JPH0927885A - カラー画像読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで光源からの光に含まれる不要光成
分を除去して、Ｓ／Ｎ比の高いカラー画像読み取りを可
能にすること。 【構成】 原稿台５０に載置された原稿５に光を照射す
る光源１と、前記原稿５の読取位置５１において反射し
た光を赤外光を除き反射させる反射ミラー２と、前記反
射ミラー２によって反射された光を赤外光を除き透過さ
せるとともに結像させるレンズ３と、結像された像を読
み取り光電変換する光電変換素子４とから成るカラー画
像読取装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、低コストで光源からの
光に含まれる不要光成分を除去して、Ｓ／Ｎ比の高いカ
ラー画像読み取りを可能にするカラー画像読取装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の第１のカラー画像読取装置は、図
５に示すように原稿Ｇに対し光源Ｏによって照射しその
反射光を反射ミラーＭによって反射して、反射光をレン
ズＬによって光電変換素子Ｉの受光面に結像するととも
に、該光電変換素子Ｉによって光電変換して電気信号を
得るものであった。

【０００３】従来の第２のカラー画像読取装置（特開平
２−７６４６４）は、図６に示すように、光源Ｏと光電
変換素子Ｉとの間に赤外光の反射を阻止する２個のコー
ルドミラーＭ１、Ｍ２を配設して反射させ、赤外光が除
去された反射光を前記光電変換素子Ｉによって光電変換
して電気信号を得るものであった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の第１のカラ
ー画像読取装置は、前記光源Ｏは、通常ハロゲンラン
プ、蛍光灯、ＬＥＤ等が用いられ、図７に示されるよう
にいずれも赤外光を多く含んでいるとともに、前記光電
変換素子Ｉも赤外域にも感度を有しているので、図８に
示すような分光特性を有する原稿Ｇを読み込むと、可視
光以外の情報も画像として再現されてしまい、とくに高
濃度側の階調性が劣化し、図９に示すようにＳ／Ｎ比の
悪い画像になってしまうという問題があった。

【０００５】上記従来の第２のカラー画像読取装置は、
赤外光の反射を阻止する前記コールドミラーＭ１、Ｍ２
を２個配設して反射させるので、赤外光を除去すること
が出来るが、該コールドミラーＭ１、Ｍ２を２個用意す
る必要が有り、面積の広い２個のミラー面全面をコーテ
ィングする必要があるため、コストが高くなるという問
題があった。

【０００６】そこで本発明者は、光源から前記光電変換
素子に至るまでの光路中において、反射ミラーにおける
一定波長以上の光の反射を阻止するとともに、光電変換
素子の前方に配置されたレンズにおける少なくとも一方
のレンズ面のコーティングにより一定波長以上の光の通
過を阻止するという本発明の技術的思想に着眼し、さら
に研究開発を重ねた結果、低コストで光源からの光に含
まれる不要光成分を除去して、Ｓ／Ｎ比の高いカラー画
像読み取りを可能にするという目的を達成する本発明に
到達した。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明（請求項１に記載
の第１発明）のカラー画像読取装置は、原稿面に対し光
源によって照射しその反射光および透過光を光学系を介
して光電変換素子によって光電変換して電気信号を得る
ようにしたカラー画像読取装置において、前記光源から
前記光電変換素子に至るまでの光路中に一定波長以上の
光の反射を阻止する反射ミラーを配設するとともに、少
なくとも一方のレンズ面に一定波長以上の光の通過を阻
止するコーティングを施したレンズを前記光電変換素子
の前方に配置するものである。

【０００８】本発明（請求項２に記載の第２発明）のカ
ラー画像読取装置は、前記第１発明において、前記反射
ミラーが、赤外光の反射強度を低下させるコールドミラ
ーによって構成されているものである。

【０００９】本発明（請求項３に記載の第３発明）のカ
ラー画像読取装置は、前記第２発明において、前記レン
ズが、赤外光を反射する赤外光反射コーティングが施さ
れているものである。

【００１０】

【作用】上記構成より成る第１発明のカラー画像読取装
置は、前記光源によって前記原稿を照射し、その反射光
を前記光源から前記光電変換素子に至るまでの光路中に
配設された前記コールドミラーによって一定波長以上の
光の反射を阻止するとともに、前記光電変換素子の前方
に配置された前記レンズの少なくとも一方のレンズ面に
よって一定波長以上の光の通過を阻止するものである。

【００１１】上記構成より成る第２発明のカラー画像読
取装置は、前記光源によって前記原稿を照射し、その反
射光を前記光源から前記光電変換素子に至るまでの光路
中に配設された前記コールドミラーによって赤外光の反
射を阻止するとともに、前記光電変換素子の前方に配置
された前記レンズの少なくとも一方のレンズ面によって
赤外光の通過を阻止するものである。

