JPH09287840A - 極低温冷凍機およびsquid装置 - Google Patents

極低温冷凍機およびsquid装置

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JPH09287840A
JPH09287840A JP9675296A JP9675296A JPH09287840A JP H09287840 A JPH09287840 A JP H09287840A JP 9675296 A JP9675296 A JP 9675296A JP 9675296 A JP9675296 A JP 9675296A JP H09287840 A JPH09287840 A JP H09287840A
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JP
Japan
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displacer
cylinder
eddy current
regenerator
cryogenic
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JP9675296A
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English (en)
Inventor
Eiji Haraguchi
英司 原口
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/003Gas cycle refrigeration machines characterised by construction or composition of the regenerator

Landscapes

  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極低温冷凍機の可動部材の機械的強度を保持
し、しかも磁場ノイズを大幅に低減する。 【解決手段】 ディスプレーサ18としてチタン合金か
らなるものを採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は極低温冷凍機およ
びSQUID装置に関し、さらに詳細にいえば、シリン
ダ内でのディスプレーサ(置換器)の往復動により冷媒
ガスを膨脹させて寒冷を発生させる極低温冷凍機であっ
て、発生した寒冷の一部を蓄える蓄冷器をディスプレー
サに内蔵したタイプの極低温冷凍機の改良技術、および
この極低温冷凍機を用いたSQUID装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高圧の冷媒ガスをシリンダ内
で膨脹させて寒冷を発生させる膨脹機を有する極低温冷
凍機として、例えば特開昭58−214758号公報な
どに記載されているように、冷媒ガスとしてのヘリウム
ガスを圧縮する圧縮機と、その圧縮されたヘリウムガス
を膨脹させる膨脹機とを高圧配管および低圧配管によっ
て閉回路に接続してなり、前記膨脹機における切換バル
ブにより前記高圧配管および低圧配管を膨脹機のシリン
ダ内に交互に連通させるとともに、この切換バルブの切
換動作に応じてシリンダ内でスラックピストンを往復動
させ、このスラックピストンによりディスプレーサを往
復駆動してヘリウムガスを膨脹させることにより、寒冷
を発生させるようにしたいわゆる改良ソルベーサイクル
のヘリウム冷凍機が知られている。また、この他、スラ
ックピストンを使用せず、ディスプレーサを直接ガス圧
によって駆動するようにしたG−Mサイクル(ギフォー
ド・マクマホン・サイクル)のものもよく知られてい
る。
【0003】このような冷凍機においては、シリンダ内
膨脹室における冷媒ガスの断熱膨脹に伴ない、その温度
が低下して寒冷が発生する。そして、通常、膨脹機のコ
ンパクト化を図る目的で、容器内に鉛の球や銅の網など
からなる多数の金属製蓄冷材を収容してなる蓄冷器をデ
ィスプレーサに内蔵させているとともに、ディスプレー
サとして十分な機械的強度を持たせるためにステンレス
スチール、またはアルミ合金からなるものを採用してお
り、先ず、膨脹に伴なって温度降下した冷媒ガスをシリ
ンダの膨脹室から排出する排気工程で、その冷媒ガスを
ディスプレーサ内の蓄冷器を通して排出し、冷媒ガス通
過の際に蓄冷器で寒冷の一部を蓄冷する。次に、シリン
