JPH09283584A - シリコン結晶炭素濃度測定方法 - Google Patents
シリコン結晶炭素濃度測定方法Info
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- JPH09283584A JPH09283584A JP11200196A JP11200196A JPH09283584A JP H09283584 A JPH09283584 A JP H09283584A JP 11200196 A JP11200196 A JP 11200196A JP 11200196 A JP11200196 A JP 11200196A JP H09283584 A JPH09283584 A JP H09283584A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フーリエ変換赤外分光法を用い、シリコン単
結晶中の置換型炭素濃度を簡便に、且つ、低濃度でもよ
り正確に精度よく測定する。 【解決手段】 フーリエ変換赤外分光法によるシリコン
結晶中の炭素濃度の測定において、被測定シリコン結晶
より含有酸素が低濃度のカーボンフリー標準試料を用い
て測定することを特徴とするシリコン結晶低炭素濃度測
定方法。被測定シリコン結晶の含有炭素濃度が、約5×
1015atoms/cm3 以下の低濃度ものも好適に適
用できる。カーボンフリー標準試料として、CZ法で得
られるシリコン単結晶の酸素濃度1×1018atoms
/cm3 より低い含有酸素濃度のものを用いる。
結晶中の置換型炭素濃度を簡便に、且つ、低濃度でもよ
り正確に精度よく測定する。 【解決手段】 フーリエ変換赤外分光法によるシリコン
結晶中の炭素濃度の測定において、被測定シリコン結晶
より含有酸素が低濃度のカーボンフリー標準試料を用い
て測定することを特徴とするシリコン結晶低炭素濃度測
定方法。被測定シリコン結晶の含有炭素濃度が、約5×
1015atoms/cm3 以下の低濃度ものも好適に適
用できる。カーボンフリー標準試料として、CZ法で得
られるシリコン単結晶の酸素濃度1×1018atoms
/cm3 より低い含有酸素濃度のものを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコン結晶炭素
濃度測定方法及びカーボンフリー標準試料に関し、更に
詳しくはフーリエ変換赤外分光(FT−IR)法を用
い、従来の測定よりシリコン結晶中の炭素濃度をより低
濃度まで測定可能とするシリコン結晶炭素濃度測定方法
及びカーボンフリー標準試料に関する。
濃度測定方法及びカーボンフリー標準試料に関し、更に
詳しくはフーリエ変換赤外分光(FT−IR)法を用
い、従来の測定よりシリコン結晶中の炭素濃度をより低
濃度まで測定可能とするシリコン結晶炭素濃度測定方法
及びカーボンフリー標準試料に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の基板を構成するシリコン単
結晶は、高純度が要求されできる限り不純物の含有が排
除されている。半導体においては、不純物含量が極微量
でも最終的な性能に多大な影響を及ぼすことがあり、特
に、近年の超高集積化に伴い、基板となるシリコン単結
晶の高純度化の要求も著しく厳格なものとなっている。
しかし、製造工程の各種操作や装置等からの極微量の不
純物の混入は避けることができないのが現状である。そ
のため、半導体基板用のシリコン結晶中に含まれる不純
物の種類及びその含有量を予め測定し、その測定結果に
基づき各種の処理を適宜選択することや、得られる半導
体素子の性能を予測することも行われている。このため
シリコン結晶中の不純物測定のために各種の測定機器の
改良や測定精度の向上等が提案され、また、常に、要望
もされている。
結晶は、高純度が要求されできる限り不純物の含有が排
除されている。半導体においては、不純物含量が極微量
でも最終的な性能に多大な影響を及ぼすことがあり、特
に、近年の超高集積化に伴い、基板となるシリコン単結
晶の高純度化の要求も著しく厳格なものとなっている。
しかし、製造工程の各種操作や装置等からの極微量の不
純物の混入は避けることができないのが現状である。そ
のため、半導体基板用のシリコン結晶中に含まれる不純
物の種類及びその含有量を予め測定し、その測定結果に
