JPH09282554A - カップ供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 検知器の数よりも多くのカップ収容部材を判
別することのできるカップ供給装置を提供する。 【解決手段】 各カップコラム２０のスライド板２４の
位置を変えることにより各検知器６０をそれぞれ択一的
にＯＮまたはＯＦＦにさせ、各検知器６０のＯＮ／ＯＦ
Ｆ状態の組合わせによって各カップコラム２０を判別す
るようにしたので、計４種類のカップ１を収容したカッ
プコラム２０を計２つの検知器６０によって判別するこ
とが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は飲料等をカップに注
入して販売する自動販売機のカップ供給装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カップを用いる飲料自動販売機
においては、複数種類の飲料の中から所望の飲料を選択
すると、所定の取出口にカップが搬出されて飲料が注入
されるようになっている。この場合、飲料の種類によっ
てカップのサイズや装飾が異なるため、販売される飲料
の種類に応じてそれぞれ異なった種類のカップが搬出さ
れるようになっている。

【０００３】このような自動販売機に備わるカップ供給
装置としては、例えば特開昭５８−１４２４９６号公報
に記載されているように、上下方向に積み重ねられたカ
ップ列のカップを下方へ一つずつ搬出する複数のカップ
搬出機構と、カップ搬出機構に補給すべきカップ列を収
容する複数のカップコラムとを備え、各カップコラムを
所定の軌道に沿って移動可能に構成し、各カップ搬出機
構を各カップコラムの移動軌道に沿った所定位置に配置
したものが知られている。このカップ供給装置では、各
カップ搬出機構によってそれぞれ異なった種類のカップ
を搬出するようになっており、各カップ搬出機構にカッ
プを補給する場合は、同一種類のカップ列を収容したカ
ップコラムを所定のカップ搬出機構に対応する位置まで
移動させ、その対応位置に設けた投入機構によって新た
なカップ列をカップ搬出機構に補給するようになってい
る。この場合、各カップコラムの移動経路の所定位置に
は各カップコラムのカップの種類を判別する複数の検知
器が設けられ、この検知器によって目的のカップを収容
したカップコラムを判別するようになっている。即ち、
各検知器は互いに異なった高さ位置に配置されるととも
に、各カップコラムには何れか一つの検知器によって検
知される被検知部が設けられ、各カップコラムの被検知
部を何れのスイッチが検知したかによって各カップコラ
ムを判別するようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記カ
ップ供給装置では各カップコラムを互いに高さ位置の異
なる別々のスイッチによって識別するようになっている
ため、各カップの種類に応じた検知器を必要とし、カッ
プの種類が多い場合にはその分だけ検知器の数が多くな
って部品コストが高くつくという問題点があった。

【０００５】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、検知器の数よりも多
くのカップ収容部材を判別することのできるカップ供給
装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１では、上下方向に積み重ねられた
カップを下方へ一つずつ搬出するカップ搬出機構と、カ
ップ搬出機構に補給されるカップ列を収容する複数のカ
ップ収容部材と、各カップ収容部材を所定位置に移動さ
せるカップ列移動手段とを備え、任意のカップ収容部材
を所定位置に移動してカップ搬出機構にカップを補給す
るようにしたカップ供給装置において、前記各カップ収
容部材に設けた複数の被検知部をそれぞれ検知する複数
の検知器と、各検知器の検知結果の組合わせによって各
カップ収容部材を判別する判別手段とを備えている。こ
れにより、各カップ収容部材の各被検知部が各検知器に
よってそれぞれ検知され、その検知結果の組合わせによ
って各カップ収容部材が判別されることから、各検知器
の数よりも多くのカップ収容部材を判別することが可能
である。

