JPH09278707A - 5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体、その製造方法、殺菌剤及び中間体としての利用方法 - Google Patents

5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体、その製造方法、殺菌剤及び中間体としての利用方法

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JPH09278707A
JPH09278707A JP11004996A JP11004996A JPH09278707A JP H09278707 A JPH09278707 A JP H09278707A JP 11004996 A JP11004996 A JP 11004996A JP 11004996 A JP11004996 A JP 11004996A JP H09278707 A JPH09278707 A JP H09278707A
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Satoshi Kumazawa
智 熊沢
Tsumoru Watanabe
積 渡邉
Hajime Hoshi
元 星
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Kureha Corp
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Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化1の式(I )の5−メチル−1−フェニル
−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体、その製造方
法、殺菌剤及び中間体としての利用方法を提供する。
(式中、Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示す。R
1は、水素または、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキルを
示す。一つの構造式中に、R1または、R2の結合している
基が複数ある時には、各々のR1または、R2は、同一でも
相異なっていてもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキ
ル基、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまたは、
ニトロを示す。n は、0 〜5 の自然数を示し、n が、2
以上の時には、X は、同一でも相異なっていてもよ
い。) 【解決手段】 化合物(I )または、その塩を合成し、
それ自身が殺菌性を有すること及び、殺菌性化合物アゾ
リルメチルシクロペンタノールの原料化合物に誘導可能
な中間体でもあることを見いだした。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な5−メチル
−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導
体、その製造方法、殺菌剤及び中間体としての利用方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、環境汚染や薬剤耐性を回避する観
点から、新規な殺菌性化合物に対する要望が存在してい
る。他方、5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,
5−ジカルボン酸誘導体について報告する文献は知られ
ていない。したがって、その有用性についても検討され
ていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、文献未記載の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン
−2,5−ジカルボン酸誘導体、その製造方法、殺菌剤
及び中間体としての利用方法を提供することを課題とし
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規化合
物である化10の式(I )の5−メチル−1−フェニル
−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体または、その
塩を合成し、それ自身が殺菌性を有すること及び、メト
コナゾール[ISO(国際標準化機構)名]を含む殺菌
性化合物の原料化合物に誘導可能な中間体でもあること
を見いだした。本発明はこのようにして完成したもので
ある。(式中、Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示
す。R1は、水素または、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキ
ルを示す。一つの構造式中に、R1または、R2の結合して
いる基が複数ある時には、各々のR1または、R2は、同一
でも相異なっていてもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5ア
ルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまた
は、ニトロを示す。n は、0 〜5 の自然数を示し、n
が、2 以上の時には、X は、同一でも相異なっていても
よい。)
【化10】
【0005】したがって、本発明は次の構成上の特徴を
有する。第1の発明は、上記式(I )の5−メチル−1
−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体ま
たは、その塩に関する。
【0006】第2の発明は、化11の反応式中、式(I
I)の1−フェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2−
カルボン酸誘導体の二重結合に一酸化炭素を付加させて
カルボキシル化し、次いで、式(III )のC1〜C5アルカ
ノールでエステルに誘導する式(I-c )の5−メチル−
1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体
の製造方法に関する。以下において、「アルコキシカル
ボニル化反応」と記載する。(式中、Q1、R1、R2、X 、
n は上記と同じ意味を示す。Q3は、水素、R2COまたは、
R2OCO を示す。一つの構造式中に、R1または、R2の結合
している基が複数ある時には、各々のR1または、R2は、
同一でも相異なっていてもよい。また、出発原料と生成
物の両方に結合している基のR1または、R2は、同一でも
相異なっていてもよい。)
【化11】
【0007】第3の発明は、化12の反応式中、式(I-
c )の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−
ジカルボン酸誘導体のエステルの加水分解、さらに必要
ならば加水分解・脱炭酸もしくは、脱カルボン酸する、
式(I-b )の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸誘導体の製造方法。以下におい
て、「加水分解・脱炭酸(または、脱カルボン酸)反
応」と記載する。(式中、Q3、R2、X 、n は上記と同じ
意味を示す。)
【化12】
【0008】第4の発明は、化13の反応式中、式(I-
b )の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−
ジカルボン酸誘導体の2つのカルボキシルを式(III )
のC1〜C5アルカノールでエステル化する、式(I-a )の
5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカル
ボン酸エステル誘導体の製造方法に関する。以下におい
て、「エステル化反応」と記載する。(式中、R2、X 、
n は上記と同じ意味を示す。)
【化13】
【0009】第5の発明は、化14の反応式中、式(I
X)のシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体を塩基
性条件下、開環し、ついで酸で処理をする、式(I-d )
の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカ
ルボン酸 2−エステル誘導体の製造方法に関する。以
下において、「開環反応」と記載する。(式中、R2、X
、n は上記と同じ意味を示す。また、出発原料と生成
物の両方に結合している基のR2は、同一でも相異なって
いてもよい。)
【化14】
【0010】第6の発明は、化15の式(I )の5−メ