基づき各種の処理を適宜選択することや、得られる半導
体素子の性能を予測することも行われている。このため
シリコン結晶中の不純物測定のために各種の測定機器の
改良や測定精度の向上等が提案され、また、常に、要望
もされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような状況の
下において、発明者らは、シリコン結晶中の置換型炭素
が、特に半導体素子性能の電気的特性の良否に関連する
ことから、その含有量を正確に測定することを目的に検
討した。発明者らは、先ず従来のFT−IR法によるシ
リコン結晶中の置換型炭素濃度の測定方法を基本的に見
直すことにした。従来から行われているFT−IR法に
よる置換型炭素濃度測定は、他の化合物中の成分と同様
に、不純物フリーとしての標準試料との相対的比較で概
ね次のように行われる。即ち、炭素濃度を測定する被
測定シリコン結晶を厚さ約2mmのディスク状の測定試
料に形成する。測定試料を厚さ方向に対して垂直入射
測定で赤外線の透過光量を測定する。次に、同様に厚
さ2mmのディスク状のカーボンフリー(カーボン含有
量約1×1015atoms/cm3 未満)の標準試料に
ついて、同様に厚さ方向に対し垂直入射測定で赤外線の
透過光量を測定する。両者の透過光量の差から差吸光
度スペクトルを求める。差吸光度スペクトルの604
cm-1の置換型炭素による赤外吸収のピークから被測定
シリコン結晶の炭素濃度を求める。
下において、発明者らは、シリコン結晶中の置換型炭素
が、特に半導体素子性能の電気的特性の良否に関連する
ことから、その含有量を正確に測定することを目的に検
討した。発明者らは、先ず従来のFT−IR法によるシ
リコン結晶中の置換型炭素濃度の測定方法を基本的に見
直すことにした。従来から行われているFT−IR法に
よる置換型炭素濃度測定は、他の化合物中の成分と同様
に、不純物フリーとしての標準試料との相対的比較で概
ね次のように行われる。即ち、炭素濃度を測定する被
測定シリコン結晶を厚さ約2mmのディスク状の測定試
料に形成する。測定試料を厚さ方向に対して垂直入射
測定で赤外線の透過光量を測定する。次に、同様に厚
さ2mmのディスク状のカーボンフリー(カーボン含有
量約1×1015atoms/cm3 未満)の標準試料に
ついて、同様に厚さ方向に対し垂直入射測定で赤外線の
透過光量を測定する。両者の透過光量の差から差吸光
度スペクトルを求める。差吸光度スペクトルの604
cm-1の置換型炭素による赤外吸収のピークから被測定
シリコン結晶の炭素濃度を求める。
【0004】上記したようなFT−IR法において、カ
ーボン吸収ピークが一般に604cm-1に現れることは
よく知られている。しかしながら、発明者らによれば、
従来のFT−IR法と同様に所定のシリコン単結晶から
製造されたシリコンウエハを測定した場合、図2に示す
ような赤外吸収スペクトルが得られ、カーボン赤外吸収
ピーク604cm-1近傍で低波数側に下向きの凸部が発
生し、赤外吸収スペクトルのベースラインを的確に定め
ることが難しいことが知見された。このように、得られ
る赤外差吸光度スペクトルのベースラインを特定するこ
とが困難な場合は、その吸収ピークからシリコン中の置
換型炭素濃度を測定しても精度が低く正確さに欠けると
同時に、特に、炭素濃度が約5×1015atoms/c
m3 以下のような炭素濃度の低い結晶シリコンについて
は、赤外差吸光度スペクトルで、置換型炭素濃度を精度
よく正確に測定することが極めて難しいことが確認され
た。このため、発明者らは、上記のような赤外差吸光度
スペクトルの現象について検討すると共に、FT−IR
法を用いてシリコン結晶中の置換炭素濃度を簡便且つ低
濃度でもより正確に測定できる方法を見出すべく検討し
た。その結果、カーボン赤外吸収ピークの604cm-1
近傍の低波数側の下向き凸部がシリコン格子間に存在す
る酸素の吸収ピーク(560cm-1及び510cm-1付
近)によるためであることを知見した。発明者らは、更
に、この知見を基に、これら酸素吸収ピークを消失させ
て赤外差吸収スペクトルのベースラインを特定するべく
検討し、FT−IR法のシリコン単結晶の炭素濃度測定
にレファレンスとして用いるカーボンフリー標準試料シ
リコン結晶中の酸素濃度を所定以下とすることによりベ
ースラインの特定が容易となることを見出し本発明に到
った。
