JPH09286878A - ポリオレフィン組成物およびそのシート - Google Patents

ポリオレフィン組成物およびそのシート

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JPH09286878A
JPH09286878A JP10107296A JP10107296A JPH09286878A JP H09286878 A JPH09286878 A JP H09286878A JP 10107296 A JP10107296 A JP 10107296A JP 10107296 A JP10107296 A JP 10107296A JP H09286878 A JPH09286878 A JP H09286878A
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JP
Japan
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olefin
sheet
weight
composition
ethylene
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JP10107296A
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English (en)
Inventor
Hideho Tanaka
秀穂 田中
Hideki Ichihashi
秀樹 市橋
Kenji Fujimoto
賢治 藤本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、従来技術では解決のできなかった
柔軟性と機械的強度のバランスがとれ、かつ、貯蔵安定
なポリオレフィン組成物およびそれから得られるシート
を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、(A)軟化点が100〜17
0℃であり、かつ、190℃における溶融粘度が10-1
〜10パスカル・秒である非晶性ポリα−オレフィン、
(B)結晶性ポリα−オレフィンおよび(C)オレフィ
ン系熱可塑性エラストマーからなる組成物で、該組成物
中の前記(A)成分の含有量が40〜80重量%、か
つ、前記(B)成分と前記(C)成分の合計重量に対す
る前記(C)成分の重量百分率が5〜50重量%であ
り、さらに、50℃での貯蔵安定な時間が60日以上で
あることを特徴とするポリオレフィン組成物およびそれ
から得られるシートに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟でしかも高い
機械的強度を有し、かつ、貯蔵安定なポリオレフィン組
成物およびそのシートに関するものである。これらは、
自動車用材料、土木建築用資材、包装用資材などとして
使用することができる。さらに、本発明のシートの中に
は優れたタック性を保有するものがあり、粘着材料など
として好適に使用され得る。
【0002】
【従来の技術】柔軟性を有するプラスチックの代表とし
て古くから軟質塩化ビニル樹脂が広く知られており、シ
ートやフィルムなどとして大量に使用されている。しか
し、軟質塩化ビニル樹脂は、その中に含まれている可塑
剤やモノマーの滲出とか、焼却時の塩化水素ガスの発生
とかいった地球環境保護の観点からの深刻な問題を抱え
ている。
【0003】そこで、このような軟質塩化ビニル樹脂に
代わる樹脂として、既に非晶性ポリオレフィンと結晶性
ポリオレフィン、あるいはこれらに熱可塑性エラストマ
ーを加えてなるポリオレフィン組成物が提案されている
(特開平5−194802号公報、特開平7−3163
50号公報など参照)。しかし、これらポリオレフィン
組成物は貯蔵安定性に乏しく、組成物中に含まれる非晶
性ポリオレフィンの一部が貯蔵中にそれらの成形品表面
に滲出する。その結果、成形品表面がベタつき、実用に
供し得ないものになってしまうという致命的な問題が生
じている。
【0004】上記の問題を解決するために、有機酸およ
びその誘導体、ソルビトール誘導体、顔料および無機物
微粉体(特開昭59−43044号公報、特開平5−3
3339号公報など参照)や油ゲル化剤(特開平7−3
16358号公報など参照)などの添加剤を配合する方
法、表面に粉末粒子(特開昭58−69238号公報な
ど参照)や不活性ダスト状物質(特開平1−31770
9号公報など参照)を付着させる方法、離型剤を含有さ
せた冷却水によって固化させる方法(特開平7−403