チル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
誘導体または、その塩を有効成分として含有することを
特徴とする殺菌剤に関する。(式中、R1、R2、Q1、X 、
n は上記と同じ意味を示す。)
【化15】
【0011】第7の発明は、化16の式(I-a )の5−
メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン
酸エステル誘導体から、塩基性条件下、式(III )のC1
〜C5アルコールを脱離させて縮合閉環する、式(IX)の
オキソシクロペンタンカルボン酸エステル誘導体の製造
方法に関する。以下において、「脱低級アルコール閉環
反応」と記載する。(式中、R2、X 、n は上記と同じ意
味を示す。また、出発原料と生成物の両方に結合してい
る基のR2は、同一でも相異なっていてもよい。)
【化16】
【0012】第8の発明は、化17の式(I-b )の5−
メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン
酸誘導体から、熱的に脱水脱炭酸させて縮合閉環する、
式(X )のシクロペンタノン誘導体の製造方法に関す
る。以下において、「脱水脱炭酸閉環反応」と記載す
る。(式中、X 、n は上記と同じ意味を示す。)
【化17】
【0013】第9の発明は、化18の式(II)の1−フ
ェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸誘
導体に関する。(式中、R1、Q1、X 、n は上記と同じ意
味を示す。) ただし、Q1がHOCO、R1が水素かつ、n=0 の化合物及び、
Q1がH5C2OCO、R1がエチルかつ、n=0 の化合物を除く。
【化18】
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカル
ボン酸誘導体(I )において、 R1 は、水素または、 R
2 を示し、R2は、C1〜C5アルキルを示し、メチル、エチ
ル、1−メチルエチル(i-プロピルに同じ)、1,1−
ジメチルエチル(t-ブチルに同じ)、3−メチルブチル
及び、ペンチルを例示することができる。X はハロゲ
ン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、
シアノまたはニトロを示し、塩素、フルオロ、臭素、フ
ェニル、メチル、1,1−ジメチルエチル、トリフルオ
ロメチルを例示することができる。なお、X の定義中、
ハロアルキルとは、アルキルの1 個以上の水素がハロゲ
ンで置換していることを示す。n は 0〜 5の整数を示
す。好ましいn は、 0〜 2の整数である。n が2 以上の
時には、X は同一でも相異なっていてもよい。
【0015】化合物(I )の具体例としては表1の第1
表に示すものをあげることができる。
【表1】 A):4-Clはベンゼン環の 4位が塩素原子で置換していることを示す。
【0016】本明細書に記載の反応には、「アルコキシ
カルボニル化反応」、「加水分解・脱炭酸(または、脱
カルボン酸)反応」、「エステル化反応」、「開環反
応」、「脱低級アルコール閉環反応」、「脱水脱炭酸閉
環反応」及び、以下に示す式(VI)のカルボン酸エステ
ル誘導体の活性メチレンの親電子的置換反応で、式(II
-a)の1−フェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2−
カルボン酸エステル誘導体を誘導する反応[以下におい
て、「親電子的置換反応」と記載する。]等がある。こ
れらの反応で溶媒の使用が好ましい時に用いられる溶媒
として、下記のものを例示し得る。水。酢酸、プロピオ
ン酸等の低級脂肪酸類。酢酸メチル、酢酸エチル、プロ
ピオン酸エチル等の低級脂肪酸エステル類。ベンゼン、
トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭
化水素類。塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類。メタノール、エタノール、1−メチルエ
チルアルコール(イソプロパノールに同じ)、1,1−
ジメチルエチルアルコール(t−ブタノールに同じ)、
3−メチルブチルアルコール、ペンタノール等の低級ア
ルコール類[本明細書では式(III )のC1〜C5アルカノ
ールと同じ内容を示す。]。ジエチルエーテル、ジメト
キシエタン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類。N−メチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類。
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類。ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類。ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホ
ン(スルホランに同じ)等の含硫化合物。
【0017】また、上述の溶媒に加えて塩基または酸の
共存下に反応を行なうこともある。ここで用いる塩基と
しては下記のものを例示し得る。炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩。水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物。炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアル
カリ土類金属の炭酸塩。酸化マグネシウム、酸化カルシ
ウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物。水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
等のアルカリ土類金属の水酸化物。ナトリウムメトキシ
ド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナト
リウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、ナ
トリウム(3−メチルブトキシド)、ナトリウムペント
キシド等のアルカリ金属の低級アルコキシド[本明細書
では、この低級アルコキシドのもとになっている低級ア
ルコールは、式(III )のC1〜C5アルカノールと同じ内
容を示す。] 水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水
素化合物。n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機
金属化合物。その他、トリエチルアミン、N,N−ジメ
チルアニリン、ピリジン等の有機三級アミン類。また、
酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等
の無機酸ならびにギ酸、酢酸、酪酸、p−トルエンスル
ホン酸等の有機酸、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル
錯体及び、スルホン(SO3H)の結合している強い酸性の
イオン交換樹脂を例示し得る。また、反応混合物が不均
一系の場合には、反応を促進する目的で、クラウンエー
テルや相間移動触媒を併用することも可能である。
【0018】次に本明細書に記載の個々の反応について
は説明する。 「アルコキシカルボニル化反応」化合物(I-c )は、式
(II)の1−フェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2
−カルボン酸誘導体[この出発原料として使用する化合
物(II)には、第9の発明で除外した化合物も含める]
の二重結合に一酸化炭素を付加させてカルボキシル化
し、次いで、式(III )のC1〜C5アルカノールでエステ
ルに誘導して得られる。二重結合への一酸化炭素の付加
反応工程では、化合物(II)の濃硫酸溶液に一酸化炭素
を直接吹き込むことも、遷移金属カルボニルと濃硫酸も
しくは、ギ酸と濃硫酸とから反応系内で発生させた一酸
化炭素を使用することもできる。この反応は常圧下であ
っても、加圧下であってもよい。反応温度と反応時間に
関しては、−20から40℃、好ましくは室温を反応温
度にして、1時間〜5日間程度反応させることにより目
的物を得ることができる。付加反応により生じたカルボ
キシルに、酸性条件下で化合物(III )を反応させれ
ば、エステルに誘導することができる。
【0019】この「アルコキシカルボニル化反応」に使
用する化合物(II)の具体例としては表2の第2表に示
すものをあげることができる。
【表2】
【0020】化合物(III )として、メタノール、エタ
ノール、1−メチルエチルアルコール、プロパノール、
