JPH05287281A - 廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法および装置 - Google Patents

廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法および装置

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JPH05287281A
JPH05287281A JP18255892A JP18255892A JPH05287281A JP H05287281 A JPH05287281 A JP H05287281A JP 18255892 A JP18255892 A JP 18255892A JP 18255892 A JP18255892 A JP 18255892A JP H05287281 A JPH05287281 A JP H05287281A
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plastic material
waste plastic
waste
thermal decomposition
low boiling
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JP18255892A
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Toshitaka Takahashi
敏貴 高橋
Yoshio Tanimoto
義雄 谷本
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Mazda Motor Corp
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
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    • C10G1/00Production of liquid hydrocarbon mixtures from oil-shale, oil-sand, or non-melting solid carbonaceous or similar materials, e.g. wood, coal
    • C10G1/10Production of liquid hydrocarbon mixtures from oil-shale, oil-sand, or non-melting solid carbonaceous or similar materials, e.g. wood, coal from rubber or rubber waste
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃プラスチック材等の中に塩素系のプラスチ
ックや合成ゴムが存在していても、充分に対応して廃プ
ラスチック材等から低沸点炭化水素油を製造できるよう
にする。 【構成】 廃プラスチック材等Pを熱分解することによ
って得られる蒸気状生成物Vを、塩酸を分解活性助剤と
する固体酸触媒を充填した触媒層22a中に導入し、上
記蒸気状生成物と上記固体酸触媒とを接触させることに
よって蒸気状生成物Vを分解させ、低沸点炭化水素油を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃プラスチック材また
は廃ゴム材の熱分解に関するものであり、更に詳しくは
廃プラスチック材または廃ゴム材を熱分解して低沸点炭
化水素油を製造する方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】合成プラスチックや合成ゴムが世に出て
久しく、現今はあらゆる分野で使用されており、現代生
活はもはやこれらのプラスチック等がない状態では成立
し得ない状況にまで至っている。従って、その生産およ
び消費も著しく、日々莫大な量のプラスチックの廃棄物
が発生している。
【0003】ところで、上記のような合成プラスチック
等は、天然には存在しなかったものを、人工的に作り出
したものであるため、ただ単に自然界に放置しただけで
は分解消滅するものではなく、ほとんどのものが原形を
留めた状態で廃棄物となる。このため、プラスチック等
の廃棄物の問題が地球環境の問題にまで発展し、各国、
特に先進国では、その対策に苦慮しているのが実情であ
る。
【0004】しかし、このやっかいなプラスチック等の
廃棄物であっても、元をただせばその原料は石油である
から、適切な処理を行えば石油と同等の低沸点炭化水素
油が得られるのではないかとの考えの基に、不要となっ
たプラスチックを、廃棄物として取り扱うのではなく、
貴重な原料として位置付ける気運が醸成されつつある。
【0005】このような中にあって、その量が圧倒的に
多いポリオレフィン系のプラスチック廃棄物に関し、注
目すべきものとして特開昭63−178195号公報に
よって開示された方法を挙げることができる。このポリ
オレフィン系プラスチックから低沸点炭化水素油を製造
する方法は、上記プラスチックを溶融液相で熱分解さ
せ、発生した蒸気状生成物を特定の性能を有するゼオラ
イト充填層中において接触転化させるものであり、この
方法によれば、従来熱分解時に生成されるあまり有用で
ないワックス成分が激減し、常温で液状の有用な低沸点
炭化水素油を極めて良好な収率で得ることができると記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その量
が多いとはいいながら、ポリオレフィン系のものがプラ
スチック等の全てではなく、通常各種のプラスチック等
が混在した状態で廃棄物として存在するため、このよう
な混在した状態からポリオレフィン系のものを選別する
のは至難の技である。従って、通常廃棄物の中にポリオ
レフィン系以外のプラスチック等が混入している状態で
廃材として処理される。
【0007】ところが、このようなプラスチック等の廃
材の中には、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンのよ
うな塩素系のプラスチックが混入していることが多い。
塩素系プラスチックや塩素系ゴムを熱分解すると、大量
の塩素ガスや塩酸などの塩素化合物が発生する。これら
塩素ガスや塩素系化合物は、極めて高い反応性を有して
いるため、毒性および腐食性に富み、処理装置類を侵食
すると共に、触媒として使用されているゼオライトを侵
して触媒機能を低下させるという不都合があった。
【0008】このため、塩素系プラスチックやゴムを含
むプラスチック等の廃棄物は上記特開昭63−1781
95号公報によって開示された製造方法の原料廃材とし
ては適用することができず、結局この点で上記公報に開
示された方法は実用化することができないという問題点
を有していた。
【0009】本発明は、従来の上記のような問題点を解
消するためになされたものであり、廃材の中に塩素系の
プラスチック材やゴム材が存在していても、充分に対応
することができる廃プラスチック材または廃ゴム材から
低沸点炭化水素油を製造する方法および装置を提供する
ことを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油
を製造する方法は、廃プラスチック材または廃ゴム材を
加熱して熱分解させることにより蒸気状生成物を生成し
た後、この蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤とする
固体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記蒸気
状生成物を上記固体酸触媒に接触させることによって蒸
気状生成物をクラッキングさせ、低沸点炭化水素油を得
