JPH09286201A - 農用車輪 - Google Patents

農用車輪

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JPH09286201A
JPH09286201A JP8102790A JP10279096A JPH09286201A JP H09286201 A JPH09286201 A JP H09286201A JP 8102790 A JP8102790 A JP 8102790A JP 10279096 A JP10279096 A JP 10279096A JP H09286201 A JPH09286201 A JP H09286201A
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elastic ring
rim
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boss
spokes
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Kageyuki Arimura
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属製パイプをリム4として用い、このまわ
りにゴムを焼きつけて弾性輪体5を形成させるようにな
った水田走行用等の農用車輪において、軽量化、製造の
時間短縮化、製造コストの低廉化を図る。 【解決手段】 弾性輪体5まわりに設けられるラグ6の
うち、側面が三角形状又は台形状を呈する側部張出部1
0に対して、その側面に切欠14を形成させる。これに
よりゴム使用量が減り、且つ加硫時間が短くて済むよう
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畑地や水田等での
作業に用いられる農用機械において適用可能な農用車輪
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】畑地で用いられる管理機等や、水田で用
いられる田植え機、湛水直播機、防除機等の農用機械に
対し、その農用車輪として用いられるものをタイヤ構造
に着目して大別すると、空気入りタイプとゴム中実タイ
プ、そして図14に示すように金属パイプ製のリム20
0をゴム201で被覆した、いわゆるゴム焼き付けタイ
プの、3種がある。
【0003】空気入りタイプの農用車輪では、エア漏れ
やパンク等に対処する必要があり、管理がやや面倒であ
る。また、ゴム中実タイプに比べ、ゴム焼き付けタイプ
の農用車輪では、軽量化、製造(加硫)の時間短縮化及
び製造コストの低廉化が図れるという利点があるので、
最近ではこのゴム焼き付けタイプの農用車輪が主流をな
す傾向にある。
【0004】このゴム焼き付けタイプの農用車輪は、ボ
ス205と、該ボス205まわりに放射状に設けられる
複数本のスポーク206と、これらスポーク206によ
ってリング状に保持されるリム200と、該リム200
をゴム201で被覆して形成さた弾性輪体207とを有
し、該弾性輪体207まわりにラグ210が設けられた
構成となっている。
【0005】この農用車輪の製造過程では、ボス20
5、スポーク206、リム200、及びスポーク206
の補強板211を一体化した、鉄車213と呼ばれる段
階のものを製作する場所(工場)と、この鉄車213に
対してゴム201を焼き付ける場所(工場)と、完成し
た農用車輪を管理、販売する場所とは、それぞれ異なっ
ているのが普通である。
【0006】上記鉄車213(リム200)に対してゴ
ム201の焼き付けを行う場合には、ショットブラスト
等による油分や汚れ等の除去作業を行い、リム200等
の所定箇所に接着剤を塗布し、その後、この鉄車213
を加硫型へ装填するようにする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】農用車輪においては、
軽量であり、製造が容易(短時間)且つ低廉に行えると
いうことが重要な要素であるので、弾性輪体207とし
てのゴム使用量は、強度的に問題が生じない範囲で、可
及的に少ないほうがよいということになる。また農用車
輪においては、作業走行時における泥や土等(以下、泥
・土の一方又は双方を指す場合を区別せず、全て「泥
土」と言うものとする)の付着・巻き上げをし難くする
機能が重視される。すなわち、弾性輪体207が回転す
るときに耕盤上面へ抜け出た後、比較的低位のうちに泥
土の切れ(離れ)をよくして、高位からの泥土の落下を
無くすようにし、これによって耕盤に植え付けられた苗
等が傷まないようにするものである。この機能は、主と
して、弾性輪体207における内周側の構造や形状によ
って左右される。
【0008】このようなことから、農用車輪では、特に
弾性輪体207の形状(リム200の被覆部分やラグ2
10等)において全ての方面で最適なものを決める作業
が、重要な開発テーマとされている。一方、農用車輪を
製造する過程中の、ゴム焼き付け時においては、接着剤
がボス205の車軸孔214内に流れ込んで、車軸への
嵌め付けができない不良品になるのを防止するため、接
着剤の塗布後、その養生のための待ち時間が必要であっ
た。そのため、このことが農用車輪の製造を能率化する
うえでネックとなっていた。
【0009】ところで、農用車輪を、複数の農用機械メ
ーカーへ部品として納入する場合、各農用機械メーカー
では農用機械のボディカラーが指定されているため、こ
れに応じてボス205やスポーク206、及び補強板2
11の色も異ならせる必要がある。そのため、製作途中
の鉄車213の段階で、これを複数の指定色ごとに、静
電塗装(焼き付け塗装)等によって着色し、各色ごとに
