JPH09284030A - メタルスペースフレームレードーム用膜材 - Google Patents

メタルスペースフレームレードーム用膜材

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JPH09284030A
JPH09284030A JP12099396A JP12099396A JPH09284030A JP H09284030 A JPH09284030 A JP H09284030A JP 12099396 A JP12099396 A JP 12099396A JP 12099396 A JP12099396 A JP 12099396A JP H09284030 A JPH09284030 A JP H09284030A
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fluororesin film
porous
porous fluororesin
organic fiber
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JP12099396A
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Akira Harada
章 原田
Masahiro Miyamoto
昌宏 宮本
Toshihiko Takiguchi
敏彦 滝口
Akira Nishimura
昭 西村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比誘電率及び膜厚が小さく、水の侵入による
電磁波透過率の低下がなく、しかも紫外線の透過による
補強メンバーの低下がないメタルスペースフレームレー
ドーム用膜材を提供すること。 【解決手段】 少なくとも無孔質フッ素系樹脂膜、多孔
質フッ素系樹脂膜、及び有機繊維補強布がこの順に積層
された多層構造を有し、該無孔質フッ素系樹脂膜が最外
層に配置されていることを特徴とするメタルスペースフ
レームレードーム用膜材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダーアンテナ
やその他の同様な構造をもつ宇宙通信アンテナなどを収
容するのに用いられるメタルスペースフレームレードー
ム(metalspace frame radom
e)用の膜材に関し、更に詳しくは、40GHzを越え
る高周波数レーダーを対象とするメタルスペースフレー
ムレードーム用膜材に関する。
【0002】
【従来の技術】レーダーアンテナなどの無線アンテナ
を、電磁気的に透明に保持しながら、日光や雨、雪、風
などの天候、湿気、埃などに対して被覆し、保護するた
めに、無線周波数電磁放射に対して透明な誘電体で作ら
れた強固な薄い殻、すなわちレードームが使用されてい
る。レーダーアンテナなどが自由に移動または回転でき
るように、レーダーアンテナ等から間隔を置いて配置さ
せる被覆構造体として、メタルスペースフレームレード
ームがある。このメタルスペースフレームレードーム
は、金属製の幾何学的形状を有する多数のセグメントが
ほぼ球形のドームを形成するように結合され、かつ、こ
れらのセグメントが無線周波数電磁放射に対して透明な
膜で覆われた構造を有している。
【0003】40GHzを越える高周波数レーダーを対
象とするメタルスペースフレームレードーム用膜材に
は、小さい比誘電率と誘電損失、及び波長の約1/10
以下の膜厚が要求される。そのために、該膜材は、でき
るだけ薄いことが望ましい。一方、該膜材が長期間にわ
たって、乾燥空気による内圧と、外部からの雨、埃、紫
外線等に晒されることによっても破損せず、気密を保ち
続けるためには、大きな引張強度、引裂強度、及び気密
性が要求される。膜材がこれらの要求性能を満たすため
には、前記した電気的特性からの要求とは相反して、で
きるだけ厚い方が望ましい。
【0004】従来、レードーム用膜材として、例えば、
(1)ガラスクロスに有機系フィルムをラミネートした
もの、(2)有機繊維補強布にEPDM(エチレン・プ
ロピレン・ジエン三元共重合体)膜を両面に被覆したも
