
法の例としては、アビジンとビオチンの結合を利用した
方法がある。例えば抗体及び/又は抗体断片と他の高分
子物質の両方にビオチン分子を導入しアビジンにより架
橋する方法や、あるいは両者の一方にアビジンを導入
し、もう一方にビオチンを導入して架橋する方法があ
る。ビオチン分子の導入にはビオチニル−ε−アミノカ
プロン酸−N−ヒドロキシスクシミニドエステルなどが
試薬として使われる。
【0021】本発明においては、抗体及び/又は抗体断
片を構成成分とする結合体は、標識抗体において標識を
抗体に結合する際に用いた結合方法と同一の結合方法を
少なくとも一部に使用して製造する。ここで、標識を抗
体に結合する際に用いた結合方法と同一の結合方法と
は、標識抗体が二価試薬で作製された場合、結合体を製
造するための抗体及び/又は抗体断片の架橋反応または
抗体及び/又は抗体断片と他の高分子物質の架橋反応
に、標識を抗体に結合する際に抗体上の反応基と結合す
るのに使用した官能基と同一の官能基を有する二価試薬
を用いて架橋反応を行うことをいう。この場合、二価試
薬の2つの官能基をつなぐ化学構造およびもう一つの官
能基は適宜選択されて良い。標識抗体が過ヨウ素酸法に
より作製された場合は、結合体を製造するための架橋反
応も過ヨウ素酸法で行うことをいう。さらに、標識と抗
体を結合する方法がアビジンとビオチンのような生物学
的親和性を利用する結合方法の場合は、該抗体に結合し
ている生物学的親和性を有するリガンドと同一のリガン
ドを、結合体を製造するための抗体及び/又は抗体断片
に結合して架橋反応を行うことをいう。抗体及び/又は
抗体断片又は抗体及び/又は抗体断片と他の高分子物質
を結合させて得られる結合体中の結合部分の全てが、標
識抗体において標識を抗体に結合する際に用いた結合方
法と同一の結合方法によるものである必要はないが、結
合部分の総数のうちの10%以上が同一の結合方法によ
るものであることが好ましく、特に30%以上が同一の
結合方法によるものであることが好ましい。
【0022】前述の方法により製造した結合体は一般に
かなり広い分子量分布を有する。結合体は分子量が大き
くなるほど非特異反応抑制効果が増大するが、さらに分
子量が大きくなると沈殿を起こし不溶化するため非特異
反応抑制効果が逆に低下する。結合体の分子量は可溶性
である範囲が望ましい。また、結合体はいろいろな分子
量の混合物であってもかまわないが、ゲル濾過、限外濾
過や遠心分離などの公知の方法により分別し、希望の分
子量にして使用することもできる。結合体(非特異反応
抑制剤)の平均分子量は10万以上であることが好まし
く、特に30万〜4000万の範囲であることが好まし
い。又、結合体が抗体及び/又は抗体断片と他の高分子
物質との結合体である場合、抗体及び/又は抗体断片と
他の高分子物質の割合は、モル比で1:0.01〜10
0の範囲であることが好ましく、特に1:0.1〜10
の範囲であることが好ましい。
【0023】本発明の非特異反応抑制剤は、抗体本来の
特異反応活性を完全にもしくは実質的に喪失しているも
のとそうでないものを含むが、特異反応活性を喪失して
いるものの方が好ましい。結合体が標識抗体に使用する
抗体と同一の抗体の完全抗体及び/又は抗体断片を用い
て得られたものであるときは、本発明の非特異反応抑制
剤において抗体本来の特異反応活性は完全にもしくは実
質的に喪失している必要がある。
【0024】抗体及び/又は抗体断片の特異活性は加熱
処理、酵素による分解処理、酸・アルカリや還元剤等に
よる化学処理、超音波処理などの公知の方法により喪失
させることができる。また、これらの方法を組み合わせ
て行うことも可能である。抗体及び/又は抗体断片の特
異活性を喪失させるための処理は、結合体を製造する前
の抗体及び/又は抗体断片の段階で行ってもよいし、結
合体にしてから処理してもよい。ここで「抗体本来の特
異反応活性を実質的に喪失している」とは、測定の正確
さおよび信頼性の観点から判断して支障のない程度に特
異反応活性を喪失しているという意味である。特異反応
活性を完全に喪失させるために過剰の強い処理を行え
ば、非特異反応抑制活性も失われる場合もあるので、そ