管理すると共に、これをその後、ゴム焼き付け段階、及
び在庫・販売段階において、それぞれ色ごとに管理する
という手間が必要になっていた。そのため、取り扱いが
極めて面倒になるという問題があった。
【0010】なお、このような管理上の面倒を解消する
には、例えば、ボス205やスポーク206、及び補強
板211に着色しないまま、リム200に対するゴム2
01の焼き付け(即ち、弾性輪体207の形成)を先に
行っておき、例えば在庫・販売を行う場所へ移送した後
で、必要に応じてボス205等を所定色に着色するとい
う方法が考えられる。
【0011】すなわち、在庫・販売を行う場所だけで色
別の管理を行うとするものである。しかし、この方法で
は、静電塗装を採用することができないという不具合が
生じる。なぜなら、静電塗装は、塗装過程で被塗装品が
高温化するので、これをボス205等の塗装方法として
採用したとすると、弾性輪体207を形成しているゴム
201が劣化してしまうためである。
【0012】従って、塗装方法として、刷毛塗り又は吹
き付けを採用せざるを得なくなり、そのために塗膜強度
に劣り、且つ配色が制限される(粗悪イメージの強い黒
系統にしかできない)という問題があった。本発明は、
上記事情に鑑みてなされたものであって、弾性輪体の形
状として最適なものを開発し、また必要に応じて付加構
造を採用することにより、第一に、農用車輪としての軽
量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低廉
化を一層進めるようにし、また第二に、走行時における
泥土の付着、巻き上げをし難くする機能を高められるよ
うにし、更に第三に、各部品段階における製品流通上の
面倒を解消させつつも、スポーク等における塗膜強度に
優れ、且つ所望配色にした製品(農用車輪)とすること
ができる構造にした農用車輪を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明の農用車輪は、ボスと、該ボスまわりに放射状に設け
られる複数本のスポークと、これらスポークによってリ
ング状に保持されるリムと、該リムを弾性材で被覆して
形成さた弾性輪体とを有し、該弾性輪体まわりにラグが
設けられていることを基本構成としている。
【0014】そして、請求項1記載の本発明では、上記
基本構成に加え、ラグは、弾性輪体の外周面に沿って突
出する直進案内部と、該直進案内部の両側へ枝別れ状に
張り出す翼部とを有し、該翼部が、回転方向後部に形成
させた支え面と前部に形成させた蹴り面とで三角形状乃
至台形状の側部張出部を有しており、該側部張出部に
は、弾性輪体の周方向に沿って開口する切欠部が形成さ
れていることを特徴としている。
【0015】このように側部張出部に対して切欠部を形
成させているため、この切欠部に対応する容積分だけ、
弾性材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従って、農
用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び
製造コストの低廉化が図れるようになる。また、この切
欠部は、走行時において側部張出部の縦方向の圧縮変形
を可能にする。この作用は、ラグの翼部に対し、所定の
剛性を保持させたままで、ある程度の可撓性は許容させ
るようになるので、泥土の切れを良好にするという利点
に繋がる。
【0016】なお、側部張出部は、弾性輪体の両側面に
対し、その周方向に所定間隔で多数設けられているが、
この全ての側部張出部に切欠部を形成させるようにして
もよいし、又は所定個数おきの側部張出部にだけ、切欠
部を形成させるようにしてもよい。また、1つの側部張
出部に対して形成させる切欠部の個数は、1個でも複数
個でもよい。
【0017】切欠部は、側部張出部の側面に形成された
三角形状乃至台形状の凹部に対応する部位では該凹部を
中間に挟み、また凹部が無い部位では直接的に、支え面
側と蹴り面側とを連通させることが好ましい(請求項
2)。このようにすると、側部張出部において、縦方向
の圧縮変形を生じやすくできる利点がある。
【0018】請求項3記載の本発明では、上記基本構成
に加え、弾性輪体の内周部には、幅方向中心から両側方
へ向けて径大となる排泥用勾配を有した傾斜面が設けら
れ、該傾斜面には、勾配基準線より凹んだ段差部が形成
されていることを特徴としている。このように弾性輪体
の内周部の傾斜面に対して段差部を形成させているた
め、この段差部によって凹んだ容積分だけ、弾性材(ゴ
ム)の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪とし
ての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コスト
の低廉化が図れるようになる。
【0019】また、傾斜面が段差部によって凸凹面にな
るため、耕盤への沈下時に、この凸凹面と泥土との接触
間に空隙が生じる可能性が高くなる。このような空隙が
生じた状態で傾斜面に付着した泥土は、少しの振動等で
も簡単に剥離するようになる。すなわち、これによって
泥土の切れがよくなり、高位からの泥土の落下を防止す
ることができる。そのため、耕盤に植え付けられた苗等
を傷めることが少なくなる。
【0020】段差部は、弾性輪体の周方向に連続した溝
状に形成するのが好適である(請求項4)。このように
すると、段差部によって凹まされる容積が大きくなるの
で、それだけ、更に弾性材(ゴム)の使用量を減らすこ
とができる利点がある。また、付着泥土との間に空隙を
生じさせ易くなるという利点がある。
【0021】請求項5記載の本発明では、上記基本構成
に加え、リムは、弾性輪体の幅の半分を占める幅に形成