ーボン吸収ピークが一般に604cm-1に現れることは
よく知られている。しかしながら、発明者らによれば、
従来のFT−IR法と同様に所定のシリコン単結晶から
製造されたシリコンウエハを測定した場合、図2に示す
ような赤外吸収スペクトルが得られ、カーボン赤外吸収
ピーク604cm-1近傍で低波数側に下向きの凸部が発
生し、赤外吸収スペクトルのベースラインを的確に定め
ることが難しいことが知見された。このように、得られ
る赤外差吸光度スペクトルのベースラインを特定するこ
とが困難な場合は、その吸収ピークからシリコン中の置
換型炭素濃度を測定しても精度が低く正確さに欠けると
同時に、特に、炭素濃度が約5×1015atoms/c
m3 以下のような炭素濃度の低い結晶シリコンについて
は、赤外差吸光度スペクトルで、置換型炭素濃度を精度
よく正確に測定することが極めて難しいことが確認され
た。このため、発明者らは、上記のような赤外差吸光度
スペクトルの現象について検討すると共に、FT−IR
法を用いてシリコン結晶中の置換炭素濃度を簡便且つ低
濃度でもより正確に測定できる方法を見出すべく検討し
た。その結果、カーボン赤外吸収ピークの604cm-1
近傍の低波数側の下向き凸部がシリコン格子間に存在す
る酸素の吸収ピーク(560cm-1及び510cm-1付
近)によるためであることを知見した。発明者らは、更
に、この知見を基に、これら酸素吸収ピークを消失させ
て赤外差吸収スペクトルのベースラインを特定するべく
検討し、FT−IR法のシリコン単結晶の炭素濃度測定
にレファレンスとして用いるカーボンフリー標準試料シ
リコン結晶中の酸素濃度を所定以下とすることによりベ
ースラインの特定が容易となることを見出し本発明に到
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、フーリ
エ変換赤外分光法によるシリコン結晶中の炭素濃度の測
定において、被測定シリコン結晶より含有酸素が低濃度
のカーボンフリー標準試料を用いて測定することを特徴
とするシリコン結晶低炭素濃度測定方法が提供される。
本発明のシリコン結晶低炭素濃度測定方法において、前
記被測定シリコン結晶の含有炭素濃度が、約5×1015
atoms/cm3 以下であっても好適に適用できる。
なお、本発明において、炭素濃度及び酸素濃度は、いず
れもOld ASTM(ASTM F 121−79)(A
STM:The American society for Testing and Mater
ials) による換算値で示すものである。
エ変換赤外分光法によるシリコン結晶中の炭素濃度の測
定において、被測定シリコン結晶より含有酸素が低濃度
のカーボンフリー標準試料を用いて測定することを特徴
とするシリコン結晶低炭素濃度測定方法が提供される。
本発明のシリコン結晶低炭素濃度測定方法において、前
記被測定シリコン結晶の含有炭素濃度が、約5×1015
atoms/cm3 以下であっても好適に適用できる。
なお、本発明において、炭素濃度及び酸素濃度は、いず
れもOld ASTM(ASTM F 121−79)(A
STM:The American society for Testing and Mater
ials) による換算値で示すものである。
【0006】本発明は上記のように構成され、リファレ
ンスとして用いるカーボンフリーの標準試料が、被測定
シリコン結晶の含有酸素濃度より低い酸素濃度に低減さ
れていることから、被測定シリコン結晶中の格子間酸素
の吸収がレファレンスによる吸収より強くなるため、赤
外差吸光度スペクトルにおいて格子間酸素による吸収ピ
ークが上向きに凸状となる。それにより、ベースライン
の特定が容易となり、被測定シリコン結晶中の炭素濃度
を赤外吸収ピークから精度よく低濃度まで測定すること
ができる。また、上記のように、FT−IR法によりシ
リコン結晶中の置換型炭素濃度を精度よく低濃度まで測
定するためには、レファレンスに用いるFZ(フローテ
ィングゾーン)法またはMCZ(磁界下CZ(チョクラ
ルスキー)法)で製造されるカーボンフリー標準試料の
含有酸素濃度は、被測定シリコン結晶に含有されるシリ
コン格子間酸素濃度より低く、即ち、通常のCZ法で製
造されるシリコン単結晶の酸素濃度1.0×1018at
oms/cm3 未満となるように予め用意できることか
ら、各種のシリコン結晶中の炭素濃度をFT−IR法で
簡便に測定することができる。