の、(3)FRP(繊維強化プラスチック)膜などが使
用されてきた。しかし、これらの膜材は、主として耐候
性や強度を重視したものであって、十分な無線周波数電
磁波透過率(電波透過率)が得られないという欠点があ
った。
【0005】これに対して、近年、電気的特性に優れた
レードーム用膜材として、フッ素系樹脂膜を用いた各種
積層体が提案されている。例えば、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)糸の低誘電率プラスチックと高強
度の有機繊維を組み合わせた強度メンバーと、テトラフ
ルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(FEP)フィルムを積層したものが提案されている
(実開昭62−86714号公報)。FEPフィルム
は、厚さが薄くても気密性を保つことができ、電磁気的
特性にも優れている。しかし、FEPフィルムは、紫外
線を透過するため、強度メンバーである有機繊維が劣化
するという問題があった。
【0006】特開平1−114101号公報には、レー
ドーム用膜材として、多孔質PTFE膜/熱可塑性ポリ
マー/多孔質PTFE膜/PTFE織物を含む布からな
る構造体が提案されている。多孔質PTFE膜は、電気
的特性の向上を目的に、熱可塑性ポリマーは、気密性の
維持とPTFE多孔質膜の接着性を向上する目的に、P
TFE織物を含む布は、強度メンバーとすることを目的
にして複合化されている。しかし、PTFE織物は、P
TFE多孔質膜と接着させる際の加熱によって収縮し易
く、ハンドリングしにくい。また、PTFE織物は、市
販の高強度有機繊維(例えば、ケブラー等のアラミド繊
維や炭素繊維)布に比べ、約1/10の引張強度しかな
く、そのため、レードーム用膜材に用いる場合、膜厚を
厚くせねばならず、薄膜化できないという問題があっ
た。
【0007】特開平4−369538号公報には、比重
が異なる複数のPTFE層が積層された構造の傾斜誘電
体が、アンテナのカバー材などとして提案されている。
この傾斜誘電体では、高比重(無孔質)PTFE層によ
り表面にゴミが堆積しにくくし、低比重(多孔質)PT
FE層により電気的特性を向上させている。しかし、こ
のPTFE層は、市販の高強度有機繊維(例えば、ケブ
ラー等のアラミド繊維や炭素繊維)布に比べ、約1/1
0の引張強度しかなく、レードーム用膜材に用いる場
合、膜厚を厚くせねばならず、薄膜化できないという問
題があった。
【0008】特開昭63−316904号公報には、有
機繊維補強布に、フッ素系樹脂膜をラミネートしたメタ
ルスペースフレームレードーム用膜材が提案されてい
る。しかし、無孔質フッ素系樹脂膜をラミネートしたも
のは、長期にわたって屋外で使用すると、紫外線の透過
により補強メンバーである有機繊維補強布の強度が低下
するおそれがある。多孔質フッ素系樹脂膜をラミネート
したものは、長期にわたって屋外で使用すると、汚れや
埃により水が侵入し、電磁波透過率が低下するおそれが
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比誘
電率及び膜厚が小さく、水の侵入による電磁波透過率の
低下がなく、しかも紫外線の透過による補強メンバーの
低下がないメタルスペースフレームレードーム用膜材を
提供することにある。本発明者らは、前記従来技術の問
題点を克服するために鋭意研究した結果、最外層に無孔
質フッ素系樹脂膜、中間層に多孔質フッ素系樹脂膜、そ
して補強メンバーに有機繊維補強布を配した多層構造体
により前記目的が達成できることを見いだした。
【0010】また、多孔質フッ素系樹脂膜と有機繊維補
強布とを接着させるために、ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)またはポリテトラフルオロエチレン/パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)
のディスパージョンを用いると、良好な層間接着性が得
られる。その際、PTEFまたはPFAディスパージョ