されていることを特徴としている。なお、リムの幅が弾
性輪体の幅を占める割合は、45%乃至55%とするの
が好適である(請求項6)。このようにすると、リムま
わりの弾性材(ゴム)厚が薄くなるので、その分、弾性
材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従って、農用車
輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造
コストの低廉化が図れるようになる。
【0022】なお、リムは、中空構造(即ち、パイプ)
とするのが好適であるが、例えば軽量素材によって形成
する場合等であれば、中実でもよい。請求項7記載の本
発明では、上記基本構成に加え、ボス及びスポークが、
弾性輪体によって被覆された後のリムに対して後付け可
能になされていることを特徴としている。
【0023】このようにすると、ボス及びスポークを一
体化したものと、リムに対して弾性材を被覆させたもの
(即ち、弾性輪体)とを、それぞれ各別の場所(工場)
で製作し、これらを集めて組み立てる、という手順を採
用することができる。そのため、例えば、ボス及びスポ
ークを一体化したものを製造する段階では、納入先にと
らわれることなく共通仕様で大量生産を行うことができ
る。そして、これを農用車輪の在庫・管理を行う場所へ
移送した後で、静電塗装等により、納入先の指定色に基
づいた所定色に着色し、これを複数種にわたり製造準備
しておくようにする(請求項8)ことができる。
【0024】また一方で、弾性輪体については、ゴムを
焼き付ける場所(工場)において、納入先にとらわれる
ことなく共通仕様で大量生産を行うことができる。この
ようにすると、色別の管理は、農用車輪の在庫・管理を
行う場所だけで行えばよいことになり、流通上の面倒さ
は殆ど解消されたものとなる。また、この方法を採用す
る場合、ゴムを焼き付ける場所(工場)では、リムだけ
を対象として接着剤の塗布及び弾性材(ゴム)の焼き付
けを行うことができ、このとき、接着剤の養生は不要と
なる。なぜなら、リムはボスとは別体であり、接着剤が
ボスの車軸孔内に流れ込むのを防止する必要がないため
である。従って、農用車輪の製造を能率化することがで
きる。
【0025】更に、この方法を採用すれば、ボスやスポ
ーク等に対して刷毛塗りや吹き付け塗装を行わなくても
よいので、塗膜強度に優れ、且つ所望の配色にできると
いう利点がある。スポークは、その径方向外方の端部に
連結片部が設けられたものとすることができる。また、
リムは、スポークの連結片部に対応する周方向の複数箇
所から径方向内方へ突出するフランジ部が設けられたも
のとすることができる。そして、これら連結片部とフラ
ンジ部とを、互いに結合可能にすればよい(請求項
9)。
【0026】この構成は、ボス及びスポークを一体化し
たものと、リムに対して弾性材を被覆させたもの(即
ち、弾性輪体)とを結合させる一つの構造を具体的に示
したものである。なお、連結片部とフランジ部との結合
は、リベット止め、ボルト止めの他、溶接等としてもよ
い。
【0027】スポークの連結片部は、弾性輪体の周方向
に沿って扁平化するのが好適である(請求項10)。こ
のようにすると、連結片部とフランジ部との接触面をフ
ラット化でき、その結合を容易且つ確実にできることは
言うまでもないが、連結片部の厚み(弾性輪体の周方向
に直行する寸法)が扁平化によって薄くなっていること
に伴い、これによって巻き上げられる泥土量を少なくで
きるという利点がある。すなわち、走行時に弾性輪体の
高位から泥土が落下することが防止されるので、耕盤に
植え付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなると
いう利点がある。
【0028】フランジ部を利用して、弾性輪体の内周部
に沿った隔壁体を取り付けたり、外したりできるように
することが可能である(請求項11)。このようにする
と、例えば水田中の走行時において、スポーク相互間を
通って農用車輪の内外を水流や泥土が行き来するのを、
隔壁体で防止することができる。そのため、耕盤に植え
付けられた苗等が傷められるおそれも少なくなるという
利点がある。
【0029】また、この隔壁体を前輪として用いられる
農用車輪に取り付けた場合、旋回時に隔壁体に泥土がぶ
つかり、旋回力を高めるように作用するため、この点で
も有益なものとなる。なお、上記隔壁体は、一体品又は
複数部品の連接によってリング状に形成されたものとす
ることができる(請求項12)。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1乃至図3は、本発明に係る農
用車輪1の第1実施形態を示している。この農用車輪1
は、基本構成として、ボス2と、このボス2まわりに放
射状に設けられる複数本(図例では3本)のスポーク3
と、これらスポーク3によってリング状に保持されるリ
ム4と、このリム4をゴム等の弾性材によって被覆する
ことで形成さた弾性輪体5とを有しており、また弾性輪
体5のまわりには、ラグ6が設けられたものである。
【0031】スポーク3及びリム4は金属製丸パイプに
より形成されており、各スポーク3は、ボス2まわりで
補強板7によって互いの開き角度が補強されている。ラ
グ6は、図2に示すように弾性輪体5における外周領域
(a)の幅方向中央部で、その周方向に沿って突出する
直進案内部8と、この直進案内部8から弾性輪体5にお
ける側面領域(b)へ向けて左右交互で、且つ枝別れ状
に張り出し形成された翼部9とを有している。
【0032】直進案内部8には所定間隔で凹部8aが形
成されており、直進性及びエッジ効果が補助的に高めら
れるようになっている。一方、翼部9は、農用車輪1の
回転方向(矢符X参照:なお図1中の白抜き矢符Yは進