ることを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項2記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法
は、廃プラスチック材または廃ゴム材と、塩酸を分解活
性助剤とする固体酸触媒とを混合して両者の混合物を生
成し、この混合物を熱分解して混合物中の廃プラスチッ
ク材または廃ゴム材から蒸気状生成物を生成した後、こ
の蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤とする固体酸触
媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記蒸気状生成物
を上記固体酸触媒に接触させることによって蒸気状生成
物をクラッキングさせ、低沸点炭化水素油を得ることを
特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項3記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法
は、請求項1または2記載の方法において、塩化アルミ
ニウム、塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、ま
たはそれらを組み合わせてなる固体酸触媒を用いたこと
を特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項4記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法
は、請求項1記載の方法において、250℃乃至450
℃の範囲内の温度雰囲気下で上記熱分解を行うととも
に、同温度雰囲気下で上記蒸気状生成物と上記固体酸触
媒とを接触させるように構成されていることを特徴とす
るものである。
【0014】本発明の請求項5記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法
は、廃プラスチック材または廃ゴム材と、塩酸を分解活
性助剤とする固体酸触媒とを混合して両者の混合物を生
成し、この混合物を250℃乃至450℃の範囲内の温
度雰囲気下で熱分解して混合物中の廃プラスチック材ま
たは廃ゴム材から蒸気状生成物を生成した後、この蒸気
状生成物を、塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充
填した触媒充填層中に導入し、上記蒸気状生成物を12
0℃乃至250℃の範囲内の温度雰囲気下で上記固体酸
触媒に接触させることによって蒸気状生成物をクラッキ
ングさせ、低沸点炭化水素油を得ることを特徴とするも
のである。
【0015】本発明の請求項6記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法
は、請求項1記載の方法において、塩化アルミニウム、
塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、またはそれ
らを組み合わせてなる固体酸触媒を用い、かつ、250
℃乃至450℃の範囲内の温度雰囲気下で上記熱分解を
行うとともに、同温度雰囲気下で上記蒸気状生成物と上
記固体酸触媒とを接触させるように構成されていること
を特徴とするものである。
【0016】本発明の請求項7記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置
は、系内に廃プラスチック材または廃ゴム材からなる廃
プラスチック材等を導入する廃プラスチック材等導入手
段と、導入された廃プラスチック材等熱分解する熱分解
槽と、この熱分解槽から導出される蒸気状生成物を冷却
して分解油を凝縮させるとともに残余を分解ガスとする
冷却手段と、この冷却手段によって冷却された分解油と
分解ガスとを分離する気液分離装置群とからなる廃プラ
スチック材等の処理装置であって、上記熱分解槽の上流
側には熱分解域が形成され、上記熱分解槽の下流側には
塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充填した低沸点
炭化水素油を生成するための接触分解域が形成され、上
記熱分解槽は加熱炉から供給される加熱ガスによって加
熱され、上記加熱ガスは上記分解ガスが循環使用される
ように構成されていることを特徴とするものである。
【0017】本発明の請求項8記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置
は、請求項7記載の装置において、上記熱分解域の温度
および上記接触分解域の温度は250℃乃至450℃の
範囲内とされていることを特徴とするものである。
【0018】本発明の請求項9記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置
は、系内に廃プラスチック材または廃ゴム材からなる廃
プラスチック材等および上記固体酸触媒を導入する廃プ
ラスチック材等導入手段と、導入された廃プラスチック
材等を熱分解する熱分解槽と、この熱分解槽から導出さ
れる蒸気状生成物を冷却して分解油を凝縮させるととも
に残余を分解ガスとする冷却手段と、この冷却手段によ
って冷却された分解油と分解ガスとを分離する気液分離
装置群とからなる廃プラスチック材等の処理装置であっ
て、上記熱分解槽の上流側には250℃乃至450℃の
範囲内の温度雰囲気下で廃プラスチック材等を熱分解す
る熱分解域が形成され、上記熱分解槽の下流側には塩酸
を分解活性助剤とする固体酸触媒を充填した120℃乃
至250℃の範囲内の温度雰囲気下で低沸点炭化水素油
を生成するための接触分解域が形成され、上記熱分解槽
は加熱炉から供給される加熱ガスによって加熱され、上
記加熱ガスは上記分解ガスが循環使用されるように構成
されていることを特徴とするものである。
【0019】本発明の請求項10記載の廃プラスチック
材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置
は、上記請求項7、8または9記載の製造装置におい
て、上記熱分解槽の熱分解域および接触分解域の温度制
御を行う共通の温度制御装置が設けられていることを特
徴とするものである。
【0020】
【作用】上記請求項1記載の廃プラスチック材または廃
ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法は、廃プラ
スチック材を熱分解することによって得られる蒸気状生
成物を、塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充填し
た触媒充填層中に導入し、上記蒸気状生成物を上記固体
酸触媒に接触させることによってクラッキングし、低沸
点炭化水素油を得るようにしたものである。上記塩酸を
分解活性助剤とする固体酸触媒は、塩素ガスまたは塩素
化合物に対して極めて優れた耐被毒性および耐侵食性を
有し、しかも塩酸の存在下でプラスチックを対象にした
良好なクラッキング能が得られるため、塩素系のプラス
チックの熱分解によって生成する塩酸によって触媒層が
被毒することはなく、また、塩酸の存在によって廃プラ
スチック材のクラッキングが促進され、高収率で低沸点
炭化水素油を得ることができる。
【0021】上記請求項2記載の廃プラスチック材また
は廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法は、廃
プラスチック材または廃ゴム材と塩酸を分解活性助剤と
する固体酸触媒との混合物を熱分解して混合物中の廃プ
ラスチック材または廃ゴム材から蒸気状生成物を生成さ
せるように構成されているため、熱分解段階で上記廃プ
ラスチック材または廃ゴム材は上記固体酸触媒の作用に
よって一部クラッキングされた状態の蒸気生成物が生成
している。
【0022】そして、この蒸気状生成物を塩酸を分解活
