JPH09277926A - 鉄道車両用ブレーキ装置 - Google Patents

鉄道車両用ブレーキ装置

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JPH09277926A
JPH09277926A JP11838196A JP11838196A JPH09277926A JP H09277926 A JPH09277926 A JP H09277926A JP 11838196 A JP11838196 A JP 11838196A JP 11838196 A JP11838196 A JP 11838196A JP H09277926 A JPH09277926 A JP H09277926A
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Hidenori Kashiwatani
秀憲 柏谷
Katsumi Noda
勝美 野田
Tatsuo Fujiwara
達雄 藤原
Osamu Akamatsu
修 赤松
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成を煩雑化することなく、車軸又は台車毎に
ブレーキ力を制御できる鉄道車両用ブレーキ装置を提供
する。 【解決手段】応荷重弁2が出力する非常ブレーキ圧力
を、消磁状態で連通位置をとる締切電磁弁5及び電磁制
御弁3を介して、ブレーキ受量器1から出力されるブレ
ーキ圧制御信号に応じた圧力で中継弁4に供給する。上
記締切電磁弁5を、非常ブレーキ指令時以外は通電され
ている非常ブレーキ指令線L1に、通常は開成状態に維
持される接点C1を介して接続する。異常検出手段13
がブレーキ制御部11又は圧力制御部12の異常を検出
すると、その異常検出信号に基づいて、上記接点C1を
閉成させ、締切電磁弁5を励磁させて、常用ブレーキ制
御ができないようにする。非常ブレーキ指令がなされる
と、上記非常ブレーキ指令線L1に対する通電を遮断
し、上記締切電磁弁5を消磁させて、異常検出の有無に
かかわらず、非常ブレーキを優先的に作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車軸又は台車毎
に設けられ、車軸又は台車毎に流体圧としてのブレーキ
力を制御できる鉄道車両用ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車軸毎のブレーキ力を制御できる
鉄道車両用ブレーキ装置として、特開平5−29423
7号公報に記載されたものがある。この公報に記載のブ
レーキ装置は、図5に示すように、運転台のブレーキ制
御器101から出力されたブレーキ指令信号を、ブレー
キ力指令変換器102を介して、車両毎に設けられたブ
レーキ制御装置103に入力し、このブレーキ制御装置
103により、車軸毎のブレーキ力を演算し、この演算
の結果得られたブレーキ力指令信号を、各車軸に対応し
て設けられた電空変換弁104に出力し、この電空変換
弁104から出力されるブレーキ圧力を、各車軸毎に設
けられた複式逆止弁105、中継弁106、及び滑走防
止弁107を介して、各車軸毎に設けられたブレーキシ
リンダBCに供給するものである。また、上記ブレーキ
装置には、上記電空変換弁104と並列に、応荷重弁1
08及び非常電磁弁109が設けられており、これら応
荷重弁108及び非常電磁弁109を介して、各複式逆
止弁105に非常ブレーキ圧力を供給できるようになっ
ている。
【0003】このブレーキ装置の作動は以下の通りであ
る。上記ブレーキ制御器101から常用ブレーキが指令
された場合、各車軸毎の電空変換弁104より、そのブ
レーキ力指令信号に見合ったブレーキ圧力が出力され、
複式逆止弁105、中継弁106、及び滑走防止弁10
7を介して、ブレーキシリンダBCにブレーキ圧力が出
力される。また、上記ブレーキ制御器101から非常ブ
レーキが指令された場合、電空変換弁104に非常ブレ
ーキ力指令としてのブレーキ力指令信号が出力され、そ
のブレーキ力指令信号に見合ったブレーキ圧力が出力さ
れるとともに、非常電磁弁109に接続された非常ブレ
ーキ指令線の通電が断たれて、応荷重弁108から非常
ブレーキ圧力が出力される。そして、上記複式逆止弁1
05によって、電空変換弁104からのブレーキ圧力
と、応荷重弁108からの非常ブレーキ圧力とが高位優
先されて、ブレーキシリンダBCにブレーキ圧力が出力
される。なお、滑走制御については、図示しない滑走制
御弁が、常用ブレーキ指令及び非常ブレーキ指令の双方
のブレーキ指令時において行う。
【0004】上記ブレーキ装置は、ブレーキ制御装置1
03に断線等の異常が生じた場合、電空変換弁104へ
のブレーキ力指令信号が断たれ、電空変換弁104が作
動しなくなるのが通例である。従って、運転手によるブ
レーキ制御器101の操作によって、非常ブレーキが指
令された時点で、非常電磁弁109が作動し、応荷重弁
108からの非常ブレーキ圧力が出力される。
【0005】このように、車軸毎に独立してブレーキ力
を制御できるブレーキ装置を用いることにより、ブレー
キ時の軸重移動に伴うブレーキ力配分の制御や、任意車