行方向を示す)に対する後部側に支え面9aが、また前
部側に蹴り面9bが、それぞれ形成されており、その全
体として、側面形状が三角形状乃至台形状を呈する側部
張出部10を構成するようになっている。この側部張出
部10の側面部分には、三角形状乃至台形状を呈する凹
部11が形成されている。
【0033】側部張出部10には、弾性輪体5の周方向
に沿って開口する切欠部14が形成されている。この切
欠部14は、側部張出部10の側面に形成された凹部1
1に対応する部位では、この凹部11を中間に挟むかた
ちで支え面9a側と蹴り面9b側とを連通させるように
なっている。また、凹部11が無い部位、すなわち、側
部張出部10の頂角部に近い厚肉で且つ最も剛性の高い
部分では、直接的に支え面9a側と蹴り面9b側とを連
通させるようになっている。
【0034】このため、切欠部14に対応する容積分だ
け、弾性材(ゴム)の使用量は確実に減少する。従っ
て、農用車輪1としての軽量化、製造(加硫)の時間拡
縮化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。な
お、この切欠部14を形成させるうえでは、加硫型(図
示略)において切欠部14に対応した突起(図示略)を
設けることになる。このため、側部張出部10の加硫
(従来では、この部分が厚肉であったために加硫に時間
がかかった)において伝熱性が高くなり、加硫時間を短
縮するえで、一層有益なものとなる。
【0035】のみならず、この切欠部14は、走行時に
おいて側部張出部10の縦方向の圧縮変形を可能にす
る。この作用は、ラグ6の翼部9に対し、所定の剛性を
保持させたままで、ある程度の可撓性は許容させる、と
いうことに繋がる。そのため、泥土の切れが良好になる
という利点が得られることになる。なお、このような切
欠部14の縦圧縮は、硬盤や舗装道路等を走行する際に
あって、クッション性を高め、乗り心地を良好にすると
いう利点をも奏することになる。
【0036】図3に示すように上記弾性輪体5におい
て、その内周部には、幅方向中心から両側方へ向けて徐
々に径大となる排泥用勾配を有した傾斜面16が設けら
れている。従って、この弾性輪体5の断面形状は、側部
張出部10を除いたかたちで扇状を呈するようになって
いる。そして、上記傾斜面16には、勾配基準線Pより
も内側へ凹ますようにして、複数の段差部17が形成さ
れている。各段差部17は、弾性輪体5の周方向に連続
した溝状を成している。すなわち、傾斜面16は、各段
差部17が形成されることによって凸凹面になってい
る。
【0037】このように弾性輪体5は、傾斜面16が段
差部17によって勾配基準線Pよりも凹まされた容積分
だけ、弾性材(ゴム)の使用量が少なくなっているの
で、農用車輪1としての軽量化、製造(加硫)の時間拡
縮化及び製造コストの低廉化が図れるものである。ま
た、弾性輪体5が耕盤中へ沈下した場合、傾斜面16
と、ここに付着する泥土との接触間に、段差部17に対
応した空隙が幾つも生じるようになる。すなわち、この
ような空隙を生じたままで傾斜面16に付着した泥土
は、付着力に乏しく、少しの振動等が加わっただけでも
簡単に剥離するようになる。また付着量自体も抑えられ
るし、例えば農用機械を停止させたときにおける付着泥
土の乾燥も早い。
【0038】従って、これらのことにより、泥土の切れ
は良好となり、弾性輪体5の高位からの泥土の落下が防
止されるようになるので、この落下泥土によって耕盤に
植え付けられた苗等が傷められるということは、殆ど無
くなる。更にこの第1実施形態の農用車輪1において、
リム4は、弾性輪体5の幅に対して、その半分、好適例
としては45%乃至55%、を占める幅に形成されてい
る。具体的に言えば、弾性輪体5の幅寸法を95mmと
するとき、リム4の直径は48.6mm(占有率は約5
1%)とした。なお、図3中に従来のリム206を二点
鎖線で示しているように、従来のリム直径は、27.2
mm又は31.8mm程度(弾性輪体5の幅に対する占
有率は25%〜35%)であった。
【0039】このような寸法関係にすることで、リム4
のまわりを被覆した弾性材(ゴム)厚は当然に薄くな
り、従ってその分、弾性輪体5としての弾性材(ゴム)
の使用量は確実に減少することになる。そのため、農用
車輪1としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び
製造コストの低廉化が図られるものである。図4乃至図
6は、本発明に係る農用車輪1の第2実施形態を示して
いる。
【0040】この第2実施形態についても、農用車輪1
の基本構成となる部分は第1実施形態と同じであり、ボ
ス2、スポーク3、リム4、弾性輪体5を有している。
また弾性輪体5のまわりにはラグ6が設けられている。
なお、このラグ6は、図5に示すように第1実施形態と
は異なるラグパターンを有しており、直進案内部8に相
当する部分及び翼部9に相当する部分のいずれもが、ブ
ロック状に形成されたものとなっている。
【0041】また、この第2実施形態でも、弾性輪体5
の幅に対してリム4の幅の占める割合を多くしてあり、
弾性材使用量を少なくしてある。この第2実施形態で
は、ボス2、スポーク3、及び補強板7が溶接により互
いに一体化されていると共に、これとは別に、リム4に
対して弾性材が被覆されたもの(即ち、弾性輪体5とし
て独立したもの)が一体化されており、これら両者が、
それぞれ略完成させられた後に、互いに適宜結合構造に
よって組み立てられた構成となっている。
【0042】ボス2を核とする一体品において、各スポ
ーク3における径方向外方の端部には、弾性輪体5の内
周部に沿って部分円弧状にカーブした連結片部20が設
けられている。この連結片部20は、図6に示すように