ダ内膨脹室に冷媒ガスを供給する吸気工程では、膨脹室
に至る冷媒ガスを前記蓄冷器を通して供給して、冷媒ガ
スと蓄冷器との熱交換により冷媒ガス温度を低下させ、
前記吸気工程と排気工程との繰返しによって次第に極低
温レベルの寒冷を得るようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ステンレス
スチールは非磁性といわれているが、加工時にわずかに
磁性を帯びることがあり、また、強磁界中でも磁化され
てしまうので、磁場検出においてノイズ源になってしま
う。これに対して、アルミ合金はステンレススチールの
ように磁化されるおそれは全くない。したがって、磁化
されることによりノイズ源になるという不都合もない。
【0005】しかし、一般に、磁場中に配置された金属
が移動すると、該金属内に誘導起電流のループ(渦電
流)が生成し、このループの範囲が大きいほど渦電流も
増大して磁場の変動が大きくなるという現象がある。し
たがって、前記ディスプレーサの往復動に伴ない、ディ
スレーサおよびその内部の蓄冷器における蓄冷材が地磁
気などの磁場中で移動することになり、ディスプレーサ
中および蓄冷材中に渦電流が流れる。ここで、蓄冷材ど
うしの間を電気的に絶縁しておけば、隣合う蓄冷材中に
流れる渦電流の向きが互いに逆になるので、蓄冷材中に
流れる渦電流の影響を排除することができる。この結
果、ディスプレーサ中に流れる渦電流の影響が問題にな
る。
【0006】そして、渦電流が発生すると、特に強磁界
中では発熱の原因になってしまい、極低温冷凍機の冷却
効率を低下させることになる。前記の構成の極低温冷凍
機において、例えば、ディスプレーサとして合成樹脂か
らなるものを採用することが考えられるが、機械的強度
に問題があり、信頼性が低下してしまうので、到底採用
することができない。
【0007】また、例えば、SQUID(超伝導量子干
渉素子;Superconducting QUant
um Interference Device)を前
記極低温冷凍機によって極低温レベルにまで冷却しよう
とすれば、前記ディスプレーサに発生した渦電流に起因
する磁場をノイズとして検出してしまい、SQUIDを
用いた磁束計の磁場検出感度、精度が低下してしまうと
いう不都合がある。
【0008】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、十分な機械的強度を確保し、磁化、渦電
流の影響を効果的に排除し、もしくは低減し、全体とし
て磁場ノイズを大幅に低減することができる極低温冷凍
機、およびこの極低温冷凍機を用いたSQUID装置を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の極低温冷凍機
は、可動部材としてチタン合金からなるものを採用して
いる。ここで、チタン合金としては、Ti−6Al−4
V、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−13V−11C
-3Al(19.65Kにおける電気抵抗がそれぞれ
1.469×10−3、1.354×10-3、1.57
4×10-3μΩm)が例示できるが、これら以外の組成
のチタン合金であっても同様に適用することができる。
【0010】請求項2の極低温冷凍機は、可動部材がデ
ィスプレーサであり、蓄冷器における蓄冷材どうしが少
なくとも一部において電気的に絶縁されてあるものであ
る。請求項3のSQUID装置は、請求項1または請求
項2の極低温冷凍機によりSQUIDを超伝導動作可能
な極低温にまで冷却するものである。
【0011】
【作用】請求項1の極低温冷凍機であれば、冷凍機の作
動時、ディスプレーサがシリンダ内で往復動するのに伴
ない、該ディスプレーサに渦電流が発生する。しかし、
ディスプレーサはチタン合金からなるものであり、アル
ミ合金と同程度の非磁性を有しているとともに、アルミ
合金の1/50(ステンレススチールの数百分の1)程
度の電気伝導率を有しているのであるから、磁化による
影響を著しく低減することができるとともに、渦電流に
よる影響をアルミ合金を採用した場合の1/50程度に
することができる。もちろん、機械的強度は、アルミ合
金を採用した場合よりも十分に大きい。
【0012】したがって、極低温冷凍機全体として十分
な磁場源ノイズの低減を達成することができる。請求項
2の極低温冷凍機であれば、可動部材がディスプレーサ
