JPH09279157A - プラスチックの油化方法および装置 - Google Patents

プラスチックの油化方法および装置

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JPH09279157A
JPH09279157A JP8095696A JP9569696A JPH09279157A JP H09279157 A JPH09279157 A JP H09279157A JP 8095696 A JP8095696 A JP 8095696A JP 9569696 A JP9569696 A JP 9569696A JP H09279157 A JPH09279157 A JP H09279157A
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thermal decomposition
catalyst
plastic
polyolefin
polystyrene
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JP8095696A
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Hajime Oyoshi
初 大吉
Kenji Shimamoto
健治 島本
Yoshihisa Kiso
佳久 木曽
Takashi Yamanaka
隆志 山中
Shigeru Isayama
滋 諌山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合プラスチック、特にポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィンと、ポリスチレン、含窒
素プラスチック等の他のプラスチックとの混合プラスチ
ックの熱分解における触媒の活性低下を防止して、効率
よく油化を行うことのできるプラスチックの油化方法、
およびそのための装置を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィンとポリスチレンおよび/
または含窒素プラスチックとを含む混合プラスチックを
第1の熱分解装置2aに導入して熱処理し、ポリスチレ
ンおよび/または含窒素プラスチックをガス化してガス
分離装置4でガス成分を分離し、ガス成分を分離した溶
融物に触媒供給装置5から触媒を加えて、第2の熱分装
置2bで熱分解して油化するプラスチックの油化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフィンと他
のプラスチックとの混合プラスチックを加熱分解して油
化し、油状物を得る方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを熱分解して油化する方法
として、シリカ−アルミナ等の固体酸を触媒として用い
る方法が知られている。この方法ではポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンを単独で処理する場合
は触媒活性の低下はあまりないが、ポリスチレン、含窒
素プラスチック等の他のプラスチックとポリオレフィン
との混合プラスチックを処理すると触媒の活性が低下
し、効率よく油化を行うことができない。
【0003】特開昭49−20284号には、触媒に鹿
沼土を用いて、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロ
ピレンおよび塩化ビニルの割合が3/3/2/2である
混合プラスチックの油化を行うと、ポリエチレン、ポリ
プロピレン単独の油化の場合に比べて触媒の活性が低下
することが示されている。活性の低下した触媒は、この
表面にカーボンが付着しており、この劣化触媒を600
℃で焼成して再生する方法が示されている。
【0004】一方、特開平6−220458号には、ポ
リスチレンについて油化を行う際、溶融物を熱分解し
て、ガス成分を分離除去した後、油状物を加熱炉でガス
化して触媒と接触させて軽質化する方法が示されてい
る。この方法では最初の熱分解で生成する軽質のガス成
分を除去することにより、このガス成分が触媒によりさ
らに軽質の成分に分解されて、油状物の生成量が低下す
るのを防止している。このため、混合プラスチックの油
化における触媒の活性低下については何ら考慮されてい
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は混合プ
ラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィンと、ポリスチレン、含窒素プラスチック等
のプラスチックとの混合プラスチックの熱分解における
