JPH09279893A - 免震建物 - Google Patents
免震建物Info
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- JPH09279893A JPH09279893A JP9287396A JP9287396A JPH09279893A JP H09279893 A JPH09279893 A JP H09279893A JP 9287396 A JP9287396 A JP 9287396A JP 9287396 A JP9287396 A JP 9287396A JP H09279893 A JPH09279893 A JP H09279893A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐震性に優れた住戸等を構成することのでき
る免震建物を提供することを課題とする。 【解決手段】 免震建物1を、地盤中の支持地盤から鉛
直上方に向けて突出するよう構築した杭4と、杭4の上
端部に一体に設けた十字状の梁5,5と、これら梁5,
5に吊りワイヤー15を介して吊下した住戸本体3とか
らなり、住戸本体3を地盤から縁切りした構成とし、さ
らに住戸本体3と杭4との間に、住戸本体3の振動を抑
制する粘弾性ダンパー18を介装させた構成とした。
る免震建物を提供することを課題とする。 【解決手段】 免震建物1を、地盤中の支持地盤から鉛
直上方に向けて突出するよう構築した杭4と、杭4の上
端部に一体に設けた十字状の梁5,5と、これら梁5,
5に吊りワイヤー15を介して吊下した住戸本体3とか
らなり、住戸本体3を地盤から縁切りした構成とし、さ
らに住戸本体3と杭4との間に、住戸本体3の振動を抑
制する粘弾性ダンパー18を介装させた構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば住戸等に用
いて好適な免震建物に関するものである。
いて好適な免震建物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、住戸をはじめ、各種の建
物は、地盤に直接接する基礎上に建設されている。
物は、地盤に直接接する基礎上に建設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の建物においては、地震等により基礎が壊
れた場合には、建物本体もその被害を受け、倒壊に至ら
ないまでも修復が困難となっていた。
たような従来の建物においては、地震等により基礎が壊
れた場合には、建物本体もその被害を受け、倒壊に至ら
ないまでも修復が困難となっていた。
【0004】このような問題に対し、近年、ビルやマン
ション等の建物においては、各種免震構造、制振構造が
開発されて耐震性の高いものが開発・提供されている。
これに比較すると、一戸建てをはじめとする小型の住宅
等は一般的に耐震性が低く、耐震性に優れた構造の建物
の開発が急務とされていた。
ション等の建物においては、各種免震構造、制振構造が
開発されて耐震性の高いものが開発・提供されている。
これに比較すると、一戸建てをはじめとする小型の住宅
等は一般的に耐震性が低く、耐震性に優れた構造の建物
の開発が急務とされていた。
【0005】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、耐震性に優れた住戸等を構成することので
きる免震建物を提供することを課題とする。
れたもので、耐震性に優れた住戸等を構成することので
きる免震建物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
地盤中から鉛直上方に向けて突出するよう構築された杭
と、該杭の上端部に一体に設けられて水平方向に延出す
る複数の梁と、これらの梁に吊り部材を介して前記杭を
囲むように吊下された室部とから構成され、前記室部が
地盤とは縁切りされていることを特徴としている。
地盤中から鉛直上方に向けて突出するよう構築された杭
と、該杭の上端部に一体に設けられて水平方向に延出す
る複数の梁と、これらの梁に吊り部材を介して前記杭を
囲むように吊下された室部とから構成され、前記室部が
地盤とは縁切りされていることを特徴としている。
【0007】請求項2に係る発明は、請求項1記載の免
震建物において、前記室部と前記杭との間には、前記室
部の振動を抑制する振動減衰部材が介装されていること
を特徴としている。
