JPH09279165A - 低硫黄軽油 - Google Patents
低硫黄軽油Info
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- JPH09279165A JPH09279165A JP11578996A JP11578996A JPH09279165A JP H09279165 A JPH09279165 A JP H09279165A JP 11578996 A JP11578996 A JP 11578996A JP 11578996 A JP11578996 A JP 11578996A JP H09279165 A JPH09279165 A JP H09279165A
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Abstract
黄軽油の提供。 【解決手段】 硫黄含有量が0.05質量%以下である
軽油留分に酸化処理を施して軽油留分中のアルカリ抽出
分含有量を0.005〜1質量%の範囲に増量させる。
Description
る。より詳しくは、特に分配型燃料ポンプに対する高潤
滑性を維持し、ポンプの駆動トルクの増加、ポンプの摩
耗、フリクション増大などを防止する効果を持つ低硫黄
軽油に関する。
排ガス規制に伴い、この規制に対応するためのエンジン
側からの対策として、EGR(排ガス再循環装置)やS
OF触媒の採用が検討されている他、現在開発過程にあ
るNOX還元触媒の採用などが検討されている。しか
し、例えばEGRを搭載したディーゼルエンジンであっ
ても、燃料に硫黄含有量の高い軽油を用いた場合には、
排ガス中の硫酸イオンがエンジンを腐食させ、また排ガ
ス処理触媒を被毒させて浄化率を招くことが明らかにさ
れている。そのため、ディーゼルエンジンの排ガス対策
としては、上記のようなエンジン回りの対策だけでな
く、燃料面からも対策を講じる必要があり、我が国にお
いては平成9年以降、国内で販売される軽油の許容硫黄
含有量を0.05質量%以下とすることが既に決定して
いる。このような情況から、現在、国内の石油各社では
水素化脱硫装置を用いて、硫黄分を大幅に低減させた軽
油の製造が試験的に行われている。しかしながら、硫黄
分を極端に低減させた水素化脱硫軽油は、これを分配型
燃料ポンプを持つ小型自動車用ディーゼル機関に用いた
場合、分配型燃料ポンプの駆動トルクが増大し、最終的
にはポンプの摩耗、フリクションの増加などに起因して
エンジンの運転不良を来すことが報告されている。こう
した不都合の解消策としては、特開昭7−62363号
公報などに見られるように、潤滑性能や耐摩耗性の改善
に寄与する潤滑性向上剤を、水素化脱硫軽油に添加する
ことが提案させれている。しかし、潤滑性向上剤の使用
は、軽油のコストアップを招くばかりでなく、ディーゼ
ル燃料油一般に常用されている軽油添加剤、例えば、セ
タン価向上剤の混合安定性が損なう可能性もある。
性向上剤のような燃料添加剤の助けを借りなくても分配
型燃料ポンプの円滑な稼働を保証できる、換言すれば、
燃料ポンプの駆動トルク増、摩耗、フリクション増大を
抑制することができる低硫黄軽油を提供することにあ
る。
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、軽油留分を酸化
処理することにより、油の潤滑性向上に寄与するアルカ
リ抽出分を0.005〜1質量%の範囲に増量させるこ
とができるので、酸化処理された軽油留分、すなわち、
酸化処理軽油の硫黄含有量が0.05質量%以下であれ
ば、当該酸化処理軽油は分配型燃料ポンプを搭載したデ
ィーゼルエンジンの燃料油に適した低硫黄軽油になり得
ることを見出した。そしてまた、上記の酸化処理軽油の
硫黄含有量が0.05質量%を越えていても過大に過ぎ
なければ、これを硫黄含有量0.05質量%以下の軽油
に配合することにより、硫黄含有量が0.05質量%以
下で、アルカリ抽出分含有量が0.005〜1質量%の
範囲にある低硫黄軽油が得られることを見出した。従っ
て、本発明が提供する低硫黄軽油の一つは、その全量が
酸化処理を受けた軽油留分からなり、しかも硫黄含有量
が0.05質量%以下、アルカリ抽出分含有量が0.0
05〜1質量%の範囲にあることを特徴とし、他の一つ
は硫黄含有量が0.05質量%以下で、かつ酸化処理を
受けていない軽油留分と、酸化処理を受けた軽油留分と
からなり、しかも硫黄含有量が0.05質量%以下で、
アルカリ抽出分含有量が0.005〜1質量%の範囲に
あることを特徴とする。本発明に係る第1の低硫黄軽油
は、硫黄含有量が0.05質量%以下である水素化処理
軽油に酸化処理を施すことによって得ることができ、第
2の低硫黄軽油は、硫黄含有量が0.05質量%以下で
ある水素化処理軽油に、酸化処理を受けた軽油留分を配