軸の滑走制御に伴うブレーキ力低下分を、他の車軸のブ
レーキ力で補足して、トータルブレーキ力を確保する制
御を行うことができる。特に近年、車輪の自己再粘着を
期待でき、編成車両全体の速度−引張り力特性、速度−
回生ブレーキ力特性を向上できる可変電圧可変周波数制
御装置(以下「VVVF制御装置」という)を用いて主
電動機を制御する鉄道車両が採用されている。従来、こ
のVVVF制御装置は、複数の主電動機を、一括して制
御するものであった。しかし、車両の高速化、少エネル
ギー化、効率化の観点から、さらに良好な制御を行うた
めに、主電動機毎に独立して個別に制御することが提案
されている。この場合には、主電動機毎にこの主電動機
に対応する車輪の粘着状態に応じて、回生ブレーキ力を
個別に制御するものとなる。
【0006】従って、主電動機の回生ブレーキ力を個別
に制御できるVVVF制御装置を採用した鉄道車両に、
流体圧としてのブレーキ力を車軸毎に制御できる上記ブ
レーキ装置を組み合わせれば、主電動機の回生ブレーキ
力の不足分に一致した流体圧としてのブレーキ力を、そ
の主電動機に対応した車軸のみに補足させることがで
き、回生ブレーキ力との協調性を向上できるものとな
る。なお、上記VVVF制御装置については、車軸又は
台車毎に設けられた主電動機を個別に制御するものであ
るが、車軸毎に設けられた主電動機を、台車単位に制御
する場合もある。台車毎に主電動機が設けられている場
合や、台車単位で主電動機を制御する場合には、ブレー
キ装置についても、台車毎に設ける構成とすればよい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ブレーキ装置は、
従来、流体圧機器である電空変換弁104、複式逆止弁
105、中継弁106、及び滑走防止弁107を車軸単
位で設けた構成であるため、その部品点数が必然的に多
くなる。このため、ブレーキ装置の構造が複雑となっ
て、当該装置が大形化したり、その重量が重たくなった
り、メンテナンスのための労力負担が多くなったりする
という問題があった。この発明は上記問題点に鑑みてな
されたものであり、構成を煩雑化することなく、従来装
置と同じ機能を達成して、個別のブレーキ力を制御でき
る鉄道車両用ブレーキ装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の鉄道車両用ブレーキ装置は、台車又は車両
毎に設けられ、台車又は車両の荷重に応じた最大ブレー
キ力相当の非常ブレーキ圧力を出力する応荷重弁と、車
軸又は台車毎に設けられ、前記応荷重弁からの非常ブレ
ーキ圧力を受けて、ブレーキ受量器から出力されるブレ
ーキ圧制御信号に対応したブレーキ圧力を出力する電磁
制御弁と、この電磁制御弁に接続され、前記ブレーキ圧
力を容量増幅してブレーキシリンダに出力する中継弁
と、前記応荷重弁と電磁制御弁との間に設けられ、消磁
状態で連通位置となり、励磁状態で遮断位置となる締切
電磁弁と、を有し、前記電磁制御弁は、連通、遮断、排
出位置の各位置に切換制御され、消磁状態で前記非常ブ
レーキ圧力を中継弁に供給する連通位置となるものであ
り、前記締切電磁弁は、常時通電され非常ブレーキ指令
時にその通電を断たれる非常ブレーキ指令線に接続され
ており、前記ブレーキ受量器は、ブレーキ指令に応じて
前記電磁制御弁毎のブレーキ力指令信号を出力するとと
もに、車輪の滑走を検知して滑走制御信号を出力するブ
レーキ制御部と、このブレーキ力指令信号、電磁制御弁
又は中継弁の出力圧であるブレーキ圧力のフィードバッ
ク信号、及び前記滑走制御信号を受けて前記ブレーキ圧
制御信号を前記電磁制御弁毎に演算出力する圧力制御部
と、前記ブレーキ制御部及び圧力制御部の故障を検出す
る異常検出手段と、前記非常ブレーキ指令線と締切電磁
弁との間の接続と遮断とを行う接点手段と、前記異常検
出手段の検出信号を受けて、前記圧力制御部の出力を断
つ出力制御手段と、を有し、この接点手段は、常には前
記非常ブレーキ指令線と締切電磁弁との間を遮断状態と
し、前記異常検出手段の検出信号を受けて、前記非常ブ
レーキ指令線と締切電磁弁との間を接続させるものであ
ることを特徴とする。
【0009】上記の構成の鉄道車両用ブレーキ装置によ
れば、ブレーキ指令がなされていないとともに、上記異
常検出手段がブレーキ制御部及び圧力制御部の故障を検
出していない状態では、接点手段が非常ブレーキ指令線
と締切電磁弁との間を遮断している。このため、締切電
磁弁が消磁されて連通位置に維持される。従って、上記
応荷重弁が出力した非常ブレーキ圧力を、上記電磁制御
弁に供給することができる。但し、この状態では、電磁
制御弁を例えば排出位置として、中継弁にブレーキ圧力
が供給されるのを規制しておく。
【0010】そして、上記の状態で、ブレーキ受量器の
ブレーキ制御部に常用ブレーキ指令が入力されると、当
該ブレーキ制御部が、常用ブレーキ制御を行うためのブ
レーキ力指令信号を電磁制御弁毎に出力し、このブレー
キ力指令信号を受けて、圧力制御部が電磁制御弁毎にブ
レーキ圧制御信号を演算出力する。この結果、電磁制御
弁が連通状態に切換えられて、中継弁にブレーキ圧力が
供給される。そして、上記圧力制御部は、上記電磁制御
弁又は中継弁の出力圧であるブレーキ圧力のフィードバ