触媒の活性低下を防止して、効率よく油化を行うことの
できるプラスチックの油化方法、およびそのための装置
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次のプラスチッ
クの油化方法および装置である。 (1) ポリオレフィンと、ポリスチレンおよび/また
は含窒素プラスチックとを含む混合プラスチックを熱処
理し、ポリスチレンおよび/または含窒素プラスチック
をガス化する第1の熱分解工程と、第1の熱分解工程で
生成するガス成分を分離するガス分離工程と、ガス成分
を分離した溶融物を触媒の存在下に熱分解して油化する
第2の熱分解工程とを含むプラスチックの油化方法。 (2) 第1の熱分解工程は250〜500℃で熱分解
を行う上記(1)記載の方法。 (3) 第2の熱分解工程は350〜550℃で熱分解
を行う上記(1)または(2)記載の方法。 (4) 触媒は固体酸触媒である上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の方法。 (5) 触媒がシリカ−アルミナ系の固体酸触媒である
上記(4)記載の方法。 (6) ポリオレフィンと、ポリスチレンおよび/また
は含窒素プラスチックとを含む混合プラスチックを熱処
理し、ポリスチレンおよび/または含窒素プラスチック
をガス化する第1の熱分解装置と、第1の熱分解装置で
生成するガス成分を分離するガス分離装置と、ガス成分
を分離した溶融物を触媒の存在下に熱分解して油化する
第2の熱分解装置とを含むプラスチックの油化装置。 (7) 第1の熱分解装置は250〜500℃に維持す
る加熱装置を含む上記(6)記載の装置。 (8) 第2の熱分解装置は350〜550℃に維持す
る加熱装置を含む上記(6)または(7)記載の装置。 (9) 第2の熱分解装置に触媒を導入する触媒導入装
置を含む上記(6)ないし(8)のいずれかに記載の装
置。 (10) 第1および第2の熱分解装置がスクリュ搬送式
反応装置からなる上記(6)ないし(9)のいずれかに
記載の装置。
【0007】本発明において熱分解の対象となる混合プ
ラスチックは、ポリオレフィンと、ポリスチレンおよび
/または含窒素プラスチック(以下、PS/Nプラスチ
ックという)とを含む混合プラスチックであり、ポリ塩
化ビニル、ポリエステルなどの他のプラスチックをさら
に含んでいてもよい。
【0008】ポリオレフィンはエチレン、プロピレン、
ブテン等の炭素数2〜30のα−オレフィンの単独もし
くは共重合体、またはこれらのα−オレフィンを主体と
する他のモノマーとの共重合体であるが、特にポリエチ
レン、ポリプロピレンが対象として優れている。このポ
リオレフィンには、いわゆる樹脂に分類されるものの他
に、ワックスのように低分子のもの、ならびにゴムのよ
うにエラストマー状のものなどを含む。
【0009】含窒素プラスチックは構造中に窒素を含む
樹脂であり、ポリアミド(ナイロン)、AS樹脂、AB
S樹脂、ポリウレタンなどがあげられる。PS/Nプラ
スチックはポリスチレンおよびこれらの含窒素プラスチ
ックの1種以上を含むものである。これらのPS/Nプ
ラスチックはポリオレフィンよりも熱分解性が高く、そ
の生成物は熱分解触媒、特に固体酸触媒の活性を低下さ
せる作用を有する。ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレ
フタレート等の他の樹脂は触媒の活性に影響しないの
で、含まれていてもよい。
【0010】一般に、都市ごみ、産業排棄物に含まれる
排プラスチックは各種のプラスチックが混合された状態
で排出されるが、このような混合プラスチックは予め選
別してもよく、選別しないでそのまま油化を行ってもよ
い。本発明の油化方法の対象とする混合プラスチックに
おけるポリオレフィンと他のプラスチックとの割合は特
に制限されないが、ポリオレフィンが30〜99重量
%、好ましくは50〜95重量%、PS/Nプラスチッ
クが70〜1重量%、好ましくは50〜5重量%含むも
のが対象として好ましい。
【0011】本発明の第2の熱分解工程において用いら
れる触媒は、加熱状態でポリオレフィンの軽質化(低分
子化)を促進する作用を有するものであればよい。該触
媒としては酸性または塩基性の無機物、ならびに150
〜600℃の温度範囲および大気圧でラジカル(遊離
基)を発生して分解炉内の合成重合体の分解を促進する
ものが使用できる。プラスチックの分解触媒の具体例と
しては、無機の酸性化合物(酸性無機化合物)、無機の
塩基性化合物(塩基性無機化合物)、ラジカル発生が可
能な有機化合物および金属化合物が挙げられる。
【0012】《酸性無機化合物》酸性無機化合物の触媒
例としては、下記のものを例示できる: ◆結晶性シリカ−アルミナ、無定型シリカ−アルミナ、
酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化珪素(シリカ); ◆シリカ−マグネシア、酸化亜鉛、ボーキサイト; ◆天然土(酸性白土、活性白土、鹿沼土軽石、今市軽
石、七本桜軽石、赤玉土、火山灰、真岡軽石、楡木軽
石); ◆ポリリン酸、HF(フッ化水素)、HClまたはAl
Cl3(塩化アルミニウム) 等を挙げることができる。
【0013】《塩基性無機化合物》塩基性無機化合物の
触媒例としては、下記のものが例示できる: ◆アルカリ金属酸化物、例えばK2O、Na2O等; ◆アルカリ土類金属の酸化物、例えばCaO(酸化カル
シウム)、MgO(マグネシア)、BaO等; ◆アルカリ金属水酸化物、例えばKOHおよびNaOH
等を挙げることができる。
【0014】《ラジカル発生可能な有機化合物》ラジカ
ルを発生させ得る有機化合物の触媒例としては、下記の
ものを例示できる: ◆硫黄含有化合物:メルカプタン系、チオエーテル系、
チオ尿素系、チアゾール系等; ◆窒素含有化合物:N-アリール-N-アルキルグアニジ
ン、N,N-ジアリールグアニジン等; ◆炭化水素化合物:2,3-ジフェニルブタン、2,3-ジトリ
ルブタン、2,2-ジキシリルブタン、2,3-ジメチル-2,3-
ジフェニルブタン(商品名:ノフマーBC等)、2,3-ジ
メチル-2,3-ジトリルブタン、2,3-ジエチル-2,3-ジフェ
ニルブタン(3,4-ジメチル-3,4-ジフェニルヘキサン)
等; ◆有機過酸化物:ジ-t-ブチルパーオキシド、ビス(t-
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビス(t-ブチルパーオキ
シ)ヘキセン、ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン、
2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ベンゼン等。
【0015】《金属化合物》本発明の分解装置に装入さ
れる金属化合物触媒としては下記のものを例示できる: ◆重金属酸化物、例えば酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化モリブデン等; ◆重金属塩化物、例えば塩化鉄、塩化銅、塩化ニッケ
ル、塩化モリブデン等; ◆有機金属化合物の重金属塩または錯塩、例えば酢酸
鉄、酢酸銅、酢酸ニッケル、酢酸モリブデン、鉄アセチ
ルアセトナート、銅アセチルアセトナート等。
【0016】本発明では上記した触媒の中では、シリカ
−アルミナ系の固体酸触媒が好ましい。該触媒はシリカ
−アルミナを主体とする触媒であって、具体的には結晶
性シリカ−アルミナ(ゼオライト)、非晶質または低結
晶性の合成シリカ−アルミナ、アロファン等の非晶質の
鉱物、脱アルミニウムしたY型ゼオライトなどを例示で
きる。これらの中では非晶質の合成シリカ−アルミナが
好ましい。
【0017】上記のアロファン(allophaneま
たはallophan)は「アロフェン」とも表記さ
れ、アルミニウムの含水ケイ酸塩鉱物であり、組成式p
SiO 2・qAl23・rH2O(p:q=1〜2:1)
で表される非晶質ないし潜晶質の化合物である。このア
ロファンは火山灰起源の土壌中に含まれており、無定形
のものでも、中空球状のものでも使用可能である。この
ようなアロファンの具体的なものとしては、鹿沼土、今
市軽石、石城川軽石、飯能軽石、早来軽石、七戸軽石、
真岡軽石、飯島味噌土、大谷粘土などがあげられる。ま
たセカード(品川化成社製のアロファン、商標)などの
市販品も使用可能であり、これらのアロファンは安価に
入手できる。
【0018】触媒の使用量はその種類によって異なる
が、一般的にはポリオレフィンに対して0.01〜20
重量%、好ましくは0.1〜10重量%が適当である。
【0019】本発明の第1の熱分解装置は、第1の熱分
解工程として、ポリオレフィンとPS/Nプラスチック
とを含む混合プラスチックを加熱溶融させて熱処理し、
ポリスチレンおよび/または含窒素プラスチックの少な
くとも一部をガス化するように構成される。第1の熱分
解工程は触媒の不存在下に加熱が行われる。第1の熱分
解工程における加熱温度は250〜500℃、好ましく
は350〜450℃、反応時間は0.01〜3時間、好
ましくは0.1〜1時間が適当である。
【0020】上記の加熱温度および反応時間は、混合プ
ラスチックを溶融させ、溶融物中のPS/Nプラスチッ
クの少なくとも一部がガス化し、溶融樹脂中のPS/N
プラスチックの含量が20重量%以下、好ましくは10
重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下となるよう
に選択するのが好ましい。この場合ポリオレフィンもガ
ス化してもよいが、ガス化するポリオレフィンはポリオ
レフィン全体の30重量%以下、好ましくは15重量%