【０００７】また、請求項２では、請求項１のカップ供
給装置において、前記各検知器による検知結果の組合わ
せを変える切換手段を備えていることから、請求項１の
作用に加え、各カップ収容部材の判別をカップの種類に
応じて容易に変更することが可能である。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１乃至図１１は本発明の一実施
形態を示すもので、図１はカップ供給装置の一部断面正
面図、図２はその平面図、図３及び図４はカップコラム
の要部拡大図、図５はカップ搬出機構の平面図、図６は
その正面図、図７はカップコラム及び検知器の平面図、
図８はその部分側面図、図９はその部分正面図、図１０
はカップ供給装置の動作説明図、図１１はカップコラム
のスライド板の位置を示す概略説明図である。

【０００９】このカップ供給装置は、上下方向に積み重
ねられたカップ１を下方から一つずつ搬出する複数のカ
ップ搬出機構１０と、各カップ搬出機構１０に補給され
るカップ列を収容する複数のカップコラム２０と、各カ
ップコラム２０を所定の案内軌道に沿って移動させる第
１のカップ列移動機構３０と、任意のカップ搬出機構１
０を第１のカップ列移動機構３０の所定位置に移動させ
る第２のカップ列移動機構４０と、第１のカップ列移動
機構３０のカップコラム２０から第２のカップ列移動機
構４０のカップ搬出機構１０にカップ列を投入するカッ
プ列投入機構５０と、各カップコラム２０を判別するた
めの計２つの検知器６０とから構成されている。

【００１０】各カップ搬出機構１０は、カップ１を周面
側から囲むように環状に形成されたケース１１と、ケー
ス１１内に周方向に等間隔で設けられた多数の搬出子１
２とからなり、ケース１１の中央にカップ列を保持する
ようになっている。即ち、各搬出子１２は周面にカップ
１の周縁に係合する螺旋状の溝（図示せず）を有し、各
搬出子１２を図示しない駆動手段によって互いに同一方
向に回転させることにより、カップ１をカップ列から一
つずつ分離させて下方に搬出するようになっている。

【００１１】各カップコラム２０は、上下方向に延びる
収容筒２１と、収容筒２１の上端及び下端に取付けられ
た支持板２２，２３とからなり、収容筒２１内にカップ
１が積み重ねて収容されるようになっている。収容筒２
１は側面に開閉構造（図示せず）を有し、収容したカッ
プ列を側方に搬出できるようになっている。上方の支持
板２２は上面の中央に位置する係止ローラ２２ａと、上
面の側方に位置する計２つのガイドローラ２２ｂを有
し、各ローラ２２ａ，２２ｂはそれぞれ垂直軸を中心に
回動自在に設けられている。また、下方の支持板２３は
下面の中央に位置する係止ローラ２３ａと、下面の側方
に位置する計２つのガイドローラ２３ｂと、下面の両端
側に位置する計２つの走行ローラ２３ｃを有し、係止ロ
ーラ２３ａ及び各ガイドローラ２３ｂは垂直軸を中心
に、各走行ローラ２３ｃは水平軸を中心にそれぞれ回動
自在に設けられている。更に、下方の支持板２３の一側
面には上下方向に延びる溝２３ｄが設けられ、溝２３ｄ
と同一の面には幅方向に摺動自在なスライド板２４が取
付けられている。スライド板２４には異なった高さ位置
に計２つの孔２４ａが設けられ、各孔２４ａは幅方向に
互い違いにずらして配置されている。スライド板２４
は、一方の孔２４ａから溝２３ｄの上部を開放して下部
を閉塞する位置と、他方の孔２４ａから溝２３ｄの下部
を開放して上部を閉塞する位置と、溝２３ｄの上部及び
下部を共に開放する位置と、溝２３ｄの上部及び下部を
共に閉塞する位置にそれぞれ択一的に移動できるように
なっている。即ち、溝２３ｄは各検知器６０によって検
知される被検知部をなし、スライド板２４は各検知器６
０の検知結果を切換える切換手段を構成している。