ック信号に基づいて、電磁制御弁を適宜切換制御して、
電磁制御弁にブレーキ圧制御信号に応じたブレーキ圧力
を出力させる。この結果、上記ブレーキ圧制御信号に応
じたブレーキ圧力を、中継弁によって容量増幅して、対
応するブレーキシリンダに供給することができる。
【0011】また、ブレーキ指令がなされていないとと
もに、上記異常検出手段がブレーキ制御部及び圧力制御
部の故障を検出していない状態で、ブレーキ制御部に非
常ブレーキ指令が入力されると、当該ブレーキ制御部
が、非常ブレーキ制御を行うためのブレーキ力指令信号
を出力し、このブレーキ力指令信号を受けて、圧力制御
部が電磁制御弁毎にブレーキ圧制御信号を演算出力す
る。すると、上記電磁制御弁が連通状態に切換えられ
て、応荷重弁が出力した非常ブレーキ圧力が、中継弁に
供給される。この結果、上記非常ブレーキ圧力を、中継
弁によって容量増幅して、対応するブレーキシリンダに
供給することができる。なお、上記ブレーキ制御部に非
常ブレーキ指令が入力されると同時に、非常ブレーキ指
令線の通電が断たれるが、この非常ブレーキ指令線に接
続された締切電磁弁は、上記接点手段によってもともと
励磁が規制されているので、その動作状態に変化は生じ
ない。
【0012】さらに、上記常用ブレーキ制御又は非常ブ
レーキ制御が行われている状態で、滑走が生じた場合に
は、上記ブレーキ制御部が滑走制御信号を出力し、この
滑走制御信号を受けて、圧力制御部が電磁制御弁毎に滑
走制御のためのブレーキ圧制御信号を演算出力するとと
もに、上記ブレーキ圧力のフィードバック信号に基づい
て、電磁制御弁を適宜切換制御して、対応する中継弁へ
上記滑走制御のためのブレーキ力指令信号に応じたブレ
ーキ圧力を出力する。従って、異常検出手段がブレーキ
制御部又は圧力制御部の故障を検出していない限り、締
切電磁弁、電磁制御弁及び中継弁によって、常用ブレー
キ制御、非常ブレーキ制御及び滑走制御の3機能を制御
することができる。
【0013】一方、ブレーキ制御部及び圧力制御部の少
なくとも一方に断線等の故障が生じ、これを異常検出手
段が検出すると、この検出信号を受けて、上記接点手段
が上記非常ブレーキ指令線と締切電磁弁との間を接続さ
せる。このため、非常ブレーキ指令線を通して締切電磁
弁に通電されて、当該締切電磁弁が励磁される。この結
果、締切電磁弁が遮断状態に切換えられて、応荷重弁と
電磁制御弁との間の空気流路が遮断され、ブレーキ圧力
が中継弁に供給されるのが規制される。また、上記異常
検出手段の検出信号を受けて、出力制御手段が圧力制御
部の出力を断って、電磁制御弁への通電を規制する。そ
してこの状態で、非常ブレーキ指令がなされると、非常
ブレーキ指令線の通電が断たれ、上記締切電磁弁が消磁
して連通状態に切り換わる。この際、上記出力制御手段
によって電磁制御弁への通電が規制されているので、当
該電磁制御弁は連通位置にある。このため、上記応荷重
弁が出力した非常ブレーキ圧力を、中継弁に供給するこ
とができる。従って、上記非常ブレーキ指令に応じて、
非常ブレーキを支障なく作動させることができる。ま
た、ブレーキ受量器に断線等の故障が生じ、これを異常
検出手段が検出したとしても、直ちに非常ブレーキが作
動するおそれがないので、運転手がブレーキ指令を全く
行っていない状態で、不意に非常ブレーキが作動するの
を防止することができる。
【0014】上記の構成のブレーキ装置において、上記
締切電磁弁は、電磁制御弁毎に設けられ、異常検出手段
は、上記電磁制御弁毎のブレーキ圧制御信号の異常を検
出して、対応する締切電磁弁の接点手段に検出信号を送
出するものであるのが好ましく、この場合には、異常検
出手段が、電磁制御弁毎に、つまり車軸又は台車毎に、
ブレーキ圧制御信号の異常を検出し、この異常検出に対
応する締切電磁弁の接点手段に、異常検出信号を送出し
て、当該締切電磁弁と非常ブレーキ指令線とを接続させ
る。このため、上記異常検出に対応する締切電磁弁のみ
を遮断状態に切換えて、当該締切電磁弁に対応するブレ
ーキシリンダにブレーキ圧力が供給されるのを規制する
ことができる。従って、上記異常検出手段が、特定の電
磁制御弁に対応するブレーキ圧制御信号の異常を検出し
た場合でも、他の電磁制御弁と、この電磁制御弁に対応
する締切電磁弁及び中継弁とによって、常用ブレーキ制
御を支障なく行わせることができる。
【0015】上記電磁制御弁は、上記圧力制御部からの
電流値に応じて切換制御される3位置切換電磁弁である
のが好ましく、この場合には、当該電磁制御弁を1個の
弁で構成することができるので、弁構成をより簡素化す
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら詳述する。図1は、この発
明の鉄道車両用ブレーキ装置の一つの実施の形態を示す
概略図である。このブレーキ装置は、車両の車軸毎に設
けられたVVVF制御装置の各々に対応させて、常用ブ
レーキ制御、非常ブレーキ制御、及び滑走制御を行うも
のである。このブレーキ装置は、常用ブレーキ制御、非
常ブレーキ制御、及び滑走制御を行うためのブレーキ圧
制御信号を出力するブレーキ受量器1と、車両の台車に
負荷される荷重に応じた最大ブレーキ力相当の非常ブレ
ーキ圧力を出力する応荷重弁2と、この応荷重弁2から
