JPH09278800A - メトプレンに特異的なモノクローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、及びメトプレンの測定方法 - Google Patents

メトプレンに特異的なモノクローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、及びメトプレンの測定方法

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JPH09278800A
JPH09278800A JP8111318A JP11131896A JPH09278800A JP H09278800 A JPH09278800 A JP H09278800A JP 8111318 A JP8111318 A JP 8111318A JP 11131896 A JP11131896 A JP 11131896A JP H09278800 A JPH09278800 A JP H09278800A
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methoprene
monoclonal antibody
antibody
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hybridoma
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JP8111318A
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Shiro Miyake
司郎 三宅
Michiyasu Kawada
充康 川田
Hideo Okawa
秀郎 大川
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Otsuka Chemical Co Ltd
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Otsuka Chemical Co Ltd
Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昆虫成長調整剤・メトプレンの代謝物である
メトプレン酸とは反応せず、メトプレンに特異的なモノ
クローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、及び
メトプレン測定の大幅な簡略化と測定時間の短縮が可能
となり、多量の検体を迅速かつ安価に測定することがで
きる測定方法を提供する。 【解決手段】 メトプレンに特異的なモノクローナル抗
体、その抗体フラグメント、それを産生するハイブリド
ーマ、及びメトプレンの測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メトプレンに特異
的なモノクローナル抗体、それを産生するハイブリドー
マ、及びメトプレンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境中に残留する農薬や、増
加の一途をたどっている輸入食品や農作物に残留する農
薬が、大きな社会的問題となっている。自然環境や食品
等に対する安全を確保するためには、まずこれらに残留
する農薬の量を迅速かつ正確に測定することが必要であ
る。一般に残留農薬の分析は、農薬が登録された時点に
おいて作物ごとに定められており、主に試料から農薬を
抽出し、精製後、ガスクロマトグラフィーや液体クロマ
トグラフィーを用いて測定している。この測定方法は、
精度の点では問題ないものの、試料の調製が煩雑で時間
がかかること、並びに測定装置や設備等が高価であると
いう欠点があった。食品などに残留する農薬の分析は、
検体数が多いことや鮮度が重要なので、測定精度面ばか
りでなく簡便性や迅速性が要求されている。また、自然
環境中に残留する農薬の分析においても、屋外にて容易
に測定する方法が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】昆虫成長調整剤として
使用されているメトプレンも、従来、ガスクロマトグラ
フィー/質量分析法を用いて測定されていたが、その分
析には相当の時間と手間を要していた。そこで、近年、
低分子化合物の測定において応用されるようになってき
た免疫学的測定方法のメトプレンへの適用がJoann
e V.Meiらによって試みられ(J.Agric.
Food Chem.,1991,39,2083−2
090)、ウサギポリクローナル抗体を用いた免疫学的
測定方法が開発された。この測定法は、ガスクロマトグ
ラフィー/質量分析法より迅速かつ簡便であるばかりで
なく、測定感度も十分であるが、メトプレンだけでなく
その代謝産物であるメトプレン酸とも高い交差反応性を
示した。従ってメトプレンのみを測定するためには、ク
ロマトグラフィーにより両者を分離する工程が必要で、