ンスとして用いるカーボンフリーの標準試料が、被測定
シリコン結晶の含有酸素濃度より低い酸素濃度に低減さ
れていることから、被測定シリコン結晶中の格子間酸素
の吸収がレファレンスによる吸収より強くなるため、赤
外差吸光度スペクトルにおいて格子間酸素による吸収ピ
ークが上向きに凸状となる。それにより、ベースライン
の特定が容易となり、被測定シリコン結晶中の炭素濃度
を赤外吸収ピークから精度よく低濃度まで測定すること
ができる。また、上記のように、FT−IR法によりシ
リコン結晶中の置換型炭素濃度を精度よく低濃度まで測
定するためには、レファレンスに用いるFZ(フローテ
ィングゾーン)法またはMCZ(磁界下CZ(チョクラ
ルスキー)法)で製造されるカーボンフリー標準試料の
含有酸素濃度は、被測定シリコン結晶に含有されるシリ
コン格子間酸素濃度より低く、即ち、通常のCZ法で製
造されるシリコン単結晶の酸素濃度1.0×1018at
oms/cm3 未満となるように予め用意できることか
ら、各種のシリコン結晶中の炭素濃度をFT−IR法で
簡便に測定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、FT−IR法の原理を
再検討することによりなされたもので、発明者らにより
初めて提案されたものである。即ち、赤外吸光度スペク
トルは、前記した通り、被測定試料と同一構成成分から
なるレファレンスとして用いる標準試料中で測定対象成
分をほぼゼロにすることにより、赤外吸収の差によって
表わされる。例えば、被測定試料であるCZ法製造のシ
リコン単結晶と、レファレンスとして用いる標準試料で
あるFZ法またはMCZ法で製造のカーボンフリーシリ
コン単結晶との両者における含有成分の赤外吸収の差で
表示される。この場合、被測定試料の赤外吸収が標準試
料の吸収より強いときは、吸光度スペクトルは上向きに
凸となり、一方、被測定試料の赤外吸収が標準試料の吸
収より弱いときは下向きに凸となるという現象を再確認
し、シリコン単結晶中の置換型炭素濃度の測定に適用で
きることを立証し、工業的適用を確立したものである。
上記確認によれば、前記図2においては、波数約604
cm-1には上向きの鋭いピークが現れ、被測定シリコン
単結晶中にはレファレンスより置換型炭素が多く含有さ
れることを認めることができる。一方、波数約604c
m-1より低波数側の約560cm-1から515cm-1に
かけて下向きにブロードな凸状、また、515cm-1に
は比較的シャープな吸収ピークが下向き凸に現れている
ことから、レファレンスの標準試料シリコン単結晶中に
格子間酸素が、被測定シリコン単結晶より多く含有され
ているということを認めることができる。
再検討することによりなされたもので、発明者らにより
初めて提案されたものである。即ち、赤外吸光度スペク
トルは、前記した通り、被測定試料と同一構成成分から
なるレファレンスとして用いる標準試料中で測定対象成
分をほぼゼロにすることにより、赤外吸収の差によって
表わされる。例えば、被測定試料であるCZ法製造のシ
リコン単結晶と、レファレンスとして用いる標準試料で
あるFZ法またはMCZ法で製造のカーボンフリーシリ
コン単結晶との両者における含有成分の赤外吸収の差で
表示される。この場合、被測定試料の赤外吸収が標準試
料の吸収より強いときは、吸光度スペクトルは上向きに
凸となり、一方、被測定試料の赤外吸収が標準試料の吸
収より弱いときは下向きに凸となるという現象を再確認
し、シリコン単結晶中の置換型炭素濃度の測定に適用で
きることを立証し、工業的適用を確立したものである。
上記確認によれば、前記図2においては、波数約604
cm-1には上向きの鋭いピークが現れ、被測定シリコン
単結晶中にはレファレンスより置換型炭素が多く含有さ
れることを認めることができる。一方、波数約604c
m-1より低波数側の約560cm-1から515cm-1に
かけて下向きにブロードな凸状、また、515cm-1に
は比較的シャープな吸収ピークが下向き凸に現れている
ことから、レファレンスの標準試料シリコン単結晶中に
格子間酸素が、被測定シリコン単結晶より多く含有され
ているということを認めることができる。
【0008】本発明は、上記したようにFT−IR法測
定にレファレンスとして用いる標準試料のカーボンフリ
ーシリコン単結晶中の格子間酸素を低減させて、格子間