ンを多孔質フッ素系樹脂膜及び/または有機繊維補強布
に塗布し、乾燥させることなく、多孔質フッ素系樹脂と
有機繊維補強布を重ねて燒結すると、極めて良好な層間
剥離強度を得ることができる。本発明は、これらの知見
に基づいて完成するに至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも無孔質フッ素系樹脂膜、多孔質フッ素系樹脂膜、及
び有機繊維補強布がこの順に積層された多層構造を有
し、該無孔質フッ素系樹脂膜が最外層に配置されている
ことを特徴とするメタルスペースフレームレードーム用
膜材が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】一般に薄い膜材の電波透過損失T
は、反射損と誘電体損の和で表わされる。 T=[(εr−1)*π*d/λ]2+π*(εr+
1)*tanδ*d/λ λ:波長(mm) d:膜材厚み(mm) εr:膜材の比誘電率 tanδ:誘電体の損失角 したがって、波長の短い高周波帯では、膜材の厚み
(d)、膜材の比誘電率(εr)、及び誘電体の損失角
(tanδ)の影響が大となり、例えば、厚みの大きな
膜材では、良好な電波透過率が得られない。また、従来
の膜材で、無孔質のフッ素系樹脂膜を用いたものは、強
度メンバーである有機繊維補強布が紫外線により強度低
下するという問題があった。多孔質のフッ素系樹脂膜を
最外層に配したものは、長期にわたって屋外で使用され
るため、徐々に表面が汚れて撥水性が損なわれ、水が侵
入して、電波透過率の低下の原因となる。
【0013】これに対して、本発明では、少なくとも下
記の3層構造の多層構造体にすることでこれらの問題を
解決した。 (A1)無孔質フッ素系樹脂膜 (B1)多孔質フッ素樹脂膜 (C)有機繊維補強布 ここで、(A1)無孔質フッ素系樹脂膜は、最外層に配
置されている(図1参照)。また、(C)有機繊維補強
布の他面には、さらに、付加的な層が配置されていても
よく、例えば、(A2)無孔質フッ素系樹脂膜または
(B2)多孔質フッ素樹脂膜が付加的に積層された構造
であってもよい(図2及び図3参照)。
【0014】無孔質フッ素系樹脂膜は、PTFE、ある
いはFEPやPFAなどの溶融性フッ素系樹脂からなる
無孔質の樹脂膜である。無孔質フッ素系樹脂膜は、フッ
素系樹脂が有する撥水性に加えて、無孔質であることに
より、汚れや埃による水の侵入を防ぐことができ、それ
によって、屋外での長期使用による電波透過性の低下を
防ぐことができる。無孔質フッ素系樹脂膜の厚さは、比
誘電率と膜強度とのバランスを勘案すると、通常、1〜
20μm、好ましくは5〜15μmである。最外層の無
孔質フッ素系樹脂膜と強度メンバーである有機繊維補強
布との間に多孔質フッ素樹脂膜を配置することにより、
比誘電率を下げ、電波透過性を向上させると共に、紫外
線を遮断して、下層に位置する有機繊維補強布の紫外線
劣化を防止する。多孔質フッ素系樹脂膜としては、多孔
質PTFE膜が好ましい。
【0015】この多孔質PTFE膜を製造するには、例
えば、特公昭42−13560号公報に記載された方法
を基本的に採用することができる。まず、PTFE未燒
結粉末に液状潤滑剤を混和して、押出し、圧延等により
膜状に成形する。得られた成形物から液状潤滑剤を除去
するか、あるいは除去することなく、該成形物を少なく
とも一軸方向に延伸する。しかる後、熱収縮防止状態に
て燒結温度以上に加熱し、延伸した構造を燒結固定化す
ると、強度の向上した多孔質PTFE膜を得ることがで
きる。熱収縮防止状態とは、収縮を完全に防止した状態
だけでなく、一部収縮を許す状態をも含むものとする。
【0016】この多孔質PTFE膜は、非常に細い繊維
と結節からなるミクロ構造を有しており、その繊維径と
長さ、結節の大きさやそれらの数は、延伸と燒結の条件
により変化させ得るため、得られる多孔質PTFE膜の
孔径と気孔率も自由に決定しうる。多孔質PTFE膜
は、その孔径が50μm以下で、気孔率が50%以上の
ものが望ましい。また、多孔質PTFE膜の厚さは、通
常、30〜200μm、好ましくは50〜150μmで
ある。
【0017】フッ素系樹脂膜は、無孔質及び多孔質を問