の処理条件を適宜選択して、特異反応活性は実質的に喪
失しているが、非特異反応抑制活性は保持されうる穏和
な条件で処理する必要がある。
【0025】処理法の例として、最も簡便な方法の一つ
である加熱処理法を示す。この場合、pH3からpH1
2の範囲の適当な緩衝液中に抗体及び/又は抗体断片又
は結合体を抗体濃度として10μg/mlから100m
g/mlになるように溶解し、50℃から100℃で1
分間〜48時間インキュベートすることによって非特異
反応抑制剤は製造される。特異反応活性の喪失のしやす
さは抗体及び/又は抗体断片又は結合体によってかなり
異なり、処理条件は個々に検討しなければならないが、
加熱処理の温度と時間の関係は一般的に言って、処理温
度を高くすれば処理時間を短くする必要がある。酵素に
よる分解処理の例としては、パパインやトリプシンによ
り抗体を消化し、ゲル濾過により分画してFc断片を得
る方法がある。Fc断片は抗体の特異活性部位を失って
おり、特異反応活性を有しない。このFc断片を用い
て、前記方法で結合体を製造することができる。
【0026】本発明の非特異反応抑制剤の使用方法とし
ては、標識抗体を用いる免疫測定法において行う特異的
な免疫反応工程の前に予め適当な緩衝液中で非特異反応
抑制剤と検体を接触させ、適当な時間(例えば1分〜2
時間)インキュベートする方法がある。この間に、検体
中の非特異反応を起こす物質(非特異反応物質)は非特
異反応抑制剤と反応し、特異的免疫反応工程での標識抗
体との非特異反応活性は失われる。特異的免疫反応工程
にはインキュベートを完了した検体と非特異反応抑制剤
の混合液をそのまま用いればよい。
【0027】さらに簡便な本発明の非特異反応抑制剤の
使用方法は、非特異反応抑制剤共存下に特異的免疫反応
を行う方法である。例えば、最も一般的に用いられる正
サンドイッチ法の場合、固相化抗体と検体中の抗原とを
反応させる第一免疫反応工程の緩衝液に非特異反応抑制
剤を添加するだけで、それ以外は何ら特別な工程を必要
とせずに所望の効果を得ることができる。なぜなら、非
特異反応が検出されるのは、抗体の特異的反応部位を介
さずに「固相化抗体−非特異反応物質−標識抗体」サン
ドイッチ複合体を形成するためであるが、第一免疫反応
中に非特異反応物質の標識抗体に対する反応活性が非特
異反応抑制剤により吸収されるからである。さらに、抗
体の特異反応部位を介して固定化された抗原と標識抗体
とを反応させる第二免疫反応工程の緩衝液にも添加すれ
ば、第一免疫反応工程で完全に吸収されなかった非特異
反応物質も吸収されるため、測定の信頼性をより一層高
めることができる。なお、通常は第一免疫反応工程の緩
衝液に添加されていれば十分な効果が得られる。
【0028】また、1段階サンドイッチ法においても免
疫反応工程の緩衝液に非特異反応抑制剤を添加して反応
させることにより、非特異反応は回避される。本発明の
非特異反応抑制剤は結合体であるために標識抗体より非
特異反応を起こす物質との結合力が高められている。ま
た、標識抗体に比べて過剰量を添加しておけば非特異反
応を起こす物質は優先的に非特異反応抑制剤と反応する
ので非特異反応は回避される。
【0029】本発明の非特異反応抑制剤は、免疫反応工
程の前に予め適当な緩衝液に添加して使用されるか、あ
るいは免疫反応工程の緩衝液に添加して使用される。非
特異反応抑制剤の非特異反応物質と反応させる系におけ
る濃度は0.1〜200μg/mlであることが好まし
く、さらに好ましくは1〜50μg/mlである。使用
される緩衝液は公知の通常免疫反応に使われる適当な緩
衝液であってよい。また、緩衝液中に通常添加される助
剤たとえば反応促進剤、洗浄剤または安定剤と共に使用
することができる。さらに別の非特異反応抑制剤と共に
用いることもできる。適当な緩衝液として例えばリン酸
塩緩衝液20〜100mM pH6〜8またはトリス−
塩酸50mM/NaCl 100mM pH7〜8など
が使用できる。反応促進剤としては例えばデキストラン
サルフェートまたはポリエチレングリコールなど、洗浄
剤としては例えばトリトンX−100、ツイーン20な