1,1−ジメチルエチルアルコール、3−メチルブチル
アルコール、ペンタノール等を例示することができる。
中でも、C1〜C4アルカノールが好ましい。
【0021】「加水分解・脱炭酸(または、脱カルボン
酸)反応」式(I-c )の5−メチル−1−フェニル−ヘ
キサン−2,5−ジカルボン酸誘導体のエステルの加水
分解及び、Q3=R2OCOの加水分解・脱炭酸は、塩基性・酸
性いずれの条件でも行うことができる。また、Q3=R2CO
の脱カルボン酸は塩基性条件、好ましくは、アルカリ金
属の低級アルコキシドを用いて、低級アルコール中で行
うことができる。この反応を塩基性条件で行う時に、
水、低級アルコール類を好ましい溶媒として使用する。
また、使用する溶媒が水である時には、水の他に、低級
アルコールや芳香族炭化水素を併用することが好まし
い。塩基として、好ましくは、ナトリウム低級アルコキ
シド、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用する。
この時の反応温度は、40℃〜還流点、好ましくは、60℃
〜還流点である。また、酸性条件で行う時には、水の他
に、溶媒として酢酸を併用することが好ましい。触媒と
しては、塩酸や臭化水素酸等の無機酸を使用する。この
時の反応温度は、50℃〜還流点、好ましくは、80℃〜還
流点である。この際の反応時間は2 〜24時間の範囲であ
って、撹拌下に反応を行うことがより好ましい。この
「加水分解・脱炭酸(または、脱カルボン酸)反応」の
反応条件は、以下に記載する式(II-a)の1−フェニル
−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸エステル
誘導体から、式(II, Q1=H または、HOCO、R1=H )の1
−フェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン
酸誘導体を製造する時にも使用することができる。
【0022】「エステル化反応」式(I-b )の5−メチ
ル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘
導体の2つのカルボキシルを式(III )のC1〜C5アルカ
ノール中、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体、塩
酸または、硫酸等を酸触媒として使用して、室温〜還流
点で、0.5 〜10時間程度反応させて、式(I-a )の5−
メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン
酸エステル誘導体を製造することができる。この「エス
テル化反応」の条件は、上記の「アルコキシカルボニル
化反応」の2工程目にあたる二重結合に一酸化炭素を付
加させて誘導したカルボキシルのエステル化条件にも利
用できる。
【0023】「開環反応」式(IX)のシクロペンタンカ
ルボン酸エステル誘導体をエーテル類と水の混合溶媒
中、室温、好ましくは、氷水冷却下、アルカリ金属水酸
化物を反応させて、シクロペンタン環を開環させた後、
酸で処理をして、生成物の式(I-d )の5−メチル−1
−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸 2−エ
ステル誘導体を製造することができる。化合物(I-d )
は、上記の化合物(I-b )の「エステル化反応」の条件
に準じた操作で、化合物(I-a )に誘導することができ
る。この「開環反応」は、アルカリ金属の低級アルコキ
シドを用いて、低級アルコール中で行うこともできる。
【0024】「脱低級アルコール閉環反応」式(I-a )
の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカ
ルボン酸エステル誘導体を、低級アルコール類中、アル
カリ金属の低級アルコキシドの存在下(好ましくは 1.0
〜1.2 当量を使用する)、加熱還流して、縮合閉環させ
て、式(IX)のオキソシクロペンタンカルボン酸エステ
ル誘導体を製造することができる。この反応により得ら
れる化合物(IX)から、先に記載した「加水分解・脱炭
酸(または、脱カルボン酸)反応」の条件を使用して、
加水分解・脱炭酸することにより、式(X )のシクロペ
ンタノン誘導体を製造することができる。この化合物
(X )は、殺菌性化合物である、化19の式(XI)のア
ゾリルメチルシクロペンタノールに誘導できる。(式
中、X 、n は上記と同じ意味を示す。A は、窒素また
は、CHを示す。)
【化19】 例えば、特開平1-93574 号公報には、農園芸用殺菌剤と
して使用できることが記載されている。特開平1-79117
号公報には、医療用抗真菌剤として使用できることが記
載されている。さらに、特開平2-42003 号公報には、工
業用殺菌剤として使用できることが記載されている。し
たがって、化合物(I-a )は、中間体として産業上有用
な化合物である。
【0025】「脱水脱炭酸閉環反応」式(I-b )の5−
メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン
酸誘導体と、水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸バリ
ウム、酸化マンガンまたは、硫酸第一鉄とを150 〜450
℃、好ましくは、170 〜300 ℃で反応させる熱分解によ
り、脱水脱炭酸して、式(X )のシクロペンタノン誘導
体を製造方法することができる。また、化合物(I-b )
そのものもしくは、化合物(I-b )のバリウム塩を熱分
解することによっても、化合物(X )に誘導することが
できる。さらに、化合物(I-b )と無水酢酸との反応生
成物の熱分解反応を利用することによっても、化合物
(X )に誘導することができる。上記のように、化合物
(X )は殺菌剤の中間体として使用できるので、化合物
(I-b )もまた中間体として産業上有用な化合物であ
る。
【0026】「親電子的置換反応」次に、「アルコキシ
カルボニル化反応」の出発原料として使用する式(II,
R1=R2=C1〜C5アルキル、Q1=R2CO または、R2OCO )の1
−フェニル−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン
酸誘導体[化20の反応式中、式(II-a)の1−フェニ
ル−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸エステ
ル誘導体に同じ]の製造方法について説明する。(式
中、R2、X 、n は上記と同じ意味を示し、Q2は、R2COま
たは、R2OCO を示す。Y、Z は、ハロゲンを示す。)
【化20】
【0027】化合物(II-a)は、式(VI)のカルボン酸
エステル誘導体の活性メチレンの水素を塩基性条件下、
式(VII )の1−ハロ−3−メチル−2−ブテンで親電
子的に置換し、式(IV)の5−メチル−4−ヘキセンカ
ルボン酸エステル誘導体を製造する。ついで、さらに、
化合物(IV)の活性メチレンの水素を塩基性条件下、式
(V )のベンジルハライド類で親電子的に置換して、化
合物(II-a)を製造することができる。
【0028】
【化21】 (式中、R2、Q2、X 、Y 、Z 、n は上記と同じ意味を示
す。) 化合物(II-a)はまた、化21の反応式によっても調製
することができる。すなわち、式(VI)のカルボン酸エ
ステル誘導体の活性メチレンの水素を塩基性条件下、先
に、式(V )のベンジルハライド類で親電子的に置換し
て、式(VIII)の2−フェニルエタンカルボン酸エステ
ル誘導体を製造する。ついで、さらに、化合物(VIII)
の活性メチレンの水素を塩基性条件下、式(VII )の1
−ハロ−3−メチル−2−ブテンで親電子的に置換し
て、化合物(II-a)に誘導することができる。これらの
2 種類の2 工程の親電子的置換反応は、各々の1 工程目
で、化合物(IV)または、化合物(VIII)を単離して、
各々の2 工程目の基質として使用しても、各々の1 工程
目で、化合物(VI)の変換と、化合物(IV)または、化
合物(VIII)の生成を確認して、反応混合物のまま各々
の2 工程目の基質として使用してもよい。
【0029】上記の2通りの化合物(II-a)の製造方法
で、活性メチレンの水素の親電子的置換反応に使用する
式(VII )の1−ハロ−3−メチル−2−ブテンとし
て、1−クロロ−3−メチル−2−ブテン及び、1−ブ
ロモ−3−メチル−2−ブテンを例示することができ
る。また、化合物(V )として、次に記載する化合物を
例示することができる。ベンジルブロミド、4−シアノ
ベンジルクロリド、4−クロロベンジルクロリド、4−
フルオロベンジルクロリド、4−ブロモベンジルブロミ
ド、2,4−ジクロロベンジルクロリド、3,4−ジク
ロロベンジルクロリド、2−クロロ−4−フルオロベン