スポーク3の素材とされるパイプ材の先端部を扁平又は
径小に絞り、この部分へ平板素材を溶接によって固定す
ることで形成してある。
【0043】この連結片部20には、中央に1個の貫通
孔21と、その両側に計2個の貫通孔22とが形成され
ている。このボス2を核とする一体品は、その全体が静
電塗装等によって所定色(例えば、淡色系統等)に着色
された状態で、色の異なるもの複数種が、製造準備され
ている。このように静電塗装が施せるため、塗膜強度に
優れ、且つ所望の配色にできることは言うまでもない。
【0044】これに対し、図4に示すように弾性輪体5
の独立品において、その内部に埋設のリム4には、スポ
ーク3の連結片部20に対応する周方向の複数箇所か
ら、その径方向内方へフランジ部24が突設されてい
る。このフランジ部24は、突設形状が連結片部20と
略同大・同形状となるように形成されており、連結片部
20との接合時に両者が丁度重なり合うようになってい
る。このフランジ部21は、図6に示すようにリム4の
所定箇所に、2枚合わせにした平板素材を溶接によって
固定することで形成してある。
【0045】このフランジ部24には、連結片部20に
おける中央の貫通孔21に合致可能な貫通孔25と、そ
の両側の貫通孔22に合致可能な貫通孔26とが、形成
されている。フランジ部24の形状について更に詳しく
説明すると(図4参照)、弾性輪体5の径方向外方寄り
の幅、即ち、リム4の内周面に溶接された根元部の幅W
2 は、径方向内方寄りの幅W1 に比べて小さくなるよう
に形成されている。このことは、フランジ部24として
使用される平板素材を軽量化しているだけでなく、リム
4に弾性材を焼き付ける場合に、フランジ部24の根元
部での弾性材の切れ(成形性)をよくするのに役立って
いる。
【0046】すなわち、もし、上記W2 をW1 と同じ寸
法、又は大きな寸法にすると、フランジ部24の根元部
では、加硫前の弾性材がリム4の内周部に沿って両側方
へ流れるダレ現象を生じさせ、土手状の盛り上がり部を
明確な形状として形成できなくなるおそれがあるためで
ある。なお、弾性輪体5を製造する(即ち、ゴム焼き付
けを行う)に際しては、リム4及びフランジ部24の一
体品のうち、少なくともフランジ部24を予め着色して
おくのが好ましい。このときの色は、ボス2を核とする
一体品と同じ色とするのが最も好ましいものではある
が、別段、これに限定されるものではない。なぜなら、
上記したようにフランジ部24はその略全部が連結片部
20によって隠されるようになるためである。また、着
色の方法としては、静電塗装等でもよいし、刷毛塗りや
吹き付け塗装でもよい。
【0047】上記のようなボス2を核とする一体品と、
弾性輪体5の独立品とは、それらの連結片部20及びフ
ランジ部24を1対1対応で接合させた状態で、各々両
側の貫通孔22,26相互を合致させ、これにリベット
28を貫設することで、結合させるようになっている。
このような構成であるため、ボス2を核とする一体品
と、弾性輪体5の独立品とは、それぞれ各別の場所(工
場)で製作することが可能になる。そのため、少なくと
も弾性輪体5を製造するに際しては、納入先にとらわれ
ることなく共通仕様で大量生産を行う、ということがで
きるようになる。従って、農用車輪1としての製造を、
大幅に能率化することができる。
【0048】また、例えば、ボス2を核とする一体品を
製造するに際しても、納入先にとらわれることなく共通
仕様で大量生産を行うことができる。この場合、農用車
輪1の在庫・管理を行う場所へ、ボス2を核とする一体
品と、弾性輪体5の独立品とを搬入し、ここでボス2を
核とする一体品に静電塗装等によって納入先の指定色に
基づいた所定色を着色させるようにし、その後、これら
両者を組み立てればよい、ということになる。このよう
にすると、色別の管理は、農用車輪1の在庫・管理を行
う場所だけで行えばよいことになり、流通上の面倒さは
殆ど解消されたものとなる。
【0049】なお、上記した弾性輪体5の製造時には、
リム4だけを対象として接着剤の塗布及び弾性材の焼き
付けを行うことができ、このとき、接着剤の養生は不要
となる。なぜなら、リム4とボス2とが別体であり、接
着剤がボス2の車軸孔2a(図4参照)内に流れ込む心
配が全くないからである。従ってこのことも、農用車輪
1の製造能率を高めるうえで有益である。
【0050】のみならず、このように弾性輪体5を製造
する場合に用いる加硫型(図示略)として、スポーク3
やボス2等を保持させる部分を必要としないので、この
加硫型の構造を簡潔化できるという、副次的効果もあ
る。図6に示したようにスポーク3の連結片部20は、
弾性輪体5の周方向に沿って扁平化したものとなってい
るので、連結片部20とフランジ部24との接触面はフ
ラット化され、その結合が容易且つ確実になっている。
【0051】また、連結片部20の厚み(弾性輪体5の
周方向に直行する寸法)が扁平化によって薄くなってい
ることに伴い、これによって巻き上げられる泥土量を少
なくできるという利点がある。すなわち、走行時に弾性
輪体5の高位から泥土が落下することが防止されるの
で、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少
なくなるものである。また、耕盤に対する走行抵抗を減
らすうえでも有益となる。
【0052】ところで、連結片部20及びフランジ部2
4に対し、それらの中央部に形成された貫通孔21,2
5を利用して、図7乃至図9に示すように隔壁体30を
取り付けることが可能となっている。なお、これら図7
乃至図9に示した農用車輪1は第3実施形態であって、
第2実施形態のものとは、弾性輪体5の内周側傾斜面1
6に、隔壁体30を嵌める環状内段部31が形成されて