どを、また、安定剤としてアルブミン、スキムミルク、
ゼラチンなどの蛋白質やアジ化ナトリウム、チメロサー
ル、ケーソンCGなどの防腐剤を挙げることができる。
【0030】本発明の他の対象は、標識抗体を用いた免
疫測定法に使用する、標識抗体及び本発明の非特異反応
抑制剤を含む測定キットに関するものである。一般に測
定キットは標識抗体を含有する緩衝液(標識抗体液)、
固相化抗体、標準物質、などの試薬から構成され、さら
に必要に応じて、サンドイッチ法で検体と固相化抗体を
反応させるため緩衝液、酵素反応のための発色液や反応
停止液、固相を洗浄するための洗浄液、検体の前処理剤
などを含んで構成される。これらの構成試薬が凍結乾燥
品の場合、復元のための溶液も添付される場合がある。
【0031】本発明の非特異反応抑制剤は単独でキット
の構成試薬にしてもよいし、他の構成試薬の成分として
もよい。しかし、測定操作を増やすことなしに非特異反
応抑制効果が得られることを考慮すれば、構成試薬の一
成分として添加するのが好ましい。通常本発明の非特異
反応抑制剤は検体と固相化抗体を反応する緩衝液や標識
抗体液に添加してキットの構成試薬とする。これらの構
成試薬が凍結乾燥品の場合には復元液に添加することも
できる。標識抗体に対して非特異反応抑制剤は0.1〜
1000重量倍用いるのが好ましく、特に1〜100重
量倍用いるのが好ましい。
【0032】固相法に基づくキットの場合、固相の種類
や形状は問わない。公知の通常免疫測定キットに使われ
るものでよい。固相の例としてはプラスチック試験管、
ポリスチレンビーズ、ポリスチレン粒子、ポリスチレン
マイクロプレート、ポリエチレンテレフタレートマイク
ロプレート、ポリ塩化ビニルマイクロプレート、磁性粒
子、ガラスビーズ、セルロース粒子、ニトロセルロース
膜、セルロース濾紙、ナイロン膜などが挙げられる。イ
ムノクロマトグラフィーなどを原理とする簡易測定キッ
トの試験片を使用することも可能である。
【0033】本発明の非特異反応抑制剤を用いる免疫測
定法において使用される検体としては、例えば、血清、
血漿、髄液、唾液等の体液や尿、糞便抽出液等が挙げら
れ、又、測定物質としては、臨床検査に利用される物
質、例えば体液中に含まれる、ヒトイムノグロブリン、
ヒトアルブミン、ヒトフィブリノーゲン、β2-ミクログ
ロブリン、フェリチン、C反応性蛋白、α−フェトプロ
テイン、癌胎児性抗原、CA19−9、塩基性フェトプ
ロティン、組織ポリペプチド抗原、免疫抑制酸性蛋白、
CA−50、膵癌胎児性抗原、シアリルLex −i抗
原、SCC抗原、CA15−3、CA72−4、シアリ
ルTn、CA125、NCC−ST−439、γ−セミ
ノプロティン、前立腺特異抗原、ニューロン特異エノラ
ーゼ、肝炎ウイルス抗原、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、
ヒト胎盤性ラクトーゲン、インスリンなどが挙げられ
る。
【0034】
【実施例】次に実施例を示して、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1 グルタルアルデヒド法による非
特異反応抑制剤の製造 抗ヒトCEAマウスモノクローナル抗体C43(サブク
ラス IgG1 、λ、純度95%以上)を2.5mg/
mlの濃度で溶解した10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)1mlに2.5% グルタルアルデヒド水溶液
を10μl加えて室温で撹拌しながら3時間反応した。
さらに、0.2M L−リジン塩酸塩水溶液を0.1m
l添加し、室温で撹拌しながら1時間反応した後、10
mMリン酸生理食塩水(pH7.2)に対して4℃で一
夜透析した。その後10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)で希釈して、抗体濃度0.5mg/mlに調製
し、水浴中で60℃、3時間インキュベートし、非特異
反応抑制のための結合体(非特異反応抑制剤)を得た。
【0036】実施例2 過ヨウ素酸法による非特異反応
