JPH09280133A

JPH09280133A - 内燃機関の燃料配管構造

Info

Publication number: JPH09280133A
Application number: JP9390396A
Authority: JP
Inventors: Yoichi Uraki; 洋一浦木
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1996-04-16
Filing date: 1996-04-16
Publication date: 1997-10-28

Abstract

(57)【要約】【課題】内燃機関の燃料噴射ノズルの保守整備を容易
にする。【解決手段】ロッカカバー１の縁部に切欠き６を設
け、燃料噴射ノズル４に一体に形成されたノズル側配管
７と、外部側配管８とから形成される燃料配管５を、切
欠き６を介してロッカカバー１を貫通するように配設し
て、燃料噴射ノズル４が図示しないカムシャフトの上方
に位置するようにする。そして、ロッカカバー１とシリ
ンダヘッド３との間を密封するために、ロッカカバー１
とシリンダヘッド３との接合面を密封するロッカカバー
ガスケット２と、ロッカカバー１およびシリンダヘッド
３と燃料配管５との間隙を密閉するシール部材10とを一
体として形成したものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃料配
管構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、内燃機関（ディーゼル機関）の燃
料噴射ノズルに機関外部から高圧燃料を供給するための
配管構造としては、例えば図３に示すように、燃料配管
21をシリンダヘッド22の側壁に設けられた孔を貫通させ
て配設するものがあった。この燃料配管21は、機関外部
からの外部側配管23と、シリンダヘッド22の内部に配置
された燃料噴射ノズル24に連なるノズル側配管25とから
成り、両者はシリンダヘッド22の側壁の内側でナット26
により連結・固定してある。そして、円筒状のシール部
材27で外部側配管23とノズル側配管25との連結部を覆う
ようにすると共に、シール部材27の基端側外周面を補強
部材28でシリンダヘッド22の側壁に設けられた孔の内周
面に密着させる一方、先端側内周面をノズル側配管25の
外周面に密着させてある。さらに、円環状部材29によっ
てシール部材27をノズル側配管25の外周面に押しつけて
密封することにより、シール部材27でシリンダヘッド22
の内外を遮断し、内部のシール性を確実にしている。

【０００３】しかし、ＤＯＨＣ形式の機関では、通常、
カムシャフトの中心をシリンダヘッドの上端面と同じ高
さに配置するが、上述のような配管構造を用いる場合、
燃料噴射ノズルがカムシャフトの下方に位置することに
なるため、燃料噴射ノズルの保守整備の際にはカムシャ
フトも外さなければならず、繁雑である。この点、実開
平６−４３２６２号には、燃料配管をロッカカバーの側
壁をＯリングを介して貫通・配設した構造が開示されて
いる。このような燃料配管構造では、ＤＯＨＣ形式の内
燃機関においても燃料噴射ノズルがカムシャフトの上方
に位置し、カムシャフトを取り外すことなく燃料噴射ノ
ズルの保守整備を行うことが可能である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た実開平６−４３２６２号に開示された配管構造では、
燃料配管とロッカカバーとの間の密封をＯリングで行っ
ているため、燃料噴射時に燃料圧力の変動や燃料噴射ノ
ズル内の針弁着座等の加振力によって生じる燃料噴射ノ
ズルの振動を吸収できず、この振動がロッカカバーやシ
リンダヘッドに伝播して機関の騒音を増大させるおそれ
がある、という問題点があった。また、ロッカカバー内
に燃料噴射ノズルと燃料配管との接続部が存在してお
り、配管取付けの作業性が悪いという問題点もあった。

【０００５】本発明はこのような従来の問題点に鑑み、
燃料噴射ノズルからの振動の伝播を緩和すると共に、取
付け時や保守整備時の作業性を改善した内燃機関の燃料
配管構造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、請求項１に係
る発明では、シリンダヘッドの上部にロッカカバーガス
ケットを介して接合されるロッカカバーの側壁下縁部の
一部に切欠きを設けて、機関外部からの高圧燃料を機関
内部の燃料噴射ノズルに導く燃料配管を貫通させ、前記
切欠きと燃料配管との間を密封するシール部材を前記ロ
ッカカバーガスケットに一体に形成した。

【０００７】このようにして、燃料噴射ノズルをカムシ
ャフトの上方に配置すると共に、シリンダヘッドおよび
ロッカカバーと燃料配管との間を密封して、燃料噴射ノ
ズルからの振動を吸収する。そして、取付け作業を容易
にするために、請求項２に係る発明では、前記燃料配管
を、燃料噴射ノズルに連なるノズル側配管と、これに接
続される機関外部からの外部側配管とから構成し、前記
ノズル側配管と前記外部側配管との接続部をロッカカバ
ーの外側に配置する。

【０００８】また、請求項３に係る発明では、前記ノズ
ル側配管は、前記燃料噴射ノズルの本体にその側方から
突出する形で一体に形成された構造とすることで、さら
に作業性が向上する。また、請求項４に係る発明では、
前記シール部材の内部に、前記ロッカカバーガスケット
の主材料より高剛性の材料で形成され、前記燃料配管が
貫通する貫通孔を有する、前記切欠きの内周面に対応し
た形状の補強部材を含む構成とする。