メトプレンとメトプレン酸との混合物からメトプレンの
みを特異的に測定することができる、より簡便かつ迅速
な免疫学的測定方法が望まれていた。また、メトプレン
の測定には、農作物や土壌などに残留するメトプレンを
被検試料から抽出する際に有機溶媒の使用がさけられな
いことから、簡便かつ迅速な操作工程を確立するために
は、有機溶媒存在下でも抗原抗体反応を行うことができ
ることが望ましい。
【0004】そこで、本発明者らは、メトプレンのみを
免疫学的に測定することを目的とし、鋭意検討を重ねた
結果、メトプレンのみと特異的に反応するモノクローナ
ル抗体を見出した。また、農作物や土壌等に残留するメ
トプレンを免疫学的に測定する場合には、被検試料から
農薬を抽出するために、通常、有機溶媒が使用される。
従って、有機溶媒存在下においても抗原抗体反応を実施
することができることが望ましい。そこで本発明者ら
は、迅速かつ簡便な操作工程の開発において、得られた
前記モノクローナル抗体の有機溶媒存在下でのメトプレ
ンとの反応性を免疫学的に検討した結果、この前記抗体
を用いると、有機溶媒存在下においてもメトプレンと特
異的に反応し、かつ正確に測定できることを見い出し
た。本発明は、こうした知見に基づくものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、メト
プレンと特異的に反応するモノクローナル抗体に関す
る。また、本発明は、前記抗体のフラグメントであっ
て、メトプレンに対する抗原結合部位を含む、抗体フラ
グメントにも関する。更に、本発明は、前記モノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマにも関する。更にま
た、本発明は、前記抗体及び/又は前記抗体フラグメン
トを用いることを特徴とする、メトプレンの免疫学的測
定方法にも関する。
【0006】本発明のモノクローナル抗体又は抗体フラ
グメントが特異的に反応することのできるメトプレン
は、式(I):
【化1】 で表わされる化合物である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明による抗体の製造方
法、すなわちモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマの分離方法とモノクローナル抗体の製造方法、免疫
学的測定方法の順に説明する。本発明のモノクローナル
抗体を産生するハイブリドーマは、例えば、式(II):
【化2】 (式中、R1 は、炭素数1〜7、好ましくは炭素数1〜
5の直鎖状又は分枝状アルキレン基である)で表わされ
る公知のメトプレン誘導体をハプテンとして使用するこ
とによって調製することができる。式(II)中のR1
しては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレ
ン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメ
チレン基、ヘプタメチレン基、プロピレン基、メチルト
リメチレン基などを挙げることができ、特にはトリメチ
レン基が好ましい。すなわち、ハプテンとして、式(II
a):
【化3】 で表わされるメトプレン誘導体を使用することが好まし
い。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマの分離、及びモノクローナル抗体の調製は、常法、
例えば、続生化学実験講座又は免疫生化学研究法(日本
生化学改編)に記載の方法にしたがって行うことができ
る。
【0008】本明細書において「ハプテン」とは、抗体
との結合能を有しているものの、それ単独では免疫原性
を有さず、担体と結合することによって免疫原性を発現
する物質を意味する。従って、一般にハプテンは、担体
と結合するための官能基を有する。本発明において使用
することのできるハプテンは、哺乳動物や鳥類に免疫
後、メトプレンに対するモノクローナル抗体を産生する
ことができる物質であれば特に限定されないが、例え
ば、Joanne V. Meiらによって作製された
前記式(IIa)で表される公知化合物(J.Agri
c.Food Chem.,1991,39,2083
−2090)を用いることが好ましい。
【0009】ここで「担体」とは、ハプテンと結合(コ
ンジュゲート化)してハプテンに免疫原性を付与する物
質を意味する。本発明においても、従来から一般に用い
られている公知の物質を担体として用いることができ
る。従って、担体としては、例えば、生体高分子担体、
例えば、分子量が約1万以上、好ましくは約4万〜10
0万のタンパク質(例えば、哺乳類の血清アルブミン、
免疫グロブリン、オボアルブミン、ポリリジン、キーホ
ールリンペットヘモシアニン)、又は多糖類(例えば、
デキストラン、アミロース、アミロペクチン)、あるい
は、細胞(例えば、哺乳類の赤血球又はBCG菌)を挙
げることができる。
【0010】前記ハプテンが有する「担体と結合するた
