JP4161331B2 - アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体、その製造方法及び、農薬並びに、医薬としての利用 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、農薬・医薬の有効成分として利用できる、新規なアゾール誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境汚染や薬剤耐性を回避する観点から、新規な殺菌性化合物に対する要望が高まっている。
他方、化3の式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体について報告する文献は知られていない。従って、その有用性についても検討されていなかった。
(式中、X は、ハロゲン原子、 C1〜 C5アルキル基、ハロアルキル基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を示す。nは、0 〜5 の整数を示す。nが2 以上の時には、X は、同一であっても相異なっていてもよい。A は、CHまたはN を示す。Rは、C1〜C5アルキル基を示す。)
【化3】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、上記式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体、その製造方法、農薬・医薬としての利用方法を提供することを課題とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)またはその塩を合成し、この化合物が、農薬や医薬の有効成分として有用であることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】
本発明は次の構成上の特徴を有する。
第1の発明は、化4の式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体に関する。
(式中、X は、ハロゲン原子、C1 〜C5 アルキル基、ハロアルキル基、フェニル基、シアノ基またはニトロ基を示す。nは、0 〜5 の整数を示す。nが2 以上の時には、X は、同一であっても相異なっていてもよい。A は、CHまたはN を示す。Rは、C1〜C5アルキル基を示す。)
【化4】
【0006】
第2の発明は、上記式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体またはその塩を有効成分とする農園芸用殺菌剤に関する。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)において、X はハロゲン、C1〜C5アルキル、C1〜C4ハロアルキル、フェニル、シアノまたはニトロを示し、フッ素、塩素、臭素、フェニル、メチル、1,1−ジメチルエチル、トリフルオロメチルを例示することができる。
なお、X の定義中、ハロアルキルとは、アルキルの1 個以上の水素がハロゲンで置換していることを示す。
n は 0〜 5の整数を示す。好ましいn は、 0〜 2の整数である。n が2 以上の時には、X は同一でも相異なっていてもよい。
Rは、C1〜C5アルキル基を示す。メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピル基(1-メチルエチル基に同じ)、2-メチルプロピル基、3-メチルブチル基を例示することができる。
【0008】
アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)の具体例として、表1の第1表に示すものをあげることができる。
【表1】
第1表
【0009】
上記の第1表及び、実施例における化合物番号の記載方法は、例えば、化合物(1−1)は、式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)に含まれる具体的化合物の1種類を示す。同じように、実施例の製造例1における原料化合物、ビシクロヘキサン−ケト化合物(6−1)は、式(6)のビシクロヘキサン−ケト化合物に含まれる具体的化合物の1種類を示す。
すなわち、各々の化学式の化合物の個々の具体的化合物を示す場合には、化学式の番号を幹番号にして、化合物(幹番号−枝番号)のように記載して、それら個々の具体的化合物を区別するように記載している。
【0010】
式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体は、次のようにして製造することができる。
すなわち、化5の反応式中、式(2)のシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(例えば、特開平1−93574記載の方法で調製できる)を、ハロゲン化して、式(3)のハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体を得る。以下、この工程をハロゲン化反応と記載する。
次に脱ハロゲン化水素を行い、エンド型オレフィン化合物である、式(4)のシクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体を得る。以下、この工程を脱ハロゲン化水素反応と記載する。
次に、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)のエンド型オレフィンのシクロプロパン化を行い、式(5)のビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体を得る。以下、この工程をシクロプロパン化反応と記載する。続いて、ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5)を加水分解・脱炭酸して、式(6)のビシクロヘキサン−ケト化合物を得る。以下、この工程を加水分解・脱炭酸反応と記載する。