の非常ブレーキ圧力を受けて、上記ブレーキ受量器1か
ら出力されるブレーキ圧制御信号に応じたブレーキ圧力
を出力する電磁制御弁3と、この電磁制御弁3が出力し
たブレーキ圧力を容量増幅してブレーキシリンダBCに
出力する中継弁4と、上記応荷重弁2と電磁制御弁3と
の間に介在された締切電磁弁5とを備えている。
【0017】上記応荷重弁2は、台車毎に設けられてお
り、同じく台車毎に設けられた一対の空気バネから、当
該台車に負荷される荷重に相当する空気バネ圧力ASが
入力されている。この応荷重弁2は、上記空気バネ圧力
ASに比例し、且つ上記台車に負荷される荷重に応じた
非常ブレーキ力を作用させるために必要な圧力の圧縮空
気を出力する。この出力する圧縮空気は、供給空気溜A
Tより別途供給される(図2参照)。
【0018】上記電磁制御弁3は、車軸毎に設けられて
おり、後述する圧力制御部12からの信号に応じて、連
通、遮断、排出の各位置に切換制御される3ポート3位
置切換弁によってそれぞれ構成されている。この電磁制
御弁3は、消磁状態において連通位置をとる常開形のも
のであり、上記圧力制御部12から供給される小さい電
流によって励磁されると遮断位置をとり、大きい電流に
よって励磁されると排出位置をとる。なお、上記電磁制
御弁3は、中継弁4と一体構成されている(図2参
照)。
【0019】上記中継弁4は、車軸毎に設けらた各電磁
制御弁3のそれぞれに対応させて設けられている。この
中継弁4は、通常のバランス形のものであり、その圧力
室4aが、上記電磁制御弁3を介して締切電磁弁5の出
力ポート51に接続されており(図2参照)、この圧力
室4aに、ブレーキ圧力が供給されることにより、供給
空気溜ATからの圧縮空気が、ブレーキシリンダBCに
供給される。
【0020】上記締切電磁弁5は、車軸毎に設けられた
各電磁制御弁3のそれぞれに対応させて設けられてい
る。この締切電磁弁5は、3ポート2位置切換弁によっ
て構成されており、消磁状態で連通位置となって、応荷
重弁2からの非常ブレーキ圧力が電磁制御弁3に供給さ
れるのを許容し、励磁状態において遮断位置となって、
当該ブレーキ圧力が電磁制御弁3に供給されるのを規制
する。上記締切電磁弁5は、運転台のブレーキ制御器に
接続された非常ブレーキ指令線L1に、後述する接点C
1を介して接続されている。
【0021】上記ブレーキ受量器1には、運転台からの
常用、非常の各ブレーキ指令に応じて、上記電磁制御弁
3毎のブレーキ力指令信号を出力するとともに、車輪の
滑走を検知して滑走制御信号を出力するブレーキ制御部
11と、上記ブレーキ力指令信号、電磁制御弁4の出力
圧であるブレーキ圧力のフィードバック信号、及び上記
滑走制御信号を受けて、上記ブレーキ圧制御信号を電磁
制御弁4毎に演算出力する圧力制御部12と、上記ブレ
ーキ受量器1及び圧力制御部12の故障を検出する異常
検出手段13と、上記ブレーキ受量器1に設けられ、上
記異常検出手段13からの異常検出信号と運転台のブレ
ーキ制御器から出力される非常ブレーキ指令とに基づい
て、上記締切電磁弁5の励磁と消磁とを選択的に行わせ
る締切電磁弁制御手段14とが設けられている。
【0022】上記ブレーキ受量器1のブレーキ制御部1
1には、運転台からのブレーキ指令パターンに応じて、
上記電磁制御弁3毎にブレーキ力指令信号を出力するブ
レーキパターン部11aと、車輪の滑走を検知して上記
電磁制御弁3毎に滑走制御信号を出力する滑走制御部1
1bとが設けられている。上記ブレーキパターン部11
a及び滑走制御部11bは、車両毎に設けられており、
圧力制御部12は、電磁制御弁3毎に、つまり車軸毎に
設けられている。また、上記ブレーキパターン部11a
は、車両又は台車毎に設けられた応荷重器15から、当
該車両の荷重又は台車に負荷される荷重に応じた信号が
入力されるようになっている。さらに、上記ブレーキパ
ターン部11aは、運転台からの常用、非常の各ブレー
キ指令と、上記応荷重器15からの信号とに基づいて、
常用ブレーキ制御及び非常ブレーキ制御を行うためのブ
レーキ力指令信号を車軸毎に演算し、各圧力制御部12
に個別に出力する。なお、上記非常ブレーキ指令に基づ
いてブレーキパターン部11aが出力するブレーキ力指
令信号は、オフ信号である。また、上記滑走制御部11
bは、車速センサからの速度信号を入力として、滑走制
御を行うためのブレーキ力指令信号を車軸毎に演算し
て、各圧力制御部12に個別に出力する。
【0023】上記圧力制御部12は、ブレーキパターン
部11aからのブレーキ力指令信号と、電磁制御弁3が
出力するブレーキ圧力を計測する圧力センサ8からのブ
レーキ圧力フィードバック信号とに基づき、出力部12
aを介して上記電磁制御弁3を切換制御することによ
り、上記中継弁4に出力するブレーキ圧力を、ブレーキ
力指令信号に応じたブレーキ圧力に調整するものであ
る。この圧力制御部12の出力部12aから出力される
ブレーキ圧制御信号は、電流値を変えることによって異
なる信号としたものであり、当該信号に応じて電磁制御
弁3をブレーキ圧制御に必要な位置に切換えることがで
きる。より具体的には、前述したように、電磁制御弁3
を小さい電流値によって遮断位置に切換え、大きい電流