震建物において、前記室部と前記杭との間には、前記室
部の振動を抑制する振動減衰部材が介装されていること
を特徴としている。
【0008】請求項3に係る発明は、請求項1または2
記載の免震建物において、前記吊り部材の下端部が、前
記室部の外周部の上下方向中間部または下端部において
固定されていることを特徴としている。
記載の免震建物において、前記吊り部材の下端部が、前
記室部の外周部の上下方向中間部または下端部において
固定されていることを特徴としている。
【0009】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
のいずれかに記載の免震建物において、前記杭が管体か
ら構成され、該管体内には水が蓄えられる構成とされて
いることを特徴としている。
のいずれかに記載の免震建物において、前記杭が管体か
ら構成され、該管体内には水が蓄えられる構成とされて
いることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る免震建物の第
一ないし第三の実施の形態について、図1ないし図7を
参照して説明する。
一ないし第三の実施の形態について、図1ないし図7を
参照して説明する。
【0011】[第一の実施の形態]図1に示すように、
免震建物1は、支持構造部2と、住戸本体(室部)3と
から概略構成されている。
免震建物1は、支持構造部2と、住戸本体(室部)3と
から概略構成されている。
【0012】支持構造部2は、下端部が地盤G中の強固
な支持地盤まで到達し、上端部が地上から鉛直上方に向
けて所定長突出するよう構築された鋼管製の杭4と、該
杭4の上端部に一体に固定されて平面視十字状に組まれ
た鉄骨製の梁5,5とから構成されている。これら梁
5,5は杭4に一体に設けられた構成のスチフナリング
あるいは柱梁接合部材等によって杭4に緊結接合されて
おり、これによって支持構造部2は、杭4と梁5,5と
が強固に一体化された構成となっている。
な支持地盤まで到達し、上端部が地上から鉛直上方に向
けて所定長突出するよう構築された鋼管製の杭4と、該
杭4の上端部に一体に固定されて平面視十字状に組まれ
た鉄骨製の梁5,5とから構成されている。これら梁
5,5は杭4に一体に設けられた構成のスチフナリング
あるいは柱梁接合部材等によって杭4に緊結接合されて
おり、これによって支持構造部2は、杭4と梁5,5と
が強固に一体化された構成となっている。
【0013】住戸本体3は、例えば上下2階建てで、い
わゆる軽量鉄骨製の柱鉄骨7、梁鉄骨8を組み合わせて
形成したフレーム9と、このフレーム9に取り付けられ
た壁10、天井11、床12等とから構成されている。
図2に示すように、フレーム9は、住戸本体3の外周を
形成する平面視ロ字状の外周フレーム13と、その内方
において杭4の外側に配置された平面視ロ字状の内周フ
レーム14とを有している。
わゆる軽量鉄骨製の柱鉄骨7、梁鉄骨8を組み合わせて
形成したフレーム9と、このフレーム9に取り付けられ
た壁10、天井11、床12等とから構成されている。
図2に示すように、フレーム9は、住戸本体3の外周を
形成する平面視ロ字状の外周フレーム13と、その内方
において杭4の外側に配置された平面視ロ字状の内周フ
レーム14とを有している。
【0014】図1に示したように、このような住戸本体
3は、以下のようにして支持構造部2に吊下されてい
る。すなわち、支持構造部2の梁5,5の各端部には、
鋼製の吊りワイヤー15の上端部が強固に固定されてい
る。一方、住戸本体3の外周フレーム13には、上下方
向中間部に位置する梁鉄骨8Aの位置に、外方に突出す
る吊り金具16が一体に設けられており、この吊り金具
16に吊りワイヤー15の下端部が強固に取り付けられ
ている。このようにして、住戸本体3は、支持構造部2
に吊りワイヤー15,15,…を介して吊下され、地盤
Gとは縁切りされた構造となっている。この吊りワイヤ
ー15は、鋼製のケーブルワイヤー等、支持構造部2よ
りも低い剛性を有したもので構成され、地震動やそれ以
外の振動の発生時には撓む等して変形するようになって
いる。
3は、以下のようにして支持構造部2に吊下されてい
る。すなわち、支持構造部2の梁5,5の各端部には、
鋼製の吊りワイヤー15の上端部が強固に固定されてい
る。一方、住戸本体3の外周フレーム13には、上下方
向中間部に位置する梁鉄骨8Aの位置に、外方に突出す
る吊り金具16が一体に設けられており、この吊り金具