ジルクロリド、3,4−ジフルオロベンジルクロリド、
2,6−ジフルオロベンジルクロリド、4−メチルベン
ジルクロリド、4−(t−ブチル)ベンジルクロリド、
4−フェニルベンジルクロリド、4−(トリフルオロメ
チル)ベンジルクロリド、4−ニトロベンジルクロリ
ド、ペンタフルオロベンジルクロリド。これら例示化合
物のベンゼン環上の置換基は、本明細書に記載の反応
で、化合物(I )等のベンゼン環上の置換基に誘導され
る。なお、化合物(V )及び、化合物(VII )の脱離基
(各々において、Z または、Y で示されている)がヨウ
素でない時に、反応を速める目的で、触媒量のアルカリ
金属ヨウ化物を使用しても差し支えない。
【0030】使用する塩基として、先に例示した塩基を
使用すればよい。これらの親電子的置換反応では、塩基
の使用量は、式(VI)のカルボン酸エステル誘導体、式
(IV)の5−メチル−4−ヘキセンカルボン酸エステル
誘導体または、式(VIII)の2−フェニルエタンカルボ
ン酸エステル誘導体の置換される水素の当量を必要とす
る。したがって、塩基の使用量は、塩基と反応溶媒との
組み合わせにより、すなわち、アルカリ金属の低級アル
コキシドと低級アルコール類との組み合わせ、アルカリ
金属水素化合物または、アルカリ金属の有機金属化合物
と、アミド類または、含硫化合物との組み合わせのよう
に、塩基自体もしくは、活性メチレンとアルカリ金属と
の塩が反応混合物に溶解し得る場合には、当量の1.0 〜
1.2 倍モル程度の使用で十分である。他方、アルカリ金
属の炭酸塩または、アルカリ土類金属の酸化物のような
塩基を使用して、それらが反応混合物に難溶である場合
には、反応に悪影響を及ぼさない範囲で過剰量を、通常
は、当量の2.0 〜4.0 倍モル程度を使用することが好ま
しい。
【0031】反応温度として、先に記載した溶媒の凝固
点から沸点までの任意の温度、好ましくは、0 〜100
℃、より好ましくは50〜90℃を使用できる。反応時間
は、通常、0.5 〜10時間程度で出発原料である基質が消
費されるので、この程度の時間、反応させればよい。
【0032】本明細書に記載の「アルコキシカルボニル
化反応」、「加水分解・脱炭酸(または、脱カルボン
酸)反応」、「エステル化反応」、「開環反応」、「脱
低級アルコール閉環反応」、「脱水脱炭酸閉環反応」及
び、「親電子的置換反応」の生成物を単離する場合に
は、通常用いられる化学操作、例えば、カラムクロマト
グラフィー、再結晶、蒸留、その他の方法を単独で、あ
るいは、これらの方法を適宜組合せて使用することがで
きる。
【0033】このようにして得られる式(I )の5−メ
チル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
誘導体は酸性プロトンを有するので、水素原子が適当な
陽イオンで置換された塩を形成しうる。これらの塩は、
一般に、金属塩、特にリチウム、ナトリウムまたは、カ
リウムを含むアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウ
ムまたは、バリウムを含むアルカリ土類金属塩または、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅または、亜鉛を
含む第1遷移金属との塩、または場合によっては、アン
モニウム塩、アルキル化アンモニウム塩または有機のア
ミン塩であり、そして好ましくは、例えば水、メタノー
ルまたはアセトンのような溶媒中で室温〜100 ℃の温度
において製造できる。化合物(I )の第1遷移金属塩の
製造時に使用する、第1遷移金属の塩として、酢酸塩、
塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、(後の 3種類の塩、塩酸塩、
硝酸塩、硫酸塩を使用する時には、アルカリ金属の酢酸
塩、炭酸塩または、水酸化物を同時に使用するのが好ま
しい。)。上記式(I )の5−メチル−1−フェニル−
ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体または、その塩
を殺菌剤として使用する場合は、そのまま使用すること
もできるが、通常は製剤補助剤とともに、粉剤、水和
剤、粒剤、乳剤などの種々の形態に製剤して使用する。
このとき製剤中に、1種または2種以上の本発明の化合
物(I )または、その塩が、0.1 〜95重量%、好ましく
は、0.5 〜90重量%、より好ましくは、2 〜70重量%含
まれるように製剤する。
【0034】製剤補助剤として使用する担体・希釈剤、
界面活性剤を例示すれば、固体担体として、タルク、カ
オリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、ク
レーなどがある。また、液体希釈剤として、水、トルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン、クロロベンゼン、低級
アルコール類、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドなどがある。界面活性剤はその効果により使いわけ
るのがよい。例えば、乳化剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレートなどが、分散剤としては、リグ
ニンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩な
どが、また湿潤剤としては、アルキルスルホン酸塩、ア
ルキルフェニルスルホン酸塩などを挙げることができ
る。
【0035】前記製剤には、そのまま使用するものと水
等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがあ
る。希釈して使用する時の本発明化合物(I )または、
その塩の濃度は、0.001 〜1.0 %の範囲が望ましい。ま
た、本発明の化合物(I )または、その塩の使用量は
畑、田、果樹園、温室などの農園芸用地1ha あたり、20
〜5000g 、より好ましくは、50〜1000g である。これら
の使用濃度及び使用量は剤型、使用時期、使用方法、使
用場所、対象作物等によっても異なるため上記の範囲に
こだわることなく増減することは勿論可能である。さら
に、本発明の化合物(I )または、その塩は他の有効成
分、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤と組み
合わせて使用することもできる。
【0036】以下に本発明による式(I )の5−メチル
−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導
体または、その塩の製造例、製剤例、殺菌試験例、化合
物(I )を用いた中間体の製造例及び、化合物(I )の
出発原料の製造例によって本発明を具体的に説明する。
なお本発明はその要旨を越えない限り、以下の製造例、
製剤例及び、殺菌試験例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】製造例1 1−(4−クロロフェニル)−2−(メトキシカルボニ
ル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
ジメチルエステル[化合物(I-1 )]の製造 3口フラスコ100ml の中に、濃硫酸25.0g(234mM)を加え
て氷冷し、続いてギ酸600mg(11.7mM) を加えた。次に速
やかにこの中へ、ギ酸2.3g(46.8mM)に溶かした1−(4
−クロロフェニル)−2−(メトキシカルボニル)−5
−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸 メチルエス
テル[化合物(II-1)]3.8g(11.7mM)を加えた。室温下
で72時間撹拌した。反応液を氷水へ加えて反応を終了
し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩
水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下で濃縮し、得られた残分をメタノール15ml
に溶かし、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体を一
滴加えて、室温下で2時間撹拌しメチルエステル化を行
った。反応終了後、メタノールを留去し、得られた残分
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液、ヘキ
サン:酢酸エチル=8:1)に付して精製し、標題化合
物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量2.46g (収率55% ) NMR(CDCl3), δ:1.12(s,3H x 2),1.30 - 1.60(m,4H),2.