合することによって得ることができる。
油とも、その硫黄含有量は0.05質量%以下であり、
アルカリ抽出分含有量は0.005〜1質量%の範囲に
ある。硫黄含有量が上記の限界を越えた場合には、エン
ジン排ガス中の硫黄イオンがエンジンを腐食させ、排ガ
ス浄化触媒を短時間で劣化させる恐れがある。また、ア
ルカリ抽出分含有量が0.005質量%に満たない場合
は、分配型燃料ポンプの円滑な稼働を損なう恐れがある
が、1質量%を越えてアルカリ抽出分を増量させても、
分配型燃料ポンプの円滑稼働を格別改善させることはで
きない。本発明の低硫黄軽油のアルカリ抽出分含有量の
上限値は、好ましくは0,1質量%、より好ましくは
0.08質量%、最も好ましくは0.06質量%であ
り、下限値は好ましくは0.006質量%、より好まし
くは0.007質量%である。本発明において、硫黄含
有量とは、ASTM D 5453-93に規定する”StandardTest M
ethod forDetermination of Total Sulfur in Light Hy
drocarbons,MotorFuels and Oilsby Ultraviolet Fluor
escence ”に準拠して測定される硫黄含有量を意味す
る。 また、アルカリ抽出分含有量とは、下記の方法と
算出式よって求めらる値を意味する。 (アルカリ抽出分含有量測定法) :分液漏斗に試料500mlと10%NaOH水溶液
50mlを加えて30分間振とうした後、静置して油層
と水層とに分け、油層を採取する。この第1回液で得た
油層と10%NaOH水溶液50mlを再度分液漏斗に
入れて30分間振とうした後、静置して油層を採取す
る。この第2回分液で得た油層と10%NaOH水溶液
50mlを再び分液漏斗に入れ、30分間振とうして静
置後、油層を採取する。 :の第3回分液で得た油層を純水100mlで2回
洗浄する。 :の第1〜第3回分液操作で得た各水層と、の洗
浄操作で得た水層を全て混合し、これに10%硫酸水溶
液を加えて酸性(pH=5以下)にする。 :で得られた酸性溶液を適量のベンゼンで抽出し、
一旦ベンゼン抽出された酸性溶液を再度適量のベンゼン
で抽出する操作を、都合3回繰り返す。 :で得られた3回分のベンゼン溶液からエバポレー
ターでベンゼン、水分を除去する(石油学会規格JPI
−5S−22−83「アスファルトのカラムクロマトグ
ラフィーによる組成分析法」の7.11のA法に準
拠)。 :適当な容器内での残留物を30mlのベンゼンに
溶かし、試料溶液を準備する。 :図1に示すような概略形状を有するクロマトグラム
用カラムに、活性化されたアルミナゲル75gを入れ、
カラム外側からバイブレーターを60秒かけてアルミナ
ゲルを均一に詰める(アルミナゲルの活性化は、JPI
−5S−22−83の6.1に、クロマトグラム用カラ
ムの準備は、JPI−5S−22−83の6.2にそれ
ぞれ準拠して行う)。 −1:ベンゼン70mlをガラス棒を用いてカラム上
部から内壁づたいにカラム内に流し込み、ゲルを湿潤さ
せる。カラム内に注入した70mlのベンゼンの最終液
面がゲル層上面に達したのを確認してから、で準備し
た試料溶液をカラム内に注ぐ。試料が付着した容器をベ
ンゼン25mlで洗浄し、カラムに注入した試料溶液の
最終液面がゲル層上面に達したら直ちにカラム上部から
ベンゼン洗浄液をカラム内に注ぐ。この洗浄操作を更に
もう1回繰り返し、容器内の試料を完全にカラム6内に
移す。 −2:カラム内に注入した2回目のベンゼン洗浄液の
最終液面がゲル層上面に達したら、直ちにカラム上部か
らベンゼン250mlを連続的にカラム内に流し入れ、
このベンゼンの最終液面がゲル層上面に達したら直ちに
カラム出口にアルカリ抽出分採取用の受器を取り付け
る。 −3:次いでカラム上部からメタノール270mlを
連続的にカラム内に流し入れ、カラムからメタノールの
流出が完全に止まるまでカラム流出物を受器に採取す
る。 −4:採取した上記のカラム流出物をJPI−5S−
22−83の7.11のA法に従って処理し、カラム流
出物からメタノール及びベンゼンを完全に除去して恒量
化し、冷却後秤量してアルカリ抽出分の質量を求め、そ
の値と試料500mlの質量から、次式によって試料中
のアルカリ抽出分含有量を求める。 アルカリ抽出分(質量%)=[アルカリ抽出分質量
(g)/試料採取量(g)]×100
カリ抽出分含有量が所定の範囲にあることが必要である
が、その他の性状はディーゼルエンジンの燃料油として
の適性を逸脱しないことを条件に、任意であって差し支
えない。しかし、その沸点は、通常、150〜400
℃、好ましくは160〜380℃の範囲内であるのが望
ましい。本発明の低硫黄軽油に関していう沸点範囲と
は、JIS K 2254に規定する「石油製品−蒸留
試験方法」に準拠して測定される初留点から終点までの