16に吊りワイヤー15の下端部が強固に取り付けられ
ている。このようにして、住戸本体3は、支持構造部2
に吊りワイヤー15,15,…を介して吊下され、地盤
Gとは縁切りされた構造となっている。この吊りワイヤ
ー15は、鋼製のケーブルワイヤー等、支持構造部2よ
りも低い剛性を有したもので構成され、地震動やそれ以
外の振動の発生時には撓む等して変形するようになって
いる。
【0015】図3に示すように、杭4の外周面には、四
方に延出する梁状のブラケット19,19,…が設けら
れている。そして、粘弾性ダンパー(振動減衰部材)1
8が、住戸本体3のブラケット19と住戸本体3の内周
フレーム14との間に介装されている。この粘弾性ダン
パー18は、風や自動車の通行等、地震以外による住戸
本体3の振動を減衰するためのものであり、高減衰ゴム
や粘弾性体等を用いたものが適用可能である。
方に延出する梁状のブラケット19,19,…が設けら
れている。そして、粘弾性ダンパー(振動減衰部材)1
8が、住戸本体3のブラケット19と住戸本体3の内周
フレーム14との間に介装されている。この粘弾性ダン
パー18は、風や自動車の通行等、地震以外による住戸
本体3の振動を減衰するためのものであり、高減衰ゴム
や粘弾性体等を用いたものが適用可能である。
【0016】このような免震建物1では、地震が発生し
たときには、住戸本体3が吊りワイヤー15を介して支
持構造部2に吊下されているため、吊りワイヤー15が
撓む等することによって地震の震動が直接的に住戸本体
に伝わるのを抑えるようになっている。
たときには、住戸本体3が吊りワイヤー15を介して支
持構造部2に吊下されているため、吊りワイヤー15が
撓む等することによって地震の震動が直接的に住戸本体
に伝わるのを抑えるようになっている。
【0017】ところで、地震動に対しては、一般に建物
の周期が1.5〜2.0sec以上であれば免震効果が
得られるとされている。ここで、免震建物1の免震性能
について検討してみると、免震建物1における吊りワイ
ヤー15の長さと、固有周期Tとの関係は、 T=2π×(L/g)1/2 但し、L:吊りワイヤー15の長さ、g:重力加速度 となっており、吊りワイヤー15を長くするほど、住戸
本体3の固有周期が長くなることがわかる。
の周期が1.5〜2.0sec以上であれば免震効果が
得られるとされている。ここで、免震建物1の免震性能
について検討してみると、免震建物1における吊りワイ
ヤー15の長さと、固有周期Tとの関係は、 T=2π×(L/g)1/2 但し、L:吊りワイヤー15の長さ、g:重力加速度 となっており、吊りワイヤー15を長くするほど、住戸
本体3の固有周期が長くなることがわかる。
【0018】図1に示した上記免震建物1において、例
えば、梁5から住戸本体3の2階部分の梁鉄骨8までの
間隔を0.3m、各階の階高を2.7mとし、 ケース1:吊りワイヤー15の下端部を、住戸本体3の
2階天井部分の梁鉄骨8Bに固定する場合、 ケース2:住戸本体3の2階の床部分の梁鉄骨8Aに固
定する場合、 ケース3:住戸本体3の1階の床部分の梁鉄骨8Cに固
定する場合、 の三つのケースについて、吊りワイヤー15の下端部の
固定位置と、住戸本体3の固有周期との関係を見てみる
と、図4の表に示すようになる。この表からもわかるよ
うに、免震建物1において高い免震効果を得るには、ケ
ース2またはケース3、すなわち、吊りワイヤー15の
下端部を、住戸本体3の2階の床部分の梁鉄骨8A、ま
たは1階の床部分の梁鉄骨8Cに固定するのが好まし
い。
えば、梁5から住戸本体3の2階部分の梁鉄骨8までの
間隔を0.3m、各階の階高を2.7mとし、 ケース1:吊りワイヤー15の下端部を、住戸本体3の
2階天井部分の梁鉄骨8Bに固定する場合、 ケース2:住戸本体3の2階の床部分の梁鉄骨8Aに固
定する場合、 ケース3:住戸本体3の1階の床部分の梁鉄骨8Cに固
定する場合、 の三つのケースについて、吊りワイヤー15の下端部の
固定位置と、住戸本体3の固有周期との関係を見てみる
と、図4の表に示すようになる。この表からもわかるよ
うに、免震建物1において高い免震効果を得るには、ケ
ース2またはケース3、すなわち、吊りワイヤー15の
下端部を、住戸本体3の2階の床部分の梁鉄骨8A、ま
たは1階の床部分の梁鉄骨8Cに固定するのが好まし
い。
【0019】上記高い免震性を有する免震建物1にもか
かわらず、万が一強大な地震により杭4が傾いたりした
