JP2004271028A - 冷凍機冷却型超電導マグネット装置 - Google Patents

冷凍機冷却型超電導マグネット装置 Download PDF

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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
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Abstract

【課題】本発明は超電導コイルを冷却する冷凍機を有した冷凍機冷却型超電導マグネット装置に関し、モータにより駆動される冷凍機により超電導コイルの冷却処理を行っても振動の発生を抑制することを課題とする。
【解決手段】電源から供給される電力により励磁する超電導コイル17A,17Bと、電源から供給される電力によりモータ17A,17Bを回転させて超電導コイル18を冷却するGM冷凍機13A,13Bとを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、前記超電導コイル18が発生する磁場の方向と、前記モータ17A,17Bの回転方向とを揃えた構成とすることにより、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に発生する振動を抑制する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍機冷却型超電導マグネット装置に係り、特に超電導コイルを冷却する冷凍機を有した冷凍機冷却型超電導マグネット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁場を利用した様々な測定装置がある中で、強力な磁場の発生が可能であり、操作の容易な冷凍機冷却型超電導マグネット装置がVSM(振動試料型磁力計)等の精密測定装置の構成部分として用いられている。冷凍機冷却型超電導マグネット装置は操作が容易である反面、内部にある超電導コイルを超電導状態に保ち磁場を発生させるため、冷凍機を稼動させる必要がある。
【0003】
図8は従来の冷凍機冷却型超電導マグネット装置を示して折、また図9はこの冷凍機冷却型超電導マグネット装置とVSM(振動試料型磁力計)とを組み合わせた構成例を示している。
【0004】
各図に示されるように、冷凍機冷却型超電導マグネット装置は、真空容器51内に熱伝導率の高い材料(Cu、Alなど)を用いた熱シールド容器52が収容されており、熱シールド容器52内には超電導コイル53が収容されている。超電導コイル53は熱負荷フランジ54に設置されて熱的に結合している。
【0005】
熱負荷フランジ54は、2台設けられた冷凍機61A,61Bの第2段冷却ステージと熱的に結合するように接続されている。この冷凍機61A,61Bは、ギフォードマクマホン(GM)冷凍機であり、モータ67A,67Bによりディスプレーサを駆動してHeガス圧縮機62から供給されるHeガスを膨張空間で膨張させ、これにより極低温を得る構成とされている。このモータ67A,67Bは、常温強磁場空間57を挟んで対向するよう(180°離間して)配設されていた。
【0006】
超電導電流リード55(図9にのみ示す)はBi系等の酸化物材料よりなり、その一端は真空容器51に設けられた電流導入端子56に接続されている。また、超電導電流リード55の他端は、熱シールド容器52内で超電導コイル53と電気的接続が行なわれている。この超電導電流リード55は、熱負荷フランジ54及び熱シールド容器52と熱的に結合している。更に、真空容器51の中央部には、熱シールド容器52を貫通して常温強磁場空間57が形成されている。
【0007】
磁場発生用の励磁用電源70は、電流導入端子56とケーブル71で繋がっている。磁場を発生させる際には、励磁用電源70から超電導電流リード55を介して超電導コイル53に通電させる。
【0008】
また、測定装置80(図9にのみ示す)は振動計であり、常温強磁場空間57に繋がるように真空容器51に設置される。よって、常温強磁場空間57内に配設された被測定物は、超電導コイル53により強磁界が印加される。また、この磁界印加状態下で被測定物に発生する振動は、測定装置80により測定される。
【0009】
超電導コイル53を冷却する冷凍機は、冷凍機本体61、Heガス圧縮機62、フレキシブルホース63を含む。冷凍機61A,61Bを稼動させる場合、Heガス圧縮機62からフレキシブルホース63を通して圧縮Heガスが冷凍機本体61A,61Bに供給される。また、Heガス圧縮機62から冷凍機本体61に、駆動用電源ケーブル64が繋がっている。
【0010】