【００１２】第１のカップ列移動機構３０は、各カップ
コラム２０を案内する上下一対のガイドレール３１と、
各カップコラム２０の上下に配置された一対の基板３２
と、各カップコラム２０をガイドレール３１に沿って移
動させる上下一対の係止レバー３３とからなる。各ガイ
ドレール３１には各カップコラム２０のガイドローラ２
２ｂが係合しており、各カップコラム２０の走行ローラ
２３ｃは各カップコラム２０の自重を受けながら下方の
基板３２上を転動するようになっている。ガイドレール
３１は装置本体の幅方向に長く形成されるとともに、そ
の周方向の一部区間が分離可能に形成されている。即
ち、各ガイドレール３１は基板３２に固定された固定レ
ール部３１ａと、第２のカップ列移動機構４０側に固定
された分離レール部３１ｂとからなり、各固定レール部
３１ａと各分離レール部３１ｂとを互いに連通させるこ
とにより、無端状の案内軌道を形成するようになってい
る。各係止レバー３３はそれぞれ基板３２に回動自在に
取付けられ、図示しない駆動手段によって一端側を支点
に一定方向に回転するようになっている。即ち、係止レ
バー３３は固定レール部３１ａの一端側に位置するカッ
プコラム２０の係止ローラ２３ａに係止し、カップコラ
ム２０を分離レール部３１ｂを介して固定レール部３１
ａの他端側まで押圧しながら回動すると、カップコラム
２０の係止ローラ２３ａから外れるようになっている。

【００１３】第２のカップ列移動機構４０は、各カップ
搬出機構１０と一体に回転する上下一対の回転板４１，
４２と、各回転板４１，４２を回動自在に支持する上下
一対の支持板４３，４４と、各カップ搬出機構１０のカ
ップ列を包囲する複数のガード板４５とからなり、各回
転板４１，４２は上下方向に延びるシャフト４６に固定
されている。各回転板４１，４２の周方向一部には第１
のカップ列移動機構３０の各分離レール部３１ｂが固定
され、下方の回転板４２には分離レール部３２ｂ及び各
カップ搬出機構１０が互いに周方向に配列されている。
各カップ搬出機構１０は回転板４２の下方に配置され、
回転板４２に設けた複数のカップ挿通用の孔４２ａにそ
れぞれ連通するように取付けられている。この場合、各
カップ搬出機構１０は環状のケース１１の一部が上下に
重なり合うように上下方向に互い違いに配置されてい
る。各支持板４３，４４はそれぞれ第１のカップ列移動
機構３０の各基板３２に固定され、上方の支持板４３に
はシャフト４６が回動自在に挿入されている。上方の支
持板４３はその上面側にシャフト４６の上端側に巻回す
るスプリング４３ａを有し、スプリング４３ａを介して
シャフト４６を懸架している。下方の支持板４４は各カ
ップ搬出機構１０を挿通する孔４４ａを有し、その周囲
に転動自在な複数のローラ４４ｂを介して下方の回転板
４２を支持している。各ガード板４５は回転板４２の孔
４２ａの周囲に立設され、孔４２ａの上方を回転板４２
の中心側から囲むように形成されている。

【００１４】カップ列投入機構５０は第１のカップ列移
動機構３０の下方の基板３２に回動自在に取付けられた
押圧板５１からなり、図示しない駆動手段によって一端
側を支点に基板３６に沿って回動するようになってい
る。即ち、押圧板５１は固定レール部３１ａの一端側に
位置するカップコラム２０のカップ列に当接し、カップ
列を押圧して第２のカップ列移動機構４０の回転板４２
側に移動させるようになっている。

【００１５】各検知器６０は周知のマイクロスイッチか
らなり、第１のカップ列移動機構３０の固定レール部３
１ａの一端側に互いに上下異なった高さ位置に配置され
れている。各検知器６０は、図７(a) に示すように検知
レバー６０ａがカップコラム２０の溝２３ｄに嵌入して
接点６０ｂから離れるとＯＦＦになり、図７(b) に示す
ように検知レバー６０ａが溝２３ｄへの嵌入をスライド
板２４によって妨げられると接点６０ｂが押圧されてＯ
Ｎになる。また、各検知器６０はマイクロコンピュータ
等からなる判別部６１に接続され、判別部６１では各検
知器６０の検知結果、即ち各検知器６０のＯＮ／ＯＦＦ
状態の組合わせを判別するようになっている。