場合には、例えば図1に示したように、地盤G中に基礎
部20aを埋設したブロック20を設置し、このブロッ
ク20と梁5の先端部との間にワイヤー、チェーン、ロ
ッド等の引張部材21を取り付け、この引張部材21で
梁5を引っ張ることによって杭4の傾きを修正するよう
にする。また、杭4の傾きの修正が困難である場合等に
は、吊りワイヤー15,15,…の長さを調整したり、
粘弾性ダンパー18の厚さを変更することによって、住
戸本体3自体の傾きを調整することができる。
かわらず、万が一強大な地震により杭4が傾いたりした
場合には、例えば図1に示したように、地盤G中に基礎
部20aを埋設したブロック20を設置し、このブロッ
ク20と梁5の先端部との間にワイヤー、チェーン、ロ
ッド等の引張部材21を取り付け、この引張部材21で
梁5を引っ張ることによって杭4の傾きを修正するよう
にする。また、杭4の傾きの修正が困難である場合等に
は、吊りワイヤー15,15,…の長さを調整したり、
粘弾性ダンパー18の厚さを変更することによって、住
戸本体3自体の傾きを調整することができる。
【0020】上述した構成からなる免震建物1では、地
盤G中の支持地盤から鉛直上方に向けて突出するよう構
築された杭4と、杭4の上端部に一体に設けられた十字
状の梁5,5と、これら梁5,5に吊りワイヤー15を
介して吊下された住戸本体3とからなり、住戸本体3が
地盤Gから縁切りされた構成となっている。このように
して住戸本体3を吊りワイヤー15で吊下することによ
って、地震動が住戸本体3に直接的に伝わることなく、
これを免震性を有するものとして居住性を向上させるこ
とができ、強大な地震の発生時にも住戸本体3の損壊を
最小限に押さえることができる。また、万が一杭4が傾
いたりした場合にも、梁5を引っ張ったり、吊りワイヤ
ー15の長さを調整したりすることによって、容易に修
復することができる。
盤G中の支持地盤から鉛直上方に向けて突出するよう構
築された杭4と、杭4の上端部に一体に設けられた十字
状の梁5,5と、これら梁5,5に吊りワイヤー15を
介して吊下された住戸本体3とからなり、住戸本体3が
地盤Gから縁切りされた構成となっている。このように
して住戸本体3を吊りワイヤー15で吊下することによ
って、地震動が住戸本体3に直接的に伝わることなく、
これを免震性を有するものとして居住性を向上させるこ
とができ、強大な地震の発生時にも住戸本体3の損壊を
最小限に押さえることができる。また、万が一杭4が傾
いたりした場合にも、梁5を引っ張ったり、吊りワイヤ
ー15の長さを調整したりすることによって、容易に修
復することができる。
【0021】また、免震建物1では、住戸本体3と杭4
との間に、住戸本体3の振動を抑制する粘弾性ダンパー
18が介装された構成となっている。これにより、住戸
本体3の、風や車の通行による地震以外の振動等を減衰
して、居住性を向上させることができる。また、地震等
で杭4が傾いたりした場合には、粘弾性ダンパー18の
厚さを調整することによっても、住戸本体3自体の傾き
を修正することができる。
との間に、住戸本体3の振動を抑制する粘弾性ダンパー
18が介装された構成となっている。これにより、住戸
本体3の、風や車の通行による地震以外の振動等を減衰
して、居住性を向上させることができる。また、地震等
で杭4が傾いたりした場合には、粘弾性ダンパー18の
厚さを調整することによっても、住戸本体3自体の傾き
を修正することができる。
【0022】さらに、吊りワイヤー15の下端部が、住
戸本体3の上下方向中間部に設けた吊り金具16に固定
された構成となっている。これにより、住戸本体3の固
有周期を免震効果の高い値に設定することができ、その
居住性をさらに高めることができる。
戸本体3の上下方向中間部に設けた吊り金具16に固定
された構成となっている。これにより、住戸本体3の固
有周期を免震効果の高い値に設定することができ、その
居住性をさらに高めることができる。
【0023】[第二の実施の形態]次に、上記第一の実
施の形態における免震建物1において、住戸本体3と杭
4との間に地震動を減衰するための減衰部材を追加した
場合の例を用いて説明する。ここで、第二の実施の形態
で示す免震建物と、前記第一の実施の形態で示した免震
建物1との相違点は、前記減衰部材を追加した点のみで
あるため、前記免震建物1と共通する構成については同
符号を付し、その説明を省略する。
施の形態における免震建物1において、住戸本体3と杭