(式中、X 、n 及び、Rは、上記と同じ定義内容を示す。Z は、ハロゲン原子を示す。Y は、C1〜C6アルキル基を示す。)
【化5】
【0011】
ついで、化6の反応式中、このビシクロヘキサン−ケト化合物(6)を、アゾリルメチル化反応して、式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体を得る。以下、この工程をアゾリルメチル化反応と記載する。
(式中、X 、n 、A 及び、Rは、上記と同じ定義内容を示す。)
【化6】
【0012】
シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)は、化7の反応式中、ハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3)の脱ハロゲン化反応の際に、副生するエキソ型オレフィン化合物である、式(8)のベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体の異性化反応によっても得られる。
(式中、X 、n 、R及び、Y は、上記と同じ定義内容を示す。)
【化7】
【0013】
ビシクロヘキサン−ケト化合物(6)は、化8の反応式中、ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5)の加水分解・脱炭酸反応の際に、シクロプロパン環の開裂で出来る式(7)のハロメチルシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体の閉環反応でも得られる。
(式中、X 、n 、R及び、Y は、上記と同じ定義内容を示す。Z1は、ハロゲン原子を示す。)
【化8】
【0014】
本明細書に記載の反応は、「ハロゲン化反応」、「脱ハロゲン化水素反応」、「シクロプロパン化反応」、「加水分解・脱炭酸反応」、「アゾリルメチル化反応」、「開環反応」、「閉環反応」および「異性化反応」等のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)を合成する反応からなっている。
これらの反応で溶媒の使用が好ましい時に用いられる溶媒として、下記のものを例示し得る。
水。
酢酸、プロピオン酸などの低級脂肪酸類。
ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類。
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の低級アルコール類。
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類
アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類
ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホンなどの含硫黄化合物。
【0015】
また、本発明の製造方法では、上述の希釈剤に加えて塩基または酸の共存下に反応を行なうこともある。ここで用いる塩基としては下記のものを例示し得る。
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物。
ナトリウムメトキド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドなどのアルカリ金属のアルコキシド。
水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウムなどのアルカリ金属水素化合物。
n−ブチルリチウム等のアルカリ金属の有機金属化合物。
ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属類。
リチウムジイソプロピルアミド等のアルカリ金属アミド類。
トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(以下において、略称のDBUを使用する)等の有機アミン類。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、酪酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ロジウム等のルイス酸を例示し得る。
ハロゲン化試薬としては、塩素、臭素、沃素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、スルフリルクロリドを例示できる。
【0016】
次に本明細書に記載の個々の反応について説明する。
「ハロゲン化反応」
シクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(2)を上記の希釈溶媒液中、ハロゲン化試薬を用いてハロゲン化を行い、ハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3)を得る。
化合物(2)を含めて、化学式中にC1〜C6アルキル基であるY を有する化合物において、Y は、好ましくは、C1〜C4アルキル基であり、メチル基を例示することができる。
反応温度と反応時間に関しては、0℃から150℃、好ましくは室温から100℃を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
「脱ハロゲン化水素反応」
ハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3)を上記の希釈溶媒液(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中、塩化リチウムもしくは、臭化リチウムのような脱ハロゲン化水素試薬と反応させ、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)を得る。
反応温度と反応時間に関しては、室温から200℃、好ましくは室温から100℃を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