4 - 3.0(m,3H),3.53(s,3H),3.57(s,3H x 2),6.97(d,2H,
J=8Hz),7.17(d,2H,J=8Hz)
【0038】製造例2 2−アセチル−1−(4−クロロフェニル)−5−メチ
ル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸 ジメチルエステ
ル[化合物(I-2 )]の製造 3口フラスコ100ml の中に、濃硫酸25.0g(234mM)を加え
て氷冷し、続いてギ酸575mg(11.7mM) を加えた。次に速
やかにこの中へ、ギ酸 2.3g(46.8mM) に溶かした2−ア
セチル−1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4
−ヘキセン−2−カルボン酸 メチルエステル[化合物
(II-2)]3.62g(11.7mM) を加えた。室温下で72時間撹
拌した。反応液を氷水へ加えて反応を終了し、酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル層を飽和重曹水で抽出し、こ
のアルカリ層液を希塩酸で酸性にして、酢酸エチルで再
抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で濃縮
し、得られた残分をメタノール20mlに溶かし、三フッ化
ホウ素・ジエチルエーテル錯体を一滴加えて、室温下で
2時間撹拌しメチルエステル化を行った。反応終了後、
メタノールを留去し、得られた残分をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(展開液、ヘキサン:酢酸エチル=
8:1)に付して精製し、標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量2.37g (収率55% ) NMR(CDCl3), δ:1.10(s,3H x 2),1.32 - 1.64(m,4H),2.
05(s,3H),2.91(d,1H,J=14Hz),3.15(d,1H,J=14Hz),3.54
(s,3H),3.60(s,3H),6.85(d,2H,J=8Hz),7.15(d,2H,J=8H
z)
【0039】製造例3 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[化合物(I-4
)]の製造 2口フラスコ100ml の中に、濃硫酸25.0g(234mM)を加え
て氷冷し、続いてギ酸575mg (11.7mM)を加えた。次に速
やかにこの中へ、ギ酸5.75g(117mM)に溶かした1−(4
−クロロフェニル)−5−メチル−4−ヘキセン−2−
カルボン酸[化合物(II-3)]3.13g(11.7mM) を加え
た。室温下で72時間撹拌した。反応液を氷水へ加えて反
応を終了し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽
和重曹水で抽出し、このアルカリ層液を希塩酸で酸性に
して、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を飽和食塩
水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下で濃縮し、粗生成物として1−(4−クロ
ロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカル
ボン酸[化合物(I-3 )]を得た。この化合物をメタノ
ール20mlに溶かし、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル
錯体を一滴加えて、室温下で2時間撹拌しメチルエステ
ル化を行った。反応終了後、メタノールを留去し、得ら
れた残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
液、ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に付して精製し、
標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量2.4g(収率65% )
【0040】製造例4 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸[化合物(I-3 )]の製造 100ml の3口フラスコに20%水酸化ナトリウム水溶液
30mlとメタノール10mlを入れ、この中に1−(4−クロ
ロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカル
ボン酸 ジメチルエステル[化合物(I-4 )]3.26g(10
mM) を加えた。加熱還流下で2時間撹拌した。反応液か
ら減圧下で水とメタノールを留去し、得られた濃縮物を
ヘキサンで洗浄し、残分を希塩酸で酸性にして、続いて
酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水、水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を
減圧下で留去し、淡黄色粘性油状物の標題化合物を得
た。 標題化合物:淡黄色油状物 収量2.98g (収率100 %) NMR(CDCl3), δ:1.10(s,3H x 2),1.35 - 1.80(m,5H),
2.80 - 3.20(m,2H),6.90 (d,2H,J=8Hz),7.00(d,2H,J=8H
z),10.20(bs,1H)
【0041】製造例5 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[化合物(I-4
)]の製造 100ml の3口フラスコに20%水酸化ナトリウム水溶液
40mlとメタノール20mlを入れ、この中に1−(4−クロ
ロフェニル)−2−(メトキシカルボニル)−5−メチ
ル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸 ジメチルエステ
ル[化合物(I-1 )]3.84g(10 mM)を加えた。加熱還流
下で2時間撹拌した。反応液から減圧下で水とメタノー
ルを留去し、得られた濃縮物をヘキサンで洗浄し、残分
を希塩酸で酸性にして、続いて酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、淡黄色
粘性油状物の粗生成物である1−(4−クロロフェニ
ル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
[化合物(I-3 )]を得た。この化合物をメタノール20
mlに溶かし、三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体を
一滴加えて、室温下で2時間撹拌しメチルエステル化を
行った。反応終了後、メタノールを留去し、得られた残
分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液、ヘ
キサン:酢酸エチル=8:1)に付して精製し、標題化
合物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量2.93g (収率90% ) NMR(CDCl3), δ:1.12(s,3H x 2),1.30 - 1.60(m,4H),2.
4 - 3.0(m,3H),3.53(s,3H),3.57(s,3H),6.97(d,2H,J=8H
z),7.17(d,2H,J=8Hz)
【0042】製造例6 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[化合物(I-4
)]の製造 窒素気流下で、50mlの3口フラスコに28%ナトリウム
メトキシド−メタノール液110.6mg(0.57mM) を入れ、室
温下でこの中に2−アセチル−1−(4−クロロフェニ
ル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
ジメチルエステル[化合物(I-2 )]2.3g(6.3mM) を加
えた。油浴温度80℃で1時間加熱撹拌した後、反応液
からメタノールと酢酸メチルを減圧下で留去し、得られ
た残分に希塩酸を加えて酸性にして、酢酸エチルで抽出
した。酢酸エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、
得られた残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開液、ヘキサン:酢酸エチル=8:1)に付して精
製し、標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量1.43g (収率70% )
【0043】製造例7 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−
2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル[化合物(I-4
)]の製造 100ml の2口フラスコに1−(4−クロロフェニル)メ
チル−3,3−ジメチル−2−オキソシクロペンタンカ
ルボン酸 メチルエステル[化合物(IX-1)]7.0g(23.