【０００９】さらに、請求項５に係る発明のように、前
記ロッカカバーの前記切欠きの内周面に、前記シール部
材の外周形状に対応させた溝を設け、該溝に前記シール
部材を嵌合させて固定する。このような構成とすること
により、切欠きの密封度が高まる。また、請求項６に係
る発明では、前記シール部材との位置決めのための凸部
を前記燃料配管の外周面の周方向に設け、この凸部の側
面にシール部材を密着させるようにすることで、さらに
組立てを容易にする。

【００１０】

【発明の効果】上述した請求項１に係る発明によれば、
燃料噴射ノズルがカムシャフトの上方に配置されるの
で、燃料噴射ノズルを交換する際にカムシャフトを取り
外す必要はなく、作業性が改善されるという効果があ
る。また、シリンダヘッドとロッカカバーと燃料配管と
の間を、１つの部材で有効に密封することができるの
で、組立てを容易にすると共に、部品点数が減りコスト
を削減できるという効果がある。また、燃料噴射弁から
の振動をロッカカバーガスケットとシール部材とが吸収
することによって、ロッカカバーやシリンダヘッドに伝
播するのを防止して、機関から発生する騒音を抑制する
ことができるという効果がある。

【００１１】また、請求項２に係る発明によれば、ノズ
ル側配管と外部側配管との連結をロッカカバーの外部で
行うことにより、配管の取り付け作業が容易になると共
に、配管内のエア抜き作業も容易かつ確実に行うことが
できるという効果がある。また、連結部からの燃料漏れ
を、ロッカカバーを取り外すことなく、目視で確認でき
るという効果もある。

【００１２】また、請求項３に係る発明によれば、燃料
噴射ノズルとノズル側配管とを一体として形成すること
で、部品点数を削減すると共に、組立て作業を簡素にで
きるという効果がある。また、燃料配管の連結箇所が１
ヵ所のみとなることで、シールの必要な箇所を減少させ
て、信頼性の向上を図ることができるという効果もあ
る。

【００１３】また、請求項４に係る発明によれば、高剛
性の材料で形成された補強部材が、その周囲を覆ってい
る相対的に弾性の高い材料で形成されたシール部材を、
シリンダヘッドとロッカカバーとのそれぞれに押しつけ
るように働くため、ロッカカバーの切欠きをより強固に
密封でき、ロッカカバー内の潤滑油が漏出するのを防止
できるという効果がある。

【００１４】また、請求項５に係る発明によれば、ロッ
カカバーの切欠きの内周面に設けた溝にシール部材を嵌
合させることにより、切欠きの密封をさらに高めると共
に、組み立て時の位置合せも容易になるという効果があ
る。また、請求項６に係る発明によれば、燃料配管の周
方向に設けた凸部によって燃料配管とシール部材との位
置関係が決定されるので、組み立て時の位置ずれ等を容
易に防止して、作業性を改善できるという効果がある。
また、凸部の側面にシール部材を密着させることによっ
てシール性をさらに高めることができるという効果もあ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は、本発明の一実施例を示す
内燃機関の燃料配管構造の断面図であり、図２は、これ
をＡ矢印方向から見た側面図である。ロッカカバー１
は、ロッカカバーガスケット２を介してシリンダヘッド
３に接合されている。また、シリンダヘッド３内には燃
料噴射ノズル４が取付けられ、機関外部の燃料噴射ポン
プから高圧燃料を燃料噴射ノズル４に導く燃料配管５
が、ロッカカバー１側壁のシリンダヘッド３と接合する
下縁部に設けられたＵ字型の切欠き６を貫通させて配設
されている。燃料配管５は、燃料噴射ノズル４に連なる
ノズル側配管７と、これに接続されて燃料噴射ポンプに
連通する外部側配管８とから構成されている。

【００１６】このような配管構造では、ＤＯＨＣ形式の
機関でも、シリンダヘッド３の上端面に位置するカムシ
ャフト（図示せず）の上方に燃料噴射ノズル４を配設す
ることができるため、燃料噴射ノズル４を交換する際に
カムシャフトを外す必要がない。このため、先ずシリン
ダヘッド３に燃料噴射ノズル４を取り付け、次に本発明
によるロッカカバーガスケット２をシリンダヘッド３お
よび燃料噴射ノズル４に取付けて、その後、ロッカカバ
ー１を取り付ければよいので作業が容易になる。

【００１７】図１の例では燃料噴射ノズル４とノズル側
配管７とを一体に形成し、部品点数を削減した構成にし
てある。また、燃料配管５の唯一の連結箇所である、ノ
ズル側配管７と外部側配管８との接続点は、ロッカカバ
ー１の外部に配置されて、ナット９で固定してある。こ
のため、外部側配管８の取り付け、エア抜き、連結部か
らの燃料漏れの有無の確認といった作業を容易に行うこ
とができ、高い信頼性と保守整備の簡便さとを兼ね備え
た構造となっている。