4との間に地震動を減衰するための減衰部材を追加した
場合の例を用いて説明する。ここで、第二の実施の形態
で示す免震建物と、前記第一の実施の形態で示した免震
建物1との相違点は、前記減衰部材を追加した点のみで
あるため、前記免震建物1と共通する構成については同
符号を付し、その説明を省略する。
【0024】図1に示したように、免震建物1’は、住
戸本体3が支持構造部2の杭4に吊りワイヤー15を介
して吊下されており、住戸本体3を構成する内周フレー
ム14と、杭4の外周面に設けられた各ブラケット19
との間には、住戸本体3の地震以外の振動を減衰する粘
弾性ダンパー18が介装されている。図5に示すよう
に、内周フレーム14と各ブラケット19との間には、
住戸本体3の地震動による震動を減衰するため、粘弾性
ダンパー18を挟んだ両側に、水平方向の変位を減衰す
るオイルダンパーや摩擦ダンパー等の機械的ダンパー
(振動減衰部材)22,22が取り付けられている。
戸本体3が支持構造部2の杭4に吊りワイヤー15を介
して吊下されており、住戸本体3を構成する内周フレー
ム14と、杭4の外周面に設けられた各ブラケット19
との間には、住戸本体3の地震以外の振動を減衰する粘
弾性ダンパー18が介装されている。図5に示すよう
に、内周フレーム14と各ブラケット19との間には、
住戸本体3の地震動による震動を減衰するため、粘弾性
ダンパー18を挟んだ両側に、水平方向の変位を減衰す
るオイルダンパーや摩擦ダンパー等の機械的ダンパー
(振動減衰部材)22,22が取り付けられている。
【0025】上述した免震建物1’では、上記第一の実
施の形態で示した免震建物1と同様の効果を奏すること
ができる。さらに、住戸本体3と杭4との間に、地震に
より震動を減衰するため機械的ダンパー22が設けられ
た構成となっている。これにより、免震建物1’の地震
の横揺れに対する耐震性能を向上させることができる。
施の形態で示した免震建物1と同様の効果を奏すること
ができる。さらに、住戸本体3と杭4との間に、地震に
より震動を減衰するため機械的ダンパー22が設けられ
た構成となっている。これにより、免震建物1’の地震
の横揺れに対する耐震性能を向上させることができる。
【0026】なお、上記第二の実施の形態において、住
戸本体3と杭4との間に、オイルダンパーや摩擦ダンパ
ー等の機械的ダンパー22を設ける構成としたが、これ
に代えて、図6に示すように、高減衰ゴムや粘弾性体等
を用いた粘弾性体ダンパー(振動減衰部材)23,2
3,…を介装させる構成としてもよい。ここで、この粘
弾性ダンパー23は地震動に対するものであり、地震以
外の振動対策として設けた粘弾性ダンパー18とは、そ
の設定特性が異なっているのは言うまでもない。このよ
うな粘弾性ダンパー23を用いることによって、水平方
向だけでなく垂直方向の震動に対しても震動減衰効果を
発揮することができる。
戸本体3と杭4との間に、オイルダンパーや摩擦ダンパ
ー等の機械的ダンパー22を設ける構成としたが、これ
に代えて、図6に示すように、高減衰ゴムや粘弾性体等
を用いた粘弾性体ダンパー(振動減衰部材)23,2
3,…を介装させる構成としてもよい。ここで、この粘
弾性ダンパー23は地震動に対するものであり、地震以
外の振動対策として設けた粘弾性ダンパー18とは、そ
の設定特性が異なっているのは言うまでもない。このよ
うな粘弾性ダンパー23を用いることによって、水平方
向だけでなく垂直方向の震動に対しても震動減衰効果を
発揮することができる。
【0027】なお、上記第一および第二の実施の形態に
おいて、杭4を鋼管からなる構成としたが、支持構造体
2として十分な耐力を有しているのであれば、鋼管製以
外の、例えば充填鋼管コンクリート造、あるいは立体ト
ラス構造等、他の構造を適用してもよい。
おいて、杭4を鋼管からなる構成としたが、支持構造体
2として十分な耐力を有しているのであれば、鋼管製以
外の、例えば充填鋼管コンクリート造、あるいは立体ト
ラス構造等、他の構造を適用してもよい。
【0028】[第三の実施の形態]次に、本発明に係る
第三の実施の形態について説明する。ここでは、前記第
一および第二の実施の形態と共通する構成については同
符号を付し、その説明を省略する。
第三の実施の形態について説明する。ここでは、前記第
一および第二の実施の形態と共通する構成については同
符号を付し、その説明を省略する。
【0029】図7に示すように、免震建物1”は、住戸
本体3が支持構造部2の杭4’に吊りワイヤー15を介