「シクロプロパン化反応」
シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)を上記の希釈溶媒液中、ジメチルスルホキソニウムメチリドなどのイリドと反応させ、シクロプロパン化を行い、ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5)を得る。
反応温度と反応時間に関しては、室温から200 ℃、好ましくは室温から130 ℃を反応温度にして、30分から10時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
【0017】
「加水分解・脱炭酸反応」
ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5)の加水分解・脱炭酸反応を、上記の希釈溶媒中、塩基性条件下で行い、ビシクロヘキサン−ケト化合物(6)を得ることが出来る。
塩基としてアルカリ金属塩基、好ましくは、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用する。この時の反応温度は、50℃から還流点、好ましくは80℃から還流点である。
塩基性条件下での反応時間は、10時間から10日間の範囲であって、攪拌下に反応を行うことがより好ましい。
「アゾリルメチル化反応」
ビシクロヘキサン−ケト化合物(6)と、例えば、特開平1−301664記載の方法で、上記の無水系の希釈溶媒中で、1H−1,2,4−トリアゾールもしくは、1H−イミダゾールとを塩基の存在下(好ましくは、アゾールをナトリウム塩として使用)、ジメチルスルホキソニウムメチリドなどのイリドを反応させることにより、目的物であるアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)を得ることができる。
反応温度と反応時間に関しては、0℃から還流点、好ましくは室温から還流点を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
【0018】
「開環反応」
ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5)を、上記の水あるいは酢酸などの希釈溶媒中、ハロゲン化水素を反応させることにより、シクロプロパン環が開環したハロメチルシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(7)が得られる。
化合物(7)において、Z1は、ハロゲン原子を示し、好ましくは、臭素原子を示す。
反応温度と反応時間に関しては、0℃から還流点、好ましくは室温から還流点を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
「閉環反応」
ハロメチルシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(7)を、上記の希釈溶媒中、水素化ナトリウムなどの塩基性化合物を反応させることにより、ビシクロヘキサン−ケト化合物(6)が得られる。
反応温度と反応時間に関しては、0℃から還流点、好ましくは室温から還流点を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
【0019】
「異性化反応」
ハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3)の脱ハロゲン化水素反応では、エンド型オレフィン化合物である、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)とともに、エキソ型オレフィン化合物である、ベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(8)を副生する。
上記の希釈溶媒中、ベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(8)を塩化ロジウム等を異性化触媒に用いて異性化反応させることにより、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4)を得ることが出来る。反応温度と反応時間に関しては、0℃から還流点、好ましくは室温から還流点を反応温度にして、1時間から24時間程反応させることにより目的物を得ることが出来る。
【0020】
本明細書に記載の「ハロゲン化反応」、「脱ハロゲン化水素反応」、「シクロプロパン化反応」、「加水分解・脱炭酸反応」、「アゾリルメチル化反応」、「開環反応」、「環化反応」および「異性化反応」の生成物を単離する場合には、通常用いられる化学操作、例えば、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留、その他の方法を単独で、あるいは、これらの方法を適宣組み合わせて使用することができる。
【0021】
アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)は、1,2,4−トリアゾリル基もしくは、イミダゾリル基を有するので、無機酸、有機酸の酸付加塩や、金属錯体を形成する。したがって、アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)は、酸付加塩や金属錯体の一部として、農薬や医薬の有効成分として使用することもできる。
アゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体(1)には、少なくとも1個の不斉炭素が存在する。したがって、これらの光学異性体の少なくとも1種類を農薬や医薬の有効成分として使用することができる。
化合物(1)の幾何異性体についても、これらの少なくとも1種類を農薬や医薬の有効成分として使用することができる。
【0022】
本発明化合物を農薬の有効成分として使用する場合には、そのまま使用することもできるが、通常は製剤補助剤とともに、粉剤、水和剤、粒剤、乳剤などの種々の形態に製剤して使用する。