73mM) とジメトキシエタン45mlを入れ、さらにこの中に
粉末状の水酸化ナトリウム2.0g(50mM)を加えた。氷水冷
却下で撹拌しながら、水1ml を加えた。2時間、同温度
下で撹拌した。反応液を氷水に入れて、トルエンで抽出
し、未反応物の除去を行い、1−(4−クロロフェニ
ル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸
2−メチルエステル[化合物(I-5 )]のナトリウム塩
水溶液を得た。水層を、塩酸で酸性にして、酢酸エチル
で抽出した。酢酸エチル層を食塩水、水で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去
し、白色固体で、化合物(I-5 )を5.4g得た。これをメ
タノール50mlに溶かして、濃硫酸3ml を加えて、3時間
加熱還流した。反応液を氷水300ml に注ぎ反応を終了し
た。酢酸エチルにて抽出し、酢酸エチル層を飽和重曹
水、食塩水、水の順序で中和、洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残分として標
題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、収量5.5g(収率70.9% )
【0044】製造例8 1−(4−クロロフェニル)メチル−3,3−ジメチル
−2−オキソシクロペンタンカルボン酸 メチルエステ
ル[化合物(IX-1)]の製造 窒素気流下で、50mlの2口フラスコに28%ナトリウム
メトキシド−メタノール液3.32g(17.3mM) を入れ、室温
下でこの中に1−(4−クロロフェニル)−5−メチル
−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸 ジメチルエステル
[化合物(I-4)]5.64g(17.3mM) を20分間で加え
た。油浴温度80℃で1時間加熱撹拌した後、反応液か
らメタノールを常圧下で留去し、得られた残分に水を加
えて酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩
水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を減圧下で留去し、得られた残分を真空蒸留にて精
製し、無色油状物の標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物 沸点142 〜143 ℃/0.7mmHg
、収量4.8g(収率94% ) NMR(CDCl3), δ:0.72(s,3H),1.05(s,3H),1.37〜2.(m,4
H),3.13(s,2H),3.70(s,3H),7.07(d,2H,J=9Hz),7.27(d,2
H,J=9Hz)
【0045】製造例9 5−(4−クロロフェニル)メチル−2,2−ジメチル
−1−シクロペンタノン[化合物(X-1 )]の製造 冷却器の付いた3口フラスコ200ml の中に、1−(4−
クロロフェニル)−5−メチル−ヘキサン−2,5−ジ
カルボン酸[化合物(I-3 )]3.0g(10mM)と粉末状の水
酸化バリウム514mg(3mM)を加えて、マントルヒーターで
徐々に加熱をし、210℃で90分間保った。反応容器
を氷冷し、反応物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧下で濃縮し、得られた残分を真
空蒸留にて精製し、標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、沸点124 ℃/1.0mmHg 、収量
2.0g(収率85% ) NMR(CDCl3), δ:0.83(s,3 x 2H),1.05(s,3H),1.52 - 1.
83(m,4H) 2.25〜3.17(m,3H),6.97(d,2H,J=8Hz),7.17(d,2H,J=8Hz)
【0046】製造例10 2−(メトキシカルボニル)−5−メチル−4−ヘキセ
ンカルボン酸 メチルエステル[化合物(IV-1)]の製
造 窒素気流下にて、200ml の3口フラスコに28%ナトリ
ウムメトキシド−メタノール液19.3g(100.0mM)を入れ、
室温下でこの中に、マロン酸ジメチルエステル[化合物
(VI-1)]13.2g(100.0mM)を10分間で加えた。60℃
で1時間加熱撹拌した後、室温下に戻し、次にプレニル
クロライド[化合物(VII-1 )]10.4g(100.0mM)を10
分間で加えた。60℃にて90分間加熱撹拌した後、反
応容器を室温下に戻し、反応液からメタノールを減圧下
で留去し、得られた残分に水を加え酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得
られた残分を真空蒸留にて精製し、無色油状物の標題化
合物を得た。 標題化合物:無色油状物、沸点72 - 73 ℃/0.6mmHg 、
収量15.5g (収率75% ) NMR(CDCl3), δ:1.47 - 1.77(m,3H x 2),2.53(bt,2H,J=
8Hz),3.33(t,1H,J=8Hz),3.67(s,3H x 2),5.00(m,1H)
【0047】製造例11 1−(4−クロロフェニル)−2−(メトキシカルボニ
ル)−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸 メ
チルエステル[化合物(II-1)]の製造 窒素気流下にて、300ml の4口フラスコに28%ナトリ
ウムメトキシド−メタノール液9.6g(49.8mM)を入れ、室
温下でこの中に、2−(メトキシカルボニル)−5−メ
チル−4−ヘキセンカルボン酸 メチルエステル[化合
物(IV-1)]10.0g(49.8mM) を10分間で加えた。60
℃で1時間加熱撹拌した後室温下に戻し、次に4−クロ
ロベンジルクロリド[化合物(V-1 )]8.02g(49.8mM)
を10分間で加えた。60℃にて2時間加熱撹拌し反応
を終了した。反応液からメタノールを減圧下で留去し、
得られた残分に水を加えて酢酸エチルで抽出した。酢酸
エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残
分を真空蒸留にて精製し、無色油状物の標題化合物を得
た。 標題化合物:無色油状物、沸点146 - 147 ℃/0.5mmHg
、収量15.3g (収率90%) NMR(CDCl3), δ:1.55(bs,3H),1.70(bs,3H),2.45(bd,2H,
J=7Hz),3.13(s,2H),3.63(s,3H x 2),5.00(bt,1H,J=7.0H
z),6.93(d,2H,J=8Hz),7.17(d,2H,J=8Hz)
【0048】製造例12 1−(4−クロロフェニル)−2−(メトキシカルボニ
ル)−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸 メ
チルエステル[化合物(II-1)]の製造 窒素気流下にて、200ml の3口フラスコに水素化ナトリ
ウム1.0g(24.9mM)(油性水素化ナトリウムをヘキサンで
洗浄した)を入れ、この中に無水N,N−ジメチルホル
ムアミド25mlを入れた。室温下でこの中に、2−(メト
キシカルボニル)−5−メチル−4−ヘキセンカルボン
酸 メチルエステル[化合物(IV-1)]5.0g(24.9mM)を
10分間で加えた。続いて60℃で1時間加熱撹拌し
た。室温下に戻し、次に4−クロロベンジルクロリド
[化合物(V-1 )]4.0g(24.9mM)を10分間で加えた。
80℃にて1時間加熱撹拌し反応を終了した。反応液を
氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を
飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残分を真空蒸
留にて精製し、無色油状物の標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、沸点154 - 157 ℃/0.8mmHg
、収量7.48g (収率92%)
【0049】製造例13 2−アセチル−1−(4−クロロフェニル)−5−メチ
ル−4−ヘキセン−2−カルボン酸 メチルエステル
[化合物(II-2)] 窒素気流下で、300ml の3口フラスコに28%ナトリウ