いる点のみが異なる。
【0053】この環状内段部31は、弾性輪体5の側面
に対して隔壁体30の外周部が突出しないようになるの
で、隔壁体30が石等にぶつかって変形するのを防止で
きる利点がある。なお、この環状内段部31を設けるこ
とにより、弾性輪体5としての弾性材(ゴム)の使用量
は減少するので、第1実施形態で説明したのと同様に、
農用車輪1としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化
及び製造コストの低廉化が図れるようになる。特に、本
実施形態では、環状内段部31を弾性輪体5の両側面に
形成して、いずれの面に対しても隔壁体30を取り付け
できるようにしてあるので、それだけ弾性材(ゴム)の
使用量も一段と減少させることができる。
【0054】隔壁体30は、ボス部2を嵌める中央開口
部33を有する円板状に形成されており、その外周部
は、上記した弾性輪体5の環状内段部31内に嵌合可能
な大きさに形成されている。また、隔壁体30の外周部
寄りには、連結片部20やフランジ部24の中央貫通孔
21,25と合致可能なねじ孔34が、バーリング処理
又はナットの溶着構造等を伴って形成されている。
【0055】従って、この隔壁体30を農用車輪1に取
り付けるには、図8に示すように連結片部20及びフラ
ンジ部24に設けられた中央の貫通孔21,25に対
し、その連結片部20側(隔壁体30を図示とは反対側
へ取り付けるときにはフランジ部24側)からボルト3
6を挿通させ、このボルト36にスペーサカラー37を
嵌め入れ、ボルト36の先端部を隔壁体30のねじ孔3
4へ螺合させるようにする。
【0056】なお、本実施形態では、補強のため、図7
に示すようにボス2まわりに設けた補強板7にも貫通孔
38を形成しておくと共に、隔壁板30にも、この貫通
孔38に合致するねじ孔を形成し、これらをもボルト3
9によって結合させるようにした。また、本実施形態に
おいて、隔壁体30は円板状としたが、弾性輪体5の内
周側へ連結片部20やフランジ部24が突出するのと同
じ寸法で、弾性輪体5の内周全部に設けられるリング状
(図示略)のものとすることができる。また、この隔壁
体30は、全体として円形又はリング形を有する一体品
とする場合でもよいし、連結片部20及びフランジ部2
4の各相互間に対応する扇状又は円弧帯状等の複数部品
から成るものとする場合でもよい。
【0057】このようにして隔壁板30を取り付ける
と、例えば水田等を走行時において、スポーク3相互間
を通って農用車輪1の内外を水流や泥土が行き来するの
を、隔壁体30で防止することができる。そのため、こ
の水流等により、耕盤に植え付けられた苗等が傷められ
るということはなくなる。また、スポーク3の相互間に
泥土が詰まることも防止されるので、高位からの泥土落
下をも防止でき、このことも耕盤に植え付けられた苗等
を傷めないようにするうえで有益となる。
【0058】更に、図9に示すように農用機械42の前
輪として用いられる農用車輪1へ隔壁体30を取り付け
た場合には、農用機械42の旋回時に隔壁体30に泥土
圧が作用し、この隔壁体30がかじの役目をして旋回力
を高めるように作用するため、この点でも有益なものと
なる。なお、言うまでもなく、隔壁体30は、作業に不
必要とされるときには農用車輪1から外しておくことが
できる。この場合、連結片部20及びフランジ部24の
貫通孔21,25や、補強板7の貫通孔38等に対して
は、ゴムや樹脂等で形成した栓体(図示略)を嵌め付け
て、泥詰まりを防止させるのが好ましい。
【0059】図10は、本発明に係る農用車輪1の第4
実施形態を示している。この第4実施形態は、第2又は
第3実施形態と略同じであるが、スポーク3に対して連
結片部20を設ける構造について、唯一、差異がある。
すなわち、この第4実施形態の連結片部20は、スポー
ク3の端部を扁平に潰し、且つ弾性輪体5の内周方向に
沿って広幅に展延させるようにして、連結片部20を一
体形成してある。ただ、この広幅化には自ずと限度があ
るので、この連結片部20に設ける貫通孔22や、フラ
ンジ部24に設ける貫通孔26の相互間隔を、やや狭く
するのがよい。
【0060】図11及び図12は、本発明に係る農用車
輪1の第5実施形態を示している。この第5実施形態
は、第2乃至第4実施形態と略同じ構成を有したもので
あるが、ベースとなる農用車輪1のタイプが、ラグ6と
して台形ラグ45と羽根ラグ46とを有した後輪用のも
のとされている点において各実施形態と相違する。その
他の構成及び作用については略同じである。
【0061】図13は、本発明に係る農用車輪1の第6
実施形態を示している。この第6実施形態は、第1実施
形態の農用車輪1をベースとして、第2乃至第5実施形
態と同じ構成(即ち、ボス2を核とした一体品の後付け
可能構造)を併用実施したものである。ところで、本発
明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、これ
ら以外にも、各種の変更等が可能である。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、ボス、ス
ポーク、リム、弾性輪体を有し、弾性輪体まわりにラグ
が設けられているという基本構成を有した本発明の農用
車輪にあって、請求項1記載の本発明では、ラグとして
設けられた直進案内部と翼部とのうち、翼部によって構
成された側部張出部に、弾性輪体の周方向に沿って開口
する切欠部を形成してあるので、この切欠部に対応する
容積分だけ、弾性材の使用量は確実に減少する。従っ
て、農用車輪としての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮
化及び製造コストの低廉化が図れるようになる。
【0063】また、この切欠部は、走行時において側部
張出部の縦方向の圧縮変形を可能にし、これにより、ラ
グの翼部に所定の可撓性を許容させることになるので、
泥土の切れを良好にするという利点にも繋がる。なお、
切欠部は、側部張出部の支え面側と蹴り面側とを連通さ
せるように設ければ(請求項2)、縦方向の圧縮変形を
生じやすくできる利点がある。
【0064】請求項3記載の本発明では、弾性輪体の内
周部に排泥用勾配を有した傾斜面を設け、この傾斜面
に、勾配基準線より凹んだ段差部を形成させるようにし
ているので、段差部によって凹んだ容積分だけ、弾性材
の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪としての
軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コストの低
廉化が図れるようになる。
【0065】また、傾斜面が段差部によって凸凹面にな
るため、耕盤への沈下時に、この凸凹面と泥土との接触
間に空隙が生じ、傾斜面に付着した泥土が少しの振動等
でも簡単に剥離するようになる。そのため、泥土の切れ
がよくなり、高位からの泥土の落下を防止することがで
きるので、これによって耕盤に植え付けられた苗等を傷
めることが少なくなる。
【0066】段差部を、弾性輪体の周方向に連続した溝
状に形成すると(請求項4)、段差部によって凹まされ
る容積が大きくなるので、それだけ、更に弾性材の使用
量を減らすことができる。また、付着泥土との間に空隙
を生じさせ易くなるという利点もある。請求項5及び請
求項6記載の本発明では、リムを、弾性輪体の幅の半分
を占める幅(45%乃至55%とするのが好適)にして
いるので、リムまわりの弾性材厚を薄くでき、その分、
弾性材の使用量は確実に減少する。従って、農用車輪と
しての軽量化、製造(加硫)の時間拡縮化及び製造コス
トの低廉化が図れるようになる。
【0067】請求項7記載の本発明では、ボス及びスポ
ークを、弾性輪体によって被覆された後のリムに対して
後付け可能にしてあるので、ボス及びスポークを一体化
したものと、リムに対して弾性材を被覆させたもの(即
ち、弾性輪体)とを、それぞれ各別の場所(工場)で製
作し、これらを集めて組み立てる、という手順を採用す
ることができる。
【0068】そのため、ボスを核とする一体品に対して
は、静電塗装等によって所望する色に着色することがで
きるという利点があり、また、少なくとも弾性輪体の独
立品に対しては、納入先にとらわれることなく共通仕様
で大量生産が行えるという利点がある。従って、各色ご
との管理は、農用車輪の在庫・管理を行う場所だけで済
ませる、というようなことも可能になり、流通上の面倒
さは殆ど解消できる。
【0069】また、弾性輪体の独立品を製造する場合、
リムだけを対象として(即ち、ボスを除いて)接着剤の
塗布及び弾性材(ゴム)の焼き付けを行うことができる
ので、接着剤の養生が不要になり、農用車輪の製造を飛
躍的に高能率で行うことができる。ボスを核とする一体
品ではスポークに連結片部を設け、弾性輪体の独立品で
はリムにフランジ部を設け、これらを互いに結合させる
ようにすれば(請求項9)、両者の結合が確実且つ簡単
に行える。
【0070】このとき、スポークの連結片部を、弾性輪
体の周方向に沿って扁平化させれば(請求項10)、連
結片部とフランジ部との接触面をフラット化でき、その
結合を確実化できるだけでなく、連結片部の厚みを薄く
できるのに伴い、これによって巻き上げられる泥土量を
少なくできるという利点がある。すなわち、走行時に弾
性輪体の高位から泥土が落下することが防止されるの
で、耕盤に植え付けられた苗等が傷められるおそれも少
なくなるという利点がある。
【0071】フランジ部を利用して、弾性輪体の内周部
に沿った隔壁体を着脱可能にしておけば(請求項1
1)、スポーク相互間を介しての、水流や泥土の移動を
防止でき、また泥土の持上げを可及的に防止することも
可能になる。そのため、耕盤に植え付けられた苗等が傷
められることを防止できるようになる。また、この隔壁
体を前輪として用いられる農用車輪に取り付けた場合、
旋回時に隔壁体に泥土がぶつかり、旋回力を高めるよう
に作用するため、この点でも有益となる。
【0072】なお、上記隔壁体は、一体品又は複数部品
の連接によってリング状に形成されたものとすることが
できる(請求項12)が、複数部品によるものとした場
合には、着脱作業が容易化となり、また不使用時の収納
スペースをコンパクトにできるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る農用車輪の第1実施形態を一部破
砕して示す側面図である。
【図2】(a)は第1実施形態の農用車輪における外周
面を示した平面図であり、(b)はこの外周面に隣接す
る側面の一部を展開的に示した図である。
【図3】図1のA−A線拡大断面図である。
【図4】本発明に係る農用車輪の第2実施形態を一部破
砕して示す側面図である。
【図5】第2実施形態の農用車輪における外周面を示し
た平面図である。
【図6】図4のB−B線拡大断面図である。
【図7】本発明に係る農用車輪の第3実施形態を一部破
砕して示す側面図であって、隔壁体を取り付けた状況を
示している。
【図8】図7のC−C線拡大断面図である。
【図9】第3実施形態の農用車輪を前輪として農用機械
に用いた場合の走行状況を模式的に示した平面図であ
る。
【図10】本発明に係る農用車輪の第4実施形態を図6
と比較し易く描いた正面断面図である。
【図11】本発明に係る農用車輪の第5実施形態を一部
破砕して示す側面図である。
【図12】図11のD−D線拡大断面図である。
【図13】本発明に係る農用車輪の第6実施形態を一部