以下となるように上記温度および時間を選択するのが好
適である。
【0021】ガス分離装置はガス分離工程として、第1
の熱分解工程で生成するガス成分を溶融樹脂から分離除
去するように構成される。溶融樹脂からガス成分を分離
するためには、第1の熱分解装置から第2の熱分解装置
に至る過程で、溶融樹脂からガス成分を離脱させ、系外
に排出するように構成される。ガス成分の分離除去によ
り、ポリオレフィンを主体とし、かつ触媒毒となる成分
の少ない溶融樹脂が得られる。
【0022】第2の熱分解装置は第2の熱分解工程とし
て、ガスを分離した溶融物を触媒の存在下に熱分解し、
ポリオレフィンを油化するように構成される。触媒はガ
ス分離装置から第2の熱分解装置に至る過程で、溶融樹
脂に混合するのが好ましい。第2の熱分解装置では溶融
樹脂と触媒を混合した状態で加熱状態に維持することに
より、熱分解を行う。
【0023】第2の熱分解装置における加熱温度は35
0〜550℃、好ましくは380〜500℃、反応時間
は0.01〜5時間、好ましくは0.1〜2時間とする
のが適当である。上記加熱温度および反応時間は、ポリ
オレフィンが常温で液状を維持する程度の分子量となる
ように選択する。ポリオレフィンが一部ガス化してもよ
いが、ガス化するポリオレフィンはポリオレフィン全体
の30重量%以下、好ましくは15重量%以下となるよ
うに上記温度および時間を選択するのが好適である。
【0024】上記第1および第2の熱分解装置はバッチ
式に構成してもよいが、連続式に構成するのが好まし
い。連続式の場合は加熱装置を有するパイプ式の反応装
置のように溶融物がラインフロー式に移動するものが好
ましい。特にスクリュウ式押出機のように搬送スクリュ
ウにより強制的に溶融物を攪拌しながら移動させて熱分
解を行うスクリュウ搬送式反応装置が好ましい。この場
合加熱温度は溶融物の流れ方向に沿って上向に傾斜させ
てもよいが、全体をほぼ均一の温度に維持するように構
成するのが好ましい。連続式の場合の反応時間は滞留時
間として規定される。
【0025】本発明のプラスチック油化装置による油化
方法は、第1の熱分解装置において混合プラスチックを
加熱溶融して熱処理することにより、PS/Nプラスチ
ックが熱分解してガス化する。PS/Nプラスチックよ
り安定なポリオレフィンは一部軽質化するが、ほとんど
ガス化しない状態を維持することができる。
【0026】ガス分離装置において、ガス成分を分離す
ると、溶融物中のPS/Nプラスチックに由来する触媒
毒となる成分が除去される。そこで残留する溶融物に触
媒を混合して第2の熱分解装置でこの溶融物の熱分解を
行うと、ポリオレフィンが熱分解により軽質化(低分子
化)し、油状物が得られる。この場合、PS/Nプラス
チックに由来する触媒毒となる成分が除去されているた
め、触媒は活性が低下することなく、高活性の状態を維
持し、効率よく熱分解を行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は実施形態の油化装置を示す垂直断面
図である。
【0028】図1において1は油化装置であって、スク
リュウ搬送式反応装置からなる第1の熱分解装置2aお
よび第2の熱分解装置2bがそれぞれ傾斜して設置され
ている。第1および第2の熱分解装置2a、2bの終端
側にはそれぞれガス分離装置3a、3bが設けられてお
り、第1の熱分解装置2aの終端側と第2の熱分解装置
2bの始端側を連絡する連絡路4には触媒供給装置5お
よびサンプリング装置6が設けられている。第2の熱分
解装置2bの終端側には残渣排出路7が設けられてい
る。
【0029】第1および第2の熱分解装置2a、2b
は、それぞれスクリュウ8a、8bを内蔵する円筒状の
反応路9a、9bの外周部に、ヒータ11a、11bが
流れ方向に複数個に分割されて配置されている。連絡路
4には温度検出器12が設けられている。スクリュウ8
a、8bはモータ13a、13bにより駆動される。
【0030】第1の熱分解装置2aの導入部14には、
ホッパー15を有する溶融供給装置16から溶融原料供
給路17が連絡している。第1および第2のガス分離装
置3a、3bは、それぞれガス成分取出路18a、18
bを介して、油状物取出路21a、21b、ガス取出路
22a、22b、冷却媒体供給路23a、23bおよび
冷却媒体排出路24a、24bを有する冷却分離装置2
5a、25bに連絡している。
【0031】触媒供給装置5はバルブ26を有する触媒
供給路27が連絡路4に触媒を供給するように構成され
ている。サンプリング装置6はバルブ28を有する溶融
物取出路29が分析装置31に連絡しており、サンプリ
ングした溶融物の成分を分析し、分析結果を制御装置3
2に入力するように構成されている。制御装置32は分
析結果により、溶融物中のPS/Nプラスチック由来成