抑制剤の製造 5mgの抗ヒトCEAマウスモノクローナル抗体C43
と1mgの牛血清アルブミンを溶解した10mMリン酸
生理食塩水(pH7.2)1mlに、1M炭酸ナトリウ
ム緩衝液(pH9.5)200μl及び100mM過ヨ
ウ素酸ナトリウム水溶液200μlを加えて室温で撹拌
しながら3時間反応した。さらに、200mMエチレン
グリコール水溶液200μl及び200mMトリス−塩
酸緩衝液(pH8.5)200μl加え、室温で撹拌し
ながら1時間反応した後、10mMリン酸生理食塩水
(pH7.2)に対して、4℃で一夜透析した。この透
析物を10mMリン酸生理食塩水(pH7.2)で希釈
して抗体濃度0.5mg/mlに調製し、水浴中で60
℃、3時間インキュベートし、非特異反応抑制のための
結合体(非特異反応抑制剤)を得た。
【0037】実施例3 マレイミド法による非特異反応
抑制剤の製造 2mgの牛血清アルブミンを溶解した100mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH7.2)0.5mlに0.5M
N−スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチ
ル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレートのN,N
−ジメチルホルムアミド溶液20μlを添加し、室温で
攪拌しながら1時間反応した後、100mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH6.0)に対して4℃で一夜透析
し、マレイミド基を導入した牛血清アルブミンを調製し
た。抗ヒトCEAマウスモノクローナル抗体C43の完
全抗体10mgを含む100mM NaCl、100m
M酢酸緩衝液(pH4.5)2mlにシグマ社製ペプシ
ン0.2mgを加え、37℃で20時間消化した。その
後、100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)
を溶出液として、IBF社製ウルトロゲルAcA44を
充填したゲル濾過カラム(2.6cm×90cm)によ
りF(ab’)2 を分画し、限外濾過により濃縮した。
抗ヒトCEAマウスモノクローナル抗体C43のF(a
b’)2 2mgを含む100mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6.0)0.45mlに100mM 2−メル
カプトエタノールアミンと5mM EDTAを含む10
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を50μ
l加えて、37℃で90分間反応し、5mM EDTA
を含む100mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.
0)を溶出液として、ファルマシア社製セファデックス
G−25を充填したカラム(1.6cm×60cm)に
よりFab’を回収した。マレイミド基を導入した牛血
清アルブミンと回収したFab’を混合し、30℃で9
0分間反応し、さらに50mMのN−エチルマレイミド
を20μlを添加して30℃で30分間反応した。その
後、10mMリン酸生理食塩水(pH7.2)を溶出液
として、ウルトロゲルAcA44を充填したゲル濾過カ
ラム(1.6cm×70cm)により精製し、分子量1
00,000以上の画分を集め、限外濾過により抗体濃
度が0.5mg/mlになるまで濃縮した。濃縮液を水
浴中で60℃、3時間インキュベートし、非特異反応抑
制のための結合体(非特異反応抑制剤)を得た。
【0038】実施例4 グルタルアルデヒド法による非
特異反応抑制剤の製造 抗ヒトルイスY抗原マウスモノクローナル抗体S113
(サブクラスIgM、純度95%以上)を2.5mg/
mlの濃度で溶解した10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)1mlに2.5%グルタルアルデヒド水溶液を
10μl加えて室温で撹拌しながら3時間インキュベー
