JPH09278669A - 腎炎治療薬 - Google Patents

腎炎治療薬

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JPH09278669A
JPH09278669A JP8095671A JP9567196A JPH09278669A JP H09278669 A JPH09278669 A JP H09278669A JP 8095671 A JP8095671 A JP 8095671A JP 9567196 A JP9567196 A JP 9567196A JP H09278669 A JPH09278669 A JP H09278669A
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JP
Japan
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peptide
cyclic
asp
nephritis
arg
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Application number
JP8095671A
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English (en)
Inventor
Kenichi Yomo
賢一 四方
Hiroshi Makino
博史 槇野
Zensuke Ota
善介 太田
Yoko Tsukamoto
洋子 塚本
Hiromichi Kumagai
博道 熊谷
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】腎炎の治療に有用な薬剤の提供する。 【解決手段】アルギニン−グリシン−アスパラギン酸ま
たはアルギニン−サルコシン−アスパラギン酸なるアミ
ノ酸配列を含むペプチドを有効成分とする腎炎治療薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のペプチドま
たはその薬学的に許容できる塩を有効成分とする腎炎治
療薬に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】アル
ギニン−グリシン−アスパラギン酸なるアミノ酸配列
(以下RGD配列という)を含むペプチド(以下RGD
ペプチドという)は、細胞の細胞外基質への接着に関与
するペプチドとして見いだされ、試験管内評価において
種々の生理活性が見いだされてきた。RGDペプチドの
癌転移阻害効果や血小板凝集阻害効果などについては、
すでに報告され、癌転移阻害剤または抗血栓剤としての
有効性が認められている。また、骨粗鬆症の治療薬の可
能性についても報告されている。しかし、RGD配列を
含む蛋白質の存在は広く生体内で知られており、さらに
多くの薬効が想定される。
【0003】一方、RGDペプチドの生理活性は比較的
低分子量のペプチドであるが故に体内での不安定性、早
い体内クリアランスなどから問題点が多数あった。これ
らの問題を解決するために、線状ペプチドの両末端をペ
プチド結合によって環状化することによって活性の向
上、体内での安定性を高まることが証明されている(本
出願人の出願にかかわる特開平2−174797号公報
参照)。また、このRGD配列におけるグリシン残基の
代わりにサルコシン(すなわち、N−メチルグリシン)
残基が存在するアルギニン−サルコシン−アスパラギン
酸なるアミノ酸配列を含むRGDペプチド類縁体は、R
GDペプチドと同様の生理活性を有することが知られて
いる。さらに本発明者らによってこのRGDペプチド類
縁体を上記のように環状化することによってRGDペプ
チドと同様に活性の向上、体内での安定性を高まること
が証明されている(本出願人の出願にかかわる特開平4
−264097号公報参照)。以下、このRGDペプチ
ド類縁体もRGDペプチドという。
【0004】ペプチド結合により環状化された環状ペプ
チドの合成には液相合成法の他、オキシム樹脂法(W.F.D
eGrado,E.T.Kaiser;J.Org.Chem.,45,1295-1300,1980)を
用いた固相合成法による環状ペプチドの合成が知られて
いる。また、本発明者らによっても固相合成法の改良法
が提案されている(本出願人の出願にかかわる特開平5
−25196号公報参照)。
【0005】このような環状ペプチド合成方法が開発さ