分が所定濃度以下となるようにヒータ11aの加熱温度
またはモータ13aの回転数を制御するように構成され
ている。
【0032】上記の油化装置による混合プラスチックの
油化方法は、まず原料となる混合プラスチックをホッパ
ー15から溶融供給装置16に導入して溶融し、溶融物
を溶融原料供給路17から第1の熱分解装置2aの導入
部14を通して反応路9aに導入する。
【0033】第1よび第2の熱分解装置2a、2bでは
ヒータ11a、11bで加熱し、モータ13a、13b
によりスクリュウ8a、8bを回転させて、溶融物を反
応路9a、9bを通して移動させながら熱分解を行うと
ともに、反応路9a、9bの内壁に付着する付着物を掻
取って移動させる。
【0034】第1の熱分解装置2aでは触媒が存在しな
いため、ポリオレフィンは比較的安定して溶融状態を保
つが、PS/Nプラスチックは熱分解してガス化する。
ガス成分は反応路9aが傾斜しているため、上昇してガ
ス分離装置3aにおいて分離する。溶融物に含まれるガ
ス成分も第1の熱分解装置2aの終端部で気相と接触す
るため、この部分で気相中に移行してガス成分取出路1
8aに取出される。
【0035】ガス成分を分離した溶融物は連絡路4に入
り、その一部がサンプリング装置6によりサンプリング
されて、分析装置31で分析され、分析結果が制御装置
32に入力され、溶融物中のPS/Nプラスチック由来
成分が所定濃度以下となるようにヒータ11aの加熱温
度またはモータ13aの回転数を制御する。
【0036】一方、触媒供給装置5から触媒を供給し
て、連絡路4内を移動する溶融物と混合し、その混合物
を第2の熱分解装置2bに導入して熱分解を行う。第2
の熱分解装置2bにおいては、第1の熱分解装置2aと
同様にして熱分解が行われるが、ここでは触媒の作用に
よりポリオレフィンが熱分解により軽質化し、油化と一
部ガス化する。ガス化したガス成分はガス分離装置3b
から取出され、熱分解しなかった残渣は残渣排出路7か
ら排出される。
【0037】第1および第2の熱分解装置2a、2bで
ガス化し、ガス分離装置3a、3bで分離されるガス成
分は、ガス成分取出路18a、18bから冷却分離装置
25a、25bに取出され、ここで冷却媒体供給路23
a、23bから導入される冷却水等の冷却媒体により冷
却される。これにより比較的分子量の大きい成分は液化
して、油状物として油状物取出路21a、21bから取
出され、比較的分子量の小さい成分はガスとしてガス取
出路22a、22bから取出される。
【0038】これらの油状物およびガスはその成分に応
じて燃料原料、その他の用途に使用されるが、用途によ
っては油状物同士、またはガス同士を混合して用いるこ
ともできる。混合して用いる系では冷却分離装置25
a、25bは1個のものを用いることができる。
【0039】このように第1の熱分解装置2aにおい
て、触媒の不存在下に混合プラスチックを熱分解するこ
とにより、分解性の高いPS/Nプラスチックをガス化
して分離することができ、これにより第2の熱分解装置
2bにおける触媒毒となる成分を除去することができ
る。このため第2の熱分解装置2bでは触媒活性を高く
維持して処理効率を高めることができ、これにより少な
い触媒量で効率よくポリオレフィンの油化を行うことが
できる。
【0040】またパイプ状の反応装置を用いて溶融物を
ラインフロー状に移動させて反応させることにより、連
続的な熱分解を行うことができるが、反応路9a、9b
に搬送用のスクリュウ8a、8bを設けることにより攪
拌しながら反応させて移送を行うことができるととも
に、内壁への付着物の掻取も可能である。
【0041】連絡路4における溶融物中のPS/Nプラ
スチックの含有量を所定値以下に制御するためには、溶
融物の分析によって行われているが、ガス成分の分析に
よって行ってもよく、また温度検出器12の検出値を所
定値に維持することによって行ってもよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0043】実施例1 ポリエチレン9.0g、ポリスチレン1.0gの混合プ
ラスチックを、第1の熱分解工程として触媒不存在下に
430℃に加熱溶融して熱分解し、24分間でガス化し
たガス成分を冷却して、初留2mlを留去した。その後
第2の熱分解工程としてアロファン(鹿沼土)を1.0
g添加して、430℃で熱分解し、ガス成分を冷却して
26分間で6mlの油状物を得た。第2の熱分解工程に
おける平均留出速度は0.23ml/minであった。
【0044】比較例1 実施例1において、第2の熱分解工程としてアロファン
を添加しないで熱分解を行った結果、6mlの油状物を
留出するのに要した時間は124分であった。第2の熱
分解工程における平均留出速度は0.048ml/mi
nであった。
【0045】比較例2 実施例1において、第1の熱分解工程でアロファンを