39号公報、特開平7−88839号公報など参照)、
熱水および/または水蒸気と接触させて非晶性ポリオレ
フィン中の沸騰アセトン可溶分量を低減させる方法(特
開平7−173216号公報など参照)、その他球晶サ
イズの制御、結晶化核剤の配合あるいは徐冷固化させる
方法(特開平7−258422号公報、特開平7−31
6222号公報など参照)などの提案がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの提案
は、非晶性ポリオレフィンの成形品表面への滲出防止効
果が不十分であったり、方法が煩雑で工業的には適して
いなかったり、物性を損ねてしまったりなどいずれも必
ずしも満足の行くものではない。したがって、本発明の
目的は、従来技術では解決できなかった柔軟性と機械的
強度とのバランスがとれ、かつ、貯蔵安定なポリオレフ
ィン組成物およびそれから成形して得られるシートを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特
定の性状および組成を有するポリオレフィン組成物およ
びそれを溶融シート加工して得られるシートを提供する
ことによって、その目的が達成できることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明における第1の発明は、
(A)軟化点が100〜170℃であり、かつ、190
℃における溶融粘度が10-1〜10パスカル・秒である
非晶性ポリα−オレフィン、(B)結晶性ポリα−オレ
フィンおよび(C)オレフィン系熱可塑性エラストマー
からなる組成物であって、そして、前記数式(I)で表
わされる前記組成物中における前記(A)成分の含有量
(Wa)が40〜80重量%であり、かつ、前記数式
(II)で表わされる、前記組成物中の前記(B)成分と
前記(C)成分の合計重量に対する前記(C)成分の重
量百分率(Wb)が5〜50重量%であり、さらに、5
0℃での貯蔵安定な時間が60日以上であることを特徴
とするポリオレフィン組成物を提供することによって達
成できるのである。
【0008】また、本発明における第2の発明は、上記
特定の性状および組成を有するポリオレフィン組成物を
溶融シート加工することによって得られることを特徴と
するシートを提供することで達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。本発明に述べる非晶性ポリα−オレフィン(A)と
は、α−オレフィン類の単独重合体あるいはそれらの共
重合体(例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン・
エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体な
ど)およびこれらの混合物で、比較的低分子量、しかも
非晶性のものをいう。さらに、これらがα、β−不飽和
カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸など)やそれらの酸ハライド、アミド、イミド、酸
無水物およびエステルなどの誘導体(例えば、塩化マレ
ニル、アクリルアミド、マレイミド、無水マレイン酸、
無水イタコン酸、無水シトラコン酸、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸モノメチル、マレ
イン酸ジメチル、グリシジルアクリレート、グリシジル
メタクリレートなど)などよく知られた化合物によって
変性されたものも含まれる。
【0010】そして、本発明においては、それらの軟化
点(環球法によって測定される値)および溶融粘度(円
錐/円板型レオメーターによって190℃において測定
される値)は、特定の範囲に含まれることが必要であ
る。すなわち、軟化点は、100〜170℃の範囲でな
ければならない。軟化点が100℃より低いと、シート
表面がベタつき取扱いにくいし、170℃より高いと、
タック性が発現しにくいので、いずれも好ましくない。
なお、シート表面のベタつきの防止およびタック性の発
現を確実なものとするためには、前記非晶性ポリα−オ
レフィン(A)の軟化点は、105〜155℃の範囲で
あることがより好ましい。また、溶融粘度は、10-1
10パスカル・秒(以下「Pa・S」と略記)の範囲、
好ましくは1〜8Pa・Sの範囲であることが求められ
る。溶融粘度が1Pa・Sより低粘度になると、得られ
るシートの物性の低下が見られるようになり、特に10
-1Pa・Sより低粘度になると、得られるシートの物性
は、著しく低下する。そして、溶融粘度が8Pa・Sよ