値によって排出位置に切換えるとともに、オフ信号によ
って連通位置に切換える。
【0024】異常検出手段13は、上記ブレーキ制御部
11のブレーキパターン部11a及び応荷重器15の故
障を検出する第1の異常検出部13aと、各圧力制御部
12の故障を当該圧力制御部12毎に検出する第2の異
常検出部13bとを備えており、その出力信号は、上記
締切電磁弁制御手段14に個別に入力されている。上記
第1の異常検出部13aは、ブレーキパターン部11a
を構成するマイクロコンピュータに組み込まれており、
第2の異常検出部13bは、圧力制御部12を構成する
マイクロコンピュータに組み込まれている。この異常検
出手段13は、上記マイクロコンピュータがプログラム
通り作動しているか否か、ブレーキパターン部11aで
演算された通りのブレーキ力指令信号が出力されている
か否か、圧力制御部12で演算された通りのブレーキ圧
制御信号が出力されているか否か、応荷重器15から信
号が入力されているか否か等を判別して、ブレーキパタ
ーン部11a及び圧力制御部12の異常を検出する。
【0025】上記第1の異常検出部13aが出力する異
常検出信号は、オフ信号であり、ブレーキ制御部11a
が正常である限り、オン信号が出力されている。この第
1の異常検出部13aが出力したオン信号は、図示しな
いドライバを介して、締切電磁弁制御手段14に構成さ
れた第1のフェイルセーフリレーFR1の励磁電流とし
て入力されている。従って、第1の異常検出部13aが
異常検出信号(オフ信号)を出力すると、上記第1のフ
ェイルセーフリレーFR1が消磁することになる。
【0026】上記第2の異常検出部13bは、各圧力制
御部12の故障を各圧力制御部12毎に検出できるよう
に、各圧力制御部12のそれぞれに設けられている。こ
の第2の異常検出部13bの異常検出信号は、オフ信号
であり、圧力制御部12が正常である限り、オン信号が
出力されている。上記第2の異常検出部13bが出力し
たオン信号は、図示しないドライバを介して、各圧力制
御部12に対応させて締切電磁弁制御手段14に構成さ
れた第2のフェイルセーフリレーFR2〜FR5の励磁
電流として入力されている。従って、第2の異常検出部
13bの何れかが異常検出信号(オフ信号)を出力する
と、対応する第2のフェイルセーフリレーが消磁するこ
とになる。
【0027】締切電磁弁制御手段14には、上記第1,
第2のフェイルセーフリレーFR1〜FR5の他、各締
切電磁弁5の動作を制御するための接点手段としての第
1のリレーR1〜R4、及び圧力制御部12の出力を断
つ出力制御手段としての第2のリレーR5〜R8が、各
締切電磁弁5毎にそれぞれ構成されている。上記締切電
磁弁制御手段14には、運転台からの非常ブレーキ指令
が非常ブレーキ線L1を通して入力されるようになって
いる。この非常ブレーキ指令は、オン・オフ信号であ
り、非常ブレーキ指令なしの状態で、非常ブレーキ線L
1が通電されており、非常ブレーキ指令が出されると、
その通電状態が断たれるようになっている。また、上記
非常ブレーキ線L1を流れる電流は、第1のリレーR1
〜R4のそれぞれの常閉接点C1〜C4を通して、励磁
電流として締切電磁弁5に入力されるようになってい
る。
【0028】上記第1,第2のリレーR1〜R8は、電
源線L2に対して、第1のフェイルセーフリレーFR1
の常開接点S1及び第2のフェイルセーフリレーFR2
〜FR5のそれぞれの常開接点S2〜S5を介して並列
に接続されている。また、第2のリレーR5〜R8のそ
れぞれの常開接点C5〜C8は、各圧力制御部12に動
作電流を供給するための電源線L3の途中部に介在され
ている。
【0029】上記の構成のブレーキ装置は、運転台から
常用ブレーキ指令及び非常ブレーキ指令が出力されてい
ない状態では、圧力制御部12の出力部12aから電磁
制御弁3に出力されるブレーキ圧制御信号は、大きい電
流値であり、電磁制御弁3は、排出位置に維持されて、
中継弁4からの出力は無く、ブレーキ力は作用しない。
また、この状態で、ブレーキ制御部11及び圧力制御部
12が正常である限り、第1,第2の異常検出部13
a,13bの出力信号がオン信号であり、締切電磁弁制
御手段14の第1のフェイルセーフリレーFR1が励磁
されて、その常開接点S1が閉成状態に維持されるとと
もに、第2のフェイルセーフリレーFR2〜FR5が励
磁されて、その常開接点S2〜S5が閉成状態に維持さ
れる。従って、第1のリレーR1〜R4が励磁状態であ
り、その常閉接点C1〜C4が開成状態に維持されて、
非常ブレーキ線L1を通して各締切電磁弁5に電流が供
給されるのが規制される。この結果、締切電磁弁5が連
通位置に維持される。また、第2のリレーR5〜R8も
励磁状態であり、その常開接点C5〜C8が閉成状態に
維持されて、電源線L3を通して各圧力制御部12に動
作電流が供給される。
【0030】この状態で、通常7段階ある常用ブレーキ
指令のうちの何れかの段階の常用ブレーキ指令が選択さ
れて、ブレーキパターン部11aに入力されると、圧力
制御部12から電磁制御弁3に出力されるブレーキ力指
令信号は、一旦オフとなって、電磁制御弁3を排出位置
から連通位置に切換える。すると、応荷重弁2から非常
ブレーキ圧力が中継弁4の圧力室4aに供給されて、当