温度範囲を意味する。また、本発明の低硫黄軽油のセタ
ン価は、通常、45以上、好ましくは50以上であるの
が望ましい。ここでいうセタン価とは、JIS K 2
280 7に規定する「セタン価試験方法」に準拠して
測定されるセタン価を意味する。そして、本発明に係る
低硫黄軽油の色相は、通常、セーボルト値で0以上、好
ましくは10以上であるのが望ましい。ここでいう色相
とは、JIS K 2580 4.2に規定する「セー
ボルト色試験方法」に準拠して測定される値を意味す
る。本発明の低硫黄軽油の成分組成は、通常、飽和分含
有量が60〜95容量%、好ましくは70〜85容量
%、オレフィン分含有量が0〜5容量%、好ましくは0
〜1容量%、芳香族分含有量が5〜40容量%、好まし
くは15〜30容量%であることが望ましい。ここでい
う飽和分含有量、オレフィン分含有量および芳香族分含
有量とは、JIS K 2536に規定する「石油製品
−炭化水素タイプ試験方法」の蛍光指示薬吸着法に準拠
して測定される飽和分、オレフィン分および芳香族分の
容量百分率(容量%)を意味する。さらに付け加える
と、本発明の低硫黄軽油は、JIS K 2204「軽
油」で規定する特1号、1号、2号、3号または特3号
に該当する性状を備えていることが望ましい。
が酸化処理を受けた軽油留分で構成されるが、この酸化
処理の対象となる軽油留分には、パラフィン基原油、ナ
フテン基原油、混合基原油、特殊原油などの原油を石油
精製装置にかけて得られる沸点範囲150〜400℃、
好ましくは150〜360℃の軽油留分が使用すること
ができ、具体的には、 (A)常圧蒸留装置から得られる直留軽油 (B)分解ガソリン製造用接触分解装置(例えばFC
C)から得られる接触分解軽油 (C)軽油を水素化処理触媒の存在下で水素と接触させ
て得られるか、あるいは重質油を水素化処理触媒の存在
下で水素と接触させて得られる水素化処理軽油 等の1種又は2種以上の混合物が、酸化処理の原料油と
して使用可能である。上記の直留軽油(A)は、飽和分
含有量が60〜95容量%、好ましくは70〜90容量
%、オレフィン分含有量が0〜5容量%、好ましくは0
〜1容量%、芳香族分含有量が5〜40容量%、好まし
くは10〜30容量%であることが望ましい。また、上
記の接触分解軽油(B)は、飽和分含有量が10〜50
容量%、好ましくは20〜45容量%、オレフィン分含
有量が0〜10容量%、好ましくは0〜5容量%、芳香
族分含有量が50〜90容量%、好ましくは55〜80
容量%であることが望ましい。
リン製造用接触分解装置とは、広義には、脱硫または未
脱硫の減圧軽油あるいは脱硫重油などの重質油を、固体
触媒の存在下で接触分解して高オクタン価のガソリン基
材を得るための装置を指す。この装置の典型例として
は、反応帯、分離帯、ストリッピング帯、触媒再生帯お
よび蒸留帯を有する流動接触分解装置(FCC)が知ら
れており、なかでも、油と触媒との接触時間が短く、コ
ークス生成量が少ないライザー反応帯を備えたものが好
ましい。また、再生帯は750℃程度までの高温に耐え
る設備または除熱設備を有するものが良い。接触分解装
置の運転条件は適宜選ぶことができるが、通常、反応帯
温度は400〜900℃、好ましくは480〜650℃
の範囲で、反応帯圧力は0.1〜0.5MPa 、好ましく
は0.1〜0.2MPa の範囲で、触媒再生帯温度は40
0〜1000℃、好ましくは650〜800℃の範囲
で、触媒再生帯圧力は0.1〜0.5MPa 、好ましくは
0.1〜0.2MPa の範囲でそれぞれ選ばれる。また、
触媒/油比は0.5〜60重量部/重量部、好ましくは
5〜15重量部/重量部の範囲で、接触時間は0.1〜
20秒、好ましくは1〜10秒の範囲で、CFR[(新
原料油+循環油)/新原料油]は1〜2容量部/容量
部、好ましくは1〜1.2容量部/容量部の範囲でそれ
ぞれ選ばれる。分解触媒には各種の固体酸触媒、合成ゼ
オライト等が使用可能であるが、FCCでは超安定ゼオ
ライト(USY)を10〜40質量%含有する触媒が特
に好ましい。主な接触分解プロセスとしては、例えば、
エアリフトサーモフォア法、フードリフロー法、UOP
法、シェル二段式法、フレキシクラッキング法、オルソ
フロー法、テキサコ法、ガルフ法、ウルトラキャットク
ラッキング法、アルコクラッキング法、HOC法、RC
C法などが知られている。本発明の接触分解軽油(B)
は、これら各プロセスの何れからも取得することができ
る。念のため付言すれば、本発明でいう接触分解軽油
(B)には、重質油の接触分解プロセルから得られる生
成物に含まれる軽油沸点範囲の留分のみならず、この留
分を水素化精製して硫黄分などの不純物含量を低下させ
た精製接触分解軽油が包含される。
は重質油を水素化処理触媒の存在下に水素と接触して得
ることができる。この際の原料油としては、任意のもの