【００１６】以上のように構成されたカップ供給装置に
おいて、任意のカップ搬出機構１０にカップ１を補給す
る場合には、第１のカップ列移動機構３０の係止レバー
３３によって各カップコラム２０がガイドレール３１に
沿って移動し、前記カップ搬出機構１０に補給されるカ
ップ１を収容した所定のカップコラム２０が固定レール
部３１ａの一端側、即ち第１のカップ列移動機構３０の
カップ補給位置に移動する。この場合、固定レール部３
１ａの一端側に位置していたカップコラム２０が係止レ
バー３３によって移動されると、図７(a) に示すように
固定レール部３１ａの他端側に移動したカップコラム２
０によって他のカップコラム２０が押圧されることか
ら、各カップコラム２０を固定レール部３１ａの一端側
に順次移動させることができる。その際、固定レール部
３１ａの一端側に移動されたカップコラム２０は検知器
６０によって検知され、カップ搬出機構１０に補給しよ
うとするカップ１を収容したものであるか否かを判別さ
れる。次に、目的のカップコラム２０が固定レール部３
１ａの一端側に移動すると、第２のカップ列移動機構４
０の回転板４２が回転し、カップ１を補給しようとする
カップ搬出機構１０が第１のカップ列移動機構３０の固
定レール部３１ａの一端側に臨む位置、即ち第２のカッ
プ列移動機構４０のカップ補給位置に移動される。この
場合、図８(a)に示すように第２のカップ列移動機構４
０の回転板４２が回転すると、ガイドレール３１の分離
レール部３１ｂに入れ替わって各カップ搬出機構１０が
分離レール部３１ｂの分離した位置（補給位置）に移動
することから、各カップ搬出機構１０を第１のカップ列
移動機構３０の固定レール部３１ａの一端側に臨む位置
に順次移動させることができる。次に、目的のカップ搬
出機構１０が補給位置に移動すると、図８(b) に示すよ
うにカップ列投入機構５０の押圧板５１が回動し、カッ
プコラム２０のカップ列が押圧板５１によってカップ搬
出機構１０側に押し出され、カップ搬出機構１０にカッ
プ１が補給される。

【００１７】本実施例のカップ供給装置においては、図
９に示すように各検知器６０の検知レバー６０ａの先端
がカップコラム２０の溝２３ｄに対応しており、各カッ
プコラム２０のスライド板２４の位置を変えることによ
り、各検知器６０によって各カップコラム２０が判別さ
れる。即ち、図９(a) に示すようにスライド板２４を図
中左側に位置させると、溝２３ｄの上部及び下部が共に
開放される。これにより、各検知レバー６０ａが溝２３
ｄに嵌入し、各検知器６０がそれぞれＯＦＦになる。ま
た、図９(b) に示すようにスライド板２４を図９(a) よ
りも右側に移動すると、溝２３ｄの上部がスライド板２
４の上方の孔２４ａから開放され、溝２３ｄの下部がス
ライド板２４によって閉鎖される。これにより、上方の
検知レバー６０ａが孔２４ａから溝２３ｄに嵌入して上
方の検知器６０がＯＦＦになり、下方の検知レバー６０
ａが溝２３ｄへの嵌入を阻止されて下方の検知器６０が
ＯＮになる。また、図９(c) に示すようにスライド板２
４を図９(b) よりも右側に移動すると、溝２３ｄの上部
がスライド板２４によって閉鎖され、溝２３ｄの下部が
スライド板２４の下方の孔２４ａから開放される。これ
により、上方の検知レバー６０ａが溝２３ｄへの嵌入を
阻止されて上方の検知器６０がＯＮになり、下方の検知
レバー６０ａが孔２４ａから溝２３ｄに嵌入して下方の
検知器６０がＯＦＦになる。また、図９(d) に示すよう
にスライド板２４を図９(c) よりも右側に移動すると、
溝２３ｄの上部及び下部が共にスライド板２４によって
閉鎖される。これにより、各検知レバー６０ａが溝２３
ｄへの嵌入を阻止され、各検知器６０がそれぞれＯＮに
なる。即ち、各検知器６０の検知結果は判別部６１に入
力され、各検知器６０のＯＮ／ＯＦＦ状態の組合わせ
（計４通り）によって各カップコラム２０が判別され
る。