トした。さらに、0.2M L−リジン塩酸塩を0.1
ml添加し、室温で撹拌しながら1時間反応した後、1
0mMリン酸生理食塩水(pH7.2)に対して4℃で
一夜透析した。その後10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)で希釈して、抗体濃度0.5mg/mlに調製
し、水浴中で60℃、2時間インキュベートし、非特異
反応抑制のための結合体(非特異反応抑制剤)得た。
【0039】実施例5 過ヨウ素酸法による非特異反応
抑制剤の製造 5mgのS113抗体と1mgのヒドロキシプロピルセ
ルロース(日本曹達製)を溶解した10mMリン酸生理
食塩水(pH7.2)1mlに、1M炭酸ナトリウム緩
衝液(pH9.5)200μl及び100mM過ヨウ素
酸ナトリウム水溶液200μlを加えて室温で撹拌しな
がら3時間反応した。さらに、200mMエチレングリ
コール水溶液200μl及び200mMトリス−塩酸緩
衝液(pH8.5)200μl加え、室温で撹拌しなが
ら1時間反応した後、10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)に対して4℃で一夜透析した。透析物の分子量
分布をHPLC(東ソー社製ゲル濾過カラムG3000
SWXLとG6000SWXLを直列につなぎ、流速
0.5ml/minの10mMリン酸生理食塩水(pH
7.2)を移動相として用い、280nmの吸光度を測
定した。)で分析した結果を図1に示す。この透析物を
10mMリン酸生理食塩水(pH7.2)で希釈して、
抗体濃度0.5mg/mlに調製し、水浴中で60℃、
2時間インキュベートし、非特異反応抑制のための結合
体(非特異反応抑制剤)を得た。
【0040】実施例6 ヒト血清中CEAの測定キット
の作製と検体の測定 (1)過ヨウ素酸法による西洋ワサビペルオキシダーゼ
標識C43抗体(HRP−C43)の製造 東洋紡社製西洋ワサビペルオキシダーゼ5mgを1ml
の蒸留水に溶解し、50mM過ヨウ素酸ナトリウム0.
25mlを加えて攪拌しながら室温で30分間反応し
た。さらに200mMエチレングリコール0.25ml
を加えて30分間反応した。反応液を1mM酢酸緩衝液
(pH4.5)に対して4℃で一夜透析した。10mg
のC43抗体を200mM炭酸緩衝液(pH9.5)に
溶解し、透析液を加えて、室温で攪拌しながら3時間反
応させた。200mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.
0)0.25ml加え、室温で撹拌しながら1時間反応
させた。50mMリン酸生理食塩水(pH7.4)を溶
出液として、ファルマシア社製セファロースCL−6B
を充填したゲル濾過カラム(2.6cm×90cm)で
分画し、HRP−C43を得た。
【0041】(2)マレイミド法による西洋ワサビペル
オキシダーゼ標識C43抗体(HRP−C43)の製造 C43抗体のFab’は実施例3と同様の方法により調
製した。一方、東洋紡社製西洋ワサビペルオキシダーゼ
10mgを1.5mlの100mMリン酸緩衝液(pH
7.0)に溶解し、125mM N−スクシンイミジル
−4−マレイミドブチレートのN,N−ジメチルホルム
アミド溶液100μlを加え、30℃で60分間撹拌し
ながら反応した。その後、100mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH6.0)を溶出液として、セファデックス
G−25を充填したカラム(1.6cm×60cm)に
よりマレイミド基を導入した西洋ワサビペルオキシダー
ゼを回収した。Fab’とマレイミド基を導入した西洋
ワサビペルオキシダーゼをモル比で1:1になるように
混合し、4℃で20時間反応した。反応液を10mMリ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)を溶出液として、
ウルトロゲルAcA44を充填したゲル濾過カラム
(2.6cm×90cm)で分画し、HRP−C43を
得た。
【0042】(3)C38抗体固相化ポリスチレンビー