が使用でき、例えば、パラフィン基原油、ナフテン基原
油、混合基原油、特殊原油などの原油の常圧蒸留によっ
て得られる留出油(例えば直留軽油);常圧蒸留残油の
減圧蒸留によって得られる留出油(例えば減圧軽油);
重質油等の接触分解(例えばFCC)油の蒸留により得
られる留出油(例えば接触分解軽油);重質油等の熱分
解油の蒸留により得られる留出油(例えば熱分解軽
油);などが単独で、または混合物の形で使用すること
ができる。水素化処理触媒には、石油留分の水素化精製
や水素化分解に通常用いられるところの、水素化活性金
属を無機担体に担持させた触媒が使用される。この場合
の無機担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタ
ニア、ボリア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、シリカ
−マグネシア、アルミナ−マグネシア、アルミナ−チタ
ニア、シリカ−チタニア、アルミナ−ボリア、アルミナ
−ジルコニア等の多孔性無機酸化物、およびこれらの多
孔性無機酸化物に、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、
USY型ゼオライト等のゼオライトおよび粘土鉱物など
を添加したものが使用可能である。水素化活性金属とし
ては、周期律表第V族、第VI族、第VIII族金属か
ら選ばれる少なくとも1種の金属が用いられる。これら
の中でも特に、クロム、モリブデン、タングステン、コ
バルトおよびニッケルの中から選ばれる少なくとも1種
類の金属が好ましく、モリブデンおよびタングステンの
中から選ばれる少なくとも1種と、コバルトおよびニッ
ケルの中から選ばれる少なくとも1種の組み合わせがよ
り好ましい。これらの金属は担体上に金属状、酸化物、
硫化物またはこれらの混合物の形態で存在できる。水素
化処理における反応条件は、水素化処理の原料となる留
分の沸点範囲によって適宜選択することが好ましい。
軽油沸点範囲(150〜400℃)の留分に1段または
2段以上の水素化処理を施して得られる水素化精製軽油
(C−1)と、沸点が400℃を越える留分に水素化分
解を施して得られる水素化分解軽油(C−2)が包含さ
れる。上記の水素化精製軽油(C−1)とは、軽油沸点
範囲(150〜400℃)の留分を原料油とし、これに
単段または2段以上の水素化精製処理を施して硫黄含有
量を2.0質量%以下、好ましくは0.5質量以下、よ
り好ましくは0.2質量%以下、最も好ましくは0.0
5質量%以下に低減させた軽油留分を意味する。この水
素化精製軽油(C−1)は、通常、沸点が140〜40
0℃、好ましくは140〜360℃の範囲内にあり、色
相がセーボルト値で5以上、好ましくは10以上、より
好ましくは15以上、最も好ましくは20以上である。
そして、飽和分含有量は65〜95容量%、好ましくは
75〜90容量%、オレフィン分含有量は0〜5容量
%、好ましくは0〜1容量%、芳香族分含有量は5〜3
5容量%、好ましくは10〜25容量%であることが望
ましい。水素化精製処理を単段で行う場合の反応条件は
適宜選ぶことができるが、反応温度は通常、250〜4
80℃、好ましくは300〜450℃の範囲で、水素圧
(水素分圧)は通常、0.5〜10.0MPa 、好ましく
は1.0〜7.0MPa の範囲で選ばれる。そして、原料
油の供給量(液空間速度)(LHSV)は通常、0.1
〜10.0h-1、好ましくは0.5〜5.0h-1の範囲
で、また水素/油比は通常、50〜900Nm3 /m3 、好
ましくは80〜350Nm3 /m3 の範囲で選ばれる。水素
化精製処理触媒としては、前述の水素化処理触媒が使用
できるが、このなかでも、アルミナ担体にコバルト−モ
リブデン、ニッケル−モリブデンなどの水素化活性金属
を担持させたものが好ましい。水素化精製処理を2段以
上の多段で行うことは、色相が一層改善された水素化精
製軽油を得るうえで好ましい。2段水素化精製処理を行
う場合、第1段の反応反応温度は通常、320〜480
℃、好ましくは340〜450℃の範囲で、水素圧(水
素分圧)は通常、0.5〜10.0MPa 、好ましくは
1.0〜7.0MPa の範囲で選ばれ、原料油の供給量
(液空間速度)(LHSV)は通常、0.5〜10.0
h-1、好ましくは1.0〜10.0h-1の範囲で、水素
/油比は通常、80〜900Nm3 /m3 、好ましくは10
0〜350Nm3 /m3 の範囲で選ばれる。また、第2段の
反応温度は通常、200〜350℃、好ましくは220
〜300℃、より好ましくは230〜280℃の範囲
で、水素圧(水素分圧)は通常、0.5〜10.0MPa
、好ましくは1.0〜7.0MPa の範囲で選ばれ、原
料油の供給量(液空間速度)(LHSV)は通常、2.