り高粘度では、シートの柔軟性が悪くなる傾向が見ら
れ、特に10Pa・Sより高粘度になると、それらに悪
影響を及ぼす。
【0011】本発明に使用する結晶性ポリα−オレフィ
ン(B)とは、α−オレフィン類の単独重合体あるいは
それらの共重合体、さらにはこれらのα、β−不飽和カ
ルボン酸やそれらの誘導体などよく知られた化合物によ
る変性体であり、かつ、明確な融点が存在するなどの結
晶性を呈するものをいう。もちろん、これらの二種以上
の混合物であってもよい。具体例を挙げれば、高密度ポ
リエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、結晶性
エチレン・プロピレン共重合体(結晶性エチレン・プロ
ピレンランダム共重合体、結晶性エチレン・プロピレン
ブロック共重合体など)など、あるいは、これらが前述
したα、β−不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸など)やそれらの酸ハライド、
アミド、イミド、酸無水物およびエステルなどの誘導体
(例えば、塩化マレニル、アクリルアミド、マレイミ
ド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン
酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレートなど)などによって
変性されたものである。なお、これら結晶性ポリα−オ
レフィン(B)の分子量や化学組成、溶融粘度などに関
しては、特別な限定はなく、使用される前記非晶性ポリ
α−オレフィン(A)の性状や両者の混合割合などに応
じて適宜選択されるべきである。
【0012】また、本発明において使用されるオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(C)としては、エチレン・
プロピレンラバー(EPR)、エチレン・ブチレンラバ
ー(EBR)、エチレン・プロピレン・ブチレンラバー
(EPBR)、エチレン・プロピレン・ジエンラバー
(EPDM)などが具体的に挙げられる。これらの中で
も特に、EPRおよびEBRが好ましく使用される。そ
して、EPRとしては、エチレン含量が30〜85重量
%であり、かつ、メルトフローインデックス(230℃
で測定)が0.3〜10g/10分またはムーニー粘度
(ML1+4 (100℃))が10〜80程度のもの、E
BRとしては、ブテン−1含量が10〜25重量%であ
り、かつ、メルトフローインデックス(190℃で測
定)が0.5〜10g/10分またはムーニー粘度(M
1+4 (100℃))が5〜20程度のものがとりわけ
好適に使用され得る。
【0013】ところで、本発明では、ポリオレフィンと
して、前記非晶性ポリα−オレフィン(A)、前記結晶
性ポリα−オレフィン(B)および前記オレフィン系熱
可塑性エラストマー(C)の三種を使用することに特徴
がある。上記三者の選択に際しては、特に制限はない
が、一般的には、相溶性を有する組み合わせが均一なマ
トリックスを形成しやすいので好ましい。例示すれば、
非晶性プロピレン・エチレン共重合体/結晶性エチレン
・プロピレン共重合体/エチレン・プロピレンラバー
や、非晶性プロピレン・ブテン−1共重合体/結晶性エ
チレン・プロピレン共重合体/エチレン・ブチレンラバ
ーなどである。
【0014】次に、本発明の重要な構成要件の一つは、
上記三者の配合割合である。すなわち、本発明では、前
記数式(I)で表わされる、前記(A)成分、前記
(B)成分および前記(C)成分からなるポリオレフィ
ン組成物中の前記(A)成分の含有量(Wa)が40〜
80重量%、好ましくは50〜70重量%であり、か
つ、前記数式(II)で表わされる、前記(B)成分と前
記(C)成分の合計重量に対する前記(C)成分の重量
百分率(Wb)が5〜50重量%、好ましくは10〜5
0重量%であることが必要である。もし上記Waの値が
40重量%より小さいと、得られるシートの柔軟性が十
分期待できず、実用に供し得ない。一方、この値が80
重量%より大きいと、シートの貯蔵特性が著しく低下す
る。また、上記Wbの値が5重量%より小さいと、本発
明の改良効果が十分発揮されず、得られるシートの貯蔵
安定性がない。逆に、この値が50重量%より大きい
と、得られるシートの機械的強度が低下する。なお、得
られるシートにおける上述したような好ましくない現象
の発現を確実に抑えるためには、上記WaおよびWbの
値は、それぞれ、前述した好ましい範囲内の値となるよ
うにすることが望ましい。
【0015】また、本発明では、その効果を損なわない