Heガス圧縮機62と冷凍機本体61との間には、冷凍機本体61の動作制御のためのバイパスユニット65が設けられている。バイパスユニット65と冷凍機本体61はフレキシブルホース63で繋がっている。
【0011】
バイパスユニット65は、ガス流路の切り換え部と、駆動用電源のオン−オフスイッチとを内蔵している。切り換え部は、Heガス圧縮機62と冷凍機本体61との間を接続するモードと、Heガス圧縮機62と冷凍機本体61との間を断とし圧縮HeガスをHeガス圧縮機62側で循環させるモードとの切り換えを行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように冷凍機冷却型超電導マグネット装置とVSMとを組み合わせた構成では、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に不要な振動が発生すると、測定装置80はこの冷凍機冷却型超電導マグネット装置の振動を被測定物の振動と共に測定してしまう。このため、冷凍機冷却型超電導マグネット装置は、無振動であることが望ましい。
【0013】
しかしながら、従来の冷凍機冷却型超電導マグネット装置は、各モータ67A,67Bをその回転軸A,B方向から見た場合(即ち、図8(B)に示すように見た場合)、モータ67Aの回転方向とモータ67Bとの回転方向が同じ方向となるよう構成されていた。即ち従来では各モータ67A,67Bの回転方向は、図8(B)に示すように、いずれも反時計方向である。
【0014】
このように、常温強磁場空間57(磁界の発生位置)を挟んで対向するよう配設されたモータ67A,67Bの回転方向を同方向となるよう構成すると、モータ67A,67Bのいずれか一方の回転方向は、超電導コイル53が発生する磁場の方向と逆の方向となる。いま、図8において超電導コイル53が発生する磁場の方向が矢印で示される方向(図中、上方向)であるとすると、モータ67Bの回転方向は超電導コイル53が発生する磁場の方向に揃うが、モータ67Aの回転方向は、超電導コイル53が発生する磁場の方向と逆の方向となる。
【0015】
このように、超電導コイル53が発生する磁場の方向と、モータ67Aの回転方向とが逆であると、超電導コイル53が発生する磁場はモータ67Aの回転を妨げる力として作用してしまい、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に振動が発生してしまう。よって、従来構成の冷凍機冷却型超電導マグネット装置では、前記したようにVSM等と組み合わせて使用した場合、精度の高い振動測定を行うことができないという問題点があった。
【0016】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、モータにより駆動される冷凍機により超電導コイルの冷却処理を行っても振動の発生を抑制しうる冷凍機冷却型超電導マグネット装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項1記載の発明は、
電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
前記電源から供給される電力によりモータを回転させて前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
前記超電導コイルが発生する磁場の方向と、前記モータの回転方向とを揃えた構成としたことを特徴とするものである。
【0019】
上記発明によれば、超電導コイルが発生する磁場の方向と、モータの回転方向とを揃えた構成としたことにより、モータを回転させても超電導コイルが発生する磁場はモータの回転を妨げる力とはならず、よって冷凍機冷却型超電導マグネット装置に振動が発生することを防止できる。
【0020】
また、請求項2記載の発明は、
電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
前記電源から供給される電力によりモータを回転させて前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
前記超電導コイルが発生する磁場の方向に対し、モータ回転方向が反対方向となる状態における前記モータの配置方向を基準方向とした場合、該モータの前記基準方向に対する配置角度θが0<θ≦180°となるよう構成したことを特徴とするものである。
【0021】
上記発明によれば、モータを基準方向に配置した場合に比べ、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に発生する振動を抑制することができる。
【0022】