0〜15.0h-1、好ましくは4.0〜10.0h-1の
範囲で、水素/油比は通常、80〜900Nm3 /m3 、好
ましくは110〜350Nm3 /m3 の範囲で選ばれる。触
媒としては、第1段、第2段とも、前記した単段水素化
精製処理と同様な触媒を使用することができる。
は未脱硫の減圧軽油あるいは脱硫重油など、400℃以
上の沸点を有する重質油を水素化分解して得られ、硫黄
含有量が2.0質量%以下、好ましくは0.5質量以
下、より好ましくは0.2質量%以下、最も好ましくは
0.05質量%以下である軽油留分を意味する。この水
素化分解軽油は、沸点が120〜400℃、好ましくは
140〜360℃の範囲内であることが望ましく、色相
はセーボルト値で10以上、好ましくは20以上である
ものが望ましい。そして、飽和分含有量が65〜95容
量%、好ましくは75〜90容量%、オレフィン分含有
量が0〜5容量%、好ましくは0〜1容量%、芳香族分
含有量が2〜35容量%、好ましくは5〜25容量%で
あることが望ましい。水素化分解処理における反応温度
は通常、300〜450℃、好ましくは330〜420
℃の範囲で、水素圧(水素分圧)は通常、2.0〜2
0.0MPa 、好ましくは3.0〜15.0MPa の範囲で
選ばれる。原料油の供給量(液空間速度)(LHSV)
は通常、0.1〜5.0h-1、好ましくは0.2〜3.
0h-1の範囲で、水素/油比は通常、100〜1000
Nm3 /m3 、好ましくは150〜800Nm3 /m3 の範囲で
選ばれる。水素化分解触媒としては、前述の水素化処理
触媒が使用できるが、なかでもシリカ、アルミナまたは
シリカ−アルミナにゼオライト、粘土鉱物等を添加した
担体に、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデ
ン、ニッケル−タングステンなどの水素化活性金属を担
持させた触媒が好ましい。なお、本発明でいう水素化分
解処理には、通常の水素化分解処理よりも穏和な条件で
行われるマイルド水素化分解処理が、具体的には例え
ば、アイソマックス法、ユニクラッキング法、ユニボン
法、ゴーファイニング法などが包含される。そして、本
発明でいう水素化処理軽油(C)には、上記した水素化
分解軽油(C−2)を上記した水素化精製処理に付した
軽油留分も含まれる。
めに採用される酸化処理に関して説明する。この酸化処
理は、上記した直留軽油(A)、接触分解軽油(B)、
水素化処理軽油(C)の1種又は2種以上の混合物など
の軽油留分を対象に実施され、これによって油中のアル
カリ抽出分含有量を増量させることができる。炭化水素
を酸化して酸素含有化合物を製造する石油化学プロセス
は多数知られており、トルエンから安息香酸への酸化、
パラキシレンからテレフタル酸への酸化、ブタン、ブテ
ンから無水マレイン酸への酸化等はその代表例である。
一般に、これらの石油化学プロセスは化学原料として使
用される高純度の酸化生成物の製造を目的としている関
係で、転化率が高い反応条件が採用されている。本発明
で採用される軽油留分の酸化処理は、上記した石油化学
プロセスで採用されている反応条件が採用することもで
きるが、高い転化率は必ずしも必要とせず、マイルドな
反応条件が採用可能である。酸化反応は著しい発熱反応
であり、反応の制御が難しいため、むしろ、マイルドな
条件で実施することが安全の面から好ましい。酸化剤と
しては、空気、酸素、その他の任意の酸化剤を用いるこ
とができる。使用可能な酸化剤には、各種の有機過酸化
物;N2 O、NO、NO2 などの窒素酸化物、オゾン、
酸素、空気などの酸化性気体;硝酸、硫酸、過塩素酸、
過酸化水素などの酸化性液体;塩素酸塩、過塩素酸塩、
亜塩素酸塩、その他のハロゲン酸塩、硝酸塩、過マンガ
ン酸塩、重クロム酸塩、無機過酸化物などの酸化性固体
などがある。これらのなかでも、空気、酸素、過酸化水
素などが好ましい。触媒には公知の酸化触媒を用いるこ
とができ、そうした酸化触媒としては、担体に担持され
た金属触媒、担持されていない金属触媒、金属酸化物触
媒、遷移金属の金属塩などがあげられる。担持金属触媒
の具体例は、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ボ
リア、ジルコニア、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネ
シア、アルミナ−マグネシア、アルミナ−チタニア、シ
リカ−チタニア、アルミナ−ボリア、アルミナ−ジルコ
ニア、各種のゼオライト、メタロシリケートなどの多孔
性無機酸化物やカーボン、シリコンカ−バイドなどの無
機化合物を担体とし、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、
Irなどの貴金属およびFe、Ni、Co、Cu、Ag
などの金属を担持した触媒がある。担持されていない金
属触媒としては、Fe触媒、Cu触媒などが挙げられ
る。金属触媒の形状は任意であるが、粒状、塊状、線状
または板状のものが好ましい。金属酸化物触媒として
は、遷移金属の酸化物、特にV、Cr、Mn、Mo、
W、Feなどの酸化物や、リンモリブデン酸などの各種
のヘテロポリ酸、Bi−Mo、V−P、Fe−Moなど
の複合酸化物等が挙げられる。また、これら金属酸化物
の塩を用いることも可能である。さらに、これら金属酸
化物触媒は、必要に応じて上記の多孔性無機酸化物に担
持して使用することもできる。遷移金属の金属塩として