程度において上記三種の成分以外に、公知の各種添加
剤、着色剤、改質剤、補強材、充填剤などを加えても差
しつかえない。上記補強材の具体例としては、ガラス繊
維、カーボン繊維、アラミド繊維など、また、上記充填
剤の具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、タルク、マイカ、クレー、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ワラストナ
イト、ゾノトライト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マ
グネシウムなど公知のものが挙げられる。
【0016】前記非晶性ポリα−オレフィン(A)、前
記結晶性ポリα−オレフィン(B)および前記オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー(C)からなるポリオレフィ
ン組成物は、公知の方法および装置を用いて製造され
る。すなわち、バンバリーミキサー、スーパーミキサ
ー、ミキシングロール、二軸連続ミキサー、ブラベンダ
ープラストグラフ、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機
などの装置を使用し、三者を溶融混練することによって
達成できる。上記溶融混練は、180〜250℃、好ま
しくは190〜230℃の温度で行われる。溶融混練温
度が180℃よりも低いと、上記の混練装置内で前記非
晶性ポリα−オレフィン(A)、前記結晶性ポリα−オ
レフィン(B)および前記オレフィン系熱可塑性エラス
トマー(C)の溶融粘度が高くなり過ぎるとともに、こ
れらポリオレフィンの一部が固化するなどして、これら
ポリオレフィンの混練が十分に行われない。また、25
0℃よりも高いと、これらポリオレフィンの熱分解や熱
劣化が起こり、ポリオレフィン組成物の着色や物性の低
下をもたらすので好ましくない。
【0017】ところで、本発明は、上述のようにして得
られるポリオレフィン組成物の内、50℃での貯蔵安定
な時間が60日以上である特定のポリオレフィン組成物
を対象とするものである。ここで、貯蔵安定な時間と
は、前記非晶性ポリα−オレフィン(A)、前記結晶性
ポリα−オレフィン(B)および前記オレフィン系熱可
塑性エラストマー(C)からなるポリオレフィン組成物
から後述する方法で作製したシートを50℃の熱風循環
オーブン中に連続して貯蔵した場合、貯蔵開始時から、
ポリオレフィン組成物中に含まれる前記非晶性ポリα−
オレフィン(A)の一部がシート表面に滲出する現象が
観察されるまでの日数である。したがって、この時間が
長い方が貯蔵安定性に優れることを意味している。本発
明では、この時間が60日以上、好ましくは90日以上
であることを必要とする。もしこの値が60日未満であ
ると、夏季あるいは温度の高い場所でのシートの貯蔵に
問題が生じ、実用に供し得なくなるので好ましくない。
【0018】次に、本発明のポリオレフィン組成物は、
シートやフィルムなどに成形して用いることができる
が、中でもシートとして使用するのに適している。すな
わち、本発明の第2の目的は、前記ポリオレフィン組成
物からなるシートの提供であり、該シートは、前記ポリ
オレフィン組成物を溶融シート加工することによって製
造されるものである。溶融シート加工法としては、例え
ば、ダイ押出成形、カレンダリング成形、プレス成形な
ど一般によく知られた成形方法が適用できる。中でも、
ダイ押出成形やカレンダリング成形などの連続プロセス
が好適である。溶融シート加工条件として特に制限はな
いが、重要なことは冷却条件であり、徐冷することが好
ましい。急冷すると、貯蔵特性が良好でないシートが得
られる場合がある。
【0019】本発明のシートの形状に特に限定はない
が、0.1〜2mm程度の厚みが代表的なものである。
また、本発明においては、上述のようにして得られるシ
ートの中でも、タック性を有するものが特に好ましい。
【0020】本発明のシートは、特別、加熱や大きな力
を加えなくてもそれ自体を積層して重ね合わせたり、金
属、木材、紙、セラミック、プラスチックなどの基材に
貼付けして一体化したりすることが簡単にできる。もち
ろん、基材への貼付けや積層操作を効率的に行うため、
加温(40〜80℃)してもよい。また、熱可塑性を有
しているので、加熱溶融させた状態で力を加えることに
よって任意の形状に賦型できる、いわゆる、成形可能な
材料としても使用できる。成形法としては、シートに関
する従来公知の方法、例えば、ホットプレス、スタンピ