して吊下されており、住戸本体3を構成する内周フレー
ム14と、杭4の外周面に設けられた各ブラケット19
との間には、住戸本体3の地震以外の振動を減衰する粘
弾性ダンパー18と、住戸本体3の地震動による震動を
減衰するための機械的ダンパー22,22(図5参照)
が取り付けられている。
本体3が支持構造部2の杭4’に吊りワイヤー15を介
して吊下されており、住戸本体3を構成する内周フレー
ム14と、杭4の外周面に設けられた各ブラケット19
との間には、住戸本体3の地震以外の振動を減衰する粘
弾性ダンパー18と、住戸本体3の地震動による震動を
減衰するための機械的ダンパー22,22(図5参照)
が取り付けられている。
【0030】ここで、杭4’は、地上への突出長さが、
住戸本体3の下方に例えば駐車場としての空間Sを形成
できるように設定されている。また、この杭4’は、そ
の内部に例えば水が充填できるようになっており、さら
に充填した水を放出するための取り出し口25,25が
所定の位置に設けられている。そして、杭4’内の水
は、消化用水として用いることができるようになってい
る。
住戸本体3の下方に例えば駐車場としての空間Sを形成
できるように設定されている。また、この杭4’は、そ
の内部に例えば水が充填できるようになっており、さら
に充填した水を放出するための取り出し口25,25が
所定の位置に設けられている。そして、杭4’内の水
は、消化用水として用いることができるようになってい
る。
【0031】上述した免震建物1”では、上記第二の実
施の形態における免震建物1’と同様の効果を奏するこ
とができる。さらに杭4’内に水を蓄え、これを消火用
水として用いることができるようになっているので、こ
の免震建物1”の防災性能を高めることができる。
施の形態における免震建物1’と同様の効果を奏するこ
とができる。さらに杭4’内に水を蓄え、これを消火用
水として用いることができるようになっているので、こ
の免震建物1”の防災性能を高めることができる。
【0032】なお、上記第三の実施の形態において、杭
4’内の水を消火用水として用いる構成としたが、この
杭4’の地上部分の杭外側に断熱施工を行い、杭4’内
の水の熱エネルギーを利用できる熱源装置等を備える構
成とすることによって、この杭4’を蓄熱水槽として用
いることも可能であり、これによって、免震建物1”の
省エネルギー化を図ることができる。
4’内の水を消火用水として用いる構成としたが、この
杭4’の地上部分の杭外側に断熱施工を行い、杭4’内
の水の熱エネルギーを利用できる熱源装置等を備える構
成とすることによって、この杭4’を蓄熱水槽として用
いることも可能であり、これによって、免震建物1”の
省エネルギー化を図ることができる。
【0033】なお、上記第一ないし第三の実施の形態に
おいて、杭4、4’を地盤G中の強固な支持地盤にまで
到達させる構成としたが、住戸本体3を支持することが
できるのであれば、強固な人工地盤あるいは人工基礎な
どで支持する構成としてもよい。また、梁の本数5等、
支持構造部2の構造は上記に限るものではない。さら
に、住戸本体3の面積や層数等は何ら限定するものでは
なく、また、その構造についても、鉄骨造、プレキャス
トコンクリート造、木造等、他の構造であってもよい。
また、住戸本体3と杭4との間に形成される空間を例え
ば収納用の空間として用いることも可能である。加え
て、住戸本体3の震動あるいは地震動以外の振動による
影響を減衰することができるのであれば、粘弾性ダンパ
ー18,23、機械的ダンパー22以外の他の各種振動
減衰機構を適用してもよい。また、その設置個所につい
ても、杭4、4’の外周面と、住戸本体3の内周面との
間に限らず、梁5の下面と住戸本体3の上面との間等、
他の位置に介装させるようにしてもよい。さらには、一
本の杭4に一つの住戸本体3のみを吊下する構成とした
が、複数の杭を立設してこれらを梁で連結し、複数の住
戸本体3を吊下する構成としてもよい。ただし、住戸本
体3の振動制御は、杭4が一本のみである場合の方が容
易であるのは言うまでもない。また、住戸本体3の用途
は住宅に限るものではなく、例えば事務所等、他の用途
であっても何ら問題はない。
おいて、杭4、4’を地盤G中の強固な支持地盤にまで
到達させる構成としたが、住戸本体3を支持することが
できるのであれば、強固な人工地盤あるいは人工基礎な
どで支持する構成としてもよい。また、梁の本数5等、
支持構造部2の構造は上記に限るものではない。さら