このとき製剤中に、1種または2種以上の本発明化合物が0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%、より好ましくは2〜70重量%含まれるように製剤する。
製剤補助剤として使用する担体、希釈剤、界面活性剤を例示すれば、固体担体として、タルク、カオリン、ベントナイト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレーなど。
液体希釈剤として、水、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アルコールなど。
界面活性剤はその効果により使いわけるのがよく、乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなど。
分散剤として、リグニンスルホン酸塩、ジブチルナフタリンスルホン酸塩など、湿潤剤として、アルキルスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩など、をあげることができる。
【0023】
上記製剤には、そのまま使用するものと水等の希釈剤で所定濃度に希釈して使用するものとがある。
希釈して使用する時の本発明化合物の濃度は0.001〜1.0%の範囲が望ましい。
また、本発明化合物の使用量は畑、田、果樹園、温室などの農園芸用地1haあたり、20〜5000g 、より好ましくは50〜1000g である。
これらの使用濃度および使用量は剤形、使用時期、使用方法、使用場所、対象作物等によっても異なるため、上記の範囲にこだわることなく増減することは勿論可能である。
さらに、本発明化合物は他の有効成分、例えば、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤と組み合わせて使用することもできる。
【0024】
次に、本発明化合物を医薬の有効成分として使用する場合について記載する。この場合にも、そのまま使用することもできるが、通常は、製剤補助剤とともに、錠剤、丸剤、粉剤、エリキシル剤、乳剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、噴霧剤、軟膏、ゼラチン軟カプセル、ゼラチン硬カプセル、座薬、滅菌注射用液および滅菌包装粉剤などの種々の形態に製剤して使用する。
【0025】
適当な担体または希釈剤としては、例えば、乳糖、デキストロース、シュクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ゼラチン、シロップ、メチルセルロース、オキシ安息香酸メチル、オキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび水を挙げることができる。また、製剤には滑沢剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、防腐剤、甘味料またはフレーバー等を添加してもよい。
【0026】
医薬品として使用の際には、経口投与の場合は、本化合物を担体および希釈剤と混合して粉剤または散剤としたり、錠剤に打錠したり、ゼラチンカプセルに充填したりすることができる。あるいは、これらの混合物をブドウ糖水溶液、等張性食塩水または滅菌水等の液体に溶解し、静脈投与または注射してもよい。
【0027】
本発明化合物を、例えば抗真菌剤あるいは抗アロマタ−ゼ剤として使用する場合は、剤形中に本化合物を0.01〜500mg、より好ましくは0.1〜300mgの量で含有させて使用することができるので、投与単位剤形に製剤化することが好ましい。
本化合物は広範な用量域で有効である。例えば1日当たり投与量は通常0.005〜100mg/kgの範囲内である。ヒト成人に対する治療時には約0.1〜40mg/kgを1回で、または分割投与するとよい。しかしながら、実際の投与量は個々の患者の年齢、症状の重篤度、並びに投与経路等に照らして医師が決定するので、上記の用量域範囲を越えることもあるが、この場合も本発明の範囲内に含まれる。
【0028】
【実施例】
以下、製造例、製剤例、試験例を示し、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を越えない限り以下の製造例、製剤例および試験例に限定されるものではない。
【0029】
製造例1 1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オール(1−1)の合成
50mlの反応フラスコに1H-1,2,4- トリアゾール・ナトリウム塩1.37g(15mmol) と無水N−メチル−2−ピロリドン10mlを入れ、窒素気流下、油浴温度115 ℃に加熱撹拌した。
所定温度になった時点で、製造例2もしくは、製造例3で合成した、ビシクロヘキサン−ケト化合物(6−1)2.62g(10mmol) を入れた。続いて素早くソジウムt−ブトキシド288mg とトリメチルスルホキソニウムブロマイド(TMSOB)350mgを順次加えた。
続いて同反応温度下で、5分間間隔でTMSOBを同量350mg、3回添加した。3回目添加後、5分間後に、ソジウムt−ブトキシド192mg とTMSOB173mgを順次加えた。続いて5分間間隔でTMSOB を同量173mg を、3回添加した。3回目添加後、5分間後に、ソジウムt−ブトキシド96mgとTMSOB130mgを順次加えた。続いて5分間間隔でTMSOBを同量130mgを、3回添加した。
以上の添加作業が全て終了したのち1時間、同反応温度下で撹拌した。反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、水、食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。減圧下で溶媒を留去し残油状物を2.7g得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマト(和光ゲルC−200、展開液ヘキサン−酢酸エチル=1:1)にて精製し、1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−オール(1−1)を得た。