性助剤とする固体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入
し、ある程度クラッキングが起こっている蒸気状生成物
を上記固体酸触媒に接触させるように構成されているた
め、この触媒充填層ではより良好にクラッキングが起こ
り、より望ましい収率で低沸点炭化水素油を得ることが
できる。
【0023】上記請求項3記載の廃プラスチック材また
は廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法によれ
ば、上記固体酸触媒は、触媒成分として塩化アルミニウ
ム、塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、または
それらを組み合わせたもの(塩化アルミニウム等)が用
いられているため、塩化アルミニウム等は塩酸を担持す
る触媒基体(基礎となる触媒成分)として優れており、
また、塩素系の廃プラスチック材または廃ゴム材から生
成する塩酸に被毒されない。
【0024】上記請求項4記載の廃プラスチック材また
は廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法によれ
ば、上記熱分解の温度および上記蒸気状生成物と上記固
体酸触媒とを接触させる温度が、250℃乃至450℃
の範囲内であるため、この温度範囲は廃プラスチック材
のクラッキングに関し触媒活性が最も活発な範囲に属し
ており、従って、より効果的に廃プラスチック材を熱分
解することができる。
【0025】上記請求項6記載の廃プラスチック材また
は廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法によれ
ば、上記固体酸触媒は触媒成分として塩化アルミニウ
ム、塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、または
それらを組み合わせたものが用いられ、かつ、上記熱分
解の温度および上記蒸気状生成物と上記固体酸触媒とを
接触させる温度が250℃乃至450℃の範囲内である
ように設定されるものであるため、上記請求項3記載の
発明と請求項4記載の発明との相乗効果によって、更に
効果的に廃プラスチック材の熱分解が行われ、高収率で
低沸点炭化水素油を得ることができる。
【0026】上記請求項7記載の廃プラスチック材また
は廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する製造装置に
よれば、この製造装置の熱分解槽の上流側には熱分解域
が形成され、上記熱分解槽の下流側には塩酸を分解活性
助剤とする固体酸触媒を充填した低沸点炭化水素油生成
用の接触分解域が形成されているため、同一の熱分解槽
に熱分解域と触媒による接触分解域が存在し、別個に設
けた場合よりも設備費用は廉価であり経済的である。そ
して、それら両域が近接していると共に、上記熱分解槽
の熱分解域と接触分解域とに同時に加熱炉から供給され
る加熱ガスによって加熱されるため、温度管理が容易で
ある。
【0027】また、上記加熱ガスは上記分解ガスが循環
使用されるように構成されているため、発生するガスに
ついては循環システムが完成しており、分解ガスが系外
に放出されることがない。
【0028】本発明の請求項8記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置に
よれば、上記熱分解域の温度および上記接触分解域の温
度は250℃乃至450℃の範囲内とされているため、
この温度範囲は廃プラスチック材のクラッキングに関し
触媒活性が最も活発な範囲に属しており、従って、より
効果的に廃プラスチック材を熱分解することができる。
【0029】本発明の請求項9記載の廃プラスチック材
または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置に
よれば、上記廃プラスチック材等には予め上記固体酸触
媒が添加され、上記熱分解域の温度は250℃乃至45
0℃の範囲内とされているため、上記熱分解域では上記
廃プラスチック材等は良好に熱分解されるとともに、発
生した蒸気状生成物の一部は上記固体酸触媒の作用によ
りこの段階でクラッキングされ、下流側の接触分解域の
触媒負荷を軽減させることができる。
【0030】その結果、上記接触分解域の温度は120
℃乃至250℃の範囲内とすることが可能であり、この
温度範囲では固体酸触媒の劣化は有効に抑止することが
できる。
【0031】上記請求項10記載の廃プラスチック材ま
たは廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する製造装置
によれば、上記熱分解槽の熱分解域および接触分解域の
温度制御を行う共通の温度制御装置が設けられているた
め、温度の検出端のみ各分解域に取り付け、共通の温度
制御装置で温度コントロールすれことができ、設備費の
低減に寄与すると共に、複数の制御装置を用いた場合に
問題になる制御装置間の器差が存在せず、より良好な温
度制御が実現する。
【0032】
【実施例】以下、本発明に係る廃プラスチック材または
廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法の実施例
について詳細に説明する。本発明の廃プラスチック材ま
たは廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法は、
基本的には廃プラスチック材または廃ゴム材(以下廃プ
ラスチック材等という)を熱分解することによって、こ
の廃プラスチック材等が合成されたときの出発原料に近
い生成物を得るようにするものである。
【0033】本発明で対象となる廃プラスチック材は、
特にその種類は限定されるものではなく、どのようなも
のでも原料として使用することができる。このようなプ
ラスチックを例示すれば、汎用プラスチックとしては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリ
ロニトリルブタジエンスチレン、ポリメチルメタクリレ
ートあるいはポリビニルアルコールなどが挙げられる。
また、高性能のエンジニアリングプラスチックとして
は、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリイミド、
ポリアミドイミドあるいはポリエーテルエーテルケトン
などを挙げることができる。
【0034】また、本発明で対象となる廃ゴム材につい
ても特にその種類は限定されるものではなく、スチレン
ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム、ブタジエンゴム、
イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプ
ロピレンジエンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴムあるいはウレタンゴ
ムなどの合成ゴムや、天然ゴムを挙げることができる。
【0035】そして本発明の最も特徴とするところは、
原料廃プラスチック材等として、塩素系のものをも使用
することができる点である。廃プラスチック材等として
使用可能な塩素系のプラスチックとしては、代表的なも
のとして、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどを
挙げることができ、塩素系のゴムとしてはクロロプレン
ゴムを挙げることができる。また特に、上記ポリ塩化ビ
ニルおよびポリ塩化ビニリデンを含む、ポリオレフィン
系の炭化水素、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミ
ドまたはそれらの共重合体や混合物が原料廃プラスチッ
ク材等として好適である。