ング、サーモフォーミング(真空成形、圧空成形など)
などの成形法が挙げられる。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
より具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定す
るものではない。
【0022】以下の実施例および比較例において、使用
するポリオレフィン組成物の諸物性は、次の方法によっ
て測定した。 (1)非晶性ポリα−オレフィンの軟化点 環球式軟化点試験器を使用し、ASTM E28に従っ
て測定した。
【0023】(2)非晶性ポリα−オレフィンの溶融粘
度 円錐/円板型レオメーター(レオメトリクス社製、メカ
ニカルスペクトロメーター)を使用し、ASTM D3
236に従って、190℃で測定した。
【0024】(3)結晶性ポリα−オレフィンのメルト
フローインデックス メルトインデクサーを使用し、ASTM D1238に
従って、230℃において測定した。
【0025】また、これら実施例および比較例において
採用したシートの評価方法は、次の通りである。 (a)柔軟性 23℃、相対湿度50%(以下「50%RH」と略記)
の状態におけるシートの屈曲性で判定した。なお、表1
および表2中における柔軟性の評価結果の表示の意味
は、次の通りである。 良 :曲がりにくい。 不良:曲がりやすい。
【0026】(b)引張強度 JIS K6301に従い、23℃、50%RHの状態
において求めた。ただし、引張速度は200mm/分と
した。
【0027】(c)引裂強度 JIS K7128に記載のトラウザー引裂法に従い、
引裂荷重(最大荷重)を求め、試料の厚みで割った値を
引裂強度(N/mm)とした。
【0028】(d)貯蔵特性 5cm×5cmのシートを50℃の熱風循環オーブン中
に所定時間貯蔵した後、これを取り出して表面を光学顕
微鏡で観察し、その中に含まれる非晶性ポリα−オレフ
ィン成分の滲出が生じ始める日数で表示した。
【0029】(e)タック度 50℃の熱風循環オーブン中に10日間貯蔵した5cm
×5cmの大きさのシートを使用し、23℃、50%R
Hの状態下で測定した。測定は、「炭素繊維強化プラス
チック用プリプレグの成形性評価試験方法」(日本規格
協会、1990年制定)に準拠した。
【0030】実施例1 非晶性プロピレン・エチレン共重合体(宇部レキセン
(株)製、商品名:UBETAC APAO UT25
85、軟化点:129℃、溶融粘度:8.5Pa・S)
70重量部、結晶性エチレン・プロピレンランダム共重
合体(宇部興産(株)製、商品名:UBEポリプロ J
309G、メルトフローインデックス:9g/10分)
15重量部およびエチレン・プロピレンラバー(三井石
油化学工業(株)製、商品名:タフマー S4030)
15重量部を二軸押出機を使用して200℃で溶融混練
し、ペレットを作製した。そこで、このペレットを用い
て190℃、2MPa(ゲージ圧)で1分間プレス成形
して1mm厚み(ダイアルゲージマイクロメーターにて
測定。以下において同じ)のシートを得た。このシート
の評価結果を表1に示す。
【0031】実施例2〜4 非晶性プロピレン・エチレン共重合体70重量部、結晶
性エチレン・プロピレンランダム共重合体15重量部お
よびエチレン・プロピレンラバー15重量部に変えて、
これらの配合割合を、それぞれ、表1に示すような値に
したこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行ってシ
ートを得た。これらのシートの評価結果を表1に示す。
【0032】実施例5 非晶性プロピレン・エチレン共重合体50重量部に代え
て非晶性プロピレン・ブテン−1共重合体(宇部レキセ
ン(株)製、商品名:UBETAC APAOUT27
80、軟化点:110℃、溶融粘度:8Pa・S)50
重量部を用いたこと、結晶性エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体40重量部に代えて結晶性エチレン・プロ
ピレンブロック共重合体(宇部興産(株)製、商品名:
UBEポリプロ J609H、メルトフローインデック
ス:9g/10分)40重量部を用いたこと、および、
エチレン・プロピレンラバー10重量部に代えてエチレ
ン・ブチレンラバー(三井石油化学工業(株)製、商品
名:タフマー A4085)10重量部を用いたこと以
外は、実施例2と全く同様の操作を行ってシートを得