【００１８】このように、本実施形態のカップ供給装置
によれば、各カップコラム２０のスライド板２４の位置
により各検知器６０をそれぞれ択一的にＯＮまたはＯＦ
Ｆにさせ、各検知器６０のＯＮ／ＯＦＦ状態の組合わせ
によって各カップコラム２０を判別するようにしたの
で、各検知器６０の数の二乗、即ち計４種類のカップ１
を収容したカップコラム２０を計２つの検知器６０によ
って判別することができ、部品コストの低減を図ること
ができる。また、各カップコラム２０のスライド板２４
の位置を変えることにより各検知器６０のＯＮ／ＯＦＦ
状態の組合わせを切換えるようにしたので、各カップコ
ラム２０の判別をカップ１の種類の応じて容易に変更す
ることができ、実用化に際して極めて有利である。

【００１９】尚、前記実施形態では計２つの検知器６０
のＯＮ／ＯＦＦ状態の組合わせにより計４通りの判別を
行うようにした例を示したが、例えば検知器６０に計３
つの検知器６０を設ければ計９通りの判別を行うことが
可能である。また、前記検知器６０にはマイクロスイッ
チ等、機械的な検知器を用いたが、光センサ等を用いる
ことも可能である。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１のカップ
供給装置によれば、各検知器の数よりも多くの数のカッ
プ収容部材を判別することができるので、部品コストの
低減を図ることができる。

【００２１】また、請求項２のカップ供給装置によれ
ば、請求項１の効果に加え、各カップ収容部材の判別を
カップの種類に応じて容易に変更することができるの
で、実用化に際して極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すカップ供給装置の一
部断面正面図

【図２】カップ供給装置の平面図

【図３】カップコラムの要部拡大図

【図４】カップコラムの要部拡大図

【図５】カップ搬出機構の平面図

【図６】カップ搬出機構の正面図

【図７】カップコラム及び検知器の平面図

【図８】カップコラム及び検知器の側面図

【図９】カップコラムの部分正面図

【図１０】カップ供給装置の要部拡大図

【図１１】カップコラムのスライド板の位置を示す概略
説明図

【符号の説明】

１…カップ、１０…カップ搬出機構、２０…カップコラ
ム、２３ｄ…溝、２４…スライド板、３０…第１のカッ
プ列移動機構、６０…検知器、６１…判別部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下方向に積み重ねられたカップを下方
   へ一つずつ搬出するカップ搬出機構と、カップ搬出機構
   に補給されるカップ列を収容する複数のカップ収容部材
   と、各カップ収容部材を所定位置に移動させるカップ列
   移動手段とを備え、任意のカップ収容部材を所定位置に
   移動してカップ搬出機構にカップを補給するようにした
   カップ供給装置において、 前記各カップ収容部材に設けた複数の被検知部をそれぞ
   れ検知する複数の検知器と、 各検知器の検知結果の組合わせによって各カップ収容部
   材を判別する判別手段とを備えたことを特徴とするカッ
   プ供給装置。
2. 【請求項２】 前記各検知器による検知結果の組合わせ
   を変える切換手段を備えたことを特徴とする請求項１記
   載のカップ供給装置。