【0036】ところで、本来的にプラスチックやゴム
は、炭化水素の重合物であることから、金属や無機物質
に比較して、耐熱性はあまり良好なものではなく、特殊
に加工された耐熱性のプラスチックであっても、せいぜ
い耐熱温度は300℃程度であり、それ以上の温度で
は、本来的に熱分解によってクラッキングを起し、分子
量の低い出発原料に近い物質に変化する。
【0037】従って、本実施例においては、この廃プラ
スチック材等の熱分解を250℃乃至450℃の温度範
囲で行うようにしている。この温度範囲に設定された廃
プラスチック材等は、その重合していた結合が分断さ
れ、分子量の小さい重合前の原料に類似した炭化水素化
合物に熱分解される。
【0038】通常上記の温度範囲においては、熱分解し
て生成した炭化水素は、ほとんどが気体状(蒸気状)に
なっている。そして、特に何らかの対策が講じられてい
ない場合は、気体状の炭化水素の成分上の変動(バラツ
キ)が大きく、炭素が析出してしまっている状態(いわ
ゆる、煤のような状態)のものから、粘性の極めて大き
い液状の微細な油滴までが含まれ、結局低沸点炭化水素
油として回収される分解油の収率は極めて劣悪な状態に
なる。
【0039】更に、廃プラスチック材等の中に塩素系の
プラスチックが含まれているような場合には、前述のよ
うに、熱分解によって塩素や塩酸が発生する。このまま
では前述のように、機器の腐食を促進したり、使用して
いる触媒を劣化させたりする不都合が発生する。
【0040】そこで、本実施例においては、上記温度範
囲で熱分解して生成した蒸気状生成物を、更に、塩酸を
分解活性助剤とする固体酸触媒を充填した触媒充填層中
に導入し、上記蒸気状生成物と上記固体酸触媒とを接触
させることによって蒸気状生成物を分解させることが行
われる。
【0041】上記固体酸触媒の基体としては、塩酸を添
加することによってブレンステッド酸として機能するル
イス酸を用いている。このようなルイス酸としては、三
塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化第二鉄(FeC
l3)、三塩化ガリウム(GaCl3)、五塩化アンチモン
(SbCl5)、四塩化ジルコニウム(ZrCl4)、四塩化
錫(SnCl4)が例示される。これらのうち特に三塩化
アルミニウム(AlCl3)が好適に用いられる。通常こ
のような固体酸触媒の基体は、含水塩の形で用いられる
ことが多いが、無水塩の状態で使用することもできる。
なお、無水塩で使用すると、加熱された状態で直接昇華
してしまい触媒ロスが助長される場合が多いが、含水塩
の場合は直接昇華することはなく、その分触媒ロスを少
なく抑えることが可能である。
【0042】このような固体酸触媒の基体は、それ自体
を廃プラスチック等と混合して使用する場合は微粉砕さ
れ、また、触媒層が形成されるような使い方をする場合
はそれと担体としての白土等との混合物が粉砕混練さ
れ、適宜のバインダーが少量加えられて任意の形状に加
圧成形された粒径0.1mm乃至10.0mmの粒状物
とされる。
【0043】このような粒状の触媒基体に活性助剤とし
ての働きをする塩酸が含浸されて塩酸を分解活性助剤と
する固体酸触媒となる。上記粒状の触媒基体に含浸され
る塩酸は、廃プラスチック材等の中に含まれている塩素
系プラスチックが熱分解して発生する塩素と、プラスチ
ック中または空気中の水分とが反応することによって生
成するものとが利用される。従って、本実施例において
は、本固体酸触媒を製造するために、別途塩酸を用意し
て触媒基体にそれを含浸させる操作を実施する必要はな
い。
【0044】すなわち、この粒状物を所定のカラムに充
填して触媒充填層を形成させ、この触媒充填層に前述の
塩素系のプラスチックを含む廃プラスチック材等が熱分
解して生成した蒸気状生成物を供給すると、この蒸気中
の塩酸が上記粒状の触媒基体に吸着含浸され、塩酸を分
解助剤とする固体酸触媒が生成する。
【0045】従って、以後上記蒸気状生成物は、塩酸を
分解助剤とする固体酸触媒触媒によって形成された触媒
充填層に接触してその触媒作用によって更に均質に分解
が促進され、好ましい収率で燃料油あるいはナフサ原料
が得られる。そして、この触媒充填層における処理温度
は、上記熱分解時の温度と同じ250℃乃至450℃と
される。
【0046】以下本発明の廃プラスチック材または廃ゴ
ム材から低沸点炭化水素油を製造する製造装置の第一実
施例について、図1を基に説明する。
【0047】図1は、本発明に係る製造装置の概略を例
示する第一実施例の系統図である。この図に示すよう
に、本実施例の製造装置は、原料廃プラスチック材等を
系内に導入する廃プラスチック材等導入手段1と、導入
された廃プラスチック材Pを熱分解する熱分解槽2と、
この熱分解槽2から導出される蒸気状生成物Vを冷却す
る冷却手段3と、蒸気状生成物Vがこの冷却手段によっ
て冷却された結果得られる分解油Lと分解ガスGとを分
離する気液分離装置群4と、熱分解槽2内に導入された
廃プラスチック材Pに熱源としての加熱ガスHを供給す
る加熱炉5とから構成されている。
【0048】そして、廃プラスチック材等導入手段1
は、予め所定の大きさに粉砕された廃プラスチック材等
を貯蔵する原料ホッパー11と、この原料ホッパー11
内の廃プラスチック材等Pを熱分解槽2に導入すスクリ
ューコンベヤ12とから構成されている。原料ホッパー
11の底部から払い出された廃プラスチック材等Pは、
スクリューコンベヤ12の回転によって運ばれ、熱分解
槽2の下部に導入される。
【0049】熱分解槽2は縦型の加熱容器であって、そ
の下部すなわち上流側には内部が空洞の熱分解域21が
形成され、その上部すなわち下流側には接触分解域22
が形成されている。上記接触分解域22には前記の塩酸
を分解活性助剤とする固体酸触媒Cが充填されている。
本実施例の場合は、触媒成分として塩化アルミニウム
(AlCl3)に所定量の塩酸が添加され、0.1mm乃
至10.0mmに成形造粒されたものが用いられてい
る。この接触分解域22に上記固体酸触媒Cが充填され
て触媒層22aが形成している。
【0050】この熱分解槽2への熱の供給は後述する加
熱炉5がつくる加熱ガスHによって行われる。熱分解域
21および接触分解域22の加熱温度は350℃乃至4
50℃の範囲内の所定温度とされ、圧力はほぼ常圧とさ
れている。
【0051】冷却手段3はいわゆる熱交換器であって、
熱分解槽2から導出された蒸気状生成物Vは、冷却水W
と熱交換されて冷却され、気液が混合した状態で次の気
液分離装置群4に導入される。
【0052】気液分離装置群4は、第一中和液槽41、
第二中和液槽42およびデカンター43から構成されて
いる。第一中和液槽41は、冷却手段3から送り込まれ
た気液混合状態の分解ガスGおよび分解油Lのうち、主
に分解油Lを中和するためのものである。中和剤として
は30%濃度のアンモニア水を使用している。分解油L
の中和反応を効率的に行うために第一中和液槽41には
撹拌羽根41aが設けられている。
【0053】第二中和液槽42は、第一中和液槽41か
ら導出された分解ガスGを中和するためのものである。
中和剤としては、第一中和液槽41の場合と同様に30
%濃度のアンモニア水が用いられている。そして、分解
ガスGはこのアンモニア水の中に放出され、泡状でアン
モニア水と接触して中和されるようになされている。こ
の第二中和液槽42にも撹拌羽根42aが設けられてい
る。
【0054】なお、本実施例においては、第一中和液槽
41および第二中和液槽42において、中和剤としてア
ンモニア水を用いたが、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウムあるいは炭酸水素ナトリウムを用いてもよい。
【0055】第二中和液槽42でアンモニア水と接触し
た分解ガスGは、ガス中に含まれている塩素成分が中和
処理され、塩素成分が除去された状態でブロワ61に吸
引され、引き続き後ホルダー6に導入、貯蔵されて後述