該圧力室4aの圧力が立ち上がる。次いで、上記圧力制
御部12が、ブレーキパターン部11aからのブレーキ
力指令信号と、圧力センサ8からのブレーキ圧力フィー
ドバック信号とに基づいて、上記電磁制御弁3を切換制
御することにより、上記中継弁4に出力するブレーキ圧
力を、ブレーキ力指令信号に応じたブレーキ圧力に調整
する。即ち、中継弁4への出力圧が、上記ブレーキ力指
令信号に対応する圧力に達すると、これを圧力センサ8
を介して圧力制御部12が検知して、その出力するブレ
ーキ力指令信号を小電流に切換える。この結果、電磁制
御弁3が遮断位置に切換わり、そのブレーキ圧力が保持
される。従って、上記ブレーキ力指令信号に対応するブ
レーキ圧力がブレーキシリンダBCに供給されることに
なる。
【0031】また、上記選択された常用ブレーキ指令と
異なる段階の常用ブレーキ指令が選択されて、ブレーキ
制御部11に入力されると、圧力制御部12が、ブレー
キパターン部11aからのブレーキ力指令信号に基づい
て、電磁制御弁3を適宜切換えて、中継弁4の圧力室4
aにさらに空気を供給するか、或いは圧力室4aから空
気を排出することにより、圧力室4aの空気圧を、新た
に出力されたブレーキ力指令信号に対応する圧力に調整
して、当該ブレーキ力指令信号に対応するブレーキ圧力
をブレーキシリンダBCに供給する。さらに、上記常用
ブレーキ指令時に滑走が生じると、滑走制御部11bか
らのブレーキ力指令信号に基づいて、圧力制御部12が
電磁制御弁3を適宜切換えて、中継弁4の圧力室3aの
空気を給排させることにより、滑走制御を行う。
【0032】さらに、異常検出手段13が異常を検出し
ていない状態で、ブレーキパターン部11aに非常ブレ
ーキ指令が入力されると、当該ブレーキパターン部11
aが、非常ブレーキ制御を行うためのブレーキ力指令信
号(オフ信号)を出力し、この出力信号に基づいて、圧
力制御部12が、上記電磁制御弁3を排出位置又は遮断
位置から連通位置に切換える。ここに、上記異常検出手
段13が異常を検出していない状態では、常閉接点C1
によって、非常ブレーキ指令線L1を通して各締切電磁
弁5に電流が供給されるのが規制されているので、つま
り締切電磁弁5が連通位置に維持されているので、上記
応荷重弁2が出力した非常ブレーキ圧力を、中継弁4に
供給することができる。この結果、中継弁4の圧力室4
aの圧力が、応荷重弁2の出力する非常ブレーキ圧力ま
で立ち上がり、ブレーキシリンダBCから非常ブレーキ
力が出力される。この非常ブレーキ指令時に滑走が生じ
ると、滑走制御部11bからのブレーキ力指令信号に基
づいて、圧力制御部12が電磁制御弁3を適宜切換え
て、中継弁4の圧力室4aの空気を給排させることによ
り、滑走制御を行う。
【0033】次に、非常ブレーキ指令がなされていない
状態で、ブレーキパターン部11a又は応荷重器15に
異常が生じると、第1の異常検出部13aが異常検出信
号(オフ信号)を出力し、第1のフェイルセーフリレー
FR1が消磁して、その常開接点S1が閉成状態から開
成状態に切換わる。すると、全ての第1のリレーR1〜
R4が消磁して、その常閉接点C1〜C4が開成状態か
ら閉成状態に切換わり、非常ブレーキ指令線L1を通し
て全ての締切電磁弁5に通電される。この結果、全ての
締切電磁弁5が連通位置から遮断位置に切換わり、応荷
重弁2と各電磁制御弁3との間の空気流路が遮断され
て、上記応荷重弁2が出力する非常ブレーキ圧力が、各
中継弁4に供給されるのが規制される。従って、全ての
車軸について、常用ブレーキ制御を行うことができなく
なる。
【0034】この際、第2のリレーR5〜R8も消磁し
て、その常開接点C5〜C8が閉成状態から開成状態に
切換わるので、圧力制御部12にの出力部12a対する
動作電流の供給が遮断される。このため、圧力制御部1
2の出力が断たれ、電磁制御弁3が消磁して連通位置に
切換わる。従って、この状態で、ブレーキパターン部1
1aに非常ブレーキ指令が入力されると、上記非常ブレ
ーキ指令線L1の通電状態が断たれ、全ての締切電磁弁
5が消磁して連通位置に切換わる。この結果、上記第1
の異常検出部13aによる異常検出に優先させて、応荷
重弁2から全ての中継弁4に非常ブレーキ圧力を供給す
ることができる。
【0035】また、非常ブレーキ指令がなされていない
状態で、各圧力制御部12の何れか一つに故障が生じる
と、当該圧力制御部12に対応する第2の異常検出部1
3bが、異常検出信号(オフ信号)を出力し、対応する
第2のフェイルセーフリレー(以下、第2のフェイルセ
ーフリレーFR2と仮定して説明する)が消磁する。す
ると、この消磁した第2のフェイルセーフリレーFR2
の常開接点S2が、閉成状態から開成状態に切換わり、
これによって、第1のリレーR1が消磁して、その常閉
接点C1が開成状態から閉成状態に切換わり、非常ブレ
ーキ指令線L1を通して対応する締切電磁弁5に通電さ
れる。この結果、当該締切電磁弁5が連通位置から遮断
位置に切換わり、応荷重弁2と、上記常閉接点C1に接
続された電磁制御弁3との間の空気流路が遮断されて、
上記応荷重弁2からの非常ブレーキ圧力が、当該電磁制
御弁3に接続された中継弁4へ供給されるのが規制され
る。従って、この状態で常用ブレーキ指令がなされて