収量420mg。融点137.5〜138.0℃
NMRスペクトル(250MHz,CDCl3,ppm )
0.10〜0.20(m,1H),0.23 〜0.32(m,1H),0.92,1.05(2d,3H×2,J=7Hz),
1.33〜1.43(m,1H),1.50〜1.63(m,2H),1.73〜1.84(m,2H),
1.98(d,1H,J=14Hz),2.64(d,1H,J=14Hz),2.87(s,1H),
4.23(d,1H,J=14Hz),4.44(d,1H,J=14Hz),6.96(d,2H,J=8Hz),
7.23(d,2H,J=8Hz),8.04(s,1H),8.16(s,1H)
【0030】
製造例2 1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(6−1)の合成
トルエン7mlと25%NaOH200g の中に、製造例4で合成した、ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5−1)116.4g(0.36モル)を加えて80時間還流した。冷却後、塩酸で酸性にし、トルエンで抽出後、溶媒を減圧留去した。これを減圧蒸留にかけ、1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(6−1)を得た。
1mmHg 125〜127℃ 57.7g (収率:61.1%)
NMRスペクトル(CDCl3,ppm )
0.65,0.87(2d,3H ×2,J=6Hz),0.92 〜1.07(m,2H),
1.75〜2.28(m,5H),2.32(d,1H,J=15Hz),3.08(d,1H,J=15Hz),
6.98(d,2H,J=8Hz),7.17 (d,2H,J=8Hz)
【0031】
製造例3 1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(6−1)の合成
▲1▼3−ブロモメチル−2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピルシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(7−1)の合成
以下に記載の製造例4で合成した、ビシクロヘキサン−ケトカルボン酸エステル誘導体(5−1)570mg(1.78mmol) を25%臭化水素酢酸溶液10mlに溶かし、油浴温度120 ℃下で7時間加熱撹拌した。
原料が若干残っていたので48%臭化水素水1ml を添加し同温度下で8時間加熱撹拌し反応を完結させた。
反応液を氷水に注ぎ重曹水で中和後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を食塩水、水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。減圧下で溶媒を留去し、残油状物をシリカゲルカラムクロマト(和光純薬C−200、展開液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製し、
3−ブロモメチル−2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピルシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(7−1)を油状物で得た。
収量570mg (収率93.6% )
NMRスペクトル(CDCl3,ppm )
0.82,0.95(2d,3H ×2,J=6Hz),1.65 〜2.5(m,6H),
2.83〜3.03(m,2H),3.03〜3.60(m,2H),
7.03(d,2H,J=8Hz),7.23(d,2H,J=8Hz)
【0032】
▲2▼1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(6−1)の合成
窒素気流下、水素化ナトリウム87.7mg(3.66mmol,60%水素化ナトリウムをヘキサンで洗浄)を無水テトラヒドロフラン5ml に分散し、この中に油浴温度65℃下で、上の▲1▼で合成した、ハロメチルシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(7−1)500mg(1.462mmol)を無水テトラヒドロフラン1ml に溶かし溶液を加え2時間加熱撹拌した。TLCで原料の消失を確認し、反応物を氷水に注ぎ反応を終了した。酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、残油状物をシリカゲルカラムクロマト(和光ゲルC−200、展開液ヘキサン−酢酸エチル=10:1)にて精製し、1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン(6−1)を油状物として得た。収量370mg (収率96.6%)。
【0033】
製造例4 1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−メトキシカルボニルビシクロ[3.1.0]ヘキサン(5−1)の合成
無水ジメチルスルホキシド4ml に60%水素化ナトリウム144mg(3.60mM) を分散させ、室温下でトリメチルスルホキソニウムブロミド594mg(3.43mM) を5分間を要して加え、その後15分間撹拌した。
続いて、製造例5で合成した、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4−1)1.0g(3.27mM)を、無水ジメチルスルホキシド4ml に溶かし、室温下で5分間を要して加え、その後3時間同温度下で撹拌した。
反応物を氷水に注ぎ反応を終了した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を減圧下で留去し得られた残分をシリカゲルカラムクロマト(和光ゲルC−200、展開液ヘキサン−酢酸エチル=10:1)にて精製し、1−(4−クロロベンジル)−3−イソプロピル−2−オキソ−3−メトキシカルボニルビシクロ[3.1.0]ヘキサン(5−1)を得た。