は、Co、Mo、Mnなどの硝酸塩、硫酸塩、塩化物、
酢酸塩等が挙げられる。また、ワッカー触媒として知ら
れているPdCl2 −CuCl2 系など複数の遷移金属
を組み合わせたものを用いてもよい。これらの酸化触媒
には、必要に応じて、アルカリ金属塩やハロゲン化合物
などの助触媒を併用することができる。また、酸化処理
の反応帯には、原料油だけでなく、水や酢酸などの溶媒
を共存させてもよく、その場合には界面活性剤を加える
ことができる。さらに、酸化反応を促進させるために、
アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどの
有機過酸化物で例示されるラジカル開始剤を用いてもよ
い。反応形式は連続式、回分式のどちらでもよく、反応
形式も固定床方式、膨張床方式、懸濁床方式、流動床方
式のいずれでも良い。反応条件は、原料油の性状、酸化
剤の種類、触媒の有無、反応形式などによって厳密には
異なるが、通常、反応温度は常温から500℃程度の範
囲で、好ましくは常温から200℃の範囲で、さらに好
ましくは常温から150℃の範囲で選ばれる。反応圧力
は0.1〜1MPaの範囲、好ましくは0.1〜0.5
MPa範囲で選ぶことができ、常圧が最も好ましい。
硫黄軽油を製造する場合には、酸化処理の対象となる油
に、硫黄含有量が0.05質量%以下であることが軽油
留分を選ぶことが重要である。酸化処理では油中のアル
カリ抽出分を増量できるものの、硫黄含有量を減少でき
ないからである。従って、酸化処理した軽油留分だけで
本発明の低硫黄軽油を構成させる場合には、酸化処理の
対象となる油として、硫黄含有量が0.05質量%以下
の水素化処理軽油を使用することが好ましい。そして、
硫黄含有量が0.05質量%以下である軽油留分の酸化
処理に際しては、酸化処理生成油のアルカリ抽出分含有
量の上限値が0.005〜1質量%になるよう、酸化処
理条件を選択される。一方、酸化処理された軽油留分
と、酸化処理されていない軽油留分とを混合して本発明
の低硫黄軽油を製造する場合には、混合油の硫黄含有量
が0.05質量%以下に、アルカリ抽出分含有量が0.
005〜1質量%の範囲にそれぞれ維持されることが重
要であるものの、混合される個々の軽油留分は、その硫
黄含有量やアルカリ抽出分含有量に格別な限定が付され
ることはない。酸化処理された軽油留分の硫黄含有量が
0.05質量%を越えていても、酸化処理されていない
軽油留分の硫黄含有量が0.05質量%以下、例えば、
0.01質量%であれば、両者の混合比を適宜調節する
ことによって、混合物の硫黄含有量を0.05質量%以
下とすることができ、同様に、酸化処理された軽油留分
のアルカリ抽出分含有量が0.005〜1質量%であれ
ば、酸化処理されていない軽油留分のアルカリ抽出分含
有量が0.005質量%に満たなくても、両者の混合比
を適宜調節することで、混合物のアルカリ抽出分含有量
を0.005〜1質量%の範囲に維持できるからであ
る。しかしながら、酸化処理された軽油留分としては、
硫黄含有量が0.01〜0.5質量%、好ましくは0.
05〜0.3質量%の範囲にあり、アルカリ抽出分含有
量が0.005〜5質量%、好ましくは0.01〜1質
量%の範囲にあるものを用いることが望ましく、酸化処
理を受けていない軽油留分としては、硫黄含有量が0.
05質量%以下の水素化処理軽油を用いることが望まし
い。ちなみに、酸化処理されていない軽油留分として水
素化処理軽油を使用した場合、酸化処理を受けていない
水素化処理軽油を100容量部当たり、酸化処理生成油
を5〜250容量部、好ましくは好ましくは10〜15
0容量部、より好ましくは15〜75容量部の割合で配
合することにより、硫黄含有量が0.05質量%以下
で、アルカリ抽出分含有量が0.005〜1質量%の範
囲にある本発明の低硫黄軽油を得ることができる。そし
て、本発明の低硫黄軽油が、酸化処理された軽油留分の
みから構成されているか、あるいは酸化処理された軽油
留分と酸化処理されていない軽油留分とで構成されてい
るかにかかわらず、本発明の低硫黄軽油には、その低温
流動性をさらに改善する目的で、水素化精製灯油を配合
することができる。この目的で使用される水素化精製灯
油は、その硫黄含有量が0.01質量%以下であるもの
が望ましく。沸点は100〜300℃の範囲であるもの
が望ましい。そして、飽和分を65〜95容量%、好ま
しくは75〜92容量%、オレフィン分を0〜1容量
%、好ましくは0〜0.5容量%、芳香族分を0〜35
容量%、好ましくは5〜20容量%含有しているものが
望ましい。水素化精製灯油の配合量は、これを配合して
最終的に得られる低硫黄軽油の硫黄含有量が0.05質
量%以下で、アルカリ抽出分含有量が0.005〜1質
量%に維持されることを条件に、水素化処理軽油100
容量部当たり350容量部以下、好ましくは15〜25
0容量部の範囲で選ばれる。
油留分のみから構成されているか、あるいは酸化処理さ
れた軽油留分と酸化処理されていない軽油留分とで構成
されているかにかかわらず、本発明の低硫黄軽油には、
その色相および保存安定性を改善する目的で、水素化仕
上げを施すことができる。この水素化仕上げには、通
常、反応温度100〜300℃、好ましくは180〜2
80℃、より好ましくは200〜250℃、水素圧(水
素分圧)0.5〜10.0MPa 、好ましくは1.0〜
7.0M Pa、原料油の供給量(液空間速度)(LHS
V)2.0〜12.0h-1、好ましくは4.0〜10.