わずレードーム用膜材としての機械的強度に乏しいた
め、補強メンバーとして有機繊維補強布を配置する。有
機繊維補強布の材質としては、芳香族ポリアミド繊維が
好ましく、より具体的には、米国デュポン社のケブラー
等のアラミド系繊維が好ましい。布は、メッシュ状織物
が好ましい。無孔質及び多孔質フッ素系樹脂膜を有機繊
維補強布とラミネートすることにより、機械的強度に優
れ、電波透過ロスの小さい高周波数レーダーのレードー
ム用膜材を得ることができる。強度メンバーとしては、
高強度、高弾性率であることは勿論のこと、例えば、多
孔質PTFE膜を燒結する温度での熱履歴(350℃×
30分)を受けても、強度劣化が小さいこと、電気特性
である比誘電率がなるべく低いことが要求されるが、ト
レードオフの関係にある3項目でバランスの最も良いも
のとしては、アラミド系繊維補強布がある。有機繊維補
強布の厚さは、通常、100〜250μm、好ましくは
120〜200μmである。
【0018】アラミド系繊維補強布などの有機繊維補強
布と多孔質PTFE膜などの多孔質フッ素系樹脂膜との
接着方法としては、一般的には、例えば、熱可塑性ポリ
ウレタンなどの接着剤で点接着する方法、あるいは未燒
結の多孔質PTFE膜と有機繊維補強布とを重ね合わせ
て加熱し、多孔質PTFE膜を燒結しながら接着する方
法がある。しかし、熱可塑性ポリウレタンは、比誘電率
が高いので、(1)有機繊維補強布表面にPTFEまた
はPFAのディスパージョンを塗布した後に、多孔質フ
ッ素系樹脂膜を圧着して燒結する方法が好ましく、
(2)有機繊維補強布としてメッシュ状織物を用い、そ
のメッシュ部分をPTFEまたはPFAのディスパージ
ョンを塗布して目を詰めて表面と裏面を橋かけすると、
有機繊維補強布と多孔質フッ素系樹脂膜との接着性が向
上するので、より好ましい。(3)誘電率及び接着性の
両方を向上させる方法としては、多孔質フッ素系樹脂膜
にPTFEまたはPFAのディスパージョンを塗布し、
乾燥しない状態で有機繊維補強布を重ね合わせて燒結す
る方法がある。この方法によれば、ディスパージョン中
に含まれる界面活性剤の作用により、多孔質フッ素系樹
脂膜の孔内にPTFEまたはPFAのディスパージョン
が浸漬し、PTFEまたはPFA粒子が孔内で燒結され
ることで投錨効果が生まれ、かつ、有機繊維補強布の目
を詰める必要がなく、空隙が増し、誘電率を下げること
ができる。
【0019】有機繊維補強布の両面に多孔質フッ素系樹
脂膜を積層する場合、あるいは有機繊維補強布の片面に
は多孔質フッ素系樹脂膜、他面には無孔質フッ素系樹脂
膜を積層する場合には、PTFEまたはPFAディスパ
ージョンを有機繊維補強布に塗布した後、これらのフッ
素系樹脂膜を両面に重ね合わせて燒結するか、あるいは
これらのフッ素系樹脂膜にディスパージョンを塗布して
から有機繊維補強布を挟んで燒結するなどの方法により
接着させることが好ましい。無孔質フッ素系樹脂膜につ
いては、未燒結あるいは燒結した多孔質フッ素系樹脂膜
の上にPTFEまたはPFAディスパージョンを塗布し
て、乾燥・燒結することにより、1〜20μmの膜厚の
無孔質フッ素樹脂膜が形成され、多孔質フッ素樹脂膜と
の密着性は、上述のように投錨効果により優れたものと
なる。本発明のレードーム用膜材は、比誘電率が好まし
くは2.0以下、より好ましくは1.6以下で、膜厚が
好ましくは0.40mm以下、より好ましくは0.37
mm以下である。また、多孔質フッ素系樹脂膜と有機繊
維補強布との間の剥離強度は、好ましくは0.5kg/
cm以上、より好ましくは0.6kg/cmである。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0021】[実施例1]表1に示す積層構造の各種膜
材を用いて、80GHzで比誘電率及び電波透過損失を
評価した。これら膜材の各層間の接着は、以下の方法に
より行った。EPDMラバー膜は、アラミド繊維補強布
に両面から未架橋EPDMラバーをカレンダリングする
ことで、網目状アラミド繊維間をブリッジして接着し
た。多孔質PTFEとアラミド繊維補強布との間の接着
は、アラミド補強布にPTFEまたはPFAディスパー