も、上記異常が生じた圧力制御部12に対応する車軸に
ついての常用ブレーキ制御を規制することができる。
【0036】この際、第2のリレーR5も消磁して、そ
の常開接点C5が閉成状態から開成状態に切換わるの
で、この常開接点C5に接続された圧力制御部12に対
する動作電流の供給が遮断される。このため、上記圧力
制御部12の出力部12aに対応する電磁制御弁3が消
磁して連通位置に切換わる。従って、この状態で、ブレ
ーキパターン部11aに非常ブレーキ指令が入力される
と、上記非常ブレーキ指令線L1の通電状態が断たれ、
上記締切電磁弁5が消磁して連通位置に切換わる。この
結果、上記第2の異常検出部13bによる異常検出に優
先させて、応荷重弁2から上記電磁制御弁3に対応する
中継弁4に非常ブレーキ圧力を供給することができる。
【0037】上記の構成のブレーキ装置によれば、常用
ブレーキ制御、非常ブレーキ制御及び滑走制御を、各車
軸毎に設けた締切電磁弁5、電磁制御弁3及び中継弁4
によって、各車軸毎に行うことができるので、応荷重弁
2を含む弁の構成数を、従来のブレーキ装置よりも削減
することができる。また、常用ブレーキ圧力を供給する
ための空気流路と、非常ブレーキ圧力を供給するための
空気流路とを、共用しているので、当該空気流路を簡素
化することができる。さらに、上記電磁制御弁3を、3
位置切換電磁弁で構成しているので、弁構成及び空気流
路をさらに簡素化することができるとともに、上記電磁
制御弁3を中継弁4に一体化しているので、弁構成及び
空気流路をより一層簡素化することができる。
【0038】しかも、ブレーキ受量器1のブレーキ制御
部11と圧力制御部12の何れか一つに故障が生じたと
しても、非常ブレーキ指令がなされない限り、非常ブレ
ーキが作動しないので、運転者が全くブレーキ指令を出
していない状態で、上記故障に起因して、突如非常ブレ
ーキが作動するという不都合も生じない。特に、上記の
実施の形態においては、車軸毎に設けられた圧力制御部
12の故障を個別に検出して、故障が検出されたブレー
キ系統の常用ブレーキ制御のみを停止させるようにして
おり、他の正常なブレーキ系統については、引き続き常
用ブレーキ制御を行わせることができるので、車両全体
が非常ブレーキ制御しか行えなくなることによって、当
該車両の運行ができなくなるという事態が生じるのを防
止することができる。
【0039】図3は他の実施の形態を示す概略図であ
る。この実施の形態が図1に示す実施の形態と主に異な
る点は、締切電磁弁5を台車毎に設け、第2のフェイル
セーフリレーFR2〜FR5のそれぞれの常開接点S2
〜S5を、台車毎に直列に接続した点である。この実施
の形態によれば、図1に示す実施の形態に比べて、締切
電磁弁5を1車両につき2個減らすことができるので、
さらに弁構成を簡素化することができるとともに、締切
電磁弁制御手段14の電気的構成も簡素化することがで
きる。
【0040】図4はさらに他の実施の形態を示す概略図
である。この実施の形態が図1に示す実施の形態と主に
異なる点は、応荷重弁2及び締切電磁弁5を車両毎に設
け、第2のフェイルセーフリレーFR2〜FR5のそれ
ぞれの常開接点S2〜S5を、直列に接続した点であ
る。また、この実施の形態においては、車両の前台車に
負荷される荷重に相当する空気バネ圧力及び後台車に負
荷される荷重に相当する空気バネ圧力を、応荷重弁2に
入力して、双方のバネ圧力の平均値に比例する圧力の圧
縮空気を非常ブレーキ圧として出力するようにしてい
る。この実施の形態によれば、図1及び図3に示す実施
の形態に比べて、締切電磁弁5を1車両につき3個減ら
すことができるので、さらに弁構成を簡素化することが
できるとともに、締切電磁弁制御手段14の電気的構成
も簡素化することができる。
【0041】この発明の鉄道車両用ブレーキ装置は、上
記の実施の形態に限定されるものでなく、例えば、電磁
制御弁3を中継弁4と独立して設けること、電磁制御弁
3を二つのオン・オフ型の2位置切換電磁弁で構成する
こと、常用ブレーキ制御、非常ブレーキ制御、及び滑走
制御を、台車単位で行うようにすること、圧力センサ8
によって、中継弁4が出力するブレーキ圧力を検出させ
ること等、種々の設計変更を施すことができる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明の鉄道車両用ブ
レーキ装置によれば、締切電磁弁、電磁制御弁、及び中
継弁によって、常用ブレーキ制御、非常ブレーキ制御、
及び滑走制御の3機能を制御することができるので、そ
の弁構成を煩雑化することなく、且つ従来のブレーキ装
置の機能を損なうことなく、車軸又は台車毎にブレーキ
力を制御することができる。しかも、ブレーキ受量器に
故障が生じたとしても、非常ブレーキ指令が入力されな
い限り、非常ブレーキが作動しないので、運転者の予測
し得ない非常ブレーキが突如として作動するという不都
合が生じるのを防止することができる。
【0043】また、上記締切電磁弁が、電磁制御弁毎に
設けられ、異常検出手段が、上記電磁制御弁毎のブレー
キ圧制御信号の異常を検出して、対応する締切電磁弁の
接点手段に検出信号を送出するものである場合には、車