収量 868mg (収率83.1%)、融点84.5-85.5 ℃
NMRスペクトル(CDCl3 、ppm)
0.53,0.70(2d,3H ×2,J=6Hz),0.87 〜1.07(m,2H),
1.67〜2.23(m,2H),2.27 〜2.63(m,2H),2.63(d,1H,J=15Hz),
3.15(d,1H,J=15Hz),3.63(s,3H),7.02(d,2H,J=8Hz),7.20(d,2H,J=8Hz)
【0034】
製造例5 3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(4−1)の合成
以下に記載の製造例7で合成した、ハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3−1)10g(0.0293mol)を無水ジメチルホルムアミド40mlに溶かし、塩化リチウム1.36g(0.0322mol)を加えて、100 ℃にて2時間加熱撹拌した。
反応物を氷水に注ぎ反応を終了した。
酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を減圧下で留去し、3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(4−1)と、3−(4−クロロベンジリデン)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(8−1)との混合油状物を得た。シリカゲルカラムクロマト(和光ゲルC−200、展開液ヘキサン−酢酸エチル=10:1)にて分離精製し、前画分からベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(8−1)を4.34g と、後画分からシクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4−1)とを4.53g 得た。
化合物(4−1)と(8−1)との合計収率は99.3% 。
【0035】
化合物(4−1):
融点 55.0-55.5
NMRスペクトル(CDCl3 、ppm)
0.65,0.87(2d,3H ×2,J=6Hz),2.15 〜3.30(m,3H),
3.30〜3.50(m,2H),3.63(s,3H),6.90〜7.33(m,5H)
化合物(8−1):
融点 93.0-93.5℃
NMRスペクトル(CDCl3 、ppm)
0.80,0.92(2d,3H ×2,J=6Hz),1.60 〜2.13(m,1H),
2.33〜3.10(m,4H),3.67(s,3H),7.20〜7.53(m,5H)
【0036】
製造例6 3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(4−1)の合成
上の製造例5で得られた、ベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(8−1)1.0g(3.27mmol) を10%含水エタノール3mlに加え、この中に触媒の三塩化ロジウム三水和物160mgを入れ、油浴温度100℃下で17時間撹拌した。この時点で反応を終了した。
減圧下で溶媒を留去し、残分を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した。溶媒を留去し、シクロペンテン−ケトカルボン酸エステル誘導体(4−1)とベンジリデンシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(8−1)との混合物を1.0g 得た。
GC分析の結果、化合物(8−1)と化合物(4−1)との組成比18%対82%であった。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付して精製し、3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(4−1)と、3−(4−クロロベンジリデン)−1−イソプロピル−2−オキソ−3−シクロペンテンカルボン酸メチルエステル(8−1)とを得た。
【0037】
製造例7 3−クロロ−3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(3−1)の合成
3−(4−ベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(2−1)(純度80%)40g(0.137mol) を四塩化炭素200gに溶かし、塩化スリフリル17.5g(0.126mol) を加えて、室温下にて2時間撹拌した。この時点で塩化スリフリルを3.1g追加添加し、さらに室温下で2時間撹拌し反応を終了した。
反応液を重曹水で中和し水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥後、減圧下で四塩化炭素を留去し、残分として高粘稠油状物を得た。ヘキサン−酢酸エチルで固化させ、粗生成物を25g 得た(収率56% )。
これを、ヘキサン200ml −酢酸エチル38mlで再結晶化し、3−クロロ−3−(4−クロロベンジル)−1−イソプロピル−2−オキソシクロペンタンカルボン酸メチルエステル(3−1)を20g 得た。
ヘキサン160ml −酢酸エチル30mlで再度再結晶化し、高純度のハロシクロペンタン−ケトカルボン酸エステル誘導体(3−1)(GC純度 99.68% )を16g 得た。融点118.0-118.5 ℃
NMRスペクトル(CDCl3 、ppm)
0.67,0.82(2d,3H ×2,J=6Hz),1.75 〜2.92(m,5H),
3.15(s,2H),3.68(s,3H),7.18(s,4H)
【0038】
製剤例1:粉剤
を粉砕混合し、散粉として使用する。
【0039】
製剤例2:水和剤
を粉砕混合して水和剤とし、水で希釈して使用する。
【0040】
製剤例3:粒剤
を均一に混合し更に水を加えて練り合わせ、押し出し式造粒機で粒状に加工乾燥して粒剤とする。