即ち、モータの配置方向が基準方向であった場合、超電導コイルが発生する磁場はモータの回転を最も大きく妨げるよう作用する。しかしながら、モータの配置角度θを基準方向からずらすことにより、超電導コイルの磁場がモータの回転を妨げようとする力は漸次小さくなり、取り付け角度θがθ=180°となった時点で最小となる。よって、モータの基準方向に対する配置角度θが0<θ≦180°となるよう構成することにより、モータの配置方向を基準方向とした場合に比べ、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に発生する振動を抑制することができる。
【0023】
また、請求項3記載の発明は、
電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
前記電源から供給される電力によりモータを回転させることにより、内設されたディスプレーサを駆動して前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
前記ディスプレーサを非磁性材により構成したことを特徴とするものである。
【0024】
上記発明によれば、ディスプレーサを非磁性材により構成したことにより、冷凍機を駆動しディスプレーサを往復動作させても、超電導コイルが発生する磁場によりディスプレーサが影響を受けることはなく、よって冷凍機冷却型超電導マグネット装置に振動が発生することを防止できる。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、
電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
前記冷凍機の駆動手段として流体モータを用いたことを特徴とするものである。
【0026】
上記発明によれば、冷凍機の駆動手段として流体モータを用いたことにより、冷凍機を駆動しても、超電導コイルが発生する磁場により冷凍機の駆動手段が影響を受けることはなく、よって冷凍機冷却型超電導マグネット装置に振動が発生することを防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1実施例である冷凍機冷却型超電導マグネット装置10A(以下、超電導マグネット装置という)を示している。この超電導マグネット装置10Aは、例えばVSM(振動試料型磁力計)と組み合わされて使用されるものである。
【0029】
具体的には、超電導マグネット装置10Aに形成された常温強磁場空間23内に被検査物を装着し、この被検査物に超電導マグネット装置10Aにより磁場を印加しつつ、被検査物の振動を測定装置により測定する。尚、超電導マグネット装置10AをVSMと組み合わされた構成は、図9に示した構成と略同一であるため、図1には超電導マグネット装置10Aのみ示し、VSMに関する構成の図示は省略するものとする。
【0030】
超電導マグネット装置10Aは、大略すると真空容器本体11、熱シールド板16、ギフォードマクマホン式冷凍機13A,13B(以下、GM冷凍機という)、超電導コイル18、及び常温強磁場空間23等により構成されている。
【0031】
熱シールド板16は真空容器本体11に内設されており、この真空容器本体111の上部には、常温強磁場空間23の開口を囲繞するよう複数(本実施例では2台)のGM冷凍機13A,13Bが配設されている。本実施例では、この複数のGM冷凍機13A,13Bは同一構成とされており、図示しない冷媒を圧縮する冷凍機コンプレッサに接続されている。この冷凍機コンプレッサで高圧に圧縮された冷媒(例えば、ヘリウムガス)は、GM冷凍機13A,13Bに供給される。
【0032】
また、GM冷凍機13A,13Bにはモータ17A,17Bが設けられており、このモータ17A,17Bを駆動させることにより、内設されたディスプレーサが図中X方向(上下方向)に往復移動する構成とされている。そして、このディスプレーサの往復移動により、冷凍機コンプレッサから供給された高圧冷媒はGM冷凍機13A,13Bの内部で膨張され、これにより温度低下が発生して冷凍機内に配設された蓄冷材が冷却される。また、膨張することにより低圧となった冷媒は、冷凍機コンプレッサに戻されて再び高圧化される。
【0033】
このGM冷凍機13A,13Bは、1段目冷却シリンダ14Aと2段目冷却シリンダ14Bとを有している。1段目冷却シリンダ14Aは熱シールド板16の天板に熱的に接続され、2段目冷却シリンダ14Bは冷却ステージ15と熱的に接続されている。
【0034】
よって、GM冷凍機13A,13Bが熱シールド板16を冷却することにより外部の熱が熱シールド板16内に侵入するのを防止し、かつ超電導コイル18は冷却ステージ15を介してGM冷凍機13A,13B(2段目冷却シリンダ14B)により臨界温度以下に冷却される。これにより超電導コイル18は、超電導状態を実現する。
【0035】