0h-1、た水素/油比80〜900Nm3 /m3 、好ましく
は110〜350Nm3 /m3 の反応条件が採用される。そ
して、触媒には前述した水素化処理触媒と同種の触媒を
使用することができる。
を取得する典型的な工程図を図2〜図5に示す。図2は
軽油留分を水素化処理に付してその硫黄含有量を0.0
5質量%に低減させ、しかる後、得られた水素化処理軽
油を酸化処理してアルカリ抽出分含有量を増量させ、硫
黄含有量0.05質量%以下、アルカリ抽出分含有量
0.005〜1質量%の低硫黄軽油を得る場合を示して
いる。図3は低硫黄軽油の色相および保存安定性をさら
に改善する目的で、水素仕上げ工程を付加した場合を示
す。この場合、酸化処理生成油の全てを水素化仕上げに
付す代わりに、一部だけを水素化仕上げ工程に付して、
これを残部の酸化処理生成油と混合して低硫黄軽油を得
ることもできる。図4は軽油留分の一部を酸化処理に付
してアルカリ抽出分含有量を増量させ、残部を水素化処
理に付して硫黄含有量を減少させ、しかる後、この両者
を混合して硫黄含有量0.05質量%以下、アルカリ抽
出分含有量0.005〜1質量%の低硫黄軽油を得る場
合を示している。図5は、2種類の軽油留分を使用して
本発明の低硫黄軽油を取得する例を示している。軽油留
分Aは水素化処理され、その硫黄含有量が0.05質量
%以下に低減される。一方、軽油留分Bは酸化処理さ
れ、そのアルカリ抽出分含有量が0.005〜1質量%
の範囲に増量させる。軽油留分Bの酸化処理工程には、
必要に応じて、軽油留分Aの水素化処理工程から得られ
る生成油の一部を供給することもできる。水素化処理工
程から得られる生成油の一部と、酸化処理工程から得ら
れる生成油の一部は水素化仕上げ工程で処理され、これ
を水素化処理工程及び酸化処理工程からの生成油の残部
と混合することで、本発明の低硫黄軽油を得ることがで
きる。
に高める目的で公知の燃料油添加剤を単独で、または数
種類組み合わせて添加することができる。これら添加剤
としては、例えば、硝酸エステルや有機過酸化物などの
セタン価向上剤;エチレン−酢酸ビニル共重合体、アル
ケニルコハク酸アミドなどの低温流動性向上剤;フェノ
ール系、アミン系などの酸化防止剤;サリチリデン誘導
体などの金属不活性化剤;アルケニルコハク酸イミド、
ポリアルキルアミンなどの清浄分散剤;ポリグリコール
エーテルなどの氷結防止剤;脂肪族アミン、アルケニル
コハク酸エステルなどの腐食防止剤;アニオン系、カチ
オン系、両性系界面活性剤などの帯電防止剤;アゾ染料
などの着色剤;などを挙げることができる。これら添加
剤の個々の添加量は、通常、添加剤を添加した低硫黄軽
油全量基準で0.5質量%以下、好ましくは0.2質量
%以下であるのが望ましい。
説明するが、これら実施例は本発明を限定するものでは
ない。アラビアンライト原油を常圧蒸留装置にかけて得
られる直留軽油と接触分解軽油(LCO)を原料に用い
て、2種類の水素化精製軽油と3種類の酸化処理軽油を
調製した。各油の性状を表1に示し、水素化精製処理及
び酸化処理の内容を以下に示す。水素化精製軽油1の調製 直留軽油80容量%と接触分解軽油(LCO)20容量
%の混合油を、連続した2段工程で水素化精製した。第
2工程には第1工程から得られる油を冷却して供給し、
第1工程は水素分圧を5.4MPa 、反応温度を378
℃、原料油の供給量(LHSV)を5.0h-1、水素/
油比を253Nm3 /m3 とし、第2工程は水素分圧を5.