酸素の赤外吸収ピークを上向きにして赤外吸光度スペク
トルの置換型炭素の吸収ピークに対するベースラインの
特定を容易にするものである。本発明で用いるレファレ
ンスの標準試料は、上記のように被測定シリコン結晶よ
り格子間酸素を低減するものであり、被測定シリコン結
晶の酸素濃度に対応して、カーボンフリー標準試料中の
格子間酸素濃度を低くすればよく、例えばFZ法で得ら
れたカーボンフリー(1×1015atoms/cm3 未
満)のシリコン単結晶を用いることができる。FZ法で
得られるシリコン単結晶は、一般に半導体シリコンウエ
ハに用いられるCZ法で製造されるシリコン単結晶が有
する酸素濃度(約1×1018atoms/cm3 以上)
より低く、また、MCZ法によって、製造されたシリコ
ン単結晶は、その格子間酸素濃度を極めて低く、例えば
約1×1017atoms/cm3 程度にすることがで
き、このMCZ法による単結晶の炭素濃度の低い部分、
即ち、単結晶インゴットのヘッド部分を実質的なカーボ
ンフリー標準試料として用いることができる。
定にレファレンスとして用いる標準試料のカーボンフリ
ーシリコン単結晶中の格子間酸素を低減させて、格子間
酸素の赤外吸収ピークを上向きにして赤外吸光度スペク
トルの置換型炭素の吸収ピークに対するベースラインの
特定を容易にするものである。本発明で用いるレファレ
ンスの標準試料は、上記のように被測定シリコン結晶よ
り格子間酸素を低減するものであり、被測定シリコン結
晶の酸素濃度に対応して、カーボンフリー標準試料中の
格子間酸素濃度を低くすればよく、例えばFZ法で得ら
れたカーボンフリー(1×1015atoms/cm3 未
満)のシリコン単結晶を用いることができる。FZ法で
得られるシリコン単結晶は、一般に半導体シリコンウエ
ハに用いられるCZ法で製造されるシリコン単結晶が有
する酸素濃度(約1×1018atoms/cm3 以上)
より低く、また、MCZ法によって、製造されたシリコ
ン単結晶は、その格子間酸素濃度を極めて低く、例えば
約1×1017atoms/cm3 程度にすることがで
き、このMCZ法による単結晶の炭素濃度の低い部分、
即ち、単結晶インゴットのヘッド部分を実質的なカーボ
ンフリー標準試料として用いることができる。
【0009】
【実施例】本発明について実施例に基づき、更に詳細に
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 FZ法シリコン単結晶から製造したカーボンフリー(カ
ーボン濃度1×1015atoms/cm3 未満)、酸素
濃度0.9×1018atoms/cm3 のシリコンウエ
ハをFT−IR法測定用標準試料とした。一方、CZ法
でリン(P)をドーパントとして添加されたシリコン単
結晶から製造した置換型カーボン濃度約3×1016at
oms/cm3 、酸素濃度約1×1018atoms/c
m3 のn型シリコンウエハを被測定試料として、上記で
得られた標準試料を用いFT−IR法で赤外吸収を測定
した。得られた差吸光度スペクトルを図1に示した。
説明する。但し、本発明は、下記の実施例に制限される
ものでない。 実施例1 FZ法シリコン単結晶から製造したカーボンフリー(カ
ーボン濃度1×1015atoms/cm3 未満)、酸素
濃度0.9×1018atoms/cm3 のシリコンウエ
ハをFT−IR法測定用標準試料とした。一方、CZ法
でリン(P)をドーパントとして添加されたシリコン単
結晶から製造した置換型カーボン濃度約3×1016at
oms/cm3 、酸素濃度約1×1018atoms/c
m3 のn型シリコンウエハを被測定試料として、上記で
得られた標準試料を用いFT−IR法で赤外吸収を測定
した。得られた差吸光度スペクトルを図1に示した。
【0010】図1より明らかなように、前記従来法で得
られた図2の赤外吸光度スペクトルに比し、約560c
m-1及び515cm-1に上向きのピークが現れ、また、
620cm-1から580cm-1にベースラインBを引く
ことができ、これにより604cm-1の置換型炭素赤外
吸収ピークから置換型炭素濃度を求めることができるこ
とが分かる。
られた図2の赤外吸光度スペクトルに比し、約560c
m-1及び515cm-1に上向きのピークが現れ、また、
620cm-1から580cm-1にベースラインBを引く
ことができ、これにより604cm-1の置換型炭素赤外