であり、蓄冷器における蓄冷材どうしが少なくとも一部
において電気的に絶縁されてあるので、蓄冷材に発生す
る渦電流をも大幅に低減することができ、この結果、極
低温冷凍機全体として一層の磁場源ノイズの低減を達成
することができる。
【0013】請求項3のSQUID装置であれば、請求
項1または請求項2の極低温冷凍機によりSQUIDを
超伝導動作可能な極低温にまで冷却するので、極低温冷
凍機がSQUIDに及ぼす磁気ノイズを大幅に低減する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面によってこの発明
の実施の態様を詳細に説明する。図1はこの発明の極低
温冷凍機の一実施態様である改良ソルベーサイクルを持
つヘリウム冷凍機の要部を示す要部縦断面図である。1
は図示しない圧縮機で圧縮されたヘリウムガス(冷媒ガ
ス)を膨脹させる膨脹機であり、この膨脹機1は圧縮機
に対し高圧ガス配管(図示せず)および低圧ガス(図示
せず)によって接続されて閉回路が形成されている。
【0015】前記膨脹機1は、前記高圧ガス配管が接続
される高圧ガス入口2および低圧ガス配管が接続される
低圧ガス出口3を有するバルブハウジング4と、該バル
ブハウジング4の下部に一体的に気密接合され、上側の
大径部5aおよび下側の小径部5bからなる2段構造の
シリンダ5とを備え、前記バルブハウジング4の内部に
は前記高圧ガス入口2に連通するモータ室6と、該モー
タ室6に連通する上下方向の貫通孔7と、前記低圧ガス
出口3に補助オリフィス8を介して連通するサージボリ
ューム室9とが形成されている。
【0016】また、前記バルブハウジング4とシリンダ
5との接続部には該シリンダ5の上側閉塞端部を構成す
るバルブステム10が嵌装され、該バルブステム10は
前記バルブハウジング4の貫通孔7に気密嵌合されたバ
ルブシート部10aと、シリンダ大径部5aの内径より
も小計に形成され、該シリンダ大径部5a内上部に垂下
する垂下部10bとを備えてあり、バルブシート部10
aの上面と貫通孔7の壁面とで囲まれる空間により、前
記高圧ガス配管にモータ室6を介して連通するバルブ室
11が形成されている。
【0017】また、前記バルブステム10には、上半分
が2つの分岐流路12a,12bに分岐され、かつ前記
バルブ室11をシリンダ5内に連通する第1ガス流路1
2と、一端が第1ガス流路12に後述するロータリーバ
ルブ24の低圧ポート27を介して連通するとともに、
他端が前記低圧ガス出口3バルブハウジング4に形成し
た連通路14を介して連通する第2ガス流路13とが貫
通形成され、両ガス流路12,13は、バルブステム1
0上面においてバルブ室11に対し、第2ガス流路13
にあってはバルブステム10中心部分に、第1ガス流路
12の分岐流路12a,12bにあっては前記第2ガス
流路13の開口部に対して対称な位置にそれぞれ開口さ
れている。
【0018】一方、シリンダ5における大径部5a内の
上端部には、該シリンダ大径部5a内上部に駆動空間1
5を区画形成するほぼカップ形状のスラックピストン1
6がその上端内側面を前記バルブステム10の垂下部1
0bに気密状に摺接せしめた状態で往復動可能に嵌合さ
れ、前記駆動空間15は前記バルブハウジング4内のサ
ージボリューム室9にオリフィス17を介して常時連通
している。前記スラックピストン16は底壁16aを有
し、該底壁16aにはスラックピストン16内外を連通
する中心孔16bおよび連通孔16cが貫通形成されて
いる。
【0019】また、前記シリンダ5内にはディスプレー
サ18が往復動可能に嵌合されている。該ディスプレー
サ18は、シリンダ5の大径部5a下半部内を摺動する
密閉円筒状の大径部18aと、該大径部18a下端に一
体形成され、シリンダ5の小径部5b内を摺動する密閉
円筒状の小径部18bとからなり、このディスプレーサ
18により、前記スラックピストン16下方のシリンダ
5内空間が上側から順に中間室19、第1段膨脹室20
および第2段膨脹室21に区画されている。そして、図
示しない連通孔により、前記ディスプレーサ18の大径
部18a内の空間は前記第1段膨脹室20に常時連通さ
れ、また小径部18b内の空間は前記第1段膨脹室20
および第2段膨脹室21に常時連通されている。そし
て、このディスプレーサ18は、Ti−6Al−4V、
Ti−5Al−2.5Sn、Ti−13V−3Alなど
のチタン合金で形成されている。
【0020】さらに、前記ディスプレーサ18の大径部