めの官能基」としては、前記の各担体と結合することの
できる官能基である限り特に限定されず、使用する担体
に応じて適宜選択することができる。例えば、タンパク
質のアミノ基と結合することのできる官能基としては、
カルボキシル基、アミノ基、水酸基又はチオール基を、
タンパク質のチオール基と結合することのできる官能基
としては、チオール基又はアミノ基を、多糖類の水酸基
と結合することのできる官能基としては、チオール基、
又はアルデヒド基をそれぞれ挙げることができる。
【0011】ハプテンと担体の結合は、従来公知の方法
を用いて行うことができる。例えば、生体高分子担体と
してウシ血清アルブミンを用いる場合には、混合酸無水
物法、活性エステル法、グルタルアルデヒド法、m−マ
レイミドベンゾイル−N−ヒドロスクシノイミド法、カ
ルボジイミド法、などの結合方法によってアルブミンと
ハプテンとの結合体を調製することができる。
【0012】これらの結合体は、免疫原として、哺乳動
物や鳥類(例えば、ウサギ、マウス、又は鶏等)へ通常
の方法により免疫することができる。例えば、免疫原溶
液を等量のフロイントの完全アジュバント又は不完全ア
ジュバントと乳化混合したものを、哺乳動物又は鳥類に
接種(初回免疫)し、以後、2〜4週間の間隔で同様の
操作を行い、数回免疫する。最終免疫して数日後の哺乳
動物又は鳥類、例えば、マウスから脾臓を無菌的に取り
出し、ステンレススチールメッシュなどで押しつぶして
脾臓細胞を調製し、細胞融合工程に用いる。
【0013】細胞融合のもう一方の親細胞であるミエロ
ーマ細胞(骨髄腫細胞)は、各種の公知の細胞株、例え
ば、p3・NS−1/1・Ag4.1〔Eur.J.I
mmunol.,5;511−517(1975)〕、
SP2/0−Ag14〔Nature,276;269
−270(1978)〕、P3−X63−Ag8.65
3〔J.Immunol.,123;1548−155
0(1979)〕等を使用することができる。
【0014】細胞融合は、通常の方法、例えば、公知の
融合促進剤を含む培地〔例えば、市販の細胞融合用ポリ
エチレングリコール(分子量1500;ベーリンガーマ
ンハイム社製)〕中で、脾臓細胞とミエローマ細胞とを
よく混合することによって行うことができ、細胞の混合
比率も常法に従って、例えば、マウスの脾臓細胞に対し
てミエローマ細胞を約1/5〜1/10程度の割合で行
うことができる。融合後、選択用培地(例えば、HAT
培地)を用いて、ハイブリドーマのみを増殖させ、培養
上清の抗体産生の有無を、例えば、前記式(IIa)のメ
トプレン誘導体とのコンジュゲートとの反応性をELI
SA法によって測定し、ハイブリドーマを分離すること
ができる。本発明の抗体を産生するハイブリドーマは、
更に、メトプレンとその関連化合物、例えば、式(II
I):
【化4】 で表わされるメトプレン酸との反応性を更にELISA
法によって測定し、メトプレンとのみ反応することを確
認することによって、選択することができる。本発明の
抗体を産生するハイブリドーマは、通常、細胞クローニ
ング法、例えば、限界希釈法を用いてクローン化するこ
とができる。
【0015】また、本発明の好ましいモノクローナル抗
体である、有機溶媒に対して耐性を有するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマは、各種濃度で有機溶
媒を含む有機水溶液に前記メトプレンを添加し、これに
モノクローナル抗体を加えた後に抗原抗体反応が正常に
進行することを確認することによって分離することがで
きる。有機溶媒としては、測定対象となるメトプレンを
溶解する溶媒を選択するのが好ましい。分離したハイブ
リドーマは、公知の培地で継代培養することができ、液
体窒素の中で容易に長期間保存することができる。
【0016】また、本発明によるモノクローナル抗体
は、目的のモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マを培養することにより、容易に調製することができ
る。ハイブリドーマを培養する培地としては、イン・ビ
トロの場合には、例えば、5%二酸化炭素及び37℃条
件下で培養に適した任意の培地を用いることができ、好
適にはダルベコ培地に10%ウシ胎児血清(以下FBS
という)を含む培地(以下、ダルベコ/10%FBS培
地という)が用いられる。またイン・ビボの場合には、
適当な哺乳動物、例えば、マウスの腹腔中で培養するの
が好ましい。
【0017】前記のインビトロで培養したハイブリドー
マ溶液、又はハイブリドーマを腹腔中に投与した適当な
哺乳動物の腹水は、そのまま抗体液として用いることが
できる。また、これらの抗体液を出発材料に、目的とす
る抗体を分離・精製することもできる。抗体の分離、精
製には、タンパク質の分離、精製に一般的な方法を用い
ることができるが、このような方法としては、例えば、
硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、分子篩ゲル