れたことにより、多数の環状ペプチドが短期間に合成さ
れるようになり、高活性あるいは高い特異性を持つ新た
なRGDペプチドの発見が導かれるとともに、新しい生
理活性についての評価が可能となった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、RGDペプチ
ドについて、新たな生理活性を見いだすに至った。本発
明は、この知見に基づくこれらペプチド(およびその
塩)を有効成分とする医薬に関する下記の発明である。
【0007】アルギニン−グリシン−アスパラギン酸ま
たはアルギニン−サルコシン−アスパラギン酸なるアミ
ノ酸配列を含むペプチド、またはそのペプチドの薬学的
に許容できる塩、を有効成分とする腎炎治療薬。
【0008】
【発明の実施の形態】アルギニン−グリシン−アスパラ
ギン酸(Arg-Gly-Asp) なるアミノ酸配列を含むペプチド
およびアルギニン−サルコシン−アスパラギン酸(Arg-S
ar-Asp) なるアミノ酸配列を含むペプチドは前記RGD
ペプチドである。本発明のペプチドは通常の線状構造を
有するペプチドであってもよい。しかし前記した理由に
より、より好ましくは環状のペプチドである。
【0009】本発明におけるペプチドのアミノ酸残基数
は、特に限定されないが、20以下、特に10以下が好
ましい。アミノ酸残基数のより多いペプチドではRGD
等の有効な配列部分が立体障害などで隠されて充分な効
果が発揮されないおそれがある。ただし、(Arg-Gly-As
p) や(Arg-Sar-Asp) なる配列を含む比較的短いアミノ
酸配列(たとえば、アミノ酸残基数5以下の配列)の2
以上の繰り返しからなるペプチドはこの限りではない。
しかし、合成の容易さや安定性からはこの場合であって
もアミノ酸残基数は上記のように短いことが好ましい。
【0010】環状化されたRGDペプチドとして、2つ
のシステイン残基のメルカプト基同士をジスルフィド結
合で結合して環状化した環状のRGDペプチドが知られ
ている。本発明における環状のペプチドはこのような環
状のペプチドであってもよい。しかし、ジスルフィド結
合はペプチド結合に比較して安定性が低いことより、本
発明においてより好ましい環状のペプチドは、下記ペプ
チド結合により環状化されている環状のペプチドであ
る。
【0011】本発明におけるペプチドとして好ましい環
状のペプチドは、ペプチド結合により環状化されている
環状のペプチドである。ペプチド結合はα位のアミノ基
とα位のカルボキシル基が縮合して生成するペプチド結
合のみからなることが好ましい。すなわち、線状ペプチ
ドの両末端(すなわち、N末端とC末端)のα位のアミ
ノ基とα位のカルボキシル基が縮合した構造を有する環
状のペプチドが好ましい。このような環状のペプチドは
末端基(α位のアミノ基やα位のカルボキシル基)が存
在しないことにより、安定性がきわめて高いという特徴
を有する(前記環状ペプチドにかかわる公知例参照)。
【0012】しかし、場合によっては、本発明における
ペプチドは側鎖のアミノ基やカルボキシル基がペプチド
結合することにより生成する環状のペプチドであっても
よい。このような環状のペプチドはα位のアミノ基また
はα位のカルボキシル基が末端基として残存することが
通例であり、安定性の面で上記末端基のない環状のペプ
チドよりも劣ることが少なくない。
【0013】なお、上記の環状のペプチドの説明は合成
法を限定するためのものではない。たとえば環状化はア
ミノ酸配列の任意のアミノ酸残基間で行うことができ
る。たとえば、RGD配列のRとGの間でペプチド結合
を生成して環状化を行うことができる。
【0014】本発明におけるペプチドとしては公知のも
のであってもよい。環状のペプチドとしては、たとえ
ば、前記特開平2−174797号公報や特開平4−2
64097号公報に記載されている環状のペプチドが好
ましい。特に好ましい環状のペプチドは、このような線
状ペプチドのN末端のα位のアミノ基とC末端のα位の
カルボキシル基が縮合した構造を有する環状のペプチド
であり、以下このようなタイプの環状のペプチドを単に
環状ペプチドという。具体的な環状ペプチドとして特に
好ましいものは環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2、環状[-Gly-
Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-] 、および環状[-Arg-Gly-As