た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0033】実施例6 結晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体を40重
量部に変えて45重量部としたこと、および、エチレン
・ブチレンラバーを10重量部に変えて5重量部とした
こと以外は、実施例5と全く同様の操作を行ってシート
を得た。得られたシートの評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1〜5 非晶性プロピレン・エチレン共重合体70重量部、結晶
性エチレン・プロピレンランダム共重合体15重量部お
よびエチレン・プロピレンラバー15重量部に変えて、
これらの配合割合を、それぞれ、表1に示すような値に
したこと以外は、実施例1と全く同様の操作を行ってそ
れぞれシートを得た。これらのシートの評価結果を表2
に示す。
【0036】比較例6 結晶性エチレン・プロピレンランダム共重合体を15重
量部に変えて30重量部用いたこと、および、エチレン
・プロピレンラバーを用いなかったこと以外は、実施例
1と全く同様の操作を行ってシートを得た。得られたシ
ートの評価結果を表2に示す。
【0037】比較例7 非晶性プロピレン・ブテン−1共重合体を50重量部に
変えて70重量部用いたこと、結晶性エチレン・プロピ
レンブロック共重合体を40重量部に変えて15重量部
用いたこと、および、エチレン・ブチレンラバーを10
重量部に変えて15重量部用いたこと以外は、実施例5
と全く同様の操作を行ってシートを得た。得られたシー
トの評価結果を表2に示す。
【0038】比較例8 結晶性エチレン・プロピレンブロック共重合体を15重
量部に変えて30重量部用いたこと、および、エチレン
・ブチレンラバーを用いなかったこと以外は、比較例7
と全く同様の操作を行ってシートを得た。得られたシー
トの評価結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例7 実施例1で得られたシートのタック度を測定した結果、
23KPaであり、良好なタック性を示した。
【0041】比較例9 比較例1で得られたシートのタック度を測定した結果、
11KPaであり、タック性に乏しいものであった。
【0042】比較例10 比較例6で得られたシートのタック度を測定した結果、
2KPaであり、ほとんどタック性を示さなかった。
【0043】
【発明の効果】以上述べた実施例および比較例からも明
らかなように、本発明によって提供される特定の性状お
よび組成を有するポリオレフィン組成物は、貯蔵特性に
優れるとともに、柔軟性と機械的強度とのバランスのと
れたシートを提供するものである。したがって、これら
のシートは、自動車用材料、土木建築用資材、包装用資
材などとして好適に使用できる。さらに、本発明では、
優れたタック性を示すシートを提供することもでき、粘
着材料などにも適している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)軟化点が100〜170℃であ
    り、かつ、190℃における溶融粘度が10-1〜10パ
    スカル・秒である非晶性ポリα−オレフィン、(B)結
    晶性ポリα−オレフィンおよび(C)オレフィン系熱可
    塑性エラストマーからなる組成物であって、そして、数
    式(I) 【数1】 で表わされる前記組成物中における前記(A)成分の含
    有量(Wa)が40〜80重量%で、かつ、数式(II) 【数2】 で表わされる、前記組成物中の前記(B)成分と前記
    (C)成分の合計重量に対する前記(C)成分の重量百
    分率(Wb)が5〜50重量%であり、さらに、50℃
    での貯蔵安定な時間が60日以上であることを特徴とす
    るポリオレフィン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリオレフィン組成物
    から溶融シート加工によって得られることを特徴とする
    シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016209754A1 (en) 2015-06-24 2016-12-29 Dow Global Technologies Llc Filled polymer-based compositions with low viscosity, good mechanical properties and adhesion
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