【００１８】ロッカカバー１およびシリンダヘッド３
と、燃料配管５（図１ではノズル側配管７）との間の隙
間は、ロッカカバーガスケット２と同一の材料で、これ
と一体に形成されたシール部材10で密封される。このシ
ール部材10は、その内部に、切欠き６に対応した形状で
シール部材10の材料より高剛性の材料で形成された補強
部材11を、焼付や嵌め込みによって結合している。この
補強部材11は、板面に有する孔12に燃料配管５を貫通さ
せる一方、ロッカカバー１とシリンダヘッド３とのそれ
ぞれにシール部材10を押しつけるようにして切欠き６の
密封性を高め、ロッカカバー１内部からの潤滑油の漏出
を防止している。また、ロッカカバー１には、シール部
材10と接合する切欠き６の内周面や、シリンダヘッド３
と接合する面に溝13が設けてあり、この溝13にシール部
材10およびロッカカバーガスケット２を嵌合させて組み
立てることにより、密封性をさらに高め、位置合せも容
易にしている。

【００１９】補強部材11の孔12を貫通した燃料配管５
（ノズル側配管７）には、ロッカカバー１の内側に向け
て隆起したシール部材10のボス部14が密着し、このボス
部14の外側から円環状部材15で締めつけることにより密
封性をさらに高めている。また、燃料配管５（ノズル側
配管７）には、その外周面の周方向に凸部16が設けてあ
り、シール部材10のボス部14の端面がこの凸部16に当接
しすることにより、燃料配管５（ノズル側配管７）と、
シール部材10およびロッカカバー１との間の位置決めが
容易に行われる。また、凸部16の側面にボス部14が密着
して、この間のシール性をさらに高めている。

【００２０】このように、相対的に弾性の高い材料で形
成されたシール部材10を介して、燃料配管５とロッカカ
バー１およびシリンダヘッド３とが接合されるので、燃
料噴射時に燃料圧力の変動や燃料噴射ノズル内の針弁着
座等の加振力によって生じる燃料噴射ノズル４の振動
が、燃料配管５を介してロッカカバー１およびシリンダ
ヘッド３にそのまま伝播されることはなく、振動による
騒音を抑制することができる。

【００２１】以上説明したような燃料配管構造とするこ
とにより、燃料噴射ノズル４の交換作業、外部側配管の
取り付け作業や保守点検を容易にし、燃料噴射ノズル４
からの振動がロッカカバー１やシリンダヘッド３に伝播
して騒音が発生するのを可及的に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の内燃機関の燃料配管構造の一例を説
明する断面図

【図２】図１のＡ矢印方向から見た側面図

【図３】従来の内燃機関の燃料配管構造を説明する断
面図

【符号の説明】

１ロッカカバー２ロッカカバーガスケット３シリンダヘッド４燃料噴射ノズル５燃料配管６切欠き７ノズル側配管８外部側配管 10 シール部材 11 補強部材 12 孔 13 溝 16 燃料配管の凸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｆ０２Ｍ 61/16 Ｆ０２Ｍ 61/16 ＦＦ１６Ｍ 1/026 Ｆ１６Ｍ 1/026 ＧＨ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シリンダヘッドの上部にロッカカバーガス
ケットを介して接合されるロッカカバーの側壁下縁部の
一部に切欠きを設けて、機関外部からの高圧燃料を機関
内部の燃料噴射ノズルに導く燃料配管を貫通させ、前記
切欠きと燃料配管との間を密封するシール部材を前記ロ
ッカカバーガスケットに一体に形成したことを特徴とす
る内燃機関の燃料配管構造。
【請求項２】前記燃料配管は、燃料噴射ノズルに連なる
ノズル側配管と、これに接続される機関外部からの外部
側配管とからなり、ノズル側配管と外部側配管との接続
部を前記ロッカカバーの外側に配置したことを特徴とす
る請求項１記載の内燃機関の燃料配管構造。
【請求項３】前記ノズル側配管は、前記燃料噴射ノズル
の本体にその側方から突出する形で一体に形成されてい
ることを特徴とする請求項２記載の内燃機関の燃料配管
構造。
【請求項４】前記シール部材は、その内部に、前記ロッ
カカバーガスケットの主材料より高剛性の材料で形成さ
れ、前記燃料配管が貫通する貫通孔を有する、前記切欠
きの内周面に対応した形状の補強部材を含んで構成され
ることを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれか１つ
に記載の内燃機関の燃料配管構造。
【請求項５】前記ロッカカバーは、前記切欠きの内周面
に、前記シール部材の外周形状に対応させた溝を有し、
該溝に前記シール部材を嵌合させて固定することを特徴
とする請求項１〜請求項４のいずれか１つに記載の内燃
機関の燃料配管構造。
【請求項６】前記燃料配管は、前記シール部材との位置
決めのための凸部を外周面の周方向に有し、該凸部の側
面に前記シール部材を密着させるようにしたことを特徴
とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の内燃機関の
燃料配管構造。