p-Phg-]2から選ばれるアミノ酸配列を有する環状ペプチ
ドである。なお、環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2とは-Arg-S
ar-Asp-Phg- なる配列が2度繰り返してなるアミノ酸配
列(すなわち、-Arg-Sar-Asp-Phg-Arg-Sar-Asp-Phg- な
る配列)が環状化された構造のものをいう。環状[-Arg-
Gly-Asp-Phg-]2においても同様である。
【0015】本発明におけるペプチドは側鎖にカルボキ
シル基を有し、またアミノ基などの塩基性基を有する場
合もあることより、このペプチドの塩を形成させること
ができる。本発明においてこのペプチドの薬学的に許容
できる塩もまた腎炎治療薬として有用である。塩として
は、たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム
塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、こは
く酸塩などがある。
【0016】本発明におけるペプチドの投与量として
は、特に限定されないが、 0.1〜500mg/kg、特に1〜20
0mg/kgが適当である。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこの実施例に限られるものではない。
なお、以下の実施例においては、アミノ酸、保護基、活
性基などについてIUPAC-IUB Comission on Biological
Nomenclatureに基づく慣用記号で表示した。それらおよ
び他の略号を下記に例示する。
【0018】Asp;アスパラギン酸、 Arg;アルギニ
ン、 Gly;グリシン、 Sar;サルコシン、 Phg;フェニ
ルグリシン、 Boc;t-ブトキシカルボニル、OBzl;ベン
ジルエステル、 Bop;ベンゾトリアゾル−1−イル−オ
キシ−トリス(ジメチルアミン)フォスフォニウムヘキ
サフルオロフォスフェイト、HOBt;p-ヒドロキシベンゾ
トリアゾール、 DCC;N,N-ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、ONSu;N-ヒドロキシスクシンイミド、 WSC.HCl;
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩、 TFA;トリフルオロ酢酸、DIEA;N,
N-ジイソプロピルエチルアミン、 OcHex;シクロヘキシ
ルエステル、 Tos;p-トルエンスルホニル基、 DCM;ジ
クロロメタン、EtOH;エタノール、 DMF;ジメチルホル
ムアミド、HPLC;高速液体クロマトグラフィ。
【0019】(例1:固相法による環状ペプチド合成)
Boc-Phg(0.5mmol)をDCM に溶解し、0.5mmol のDCC を加
えて氷冷下20分間撹拌した。生じたウレアを濾去し、あ
らかじめDCM で膨潤した0.5gのオキシム樹脂を入れた反
応容器に入れ、一晩振盪した。DCM 、DCM/EtOH(1:1) 、
DCM で各2回ずつ洗浄し、減圧下溶媒を充分に除去し
た。Gisin テストによりオキシム樹脂に導入されたBoc-
Phg の量を測定した結果、1g の樹脂当たり0.5mmol で
あった。アミノ酸カップリングは以下のような方法で行
った。
【0020】Boc 基の除去は樹脂を25%TFA/DCMで30分間
振盪することにより行った。30分後、DCM 2回、イソプ
ロパノール1回、DCM 4回の洗浄を行い、カイザーテス
トによりBoc 基の除去を確認した。次にカップリングす
るアミノ酸3倍当量をDMF に溶解し、Bop 試薬3倍当量
を加え溶解させた。このDMF 溶液を反応容器に入れ、撹
拌後、6.5 倍当量のDIEAを加えてさらに撹拌後、30分間
振盪して反応させた。反応後、DCM で2回、DMF で4回
洗浄しカイザーテストで反応終了を確認した。上記の方
法により、順にBoc-Asp(OcHex)、Boc-Gly 、Boc-Arg(To
s)をカップリングし、最後にBoc-Arg(Tos)のBoc 基を同
様に除去し、カイザーテストによりそのBoc 基の除去を
確認した。
【0021】オキシム樹脂上に形成されたペプチドに対
して酢酸とトリエチルアミンを2倍当量(0.6mmol) ずつ
DMF に加え、そのDMF 溶液を反応容器に加えて15時間振