を用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プロテイン
A若しくはプロテインG結合ポリマーなどを用いるアフ
ィニテイークロマトグラフィー、又は透析等の方法があ
る。
【0018】本発明の抗体には、前記式(I)で表わさ
れるメトプレンに対する抗原結合部位を含む抗体フラグ
メント、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2
又はFv等が含まれる。これらのフラグメントは、例え
ば、本発明の抗体を常法によりタンパク質分解酵素によ
って消化し、続いてタンパク質の分離・精製の常法に従
って得ることができる。
【0019】本発明による、前記式(I)で表わされる
メトプレンの免疫学的測定方法は、前記のモノクローナ
ル抗体及び/又は抗体フラグメントを用いて実施するの
で、メトプレンを正確に測定することができる。また、
本発明測定方法は、有機溶媒耐性モノクローナル抗体を
用いると、測定対象のメトプレンを充分に溶解すること
のできる有機溶媒を含有する有機水性系中でも正確な抗
原抗体反応を進行させることができる。
【0020】本発明による測定方法は、メトプレンに特
異的に反応するモノクローナル抗体を用いること、そし
て好ましくは有機溶媒耐性抗体を用いること(従って、
有機溶媒の存在下で抗原抗体反応を実施すること)を除
けば、それ以外の点では従来公知の免疫学的測定方法に
そのまま適用することができる。すなわち、例えば、酵
素免疫測定法、ラテックス凝集法、又は放射性免疫測定
法等に適用することができる。酵素免疫測定法では、例
えば、抗原標識法と通常呼ばれる、前記抗体又は抗体フ
ラグメントを固相化した後、標識したハプテンと試料中
の農薬とを競合させる競合的阻害反応や、あるいは前記
抗体又は抗体フラグメントを固相化した後、農薬を先に
加えてあらかじめ反応させ、洗浄後、標識したハプテン
を加えてあとから反応させる非競合的阻害反応などに適
用することができる。ここでは、本発明方法を抗原標識
法の内、非競合的阻害反応、より具体的には、非競合的
直接阻害ELISA法の場合について以下に説明する。
【0021】本発明方法は、例えば、 (1)抗体又は抗体フラグメントを固相化する(以下、
固相化抗体と称する)工程; (2)被検試料を有機溶媒(特には、水混和性有機溶
媒)で抽出し、場合により緩衝液で希釈して検体を調製
する工程; (3)前記固相化抗体と前記検体とを接触させ、反応さ
せる工程; (4)固相化抗体(メトプレンと結合した固相化抗体及
びメトプレンと結合していない固相化抗体を含む)と、
検体とを分離する工程; (5)標識したハプテンと、工程(4)で分離した前記
固相化抗体とを接触させ、メトプレンと結合していない
固相化抗体と、前記標識したハプテンとを反応させる工
程; (6)固相化抗体に結合した標識したハプテンと、固相
化抗体に結合していない標識したハプテンとを分離する
工程;及び (7)前記工程(6)で分離した、いずれか一方、好ま
しくは固相化抗体と結合した標識したハプテンが有する
標識物からの信号を測定する工程からなる。
【0022】本発明で用いる有機溶媒は、メトプレンを
溶解できる溶媒である。水混和性の有機溶媒は、有機溶
媒抽出液を水で適当に希釈してから、抗原抗体反応を行
えるので好ましい。有機溶媒としては、例えば、アルコ
ール化合物(例えば、炭素原子1〜2個の低級アルコー
ル、特には、メチルアルコール、エチルアルコール)、
ケトン化合物(特には、アセトン)、若しくはアセトニ
トリル、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0023】本発明方法を実施する場合には、標識した
ハプテンを用いてメトプレンの確認又は定量を行うこと
ができる。ハプテンの標識には、公知の標識物、例え
ば、放射性同位体(例えば、32P、35S、若しくは
3H)、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ、若しくはア
ルカリフォスファターゼ)、ビタミン(例えば、ビオチ
ン)、蛍光物質(例えば、FITC)、化学発光物質
(例えば、アクリジニウム)等を用いることができる。
【0024】また本発明方法では、固相化抗体と標識し
たハプテンとの反応が終了した後で、固相化抗体に結合
した標識したハプテンと、固相化抗体に結合しなかった
標識したハプテンとを分離する。分離は、例えば、濾
過、遠心処理、又は緩衝液による洗浄によって行うこと
ができる。分離後、例えば、固相化抗体と結合した標識
したハプテンからの信号を測定する。信号を測定する際
には、反応系を信号測定に好ましい条件に変えることが
好ましい。例えば、標識物として、蛍光又は化学発光物
質を用いた場合には、消光が起こらない条件で信号を検
出する。
【0025】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1:混合酸無水物法によるメトプレン誘導体とタ