真空容器本体11は、その中央に環状の空間を形成している。そして超電導コイル18は、この環状空間を囲繞するように配設されている。よって、超電導コイル18に電源供給がされて励磁すると、真空容器本体21に形成された環状空間には磁場が発生し、よってこの環状空間は常温磁場空間23として機能する。これにより、常温強磁場空間23内に装着された被測定物は超電導コイル18から強磁界が印加され、この強磁界が印加され状態で振動測定が可能となる。
【0036】
ここで、本実施例に係る超電導マグネット装置10Aの各GM冷凍機13A,13Bに設けられたモータ17A,17Bの回転方向と、超電導コイル18が発生する磁場の方向について詳述する。
【0037】
本実施例では、超電導コイル18が発生する磁場の方向と、モータ17A,17Bの回転方向とを揃えた構成としている。具体的には、各モータ17A,17Bをその回転軸A,B方向から見たとき、即ち各モータ17A,17Bを図1(B)に示すように見たとき、超電導コイル18が発生する磁場の方向が図1(B)に矢印X1で示す方向であったとすると、本実施例ではモータ17Aの回転方向をこの磁場方向X1と揃うように時計方向の回転に設定し、モータ17Bの回転方向を磁場X1と揃うように反時計方向の回転となるよう設定した構成としている。
【0038】
このように、モータ17A,17Bの回転方向と超電導コイル18が発生する磁場の方向とを揃えることにより、モータ17A,17Bを回転させても超電導コイル18が発生する磁場はモータ17A,17Bの回転を妨げる力として作用することはなく、よって超電導マグネット装置10Aに振動が発生することを防止できる。従って、本実施例に係る超電導マグネット装置10AをVSMと組み合わせて使用しても、超電導マグネット装置10Aは振動しないため、被測定物に対して高精度の振動測定を行うことが可能となる。
【0039】
尚、超電導コイル18が発生する磁場の方向が図1(B)に矢印X2で示す方向であった場合には、各モータ17A,17Bの回転方向を上記した例と反対方向に設定することにより、モータ17A,17Bの回転方向と超電導コイル18が発生する磁場の方向とを揃えることができる。
【0040】
図2乃至図3は、上記構成とされた超電導マグネット装置10Aに発生する振動を測定した実験結果を示している。
図2は、本実施例に係る超電導マグネット装置10Aにおいて、超電導コイル18に磁界を発生させていないときの振動の発生状態を示している。図3は比較のため、従来の超電導マグネット装置(図8参照)において、超電導コイル53に磁界を発生させると共にモータ64A,67Bを回転させときの振動の発生状態を示している。更に図4は、本実施例に係る超電導マグネット装置10Aにおいて、超電導コイル18に磁界を発生させると共にモータ17A,17Bを回転させたときの振動の発生状態を示している。
【0041】
尚、各図において、縦軸は発生する振動の加速度を示しており、横軸は時間を示している。また、各図において(A)は図中矢印X方向に発生する振動を示し、(B)は図中矢印Y方向に発生する振動を示し、(C)は図中矢印Z方向に発生する振動を示している。
【0042】
図2に示すように、超電導コイル18が磁界を発生させていないときは、X,Y,Zの各方向に対し振動はほとんど発生していない。従って、従来超電導マグネット装置に振動が発生していたのは、超電導コイル18が発生する磁界に関係があることが判る。
【0043】
また、モータ67A,67Bの回転方向と超電導コイル18が発生する磁場方向とが揃えられていない従来の構成では、図3に示されるように、特にX方向に対して大きな振動が発生している。これは、従来の超電導マグネット装置は、図8を用いて説明したように、超電導コイル53が発生する磁場の方向と、モータ67Aの回転方向とが逆であるため、超電導コイル53が発生する磁場はモータ67Aの回転を妨げる力として作用してしまい、これにより振動が発生すると考えられる。
【0044】
これに対し、モータ17A,17Bの回転方向と超電導コイル18が発生する磁場の方向とを揃えた本実施例に係る超電導マグネット装置10Aでは、図4に示すように、図3に示した従来の振動特性に対し、発生する振動が大きく抑制されている。従って、本実施例に係る超電導マグネット装置10AをVSMと組み合わせて使用した場合、被測定物に対して高精度の振動測定を行うことが可能となる。
【0045】
尚、図4(A)に示す本実施例に係る超電導マグネット装置10Aの振動特性は、約1sec毎に似た特性を繰り返す周期性を有している。よって、VSMで被測定物に対して更に高精度の振動特性を行うため、本実施例に係る超電導マグネット装置10Aで発生する振動をフィルタ処理等を行って除去する場合、このフィルタの設計を容易とすることができる。
【0046】
次に、図5を参照しつつ、本発明の第2実施例に係る超電導マグネット装置について説明する。