4MPa 、反応温度を250℃、LHSVを10.0h-1
とした。そして、両工程ともアルミナ担体にコバルトお
よびモリブデンを担持した触媒を使用した。水素化精製軽油2の調製 直留軽油を上と同じ条件で連続2段工程で水素化精製処
理してた。ただし、第1工程での反応温度は380℃と
した。酸化処理軽油1の調製 接触分解軽油(LCO)を過酸化水素水(H2 O2 含量
30%)を用いて以下の方法で酸化処理した。300m
Lの丸底フラスコにLCOを120mL入れ、過酸化水
素水12mLを加え、マグネティックスターラーで激し
く攪拌しながら大気開放の状態で室温で2時間保持し
た。その後、油相を回収した。酸化処理軽油2の調製 接触分解軽油(LCO)をソックスレー抽出装置を用い
て以下の方法で酸化処理した。300mLの丸底フラス
コにLCOを120mL入れ、口にリービッヒ冷却管を
とりつけた。フラスコをオイルバスにつけ、冷却管に水
道水を流し、マグネティックスターラーで激しく攪拌し
ながら大気開放の状態で100℃で1時間保持した。酸化処理軽油3の調製 接触分解軽油(LCO)を酸化処理軽油2と同様な方法
で酸化処理した。ただし、反応時間を2時間とした。 実施例1 上記の水素化精製軽油1をソックスレー抽出装置を用い
て以下の方法で酸化処理した。300mLの丸底フラス
コに水素化精製軽油1を120mL入れ、口にリービッ
ヒ冷却管をとりつけた。フラスコをオイルバスにつけ、
冷却管に水道水を流し、マグネティックスターラーで激
しく攪拌しながら大気開放の状態で100℃で2時間保
持した。得られた低硫黄軽油1の性状を表2に示す。 実施例2 上記の水素化精製軽油1を低硫黄軽油1と同様な方法で
酸化処理した。但し、反応時間を6時間とした。得られ
た低硫黄軽油2の性状を表2に示す。 実施例3 上記の水素化精製軽油1を低硫黄軽油1と同様な方法で
酸化処理した。但し、反応時間を12時間とした。得ら
れた低硫黄軽油3の性状を表2に示す。 実施例4〜6 上記の水素化精製軽油2の80容量%と酸化処理軽油
1、酸化処理軽油2または酸化処理軽油3の20容量%
との混合物をそれぞれ低硫黄軽油4、低硫黄軽油5およ
び低硫黄軽油6とした。得られた低硫黄軽油4、5およ
び6の性状を表2に示す。実施例1〜6で得られた各低
硫黄軽油と、水素化精製処理軽油1、同2について、下
記に示す条件でHFRR試験を行い、試験後の試験球に
ついた円状の傷の振動方向の直径と振動方向に垂直な方
向の直径を測定し、その平均値を摩耗痕直径(WSD)
とした。結果を表2に示す。 試験球 材質:ANSI 52100 硬度:645HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下 直径:6.25nm、 試験板 材質:ANSI 52100 硬度:180HV30 表面粗さ:0.1μmRa以下 荷重:2N 試験温度:60℃,ストローク:1.0mm,振動数:
50Hz,時間:75分 表2の結果から明らかなように、本発明に係る低硫黄軽
油である実施例1〜6の低硫黄軽油は、WSDの値が小
さく、従ってポンプ内部が焼き付く心配がない。これに
対して、硫黄含有量が0.05質量%以下であっても、
アルカリ抽出分が0.005質量%に満たない軽油(比
較例1および2)では、WSDの値が大きくポンプ内部
が焼き付く恐れがある。
グラム用カラムの概略図。
す工程図。
上げ工程を付加した工程図。
を示す工程図。
の一例を示す工程図。
Claims (4)
- 【請求項1】 酸化処理を受けた軽油留分からなり、硫
黄含有量が0.05質量%以下、アルカリ抽出分含有量
が0.005〜1質量%の範囲にあることを特徴とする
低硫黄軽油。 - 【請求項2】 硫黄含有量が0.05質量%以下である
水素化処理軽油を酸化処理することを特徴とする請求項
1記載の低硫黄軽油の製造方法。 - 【請求項3】 酸化処理を受けた軽油留分と酸化処理を
受けていない軽油留分との混合物からなり、しかも硫黄
含有量が0.05質量%以下、アルカリ抽出分含有量が
0.005〜1質量%の範囲にあることを特徴とする低
硫黄軽油。 - 【請求項4】 硫黄含有量が0.05質量%以下である
水素化処理軽油に、酸化処理を受けた軽油留分を配合す
ることを特徴とする請求項3記載の低硫黄軽油の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11578996A JP3795574B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 低硫黄軽油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11578996A JP3795574B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 低硫黄軽油 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279165A true JPH09279165A (ja) | 1997-10-28 |
JP3795574B2 JP3795574B2 (ja) | 2006-07-12 |
Family
ID=14671116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11578996A Expired - Lifetime JP3795574B2 (ja) | 1996-04-12 | 1996-04-12 | 低硫黄軽油 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014506939A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-20 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | 芳香族希薄画分の穏やかな水素化処理及び芳香族濃厚画分の酸化を含む脱硫及び脱窒統合プロセス |
JP2014507493A (ja) * | 2010-12-14 | 2014-03-27 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | 穏やかな水素化処理及び、芳香族濃厚水素化処理産物の酸化を含む、統合された脱硫及び脱窒プロセス |
-
1996
- 1996-04-12 JP JP11578996A patent/JP3795574B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014507493A (ja) * | 2010-12-14 | 2014-03-27 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | 穏やかな水素化処理及び、芳香族濃厚水素化処理産物の酸化を含む、統合された脱硫及び脱窒プロセス |
JP2014506939A (ja) * | 2010-12-15 | 2014-03-20 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | 芳香族希薄画分の穏やかな水素化処理及び芳香族濃厚画分の酸化を含む脱硫及び脱窒統合プロセス |
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