ズ 抗ヒトCEAマウスモノクローナル抗体C38(サブク
ラス IgG1 、κ、純度95%以上)はC43抗体と
は異なるCEA上のエピトープを認識する。この抗体を
100mM炭酸緩衝液(pH9.5)に20μg/ml
の濃度で溶解してビーズコーティング液とした。積水化
学社製6.25mm径のポリスチレンビーズ1個あたり
0.15mlの液量で、ビーズをコーティング液に浸
け、4℃で20時間放置した。その後、コーティング液
を捨て、ビーズを生理食塩水で洗浄した後、0.5%の
牛血清アルブミン、0.02%のツイーン20を含む5
0mMリン酸生理食塩水(pH7.4)に浸けて、4℃
に保存した。
【0043】(4)ヒト血清中CEAの測定キット ヒト血清中のCEAの測定キットの構成試薬は以下の通
りである。 標準液:0〜50ng/mlのCEA標品を含む1%ウ
シ血清アルブミン、50mMリン酸生理食塩水(pH
7.4) 酵素標識抗体液:0.5μg/mlのHRP−C43
(過ヨウ素酸法またはマレイミド法の酵素標識抗体を使
用)を含む、0.5%牛血清アルブミン、0.5%マウ
ス血清、0.02%ツイーン20、50mMリン酸生理
食塩水(pH7.4) 固相化抗体ビーズ:C38抗体固相化ポリスチレンビー
ズ 発色液:30%過酸化水素0.2μlおよびベーリンガ
ーマンハイム社製2,2’−アジノジ−(3−エチルベ
ンズチアゾリン−6−スルホン酸)0.45mgを含む
100mMクエン酸リン酸緩衝液(pH4.0) 反応停止液:5%シュウ酸溶液 洗浄液:生理食塩水
【0044】(5)ヒト血清中CEAの測定と非特異反
応を示す検体の選択 プラスチック試験管に健常者の血清またはCEA標準液
を25μlとり、酵素標識抗体液を150μl加え、さ
らに、固相化抗体ビーズを1個入れて、室温で2時間イ
ンキュベートした。ビーズを洗浄液で洗浄後、別のプラ
スチック試験管に移し、発色液300μlを加え、室温
で30分間インキュベートした。反応停止液2mlを加
えた後に波長405nmにおける吸光度を測定した。濃
度既知の標準液の吸光度から標準曲線を作成し、健常者
血清中のCEA濃度を求めた。多数の健常者検体を測定
し、マレイミド法のHRP−C43を使用した場合によ
り26.5ng/mlに測定され、過ヨウ素酸法のHR
P−C43で測定した場合に5.4ng/mlに測定さ
れた検体No.94を標識抗体の結合方法に起因する非
特異反応を示す検体として選択した。
【0045】(6)血清中CEA測定における非特異反
応抑制剤の効果 (4)でマレイミド法によるHRP−C43を用いたC
EA測定キットの酵素標識抗体液に実施例1から実施例
3で製造した非特異反応抑制剤を添加し、(5)と同様
にして測定を行ない、非特異反応の抑制効果を調べた。
結果を表1に示す。他の結合方法の非特異反応抑制剤で
もある程度の効果は見られたが、標識抗体と同一の結合
方法で製造された本発明の非特異反応抑制剤が極めて有
効であることが確認された。
【0046】
【表1】 * 含まれる抗体濃度として記載
【0047】実施例7 ヒト血清中ルイスY抗原測定キ
ットの作製と検体の測定 (1)グルタルアルデヒド法による西洋ワサビペルオキ
シダーゼ標識S113抗体(HRP−S113)の製造 東洋紡社製西洋ワサビペルオキシダーゼ20mgを10
0mMリン酸ナトリウム緩衝液0.5mlに溶解し、2
5%グルタルアルデヒドを20μl加え、室温で撹拌し
ながら18時間反応した。反応液を10mM炭酸緩衝
液、150mMNaClに対して4℃で一夜透析した。
10mgのS113抗体を100mMのNaClを含む
100mM炭酸緩衝液(pH9.5)に溶解し、ペルオ
キシダーゼの透析液を加え、4℃で撹拌しながら24時
間反応した。50mMリン酸生理食塩水(pH7.4)
を溶出液として、ファルマシア社製セファロースCL−
4Bを充填したゲル濾過カラム(2.6cm×90c
m)で分画し、HRP−S113を得た。
【0048】(2)過ヨウ素酸法による西洋ワサビペル
オキシダーゼ標識S113抗体(HRP−S113) 東洋紡社製西洋ワサビペルオキシダーゼ5mgを1ml
の蒸留水に溶解し、50mM過ヨウ素酸ナトリウム0.