盪した。反応後、樹脂をDMF で洗浄し、洗液を集めて減
圧濃縮した。残渣に水を加え、固化させ、これを濾取し
て充分乾燥した。全回収率は70% であった。これをフッ
酸により脱保護し、HPLCを用いたODS カラムにより精製
を行い、純度95% 以上の分画を得た。得られた環状[-Ar
g-Gly-Asp-Phg-]2を生理活性評価に供した。
【0022】同様の方法により環状[-Arg-Sar-Asp-Phg
-]2、および環状[-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-] の
合成を行った。
【0023】(例2:液相法による環状ペプチド合成)
以下の方法で環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2を液相法により
大量に合成した。カップリングは、WSC.HCl とHOBtを用
いて行い、反応後の後処理は常法に従って行った。ま
た、Boc 基はTFA により除去した。
【0024】Boc-Arg(Tos)1.5mmol とSar-OBzl 1.8mmol
をカップリングした(収率75% )。さらにBoc-Phg 、Bo
c-Asp(OcHex)を順にカップリングし、Boc-D(OcHex)PhgR
(Tos)Sar-OBzl を得た(収率46% )。Pd炭素触媒と水素
を用いた接触還元によりベンジル基を除去し(収率84%
)、さらにWSC.HCl によりカルボキシル基をONsu化し
た(収率77% )。TFA によりBoc 基を除去した後、DMF
に溶解し55℃のピリジン(500cm3)中に滴下した。滴下
終了後、55℃で8時間反応させた。反応終了後、減圧下
溶媒を除去し、残渣に水を加え固化した。水で洗浄、濾
取した後充分に乾燥させた。全収率は23.8% であった。
フッ酸により脱保護した後、HPLCにより精製し、アミノ
酸分析と質量分析により、これが環状[-Arg-Sar-Asp-Ph
g-]2であることを確認した。
【0025】同様の方法により環状[-Arg-Gly-Asp-Phg
-]2、および環状[-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-] の
合成を行った。
【0026】(例3:馬杉腎炎モデルの作製)腎炎の動
物モデルとしては馬杉博士の開発した馬杉腎炎モデルを
用いた(「腎と透析」1991臨時増刊号 202〜206 頁参
照)。
【0027】このモデルはラット腎臓に対するウサギの
抗体(以下抗腎臓抗体という)を作製し、これをラット
に静注することにより、腎炎を惹起させるものである。
このモデルでは、抗腎臓抗体を静注当日より激しい血尿
と蛋白尿を誘起した。発症機序としては、抗腎臓抗体が
糸球体基底膜と反応し、補体活性化が起こり、その結果
白血球が浸潤し糸球体を傷害することが明らかになって
いる。また、この後、抗腎臓抗体に対する抗体をラット
が作ることによって再び糸球体が傷害されることが考え
られている。今回用いたモデルでは、抗腎臓抗体を投与
すると、その直後に激しい蛋白尿が認められた。
【0028】(例4:馬杉腎炎モデルに対するペプチド
の効果)例3に従って作製した馬杉腎炎モデルを用い
て、ペプチドの効果を調べた。雄ラット(体重約100g)
に抗腎臓抗体0.5ml と環状[-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-
Ala-] ペプチドの2.5mg/bodyまたは5mg/bodyとを静注投
与し、その後6時間おきに3回ペプチドのみを1回あた
り2.5mg/bodyまたは5mg/body静注投与した。コントロー
ルとして生理活性のないペプチドを上記環状ペプチドの
代りに用いて上記と同様に投与した。これらについて最
初の投与から24時間後に観察ないし測定を行った。
【0029】その結果、コントロール群のラットでは、
抗腎臓抗体静注後、肉眼的にも顕著な血尿を認めるとと
もに蛋白尿も多かったのに対し、ペプチド投与群では蛋
白尿、血尿ともに顕著に抑制されていた。図1にその結
果を示す。図1はペプチド投与量と尿蛋白量(mg/24hr)
を示すグラフである。
【0030】また、腎糸球体の顕微鏡観察により、環状
[-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-]ペプチドを投与しな
いコントロール群では腎糸球体内に著明な血栓形成と組