吸収ピークから置換型炭素濃度を求めることができるこ
とが分かる。
【0011】
【発明の効果】本発明のシリコン結晶炭素濃度測定方法
は、FT−IR法による赤外吸収カーボンピークから濃
度を定量的に測定する際、被測定シリコン結晶より低減
された格子間酸素濃度を有する標準試料を用いることに
より、従来法に比し極めて容易にベースラインを特定で
きることから、特に低濃度の置換型炭素濃度を的確に精
度よく測定でき、どのような炭素濃度も正確に測定する
ことができる。また、一般的なCZ法で得られるシリコ
ン結晶の格子間酸素濃度より、所定の酸素濃度に低減さ
れたカーボンフリーの標準試料を予め用意できることか
ら、簡便に、且つ、容易にFT−IR法でシリコン結晶
の炭素濃度を測定することができる。
は、FT−IR法による赤外吸収カーボンピークから濃
度を定量的に測定する際、被測定シリコン結晶より低減
された格子間酸素濃度を有する標準試料を用いることに
より、従来法に比し極めて容易にベースラインを特定で
きることから、特に低濃度の置換型炭素濃度を的確に精
度よく測定でき、どのような炭素濃度も正確に測定する
ことができる。また、一般的なCZ法で得られるシリコ
ン結晶の格子間酸素濃度より、所定の酸素濃度に低減さ
れたカーボンフリーの標準試料を予め用意できることか
ら、簡便に、且つ、容易にFT−IR法でシリコン結晶
の炭素濃度を測定することができる。
【図1】本発明のカーボンフリー標準試料をレファレン
スに用いてFT−IR法で測定したシリコンウエハの赤
外吸光度スペクトル
スに用いてFT−IR法で測定したシリコンウエハの赤
外吸光度スペクトル
【図2】従来のFT−IR法で測定したシリコンウエハ
の赤外吸光度スペクトル
の赤外吸光度スペクトル
Claims (2)
- 【請求項1】 フーリエ変換赤外分光法によるシリコン
結晶中の炭素濃度の測定において、被測定シリコン結晶
より含有酸素が低濃度のカーボンフリー標準試料を用い
て測定することを特徴とするシリコン結晶低炭素濃度測
定方法。 - 【請求項2】 前記被測定シリコン結晶の含有炭素濃度
が、約5×1015atoms/cm3 以下である請求項
1記載のシリコン結晶低炭素濃度測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200196A JPH09283584A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | シリコン結晶炭素濃度測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200196A JPH09283584A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | シリコン結晶炭素濃度測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09283584A true JPH09283584A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=14575477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11200196A Pending JPH09283584A (ja) | 1996-04-09 | 1996-04-09 | シリコン結晶炭素濃度測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09283584A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007178265A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Yamatake Corp | 温度計測方法および温度計測装置 |
JP2016108159A (ja) * | 2014-12-02 | 2016-06-20 | 信越半導体株式会社 | シリコン結晶の炭素濃度測定方法 |
JP2019196990A (ja) * | 2018-05-10 | 2019-11-14 | 信越半導体株式会社 | 不純物濃度の測定方法 |
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