25mlを加えて攪拌しながら室温で30分間反応し
た。さらに200mMエチレングリコール0.25ml
を加えて30分間反応した。反応液を1mM酢酸緩衝液
(pH4.5)に対して4℃で一夜透析した。20mg
のS113抗体を200mM炭酸緩衝液(pH9.5)
に溶解し、透析物を加えて、室温で攪拌しながら3時間
反応させた。200mMトリス−塩酸緩衝液(pH9.
0)0.5ml加え、室温で撹拌しながら1時間反応し
た。50mMリン酸生理食塩水(pH7.4)を溶出液
として、セファロースCL−4Bを充填したゲル濾過カ
ラム(2.6cm×90cm)で分画し、HRP−S1
13を得た。
【0049】(3)S113抗体固相化ポリスチレンビ
ーズ S113抗体を100mM炭酸緩衝液(pH9.5)に
20μg/mlとなるように溶解してビーズコーティン
グ液とした。積水化学社製6.25mm径のポリスチレ
ンビーズ1個あたり0.15mlの液量で、ビーズをコ
ーティング液に浸け、4℃で20時間放置した。その
後、コーティング液を捨て、ビーズを生理食塩水で洗浄
した後、0.5%の牛血清アルブミン、0.02%のツ
イーン20を含む50mMリン酸生理食塩水(pH7.
4)に浸けて、4℃に保存した。
【0050】(4)ヒト血清中ルイスY抗原の測定キッ
ト 標準液:ルイスY抗原を高濃度に有する癌患者の血清に
任意の単位を設定し1%ウシ血清アルブミン、50mM
リン酸生理食塩水(pH7.4)で希釈して標準液とし
た。 緩衝液:0.5%牛血清アルブミン、0.5%マウス血
清、0.02%ツイーン20、50mMリン酸生理食塩
水(pH7.4) 酵素標識抗体液:1μg/mlのHRP−S113(グ
ルタルアルデヒド法または過ヨウ素酸法の酵素標識抗体
を使用)を含む、0.5%牛血清アルブミン、0.5%
マウス血清、0.02%ツイーン20、50mMリン酸
生理食塩水(pH7.4) 固相化抗体ビーズ:S113抗体固相化ポリスチレンビ
ーズ 発色液:30%過酸化水素0.2μlおよびベーリンガ
ーマンハイム社製2,2’−アジノジ−(3−エチルベ
ンズチアゾリン−6−スルホン酸)0.45mgを含む
100mMクエン酸リン酸緩衝液(pH4.0) 反応停止液:5%シュウ酸溶液 洗浄液:生理食塩水
【0051】(5)ヒト血清中のルイスY抗原の測定と
非特異反応を示す検体の選択 プラスチック試験管に健常者および標準液を25μlと
り、緩衝液150μlを加え、さらに、抗体固相化ビー
ズを1個入れて、37℃で2時間インキュベートした
(第一免疫反応)。抗体固相化ビーズを洗浄液で洗浄し
た後、酵素標識抗体液を200μl入れて、37℃で1
時間インキュベートした(第二免疫反応)。抗体固相化
ビーズを洗浄液で洗浄後、別のプラスチック試験管に移
し、発色液300μlを加え、室温で30分間インキュ
ベートした。反応停止液2mlを加えた後に波長405
nmにおける吸光度を測定した。標準液の吸光度から標
準曲線を作成し、健常者血清中のルイスY抗原濃度を求
めた。健常者の血清のほとんどは低い値を示したがまれ
に高い値を示す検体があった。その中で、グルタルアル
デヒド法で作製したHRP−S113を使用した場合に
13.2u/mlに測定され、過ヨウ素酸法で作製した
HRP−113で測定した場合に50u/mlを超えた
検体No.582を標識抗体の結合方法に起因する非特
異反応を示す検体として選択した。また、この検体を6
0℃で1時間加熱すると、どちらの酵素標識抗体で測定
しても8u/ml以下の値を示した。
【0052】(6)血清中ルイスY抗原測定における非
特異反応抑制剤の効果 (4)で過ヨウ素酸法による酵素標識抗体を用いたルイ
スY測定キットの緩衝液に実施例4又は5で製造した非
特異反応抑制剤を添加し、(5)と同様にして測定を行
ない非特異反応の抑制効果を調べた。あわせてヒドロキ
シプロピルセルロース単独の効果についても試験した。
結果を表2に示す。ヒドロキシプロピルセルロース単独
ではほとんど効果がなく、他の結合方法の非特異反応抑
制剤でもある程度の効果は見られたが、標識抗体と同一