する加熱炉5の燃料として使用される。
【0056】デカンター43は、第一中和液槽41から
の中和処理が完了した分解油Lの油水分離を行う容器で
あり、このデカンター43に導入された分解油Lは静置
され、上清み部分のみが、製品としての分解油とされ、
燃料油またはナフサ原料としての低沸点炭化水素油とし
て出荷される。塩素系プラスチックが分解して生成した
塩素や塩酸などの塩素化合物は、第一中和液槽41およ
び第二中和液槽42において中和されて塩となり、別途
抜き出されて処理される。
【0057】加熱炉5は、熱分解槽2に熱源としての加
熱ガスHを供給する燃焼設備であり、燃料としては前述
のホルダー6内に貯蔵されている分解ガスGが用いられ
る。この分解ガスGに所定量の燃焼空気Aが混入されて
加熱炉5に供給され、その燃焼排ガスが上記加熱ガスH
として利用される。加熱炉5から導出された加熱ガスH
は、途中で二分され、一方は熱分解槽2の熱分解域21
に供給され、他方は触媒層22aが形成している接触分
解域22に供給される。同じ加熱ガスHが途中で二分さ
れて熱分解域21および接触分解域22に供給されるこ
とから、供給量の分配を適切に設定することにより、上
記両域21、22の温度を同じに制御することは容易で
ある。
【0058】熱分解槽2の温度制御は、系内に設けられ
た制御装置7によって行われている。すなわち、熱分解
槽2の熱分解域21および接触分解域22には第一温度
計71および第二温度計72が設けられており、これら
の温度計71、72が検出した温度信号は、逐一制御装
置7に入力されるように構成されている。
【0059】そして、この検出温度が予め設定された温
度と比較され、その比較結果に基づいて、制御装置7は
加熱炉5に加熱ガスHの量の増減を指示するいわゆるフ
ィードバック制御が採用されている。
【0060】本実施例は以上のように構成されているの
で、原料ホッパー11から切り出された所定粒度の原料
廃プラスチック材等Pは、スクリューコンベヤ12によ
って熱分解槽2の上流側の熱分解域21に供給され、加
熱炉5から供給される加熱ガスHによって所定温度に加
熱されてまず事前の熱分解が起る。
【0061】そして、この熱分解によって発生した第一
段階の蒸気状生成物は、気流となって上昇し熱分解槽2
の下流側(上部)の接触分解域22に到達し、この接触
分解域22に充填された触媒層22aの前記固定酸触媒
と接触して熱分解が促進され、第二段階の蒸気状生成物
Vとなって熱分解槽2から導出される。
【0062】そして、蒸気状生成物Vは冷却手段3にお
いて冷却水Wと熱交換して冷却され、蒸気状生成物V中
の分解油Lは凝縮し、残余は分解ガスGとなり、それら
気液が混合した状態でまづ気液分離装置群4の第一中和
液槽41に導入される。ここで分解油Lはアンモニア水
により中和された後、デカンター43に導出される。こ
のデカンター43で静置されて油水が分離され、上澄み
が製品燃料油または製品ナフサ原料として出荷される。
【0063】一方、第一中和液槽41で分離された分解
ガスGは、第二中和液槽42に導入され、アンモニア水
と気液接触させられてガス中の塩素成分が中和除去さ
れ、ブロワ61に吸引されて一旦ホルダー6に貯蔵され
る。そして、適宜加熱炉5に供給され、燃焼空気Aと共
に燃焼に供され、加熱ガスHがつくられる。
【0064】本実施例で使用した前記ルイス酸を触媒成
分とする固体酸触媒は、塩素および塩素化合物が存在す
る場合、従来のゼオライトを主体とした触媒では避ける
ことができなかった触媒機能の低下が起こらない他、塩
酸の存在下では上記蒸気状生成物の分解能が促進され、
結局安定的に高品質の燃料油やナフサ原料としての低沸
点炭化水素油を得ることができる。
【0065】また、上記熱分解槽の熱分解域および接触
分解域には、加熱炉5からの加熱ガスHを途中で二分し
た状態で供給されるように構成されているため、それら
の温度制御は共通の制御装置によって実行することがで
き好都合である。
【0066】図2は、本発明に係る廃プラスチック材ま
たは廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置の概
略を例示する第二実施例の系統図である。以下この図を
基に第二実施例について説明する。第二実施例の場合
は、同図に示すように原料ホッパー11内には、廃プラ
スチック材等Pの他に、粉末酸触媒C’が同時に混入さ
れ、両者が原料ホッパー11内で混合された混合物が生
成している。そして、上記混合物が下部のスクリューコ
ンベヤ12によって切り出され、熱分解層2の熱分解域
21に導入されるようになっている。
【0067】上記粉末酸触媒は、前記固体酸触媒と同じ
く三塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化第二鉄(FeC
l3)、三塩化ガリウム(GaCl3)、五塩化アンチモン
(SbCl5)、四塩化ジルコニウム(ZrCl4)あるいは
四塩化錫(SnCl4)などが用いられ、それの含水塩が
粉末になるように粉砕されたものである。
【0068】一方、加熱炉5としては、第一加熱炉51
と第二加熱炉52との二基が設けられている。上記第一
加熱炉51は熱分解域21加熱用の加熱ガスH1を生成
し、上記第二加熱炉52は接触分解域22加熱用の加熱
ガスH2を生成するためのものである。
【0069】従って、ホルダー6から導出された分解ガ
スGは、第一加熱炉51で燃焼され、その燃焼排ガスが
加熱ガスH1として熱分解槽2の熱分解域21に供給さ
れ、この加熱ガスH1はスクリューコンベヤ12から導
入された上記廃プラスチック材等Pと粉末酸触媒C’と
の混合物を加熱し熱分解する。他方、第二加熱炉52で
発生した加熱ガスH2は、熱分解槽2の接触分解域22
に供給され、上記熱分解域21で生成した蒸気状生成物
のクラッキング用熱源として用いられる。
【0070】そして、本実施例においては、熱分解域2
1の温度は250℃〜450℃の範囲内の温度に設定さ
れ、接触分解域22の温度は120℃〜250℃の範囲
内の温度に設定されている。従って、熱分解域21にお
いて比較的高温で熱分解して生成された分解物の一部は
粉末酸触媒の作用によって直ちにクラッキングされ、さ
らに接触分解域22では残余の分解物は触媒層22aに
充填された固体酸触媒に接触して比較的低温でクラッキ
ングされ、蒸気状生成物Vとなって熱分解槽2の頂部か
ら導出される。
【0071】上記熱分解域21および接触分解域22の
温度制御は制御装置7によって行われるようにしてあ
る。すなわち、熱分解槽2に設けられた温度計71、7
2によって検出された温度信号は制御装置7に入力さ
れ、ここで予め設定された温度との比較演算が実行さ
れ、この比較演算の結果に基づいて分解ガスの燃焼を適
切なものにするための指令信号が制御装置7からそれぞ
れ第一加熱炉51および第二加熱炉52に伝達されるよ
うに構成されている。以上のほかは第一実施例と全く同
じである。
【0072】この第二実施例においては、熱分解槽2に
は廃プラスチック材等Pに同伴させて粉末酸触媒C’を
導入するとともに、熱分解域21と接触分解域22とは
別々に温度制御可能に構成され、熱分解域21は比較的
高温に、接触分解域22は比較的低温に設定されている
ため、熱分解域21においても粉末酸触媒の作用によっ
てクラッキングが起こり、その結果接触分解域の温度を
それほど高温にしなくてもよく、充填された固体酸触媒
の劣化を遅らせることが可能であり、触媒の耐用期間延
長に寄与し好都合である。
【0073】(実験例1)上記第一実施例の製造設備に
対応するベンチスケールの実験装置を組立て、従来例と
の比較テストを実施した。
【0074】図3は上記実験装置の側面視の説明図であ
る。この図に示すように、この実験装置は、実施例の装
置に対し、相似的にスケールダウンしたものであるが、
熱分解槽2(ガラス管)の加熱は、加熱炉でつくる加熱
ガスを使用する代りに、電気ヒータ5’を用いている。