織障害が認められるのに対し、ペプチド投与群ではこれ
らが抑制されている像が観察された。また、糸球体腎炎
の進展に血小板凝集が重要な役割を果していることが知
られており、この血小板の凝集に伴い活性化された血小
板から放出される様々な物質が、糸球体の細胞を傷害す
ることなどが知られている。血小板の凝集は、刺激によ
り活性化されたインテグリンGpIIb/IIIaがフィブリノー
ゲンと結合することによって起こる。フィブリノーゲン
抗体により糸球体を染色するとコントロール群では明ら
かに糸球体基底膜上にフィブリノーゲンの沈着が認めら
れたのに対し、ペプチド投与群ではその沈着が抑制され
ていることが認められた。
【0031】(例5:腎疾患モデルに対するペプチドの
効果)ラットに抗腎臓抗体を投与した後に LPS(リポポ
リサッカライド)を投与すると、ヒトのhemolytic urem
ic syndrome(HUS)類似の病態を呈する。雄ラット(体重
約100g)に抗腎臓抗体1mlを静注投与し、24時間後にLP
S 0.5mg と環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2ペプチド2mg/bod
y を静注投与し、その後6時間おきに3回ペプチドのみ
を1回あたり2mg/body 静注投与した。コントロールと
して生理活性のないペプチドを上記環状ペプチドの代り
に用いて上記と同様に投与した。これらについてLPS の
投与から24時間後に観察ないし測定を行った。
【0032】その結果、環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2ペプ
チドが炎症を顕著に抑制することを見い出した。本試験
における末梢血の血小板凝集の測定結果を図2に示す。
この図に示すようにコントロール群に対してペプチド投
与群では末梢血の血小板凝集抑制の割合(%)が向上し
ていることがわかる。また、図3に本試験におけるクレ
アチニンクリアランス量(μl/分)を図4に尿蛋白量
(mg/24hr)を示す。図に示すようにコントロール群に対
してペプチド投与群では有意にクレアチニンクリアラン
スが早く、蛋白尿も抑制された。
【0033】
【発明の効果】例4および5に示すように、RGDペプ
チドは腎炎の治療に有効であり、特に環状のRGDペプ
チドは顕著な効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】RGDペプチドの投与量と尿蛋白量の関係を示
すグラフ。
【図2】RGDペプチドの投与と血小板凝集抑制の関係
を示すグラフ。
【図3】RGDペプチドの投与とクレアチニンクリアラ
ンスの関係を示すグラフ。
【図4】RGDペプチドの投与と尿蛋白量の関係を示す
グラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 博道 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルギニン−グリシン−アスパラギン酸ま
    たはアルギニン−サルコシン−アスパラギン酸なるアミ
    ノ酸配列を含むペプチド、またはそのペプチドの薬学的
    に許容できる塩、を有効成分とする腎炎治療薬。
  2. 【請求項2】ペプチドが、アミノ酸残基数20以下のペ
    プチドである、請求項1の腎炎治療薬。
  3. 【請求項3】ペプチドが、N末端とC末端とがペプチド
    結合により環状化されている環状ペプチドである、請求
    項1または2の腎炎治療薬。
  4. 【請求項4】環状[-Arg-Sar-Asp-Phg-]2、環状[-Gly-Ar
    g-Gly-Asp-Ser-Pro-Ala-] 、および環状[-Arg-Gly-Asp-
    Phg-]2から選ばれるアミノ酸配列を有する環状ペプチド
    を有効成分とする腎炎治療薬。
JP8095671A 1996-04-17 1996-04-17 腎炎治療薬 Pending JPH09278669A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998027112A1 (de) * 1996-12-19 1998-06-25 Merck Patent Gmbh Cyclopeptidderivate

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