に、住戸本体3の面積や層数等は何ら限定するものでは
なく、また、その構造についても、鉄骨造、プレキャス
トコンクリート造、木造等、他の構造であってもよい。
また、住戸本体3と杭4との間に形成される空間を例え
ば収納用の空間として用いることも可能である。加え
て、住戸本体3の震動あるいは地震動以外の振動による
影響を減衰することができるのであれば、粘弾性ダンパ
ー18,23、機械的ダンパー22以外の他の各種振動
減衰機構を適用してもよい。また、その設置個所につい
ても、杭4、4’の外周面と、住戸本体3の内周面との
間に限らず、梁5の下面と住戸本体3の上面との間等、
他の位置に介装させるようにしてもよい。さらには、一
本の杭4に一つの住戸本体3のみを吊下する構成とした
が、複数の杭を立設してこれらを梁で連結し、複数の住
戸本体3を吊下する構成としてもよい。ただし、住戸本
体3の振動制御は、杭4が一本のみである場合の方が容
易であるのは言うまでもない。また、住戸本体3の用途
は住宅に限るものではなく、例えば事務所等、他の用途
であっても何ら問題はない。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る免
震建物によれば、地盤中から鉛直上方に向けて突出する
よう構築した杭と、杭の上端部に一体に設けた複数の梁
と、これらの梁に吊り部材を介して杭を囲むように吊下
した室部とからなり、室部を地盤から縁切りする構成と
なっている。このようにして室部を吊り部材で吊下する
ことによって、地震動が室部に直接的に伝わることな
く、室部を免震性を有するものとして居住性を向上させ
ることができ、強大な地震の発生時にも室部の損壊を最
小限に押さえることができる。また、万が一杭が傾いた
りした場合にも、吊り部材の長さを調整したりすること
によって容易に修復することができる。
震建物によれば、地盤中から鉛直上方に向けて突出する
よう構築した杭と、杭の上端部に一体に設けた複数の梁
と、これらの梁に吊り部材を介して杭を囲むように吊下
した室部とからなり、室部を地盤から縁切りする構成と
なっている。このようにして室部を吊り部材で吊下する
ことによって、地震動が室部に直接的に伝わることな
く、室部を免震性を有するものとして居住性を向上させ
ることができ、強大な地震の発生時にも室部の損壊を最
小限に押さえることができる。また、万が一杭が傾いた
りした場合にも、吊り部材の長さを調整したりすること
によって容易に修復することができる。
【0035】請求項2に係る免震建物によれば、室部と
杭との間に、室部の振動を抑制する振動減衰部材を介装
する構成とした。これにより、前記振動減衰部材の特性
を適宜設定することにより、地震動やこれ以外の風や車
の通行による振動等を減衰して、前記請求項1に係る効
果をより顕著なものとすることができる。また、杭が傾
いたりした場合には、振動減衰部材の厚さを調整するこ
とによっても、住戸本体の傾きを修正することができ
る。
杭との間に、室部の振動を抑制する振動減衰部材を介装
する構成とした。これにより、前記振動減衰部材の特性
を適宜設定することにより、地震動やこれ以外の風や車
の通行による振動等を減衰して、前記請求項1に係る効
果をより顕著なものとすることができる。また、杭が傾
いたりした場合には、振動減衰部材の厚さを調整するこ
とによっても、住戸本体の傾きを修正することができ
る。
【0036】請求項3に係る免震建物によれば、吊り部
材の下端部を、室部の外周部の上下方向中間部または下
端部に固定する構成とした。このときに、吊り部材の長
さを、室部の固有周期が地震発生時に不快とならないよ
う適宜設定することにより、室部の居住性をさらに高め
るとともに免震性能を高めることができる。
材の下端部を、室部の外周部の上下方向中間部または下
端部に固定する構成とした。このときに、吊り部材の長
さを、室部の固有周期が地震発生時に不快とならないよ
う適宜設定することにより、室部の居住性をさらに高め
るとともに免震性能を高めることができる。
【0037】請求項4に係る免震建物によれば、杭を管
体から構成し、管体内に水を蓄える構成とした。これに
より、この管体を蓄熱水槽や消火用水槽として用いるこ
とができ、この免震建物を省エネルギー性や防災性に優
れたものとすることができる。
体から構成し、管体内に水を蓄える構成とした。これに
より、この管体を蓄熱水槽や消火用水槽として用いるこ
とができ、この免震建物を省エネルギー性や防災性に優