前記した第1実施例に係る超電導マグネット装置10Aは、前記したように超電導コイル18が発生する磁場の方向と、モータ17A,17Bの回転方向とを揃えた構成とした。この構成を、超電導マグネット装置10Aを平面視した時のモータ17A,17Bの配置の仕方として見ると、図1(A)に示すようにモータ17Aとモータ17Bは配置方向が反対となっている。即ち、モータ17Aの配置方向に対し、モータ17Bは180°回転された構成となっている。これに対し、図8を用いて説明した従来の超電導マグネット装置は、図8(A)に示すようにモータ67Aとモータ67Bは配置方向が同一方向となっている。
【0047】
そこで本発明者は、従来のようにモータ17A(GM冷凍機13A)を超電導コイル18が発生する磁場の方向と反対方向となる位置(以下、この位置を基準位置という)に配置し、この基準位置からGM冷凍機13A(モータ17A)を角度θ回転させ、このときに超電導マグネット装置に発生する振動加速度(X方向)を測定した。図6は、その結果を示している。
【0048】
図6において、θ=0°が基準位置である。この基準位置からGM冷凍機13A(モータ17A)を角度θ回転させると、同図に示すように超電導マグネット装置に発生する振動加速度は漸次減少する。よって、超電導マグネット装置に配設される各モータ17A,17Bの基準方向に対する配置角度θを0<θ≦180°となるよう配置する構成することにより、各モータ17A,17Bを基準方向に配置とした場合に比べ、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に発生する振動を抑制することができる。
【0049】
即ち、モータ17A,17Bの配置方向が基準方向であった場合、超電導コイル18が発生する磁場はモータ17A,17Bの回転を最も大きく妨げるよう作用する。しかしながら、モータ17A,17Bの配置角度θを基準方向からずらすことにより、超電導コイル18の磁場がモータ17A,17Bの回転を妨げようとする力は漸次小さくなり、取り付け角度θがθ=180°となった時点で最小となる。よって、モータ17A,17Bの基準方向に対する配置角度θが0<θ≦180°となるよう構成することにより、モータ17A,17Bの配置方向を基準方向とした場合に比べ、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に発生する振動を抑制することができる。
【0050】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
図7は、第3実施例に係る超電導マグネット装置10Bを説明するための図である。尚、図7において、第1実施例の説明に用いた図1に示した構成と同一構成については同一符合を付してその説明を省略する。
【0051】
超電導マグネット装置10Bに配設されるGM冷凍機13C,13Dは、1段目冷却シリンダ14Aと2段目冷却シリンダ14Bとを有しており、1段目冷却シリンダ14Aは熱シールド板16を冷却し、2段目冷却シリンダ14Bは冷却ステージ15を介して超電導コイル18を冷却する機能を奏する。このGM冷凍機13C,13Dは、モータ17C,17Dを駆動させることにより内設されたディスプレーサ19を図中X方向(上下方向)に往復移動させ、図示しない冷凍機コンプレッサから供給された高圧冷媒(例えば、ヘリウムガス)を各冷却シリンダ14A,14B内部で膨張され、これにより温度低下を発生させる構成となっている。
【0052】
また、ディスプレーサは、冷却効率を高めるために蓄冷材を内設した構成とされている。この蓄冷材は、従来では磁気相転移にとも成す比熱異常を利用するため、強磁性材料を多用していた。しかしながら、ディスプレーサの構成物である蓄冷材が強磁性材料を含むと、超電導コイル18で発生する磁界は強磁性材料を含むディスプレーサに影響を及ぼしてしまい、これによりディスプレーサの往復運動時にモータに振動が発生してしまう現象が発生する。
【0053】
そこで、本実施例に係る超電導マグネット装置10Bは、ディスプレーサ19を非磁性材により構成した。従って、ディスプレーサ19に内設される蓄冷材も非磁性材により構成した。
【0054】
本実施例のように、ディスプレーサ19(蓄冷材を含む)を非磁性材により構成したことにより、冷却のためにディスプレーサ19を往復動作させても、超電導コイル18が発生する磁場によりディスプレーサ19が影響を受けることはなく、よって冷凍機冷却型超電導マグネット装置10Bに振動が発生することを防止できる。尚、第1実施例の構成のように、モータ17A,17Bの回転方向と超電導コイル18の磁場の方向とを揃えることにより、更に超電導マグネット装置10Bに発生する振動を抑制することが可能となる。