18a上端にはその大径部18a内の空間を前記中間室
19に連通する管状の係止片22が一体に突接され、該
係止片22は前記スラックピストン底壁16aの中心孔
16bを貫通してスラックピストン16内部に所定寸法
だけ延び、その上端部にはピストン底壁16aに係合す
るフランジ状の係止部22aが一体に形成されており、
スラックピストン16の上昇時、スラックピストン16
が所定ストロークだけ上昇した時点でその底壁16aと
係止片22の係止部22aとの係合により、ディスプレ
ーサ18をスラックピストン16によって駆動して上昇
開始させるように、つまりディスプレーサ18を所定ス
トロークの遅れをもってスラックピストン16に追従移
動させるようになされている。
【0021】また、前記バルブハウジング4のバルブ室
11内にはモータ室6に配置したバルブモータ23によ
って回転駆動される切換バルブとしてのロータリーバル
ブ24が配設され、該ロータリーバルブ24の切換動作
により、高圧ガス配管つまり高圧ガス配管に連通するバ
ルブ室11と、低圧ガス配管つまり低圧ガス配管に連通
する連通路14とをシリンダ5内の中間室19、第1段
膨脹室20および第2段膨脹室21に対し交互に連通す
るようになされている。
【0022】すなわち、前記ロータリーバルブ24はバ
ルブモータ23の出力軸23aに回転不能かつ摺動可能
に連結されている。また、バルブ24上面とバルブモー
タ23との間にはスプリング25が縮装されており、こ
のスプリング25のばね力およびバルブ室11に導入さ
れた高圧ヘリウムガスの圧力によりロータリーバルブ2
4下面をバルブステム10上面に対し一定の押圧力で押
し付けるようになされている。
【0023】一方、ロータリーバルブ24の下面には、
その半径方向に対向する外周縁から中心方向に所定長さ
だけ切り込んでなる1対の高圧ポート26,26と、該
高圧ポート26,26に対しロータリーバルブ24の回
転方向にほぼ90°の角度間隔をあけて配置され、ロー
タリーバルブ24下面の中心から外周縁近傍に向かって
直径方向に切り欠いてなる低圧ポート27とが形成され
ている。
【0024】そして、バルブモータ23の駆動によりロ
ータリーバルブ24がその下面をバルブステム10上面
に圧接させながら回転して切換動作する際、このロータ
リーバルブ24の切換動作に応じてスラックピストン1
6およびディスプレーサ18をシリンダ5内で往復動さ
せ、ロータリーバルブ24下面の高圧ポート26,26
の内端がそれぞれバルブステム10上面に開口する第1
ガス流路12に合致したときには、バルブ室11を高圧
ポート26,26および第1ガス流路12を介してシリ
ンダ5内の中間室19、第1段膨脹室20および第2段
膨脹室21に連通させて、これら各室19,0,21に
高圧ヘリウムガスを導入充填することにより、スラック
ピストン16および該スラックピストン16によって駆
動されるディスプレーサ18を上昇させる。一方、バル
ブステム10上面に開口する第2ガス流路13に中央に
て常時連通する低圧ポート27の外端が前記第1ガス流
路12に合致したときには、前記シリンダ5内の各室1
9,20,21を第1ガス流路12、低圧ポート27、
第2ガス流路13および連通路14を介して低圧ガス出
口3に連通させて、各室19,20,21に充填されて
いるヘリウムガスを低圧ガス配管に排出することによ
り、スラックピストン16およびディスプレーサ18を
下降させ、このディスプレーサ18の下降移動に伴なう
第1段膨脹室20、第2段膨脹室21内へのヘリウムガ
スの膨脹によって寒冷を発生するように構成されてい
る。
【0025】さらに、前記ディスプレーサ18の大径部
18a内の空間には第1段蓄冷器18が、また小径部1
8b内の空間には第2段蓄冷器機19がそれぞれ嵌装さ
れており、これら蓄冷器28,29は、Ti−6Al−
4V、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−13V−11
Cr−3Alなどのチタン合金からなる円筒状容器30
内に蓄冷材として所定の直径を有する多数の鉛球31,
31,・・・(鉛のショット)を充填封入してなり、こ
れら鉛球31,31,・・・間の間隙がガス通路とされ
ており、このガス通路を流れるヘリウムガスの冷熱を各
鉛球31に蓄えるようにしている。すなわち、ディスプ
レーサ18がシリンダ5内を上昇する吸気工程にあると
きには、前の排気工程で極低温レベルに温度降下した鉛
球31,31,・・・を中間室19から第1段膨脹室2