軸又は台車毎にブレーキ圧制御信号の異常を検出して、
異常が検出されたブレーキ系統の常用ブレーキ制御のみ
を停止させることができるので、他の正常なブレーキ系
統について、引き続き常用ブレーキ制御を行わせること
ができる。このため、車両全体が非常ブレーキ制御しか
行えなくなることによって、当該車両の運行ができなく
なるという事態が生じるのを防止することができる。
【0044】特に、上記電磁制御弁が、上記圧力制御部
からの電流値に応じて切換制御される3位置切換電磁弁
である場合には、当該電磁制御弁を1個の弁で構成する
ことができるので、ブレーキ装置の構造をさらに簡素化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鉄道車両用ブレーキ装置の一つの実
施の形態を示す概略図である。
【図2】台車単位の弁構成を示す概略図である。
【図3】他の実施の形態を示す概略図である。
【図4】さらに他の実施の形態を示す概略図である。
【図5】従来の鉄道車両用ブレーキ装置の一例を示す概
略図である。
【符号の説明】
1 ブレーキ受量器 11 ブレーキ制御部 11a ブレーキパターン部 11b 滑走制御部 12 圧力制御部 13 異常検出手段 2 応荷重弁 3 電磁制御弁 4 中継弁 5 締切電磁弁 BC ブレーキシリンダ L1 非常ブレーキ指令線 R1 第1のリレー(接点手段) R2 第2のリレー(接点手段) R3 第3のリレー(接点手段) R4 第4のリレー(接点手段) R5 第5のリレー(出力制御手段) R6 第6のリレー(出力制御手段) R7 第7のリレー(出力制御手段) R8 第8のリレー(出力制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 朝紀 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 川口 清 東京都国分寺市光町2丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 柏谷 秀憲 北海道札幌市東区苗穂8条2丁目13−33 (72)発明者 野田 勝美 北海道札幌市手稲区稲穂4条3丁目117− 186 (72)発明者 藤原 達雄 神戸市長田区庄山町3丁目1番15号 (72)発明者 赤松 修 明石市二見町東二見1148番地の22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台車又は車両毎に設けられ、台車又は車両
    の荷重に応じた最大ブレーキ力相当の非常ブレーキ圧力
    を出力する応荷重弁と、 車軸又は台車毎に設けられ、前記応荷重弁からの非常ブ
    レーキ圧力を受けて、 ブレーキ受量器から出力されるブレーキ圧制御信号に対
    応したブレーキ圧力を出力する電磁制御弁と、 この電磁制御弁に接続され、前記ブレーキ圧力を容量増
    幅してブレーキシリンダに出力する中継弁と、 前記応荷重弁と電磁制御弁との間に設けられ、消磁状態
    で連通位置となり、励磁状態で遮断位置となる締切電磁
    弁と、を有し、 前記電磁制御弁は、連通、遮断、排出位置の各位置に切
    換制御され、消磁状態で前記非常ブレーキ圧力を中継弁
    に供給する連通位置となるものであり、 前記締切電磁弁は、常時通電され非常ブレーキ指令時に
    その通電を断たれる非常ブレーキ指令線に接続されてお
    り、 前記ブレーキ受量器は、ブレーキ指令に応じて前記電磁
    制御弁毎のブレーキ力指令信号を出力するとともに、車
    輪の滑走を検知して滑走制御信号を出力するブレーキ制
    御部と、このブレーキ力指令信号、電磁制御弁又は中継
    弁の出力圧であるブレーキ圧力のフィードバック信号、
    及び前記滑走制御信号を受けて前記ブレーキ圧制御信号
    を前記電磁制御弁毎に演算出力する圧力制御部と、前記
    ブレーキ制御部及び圧力制御部の故障を検出する異常検
    出手段と、前記非常ブレーキ指令線と締切電磁弁との間
    の接続と遮断とを行う接点手段と、前記異常検出手段の
    検出信号を受けて、前記圧力制御部の出力を断つ出力制
    御手段と、を有し、 この接点手段は、常には前記非常ブレーキ指令線と締切
    電磁弁との間を遮断状態とし、前記異常検出手段の検出
    信号を受けて、前記非常ブレーキ指令線と締切電磁弁と
    の間を接続させるものである鉄道車両用ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】前記締切電磁弁は、前記電磁制御弁毎に設
    けられ、前記異常検出手段は、前記電磁制御弁毎のブレ
    ーキ圧制御信号の異常を検出して、対応する締切電磁弁
    の接点手段に検出信号を送出するものである請求項1記
    載の鉄道車両用ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】前記電磁制御弁が、上記圧力制御部からの
    電流値に応じて切換制御される3位置切換電磁弁である
    請求項1記載の鉄道車両用ブレーキ装置。
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