JPH09279845A - 土砂バケツ自動転倒装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 土砂バケツをクレーンに吊下げて土砂や生コ
ン、ごみ類等を運び出したり、所定の場所へ排出するの
に使用される土砂バケツ自動転倒装置において、土砂バ
ケツを、転倒台や地上設備を必要としないで、而も転倒
台等の設備がない場所でもまた空中においても特別な転
倒用ロープを必要としないで自動的に転倒させることを
可能とする。バケツ本体を、クレーンに吊下げたまま、
上向き水平姿勢から下向き転倒姿勢にしたり、元の姿勢
に戻すような動作を簡単確実に行うもの。 【構成】 バケツ本体を吊ロープに吊下げ、吊金具をク
レーン等のフックに吊掛け、バケツ本体の左右両側に吊
ロープの固定ガイド輪を一体的に設けるとともに、この
固定ガイド輪に前記吊ロープの輪状部を吊掛けて一部を
固着し、吊金具にパワーシリンダーと、このパワーシリ
ンダーの駆動にて伸縮移動する移動体及びこの移動体の
伸縮移動で吊ロープが正逆に回送移動するように案内す
るガイド輪とを配備してなることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、土砂バケツをクレーン
に吊下げて土砂や生コン、ごみ類等を運び出したり、所
定の場所へ排出するのに使用される土砂バケツ自動転倒
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の土砂バケツ自動転倒装置（タイプ
１）は、図４に示すように、特定の場所に転倒台４０を
設置して、その上にバケツ本体４１を吊り下すように構
成したものであった。クレーンのフック４２に吊ロープ
４３で吊下げられるバケツ本体に重心より偏心した位置
のバケツ側面部に左右一対の支持ピン４５を突設し、こ
の支持ピンを転倒台４０の受部４４に支持させるように
載置することにより、次にクレーンを下げて吊ロープを
緩めると、該ピンを支点に重心の関係でバケツ本体４１
が自重で転倒しバケツ内の土砂を排出させるものであ
る。

【０００３】また、もう一つの従来装置（タイプ２）
は、図５に示す。同図に示すように、バケツ本体５１を
吊ロープ５２で吊下げるとともに、バケツ本体の底部に
もう１本の転倒用ロープ５３を結び付けてバケツが宙吊
りの状態のときにロープ５３を引上げると、バケツ本体
の底部が持ち上げられるために、バケツはクレーンに吊
下げられたまま反転するものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のタイプ
１では、土砂を排出させる場所が転倒台を設置するた
め、特定の場所に限定されるとともに、転倒台等の設備
が必要であり、任意の場所で排出できないという問題点
を有していた。

【０００５】また、タイプ２の場合は、吊ロープ５２の
他に転倒用のロープを必要とし、而もこのロープがバケ
ツの底部から上方へ吊り金具又はクレーンフックまで延
出して取付けられるために、バケツ内へ土砂を搬入或い
は排出の際に邪魔になり、作業性能を阻害し、また頻繁
に急激な力でロープ５３を牽引したりするためロープの
損傷を早めるといった問題点を有していた。

【０００６】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、転倒台や地上設備を必要とせず、而も転倒台等
の設備がない場所で、また空中においても吊ロープ以外
に特別な転倒用ロープを必要としないで自動的に転倒さ
せることを可能にした土砂バケツ自動転倒装置を提供し
ようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における土砂バケツ自動転倒装置は、バケツ
本体１を吊金具２に左右２本の吊ロープ３．４にて吊下
げ、吊金具２をクレーン等のフック５に吊掛けるように
した装置において、前記バケツ本体の左右両側に吊ロー
プ３．４の固定ガイド輪６．７を一体的に設けるととも
に、この固定ガイド輪６．７に前記吊ロープの輪状部３
ａ．４ａを吊掛けて一部を固着し、吊金具２にパワーシ
リンダー８と、このパワーシリンダーの駆動にて伸縮移
動する移動体９及びこの移動体９の伸縮移動で吊ロープ
が正逆に回送移動するように案内するガイド輪１０．１
１．１２．１３とを配備してなるものである。

【０００８】

【実施例】バケツ本体１は、図２に示すように上部が開
放した有底箱形に形成したものや、円筒形、或いはホッ
パー形に形成したものが用いられ、このバケツ本体１の
左右両側に固定ガイド輪６．７を取付ける。

【０００９】固定ガイド輪６．７はバケツ本体１に対し
て不回動状一体に固定されるもので、この固定ガイド輪
６．７に吊ロープ３．４を輪状（２つ折り）にして吊掛
け、一部を止金３ｂ．４ｂで固定する。