の結合方法で製造された本発明の非特異反応抑制剤が極
めて有効であることが確認された。
【0053】
【表2】 * 含まれる抗体濃度として記載 ** 60℃で1時間加熱した検体の測定値: 7.5U/ml *** ヒドロキシプロピルセルロース濃度
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、免疫測定法において標
識抗体の標識方法に起因する非特異反応を排除できるた
め、偽陽性の削減および特異性の向上が達成され、信頼
性の高い臨床検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】過ヨウ素酸法によるS113抗体とヒドロキシ
プロピルセルロースの反応物のゲル濾過分析結果。横軸
は溶出時間、縦軸は280nmの吸光度を示す。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標識抗体を用いる免疫測定法において使用
    する非特異反応抑制剤であって、標識抗体において標識
    を抗体に結合する際に用いた結合方法と同一の結合方法
    を少なくとも一部に使用して製造した抗体及び/又は抗
    体断片を構成成分とする結合体からなり、抗体本来の特
    異反応活性を完全にもしくは実質的に喪失してもよいが
    非特異反応抑制活性は実質的に保持している非特異反応
    抑制剤。
  2. 【請求項2】標識抗体が酵素標識抗体である請求項1に
    記載の非特異反応抑制剤。
  3. 【請求項3】結合体が、標識抗体に使用する抗体と同一
    の抗体の完全抗体及び/又は抗体断片を用いて得られた
    ものである請求項1又は2に記載の非特異反応抑制剤。
  4. 【請求項4】結合体が、共有結合させることにより製造
    されたものである請求項1から3のいずれか1項に記載
    の非特異反応抑制剤。
  5. 【請求項5】結合体が、抗体および/または抗体断片と
    それ以外の高分子物質とを用いて得られるものである請
    求項1から4のいずれか1項に記載の非特異反応抑制
    剤。
  6. 【請求項6】抗体がモノクローナル抗体である請求項1
    から5のいずれか1項に記載の非特異反応抑制剤。
  7. 【請求項7】加熱処理、分解処理またはそれらの組み合
    わせによって抗体本来の特異反応活性が喪失させられた
    請求項1から6のいずれか1項に記載の非特異反応抑制
    剤。
  8. 【請求項8】検体中の抗原を標識抗体を用いて免疫測定
    する際に、請求項1から7のいずれか1項に記載の非特
    異反応抑制剤を使用することを特徴とする非特異反応抑
    制方法。
  9. 【請求項9】特異的な免疫反応工程を行う前に、検体と
    非特異反応抑制剤との間に反応を行わせることを特徴と
    する請求項8に記載の非特異反応抑制方法。
  10. 【請求項10】非特異反応抑制剤の共存下に、検体を測
    定するための特異的な免疫反応工程を行うことを特徴と
    する請求項8に記載の非特異反応抑制方法。
  11. 【請求項11】免疫測定がサンドイッチ法による測定で
    あり、特異的な免疫反応工程の一つ以上の工程を非特異
    反応抑制剤の共存下で行わせることを特徴とする請求項
    8に記載の非特異反応抑制方法。
  12. 【請求項12】標識抗体及び請求項1から7のいずれか
    1項に記載の非特異反応抑制剤を含む免疫測定キット。
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JP2007139681A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 National Agriculture & Food Research Organization 抗原抗体反応の検出方法と抗原抗体反応検出用キット

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