JPH092874A - 炭化した芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法 - Google Patents
炭化した芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法Info
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Abstract
抑えて歩留り良く、しかも低いコストで芳香族ポリイミ
ド樹脂フィルムの積層、炭化乃至は黒鉛化を達成できる
など、工業的に有利に炭化した芳香族ポリイミド樹脂フ
ィルム積層体を製造する方法を提供する。 【構成】 複数枚の芳香族ポリイミドフィルムを重ねて
押えながら該ポリイミドフィルムの熱分解開始温度以下
で熱処理してフィルム同志を接着、積層せしめた後、こ
の積層体を非酸化性雰囲気中で前記熱分解開始温度以上
に昇温して熱処理することを特徴とする炭化した芳香族
ポリイミド樹脂フィルム積層体の製造方法。
Description
化した芳香族ポリイミドフィルム積層体を収率良く、簡
便且つ工業的に有利に製造する方法に関する。
ピッチとを用いた等方性あるいは異方性黒鉛材料が大量
生産され、またシート状黒鉛材料の製造は天然黒鉛を酸
処理して黒鉛層間化合物を生成させ、これを熱処理して
膨張黒鉛に変え、次いで圧延するプロセスを用いて工業
的に実施されている。更に、非晶質の炭素材料として被
覆材あるいはシート状のガラス状炭素の産業的利用が拡
大しつつある。
煩雑なプロセスを経て合成され、あるいは機械加工が困
難であったり、加工の歩留りが悪いといった工業的に不
利な面を有している。
て、芳香族ポリイミドフィルムなど非晶質の熱可塑性、
耐熱性樹脂のフィルムを、必要に応じて積層させ、固相
炭素化によりシート状乃至は塊状に加工する技術が注目
を集めている。これによれば、煩雑なプロセスを経ずに
所望の形状の炭素材料を簡便に得ることができる。
鉛化する方法については、これ迄様々な学術文献及び特
許文献が公表されている。
−257頁(1989年)、稲垣ら、Carbon29
巻8号、1239−1243頁(1991年)、菱山
ら、Carbon30巻3号、333−337号(19
92年)、村上ら、Carbon30巻2号、255−
262頁(1992年)には様々な構造の芳香族ポリイ
ミドフィルム(単葉)の炭化、黒鉛化の挙動、物理的・
化学的性質に関する研究成果が発表されている。
56508号各公報には、芳香族ポリイミドフィルム
(単葉)を、収縮を抑えながら炭化する方法が記載され
ている。
218号各公報には、芳香族ポリイミドフィルムを積層
して炭化させ、あるいは炭化して積層させ、更には黒鉛
化させる方法が記載されている。
平2−83208号、同3−75211号、同3−15
0216号、同3−279207号、同4−21508
号各公報には、様々な工夫により芳香族ポリイミド樹脂
フィルムを積層、炭化乃至は黒鉛化する方法が記載され
ている。
香族ポリイミドフィルムの積層、炭化乃至は黒鉛化方法
とは異なる新規な方法を提供するために成されたもので
あり、固相炭素化の際にき裂など構造欠陥の発生を抑え
て歩留り良く、しかも低いコストで芳香族ポリイミド樹
脂フィルムの積層、炭化乃至は黒鉛化を達成できるな
ど、工業的に有利に炭化した芳香族ポリイミド樹脂フィ
ルム積層体を製造する方法を提供するものである。
リイミドフィルムを重ねて押えながら該ポリイミドフィ
ルムの熱分解開始温度以下で熱処理してフィルム同志を
接着、積層せしめた後、この積層体を非酸化性雰囲気中
で前記熱分解開始温度以上に昇温して熱処理することを
特徴とする炭化した芳香族ポリイミド樹脂フィルム積層
体の製造方法である。
め芳香族ポリイミドフィルムを熱分解開始温度以下の低
温で接着して積層体とし、然る後に炭化乃至は黒鉛化熱
処理することにあり、従来技術ではこの熱分解開始温度
以下での予備接着により積層体の製造歩留りが良くなる
という知見が得られていなかった。
の後の熱処理には通常の加熱炉を用いることができるた
め、設備、エネルギー消費、時間消費、工程管理の観点
から見て工業的に有利な生産を行うことができる。
選択することにより、ヘテロ原子の残存した半導体状、
炭化が完了したガラス状、あるいは黒鉛結晶が十分に発
達した黒鉛状など広範な炭素材料を所望の形状で得るこ
とができる。
ィルムは、従来公知のもので良く、例えばポリ(ピロメ