【００１０】吊ロープ３．４は、図２〜図３に示すよう
に２本を一組にして用い、夫々のロープの至端３′．
４′をパワーシリンダー８の移動体９に固着して、一方
のロープ３は左向きに引き出してガイド輪１２からバケ
ツ本体１の左側の固定ガイド輪６に巻掛け、さらにこれ
よりガイド輪１２′．１１を経て終端部３″を移動体９
に固着することでエンドレスとなす。又他方のロープ４
は、至端４′を移動体９に固着して右向きに引出し、ガ
イド輪１３からバケツ本体１の右側の固定ガイド輪７に
巻掛け、これよりガイド輪１３′．１０を経て同様に終
端部４″を移動体９に固着することによりエンドレスと
なす。

【００１１】吊金具２は、ビーム形に形成してこのヒー
ム内にパワーシリンダー８とその駆動装置１５、移動体
９及び吊ロープ３．４のガイド輪１０．１１．１２．１
２′．１３．１３′を配備する。

【００１２】パワーシリンダー８は、モータ及び油圧ポ
ンプからなる駆動装置１５にて作動されるが、油圧式以
外の動力源であってもよい。

【００１３】吊ロープ３．４はワイヤーロープやワイヤ
ーケーブルのようなものが用いられる。また、ロープに
代えてチェーンであってもよい。

【００１４】

【作用】パワーシリンダー８により移動体９を短縮させ
た状態で、バケツ本体１が上向き水平姿勢を保つように
設定する。この状態で、バケツ本体１をクレーンに吊り
上げる。

【００１５】バケツ本体１に土砂等に収容し吊り上げた
状態でパワーシリンダー８に油圧を作用させて移動体９
を伸長させる。すると、移動体９は図２〜３の如く、同
図で左方向（矢印イ）へ移動するから左右一対の吊ロー
プ３．４はガイド輪１０．１１．１２．１３に案内され
て夫々の輪状部３ａ．４ａが同時に時計方向（矢印ロ．
ハ）に回送される。そのため、固定ガイド輪６．７と共
にバケツ本体１が同方向に反転して上部の開放口が下向
きになり、内部の土砂は排出される。

【００１６】下向き姿勢のバケツ本体１を元の上向き水
平姿勢に戻すときは、伸長した移動体９をパワーシリン
ダー８の作動で短縮させればよい。

【発明の効果】本発明は上記のように、バケツ本体の左
右両側に吊ロープ３．４の固定ガイド輪６．７を一体的
に設けるとともに、この固定ガイド輪６．７に前記吊ロ
ープの輪状部３ａ．４ａを吊掛けて一部を固着し、吊金
具２にパワーシリンダー８と、このパワーシリンダーの
駆動にて伸縮移動する移動体９及びこの移動体９の伸縮
移動で吊ロープが正逆に回送移動するように案内するガ
イド輪１０．１１．１２．１３とを配備したので、バケ
ツ本体をクレーンに吊下げたまま、バケツ本体を自由に
上向き水平姿勢から下向き転倒姿勢に転倒させたり、元
の姿勢に戻す動作を簡単確実に行うことができ、従来の
ように転倒台を設けたり、又吊ロープとは別の転倒用ロ
ープを附設するようなことを要しないで、吊ロープのみ
でバケツ本体を反転及び復帰動作を行うことができるも
のであって、騒音を少なくして安全且つ能率的に土砂等
の排出作業を行うことができ、而も簡単な構成でコスト
的にも有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明土砂バケツ自動転倒装置の側面図であ
る。

【図２】同上の全体斜視図である。

【図３】吊ロープの動作説明図である。

【図４】従来の装置の側面図である。

【図５】従来の装置の他の例の側面図である。

【符号の説明】

１ バケツ本体 ２ 吊金具 ３．４ 吊ロープ ５ クレーンのフック ６．７ 固定ガイド輪 ８ パワーシリンダー ９ 移動体 １０．１１．１２．１３ ガイド輪 １５ 駆動装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バケツ本体１を吊金具２に左右２本の吊
   ロープ３．４にて吊下げ、吊金具２をクレーン等のフッ
   ク５に吊掛けるようにした装置において、前記バケツ本
   体の左右両側に吊ロープ３．４の固定ガイド輪６．７を
   一体的に設けるとともに、この固定ガイド輪６．７に前
   記吊ロープの輪状部３ａ．４ａを吊掛けて一部を固着
   し、吊金具２にパワーシリンダー８と、このパワーシリ
   ンダーの駆動にて伸縮移動する移動体９及びこの移動体
   ９の伸縮移動で吊ロープが正逆に回送移動するように案
   内するガイド輪１０．１１．１２．１３とを配備してな
   ることを特徴とする土砂バケツ自動転倒装置。