【００１２】上記構成より成る第３発明のカラー画像読
取装置は、前記光源によって前記原稿を照射し、その反
射光を前記光源から前記光電変換素子に至るまでの光路
中に配設された前記コールドミラーによって赤外光の反
射を阻止するとともに、前記光電変換素子の前方に配置
された前記レンズの少なくとも一方の赤外光反射コーテ
ィングが施されているレンズ面によって赤外光の通過を
阻止するものである。

【００１３】

【発明の効果】上記作用を奏する第１発明のカラー画像
読取装置は、前記コールドミラーによって一定波長以上
の光の反射を阻止するとともに、前記光電変換素子の前
方に配置された前記レンズの少なくとも一方のレンズ面
によって一定波長以上の光の通過を阻止するので、低コ
ストで光源からの光に含まれる不要光成分を除去して、
Ｓ／Ｎ比の高いカラー画像読み取りを可能にするという
効果を奏する。

【００１４】上記作用を奏する第２発明のカラー画像読
取装置は、前記コールドミラーによって赤外光の反射を
阻止するとともに、前記光電変換素子の前方に配置され
た前記レンズの少なくとも一方のレンズ面によって赤外
光の通過を阻止するので、低コストで光源からの光に含
まれる赤外光を除去して、Ｓ／Ｎ比の高いカラー画像読
み取りを可能にするという効果を奏する。

【００１５】上記作用を奏する第３発明のカラー画像読
取装置は、前記コールドミラーによって赤外光の反射を
阻止するとともに、前記光電変換素子の前方に配置され
た前記レンズの少なくとも一方の赤外光反射コーティン
グが施されているレンズ面によって赤外光の通過を阻止
するので、低コストで光源からの光に含まれる赤外光を
除去して、Ｓ／Ｎ比の高いカラー画像読み取りを可能に
するという効果を奏する。

【００１６】

【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて説
明する。

【００１７】（第１実施例）本第１実施例のカラー画像
読取装置は、図１に示すように原稿台５０に載置された
原稿５に光を照射する光源１と、前記原稿５の読取位置
５１において反射した光を赤外光を除き反射させる反射
ミラー２と、前記反射ミラー２によって反射された光を
赤外光を除き透過させるとともに結像させるレンズ３
と、結像された像を読み取り光電変換する光電変換素子
４とから成るものである。

【００１８】前記原稿台５０は、図１に示すように前記
カラー原稿５を下の面にして載置される透明で平坦な板
部材であるプラテンガラスによって構成され、前記カラ
ー原稿５が当接する上面に原稿読取位置５１が形成さ
れ、前記光源１によって光が照射される構成より成る。

【００１９】前記反射ミラー２は、図１に示すように前
記読取位置５１の下方であって、４５度傾斜させて配置
され、前記原稿５の下面において垂直下方に反射した光
を水平方向左方に反射するとともに、図２に示すような
分光特性を有するコールドミラー２０によって構成され
る。

【００２０】前記コールドミラー２０は、図２に示すよ
うに６００ｎｍ以上の波長の光の反射を阻止して、約７
００ｎｍ強の波長以上については約１０％しか反射しな
いので、赤外光の反射を約９０％阻止し得る構成より成
る。

【００２１】前記レンズ３は、図１に示すように前記コ
ールドミラー２０の水平方向の左方に垂直に配置され、
前記読取位置５１において反射した光を前記反射ミラー
２を構成するコールドミラー２０によって水平方向左方
に反射供給された反射光を図３に示すような分光特性を
有する赤外光反射コーティング３３が前面３１に施さ
れ、赤外光を除き透過させて前記光電変換素子４の受光
面４０に結像し得る構成より成る。

【００２２】前記レンズ３は、図４に示すように６００
ｎｍ以上の波長の光の透過を阻止して、約７００ｎｍ強
の波長以上については約１０％しか透過しないので、約
１０％反射された赤外光の透過を約９０％阻止して、約
１％の赤外光しか透過しない構成より成る。

【００２３】前記光電変換素子４は、ＣＣＤイメージセ
ンサより成り、図１に示すように駆動された前記光源１
による前記受光面４０に結像された像の光強度を逐次電
圧信号に変換され、画像処理回路（図示せず）に出力し
得る構成より成る。

【００２４】上記構成より成る第１実施例のカラー画像
読取装置は、図１に示すように前記原稿台５０に載置さ
れた前記カラー原稿５の下面が当接する前記原稿読取位
置５１に対して、前記光源１によって光が照射される。