リト酸イミド)[例えば東レ・デュポン(株)製商品名
カプトン、三菱化学(株)製商品名ノバックス、鐘淵化
学工業(株)製商品名アピカル、日東電工(株)製商品
名ニトミッドU−フィルムNなど]、ポリビフェニル系
イミド[例えば宇部興産(株)製商品名ユーピレックス
−R、日東電工(株)製商品名ニトミッドU−フィルム
U及びTなど]、ポリケトンイミド[例えば三井東圧化
学(株)製LARK−TPIなど]、ポリパラバン酸
[例えば東燃石油化学(株)製]などがある。
上記芳香族ポリイミドフィルムを複数枚重ね合せて、例
えば低温型ホット・プレスを用い、前記ポリイミドフィ
ルムの熱分解開始温度以下で加熱、加圧する。加圧力
は、数kg/cm2程度の弱い圧力でも良く、フィルム
の表面同志が平坦に接触した状態で十分である。
フィルム同志が、少なくとも容易にはく離しない程度に
接合される。この接着現象については、上記従来技術に
記載した文献には全く示されておらず、従ってこの温度
領域を選択して積層を行うという技術思想も存在してい
なかった。前記接着のメカニズムは必ずしも明らかでな
いが、ポリイミド樹脂のイミド結合部分の分極による静
電的結合(ファン・デル・ワールス結合)などに起因し
たものであると推察される。この接着現象は、接着理論
で言われる接着開始点であるガラス転移温度より低い温
度でも認められる。
積層体を次いで熱分解開始温度以上に昇温して熱処理す
る。この熱処理の態様は本発明の本質部分を成すもので
はなく、最終製品に求める炭素質物質の組成、組織に応
じて自在に変えることができ、処理条件によって、未炭
化品、炭化品、黒鉛化品などを選択して製造することが
できる。熱分解開始温度以上への昇温により、イミド結
合の開裂によって、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、
水素、窒素などの各種気体が遊離し、芳香族環が縮合多
環化し、炭素前駆体構造が形成される。従って、これら
の気体の遊離状況に応じて、ある程度ヘテロ原子が残存
した状態から、炭化が完了しガラス状の炭素となった状
態、更には黒鉛結晶構造の発達した状態にまで組成、組
織を制御して積層体を形成することができる。
メートルのシート状から数センチメートルの塊状に及ぶ
様々な厚み、形状で得られ、更に必要に応じて機械加工
して各種用途に利用することができる。
プトン100H(厚み25μm、ガラス転移温度460
℃、熱分解開始温度約500℃)を一辺が10cmの正
方形に切断し、これを25枚重ね合わせ黒鉛板に挟んで
ホットプレス機に装着し、20kg/cm2の圧力下、
10℃/時の速度で450℃まで昇温し、1時間保持し
た。冷却後、ホットプレス機から取り出したところ、き
裂や層間はく離のない、フィルム同志が強固に接着した
積層体が得られた。次いで、この積層体を黒鉛板に挟
み、黒鉛ボックス内に装入し、黒鉛の詰粉を充填し蓋を
閉めて密閉した後、通常の加熱炉内で400℃/時の昇
温速度で900℃まで加熱し、1時間保持した。冷却
後、炉から取り出したところ、積層の乱れやフィルム同
志のはく離のない、炭化がほぼ完了した、厚み0.5m
mの積層体が得られた。
で加熱したところ、積層の乱れやき裂のない、X線学的
に非晶質のガラス状炭素が得られた。
800℃まで加熱したところ、115学振法に従ってX
線回折の002回折線から求めた平均面間隔が0.33
54ナノメートル、c軸方向の結晶子の厚みが1000
オングストローム以上の、ほぼ完全に黒鉛化した製品が
得られた。
は実施例1乃至3と同様にして、同様に良好なガラス状
炭素、黒鉛製品を得た。
ろ、積層体にき裂が発生し、その後のガラス状炭素、黒
鉛製品の製造が不可能となった。また更に、ポリイミド
フィルムの熱分解開始温度を挟んだ温度にて同様の実験
を繰り返した結果、熱分解開始温度以下での予備接着に
より高い製品歩留りでガラス状炭素あるいは黒鉛製品が
得られることが分った。
など構造欠陥の発生を抑えて歩留り良く、しかも低いコ
ストで芳香族ポリイミド樹脂フィルムの積層、炭化乃至
は黒鉛化を達成できるなど、工業的に有利に炭化した芳
香族ポリイミド樹脂フィルム積層体を製造することがで
きる。
の後の熱処理には通常の加熱炉を用いることができるた
め、設備、エネルギー消費、時間消費、工程管理の観点
から見て工業的に有利な生産を行うことができる。
選択することにより、ヘテロ原子の残存した半導体状、