1.0g添加して熱分解したところ、5分後に2ml留
出したが、その後そのまま第2の熱分解工程として加熱
を続けたところ、第2の熱分解工程で6ml留出するの
に50分間を要した。第2の熱分解工程における平均留
出速度は0.12ml/minであった。
【0046】以上の結果より、第1の熱分解工程で触媒
の不存在下において生成するガス成分を分離することに
より、触媒毒となる成分が除去され、第2の熱分解工程
における触媒活性を高く維持して効率よく油状化が行わ
れることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明のプラスチックの油化方法および
装置によれば、混合プラスチックを熱分解する際、PS
/Nプラスチックをガス化して分離したのち、触媒の存
在下にポリオレフィンを熱分解するため、触媒活性の低
下を防止して効率よく混合プラスチックの油化を行うこ
とができる。
【0048】油化装置としてスクリュウ搬送式の反応装
置を用いることにより溶融物を攪拌しながら反応させて
移送することができ、これにより連続的に熱分解を行う
ことができるとともに、付着物の掻取も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のプラスチックの油化装置の垂直断面
図である。
【符号の説明】
1 油化装置 2a 第1の熱分解装置 2b 第2の熱分解装置 3a、3b ガス分離装置 4 連絡路 5 触媒供給装置 6 サンプリング装置 7 残渣排出路 8a、8b スクリュウ 9a、9b 反応路 11a、11b ヒータ 12 温度検出器 13a、13b モータ 14 導入部 15 ホッパー 16 溶融供給装置 17 溶融原料供給路 18a、18b ガス成分取出路 21a、21b 油状物取出路 22a、22b ガス取出路 23a、23b 冷却媒体供給路 24a、24b 冷却媒体排出路 25a、25b 冷却分離装置 26、28 バルブ 27 触媒供給路 29 溶融物取出路 31 分析装置 32 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 隆志 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 諌山 滋 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィンと、ポリスチレンおよび
    /または含窒素プラスチックとを含む混合プラスチック
    を熱処理し、ポリスチレンおよび/または含窒素プラス
    チックをガス化する第1の熱分解工程と、 第1の熱分解工程で生成するガス成分を分離するガス分
    離工程と、 ガス成分を分離した溶融物を触媒の存在下に熱分解して
    油化する第2の熱分解工程とを含むプラスチックの油化
    方法。
  2. 【請求項2】 第1の熱分解工程は250〜500℃で
    熱分解を行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第2の熱分解工程は350〜550℃で
    熱分解を行う請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 触媒は固体酸触媒である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 触媒がシリカ−アルミナ系の固体酸触媒
    である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィンと、ポリスチレンおよび
    /または含窒素プラスチックとを含む混合プラスチック
    を熱処理し、ポリスチレンおよび/または含窒素プラス
    チックをガス化する第1の熱分解装置と、 第1の熱分解装置で生成するガス成分を分離するガス分
    離装置と、 ガス成分を分離した溶融物を触媒の存在下に熱分解して
    油化する第2の熱分解装置とを含むプラスチックの油化
    装置。
  7. 【請求項7】 第1の熱分解装置は250〜500℃に
    維持する加熱装置を含む請求項6記載の装置。
  8. 【請求項8】 第2の熱分解装置は350〜550℃に
    維持する加熱装置を含む請求項6または7記載の装置。
  9. 【請求項9】 第2の熱分解装置に触媒を導入する触媒
    導入装置を含む請求項6ないし8のいずれかに記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 第1および第2の熱分解装置がスクリ
    ュウ搬送式反応装置からなる請求項6ないし9のいずれ
    かに記載の装置。
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