【００２５】前記読取位置５１の下方に４５度傾斜させ
て配置され前記反射ミラー２は、図１に示すように、前
記原稿５の下面において垂直下方に反射した光を水平方
向左方に反射する。

【００２６】すなわち前記反射ミラー２を構成する前記
コールドミラー２０は、図２に示すように６００ｎｍ以
上の波長の光の反射を阻止して、約７００ｎｍ強の波長
以上については約１０％しか反射しないので、赤外光の
反射を約９０％阻止するものである。

【００２７】図１に示すように前記コールドミラー２０
の水平方向の左方に垂直に配置されるとともに図３に示
すような分光特性を有する前記赤外光反射コーティング
３３が前記前面３１に施された前記レンズ３は、前記読
取位置５１において反射した光を前記コールドミラー２
０によって水平方向左方に反射供給された反射光を、赤
外光を除き透過させて前記光電変換素子４の受光面４０
に結像するものである。

【００２８】すなわち前記レンズ３は、図４に示すよう
に６００ｎｍ以上の波長の光の透過を阻止して、約７０
０ｎｍ強の波長以上については約１０％しか透過しない
ので、約１０％反射された赤外光の透過を約９０％阻止
して、約１％の赤外光しか透過しないものである。

【００２９】前記光電変換素子４は、駆動された前記光
源１による前記受光面４０に結像された像の光強度を逐
次電圧信号に変換して、画像処理回路（図示せず）に出
力するものである。

【００３０】上記作用を奏する第１実施例のカラー画像
読取装置は、前記コールドミラー２０によって赤外光の
反射を阻止するとともに、前記光電変換素子４の前方に
配置された前記レンズ３の少なくとも一方の赤外光反射
コーティング３３が施されている前記レンズ３の前記前
面３１によって赤外光の通過を阻止するので、前記光源
１からの光に含まれる赤外光を除去して、Ｓ／Ｎ比の高
いカラー画像読み取りを可能にするという効果を奏す
る。

【００３１】また第１実施例のカラー画像読取装置は、
前記コールドミラー２０によって約１０％反射された赤
外光の透過を、前記レンズ３によって約９０％阻止し
て、約１％の赤外光しか透過しないので、高濃度分解能
に優れた画像読み取りを可能にするという効果を奏す
る。

【００３２】さらに第１実施例のカラー画像読取装置
は、前記１個のコールドミラー２０と表面積の小さな前
記レンズ３にコーティングするたけで良いので、２個の
コールドミラーを必要にする従来装置に比べて生産コス
トを低くすることが出来るという効果を奏する。

【００３３】（第２実施例）第２実施例のカラー画像読
取装置は、図４に示すように前記第１実施例の前記レン
ズ３の前記光電変換素子４に近い後面３２にも赤外光反
射コーティング３４を施すもので、前記コールドミラー
２０によって約１０％反射された赤外光の透過を、前記
レンズ３の前面３１および後面３２に施された前記赤外
光反射コーティング３３、３４によって阻止して、約
０．１％の赤外光しか透過しないので、一層高濃度分解
能に優れた画像読み取りを可能にするという効果を奏す
る。

【００３４】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例装置を示すブロック図であ
る。

【図２】本第１実施例装置のコールトミラーの分光反射
特性を示す線図である。

【図３】本第１実施例装置のレンズの分光透過特性を示
す線図である。

【図４】本発明の第２実施例装置を示すブロック図であ
る。

【図５】従来の第１装置を示すブロック図である。

【図６】従来の第２装置を示すブロック図である。

【図７】ハロゲンランプの分光特性を示す線図である。

【図８】原稿の分光特性を示す線図である。

【図９】従来装置における光電変換出力特性を示す線図
である。

【符号の説明】

１ 光源 ２ 反射ミラー ３ レンズ ４ 光電変換素子 ５ 原稿 ５０ 原稿台 ５１ 読取位置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原稿面に対し光源によって照射しその反
   射光および透過光を光学系を介して光電変換素子によっ
   て光電変換して電気信号を得るようにしたカラー画像読
   取装置において、 前記光源から前記光電変換素子に至るまでの光路中に一
   定波長以上の光の反射を阻止する反射ミラーを配設する
   とともに、少なくとも一方のレンズ面に一定波長以上の
   光の通過を阻止するコーティングを施したレンズを前記
   光電変換素子の前方に配置することを特徴とするカラー
   画像読取装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記反射ミラーが、赤外光の反射強度を低下させるコル
   ドミラーによって構成されていることを特徴とするカラ
   ー画像読取装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、 前記レンズが、赤外光を反射する赤外光反射コーティン
   グが施されていることを特徴とするカラー画像読取装
   置。