炭化が完了したガラス状、あるいは黒鉛結晶が十分に発
達した黒鉛状など広範な炭素材料を所望の形状で得るこ
とができる。
フィルムは、従来公知のもので良く、例えばポリ(ピロ
メリト酸イミド)[例えば東レ・デュポン(株)製商品
名カプトン、三菱化学(株)製商品名ノバックス、鐘淵
化学工業(株)製商品名アピカル、日東電工(株)製商
品名ニトミッドU−フィルムNなど]、ポリビフェニル
系イミド[例えば宇部興産(株)製商品名ユーピレック
ス−R、日東電工(株)製商品名ニトミッドU−フィル
ムU及びTなど]、ポリケトンイミド[例えば三井東圧
化学(株)製LARC−TPIなど]、ポリパラバン酸
[例えば東燃石油化学(株)製]などがある。
800℃まで加熱したところ、いわゆる学振法に従って
X線回折の002回折線から求めた平均面間隔が0.3
354ナノメートル、c軸方向の結晶子の厚みが100
ナノメートル以上の、ほぼ完全に黒鉛化した製品が得ら
れた。
は実施例1乃至3と同様にして、同様に良好なガラス状
炭素、黒鉛製品を得た。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数枚の芳香族ポリイミドフィルムを重
ねて押えながら該ポリイミドフィルムの熱分解開始温度
以下で熱処理してフィルム同志を接着、積層せしめた
後、この積層体を非酸化性雰囲気中で前記熱分解開始温
度以上に昇温して熱処理することを特徴とする炭化した
芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18969295A JP3749286B2 (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 炭化した芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18969295A JP3749286B2 (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 炭化した芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH092874A true JPH092874A (ja) | 1997-01-07 |
JP3749286B2 JP3749286B2 (ja) | 2006-02-22 |
Family
ID=16245596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18969295A Expired - Lifetime JP3749286B2 (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 炭化した芳香族ポリイミドフィルム積層体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3749286B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002064368A1 (fr) * | 2001-02-09 | 2002-08-22 | Amt Laboratory Co.,Ltd. | Film stratifie polyimide |
JP2017001901A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 炭化物接合体及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP18969295A patent/JP3749286B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002064368A1 (fr) * | 2001-02-09 | 2002-08-22 | Amt Laboratory Co.,Ltd. | Film stratifie polyimide |
JP2017001901A (ja) * | 2015-06-05 | 2017-01-05 | 株式会社デンソー | 炭化物接合体及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3749286B2 (ja) | 2006-02-22 |
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