ジョンを塗布した後、多孔質PTFE樹脂膜を圧着して
燒結した。その後、多孔質PTFE樹脂膜の表面に再度
PTFEディスパージョン(PFAディスパージョンで
も同じ)を塗布した後、燒結し、多孔質PTFE樹脂膜
の表面上に無孔質フッ素樹脂膜を形成した。
【0022】
【表1】 表1の結果から明らかなように、本発明の無孔質PTF
E/多孔質PTFE/アラミド繊維(デュポン社製ケブ
ラー)補強布からなる積層構造の膜材は、従来のEPD
Mラバーを積層した膜材に比べて、比誘電率が極めて小
さく、かつ、電波透過損失は1/4以下である。
【0023】[実施例2] (a)無孔質フッ素系樹脂(無孔質PTFE膜) 膜厚 10μm (b)多孔質フッ素系樹脂(多孔質PTFE膜) 膜厚 70μm (c)有機繊維補強布(アラミド繊維補強布) 膜厚170μm からなる積層構造の膜材と、(b)及び(c)からなる
積層構造の膜材を用い、促進テストとしてサンシャイン
ウエザオ試験を1000時間行った後、霧吹で水をサン
プルに吹きつけてから比誘電率を測定した。なお、これ
ら膜材の各層間の接着は、(b)と(c)との間につい
ては、PTFEディスパージョン(PFAディスパージ
ョンでも同じ)を有機繊維補強布に塗布し、その上に多
孔質フッ素系樹脂膜を圧着し、燒結することにより行っ
た。(a)と(b)/(c)との間の接着については、
多孔質フッ素系樹脂膜の表面にPTFEディスパージョ
ン(PFAディスパージョンでも同じ)を塗布した後、
乾燥・燒結することにより行い、これによって、密着性
に優れた無孔質フッ素系樹脂膜が形成される。結果を表
2に示す。
【0024】
【表2】 表2の結果から明らかなように、多孔質フッ素系樹脂膜
を最外層に配した膜材は、耐候性試験によって撥水性が
低下して水が侵入し、比誘電率が低下した。これに対し
て、本発明の膜材〔積層構造(a)/(b)/(c)〕
は、耐候性試験の後にも良好な比誘電率の水準を維持し
ている。
【0025】[実施例3]接着性試験1 アラミド繊維(デュポン社製ケブラー)補強布(メッシ
ュ状織物)をダイキン工業(株)製PTFEディスパー
ジョンD1に浸漬し、ドクターナイフで余分なD1をし
ごき落とした後、120℃で30分間乾燥した。PTF
Eディスパージョンを2回塗布し、乾燥した後、メッシ
ュ状織物の織目にPTFEが固定されていることを確認
した。多孔質PTFE膜〔住友電工(株)製ポアフロン
シートUP−020−80、孔径0.2μm、膜厚80
μm〕をアラミド繊維補強布よりも大きめに裁断し、前
記のPTFEディスパージョンに浸漬処理したアラミド
繊維補強布の上下に重ね合わせた。次いで、アラミド繊
維補強布に密着させた多孔質PTFE膜の4角にテンシ
ョンを加えた状態で、350℃/30分間の加熱条件で
燒結した。荷重は30g/cm2であった。このように
して、膜材Xを作製した。一方、アラミド繊維補強布に
PTFEディスパージョンを塗布した後、乾燥させなか
ったこと以外は、前記と同様にして、多層構造の膜材Y
を作製した。各サンプルの剥離強度を測定した。結果を
表3に示す。
【0026】
【表3】 PTFEディスパージョン未乾燥で作製した膜材Yは、
乾燥して作製した膜材Xの約5倍の剥離強度があり、剥
離後の破壊状態を観察すると接着面ではなく、PTFE
多孔質膜が凝集破壊していた。これらの膜材の一方の側
のPTFE多孔質膜の上に無孔質フッ素系樹脂膜を形成
すれば、本発明のレードーム用膜材を得ることができ
る。
【0027】[実施例4]接着性試験2 多孔質PTFE膜〔住友電工(株)製ポアフロンシート
UP−020−80、孔径0.2μm、膜厚80μm〕
をアラミド繊維(デュポン社製ケブラー)補強布(メッ
シュ状織物)より大きめに裁断し、PTFEディスパー
ジョンに浸漬した。ディスパージョンが乾燥しない状態
で、アラミド繊維補強布の上下に重ね合わせた。次い
で、4角にテンションを加えた状態で燒結した。荷重
は、30g/cm2で、燒結は、温度350℃、時間3
0分間で行った。得られた膜材サンプルの比誘電率は
1.4で、剥離強度は0.6kg/cm以上であり、破
壊は多孔質PTFE膜の凝集破壊によるものであった。