但し、実施例の装置となるだけ条件を同じにするため
に、熱分解槽2に窒素ガスを500ml/minの流量
で供給している。
【0075】ガラス管(熱分解槽2)の上流側は熱分解
域21とされ、下流側は接触分解域22とされている。
接触分解域22には上記実施例で詳述した固定酸触媒
(以下、AlCl3触媒という)が充填されて触媒層22a
が形成している。この熱分解槽2は、廃プラスチック材
等が装填される前に予め450℃±10℃に予熱されて
いる。
【0076】原料の廃プラスチック材等としては、ポリ
プロピレン製バンパーの廃棄物と、塩化ビニル製シート
表皮の廃棄物とを粉砕したものを用いた。ポリプロピレ
ン製バンパーの廃棄物5重量%と、塩化ビニル製シート
表皮の廃棄物1重量%とを混合し、磁性皿に充填して熱
分解槽2の熱分解域21に装填した。
【0077】そして、電気ヒータ5’に供給する電力を
調節して、熱分解槽2の熱分解域21および接触分解域
22の温度を250℃乃至450℃の範囲内の所定の温
度に設定して、廃プラスチック材等の熱分解を行った。
【0078】この熱分解(クラッキング)によって生成
され蒸気状生成物Vは、冷却手段3で冷媒としてのエタ
ノールEと熱交換させて冷却される。これによって、得
られた分解油Lは第一中和液槽41で30%のアンモニ
ア水によって中和される。分解ガスGは、第一中和液槽
41で分離し、第二中和液槽42の上記と同濃度のアン
モニア水と気液接触して中和され、捕集ビン6’に捕集
される。
【0079】熱分解槽2内の廃プラスチック材等の熱分
解が終了して後、第一中和液槽41の上澄みを採取して
製品としての分解油を得た。
【0080】そして、比較のため、塩素系のプラスチッ
クが全く配合されていないポリプロピレン製バンパーの
廃棄物のみで熱分解試料を調製し、上記と同様の製造試
験を行った。
【0081】更に、触媒をAlCl3触媒から従来のゼオ
ライト触媒(ZSM5)に代えて以上と同様の製造試験
を実施した。試験結果を表1および表2に示す。表1は
分解温度毎の分解油の収率を示す試験結果一覧表であ
る。
【0082】
【表1】
【0083】この表から判る通り、AlCl3触媒を使用
した場合には、分解温度の上昇に従って、分解油の収率
は上昇し、450℃で最大収率を示していることが判
る。この傾向は、塩素系のプラスチックの存在有無に拘
らず同一であり、このことから、本発明に係るAlCl3
触媒を使用すれば、塩素系プラスチックの存在に影響さ
れることなく廃プラスチック材等の処理が可能であるこ
とを示している。
【0084】これに対して、従来のゼオライト触媒を使
用した場合には、全体的にAlCl3触媒を用いた場合よ
りも収率が低下しており、特に塩素系のプラスチックが
廃プラスチック材等に混入しているときはその収率が約
半分に低下するなど、塩素系のものには対応できないこ
とを示している。
【0085】表2は分解油の組成(成分炭素数毎の組
成)を示す試験結果一覧表である。
【0086】
【表2】
【0087】この表から判る通り、触媒として従来のゼ
オライトを使用した場合と、AlCl3触媒を使用した場
合とで、得られた分解油の組成にほとんど差はなく、従
って、従来のゼオライト触媒に代えてAlCl3触媒を用
いて分解油を製造すれば、従来と遜色のない、燃料油ま
たはナフサ原料としての低沸点炭化水素油が得られるこ
とを示している。
【0088】(実験例2)プラスチックとゴムとの混合
物から低沸点炭化水素油(分解油)を生成させる試験を
行った。試料としては、プラスチックとしてポリエチレ
ン5g、塩素系ゴムとしてクロロプレンゴム5gをそれ
ぞれ計り取り、上記図3に示す実験装置に充填した。触
媒としてはAlCl3・6H2Oを用い、その2gで直径
2cm、長さ1cmの触媒層22aを熱分解槽2の中に
形成させた。
【0089】そして、熱分解槽2の熱分解域21に上記
合計10gの試料を充填し、熱分解域21の温度を45
0℃、接触分解域22の温度を250℃に制御して上記
試料を熱処理した。試験の結果、プラスチックにゴムが
混入されていても、本発明に係る加熱分解処理によって
充分適正に分解油を製造することができることが確認で
きた。
【0090】なお比較のため、触媒のみを従来のゼオラ
イト触媒(ZSM−5)2gに換え、その他は全く上記
と同じ条件で試験している。試験結果は表3に示す通り
であった。
【0091】
【表3】
【0092】この表から判る通り、触媒として本発明に
係るAlCl3・6H2Oを用いた場合は分解油の収率は
45〜51%と高くかつワックスの生成は認められなか
ったのに対し、従来のゼオライト触媒では30%〜37
%と低く、その上約2gのワックスが生成していた。以
上より、本発明の優れていることが確認できた。
【0093】(実験例3)合成ゴムのみを対象として本
発明に係る分解油の回収試験を行った。試料としてはス
チレンブタジエンゴム10gを採用した。実験装置は上
記図3に示すものを用いた。触媒としてはAlCl3
6H2Oを用い、その2gで直径1cm、長さ1cmの
触媒層22aを熱分解槽2の中に形成させた。そして熱
分解域21の温度を450℃に設定し、接触分解域22
の温度は200℃、250℃、350℃および450℃
の四つの温度につきそれぞれ分解油を生成させた。この
試験の結果、合成ゴム単独からでも充分に分解油が得ら
れることが確認できた。試験結果は表4に示す通りであ
る。
【0094】
【表4】
【0095】この表に示すとおり、接触分解域22の温
度が高いほど分解油の収率が上昇することが判る。但
し、この温度が高くなれば、触媒の劣化が著しくなり、
それとの兼ね合いから、接触分解域の温度は120℃〜
250℃とするのが好ましい。
【0096】(実験例4)天然ゴムのみを対称にして本
発明に係る分解油の回収試験を行った。試料としては天
然ゴム10gを採用し、接触分解域22の温度を250
℃と450℃の二温度とした他はすべて実験例3と同様
の条件とした。この試験の結果、天然ゴム単独からでも
充分分解油が得られることが確認できた。試験結果は表
5に示す通りである。
【0097】
【表5】
【0098】(実験例5)触媒としてAlCl3・6H2
O以外のものを採用し、分解油回収試験を行った。Al
Cl3・6H2O以外のものとして、FeCl3・6H
2O、SnCl4・5H2OおよびZnCl2の三種類を採
用した。触媒量はいずれも2gとし、プラスチック(ポ
リプロピレン)量は10gとした。その他は実験例2と
同じ条件としたが、触媒がAlCl3・6H2Oである場
合に比し分解油の収率がかなり低下したものになってい
るとともに、ワックスの生成も多いため、この生成した
ワックスを再度同様の熱処理を行ういわゆる繰返し二段
階方式を採用している。
【0099】試験の結果、収率はあまり良好とはいえな
いが、AlCl3・6H2O以外のFeCl3・6H2O、
SnCl4・5H2OあるいはZnCl2も触媒としての
効果があることが確認できた。試験結果は表6の通りで
ある。
【0100】
【表6】
【0101】(実験例6)触媒としてFeCl3・6H2
Oを採用し、プラスチックとしてポリプロピレン5重量
部に塩素系の樹脂であるポリビニルクロライド1重量部
が混ざったものを採用した。その他の試験条件は実験例
5と同じとした。試験結果は表7の通りである。なお、
比較のためにプラスチックがポリプロピレンのみである
場合のデータも記載している。
【0102】
【表7】
【0103】この表からプラスチックの中に塩素系のも
のが含まれている方が回収油の収率が上昇するのが判
る。
【0104】(実験例7)熱分解槽2の熱分解域21に
おいて、プラスチックに混入される触媒の添加量がどの
程度であればよいかを知るために、触媒添加量を種々変
化させて分解油回収試験を行った。試料のプラスチック
として高密度ポリエチレンを使用し、触媒としてはAl
Cl3・6H2Oを用いている。また熱分解域21の温度
は450℃とし、接触分解域22の温度は250℃とし