【0055】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
【0056】
上記した各実施例では、GM冷凍機13A〜13Dを駆動するための駆動手段として電気モータ17A〜17Dを用いた構成とされていた。電気モータ17A〜17Dは、内設されたコイルに電流を流すことにより回転軸を回転させる構成であるため、前記したように超電導コイル18に影響を受け、その配置方向によっては振動が発生する。
【0057】
本実施例に係る超電導マグネット装置は、GM冷凍機のディスプレーサを駆動する手段として電気モータに替えて流体モータを用いたことを特徴とするものである。この際、流体モータを回転させる媒体となる流体は、エア,水,或いはオイル等の非磁性材よりなるものを用いている。
【0058】
上記発明のように、GM冷凍機の駆動手段として流体モータを用いることにより、GM冷凍機を駆動しても、超電導コイルが発生する磁場により流体モータが影響を受けることはなく、よって超電導マグネット装置に振動が発生することを防止できる。
【0059】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、冷凍機冷却型超電導マグネット装置に振動が発生することを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である超電導マグネット装置を示す構成図である。
【図2】超電導コイルが磁力を発生していない状態において、本発明の第1実施例である超電導マグネット装置に発生する振動加速度を示す図である。
【図3】超電導コイルの磁場の方向と冷凍機用モータの回転方向とが揃っていない構成である従来の超電導マグネット装置に発生する振動加速度を示す図である。
【図4】超電導コイルの磁場の方向と冷凍機用モータの回転方向とが揃っている本実施例に係る超電導マグネット装置に発生する振動加速度を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る超電導マグネット装置を説明するための図である。
【図6】冷凍機用モータの配設方向の回転角度と、超電導マグネット装置に発生する振動加速度との関係を示す図である。
【図7】本発明の第3実施例である超電導マグネット装置を説明するための図である。
【図8】従来の一例である超電導マグネット装置を示す構成図である。
【図9】従来の一例である超電導マグネット装置をVSMに適用した例を示す構成図である
【符号の説明】
10A,10B 超電導マグネット装置
11 真空容器本体
13A〜13D GM冷凍機
15 冷却ステージ
16 熱シールド板
17A〜17D モータ
18 超電導コイル
22 中空円筒
23 常温強磁場空間

Claims (4)

  1. 電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
    前記電源から供給される電力によりモータを回転させて前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
    前記超電導コイルが発生する磁場の方向と、前記モータの回転方向とを揃えた構成としたことを特徴とする冷凍機冷却型超電導マグネット装置。
  2. 電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
    前記電源から供給される電力によりモータを回転させて前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
    前記超電導コイルが発生する磁場の方向に対し前記モータの回転方向が反対方向となる状態における前記モータの回転軸方向を基準方向とした場合、該モータの前記基準方向に対する取り付け角度θが0<θ≦180°となるよう構成したことを特徴とする冷凍機冷却型超電導マグネット装置。
  3. 電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
    前記電源から供給される電力によりモータを回転させることにより、内設されたディスプレーサを駆動して前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
    前記ディスプレーサを非磁性材により構成したことを特徴とする冷凍機冷却型超電導マグネット装置。
  4. 電源から供給される電力により励磁する超電導コイルと、
    前記超電導コイルを冷却する冷凍機とを有する冷凍機冷却型超電導マグネット装置において、
    前記冷凍機の駆動手段として流体モータを用いたことを特徴とする冷凍機冷却型超電導マグネット装置。
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