れたものとすることができる。
【図1】本発明に係る免震建物の第一の実施の形態を示
す立断面図である。
す立断面図である。
【図2】図1の平面図である
【図3】前記免震建物の一部を示す平断面図である。
【図4】同免震建物における吊り部材の長さと固有周期
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図5】本発明に係る免震建物の第二の実施の形態を示
す平断面図である。
す平断面図である。
【図6】同免震建物に備えた振動減衰機構の他の例を示
す平断面図である。
す平断面図である。
【図7】本発明に係る免震建物の第三の実施の形態を示
す立断面図である。
す立断面図である。
1、1’、1” 免震建物 3 住戸本体(室部) 4、4’ 杭 5 梁 18 粘弾性ダンパー(振動減衰部材) 22 機械的ダンパー(振動減衰部材) 23 粘弾性ダンパー(振動減衰部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 泰雄 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 中村 豊 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 地盤中から鉛直上方に向けて突出するよ
う構築された杭と、該杭の上端部に一体に設けられて水
平方向に延出する複数の梁と、これらの梁に吊り部材を
介して前記杭を囲むように吊下された室部とから構成さ
れ、前記室部が地盤とは縁切りされていることを特徴と
する免震建物。 - 【請求項2】 請求項1記載の免震建物において、前記
室部と前記杭との間には、前記室部の振動を抑制する振
動減衰部材が介装されていることを特徴とする免震建
物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の免震建物におい
て、前記吊り部材の下端部が、前記室部の外周部の上下
方向中間部または下端部において固定されていることを
特徴とする免震建物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の免
震建物において、前記杭が管体から構成され、該管体内
には水が蓄えられる構成とされていることを特徴とする
免震建物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9287396A JPH09279893A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 免震建物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9287396A JPH09279893A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 免震建物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279893A true JPH09279893A (ja) | 1997-10-28 |
Family
ID=14066566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9287396A Withdrawn JPH09279893A (ja) | 1996-04-15 | 1996-04-15 | 免震建物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09279893A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209623A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Ihi Corp | 構造物居住区の免振方法及び装置 |
-
1996
- 1996-04-15 JP JP9287396A patent/JPH09279893A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009209623A (ja) * | 2008-03-05 | 2009-09-17 | Ihi Corp | 構造物居住区の免振方法及び装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030701 |