た。試験結果は図4のグラフに示す通りである。
【0105】このグラフから判る通り、原料プラスチッ
クが高密度ポリエチレンである場合には、その30重量
%〜80重量%の触媒の添加が好適である。
【0106】(実験例8)熱分解槽2の接触分解域22
の好適温度を知るために、その温度を種々変化させて分
解油の収率を測定した。プラスチック試料としては高密
度ポリエチレンに30重量%の触媒(AlCl3・6H2
O)を添加したものを使用している。また、熱分解域2
1の温度は450℃に設定した。接触分解域22におけ
る触媒層22aにもAlCl3・6H2Oを充填してい
る。また、分解油の回収は、先に述べた二段階方式を採
用している。
【0107】試験結果は図5のグラフに示す通りであ
る。この図で判るように、接触分解域22の温度は、1
80℃〜250℃の範囲が好適であり、180℃以下で
は触媒層22aの触媒の上に反応物が堆積して具合が悪
く、また250℃を超えるとワックスの生成が多くなり
不都合である。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の廃プラス
チック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造す
る第一の方法は、廃プラスチック材を熱分解することに
よって得られる蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤と
する固体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記
蒸気状生成物を上記固体酸触媒に接触させることによっ
てクラッキングし、低沸点炭化水素油を得るようにした
ものであり、上記塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒
は、塩素ガスまたは塩素化合物に対して極めて優れた耐
被毒性および耐侵食性を有し、しかも塩酸の存在下でプ
ラスチックを対象にした良好なクラッキング能が得られ
るため、塩素系のプラスチックの熱分解によって生成す
る塩酸によって触媒層が被毒することはなく、また、塩
酸の存在によって廃プラスチック材のクラッキングが促
進され、従来塩素系プラスチックからは得ることができ
ないとされていた低沸点炭化水素油を高収率で得ること
ができ、廃プラスチック等の有効活用が実現するととも
に、環境保全上も好都合である。
【0109】本発明の廃プラスチック材または廃ゴム材
から低沸点炭化水素油を製造する第二の方法は、廃プラ
スチック材または廃ゴム材と塩酸を分解活性助剤とする
固体酸触媒との混合物を熱分解して混合物中の廃プラス
チック材または廃ゴム材から蒸気状生成物を生成させる
ように構成されているため、すでに熱分解段階で上記廃
プラスチック材または廃ゴム材は熱分解と同時に上記固
体酸触媒の作用によって一部クラッキングされた状態の
蒸気生成物が生成する。この蒸気状生成物を塩酸を分解
活性助剤とする固体酸触媒を充填した触媒充填層中に導
入し、ある程度クラッキングが起こっている蒸気状生成
物を上記固体酸触媒に接触させるように構成されている
ため、この触媒充填層ではより良好にクラッキングが起
こり、より望ましい収率で低沸点炭化水素油を得ること
ができ都合がよい。
【0110】上記固体酸触媒の触媒成分として塩化アル
ミニウム、塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、
またはそれらを組み合わせたもの(塩化アルミニウム
等)が用いられているため、塩化アルミニウム等は塩酸
を担持する触媒基体(基礎となる触媒成分)として優れ
ており、また、塩素系の廃プラスチック材または廃ゴム
材から生成する塩酸に被毒されないため、長期間の使用
に耐える。
【0111】上記熱分解の温度および上記蒸気状生成物
と上記固体酸触媒とを接触させる温度を250℃乃至4
50℃の範囲内に設定すれば、この温度範囲は廃プラス
チック材のクラッキングに関し触媒活性が最も活発な範
囲に属しており、従って、より効果的に廃プラスチック
材を熱分解することができる。
【0112】上記固体酸触媒は触媒成分として塩化アル
ミニウム、塩化鉄、塩化錫または塩化亜鉛のいずれか、
またはそれらを組み合わせたものを用い、かつ、上記熱
分解の温度および上記蒸気状生成物と上記固体酸触媒と
を接触させる温度が250℃乃至450℃の範囲内であ
るように設定すれば、それらの相乗効果によって、更に
効果的に廃プラスチック材の熱分解が行われ、高収率で
低沸点炭化水素油を得ることができる。
【0113】廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸
点炭化水素油を製造する製造装置は、熱分解槽の上流側
には熱分解域が形成され、上記熱分解槽の下流側には塩
酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充填した低沸点炭
化水素油生成用の触媒が充填された接触分解域が形成さ
れているため、同一の熱分解槽に熱分解域と触媒による
接触分解域が存在し、別個に設けた場合よりも設備費用
は廉価であり経済的である。そして、それら両域が近接
していると共に、上記熱分解槽の熱分解域と接触分解域
とに同時に加熱炉から供給される加熱ガスによって加熱
されるため、温度管理が容易であり好都合である。
【0114】また、上記加熱ガスは上記分解ガスが循環
使用されるように構成されているため、発生するガスに
ついては循環システムが完成しており、分解ガスが系外
に放出されることがなく環境保全上都合がよい。
【0115】上記熱分解域の温度および上記接触分解域
の温度は250℃乃至450℃の範囲内とすれば、この
温度範囲は廃プラスチック材のクラッキングに関し触媒
活性が最も活発な範囲に属しており、従って、より効果
的に廃プラスチック材を熱分解することができる。
【0116】上記廃プラスチック材等に予め上記固体酸
触媒を添加し、上記熱分解域の温度は250℃乃至45
0℃の範囲内とすれば、上記熱分解域では上記廃プラス
チック材等は良好に熱分解されるとともに、発生した蒸
気状生成物の一部は上記固体酸触媒の作用によりこの段
階で予めクラッキングされ、下流側の接触分解域の触媒
負荷を軽減させることができ、また分解油の収率も上昇
する。
【0117】さらに、上記接触分解域の温度は120℃
乃至250℃の範囲内とすることが可能であり、この温
度範囲では固体酸触媒の劣化は有効に抑止することがで
き、触媒の耐用期間延長上好都合である。
【0118】上記熱分解槽の熱分解域および接触分解域
の温度制御を行う共通の温度制御装置を設ければ、温度
の検出端のみ各分解域に取り付け、共通の温度制御装置
で温度コントロールすれことができ、設備費の低減に寄
与すると共に、複数の制御装置を用いた場合に問題にな
る制御装置間の器差が存在せず、より良好な温度制御が
実現し好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃プラスチック材または廃ゴム材
から低沸点炭化水素油を製造する装置の概略を例示する
第一実施例の系統図である。
【図2】本発明に係る廃プラスチック材または廃ゴム材
から低沸点炭化水素油を製造する装置の概略を例示する
第二実施例の系統図である。
【図3】本発明に係る実験装置を示す側面視の説明図で
ある。
【図4】触媒添加量と分解油回収率との関係を示すグラ
フである。
【図5】接触分解域の温度と分解油回収率との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 廃プラスチック等導入手段 11 原料ホッパー 12 スクリューコンベヤ 2 熱分解槽 21 熱分解域 22 接触分解域 22a 触媒層 3 冷却手段 4 気液分離装置群 41 第一中和液槽 42 第二中和液槽 41a、42a 撹拌羽根 5 加熱炉 5’ 電気ヒータ 6 ホルダー 6’ 捕集ビン 61 ブロワ 7 制御装置 71、72 温度計 C 固体酸触媒 C’ 粉末酸触媒 P 廃プラスチック材等 H 加熱ガス V 蒸気状生成物 G 分解ガス L 分解油 W 冷却水 E エタノール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチック材または廃ゴム材を加熱