0または第2段膨脹室21に向かう常温のヘリウムガス
と接触させて、両者の熱交換によりヘリウムガスを極低
温レベル近くまで冷却する。一方、ディスプレーサ18
が下降する排気工程にあるときには、各膨脹室20,2
1での膨脹により極低温レベルに温度降下したヘリウム
ガスをシリンダ5外に排出する途中で鉛球31,31,
・・・と接触させて、両者の熱交換により鉛球31,3
1,・・・極低温レベル近くまで再度冷却するように構
成されている。
【0026】そして、図2に示すように、前記円筒状容
器30内に、ベークライト、ウレタンコーティング銅線
製のメッシュ、ポリイミドアミドコーティング銅線製の
メッシュ、テトロン製のメッシュなど、通気性および非
導電性を有する複数枚の仕切り部材32を円筒状容器3
0の中心軸を基準として回転対称位置に配置するととも
に、円筒状容器30の中心軸と直交するように所定間隔
ごとに配置して円筒状容器30内を複数に区画し、各区
画に直径0.1mm程度の鉛球31,31,・・・を充
填封入している。ただし、回転対称位置に配置された仕
切り部材32または所定間隔ごとに既位置された仕切り
部材の何れかを省略することも可能である。
【0027】次いで、この実施態様の作用を説明する。
ただし、冷凍機の作用は例えば特開平2−85652号
公報などに示されているように従来公知であるから詳細
な説明を省略し、ディスプレーサ18および蓄冷器にお
いて発生する渦電流、磁場のみについて以下に説明す
る。前記のようにディスプレーサ18がシリンダ5内で
往復動するのに伴ない、該ディスプレーサ18に内蔵さ
れた蓄冷器28,29における鉛球31,31,・・・
(蓄冷材)が地磁気などの磁場中で移動するので、ディ
スプレーサ18、円筒状容器30、および鉛球31,3
1,・・・に渦電流が発生する。ここで、ディスプレー
サ18および円筒状容器30は共にTi−6Al−4
V、Ti−5Al−2.5Sn、Ti−13V−11C
r−3Alなどのチタン合金からなり、電気伝導率がア
ルミ合金の1/50程度であるから、発生する渦電流を
大幅に低減することができる。これらに対して鉛球31
は電気伝導率が大きいのでかなり大きな渦電流が流れ
る。そして、各鉛球31に発生した渦電流は隣の鉛球3
1に流れる。しかし、この実施態様では、円筒状容器3
0の中心軸を基準とする回転対称位置に配置された仕切
り部材32および円筒状容器30の中心軸と直交するよ
うに所定間隔ごとに配置された仕切り部材32が通気性
および非導電性を有しているのであるから、各鉛球31
に発生した渦電流が隣の鉛球31に流れる現象をこれら
の仕切り部材32により遮断することができ、各区画の
最も外周縁を流れる渦電流を小さくすることができる。
すなわち、各区画の半径は円筒状容器30の半径よりも
小さいので、半径の減少に比例して渦電流も減少する。
そして、渦電流により発生される磁場は半径の4乗に比
例するのであるから、ディスプレーサ18の往復動によ
り発生する磁場は著しく減少する。具体的には、仕切り
部材32により円筒状容器30を4つに区画した場合に
は、各区画の半径がほぼ1/4になるので、各区画にお
ける渦電流により発生する磁場が1/16になり、4つ
の区画の全ての渦電流により発生する磁場は1/16×
4=1/4になる。また、渦電流による発熱は渦電流の
2乗に比例するのであるから、全体としての発熱も減少
する。
【0028】この結果、ディスプレーサをアルミ合金で
形成した場合に極低温冷凍機に起因する磁場ノイズが3
0pT程度であったのに対して、この実施態様を採用す
ることにより、極低温冷凍機に起因する磁場ノイズを5
pT以下に低減することができた。また、仕切り部材3
2として伝熱性および蓄冷性をも有するものを採用すれ
ば、蓄冷器28,29の蓄冷能力を確保することができ
る。ここで、前記した仕切り部材32は伝熱性および蓄
冷性をも有しているので、蓄冷器28,29の蓄冷能力
を確保できる。
【0029】前記実施態様では、円筒状容器30内に多
数の鉛球31,31,・・・を充填封入してなる蓄冷器
28,29を採用してが、鉛球以外の蓄冷材を内蔵した
蓄冷器を採用することもできる。例えば、図3に示すよ
うに、多数の銅網33,33,・・・(メッシュ)を多
段に積層してなる蓄冷器を採用する場合には、円筒状容
器30内を前記実施態様に示すように区画すべく複数の
仕切り部材32を配置し、仕切り部材32により区画さ
れた各空間に多数の銅網33,33,・・・を多段に積