ムメトキシド−メタノール液33.2g (172.2mM) を入れ、
室温下でこの中に、アセト酢酸メチルエステル[化合物
(VI-2)]20g(172.2mM)を15分間で加えた。60℃で
1時間加熱撹拌した後室温下に戻し、次にプレニルクロ
ライド[化合物(VII-1 )]18.0g(172.2mM)を15分間
で加えた。60℃にて90分間加熱撹拌した後、再び室
温下に戻し、28%ナトリウムメトキシド−メタノール
液33.2g(172.2mM)を加えた。60℃にて1時間加熱撹拌
した後、反応容器を室温下に戻し、続いて4−クロロベ
ンジルクロリド[化合物(V-1 )]27.7g(172.2mM)を3
0分間で加えた。60℃にて2時間加熱撹拌し反応を終
了した。反応液からメタノールを減圧下で留去し、得ら
れた残分に水を加えて酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、得られた残分を
真空蒸留にて精製し、無色油状物の標題化合物を得た。 標題化合物:無色油状物、沸点124 - 135 ℃/0.5mmHg
、収量37.8g (収率71%) NMR(CDCl3), δ:1.55(bs,3H),1.68(bs,3H),2.05(s,3H),
2.47(bd,2H,J=7Hz),2.93(d,1H,J=14Hz),3.18(d,1H,J=14
Hz),3.63 (s,3H),4.90(bt,1H),6.85(d,2H,J=8Hz),7.17
(d,2H,J=8Hz)
【0050】製造例14 1−(4−クロロフェニル)−5−メチル−4−ヘキセ
ン−2−カルボン酸[化合物(II-3)]の製造 100ml の3口フラスコに20%水酸化ナトリウム水溶液
30mlとエタノール10mlを入れ、この中に1−(4−クロ
ロフェニル)−2−(メトキシカルボニル)−5−メチ
ル−4−ヘキセン−2−カルボン酸 メチルエステル
[化合物(II-1)]3.0g(9.2mM) を加えた。加熱還流下
で5時間撹拌した。反応液から減圧下で水とエタノール
を留去し、得られた濃縮物をヘキサンで洗浄し、残分を
希塩酸で酸性にして、続いて酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を飽和食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、淡黄色油
状物の標題化合物を得た。 標題化合物:淡黄色油状物、収量1.98g (収率86%) NMR(CDCl3), δ:1.57(bs,3H),1.70(bs,3H),2.40 - 2.9
0(m,3H),3.20(bd,2H,J=7.0Hz),5.07(bt,1H,J=7.0Hz),6.
96(d,2H,J=8Hz),7.02(d,2H,J=8Hz),10.70(bs,1H)
【0051】製剤例 式(I )の5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,
5−ジカルボン酸誘導体を活性成分とする製剤例 を粉砕混合し、散粉として使用する。 を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用する。
【0052】 を均一に混合し更に水を加えて練り合わせ、押し出し式
造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする。 を均一に混合溶解して乳剤とする。
【0053】試験例1 各種病原菌に対する抗菌性試験 本発明による化合物(I-1 )〜化合物(I-4 )の各種植
物病原菌に対する抗菌性を試験した結果を示す。 (1)試験方法:本発明の化合物を、それぞれ所定濃度
となるように、ジメチルスルホキシドに溶解し、その0.
6ml と、60℃前後のPSA(potato, sucrose, agar )
培地60mlを100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャー
レ内に流し固化させた。一方、予め平板培地上で培養し
た供試菌を直径4mmのコルクボーラーで打ち抜き、上記
の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育
適温にて1〜3日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測
定し、薬剤無添加区における菌の成育と比較して、下記
式にしたがい菌糸伸長抑制率を求めた。 L=100(dc−dt)/dc (式中、L=菌糸伸長抑制率(%)、dc=無処理平板
上菌そう直径、dt=薬剤処理平板上菌そう直径をそれ
ぞれ示す。)
【0054】(2)試験結果:得られたLをもとに次の
基準にしたがって、表3の第3表に記載した。 0:40%より低いもの 1:40〜80%のもの 2:80%より大のもの
【0055】
【表3】 表中略号は下記のものを示す。 H.s:イネ小黒菌核病菌(Helminthosporium sigmoideum) R.s:イネ紋枯病菌(Rhizoctonia solani) S.c:菌核病菌(Sclerotinia sclerotirum)
【0056】
【発明の効果】本発明の新規な5−メチル−1−フェニ
ル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体(I )また
は、その塩は、それ自体殺菌剤の有効成分として有用で
ある。さらに、この化合物から農薬または医薬の中間体
を誘導できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 57/60 2115−4H C07C 57/60 69/593 69/593 69/65 69/65 69/738 69/738 Z 201/12 9450−4H 201/12 205/56 9450−4H 205/56 205/61 9450−4H 205/61 253/30 9357−4H 253/30 255/57 9357−4H 255/57

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1の式(I )の5−メチル−1−フェ
    ニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体または、
    その塩。(式中、Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示
    す。R1は、水素または、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキ
    ルを示す。一つの構造式中に、R1または、R2の結合して
    いる基が複数ある時には、各々のR1または、R2は、同一
    でも相異なっていてもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5ア
    ルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまた
    は、ニトロを示す。n は、0 〜5 の自然数を示し、n
    が、2 以上の時には、X は、同一でも相異なっていても
    よい。) 【化1】
  2. 【請求項2】 化2の反応式中、式(II)の1−フェニ
    ル−5−メチル−4−ヘキセン−2−カルボン酸誘導体
    の二重結合に一酸化炭素を付加させてカルボキシル化
    し、次いで、式(III )のC1〜C5アルカノールでエステ
    ルに誘導する式(I-c )の5−メチル−1−フェニル−
    ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体の製造方法。
    (式中、Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示す。Q
    3は、水素、R2COまたは、R2OCO を示す。R1は、水素ま
    たは、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキルを示す。一つの
    構造式中に、R1または、R2の結合している基が複数ある
    時には、各々のR1または、R2は、同一でも相異なってい
    てもよい。また、出発原料と生成物の両方に結合してい