破砕して示す側面図である。
【図14】従来の農用車輪を一部破砕して示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1 農用車輪 2 ボス 3 スポーク 4 リム 5 弾性輪体 6 ラグ 8 直進案内部 9 翼部 9a 支え面 9b 蹴り面 10 側部張出部 11 凹部 14 切欠部 16 傾斜面 17 段差部 20 連結片部 24 フランジ部 30 隔壁体 P 勾配基準線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボス(2)と、該ボス(2)まわりに放
    射状に設けられる複数本のスポーク(3)と、これらス
    ポーク(3)によってリング状に保持されるリム(4)
    と、該リム(4)を弾性材で被覆して形成さた弾性輪体
    (5)とを有し、該弾性輪体(5)まわりにラグ(6)
    が設けられた農用車輪において、 前記ラグ(6)は、弾性輪体(5)の外周面に沿って突
    出する直進案内部(8)と、該直進案内部(8)の両側
    へ枝別れ状に張り出す翼部(9)とを有し、該翼部
    (9)が、回転方向後部に形成させた支え面(9a)と
    前部に形成させた蹴り面(9b)とで三角形状乃至台形
    状の側部張出部(10)を有しており、該側部張出部
    (10)には、弾性輪体(5)の周方向に沿って開口す
    る切欠部(14)が形成されていることを特徴とする農
    用車輪。
  2. 【請求項2】 前記切欠部(14)は、側部張出部(1
    0)の側面に形成された三角形状乃至台形状の凹部(1
    1)に対応する部位では該凹部(11)を中間に挟み、
    また凹部(11)が無い部位では直接的に、支え面(9
    a)側と蹴り面(9b)側とを連通させていることを特
    徴とする請求項1記載の農用車輪。
  3. 【請求項3】 ボス(2)と、該ボス(2)まわりに放
    射状に設けられる複数本のスポーク(3)と、これらス
    ポーク(3)によってリング状に保持されるリム(4)
    と、該リム(4)を弾性材で被覆して形成さた弾性輪体
    (5)とを有し、該弾性輪体(5)まわりにラグ(6)
    が設けられた農用車輪において、 前記弾性輪体(5)の内周部には、幅方向中心から両側
    方へ向けて径大となる排泥用勾配を有した傾斜面(1
    6)が設けられ、該傾斜面(16)には、勾配基準線
    (P)より凹んだ段差部(17)が形成されていること
    を特徴とする農用車輪。
  4. 【請求項4】 前記段差部(17)は、弾性輪体(5)
    の周方向に連続した溝状に形成されていることを特徴と
    する請求項3記載の農用車輪。
  5. 【請求項5】 ボス(2)と、該ボス(2)まわりに放
    射状に設けられる複数本のスポーク(3)と、これらス
    ポーク(3)によってリング状に保持されるリム(4)
    と、該リム(4)を弾性材で被覆して形成さた弾性輪体
    (5)とを有し、該弾性輪体(5)まわりにラグ(6)
    が設けられた農用車輪において、 前記リム(4)は、弾性輪体(5)の幅の半分を占める
    幅に形成されていることを特徴とする農用車輪。
  6. 【請求項6】 前記リム(4)の幅が弾性輪体(5)の
    幅を占める割合が、45%乃至55%とされていること
    を特徴とする請求項5記載の農用車輪。
  7. 【請求項7】 ボス(2)と、該ボス(2)まわりに放
    射状に設けられる複数本のスポーク(3)と、これらス
    ポーク(3)によってリング状に保持されるリム(4)
    と、該リム(4)を弾性材で被覆して形成された弾性輪
    体(5)とを有し、該弾性輪体(5)まわりにラグ
    (6)が設けられた農用車輪において、 前記ボス(2)及びスポーク(3)が、弾性輪体(5)
    によって被覆された後のリム(4)に対して後付け可能
    になされていることを特徴とする農用車輪。
  8. 【請求項8】 前記ボス(2)及びスポーク(3)は互
    いに一体形成されており、所定色に着色されたもの複数
    種が製造準備されることを特徴とする請求項7記載の農
    用車輪。
  9. 【請求項9】 前記スポーク(3)には径方向外方の端
    部に連結片部(20)が設けられており、前記リム
    (4)には、スポーク(3)の連結片部(20)に対応
    する周方向の複数箇所から径方向内方へ突出するフラン
    ジ部(24)が設けられており、これら連結片部(2
    0)とフランジ部(24)とが互いに結合可能となされ
    ていることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の農
    用車輪。
  10. 【請求項10】 前記スポーク(3)の連結片部(2
    0)は、弾性輪体(5)の周方向に沿って扁平化されて
    いることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか
    に記載の農用車輪。
  11. 【請求項11】 前記フランジ部(24)を利用して、
    弾性輪体(5)の内周部に沿った隔壁体(30)が着脱
    可能になされていることを特徴とする請求項7乃至請求
    項10のいずれかに記載の農用車輪。
  12. 【請求項12】 前記隔壁体(30)は、一体品又は複
    数部品の連接によってリング状に形成されていることを
    特徴とする請求項11記載の農用車輪。
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