層すればよく、渦電流、渦電流に起因する発生磁場、渦
電流に起因する発熱を抑制することができる。この結
果、この極低温冷凍機を用いてSQUIDを超伝導動作
可能な極低温にまで冷却して、SQUIDを動作させる
場合に、極低温冷凍機がSQUIDに及ぼす磁気ノイズ
を大幅に低減することができ、例えば、著しく高感度の
微弱磁場検出を達成できる。
【0030】また、この発明は、改良ソルベーサイクル
をもちヘリウム冷凍機に限らず、ヘリウムガス以外の冷
媒ガスを使用するもの、改良ソルベーサイクル以外のサ
イクルをもつものに対しても適用できるのはもちろんで
ある。また、前記の実施態様においては、ディスプレー
サ18をチタン合金からなるものとしているが、ディス
プレーサ18を収容するシリンダをもチタン合金からな
るものとすることも可能である。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、磁化による影響を皆
無にすることができるとともに、渦電流による影響をア
ルミ合金を採用した場合の1/50程度にすることがで
き、しかも、機械的強度を、アルミ合金を採用した場合
よりも十分に大きくでき、ひいては、極低温冷凍機全体
として十分な磁場源ノイズの低減を達成することができ
るという特有の効果を奏する。
【0032】請求項2の発明は、蓄冷材に発生する渦電
流をも大幅に低減することができ、ひいては、極低温冷
凍機全体として一層の磁場源ノイズの低減を達成するこ
とができるという特有の効果を奏する。請求項3の発明
は、極低温冷凍機がSQUIDに及ぼす磁気ノイズを大
幅に低減することができるという特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の極低温冷凍機の一実施態様である改
良ソルベーサイクルを持つヘリウム冷凍機の要部を示す
要部縦断面図である。
【図2】蓄冷器の構成の一例を概略的に示す斜視図であ
る。
【図3】蓄冷器の構成の他の例を概略的に示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
5 シリンダ 18 ディスプレーサ 20 第1段膨脹室 21 第2段膨脹室 28 第1段蓄冷器 29 第2段蓄冷器 30 円筒状容器 31 鉛球 32 仕切り部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内
    に往復動可能に嵌装され、かつシリンダ(5)内に膨脹
    室(20)(21)を区画形成するディスプレーサ(1
    8)とを備え、該ディスプレーサ(18)の往復動によ
    り、圧縮機から供給された冷媒ガスを前記膨脹室(2
    0)(21)内で膨脹させて温度降下させるとともに、
    この温度降下した冷媒ガスをディスプレーサ(18)に
    内蔵した蓄冷器(28)(29)を通過させることによ
    って蓄冷するようにした極低温冷凍機において、 可動部材(18)としてチタン合金からなるものを採用
    していることを特徴とする極低温冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記可動部材(18)がディスプレーサ
    (18)であり、蓄冷器(28)(29)における蓄冷
    材どうしが少なくとも一部において電気的に絶縁されて
    ある請求項1に記載の極低温冷凍機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の極低温冷凍機
    によりSQUIDを超伝導動作可能な極低温にまで冷却
    することを特徴とするSQUID装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004271028A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Sumitomo Heavy Ind Ltd 冷凍機冷却型超電導マグネット装置
CN108954891A (zh) * 2018-08-27 2018-12-07 浙江大学 基于电涡流阻尼调相的斯特林/脉管复合型制冷机
CN109633757A (zh) * 2019-02-18 2019-04-16 中国科学院上海微系统与信息技术研究所 涡流补偿方法及涡流补偿系统

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