ンパク質との結合 前記式(IIa)で表わされるメトプレン誘導体25mg
を無水ジオキサン2mlに溶解した後、N−メチルモル
ホリン50μlを添加し、10℃で10分間撹拌した。
次いで、イソブチルクロロカーボネート20μlを少し
ずつ添加し、20分間撹拌することにより、メトプレン
誘導体を酸無水物化した。一方、オボアルブミン及びウ
シ血清アルブミン80mgを別々の蒸留水1mlに溶解
した後、10℃でジオキサン2.6mlを滴下し、更に
1N−NaOHでpH9に調整した。これらの溶液へ、
先に調製したメトプレン誘導体の酸無水物溶液を各々1
N−NaOHでpH9に保ちながら徐々に滴下し、4℃
で4時間反応させた後、ダルベコのリン酸緩衝液〔以
下、PBS(−)という〕に対して透析した。こうして
調製したメトプレン誘導体とオボアルブミンとの結合
体、及びメトプレン誘導体とウシ血清アルブミンとの結
合体を各々免疫原や分析用抗原として用いた。
【0026】実施例2:メトプレン誘導体とオボアルブ
ミンとの結合体のマウスへの免疫 Balb/cマウスへの免疫は、前記実施例1で調製し
たメトプレン誘導体とオボアルブミンとの結合体100
μgをPBS(−)50μlに溶解し、等量のフロイン
トの完全アジュバントと乳化混合した後、マウスに皮下
接種することによって行った。その後1ヶ月毎にそれぞ
れ初回免疫量の1/4量を追加免疫し、3ヶ月後に最終
免疫を行った。
【0027】実施例3:モノクローナル抗体の作製 細胞融合は、実施例2の最終免疫を実施してから3日目
のマウスの脾臓を用いて行った。まず摘出した脾臓をダ
ルベコ培地にて3回洗浄した後、脾臓細胞をダルベコ培
地中に取り出した。この細胞懸濁液をダルベコ培地にて
3回洗浄した後、マウスのミエローマ細胞P3−X63
−Ag8.653と細胞数の比で5:1(脾臓細胞:ミ
エローマ細胞)になるように混ぜ、遠心(1,200r
pm;5分間)して細胞沈さを得た。この細胞沈さに5
0%ポリエチレングリコール(分子量1,500)溶液
1mlをゆっくり加え、細胞を融合させた。細胞融合
は、ダルベコ培地10mlを添加し、FBS1mlを更
に添加することにより停止した。細胞を、ダルベコ/1
0%FBS培地に100μMヒポキサンチン、0.4μ
Mアミノプテリン、及び16μMチミジンを添加したH
AT培地に懸濁し、得られた懸濁液を96ウェルのポリ
スチレンプレート中に2×105 細胞/ウェルで分注
し、37℃にて5%二酸化炭素存在下で10日間〜14
日間培養した。培養後、免疫原に用いたハプテンとウシ
血清アルブミンとの結合体(前記実施例1で調製した結
合体)を分析用抗原として、反応するウエル中の抗体の
活性をそれぞれスクリーニングした。
【0028】抗体の活性は、ELISA法によって測定
した。メトプレン誘導体とウシ血清アルブミンとの前記
結合体1μg/mlをPBS(−)に溶解し、96ウェ
ルのマイクロタイタープレートに50μl/ウェルで添
加した後、4℃で1晩静置することにより固相化した。
次に、1%のウシ血清アルブミンを添加したホウ酸バッ
ファー(85mM;pH8.0;62mM−NaCl)
(以下、ブロッキングバッファーと称する)250μl
/ウェルに置き換え、室温で1時間ブロッキングした。
これにハイブリドーマの培養上清を75μl/ウェルで
加え、室温で1時間反応させた。ホウ酸バッファーで3
回洗浄してから、2次抗体希釈液(0.3%ウシ血清ア
ルブミン含有のホウ酸バッファー)で1,000倍に希
釈したペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体(キャ
ペル社製)を100μl/ウェルで加え、1時間反応さ
せた。ホウ酸バッファーで3回洗浄した後、ペルオキシ
ダーゼの基質溶液(100μg/ml−3,3’,5,
5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ),0.00
6%H22 含有の0.1M酢酸ナトリウムバッファ
ー;pH5.5)で発色させ、450nmの吸光度を測
定した。抗体活性を示したウェルを、限界希釈法によっ
て細胞クローニングし、モノクローナル抗体産生細胞と
した。
【0029】実施例4:モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体産生細胞の培養上清からモノクロー
ナル抗体の精製を行った。まず培養上清に50%飽和と
なるように硫安を加え、4℃で1時間撹拌した。生じた
沈殿物に蒸留水を加えて可溶化した後、5mMリン酸バ
ッファー(pH7.0)で透析し、DEAEセルロース
カラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0030】実施例5:ペルオキシダーゼ結合メトプレ
ン誘導体の調製 まず前記式(IIa)で表されるメトプレン誘導体2mg
をジメチルスルホキシド(DMSO)100μlに溶解
し、この溶液にN−ヒドロキシサクシノイミド(31.