    して熱分解させることにより蒸気状生成物を生成した
    後、この蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤とする固
    体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記蒸気状
    生成物を上記固体酸触媒に接触させることによって蒸気
    状生成物をクラッキングさせ、低沸点炭化水素油を得る
    ことを特徴とする廃プラスチック材または廃ゴム材から
    低沸点炭化水素油を製造する方法。
  2. 【請求項2】 廃プラスチック材または廃ゴム材と、塩
    酸を分解活性助剤とする固体酸触媒とを混合して両者の
    混合物を生成し、この混合物を熱分解して混合物中の廃
    プラスチック材または廃ゴム材から蒸気状生成物を生成
    した後、この蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤とす
    る固体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記蒸
    気状生成物を上記固体酸触媒に接触させることによって
    蒸気状生成物をクラッキングさせ、低沸点炭化水素油を
    得ることを特徴とする廃プラスチック材または廃ゴム材
    から低沸点炭化水素油を製造する方法。
  3. 【請求項3】 塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化錫また
    は塩化亜鉛のいずれか、またはそれらを組み合わせてな
    る固体酸触媒を用いたことを特徴とする請求項1または
    2記載の廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭
    化水素油を製造する方法。
  4. 【請求項4】 250℃乃至450℃の範囲内の温度雰
    囲気下で上記熱分解を行うとともに、同温度雰囲気下で
    上記蒸気状生成物と上記固体酸触媒とを接触させるよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1記載の廃プ
    ラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製
    造する方法。
  5. 【請求項5】 廃プラスチック材または廃ゴム材と、塩
    酸を分解活性助剤とする固体酸触媒とを混合して両者の
    混合物を生成し、この混合物を250℃乃至450℃の
    範囲内の温度雰囲気下で熱分解して混合物中の廃プラス
    チック材または廃ゴム材から蒸気状生成物を生成した
    後、この蒸気状生成物を、塩酸を分解活性助剤とする固
    体酸触媒を充填した触媒充填層中に導入し、上記蒸気状
    生成物を120℃乃至250℃の範囲内の温度雰囲気下
    で上記固体酸触媒に接触させることによって蒸気状生成
    物をクラッキングさせ、低沸点炭化水素油を得ることを
    特徴とする廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点
    炭化水素油を製造する方法。
  6. 【請求項6】 塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化錫また
    は塩化亜鉛のいずれか、またはそれらを組み合わせてな
    る固体酸触媒を用い、かつ、250℃乃至450℃の範
    囲内の温度雰囲気下で上記熱分解を行うとともに、同温
    度雰囲気下で上記蒸気状生成物と上記固体酸触媒とを接
    触させるように構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭
    化水素油を製造する方法。
  7. 【請求項7】 系内に廃プラスチック材または廃ゴム材
    からなる廃プラスチック材等を導入する廃プラスチック
    材等導入手段と、導入された廃プラスチック材等を熱分
    解する熱分解槽と、この熱分解槽から導出される蒸気状
    生成物を冷却して分解油を凝縮させるとともに残余を分
    解ガスとする冷却手段と、この冷却手段によって冷却さ
    れた分解油と分解ガスとを分離する気液分離装置群とか
    らなる廃プラスチック材等の処理装置であって、上記熱
    分解槽の上流側には熱分解域が形成され、上記熱分解槽
    の下流側には塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充
    填した低沸点炭化水素油を生成するための接触分解域が
    形成され、上記熱分解槽は加熱炉から供給される加熱ガ
    スによって加熱され、上記加熱ガスは上記分解ガスが循
    環使用されるように構成されていることを特徴とする廃
    プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を
    製造する装置。
  8. 【請求項8】 上記熱分解域の温度および上記接触分解
    域の温度は250℃乃至450℃の範囲内に設定されて
    いることを特徴とする請求項7記載の廃プラスチック材
    または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装置。
  9. 【請求項9】 系内に廃プラスチック材または廃ゴム材
    からなる廃プラスチック材等および上記固体酸触媒を導
    入する廃プラスチック材等導入手段と、導入された廃プ
    ラスチック材等を熱分解する熱分解槽と、この熱分解槽
    から導出される蒸気状生成物を冷却して分解油を凝縮さ
    せるとともに残余を分解ガスとする冷却手段と、この冷
    却手段によって冷却された分解油と分解ガスとを分離す
    る気液分離装置群とからなる廃プラスチック材等の処理
    装置であって、上記熱分解槽の上流側には250℃乃至
    450℃の範囲内の温度雰囲気下で廃プラスチック材等
    を熱分解する熱分解域が形成され、上記熱分解槽の下流
    側には塩酸を分解活性助剤とする固体酸触媒を充填した
    120℃乃至250℃の範囲内の温度雰囲気下で低沸点
    炭化水素油を生成するための接触分解域が形成され、上
    記熱分解槽は加熱炉から供給される加熱ガスによって加
    熱され、上記加熱ガスは上記分解ガスが循環使用される
    ように構成されていることを特徴とする廃プラスチック
    材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する装
    置。
  10. 【請求項10】 上記熱分解槽の熱分解域および接触分
    解域の温度制御を行う共通の温度制御装置が設けられて
    いることを特徴とする請求項7、8または9記載の廃プ
    ラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製
    造する装置。
JP18255892A 1992-02-10 1992-07-09 廃プラスチック材または廃ゴム材から低沸点炭化水素油を製造する方法および装置 Pending JPH05287281A (ja)

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