【0041】
製剤例4:乳剤
を均一に混合溶解して乳剤とする。
【0042】
試験例1
コムギ赤さび病防除効果試験
角型プラスチックポット(6.4 cm x 6.4 cm) を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林64号)に、製剤例2のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(125mg/l)に希釈懸濁し、100l/10 a の割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギ赤さび病菌の胞子を噴霧接種し、20〜24℃高湿度条件下に24時間保った。その後は温室内で管理した。接種後、10〜14日目にコムギ赤さび病のり病度を調査して、防除価を式1により算出し、結果を表2の第2表に記載した。
(調査基準)
り病度 Peterson氏らのさび病被害率尺度 a)
0 無発病のもの
0.5 1%未満のもの
1 1%以上5%未満のもの
2 5%以上10%未満のもの
3 10%以上30%未満のもの
4 30%以上50%未満のもの
5 50%以上のもの
a):日本植物防疫協会、イネ・ムギ等殺菌剤圃場試験法、111 頁(1990)。
【0043】
【式1】
防除価(%)=(1−散布区のり病度÷無散布区のり病度)×100
【0044】
【表2】
第2表
【0045】
試験例2
コムギうどんこ病防除効果試験
角型プラスチックポット(6.4 cm X 6.4 cm)を用いて栽培した第2葉期のコムギ(品種:農林64号)に、製剤例2のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(125 mg/l)に希釈懸濁し、100 l/ 10 aの割合で散布した。散布葉を風乾した後、コムギうどんこ病菌の胞子をふりかけて接種し、その後は温室内で管理した。接種後、7日目にコムギうどんこ病のり病度を調査して、防除価を式2により算出し、結果を表3の第3表に記載した。
(調査基準)
り病度 発病面積率
0 無発病のもの
0.5 発病面積率1%未満のもの
1 発病面積率1%以上5%未満のもの
2 発病面積率5%以上10%未満のもの
3 発病面積率10%以上30%未満のもの
4 発病面積率30%以上50%未満のもの
5 発病面積率50%以上のもの
【0046】
【式2】
防除価(%)=(1−散布区のり病度÷無散布区のり病度)×100
【0047】
【表3】
第3表
【0048】
試験例3
キュウリ灰色かび病防除効果試験
角型プラスチックポット(6.4 cm X 6.4 cm)を用いて栽培した子葉期のキュウリ(品種:相模半白)に、製剤例2のような水和剤形態のものを、水で所定濃度(125 mg/l)に希釈懸濁し、100 l/ 10 aの割合で散布した。散布葉を風乾した後、灰色かび病菌の胞子液をしみこませたペーパーディスク(直径8mm)を4点置床し、20℃高湿度条件下に保った。 接種後、4日目にキュウリ灰色かび病のり病度を調査して、4点の平均り病度を求めた。防除価を式3により算出し、結果を表4の第4表に記載した。
【0049】
(調査基準)
り病度 発病面積率
0 無発病のもの
0.5 病斑面積率10%未満のもの
1 病斑面積率10%以上20%未満のもの
2 病斑面積率20%以上40%未満のもの
3 病斑面積率40%以上60%未満のもの
4 病斑面積率60%以上80%未満のもの
5 発病面積率80%以上のもの
【0050】
【式3】
防除価(%)=(1−散布区の平均り病度÷無散布区の平均り病度)×100
【0051】
【表4】
第4表
【0052】
試験例4
各種病原菌に対する抗菌性試験
本例は、本発明化合物の各種植物病原性糸状菌に対する抗菌性を試験した結果を示したものである。
試験方法:
本発明化合物を、それぞれ10mg秤量し、ジメチルスルホキシドに溶解した。この溶液0.6ml を60℃前後のPDA 培地60mlに加え、100ml 三角フラスコ内でよく混合し、シャーレ内に流し固化させ、終濃度100mg/l の本発明化合物を含む平板培地を作製した。
一方、予め平板培地上で培養した供試菌を直径4mm のコルクボーラーで打ち抜き、上記の薬剤含有平板培地上に接種した。接種後、各菌の生育適温にて1〜3日間培養し、菌の生育を菌そう直径で測定し、薬剤無添加区における菌の生育と比較して、式4により、菌糸伸長抑制率を求めた。
【0053】
【式4】
R=100(dc−dt)/dc
(式中、R=菌糸伸長抑制率(%)、dc=無処理平板上菌そう直径、dt=薬剤処理平 板上菌そう直径をそれぞれ示す)
【0054】
結果を次の基準にしたがって5段階評価とし、表5の第5表に示した。
生育阻害度
5 菌糸伸長抑制率が90%以上のもの
4 菌糸伸長抑制率が90未満〜70%以上のもの
3 菌糸伸長抑制率が70未満〜40%以上のもの
2 菌糸伸長抑制率が40未満〜20%以上のもの
1 菌糸伸長抑制率が20%未満のもの
【0055】
【表5】
第5表 菌糸生育阻害度
【0056】
第5表中の略号は下記のものを示す。
P.o.; Pyricularia oryzae イネいもち病菌
F.c.; Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum キュウリつる割病菌
G.f.; Gibberella fujikuroi イネばか苗病菌
F.niv.; Fusarium nivale コムギ赤かび病菌
L.n.; Leptosphaeria nodorum コムギふ枯病菌
B.c.; Botrytis cinerea 灰色かび病菌
R.s.; Rhizoctonia solani イネ紋枯病菌
【0057】
【発明の効果】
上記式(1)のアゾリルメチルビシクロヘキサノール誘導体は、新規化合物であって、農園芸用殺菌剤のような農薬の有効成分及び、抗真菌剤あるいは抗アロマターゼ剤のような医薬の有効成分として利用できる。
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