5mg/ml)10μlを加え、更にジシクロヘキシル
カルボジイミド(56.5mg/ml)10μlを加え
て混合し、室温にて1時間反応させた。この反応液に1
M炭酸水素ナトリウム80μlを加え、更にペルオキシ
ダーゼ溶液(20mg/ml)500μlを加えて混合
し、室温にて3時間反応させた。得られた反応液をホウ
酸バッファーにて透析し、ペルオキシダーゼ結合メトプ
レン誘導体液とした。
【0031】実施例6:非競合的直接阻害ELISA法
を用いたメトプレンと反応するモノクローナル抗体の選
非競合的直接阻害ELISA法は、以下の手順で実施し
た。まず、実施例4で精製して得たモノクローナル抗体
を4μg/mlの濃度でPBS(−)に溶解し、96ウ
ェルのマイクロタイタープレートに50μl/ウェルで
添加した後、4℃で1晩静置することにより固相化し
た。次にブロッキングバッファー250μl/ウェルに
置き換え、室温で1時間ブロッキングした。これにリン
酸バッファーで希釈したメトプレン又はメトプレン酸1
00μl/ウェルを加え、室温で1時間反応させた。ホ
ウ酸バッファーで3回洗浄してから、2次抗体希釈液
(実施例3で使用した希釈液と同様)で0.1μg/m
lに希釈したペルオキシダーゼ結合メトプレン誘導体
(実施例5で調製)を100μl/ウェルで加え、1時
間反応させた。ホウ酸バッファーで3回洗浄した後、ペ
ルオキシダーゼの基質溶液で発色させ、450nmの吸
光度を測定した。結果を図1に示す。図1において、○
はメトブレンとの反応性を示し、△はメトブレン酸との
反応性を示す。図1に示すように、メトプレンと約15
0〜1000ng/mlの測定範囲で反応するが、メト
プレン酸とは全く反応しない、モノクローナル抗体ME
T 20−7(サブクラス;IgG2a)を選択するこ
とができた。
【0032】実施例7:モノクローナル抗体MET 2
0−7のメチルアルコール耐性 モノクローナル抗体MET 20−7について、実施例
6に示した非競合的直接阻害ELISA法を用いてメチ
ルアルコールへの耐性を調べた。メチルアルコールは、
メトプレン又はメトプレン酸溶液に、最終濃度が各々0
〜60%となるように添加して、測定に供した。メトプ
レンとの反応性の結果を図2に、メトプレン酸との反応
性の結果を図3に示す。図2に示したとおり、メチルア
ルコール濃度によって生じる吸光度に違いがあるもの
の、30%までは、ほぼ同じ感度でメトプレンを測定す
ることができた。一方、メトプレン酸は、図3に示した
とおり、メチルアルコール存在下でも全く反応しなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】本発明によるモノクローナル抗体及び/
又はそのフラグメントを利用すると、メトプレン測定の
大幅な簡略化と測定時間の短縮が可能となり、多量の検
体を迅速かつ安価に測定することができる。また、メト
プレン酸とは、全く反応しないことから、より正確なメ
トプレン測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メトプレン又はメトプレン酸に対する本発明の
モノクローナル抗体MET 20−7の反応性を示すグ
ラフである。
【図2】メチルアルコール存在下でのメトプレンに対す
る本発明のモノクローナル抗体MET 20−7の反応
性を示すグラフである。
【図3】メチルアルコール存在下でのメトプレン酸に対
する本発明のモノクローナル抗体MET 20−7の反
応性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メトプレンと特異的に反応するモノクロ
    ーナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモノクローナル抗体の
    フラグメントであって、メトプレンに対する抗原結合部
    位を含む、抗体フラグメント。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のモノクローナル抗体を
    産生するハイブリドーマ。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のモノクローナル抗体及
    び/又は請求項2に記載の抗体フラグメントを用いるこ
    とを特徴とする、メトプレンの免疫学的測定方法。
JP8111318A 1996-04-08 1996-04-08 メトプレンに特異的なモノクローナル抗体、それを産生するハイブリドーマ、及びメトプレンの測定方法 Pending JPH09278800A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115166122A (zh) * 2022-07-06 2022-10-11 浙江海正动物保健品有限公司 含非泼罗尼和甲氧普烯的复方制剂中甲氧普烯检测方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115166122A (zh) * 2022-07-06 2022-10-11 浙江海正动物保健品有限公司 含非泼罗尼和甲氧普烯的复方制剂中甲氧普烯检测方法
CN115166122B (zh) * 2022-07-06 2024-04-12 浙江海正动物保健品有限公司 含非泼罗尼和甲氧普烯的复方制剂中甲氧普烯检测方法

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