    る基のR1または、R2は、同一でも相異なっていてもよ
    い。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアル
    キル、フェニル、シアノまたは、ニトロを示す。n は、
    0 〜5 の自然数を示し、n が、2 以上の時には、X は、
    同一でも相異なっていてもよい。) 【化2】
  3. 【請求項3】 化3の反応式中、式(I-c )の5−メチ
    ル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘
    導体のエステルの加水分解、さらに必要ならば、加水分
    解・脱炭酸もしくは、脱カルボン酸する、式(I-b )の
    5−メチル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカル
    ボン酸誘導体の製造方法。(式中、Q3は、水素、R2COま
    たは、R2OCO を示す。R2は、C1〜C5アルキルを示す。一
    つの構造式中に、R2の結合している基が複数ある時に
    は、これらの基において、各々のR2は、同一でも相異な
    っていてもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1
    〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまたは、ニトロを
    示す。n は、0 〜5 の自然数を示し、n が、2 以上の時
    には、X は、同一でも相異なっていてもよい。) 【化3】
  4. 【請求項4】 化4の反応式中、式(I-b )の5−メチ
    ル−1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘
    導体の2つのカルボキシルを式(III )のC1〜C5アルカ
    ノールでエステル化する、式(I-a )の5−メチル−1
    −フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸エステル
    誘導体の製造方法。(式中、R2は、C1〜C5アルキルを示
    す。一つの構造式中に、R2の結合している基が複数ある
    時には、各々のR2は、同一でも相異なっていてもよい。
    X は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアルキ
    ル、フェニル、シアノまたは、ニトロを示す。n は、0
    〜5 の自然数を示し、n が、2 以上の時には、X は、同
    一でも相異なっていてもよい。) 【化4】
  5. 【請求項5】 化5の反応式中、式(IX)のシクロペン
    タンカルボン酸エステル誘導体を塩基性条件下、開環
    し、ついで酸で処理をする、式(I-d )の5−メチル−
    1−フェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸 2−
    エステル誘導体の製造方法。(式中、R2は、C1〜C5アル
    キルを示す。一つの構造式中に、R2の結合している基が
    複数ある時には、各々のR2は、同一でも相異なっていて
    もよい。また、出発原料と生成物の両方に結合している
    基R2は、同一でも相異なっていてもよい。X は、ハロゲ
    ン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、
    シアノまたは、ニトロを示す。n は、0 〜5 の自然数を
    示し、n が、2 以上の時には、X は、同一でも相異なっ
    ていてもよい。) 【化5】
  6. 【請求項6】 化6の式(I )の5−メチル−1−フェ
    ニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体または、
    その塩を有効成分として含有することを特徴とする殺菌
    剤。(式中、Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示す。
    R1は、水素または、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキルを
    示す。一つの構造式中に、R1または、R2の結合している
    基が複数ある時には、各々のR1または、R2は、同一でも
    相異なっていてもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキ
    ル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまたは、ニ
    トロを示す。n は、0 〜5 の自然数を示し、n が、2 以
    上の時には、X は、同一でも相異なっていてもよい。) 【化6】
  7. 【請求項7】 化7の式(I-a )の5−メチル−1−フ
    ェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸エステル誘導
    体から、塩基性条件下、式(III )のC1〜C5アルコール
    を脱離させて縮合閉環する、式(IX)のオキソシクロペ
    ンタンカルボン酸エステル誘導体の製造方法。(式中、
    R2は、C1〜C5アルキルを示す。一つの構造式中に、R2
    結合している基が複数ある時には、各々のR2は、同一で
    も相異なっていてもよい。また、出発原料と生成物の両
    方に結合している基のR2は、同一でも相異なっていても
    よい。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロア
    ルキル、フェニル、シアノまたは、ニトロを示す。n
    は、0 〜5 の自然数を示し、n が、2 以上の時には、X
    は、同一でも相異なっていてもよい。) 【化7】
  8. 【請求項8】 化8の式(I-b )の5−メチル−1−フ
    ェニル−ヘキサン−2,5−ジカルボン酸誘導体から、
    熱的に脱水脱炭酸させて縮合閉環する、式(X )のシク
    ロペンタノン誘導体の製造方法。(式中、X は、ハロゲ
    ン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、
    シアノまたは、ニトロを示す。n は、0 〜5 の自然数を
    示し、n が、2 以上の時には、X は、同一でも相異なっ
    ていてもよい。) 【化8】
  9. 【請求項9】 化9の式(II)の1−フェニル−5−メ
    チル−4−ヘキセン−2−カルボン酸誘導体。(式中、
    Q1は、水素、R2COまたは、R1OCO を示す。R1は、水素ま
    たは、R2を示す。R2は、C1〜C5アルキルを示す。一つの
    構造式中に、R1または、R2の結合している基が複数ある
    時には、各々のR1または、R2は、同一でも相異なってい
    てもよい。X は、ハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハ
    ロアルキル、フェニル、シアノまたは、ニトロを示す。
    n は、0 〜5 の自然数を示し、n が、2 以上の時には、
    X は、同一でも相異なっていてもよい。) ただし、Q1がHOCO、R1が水素かつ、n=0 の化合物及び、
    Q1がH5C2OCO、R1がエチルかつ、n=0 の化合物を除く。 【化9】
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JPWO2012169468A1 (ja) * 2011-06-07 2015-02-23 株式会社クレハ シクロペンタノン化合物の製造方法、および中間体化合物
US8975434B2 (en) 2011-06-07 2015-03-10 Kureha Corporation Method for producing cyclopentanone compound, and intermediate compound

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