この膜材の一方の側のPTFE多孔質膜の上に無孔質フ
ッ素系樹脂膜を形成すれば、本発明のレードーム用膜材
を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の膜材は、電波透過特性に優れて
いるため、レーダーの探知距離を飛躍的に向上させ、探
知能力を向上させることができると共に、長期にわたっ
ての屋外使用での耐久性に優れているため、メタルスペ
ースフレームレードーム用膜材として好適である。特
に、強度メンバーとして高強度・高弾性体の中で誘電率
が最も低いアラミド系繊維補強布を用い、更に、多孔質
フッ素系樹脂膜として多孔質PTFE膜を用いた場合に
は、比誘電率を顕著に下げることができ、電波透過性を
飛躍的に向上させることができる。最外層を無孔質フッ
素系樹脂膜とすることにより、撥水性・撥油性が付与さ
れ、汚れや埃による水の侵入を防ぐことができ、長期間
の使用でも電波透過性の低下を防ぐことができる。ま
た、多孔質フッ素系樹脂膜を中間層に配することによ
り、有機繊維補強布の紫外線による劣化を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の膜材の積層構造を示す断面図である。
【図2】本発明の膜材の積層構造の他の例を示す断面図
である。
【図3】本発明の膜材の積層構造の他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】
A1:無孔質フッ素系樹脂膜 B1:多孔質フッ素系樹脂膜 C :有機繊維補強布 A2:無孔質フッ素系樹脂膜 B2:多孔質フッ素系樹脂膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 昭 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも無孔質フッ素系樹脂膜、多孔
    質フッ素系樹脂膜、及び有機繊維補強布がこの順に積層
    された多層構造を有し、該無孔質フッ素系樹脂膜が最外
    層に配置されていることを特徴とするメタルスペースフ
    レームレードーム用膜材。
  2. 【請求項2】 多孔質フッ素系樹脂膜と有機繊維補強布
    とが、ポリテトラフルオロエチレンまたはポリテトラフ
    ルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル
    共重合体のディスパージョンを用いて接着されている請
    求項1記載の膜材。
  3. 【請求項3】 多孔質フッ素系樹脂膜と有機繊維補強布
    とが、その少なくとも一方に前記ディスパージョンを塗
    布した後、乾燥させずに、両者を重ね合わせて燒結する
    ことにより接着されている請求項2記載の膜材。
  4. 【請求項4】 比誘電率が2.0以下で、膜厚が0.4
    0mm以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載の膜材。
  5. 【請求項5】 多孔質フッ素系樹脂膜と有機繊維補強布
    との間の剥離強度が0.5kg/cm以上である請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の膜材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017026209A1 (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 株式会社東海理化電機製作所 電波透過部品
JP2019206102A (ja) * 2018-05-28 2019-12-05 中興化成工業株式会社 膜材及び膜構造物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017036953A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 株式会社東海理化電機製作所 電波透過部品
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